クリスマスの日ver2022
――ロンドン デパート
バードウェイ「――最近増えたマジレス系主人公ってどうなんだ?」
上条「ボス、久々にぶっぱするのは如何なものかと……」
シェリー「ヒロインの行動にガチギレするんだったら、最初から愛想尽かしてねぇのか、って話よね」
バードウェイ「まさにそれだな。限界点を突破するぐらいだったらそれでやめとけよ。どうせいつかキレるんだったら早い方がいい」
上条「そ、そんなことないよ!女子はもっとこう繊細なんだから男子は頑張るべきだよ!」
バードウェイ「言ってやれ女子の本音を」
円周「うん、うん……ッ!そうだね、こんなとき木原顔芸おばさんだったらこう言うんだよね……ッ!」
円周「『付き合う気がない相手はウザいから告白してこないでほしいし、フった後も同じ態度でチヤホヤしてほしい。そもそもリターンを求めず一方的に奉仕してほしい』」
上条「あれ?俺たちは黙々と働くドロイドかなんだと思われてんの?」
シェリー「そこまで酷ぇのはそんなには居ない。ただ超極論を言やぁ合ってなくもないわね。フッた後、露骨に態度悪くなるヤツとかいるし」
円周「シェリーお姉ちゃんを口説こうって猛者がいたんだっ?」
シェリー「いや、見栄張っただけだわ。同僚がそんな話してたような気がする」
上条「態度悪いのはどうかと思うが。フられた後にまたなんか前の態度と同じで、ってのは厳しくないか?」
バードウェイ「そこも含めて精神論だ!フる方だって傷ついてるんだぞ!」
円周「と、言いながら内心はウザいだけなんだよね。あと女子会でトロフィーのようにマウントを取りまくるっていうねっ!」
シェリー「逆の立場だったらどうよ?後輩女子辺りに告られた後、居なくなったら寂しいとか思うだろ?」
上条「――ふっ、俺にフッた経験なんてあるとでも!?」
バードウェイ「フィクションのノリで許されてきたツンデレもついに落日となろうとはな」
上条「もう既になってね?ツンデレと称するコミュ障の人っていうか」
シェリー「てかクリスマスにマジレス系主人公の話止めろよ。誰も得しねぇし」
バードウェイ「ではアメコミの日本語版出してる出版社が、売れなさすぎて撤退するそうだな」
上条「タイムリーはタイムリーだけどもそれ違うわ。地獄のHENTAI性癖マラソンでやったヤツだろ」
シェリー「なんでも拾うからそうなんだよ。つーか帰っていいか?」
円周「えー、プレゼント買いに来たんじゃないのー?」
バードウェイ「だなぁ。どっかの美術バカが『用、意……?』とか抜かすから付き合ってやったんだろうが」
シェリー「おいおいお待ちなさいなクソガキどもめ。私のプレゼントは既に用意済みなのよ?」
上条「ちなみに中身は?」
シェリー「通販で買ったハンディ掃除機。ちなみにダイソ○のパチモン」
上条「貰って嬉しい……は、嬉しいが、まぁ!せめてこう心を込めようぜ!」
円周「それが四分の一の確率で当たるとなると……うん、ちょっと考えるよねぇ」
シェリー「プレゼント交換もいいんだけどよ、それだったらテメーで買った方が良くね?」
バードウェイ「いやいやクロムウェルよ、外連味が足りん。もっとこう攻めていかないと」
シェリー「へえぇ?魔術結社のボスは一体何を用意されてるので?」
バードウェイ「カッチェ○のグミだ……ッ!」
シェリー「やめろバカ!?食べ物を無駄にすんなよ!?」
上条「かっちぇ○?」
円周「ドイツ製で不味いって評判のグミだねぇ。なんでも『塹壕の味』なんだって」
上条「せめて食べ物で例えてやれよ。ポッタ○のダメキャンディと同じじゃねぇか」
円周「あれはロシアンルーレット的な要素もあって『不味く作ろう』ってコンセプトがあってね?対してドイツのは『素でただただ不味い』っていう非業のグミなんだよねっ!」
上条「イギリスの呪いでも感染した可能性も」
バードウェイ「そこまでイギリスに業を背負わせるな。てゆうかこの女だけじゃなく貴様らも大概だったのを忘れたのか?あ?」
シェリー「何用意したんだよ、ちっこいの」
円周「ん?ただのダイバーナイフだよ?」
上条「悪い意味での実用品だな!日本だと殺傷力が強くて規制されたヤツだ!」
円周「血抜きに便利なんだけどなぁ。お兄ちゃんは?快楽○?」
上条「ここでそれ用意したらアタマおかしいかアタマがアレな勇者だよ。俺はほら、頑張ってゲームの詰め合わせをだ!」
バードウェイ「悪くはないがパンチに欠けるな。あと私と被った」
上条「態度が超ヘビィ。被ったんだったらその暴言はお前にも刺されるだろ」
シェリー「あ、これいいんじゃね?スポンジボ○の何か」
