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Clock(trial)

バレンタインの日ver2023

 
――

テレレンレレン、テレレンレレン、テーレー

上条「だからメガテ○1の夢の導入部すんなや。夢から始まったら『あぁハマーの友達二人だな』って即バレすんだわ」

娘々『おぉ、ある意味勇者カミジョーよ。パンツは装備しないと効果がないぜ』

上条「なに俺全裸がデフォなの?てゆうかドラク○1の時点で『マジで!?』って人は少ないと思う」

ネフテュス『エジプト豆知識――クレオパトラはパンツ履いてない……ッ!』

上条「マジで!?スゲーなそれでも言った意味が分からんわ!」

ネフテュス『パンツという概念がまずなかった。カエサルもそれで堕とされたって説が』

上条「だったらローマにもないだろ。多分女性の有力者と会う機会なかったか、褐色マニアを抉らせたのかのどっちかだよ」

娘々『そして我々も実は……!』

上条「お前ら相手にはちょっと無理、かな。だってお前らは褐色よりも警戒色だもの」

娘々『やろうと思えばチ××ン装備できる……ッ!』

上条「なぁ、だから俺ってどう思われてんの?それ聞いて『マジで!?』って食いつくヤツの癖(へき)ってそうとうニッチだぜ?」

ネフテュス『ジョーク……エジプトジョークなのです少年……』

上条「エジプトさんに怒られね?あぁ見えて超苦労してんだからな?クレオパトラ以後1,900年弱ぐらい外国に支配されてて、独立してから100年経ってねぇんだぞ?」

娘々『だがしかしその最後に支配していた国――もしかして;イギリス……ッ!』
(※に加えてオスマントルコ)

上条「やめろ!誰とは言わないが自虐ギャグをさせたら世界一のテロリストが来っからやめとけ!」

ネフテュス『そんな可哀想な少年にパレンタインプレゼント……はい、どうぞ』

上条「あ、すいませんご丁寧にどうも。夢ん中の物を持ち帰られるのか微妙だが」

娘々『運命に弄ばれる少年よ。オマエが今欲している物をやるぜ』

ネフテュス『安心長期保証……ただし無料とはいってない』

上条「帰っていいかな?お前ら基本的にメリーさんとか口裂け女と一緒で、出くわしたらババ引かされるんだよ」

娘々『誰が行き逢い神だコノヤロー!こっちは由緒正しい祟り神様だぜ!?』

ネフテュス『いや娘々は違う。人から魔神になった地仙。まぁ私もそうだけど』

上条「だからキレるポイントが分からんわ。遊ぶんだったらHAMADURAに遊んでもらえよ。お前らの担当はあっちなんだから」

ネフテュス『そう連れなくするもんじゃないのカミー。これはあなたにとっても良い事なのだから』

娘々『そうだにゃん。うだつの上がらない人生逆転一発ホームランだにゃん』

上条「斬新なあだ名と唐突なキャラ作りで話の半分も入って来ないよ!」

ネフテュス『だからその、あなたの不幸あるじゃない?それをこう反転させるっていうか』

娘々『一日限定だけど全てが上手く行く――っぽい幸運をプレゼント!いやー羨ましいぜこいつー!』

上条「ありがとうございますありがとうございますっ!苦節20年弱……!ついに俺が報われる日がキターーーーーーーーーーーーーーーッ!」

ネフテュス『ま、そういうわけだから頑張って。私達を笑わせ――もとい、見守っているわ』

娘々『神は常にあなたを見ている。いやまぁヒマじゃねーからたまにだけだから』

上条「俺はお前らのオモチャじゃねぇぞ。ハマーやるから好きなだけ遊んでなさいよ」

……

上条「――と、こうしては居られない!たった一日だから俺は有意義に使うぜ!」

インデックス「あ、おはようなんだよとうま」 ザーッ

上条「おはよう、早起きだなインデックス」

インデックス「うん、今日はお祈りする日なんだよ。だから早起きして体をふいてたんだよ」

上条「へー、そんなんやってたんだ。あ、悪かったな。俺が寝てたから風呂場使えなかったか」

インデックス「しゃわーは修道女的にアリかナシかで議論がわかれてるんだよね……『冷水だけなら』派とか『折角あるんだから石鹸も使おう』派とか」

上条「身を清めるって意味では石鹸やシャンプーもありなんだろうが

インデックス「ちなみにおるそら情報だけど、『必要悪の教会』寮での多数派が『ふぁんでーしょんも経費で落としたい』派だって」

上条「意外とシスターって楽しいのか?いつも欠食児童の様相を呈しているアンジェレネ師匠なんか見てると、結構カツカツっぽいんだけど……」

インデックス「きほんてきには修行だからねぇ。あ、おなかが空いたから大盛りでお願いしますっ!」

上条「常に空いてるだろ。用意しちまうから手ぇ洗ってきなさい」

インデックス「はーい、なんだよ!」

……

上条「――あ、すいません。ロト○ください」 ウィーンッ

土御門「どうしたんだぜぃカミやん!?コンビニ入るなり血迷った真似は止すんだ!正気に戻れ!」

上条「おぉっとマガジ○立ち読みしながらご機嫌にdisってくれるじゃねぇか土御門。今週の戦隊大失○どうなった?」

土御門「翡○従一位、ついにデレる」

上条「マジで!?雑誌買って単行本も買わないと!」

土御門「ここは『ちょっと前からデレてただろ』ってツッコミが正解だにゃー」

土御門「つーかマジでどうしたんカミやん?300円をドブに捨てるだなんてカミやんらしくないぜぃ?」

上条「フッ、俺は昨日までの俺とは違う!そして多分明日になったら元通りなんだろうが違うっちゃあ違うんだ!」

土御門「一日だけなんかすんの?ダイエットのチートデイ的な?」

上条「お前には結果をもってコミットしてやるぜ!店員さんロ○を宜しく!」

土御門「いやマジで止めとけって。今結構溜まってっからより幸運の人でもない限りは」

上条「――1等当たったら旅行に行こうぜ、俺のオゴリで、なっ?」

土御門「……あぁうん、カミやんがそう言うんだったらいいけど……」

……

青ピ「――てかロ○6を略してロ○って言うと、別の何かに見えへんかな?ペ○的なアレ」

上条「コンピニで買えるか?」

青ピ「L.○って前売っとぉたような……?どうやったっけ?」

上条「いや掘り下げんなよこんな会話!?別にそこそこ歴史は長いんだから売ってもおかしかねぇけどもだ!」

土御門「青ピからも何か言ってやってくれよ。カミやん今日は何かおかしいんだぜぃ」

青ピ「あぁロ○6事件な。いつものカミやんと違って若干自信に満ち溢れとぉ、か?」

上条「いやいや、俺をイジっていられるのも今のウチだけだぞ?きっと来週の火曜には後悔してる!」

青ピ「スクラッチならまだそこそこ当たるんやけど――ってカミやんどした?」

上条「あ、悪い!教室にサイフ忘れちまった!先行っててくれ!」

……

姫神「あ。上条君だ」

上条「お、どうした姫神こんな所に突っ立って?」

姫神「教室には入れさせない。不動の姫神とは私の事」

上条「本当どうかしたのか?何かのアニメでも影響された?」

姫神「ではなく。吹寄さんが着替えてる。よって立ち入り禁止プリーズ」

上条「着替え?」

姫神「うん。選択授業で制服に墨がかかっちゃったんだって」

上条「うっわ−、落ちにくそう」

姫神「なのでダメ。ゼッタイ」

上条「いや入らんけどもさ。あーじゃあ悪いんだが、あとで俺のカバンからサイフ持って来てくれね?」

姫神「分かった。それじゃあとで」

……

上条「――って痛っ!?」

吹寄「どうしたの上条――って血が出てるじゃない!」

上条「あぁ何か釘かなんかに引っかかったみたいだ」

青ピ(※裏声)「『は、ハヤ○なんてもう知らないんだからなっ!?』」

上条「ありがとう。シームレスで三千院ナ○のツンデレを披露してくれてありがとう。似てもねぇし嬉しくもねぇが」

吹寄「怪我してんのに不謹慎でしょ!」

土御門「言ってやれカミやん。お前の一番酷かった怪我を」

上条「殴って蹴られて右腕引っこ抜かれて再生してそげぶした後に北極海ダイブでロ×に拾われる」

吹寄「どんな反社と戦えばそんなに悲惨な目に遭うの?物語性は高そうだけど属性詰め込みすぎじゃないかしら?」

上条「てか意外と血が……保健室行ってくるわ。絆創膏もらってくる」

土御門「うぃーっす。荷物は運んどくんだにゃー」

……

上条「――すいませーん、絆創膏もらえませんかー?」 ガラガラッ

黄泉川「お、どうしたじゃん上条?元気が取り柄のあんたがサボりじゃん?」

上条「元気すぎて引っかいたらしいです。ほらここ」

黄泉川「あー、ちょっと深めじゃんが、縫うほどじゃないじゃん。つーか痛くないじゃん?」

上条「慣れました」

黄泉川「あぁまぁ……色々なところに首突っ込んでるじゃんね。まぁいいじゃん、お姉さんが治療してやるじゃん」

上条「すいませんお願いします。でも黄泉川先生が保健室なんて珍しいですね。誰かの付き添いですか?」

黄泉川「っていう訳じゃないじゃんよ。こないだあった検診の日に休んだ子が居たじゃん?正しくは雪で遅れたじゃんが」 シュッシュッ

上条「超寒かったですよね」

黄泉川「なので私が急遽検診したじゃんよ。あんたがせもっと早く着いてけば『きゃーえっちー!』だったじゃん?」 ペタッ

上条「いや別にいいっすわ。興味無くはないですけど、その倍ぐらいの力でぶっ飛ばされ、る……」

上条「……ん?あれ?なんだこれ?」

黄泉川「どうかしたじゃん?痛むようだったら早引けして病院行くじゃん?」

上条「あぁいえ痛くは全然ないです。治療ありがとうございました」 ガラガラッ

……

姫神「お帰りなさい上条君。面白い顔をしている。どうかしたの?」

上条「なんか……なんかおかしいんだよな今日――ハッ!?敵の魔術師の攻撃を受けている……ッ!?」

姫神「いいよねJOJ○ゴッコ。最近はスタン○能力がフワッとしているので特定は困難」

吹寄「まぁ上条が遅刻も早退も突然居なくなることもないし、平和といえば平和よね?」

上条「そう、かもしれないな!結局平和が一番って教訓かもしれな――ちょっとごめん俺早退してくる!」

吹寄「いつもに増してテンションがおかしいわ。情緒不安定か」

……

上条「助けてくださいビリビリ!」

御坂「態度が悪い。せめてもっとこうまともに呼び方あるんじゃないの?」

上条「び、ビリビリちゃん様?」

御坂「アレは流石に、引く。よくまぁ企画通ったわよねあの一人称!」

上条「てかお前いつもの自販機キックはどうしたんだよ!?多分そこそこ重めの犯罪になりつつあるアレは!?」

御坂「いや別にあたしも常にやってる訳じゃないわ。今日はコンビニカフェのバレンタインシェイクが飲みたい日なのよ」

上条「……なぁ、ビリビリ。神様のお告げって知ってるか?神様が告げるってことなんだけど」

御坂「説明したせいで余計に分からなくなってる。経験はないけど、そういうのを気に入る人っているわよね。てかあんたも?」

上条「何か今日は一日スッゲー幸運らしいんだよ。お陰で遅刻もしないし、街を歩いてても謎の秘密結社や怪人に襲われなくて助かる」

御坂「ライダ○か。ボランティアで正義の味方でもやって――る、ようなもんよね。既に」

上条「――でも!でも俺は気づいちまったんだ!全てが上手く行くって優しい世界!そこに俺の存在意義はなかったってことに!」

御坂「またなんか大風呂敷広げてきた訳だけど……つまり、何?」

上条「俺は……不幸だ。不幸だったからラッキースケベに遭遇する、つまり――」

上条「――幸運になると自動的にラッキースケベを封印されるって事だったんだよ……ッ!!!」

御坂「あぁあれ不幸の一環だったのね。これっぽっちも興味ないけど」



――後日

上条「ま、まだだ!まだ俺には超幸運ステートの時に勝ったロ○6がある!きっと1等が当たっている筈――」

上条「……うん、カスリもしてねぇですね。なんだこれ」

土御門「……あのな、カミやん?抽選は火曜日にすっから、どれだけ運がが良いときに買っておいても意味がないっていうか、なっ?」

上条「童話作家のアンデルセンは成功を収めた後に数々のパーティに呼ばれた――」

上条「――しかし彼にとって最も楽しく、そして美味しい料理を口にしたのは、子供の頃に家族揃って祝ったクリスマスだと」

上条「つまり――俺もラッキースケベは不幸なんかじゃない!きっと後から思い出せば『あの頃は幸せだったな』って懐かしむような出来事であると!」

土御門「美化が無理矢理が過ぎるんだにゃー。あとカミやんはまだDK(男子高校生)だから許されてるんであって、汚っさんになったら人生アウトーになりかねないぜぃ」

上条「正直今のままでもキツいだろ。そりゃ色々な意味でオイシイと思わなくもねぇが、人間関係がマイナスになんだからな!?」


-終-
(※上条さんの場合、ただ不幸ではなく対人関係(含むラッキースケベ)に全振りしてる説が……ご応募ありがとうございました)



――

テレレンレレン、テレレンレレン、テーレー

娘々『まさかのテンドン導入になってしまった夢の世界へようこそ……!』

ネフテュス『白っぽくて解像度が雑な3Dダンジョン……』

佐天「あっはい。流石に昭和のゲーム知識ないんで、説明台詞ありがとうございます」

娘々『何かこう最近は出番がなくて「フィギュア化だったらあたしでいいんじゃ?」とか思ってる少女よ』

ネフテュス『「ポッと出の金髪巨○に人気集中ってどうなんだろう」とか思ってる少女よ』

佐天「それ人違いです。どっちもあたしではないですね、別の人です」

ネフテュス『おめでとう……あなたは厳選なる審査の結果、ユーザー満足度ナンバーワンに選ばれたわ』

娘々『応募すれば90%以上が優秀賞銅賞を貰えるモンドセレクショ○並の栄誉だぜ』

佐天「おまわりさんこの人達です」

娘々『お前の悩みはよーく分かるんだぜ?ハマーが病院送りになっても「どうせ超復活するんでしょうし、退院祝いと一緒でいいじゃないですか」と誰もお見舞いに来なかったり』