バードウェイ「貴様――子供だと思っているな!?」
シェリー「鏡を、見ろよ。年齢的には丁度だろうが」
円周「スポンジボ○は流石に低年齢層じゃないかなぁ。嫌いじゃないけど、あの独特のシュール感が」
上条「まぁ用意しちまったのは仕方がないとして……あ、パーティゲームのコーナーだ。別口でいくつか買っとくか?」
バードウェイ「――よし勝負だ!一番盛り上がったのを用意したヤツが勝ちな!」
円周「受けて立つよー!うん、うんっ!そうだね、こんなとき――まぁいいやっていうか待って!」
上条「……バードウェイさん?思いっきりはしゃいでますけど?」
シェリー「まぁいいじゃねぇか。年相応で」
……
円周「――っていう訳で始まりましたー!『第一回パーティゲーム大会!』でぇすっ!」
バードウェイ「ルールは簡単だ!楽しんだヤツが勝ち!以上っ!」
シェリー「全員が全員、自分のやつに票入れてバラッバラになんじゃねぇの?」
上条「そ、それも含めてクリスマスの醍醐味だよ!張り切っていこうぜ!」
円周「なお票がバラけるように出品者は隠してありまーす!それじゃーまずは――これっ!ジェンガでーすっ!」
上条「隠したんだから……まぁいいか。まぁパーティゲームとしちゃ定番だよな」
バードウェイ「ルールはベーシックなアレだ!棒を引っこ抜いて上に重ねるだけだな!」
上条「あれこれもしかしてボスのやつ?テンションマックスだから分かりづらい」
シェリー「まぁいいけどよ。それじゃまずは――」 ガシャーン
上条「あ、あれ……?一本抜いた瞬間に、どうして全部倒れて……!?」
バードウェイ「『不幸』さんは今日もいい仕事するよなぁ。お前は隅っこで膝でも抱えてろ」
上条「クソッ!この時間にピザでも作ってやるんだからねっ!?」
円周「お兄ちゃんは主婦の鑑だよねぇ。もしくはメイドさん?」
……
上条「――ってピザ焼けたぞー。つっても冷凍のピザ生地にトッピングして焼いただけ――ってスッゲ!?超高くなってる!?」
バードウェイ「くっくっく……!貴様の罪を数えるがいい!」 スッ
円周「『オイオイクソガキが舐めてんじゃねーぞゴラアァッ!!!』」 スッ
シェリー「あ、私に一かけ頂戴」
上条「一体何が……?」
シェリー「私が普通に負けた後、ガキ二人がヤッベェぐらいに続いてる。どっちも小器用だからな」
上条「楽しいか?なぁこれ楽しい、か?」
……
バードウェイ「――と、そこそこ盛り上がったものの、所詮はそこそこだったな!次は私のターン!」
上条「推薦者隠すって言ってんだろボス。あと盛り上がったのはお前らだけで、年上チームはピザ喰ってただけだわ」
バードウェイ「どうせ次も速攻で負けるんだからもう一枚焼いてこい!私が用意したゲームはこれだ――『ツイスターゲーム』だ……ッ!!!」
円周「――タイム」
シェリー「タイムの申請を受理します」
バードウェイ「お、おい……?なんだ?どういうことだ?」
上条「俺も知らん。つーかどういうシステム?」
円周「あー……えぇーっとね……シェリーお姉ちゃんはレヴィちゃんにお話ししてくれるかな?その間にお兄ちゃんに説明しておくから」
シェリー「りょーかい。おらこっち来い」
バードウェイ「手を引っ張るなよ。なんなんだ一体――」
上条「つーか何?なんでボスが?」
円周「あんまりこう、うん言っていいのか迷うんだけど……キラーコンテンツ、なんだよね」
上条「それって超売れる映画とか映像作品じゃなかったっけ?」
円周「そうでもありそうでもなくって感じなんだけど。海外のさ?動画投稿サイトってあるじゃん?再生回数でお金が貰える的なの」
上条「端的に言ってユーチユーバ○だな。それが?」
円周「それの上位かつよくBANさる動画ジャンルに『ツイスター』って項目が、ねっ?分かるよねっ?」
上条「……なんで?ちょいエ×マンガでは出てくるけど、そのレベルだろ?」
円周「よりタチ悪いヤツで、えっと、あるんだよね?レヴィちゃんぐらいの年頃の子が、親に言われてツイッターで遊んでる動画が」
上条「よく分からん。はっきり言ってくれ」
円周「うん、うん……ッ!そうだよね、こんなとき、数多おじちゃんだったらこう言うんだよね――」
円周「『――テメーのガキをロ×コンテンツで一攫千金を狙ってるクソ親が居るんだわ。しかも表向きはただ遊んでるだけだから規制しづれぇのなんのって』」
上条「――よーし次は誰のパーティゲームかなぁ!?まだ俺のは出てないけど楽しみだぞーっ!!!」
……
シェリー「あー三番目か。『人狼ゲーム』よ。ベタで悪いけど」