ネフテュス『「はま、づら……?なにそれ滝壺の知り合い?」って言われてるかも知れない……』

佐天「どなたか存じ上げませんが、ハマーさん可哀想!そんな人間性の欠片もない人たちに囲まれて!」

娘々『ちなみに今朝は朝日が登る前に「ダンベ○何キロ」の新台並びに出かけてったぜ?』

ネフテュス『ハマーのパチス×預金は貯蓄が進む一方ね』

佐天「だったら別にいいですかね。特に誰も困らないみたいだし」

ネフテュス『まぁそんな訳であなたは魔神からのプレゼントをゲットする権利を手に入れた……おめでとう』

娘々『やったなお前ついてんじゃん!ラッキーなのな!』

佐天「魔神っていうよりは邪神……あぁまぁ魂と引き換えとか特殊な条件じゃなかったらほしいですが」

ネフテュス『私達を信じて……?』

娘々『うんうん、超安心安心。サメ映画でキャンテンハット被ったやつが出てきたときぐらい安心』

佐天「ほぼ死ぬの確定じゃないですか。もしくは口だけで役に立たないポジキャラ』

ネフテュス『でも逆に考えれば――オイシイ、と言えなくもない……?』

娘々『やっぱりお前ついてんじゃん!ラッキーなのな!』

佐天「悪意の押し売りなのかな?」

娘々『まぁまぁ細かいこたぁいいとしてだ。使う・使わないはお前の勝手、私らはチャンスをくれてやるだけじゃん?』

ネフテュス『自分を信じて……?』

佐天「はぁ、それで何を頂けるんです?」

娘々・ネフテュス『薄い本でお馴染みのエ×媚薬』

佐天「これほど嬉しくないプレゼントってそうないよ!?どう考えてもR18の薄い本のようにドロッドロにするかされるかの二択じゃんか!?」

娘々『チーム☆ラッキ○先生のようなJ○痴女系もありっちゃあり?』

佐天「はいそこ名前を出さないで!『確かに……!』って言う人は居ないから!」

ネフテュス『まぁどう使うのはあなたの自由よ……まさに天使にも悪魔にも心がけ次第、かもしれない……』

佐天「いやあの、悪魔ってパターンは分かるんですけど、エ×媚薬で天使になるルートってあります?」

娘々『まぁ、頑張れ!私ら多分きっと絶対見ているからな!神様だけに!』

ネフテュス『あんまり酷いようだったらリセットするから、まぁうん、最悪は、ねっ?いざって言うときには、ねっ?』

佐天「ちょっと待ってくださいリセットするような危険性があるってことですかコノヤロー」

娘々『ま、そういう感じで――どーん……!』

……

佐天「――掲示板で晒してやる!なんかエ×格好した神様に遭遇したって!」

初春「開幕第一声が超必殺技ですね」

佐天「おは、よう……?あれ?」

初春「もう午後ですし、ここはいつもの風紀委員詰め所ですけどね。おはようございます」

佐天「あぁそう――ハッ!?」 バババッ

初春「寝起きに体操ですか?低血圧だったら逆に良くないですよ」

佐天「衣服に乱れは――ない!」

初春「なんでだよ」

佐天「あ、違った!珍しくツッコみに徹してたもんだからつい!そうじゃなくて何も渡されてなかった!」

初春「だからなんでですか。目覚めて第一発目がボケですか」

佐天「夢見がちょっと悪くて。なんか露出度が高いおねーさんとパンツはいてない系の女の子に絡まれるっていう」

初春「あぁ夢ですね。最近その痴女コンビの目撃例が相次いでますけど、きっとネットニュースか何かで見たのが引っかかってだけかと」

佐天「あーなんか流行ったよね。『この顔を覚えていると殺しに来ちゃう!』的な」

初春「あれのそっくりさんはエッラい風評被害を受けられたかと。どっかで見た感じのおじさんですしね」

佐天「あんまり他人に迷惑かける系の都市伝説はちょっとねぇ。自己責任だけだったらまぁ、なんだけど」

初春「あー、自己責任で思い出しましたが、佐天さんにここのセーフルームの話しましたっけ?」

佐天「え、そんなのあったんだ?アレだよね、シェルターみたいなのだよね」

初春「対犯罪者用のですけどね。最近色々と物騒ですし、えっとここの棚を押しますと」 ガコッ

佐天「『ねんがんのひみつきちをてにいれた!』」

初春「ノリはまぁそうですが。入ってみます?」

佐天「うんお邪魔しまーす」

……

佐天「へー……?意外と広いんだね」

初春「何人かが能力者相手に立てこもれるような設計になっていますから」 ガチャガチャ

佐天「治安が良いのか悪いのか分からないよね」

初春「犯罪件数自体は他と大差無いんですが、何分能力を悪用したアフォが多いもので……」 ゴゴゴゴゴッ

佐天「そう、だね。そうなんだけど……あの、初春さん?ちょっとご質問が」

初春「はい、なんでしょうか」

佐天「何かさっきから厳重にロックしてるっぽい不吉な音が……」

初春「えぇまぁこれで外からは侵入されませんけども、それが何か?」

佐天「いや、何をしてるのかが問題じゃなくて、何のためにやってるのかって……」

初春「――新世界のアダムとイブになりましょう……ッ!!!」 クワッ

佐天「何か錯乱してたな!?もしかしてずっとおかしかった!?」

初春「アダムとイブで男性であるという独自解釈もあるのです!なら女性同士でもいいじゃないですか!」

佐天「ニー○ね?四話目を楽しみにしていたら、また一話目に戻って『こ、これが敵の魔術師の攻撃か!?』って一瞬疑ったやつだよね?」

初春「えぇまぁ深い意味はないんですが、ちょっと脱いで貰えませんか?」

佐天「導入部分下手か!?たまに出るよね初春の雑なところが!」

初春「ちょっとだけですから!私達の学内の噂が現実になるだけですから!」

佐天「それ詳しく。どんな心ない噂が飛び交ってるの?」

初春「『邪魔をするのはよくない、ただ崇めよ』」

佐天「居るんだねユリスキーが!観察側に回りたいって願望の人が!」

初春「まぁ逃げる場所もないんでゆっく――」

白井「―― 『風紀委員』ですの!!!」 ヒュンッ

初春「そげぶっ!?」 パタッ

白井「あなたには黙秘権がありますの。罪状はなんかエ×いことしようとした罪で」

佐天「雑です白井さん、あぁまぁでも助かりました!身の危険は感じなかったんですけど!」

白井「あぁいえいえお気になさらずですわ。まぁ……ここはなんですし、場所を変えますの。手を」

佐天「アッハイ」 ギュッ

……

白井「――成程、初春が突然おかしくなった、と?」

佐天「はい。多分誰かのイタズラ的な能力じゃねぇかと思うんですが……あの、あたしから聞いても?」

白井「はい?なんですの?」

佐天「さっきから手を離してくれないのは一体……?あとここってどこです?打ちっ放しのコンクリの部屋なんですが」

白井「――大変ですわ佐天さん!この部屋から出るにはわたくし達がエ×いことをしないといけないって主催者が!」

佐天「なんて?そんな面白いデスゲームってあります?ないですよね?雑だった初春の導入よりも雑っておかしいですよね?」

佐天「あと主催者はあたしの近くにいると思います。具体的には手を握っている人、なう」

白井「風紀委員だって人の子ですわ!エ×気分になったりまたエ×気分になったり他にもエ×い気分になったりしますの!」

佐天「一択かな。あと発想が中学生男子」

白井「あぁいやわたくしの知り合いの知り合い曰く、『40過ぎても表面上取り繕うのが上手になっただけで、中身はほぼ中二です』って証言が」

佐天「個人差だと思います。きっと40代でももっとこう別のこと考えたりしてると思います、厄年だなぁみたいな?」

白井「まぁ何にせよわたくしが手を取っている以上、佐天さんに逃れられる術はないのですけど」

佐天「しまった……!?PS○版3D格闘ゲームじゃ白井さんには合気っぽい投げ技があるんだった!?」
(※コンボのフィニッシュ技で転倒確定なため結構強い)

白井「さぁ、という訳で新世界のイブとイブになるのですわ……ッ!!!」

佐天「物理的に不可能です。ただまぁさっきのよりは見た目のハードルが下がるけど」

白井「前からちょいちょい思ってましたが、佐天さんもいいカラダしてますわよね?」

佐天「リコールしますよ?多分大体原因は分かるんですが、それ絶対に本音ですよね?」

白井「分かりましたわ――わたくしから脱ぎましょう!」

佐天「その『やれやれしょうがないな』みたいなのやめません?好きでやってるだけですよね、白井さんのたまに出る痴女ムーブは?」

白井「お、お姉様には内緒ですわよ!?これは純粋に性癖だけであって他意はございませんの!」

佐天「超問題発言です。本気でも非常に困惑しますが」

白井「でもわたくしがお姉様以外に興奮するなんて……?」

佐天「そうです白井さん正気を取り戻してください!」

白井「あ、なくもなかったですわね。ちょいちょいありますの」

佐天「これ全部終わったらお話しましょうか?公証人立ててしっかりとした場で」

白井「まぁそういう訳ですので、天井の染みでも数えている間に――あばばはば゛ばばばばばばはっ!?」 ビリビリビリッ

佐天「あだだだだだだ゛だだだだ゛っ!?あたしにも通電、して――」

……

御坂「――もう安心よ佐天さん!あたしが来たからにはね!」

佐天「無理ですよ御坂さん。これもう完全にテンドンの流れじゃないですか」

御坂「初春さんから大体の話は聞いたわ!誰かが差し入れで持ち込んだチョコレートを食べてから何かエ×気分になったんだって!」

佐天「あぁそんな感じはしてましたけど。微妙に白井さんは分かった上で敢えて乗っかってたような……」

御坂「ちなみに佐天さんは大丈夫?食べたりはしなかった?」

佐天「大丈夫です。丁度起きた時には初春がおかしくなってたんで、食べる暇が無かったっていうか」

御坂「そう?ちなみにあたしはついさっき食べたわ」

佐天「あ、そうなんですか?それは災難――」

佐天「………………はい?」

御坂「――さ、始めましょうか!あたし達は新世界のアダムとイブに……!」

佐天「一周回って元の形に落ち着きましたね!あぁまぁ最近のコンプラ的には正解がたった一つとは限りませんし、誰しもが同じ道を歩かなくてもいいっちゃいいですが!」

御坂「日和るのは自由だけど、個人の信仰を他人がどうこうってのは流石に……」

佐天「では逆に聞きますが、♂×♀を同じ記号同士の掛け算にする必要性あります?多様性を認めろって人達に限って、他人の多様性に関しては一切受け入れないっていうね」

御坂「もっとブレーキ踏みなさいよ!久しぶりにツッコミになったんだからもっと強く!」

佐天「なんちゅーかARISAさんにどれだけ負担がかかっていたかを思い知りました!ではそういうことであたしはここで失礼し――って離して下さい!離して!?」

御坂「あの金髪と絡むぐらいだったら佐天さんの方が……!」

佐天「最低な理由か。いいじゃないですかあの金髪の人、チョロインが全面に出ている感じであたしは好きですけど」

初春『――えー、犯人に告ぐー犯人に次ぐー。あなた達は既に包囲されていますよー。これ以上罪が重くなる前に出てらっしゃいー』

御坂「くっ!正気に戻ったら初春さん早いわね!どうする!?」

佐天「自首して下さい。あとあたしは共犯ではないため話を振らないで』

初春『おーいーミサカー。あなたの若作りしてるって評判のおかーちゃんは泣いてますよー』

御坂「誰がよ!?『う、うんいいんじゃない?』ってママの服を誉めなきゃいけない立場にもなりなさい!」

佐天「あぁまぁ誰にだって無理なものは無理ですもんね」

初春『私も暇じゃないんでそろそろ出て来――そげぶっ!?』

佐天「……な、なに?急に静かになりました、よね?」

御坂「罠かもしれないけど――あたしの後ろに!」 ギギィッ

上条「……」

佐天「あぁ御坂さんのお友達ではくお知り合いの方。なんでここに?」

上条「――ここは俺に任せて先に行けえぇぇっ!」

佐天「コイツ――自分の性癖を満たすために妨害を!?」

上条「お幸せに、なっ?」 キリッ

佐天「いやキリっとはしてないです。その汚れた笑顔は『ニチャアァッ』って擬音がつきそうです」

御坂「ありがとう!何か脳が混乱してるけどあたし達幸せになるわっ!」

佐天「いや、あたしが無理です。御坂さんがどうって訳ではなく、普通に普通のお嫁さんになりたいです」

御坂「あ、じゃあ曜日でローテーションを」

佐天「組まないですね」

上条「……hrhrリアルな百○……!」

佐天「御坂さんその人殴って下さい!あたしにはできませんから強く強く!」


-終-
(※この後、魔神さんがきちんとリセットしました。ご応募ありがとうございました)



――通学路

上条「……今日も疲れた。バレンタインだってのに義理しか貰えない俺は一体……!」

レッサー「ご歓談中にすいません!ちょっとアンケートに答えてもらいたいんですけど!」

上条「歓談はしてねぇよ。進行の都合上、一人言が多いけども」

レッサー「あぁいえ『上条さんが凹んでるとウキウキしますね!』って意味での歓びです!」

上条「お前実は俺の事嫌いだろ?前から薄々そんな気はしてたんだ」

レッサー「滅相もない!あのハズキの咲き乱れる樹の下で誓い合ったじゃないですか――『我ら三人、生まれた日こそ違えどもいつの日かフランス滅する日まで共に死なん』と!」