バードウェイ「いいじゃないか!知能の高さがモノを言うゲームだな!」
上条「俺初めてだけど人狼って四人で出来るゲームだっけ?」
円周「パーティゲーム用に再デザインされたバージョンみたいだね。GMがいなくてカードでやりとりするみたい」
上条「へー?そんじゃ一回やってみようか――まずはカードを――」
円周「『――グルルルルルルルルル……!!!』」
上条「猟師さーん!?今まさにオオカミが人を食べようとしてまーす!?」
バード「コイツは賢いのかアホなのか分からんよな。演技力が無駄に高いところは評価できるが」
シェリー「そのツッコミはお前にも大分当て嵌まるからな?」
上条「配役を変えよう!お前は猟師だ!」
円周「『――ヤツらは人の皮を被った悪魔だ!俺の、俺の子供たちを……ッ!』」
上条「どういう設定?一瞬でそこまで役作り込む必要ってある?」
バードウェイ「更に配役チェンジだ。あーっと、殺人鬼?」
円周「『こんにちはー、はじめましてー!お隣に引っ越してきた木原でーす!』」
シェリー「街から子供が少しずつ消えるタイプのシリアルキラーだな」
……
上条「――てかデパートからツッコミし過ぎてノド痛いわボケ!?冬だから乾燥気味なんだよ!?」
バードウェイ「キレ方がおかしい。あと最後だからさっさとやれ」
上条「俺のはド定番だ!その名も桃○99年ゲーム……ッ!!!」
バードウェイ・円周・シェリー「絶対にイヤだ」
上条「なんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっでだよ!?絶対に面白いに決まってるだろ!?」
バードウェイ「ゲーム性を否定しないが、99年は辛いだけだろ。最初の一・二時間はまぁ、だが」
円周「『リアルで一時間経ったのにまだこれだけしか……』って追い詰められていくんだよねっ」
シェリー「最終的に楽しむためにゲームやってんのか、ゲームするために楽しんでのか分からなくなる」
上条「くっ!こうなったら日本の古式ゆかしいパーティゲームをお見舞いしてやるぜ!その名も――」
上条「――『野球拳』だ……ッ!!!」
バードウェイ「存在自体は知ってはいるが、誰も何も得をしくないか?いや別に今更お前の貧相な裸(ら)見ても、なぁ?」
円周「そんなに裸見たいんだったら脱ぐよ?」
シェリー「ピザ食ったら喉渇いた。シャンパンってどこに置いたっけか?」
上条「全員リアクションがおかしい!もっとこう女子として恥ずかしがるターンじゃねぇの!?」
バードウェイ「あぁまぁチャレンジしてもいいんだが……その、『ジャンケンで100回負け続ける』っていう奇跡の男()には、どうハンデをつけたもんか、なっ?」
円周「私たちが下着スタートでイーブンかなぁ?それとも全裸?」
上条「それ俺の知ってる野球拳と違う。幼児二人を前にして男子が徐々に脱いでいくのって、何かの儀式か?」
バードウェイ「ふっ!自信がなければ引くがよい――『やーきゅーうー、すーるならー♪』」
円周「『こーゆー具合にしやしゃんせー♪アウト!セーフ!』」
上条「『よよいのっよい――』」
……
シェリー「……ん、んん?あぁ頭痛てぇ……寝ちまったのか。グレンゴインは飲みやすくて困るぜ、クソッタレが」
シェリー「つーかガキどもも静かになってんのな?桃○やって寝オチでも――」
上条(※全裸)「……ぐー……」
バードウェイ・円周(※下着)「すー……」
シェリー「なんかヤッベェ事件の痕跡が!?具体的には淫らな行い?!」
シェリー「……」
シェリー「てかちょっと待てクソガキども!この面子で警察沙汰になったら実名報道&全責任されるのは私だけだな!?」
シェリー「『29歳、大学講師が淫×を行い』ってネットニュースに飛び交うのだけは阻止し――」
シェリー「――よし!飲んで寝るぜ!きっと起きた時には全部解決してるよなマジで!」 ゴッゴッゴッゴッゴッ
-終-
(※クロムウェルさんの孤独な戦いはまだ始まったばかりですいや本当に。ご応募ありがとうございました)
――
上条「――ここは……?」
チャーリー『よートーマ!なんだってシケたツラしてんるんだいHAHAHA!!!』
上条「外人か!?つーか誰だよお前!?」
チャーリー『トーマは今日もテンション高いぜ!なぁダイラン!』」
ダイラン『察してやれよ。そいつ昔っからジェニーのこと、なっ?分かるだろ?』
チャーリー『そうだったのかよ!?……なんだお前、一言言ってくれれば良かったのに……』
上条「だからお前ら誰だよ。あと俺が失恋したみたいになってっけど、どういうことだよ」