上条「俺居なかったわそこ。てかイギリスのハギスって木に咲くんだ?てっきり羊のソーセージだと思ってた」

レッサー「今ですね、道行く方にアンケートを取っていまして。良かったら上条さんにも是非答えて頂きたいなーと」

上条「嫌だよ。どうせ設問が『道行く不幸っぽい人に聞きました!』とかだろ?」

レッサー「あ、ちょっと違いますね!今日のは『非DTと思しき人』ですな!」

上条「じゃあ俺だな!記憶ねぇから分からないが、その条件だったら俺しかないぜ!」

レッサー「ここまで記憶喪失にポジティブな人って中々いないですよね。ではまず一問、『一夫多妻制の導入を希望する?』、はいかイエスで答えてください!」

上条「やめろ、時事問題をぶっ込んでくんな。あとはいとイエスは同じ意味だわ」

レッサー「『イエスは選んだあなたは異世界転生すればどうにかなると思いがちですが、現実でモノになんねーんだからどこ行ったって無理っすわwwwwww』」

上条「体裁考えろよ。せめてガワだけでも質問の形式取れよ」

レッサー「『今何問目?』」

上条「飽きたなら帰れよ。俺は今からこうバレンタインの義理チョコを回収してまわるって仕事があるんだから」

レッサー「特に勝算もないのに放課後ウロウロする男子ですか。女子からは『そういうとこだぞ』と思われてる系の」

上条「一つぐらい……そう、一つぐらい間違いで義理じゃないチョコがあったっていいじゃねぇかよ……ッ!!!」

レッサー「『間違いで義理じゃない』ってパワーワードっすなぁ。本命が間違いかよって話ですが――さて上条さん!アンケートに答えて頂いたのでプレゼントがですね!」

上条「ま、まさかっ!?」

レッサー「ちゅーか実は依頼を受けていましてね!はいどうぞ!パレンタインプレゼントですなっ!」

上条「おぉ……お?ペラくね?ぶっちゃけ封筒だろこれ、ク○カードかなんか?それでも嬉しいけど」

レッサー「まぁ見てくださいな!きっとお望みのモノが入ってますから!」

上条「嫌な予感しかしねぇが――婚姻届……?ナニコレ?」

レッサー「人生の墓場へ入る片道切符です」

上条「意味は知っとるわ!俺とお前じゃ大いに認識は違うだろうが、てかこれ俺の名前とアレイスターが記入済みって何だよ」

レッサー「えぇですから端的に申し上げますと、これを役場に提出すればドスケ×ボディを好きにできます」

上条「本格的に認識が違う!?いやだから色々と無理だよ!年齢的にもだが!」

アレイスター♂「――ふっ、それについては私から説明しようじゃあないか」

上条「出やがったな元ヘンタイ、じゃなかった元統括理事長!」

アレイスター♂「分かっているね。ヘンタイは元じゃなくて現役なのだよ」

上条「罵倒してんだよ。少しはダメージ受けてくれよ」

アレイスター♂「あぁレッサー君、これ報酬のプリカ。大事に遣うんだよ?」

レッサー「あざっす!あ、上条さんパレンタインおめでとうございます、これローソ○で売ってたGフレー○の武器セット」

上条「本気でいらねぇよ。これ買ったら本体の方も欲しくなんだよな!そして一個買ったら全種類……とか言い出すに決まってんだから!」

アレイスター♂「と、いう訳で早速今から出しに行こうか」

上条「問題が多々ありすぎるわ。あー、なんつーかなー、こう」

アレイスター♂「君の年齢については盛っておいたし、私の戸籍もいくつかあるのを適当にロンダリングしておいてので大丈夫だよ」

上条「そこも問題っちゃ問題だけども、あるだろ壁が?途方もなく大きくて、人によってはモノともしないヤツが」

アレイスター♂「些細なことだとも!特に今のヤポンではゲイポル×が市民権を得ていねではないか……ッ!!!」

上条「フィクションだからな?流行ってるっていっても一時期程ではないし、そして主に地上には出て来ねぇんだよ」

アレイスター♂「本当にある出版社の名前――『BL出版株式会社』……ッ!!!」 クワッ
(※実在する出版社です)

上条「なんてそれっぽい名前!?どう聞いてもそっち関係の出版社にしか思えねぇ!?」

アレイスター♂「ちなみに半世紀以上続く児童書を出している会社だよ。代表作は『ぞうのエルマ○』の翻訳出版」

上条「謝っとけよ。書店で『あ、BL出版コーナーだ、懐かしいな――なんだこりゃあ!?』と錯乱したオッサンに謝っとけよ」
(※実話です)