チャーリー『いやだってお前、明日は俺とジェニーの結婚式だろ?』
上条「あぁうんそれは別におめでとう……?」
チャーリー『でもまぁたまにだったら貸してもいいぜ?たまにだったらな?』
上条「なぁそっちのギャングにしか見えない人、こいつぶん殴ってもいいよな?事情は全く理解できないんだが」
ダイラン『やめとけやめとけ。一応そんなんでも明日の新郎だからな』
チャーリー『おぉっともうみんな時間だね!約束があるから失礼するよ!』 シュタッ
上条「行っちまったな……つーかこれどういう状況?犯人は暇を持て余した神々の遊びなのは間違いないが、ここどこよ?」
ダイラン『どこってお前郊外の結婚式場だよ。古い別荘をリゾートホテルとして立て直して、まぁ丸ごとセットで貸してんだと』
上条「あー……何となく読めてきたな。この後シリアルキラーがゾンビ、もしくはサメに襲撃されんのかここ」
ダイラン『トーマ、お前も疲れてんだよ。ほら、一杯飲んで寝ちまえよ』
上条「未成年だしいいっすわ。つーかどう見ても四十越えたプロレスラーっぽいオッサンと同期って設定おかしいだろ!?』
チャーリー『あああああああああああああああああああああああああああああっ!?』
上条「ウルッセェな今度はどうした新郎!?情緒不安定か!?」
上条「――ってマジでどうした?んなずぶ濡れになって、しかも裸って……?」
チャーリー『シャ、シャワーを!シャワーを浴びてただけだから!』
上条「いやその理屈はおかしい。つーかなんかちょっと血の臭いが――」
チャーリー『ぼ、僕はもう寝るよ!おやすみなさい!』 ダッ
上条「俺以上に情緒不安定か。おい、どうするよレスラーの人?」
ダイラン『俺はレスラーじゃねぇが。まぁ放っとけ、年貢の納め時になってパニクってるだけだろ』
上条「結婚したら落ち着くといいけど、こういうヤツは痛い目見るまで反省しやがらないんだよなぁ」
……
チャーリー『いやー悪かったねトーマ!昨日はなんか取り乱してしまったようで!』
上条「別にいいけどもだ。何かあったのか?おすくり的なモノをキメた?」
チャーリー『かも、しれないね!あれは悪夢だったんだ、忘れよう!』
上条「んー……?」
ダイラン『――二人ともケイトを知らないか?朝になったら居なくなってたって女子が騒いでる』 ガチャッ
上条「俺は知らない。ケイトが誰なのかも知らない。お前は?」
チャーリー『……』
上条「どした?」
チャーリー『し、知らないよ!彼女は気分屋だから帰ったんじゃないかい?』
ダイラン『そうかも知れないが……』
チャーリー『いいから式の準備をしよう!遅らせるわけにはいかないからね!』
……
牧師『――汝、チャーリーは彼女のことを愛しますか――』
上条「結局見つかんなかったな、その人。車もあったのに、どこ行っちまったんだろ」
ダイラン『……トーマ、大変だ!こいつを見てくれ!』
上条「うん?なにこれ?」
ダイラン『敷地の廃屋で拾った人骨だ!』
上条「そんなもん持って来んなや!?お前もお前でどっかバグってるわ!?」
ダイラン『しかもこれ新しい!一体何が……!?』
上条「いやもう大体分かるだろ。新婦の隣に立ってるのが犯人か重要参考人だわ」
牧師『……』
チャーリー『神父様?どうされましたか?』
牧師『あ、後ろを見て下さい!あそこに、そこにっ!』
絹旗(※ワニの着ぐるみ)『ワニーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!』
上条「出やがったな悪魔め!?つーかこのタイミングで来るか!?」
チャーリー『やっぱり――昨日ケイトが食べられたのは夢じゃなかったんだ……!?』
上条「ってお前が元凶か腐れイケメン!?てか一人が喰われてんのに夢で済まそうとすんじゃねぇよバーカ!?」
……
絹旗「――はい、っていうわけで『Cro○』です。今年公開になったばかりの超ク×映画です」
上条「すいません監督、緩急が効き過ぎてて事態をまだ良く呑み込めません。つーか出来れば知りたくもないです」
絹旗「あぁいえいえ、これはですよね超善意でして」
上条「監督から一番遠い言葉っすね」
絹旗「『クリスマス企画で上条さんをダ×映画の世界で超癒してやってください!』的な?サプライズ?」
上条「無っっっっっっっっっっっっっっっっっ理だわ?!どこの世界にダ×映画の世界に堕とされて楽しめるやつがいんだよ!?」
絹旗「いやしかし折角の超ご厚意ですし、ねぇ?裏切るのも、ねぇ?」
上条「そんな厚意ってある?そして地獄に落ちるんだったら浜で始まって面で終わる人とか、適切な人材が居るって思うんですよね?」