アレイスター♂「幼い頃の思い出が汚されたというか逆に怪我をしたというか」

上条「やかましいわ。超やかましいわ」

アレイスター♂「と、いう訳で役所に出しに行こうか。今ならバレンタイン入籍とかってキャンペーンをだね」

上条「話が急だし内容も急だし何よりも性別が急角度過ぎるわ!?『あ、じゃあまぁいいかな……』って少しでも譲歩できる要素がねぇんだよ!」

アレイスター♂「あぁじゃあちょっと性別を入れ替えてくればオーケーなのかな?」

上条「決して――そう決して何が悪いとかじゃなくてだ!多様性は尊重できるものであって押しつけるようなもんじゃない!と思う!」

アレイスター♂「大人になるってことは言い訳が上手になるってことだよね――よし、プランBで行こう!」

レッサー「あ、すいませんね上条さん。今女装させてきますんで」

上条「違う違う違う違う。女装って言ってる時点で俺の要求が分かってない。引っかかってんのはそこじゃねぇんだよ」

レッサー「これ以上チェンジさせるんでしたら怖いおにーさんが出て来ちゃいますけど?」

上条「そういう意味では最初っからそうだよ。上下逆になってフワフワ浮いてるオッサンが路上にいるんだからな?」

……

アレイスター(♀)「――はい、という訳で仕切り直しといこうか。取り敢えずおっぱ×揉むかね?」

上条「トラップ臭が凄い。『踏んだら終わりだよ☆』ってプラカが見えるかのようだわ」

アレイスター「まぁつまりアレだよ。君がしょーもないバレンタインを送っているかと思ったので、私的にはサプライズをだね」

上条「誰がしょーもないんだゴラアァッ!今日だってもう既に義理三つもらったわ!」

アレイスター「ほぅ、妬けるね?誰からだい?」

上条「姫神と吹寄と小萌先生からだけど……まぁ俺だけじゃない上に『義理だから』って念押しされてっけどな!はは、あははははははははははっ!」

アレイスター「うん、君は一回刺された方がいいと思うよ。かなりマジで」

上条「おっ、やんのかテメーかかって来いや!」

アレイスター「――ふっ、ならばご覧に入れよう!我が脱衣真拳を!」

上条「なんて?」

アレイスター「実は『黄金』時代から温めていた必殺の拳だよ!一枚一枚服を脱ぎながらする拳法のことさ!」

上条「と、意味不明の供述をしてるんですが」

レッサー「ぶっちゃけ私も知りません。『明け色の陽射し』はこのジジイから派生した結社なんですけどねぇ」

上条「お前の組織そんな名前だったっけ?もうネタにするのが面倒になるぐらい、『まぁもう固定でいいじゃんね』って感じになってんだよ」

レッサー「くっくっくっく……!こうして私が溶け込んだ見せかけて、いつの日にか結社の奥義を盗んでやるのですな……!」

上条「邪悪か。いやまぁ絶対にボスも怪しんでると思うわ」

レッサー「そしていつの日にか結社の幹部になった暁には、組織の版図拡大を果たして『黄金』系の正当後継者に……!」

上条「真面目か。いやまぁ、平和っちゃ平和だが、もっとこう前の魔術結社に愛着持てや」

アレイスター「『明け色』もよくやっているのと思うのだがね。今一こう外連味がたりないというか、押しが弱いというか」

上条「いやだから脱衣真拳は?どうせ身軽になったらそれだけ強くなる的なヤツだろ?」

レッサー「ウィ○のニンジャですな全裸にならないとAC下がらない的な」

アレイスター「いいや?私が気持ち良くなるだけだが?」

上条「ただの癖(へき)だろ!?全裸になる必要性もなかった!?」

アレイスター「『己の(癖の)欲すべきところを成せ』――by私」

レッサー「――確かに……!?」

上条「お前らいい加減にしとけよ?HENTAI無双が二人集まったからって、俺の喉の負担が倍になるだけなんだからな?」

アレイスター「というか何が不満なのかね?私のこのJ×ボディに文句でも?」

レッサー「あぁすいませんアレイスターさん。上条さんは、ねっ?ほら、なんて言いますか『小学生縛り』って呪いがかかってるもんですから」

アレイスター「ガチなヤツだね?業が深いな」

上条「流れるように冤罪をでっち上げんなや。俺はノーマルだよ!どこにでも居るシスターさんが好きな男子だ!」

アレイスター「居なくはないけどニッチだと思うよ?料理に例えるのならばミートソーススパゲティ的な」

レッサー「定番だし嫌いな人はまずいないけど、大好物かと言われればどうかなー、って感じですな」

上条「だからお前ら本当になんなの?生き別れの姉妹みたいになんで息ピッタリ?」

アレイスター「姉妹――もしかして、君は……ッ!?」

レッサー「あ、あなたが私の、妹――妹だったんですねっ!!!」

上条「やかましいわ!?てか歳考えろよ!どう見ても逆じゃねぇか!?」

レッサー「おっぱ×大きい方が普通上では?」

アレイスター「私は大小には拘らないんだけれど、まぁ順当ではあるよね」

上条「……いやでもレッサーがアレイスター・ハザードから分化した人類モドキだったら、色々と説明がつくが……!?」

レッサー「カミジョー、時系列考えろー。私に失礼ですよー」

アレイスター「可能性として何らかの原因で生き残った私が、タイムスリップして記憶を無くせばワンチャンあると思うよ」

レッサー「そうするとつまり――『明け色』を本来継ぐのは私の役目だった……ッ!?」

上条「やめとけやめとけ。ボスはあぁ見えてアレだから本気で暗殺してくっから」

アレイスター「あの子の性格であれば実力さえ示せばアッサリ譲るだろうね。それが一番難しくはあるが」

レッサー「てか最近微妙に伸び悩んでるんでるんですけど、何かアドバイス貰えません?」

アレイスター「うーん、浮気はしないのが一番かなー?なんだかんだで最初に習った魔術体系が一番しっくり来るって人多いよ?」

レッサー「いやでもあなた確か色々やってるじゃないですか?」

アレイスター「うん、カバラから始まってエジプト神智学にユダヤにヘルメス系錬金術にチベット系密教もまぁ、一通りは」

アレイスター「でもやっぱり一番使う機会が多くて、秘儀のレベルに達しているのはカバラかなぁって感じだね。見識を拡げるのは悪い事じゃないが」

レッサー「あー、分かるような気がします。チーズケーキにハマって色々なの食べ歩いた結果、最終的には元のプレーンのが一番美味しいよねっていう」

アレイスター「まぁ、大体合ってはいるね」

上条「女子か。つーかスイーツ感覚で魔術師やってんじゃねぇよ。相談ったらファミレス行ってやってこい、俺抜きで」

アレイスター「あぁ本日の主役を差し置いて悪かったね。今ちょっくら提出してくるから、その後はどこか休憩のできるところでシッポリと」

上条「普通に嫌だわコノヤロー」

アレイスター「じゃスッポリと?」

上条「擬音の問題じゃねぇんだわ。もっとこう概念的っていうか、言ってやれよレッサー」

レッサー「上条さんはツンデレですから『さっさと役場に提出してきなさいよ』って言ってんですよきっと!」

アレイスター「――分かった!マッハで出してくるよ!」 シュタッ

上条「何やってんじゃボケぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?お前ホンッッッッッッッッッッットに人の嫌がることはピンポイントでしやがって!?」

レッサー「あぁほら言うじゃないですか、『人の嫌がることをしましょう』ってねぇ」 ニチャアァッ

上条「待ってろテメー!?アホ理事長そげぶしてきたら次はお前だかんな!?」 ダッ

……

上条「――すいませーん!今ここにコスプレっぽいHENTAIが来ませんでしたかっ!?」 ガラッ

職員「あぁお待ちしていました、どうそ別室へ」

上条「いや違うんですよこれは淫行とかそういんじゃなくてなんて言いますか身内同士の軽ーいネタがマジでやりやがったなコーイツぅ的なノリでして」

職員「いえ、そういうのではなくてですね。とにかくこちらへ、どうぞ。お連れ様がいらっしゃいますから」

……

アレイスター「……あぁすまないな。私もよもやこのような事態になっているとは予見できなかったよ」

上条「てかどうした?テンションだだ下がりになってっけどエライ人にスッゲー叱られた、のか?」

アレイスター「だったまだ……そう、まだ良かったのだが。まぁ座りたまえ、君は知らなかったんだな?何も?」

上条「なんでマジなトーンになってんの?何かあったのか?」

アレイスター「いや、知らないのであれば……ダメだな。被害者は知らなくてはいけないな」

上条「被害者?誰が?」

アレイスター「結論から言えば私の書類は受理されなかった。残念ながら私のドスケ×ボディを堪能するのは後日になってしまうだろう。すまない」

上条「それは要らねぇっつってんだろ。残念――では、ないな!残念だなんて思ってなんかないぜ!」

アレイスター「で、ここで問題なのは受理されなかった理由なんだよ。自分で言うのもなんだが、書類の偽造はきっちりしてるから確実に通る筈だったんだ」

上条「そこはなんとかしようぜ。日本の役所って総じてザルいとはいえだ」

アレイスター「まぁ、その理由なんだが……もう、入ってたんだよ。だから無理だったっていうだけの話でね」

上条「入ってた?」

アレイスター「うんまぁ、その、なんだ?これはきっと誰かの手違いであるし、今私のツテやら役場の人に掛け合ってもらって、無効化する手続きをしている」

アレイスター「場合によっては君の保護者、ご両親に連絡をだね」

上条「な、何か話が見えないんだが、俺は一体どんなトラブルに巻き込まれてんだよ?」

アレイスター「知らない方が……いや、そちらの方が危険か。こういうときに大切なのは、まず、知る事だ。そこからがスタートだからね」

アレイスター「まぁ……私が元凶と言えなくもないし、責任問題であれば一方通行にも掛かることなのだが――これを見たまえ」                                 

上条「コピー用紙……?」

アレイスター「戸籍原本だね、その写しなのだ。分かるね?


婚姻届(※受理済みのハンコあり)――【上条当麻×御坂美琴】


-終-
(※這い寄る恐怖です本当に本当にありがとうございました。ご応募ありがとうございました)



――路上 夜

上条「――へい、タクシー!」

運転手「はい、お待ちくださーい。どうぞ」 ガチャッ

上条「運転手さん○○県○○市のとある場所まで全速力で!

運転手「はいよー。どうしたんだい学生さん、ご両親の体調でも悪いのかい?」

上条「このままだと俺はバレンタインに殺されちまうんだ……ッ!!!」

運転手「どういう話?心療内科行った方がいい?」

……

上条「――ただいま助けてくれ!バレンタインが俺を殺しに来る!」

刀夜「おかえり当麻、えっと……大体何があったのかは想像つくけれど、あんまりそのパワーワードを連呼しない方がいいと思うな」

上条「本当に今年のはヤバかったんだ……!ストーカーが本腰入れてきたっていう!」

刀夜「大丈夫だよ!刺されなければまだ頑張れるからね!」

上条「理解を示してくれるのは有り難いが、父さんも父さんでおかしいよ」

刀夜「大変だったね。母さんはお泊まりだからいないけど……あぁそうだ、いい機会かもしれない。当麻には話しておきたいことがあるんだ」

刀夜「……当麻にはショックかもしれないけれど、どうか落ち着いて最後まで聞いて欲しい」

上条「なんだよ改まって」

刀夜「その、父さんはな――当麻が思ってるような完璧な人間じゃないんだ。スーパーマ○じゃなかったんだ!」

上条「そもそも思ってなかったわー。母さんにシバキ倒されてる時点で『稼ぎはスゲェがラッキースケベに殺されるんじゃ?』って認識だったわー」

刀夜「そ、そうなのかい!?だって昔は『おとうさんみたいになりたい』って言ってくれたじゃないか!」

上条「覚えないけど昔は昔だろ。あぁまぁ完璧ってことないだろうが、感謝もしてるし尊敬もしてっからいいだろ」

刀夜「いやまぁそこまでじゃないよ!精々戸愚○(弟)の30%解放ぐらいで!」

上条「話の流れ読めや。何俺が納得してる風の主旨で話進めてんだよ。あと30%だったらかなり強い方だろ」

刀夜「でも実はね、女性にモテてモテてモテてモテて仕方がない時期があって、ね?少しの間内にこもっていたんだ」

上条「息子にモテ自慢すんのやめてくれよ。てか父さんでもそんな年頃があったんだな」

刀夜「そうだね、そんな時期はエロ×ーにハマっていてね」

上条「ん――ん?アレ今何か一個抜かした?会話が飛ばなかったか?」

刀夜「いや、だから室内でできるのって大したものはないだろう?そして三次元の女子も怖かったし」

上条「んー……どうなんだろうな?趣味は趣味だから、まぁって思わなくもないが」

刀夜「某震災のときにも余暇は天空のユミ○をずっとやってた子だっているんだからねっ!?主に現実逃避だけども!」
(※もしかして;ここの運営)

上条「大丈夫かそれ?割とキツイ生活送ってたのにそんなんでいいのか?」

刀夜「近所の見回りとお年寄りの世話をしつつ、神○ジャーナルを聞いて正気を保っていたらしいんだよ!」

上条「精神安定剤の代わりになるんだったら……まぁいいか。人それぞれだしな」

上条「つーか父さんの時代にもエロゲ×ってあったんだ?そっちの方が驚いたよ」

刀夜「あー、興味あるかい?なんだったら簡単に説明しようか?地獄が結構あるから」

上条「ちょっと興味は――なんて?地獄って言ったか今?なぁ?」

刀夜「まぁ……取り敢えず父さんの部屋へ行こうか。現物を見た方が早いし」

……

刀夜「――最初の断っておくけれど、昔のゲームができないって子はVirtual P○とかで旧いOSは再現できるからそっちでしような!だから古いOSは捨てないで!」

上条「誰に言ってんだよ。XP終わった哀しみを露わにした盆之○先生か」

刀夜「相性あるから気をつけた方がいいよ!特にXPの仮想OSさえあれば大体は動くからね!」

上条「だから誰が『そうだねアドバイスありがとう!』ってなるんだよ。てかそんなに昔のゲームってするか?」

刀夜「XPには結構名作があるんだよ。昔のゲームだと……えぇとどこまで遡った方がいいかな?『はっちゃけあやよさ○』まで戻ろうか?」

上条「ちょっと何言ってるのか分かんないかな。今からザッと数えて34年前のゲームなんて俺は知らない。知らないったら知らない」

刀夜「流石に私も見たことがないんだけどねぇ。あー、古いので名作って言ったらソニ○のVIPE○ってとても有名なシリーズが出ていてね」

刀夜「今と比較してもクオリティが異常に高い、っていうかまぁ社長がアニメーターでね。先輩や後輩とか、業界の第一線で活躍してる人達を引っ張って来てたから」 ビッ

上条「あれこれナデシ○やガンダ○シードやガオガイガ○と激似――」

刀夜「気のせいじゃないかな?名前は違うから似せて描いたんだねきっと!声優さんにもよくあるし!」

上条「それでいいのか?本当に嘘吐いてないかな?」

刀夜「90年代はあー、業界全体がとにかく尖っていてね。大体のゲームで、全ヒロインが一回ぐらいずつ陵×シーンが用意されてたりしたかなー」

上条「地獄じゃね?そんな辛い時代があったっていうのかよ……!?」

刀夜「うんまぁそういう時代っていうかさ。当時のトップブランドだったEl○ってメーカーがあったんだよ。SLGからノベルゲームまで、エロ×ー業界の巨人みたいな感じの大きい制作会社が」

上条「エル○?聞いた事ないけど……」

刀夜「まぁ今でも有名なアリスソフ○なんかそうだったんだけど、大抵バッドエンドが用意されてて、なんていうか『萌え』が成立する前段階というかな」

刀夜「ヒロインなりのキャラクター性とか関係なく、『エロいゲームにエ×描写入れなくてどうする!』って風潮が強かったんだよね。業界全体が」

刀夜「だから特にあんまり考えることもなく、てゆうか逆に普通だった、かな?むしろなかった『くすりゆびの教科○』なんかが異端っぽい扱いだったし」

上条「冗談抜きで地獄じゃねぇか。今のファンが昔に戻ったら円盤叩き割るぐらいじゃ済まなかったろ」

刀夜「流れが変ったのが『ToHear○』ぐらいかなぁ?エ×よりも萌え路線に舵を切ってきた、って当時は思ったね」

刀夜「ちなみにアクアプラ○は今じゃ業界最大手、だったけども、というかこの間別会社に買われたけど、その当時の評価は……飛び道具?」

上条「悪い意味で?」

刀夜「だねぇ、悪い意味でかな。第一・二作目が全然売れず、三作目から『この画風でこんなキツいことすんのか』的な路線に舵を切ったっていうか……」

刀夜「まぁ当時はそれがスタンダードで、しかも問題にすらならなかったんだけど……」

上条「ど?」

刀夜「『ヒロイン達が好きでしょうがないから酷い目に遭わせるな!』ってユーザーさんの意見が多くなってきたんだよね。丁度『ToHear○』ぐらいから」

刀夜「だもんでヒロインの造詣やシナリオがしっかりしていればちゃんと売れますよ、って認知が広がって、この頃から徐々にエロゲ×は萌えゲー化していくんだ」

上条「萌えゲーって……」

刀夜「コンシューマーゲームでも多かったけどね。でもやっぱり年齢制限があるゲーム向けの方が、というかまぁ身も蓋もな言い方をすればエッ×な方が売れるじゃないか」

上条「まぁそうだよな!俺たちのサガではあるが!」

刀夜「2,000年代へ入るとエ×は二の次で会話が楽しかったりゲーム性が高かったりするのが売れるようになるんだ。むしろ下手にヒロインを酷い目に遭わせると、うん……抗議の手紙が、ねっ?」

上条「萌えが流行ったから陵×はなくなったのか、それとも陵×がなくなったから流行ったのか、だよな」

刀夜「ただまぁ黎明期であって、この頃も結構酷い話が……『バイナリィ・ポッ○』が有名かな。これなんだけど」

上条「え、これ俺でも知ってるブランド名じゃん!」

刀夜「うん、オーガス○の処女作なんだけど。これ、ほぼ全ヒロインに陵×シーンがあるんだよね。一応バーチャル空間って設定だけども」

上条「誰が支持するんだよそれ」

刀夜「ここら辺はバランスの問題で、ぶっちゃけエロゲ×って銀行や小金持ちから融資受けて作ってるブランドが多くてね」

刀夜「そこら辺の不理解から『エッ×なゲームなんだからそういうシーン入れればいいでしょ?』的な、ね?まだ萌えって浸透してなかったからさ?」

上条「父さんがなんでその時代の制作の話知ってんのか非常に気になるよ」

刀夜「今でこそその筋の大家としてデカい顔してるあのブランドも、メインヒロインが非処×だったり」

刀夜「もう一人のメインヒロインも人の手紙を何年にも渡って捨てた上、主人公の気を引くために魔法で病弱になったり、最終的に死んだりとか、ねっ?」
(※もしかして;ダ・カー○無印)

上条「なにそのドロッドロした人間関係」

刀夜「まぁ、見方を変えればより人間らしいキャラクターの構築に成功している訳でもあるし、なんといってもそれで売れてるんだから成功したのは間違いないんだよ」

刀夜「そしてフォローもしておくけど、オーガス○が本格的に人気が出始めたのも、明るくて楽しいって路線に転換してからだからね」

刀夜「ここら辺から住み分けが始まるかなぁ。純愛系は萌え特化で、それ以外はそれ専用って感じで」

上条「だから誰目線で話してんだよ。スタッフで入ってたのか」

刀夜「面白い作品だったらPurple softwar○の『夏○』ってゲームがあったね。主人公が田舎へ帰って幼馴染みだった三姉妹と、みたいな懐かしい系のゲームなんだと思うけど」