絹旗「ハマーは別件で悪魔と魔女のオモチャになるとのことなので、まぁ超諦めてください。字数の都合上、あとたった二本だけですから」
上条「そして多分俺の心を折りに来る珠玉の二本ってことだよね?厳選されたエレガントな感じの?」
絹旗「なお一本目のダ×映画ですが、『新郎が結婚式前日に他の女と×ってる間にワニに襲撃、見捨てて逃げてなかったことにする』のが超最大の見せ場です」
上条「映画の内容よりもその新郎が怖いわ」
……
山野『――それでな。俺次の物件行こうと思うんだよ。カミやんどうする?来る?』
上条「オッケーまず俺に寄るな触るな近寄るな!ディアボ○さんが今もいるであろう『永遠に真実に到達しない世界』はこんな感じっぺぇだろうが!」
山野『いやもうカミやんしかいないんだよ。中野さんは途中でやめちゃうし……』
上条「中野さん?何かあった人?」
山野『お父さんが事故しお母さんが倒れただけなのに』
上条「それもう人生一変するような転機だよな?もう放ってといてやれよ」
山野『最初だけ!最初何日か様子を見に来るだけでいいから!』
上条「見に行くってお前んちか?なんでまた?ペットの世話でもすりゃいいの?」
山野『いや、事故物件の録画をだな』
上条「だったら原因100%お前ですよねコノヤロー?てか人んちのオヤジを間接的に殺ってんのかもしんねぇのにそんな態度なの!?」
山野『頼む!事務所の大先輩に言われて仕方がなくだから!お前の家族に何かあっても俺は関係ないから!この通り!』
上条「お前とお前の先輩の人間性がマズいわ−。映画の設定上とはいえ、パワハラが過ぎるわー」
……
死神?『オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォウウゥッ……!!!』
山野『――効いた!どっかで買って来た安い線香が効いた!』
山野『でもその炎がこっちに向って――ビニール傘バリアー!!!』
上条「なぁ監督!俺が悪かったらもう戻してくれよ!俺このままここに居たら頭どうかしちまうから!」
死神?『ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?』
山野『やった、消えていく……!』
上条「そんなもんなの?設定上何人殺ってる悪霊だか怨霊だか死神が、線香二束焚いただけで成仏しちまうの?」
……
絹旗「――と言うわけで『事故物○』です。事故物件住みます芸人の方が超有名になった原作を元にしている、らしいです。私は読んでいませんが」
(※本人のドキュメントは読み物として面白いです)
上条「松○芸能ってアホなの?仮にも老舗の芸能会社なんだから、なんかこう、アレだ。もっとなんとか頑張ってできなかったの?」
絹旗「正しくは『松○』という会社の芸能部門です。超並列して映画部もあり、不動産業もありって感じの」
上条「てゆうか事故物○ってやんなかったっけか?」
絹旗「多分やってない、かな?と超忘れましたんで、まぁ簡単にだしいいだろうと」
上条「何かこう全部が雑だな。事故物件に住むのもそうだし、オバケを退散させるのも含めてだ!」
絹旗「なお字数の関係で怪談おじさん二号は超登場できませんが、曰く『線香だけ焚いても意味がない』そうで」
上条「……獣除け、だったんだっけか?前にオカルトサバイバル的な企画で聞いたわ」
絹旗「元々は亡くなられた方を埋葬するまで弔う――と、いうよりもご遺体の匂いがアレですからね。それを紛らせるため、もしくは獣を寄りつかせないため、が大元だったそうで」
絹旗「一応供養の一環として『焼香』があるっちゃありますけど、それ自体はそれほど超重要視は……『多分護摩と間違われてるんだろうが』だそうで。ファブリー○か」
上条「やめなさいよ。アレと同じ扱いなのは流石にちょっと」
絹旗「『ぶっちゃけ破魔矢もそうだけど、アレ魑魅魍魎に撃ち込まないと持ってるだけじゃ効果が無い』」
(※諸説あり)
上条「だから余計なこと言うなや!?色々な人が納得してんだからそれでいいだろ!?」
絹旗「あと今軽く調べてみましたが、事故物件を超きちんとやった回はありませんでした。なのでこれが初ですね」
上条「本当に大した中身無かったな!最終的にアホ映画として名を残したわけだが!」
絹旗「……いえ、それがですね。実はこの演者にも超シャレにならない祟りが起きたって」
上条「えー、そういうのって不謹慎じゃねぇの?俺も嫌いじゃないけどもだ」
絹旗「――元グループの方が違法薬物所持で超逮捕……ッ!!!」
上条「うん知ってた。そんなことだろうとは思ってたし、あと今のグループの子たちは残ったメンバーで頑張ってんだからあんま言うなよ?」
……
絹旗『――ねぇ、超知ってますか?「としまえ○のの呪い」って都市伝説があるらしいんですよ』
上条「あぁ最後は監督同伴……としまえ○ってあのとしまえ○?古い遊園地で何年か前に営業終わったやつ?」
絹旗『そのとしまえ○です。なんでもお化け屋敷の扉をノックすると超呪われるんだそうで』
上条「営業妨害……あぁまぁ閉じた遊園地だからいいのか」
絹旗『あくまでも噂ですが……私たちと超同期だった浜面さんが亡くなったそうですよ?』
上条「固有名詞浜面じゃなくて良くね?どうせそれオバケになって迫ってくる役なんだろ?」
絹旗『超面白いじゃないですか!行ってみましょうよ!』
上条「人間性を疑うわ」
……
ネフテュス『――あれ、上条君?上条君じゃない、久しぶり』
上条「出やがったな元凶その一!終盤になって人手が足りなくなってきたから出て来やがって!」
ネフテュス『私も別に出たいとは……なんか久しぶりだけ。今浜面の遺品を整理しに戻って来ている、らしい』
上条「だから浜面が超気ぃ悪いだろ」
ネフテュス『それで整理していたらとしまえ○の入場チケットを見つけた。良かったら貰ってほしい、どう?』
上条「いやぁ、流石に貰うのは……」
ネフテュス『丁度浜面と仲の良かったグループの枚数と同じ。きっと神のお導き』
上条「なぁこれ確実に呪うか呪わせに来てるよね?親御さんが俺たちを道連れにさせようとしてる?」
……
絹旗『――くっ!遊園地から超出られません!しかも一緒に遊びに来てた同期が次々と消えて……!』
上条「見事にハマってる訳だな。亡くなった設定の浜面と同じ、としまえ○の呪いってやつに」
上条「つーかさ?スタート地点ってどこよ、浜面が呪い喰らったのってどういった経緯で?」
絹旗『え?超忘れたんですか?浜面と幼馴染みのあなたが面白半分でやらせたんじゃないですか?』
上条「俺最低だな!これ呪われても文句言えねぇわ!」
……
絹旗「てな感じで『映画としまえ○』でした」
上条「すいません監督。これやっぱり全滅エンドなんでしょうけど、主人公以下全員呪われても仕方がねぇんじゃねぇかなぁって……」
絹旗「『としまえ○でホラー映画作りました』以上でもなく以下でもない作品ですね。内容は『被害者ヅラしてる主人公が一番のクズ』と最後の最後で超判明します」
絹旗「全員がそれなりのアイドルなので、ババをつける訳にも行かず、流血やクリーチャー感も超最小限度なので。怖いかこれ?って内容になっています」
上条「なくはないんだよな。『このぐらいのオバケだったら別に共存できそうじゃね?』みたいなのが」
絹旗「それもまぁ超大抵はプロダクションの影響力ですね。『この子は、ねっ?グロ売り出来ないんだよ?ねっ?』と脚本段階からチェック入りますんで」
絹旗「そしてまたこの映画しまえ○縛りがあるらしく、スタッフロール除いた映画75分中60分はとしまえ○の中で超ウロウロしてやがります」
上条「折角ロケ地になったんだから、気持ちは分からないでもないが。あとクローズドもの映画だったら1箇所縛りは珍しくないんじゃ?」
絹旗「『これ遊園地設定いらねぇよ』的な感想だと超思ってください。ホンモノ使ってるだけある程度の臨場感はあるんですが」
絹旗「なお余談ですが、最初に呪いで亡くなった女子であり、呪ってる張本人のご両親は既に白骨化して、発電室に超放置されていました」
上条「ほんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっとに雑だな!?『あぁあの人たち幽霊だったんだ……』って展開はいいのに!なんでそんな場所に放置してんの!?」
絹旗「映画があまりにも、その、つまらないため考察サイトも何もないため、謎は結局超謎のままですな」
絹旗「――さて!上条さんもお楽しみ頂けたと超確信しておりますが!、あえて最後にこの言葉を贈りたいと思います――」
絹旗「――『映画の中身が事故物件』……ッ!!!」
上条「ウルッセェな!?まぁ何一つ反論するところが見当たらねぇがウルッセェわ!」
娘々『あと私の出番くれよ。ちょい役でいいから』
ネフテュス『ダメよ娘々。損をするわ、なにをどうやったところでケチがついているもの』
絹旗「――なお、私が超プロデュースするよりも下の映画がこの世界に満ち溢れていますが!」
上条「世紀末かな」
-終-
(※ゆめゆめ忘れることなかれ。あなたがダメ映画を観ているとき、それはダメ映画からも観られていることを……ご応募ありがとうございました)