上条「あ、そういうのはいいよな。王道っていうか、昔こういう約束したよな、みたいな!」

刀夜「いや、なかったんだよ。何一つ」

上条「嘘だろ。なんでその設定でなかったんだよ!?むしろ不自然だろ!?」

刀夜「『この設定なのにそういう幼馴染み系の設定皆無』って、その悪い意味で記憶に残ってるんだよね。『じゃあどうしてこの設定にした!?』って当時モニターにツッコんだもの」

上条「父さんもそれ絶対に俺へ遺伝してんだろ。ツッコミのスキルはさ」

刀夜「で、そのゲームとほぼ同時に売られたのが千○の『十六夜れん○』ってのか゜あってね。あぁこのゲームなんだけども」

上条「和風、だな」

刀夜「まぁ全般的に和風。明治頃の主人公なんだけど、昔から普通の人には見えない幽霊や妖怪が見えてたんだって」

刀夜「画家として成功するために上京してたのに、疲れてしまって郷土へ戻り、そこで幼馴染みや怪異たちと出会う、って伝奇系ゲームだね」

上条「うわぁ人死にそう」

刀夜「全然死なない。てかこれ有名なシナリオライター……っていうかゲーム作ってる人の作品で、全体的には萌え、で所々大事なシーンでは締めるって感じの」

刀夜「本当の意味で伝奇系ゲームを作る人には教科書としてプレイして欲しい、ってぐらい全てにおいて出来が極めて高い作品なんだよね」

上条「やたら持ち上げるけど……関係者じゃないだろうな?」

刀夜「あー、知り合いにね、このゲームの版権買って続編作ろうって人がいてね。まぁ趣味なんだけど」

上条「趣味かよ」

刀夜「その人としちゃ続編が出てくれれば越したことは無かったんだけど……いつの間にかメーカー自体が潰れて、DVD-PGの会社に版権が買われててね」

刀夜「で、その会社とも交渉してたのに、今度はDM○に権利が移行しちゃって、『もうなんかどうしようもなくね?』ってことになってるんだって」

上条「……金で解決しないの?」

刀夜「『四桁は流石に心折れる』って」
(※折れました)

上条「諦めろや。もう勝手に世界観使って作品作った方がまだ早いっぽいよ」

刀夜「2,000年代初期は完全にカオスだよ?丁度この時代、ゲームの媒体がフロッピーディスクからCDへ移行していた時期でね。容量が格段に増えたんだ」

刀夜「なのでゲームの音源がMIDIからwavになったり、登場人物にボイスがついたり、制作側の手間暇が桁違いに増えた時期でもある」

上条「また変な所で技術革新してやがるんだなぁ」

刀夜「そして大容量になって来ると、今度はOP・ED曲をボーカルで入れたり、派生してCD売ったりと更に裾野が広がってて」

刀夜「で、何が変ったかといえば、クリエイター自体が足りなくなってきたんだね」

上条「足りないのか?」

刀夜「いや、正確には居なかったんだよ。だって今までエロゲ×の歌とかボイスとか無かったんだから、対応歌手さんや声優さんもいなかったし」

刀夜「なので最初期は既存の歌手さんに頼んでってのが多かった。『十六夜れん○』のOPは児童曲を出してそこそこ有名な方にお願いしたり」

刀夜「あと『めいどさんすぴりっ○』のジャズ曲では業界でまぁ……そういうわけだね!」

上条「何を使ってお願いしたんだろう……」

刀夜「なおエロゲ×の中にはボーカルヲタもいるんだけど、そういう曲って大手は後からまとめてアルバムで出されれば”かなり良い方”で」

刀夜「大抵のメーカーは数本作ってそのままフェードアウトするから、初回限定版によくついてくるフルボーカルCD目当てで買うしかないんだよね!」
(※最悪なのは「テックジャイ○のオマケコンテンツに収録されています!」)

上条「誰と戦ってんだよ」

刀夜「一番酷かったのは某ゲームは体験版まで作ったのに、そのゲームは結局発売されずその曲もどっか行ったっていう……!」
(※プロペ○の『はるは○』)

上条「本当に誰と戦ってんだよ」

刀夜「あと『××××××にケンカ売ってみました☆』って問題作も」
(※ru○の「つくと○」。勿論その後消滅)

上条「もっと明るい話を聞きたいなぁ!特定多数にケンカ売るんじゃなくてだ!」

刀夜「なんていうかこの時代は夢があったよね。猫も杓子も取り敢えずエロゲ×業界に来たんだけど」

刀夜「結局構造的な問題で自分達の首を絞めちゃってさ?まぁ今みたいな市場規模に縮小してる感じかな」

上条「何か事件でもあったのか?コピーされまくったんだっけ」

刀夜「それも大きな原因ではあるけど、一言でいえば粗製濫造。クソゲーが量産されすぎたんだね」

上条「えっと……なんで?」

刀夜「エロゲ×って出版物じゃなくて全部最初から店舗買い取りなんだよ。だから10本仕入れたら売れるまでずっと置かなくちゃいけない」

刀夜「もしその10本が名作で全部売れればいい。でも売れるかどうか、名作かどうかは誰にも分からないってリスクばっかり高くなっちゃったんだよねぇ」

上条「そんな時のために体験版があるだろ」

刀夜「『体験版の範囲だけまともだった』って」
(※ういんどみるの『色に出でにけり わが恋は』)

上条「実名止めろよ!一応隠しているって建前は取っとけ!てか最悪だなそのメーカー!」

刀夜「声優さんが台本渡された後、『社長これ……ヤバいんじゃないですかね?』って直談判したら、『僕もそう思ってた』って差し替えられたって逸話が」
(※民安ともえさんの動画で言及されています)

上条「なんでだよ。発売後に大コケして時点で改善されてねぇってことだろ」
(※「直したのにこのクオリティ」という)

刀夜「なおとある人は発売日当日に風邪引いて買えなくてね。丁度一週間後に買いに行ったら中古品が2,000円で売ってたんだよ」

刀夜「だから『仕入れが多すぎて皆売ったんだなラッキー!』って買ったらその日の夜は(´・ω・`)としたって」
(※実話です)

上条「覚えてるか?俺へ対して散々『ある意味オイシイね!』って言い続けた罰が前払いで当たったんだと思うわ」

刀夜「まぁ異常に安い価格で叩き売られてた時点で地雷だけどね。信頼を築くには年単位で失うのは一瞬だよって話かな」

上条「業界の先行きが暗すぎる……!」

刀夜「エロゲ×業界に流れていた人・物・金のリソースはソシャゲーとネット小説と同人へ移っていったんじゃないかなぁ。悲しいけれども」

上条「あぁうん、何か予想とは違ったけど色々説明ありがとう。てか何で親子でこんな話してんだろう」

刀夜「じゃあ当麻もやってみるかい?この『雨音スイッ○』ってゲームがだね」

上条「俺知ってっかんなそれ!クソゲーオブザイヤー・inエロ×板でエントリーされてたクソゲーだ!」

刀夜「ボイスの指定間違ったらしく、登場人物が『イラッシャイマセー』だけで会話するって名シーンがあるよね……!」

上条「面白いわー。パッケージが邪悪なのに、その一部分だけ見るためだけにプレイしたくなるわー」

上条「つーか父さん実は気になってたんだけどさ」

刀夜「うん、なんだい?」

上条「この『Reluinage/Lelia○』ってゲーム、ついこの間発売されたヤツじゃね?」

刀夜「――なぁ当麻知ってるかい?」

上条「うん?」

刀夜「『最終的には二次元が一番』だってことを」

上条「やかしいまわ!てかその台詞は実の親の口からは聞きたくなかったわ!」


-終-
(※地獄のエロゲ×黎明時代でした、悪い時代ではなかったのですが。ご応募ありがとうございました)

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