――
カメラマン『――おはようございますARISAさん。本日はどうぞよろしくお願いします』
鳴護「どうもです。『これアイドルのお仕事かな?』と思わなくもないですが、まぁはい」
カメラマン『今日は「とあるTry!年末スペシャル!」と題しまして、学生の皆さんに得意料理をパパっと作ってもらう感じで』
鳴護「路上に特設のセット組んだんですね。もっと別の所に最新技術を作ってほしいところですけど」
カメラマン『ちなみにARISAさんは当番組の主旨はご存じてすか?』
鳴護「といいますと?お料理を素人さんが作るんじゃないでしたっけ?」
カメラマン『若人を笑いものにして、高齢者の溜飲を下げるって番組ですけど?』
鳴護「思ってた以上に黒いな!?いやまぁ薄々そうじゃないかなとは思ってましたが!」
カメラマン『あと今の若い子は経済感覚しっかりしてますからね。なので、ねっ?分かりますよね?』
鳴護「ダメっぽい人を選んで頼め、と?」
カメラマン『いえそんなことは全く!ただARISAさんが選ぶ相手は指名できませんからね!』
鳴護「最低ですよね。あと当麻君は業界に染まりすぎてる」
……
鳴護「『――はい!っていうわけで”とあるTry!年末スペシャル!”のコーナーですよー!』」
鳴護「『道行く学園生に、得意な料理を作ってもらおうって企画ですねー!それじゃーどの学園生に頼もうかなー?』」
舞夏・鞠亜「……」 ジーッ
鳴護「『プロの方はあっち行って!どうせ無難かつ豪華な料理作られても撮れ高が稼げないので!』」
鳴護「『もっとこう普通っぽい人誰がいませんかー?自薦でも他薦でも構いませんよ?』」
姫神「――普通と聞いてやってきた」
鳴護「『寄せに来てるよね?外見はどう見ても退魔士なんだけど、中身は結構ひょうきんっていう』」
姫神「ごく普通のJKです。趣味はゲコ太のぬいぐるみで記念撮影」
鳴護「『その現場見たら泣きそう……!いや、いいんだけど!いいんだけども!』」
姫神「得意料理を作れと言われた気がする」
鳴護「『あの……グイグイ来てるところに恐縮なんだけど、使われるかどうかは面白さ次第であってね?』」
カメラマン『一回撮ってみようか!面白そうだしな!』
鳴護「呼んだよね?これ誰かスタッフの人、具体的には当麻君が一声かけたってことじゃないのかな?』」
姫神「えぇとではテッパンの肉じゃがを作りたいと思う。材料は?」
鳴護「『大体は揃ってます。お好きなのをどうぞ』」
姫神「ではまずジャガイモとニンジンの皮を剥く。ジャガは水につけておきます」 スーッスーッ
姫神「タマネギも同じように処理しつつ、食べやすい大きさに切ります。あ、この間に野菜は火の通りにくい順からレンチンしておきます」
姫神「次にお肉。豚でも牛でも食べやすい一口大にカットしてめんつゆにつけておきます」
姫神「あとはまぁお鍋に軽く油を引き、お肉を少し炒めてから水を入れて煮込む。ここで出汁を入れてもいいし、灰汁を取ってもいい」
姫神「彩りを考えたらエダマメ、味重視だったらイトコンを入れればいい。なお最終的な味付けはめんつゆよりも醤油の方がサッパリしつつ、みりんを隠し味に入れてるのがジャスティス」
鳴護「『えぇっと……”無難すぎてボツだろうな”って思うあたしはヨゴレてんだろうか……?』」
姫神「という訳で食べてほしい。どうぞ」
鳴護「『あっはい頂きます――あ、美味しいね!醤油ベースでシンプルな味だ!』」
姫神「昨今のなんにでもめんつゆ使う風潮は如何なものかと思う。いや私も使うけれど、そればかり頼っていたら『○○のお高いめんつゆ』にしないと飽きが来る」
鳴護「『そうなの?』」
カメラマン『個人の感想だけど、バーゲンとかで170円ぐらいのめんつゆ群って調味料多いから飽きるんだよな』
姫神「――ふっ、今日の私はデキる女……っ!JKで家庭料理が上手いのはポイントも高かろうって打算がない訳ではない……!」
鳴護「『っていうことなんですけど、男性代表として当麻君のご意見を頂けますか?』」
カメラマン『俺が作った方が美味いが、需要的には完封負けしてる自信があるぜ……ッ!!!』
鳴護「『だよね。あと失礼だから謝って』」
……
鳴護「あー……何人かにはやってもらったけど、みんなそこそこ成功してるよねぇ。秋沙ちゃんほど本格的じゃないけど」
カメラマン『お題が得意料理だからな。カレーかチャーハンぐらいだったら、まぁ誰でも作れるだろうし』
鳴護「てかもう終わりでいいんじゃない?充分でしょ?」
カメラマン『悪くはないんだが、こうバラエティ的な要素が足りてない。具体的にはカタルシス』
鳴護「失敗しろって言ってる?てかそれでいいの?」
カメラマン『ちょっとごめん。カメラ持っててもらっていいか?』
鳴護「うん、いいけどお手洗い?」
上条「――学園都市から来ました上条当麻ですっ!彼女募集中です!」
鳴護「出たがりかな!?てかあたしが撮るの!?演者側が!?」
上条「なぁアリサ知ってるか――人間誰しも、自分の人生って舞台の主役やってるんだぜ?」
鳴護「いや違う違う違う。そんな哲学的な事は言ってない」
上条「えーと誰でも作れる簡単なサバの味噌煮だ!勘違いしてるやつ結構居るから注意しろ!」
鳴護「多分編集で全カットされると思うけど、一応撮るよ。一応ね?」
上条「まずサバの切り身に飾り包丁、ぶっちゃけ皮の方にバッテンの切り込みを入れ、両面に塩を振って10分放置!この間にお湯を用意しよう!鍋に水入れて沸騰直前ぐらいまで湧かせ!」
上条「時間が経過したらサバの切り身を網の杓子でソッと鍋に入れる!切り身が白くなったら静かに取り出して冷水につけろ!」
鳴護「あ、あれ?サバの味噌煮ってそんな料理の仕方するんだ?」
上条「いや普通に煮る方法もあんだけど、コレが一番煮崩れしないんだわ。理由は後から説明すっけど」
上条「まぁとにかくそのサバを冷水の中で軽く表面を擦ること。塩と汚れを落とすようなイメージでだ」
上条「終わったらキッチンタオルでよく水気を取って横に置いておく。ただ身が崩れやすいから丁寧にすること!大事だぞ!」
上条「んで次に味噌煮の味噌部分の作成だ!水・酒・味噌・砂糖、あとお好みで酢を少し入れてもいい!全部合わせて『緩いかな?』ぐらいの粘度にまでする!」
上条「出来上がったらサバを鍋に入れ、味噌を注ぎ、弱火で沸騰させろ!いいか、絶対に弱火だぞ?」
上条「そんで沸騰したら落としぶたをして5分間煮る!その後はサバを取り出してからショウガの輪切りを数本入れ、粘度がドロってするまで煮詰める!」
上条「市販品ぐらいの粘度になったらサバを戻して一煮立ち!これでサバの味噌煮の完成だ!なんだったら片栗粉を溶いた水を入れてとろみを出してもいい!」
鳴護「思いっきり早足でやっちゃったけど、何かの時短料理かな?もっとこう『しっかり煮込んだんで身が柔らかく!』みたいなのを期待してたんだけど」
上条「サカナっつーかサバの場合だと、煮込みすぎると身が崩れるんだわ。こうバラバラのフレーク状になっちまうっつーか」
鳴護「あんまりお魚の煮込み料理って作らないし……」
上条「洋食で『○○時間煮込んだ牛スープ』みたいなのはあるけど、『魚を煮詰めた』ってのがないのと一緒。スープの出汁しては使うけど、メインにするんだったら煮込みすぎると原型留めてないんだよ」
上条「ついでに言うけど、ブイヨンとか作るときに使う肉は基本的にはあんま食べないのな?脂と旨味が全部水分に出ちまうから、中身スカッスカになる」
上条「加えて知り合いプロのシスターさんから聞いた話だと、あんま鮮度の良くない肉や魚ほど、アホみたいに煮込んで料理するんだって。だって当たるから」
鳴護「プロのシスターさんってなに?プロじゃないシスターさんがいるの?」
上条「例えばイギリス、もしくはイギリス、他にもイギリスとかだな!内陸部は特に!」
(※加えて塩で漬け込むため、塩分抜きという意味で煮込みまくる)
上条「よって魚料理のキモはより短時間で仕上げること!これ大切!」
鳴護「『ありがとうございました上条さん。多分オクラになると思われますが、まぁ期待しないで待ってて下さい。あとカメラ、はい』」
上条「ついでだからアリサも料理してみれば?女子力アピールできると思うぜ?」
鳴護「あぁうん、そういう考えがなくもなかったんだけどね……あたしよりも上手い相手にどう太刀打ちしろと?」
上条「あ、だったら俺と一緒に特訓しようぜ!頑張ってソイツを見返してやろう!」
鳴護「心が死んでるのかな?」
レッサー「情緒がイカレてますよね。ある意味サイコパスっちゅーか」
鳴護「出たねレッサーちゃん!クッキング企画だから来ると思ったよ!」
レッサー「ふっ、イギリスと言えば(マズい)メシ!(マズい)メシと言えばイギリスですからね!」
上条「顔は笑ってんだが、奥歯を強く強く噛みしめてんだよな。もうそこまで身を張った自虐ネタは尊敬に値するわ」
レッサー「サッカーワールドカップも私の中では終わったことですしね!さぁカメラを回しなさい!海外からの留学生って設定でイギリス料理をお見舞いしますよ!?」
鳴護「興味無いことはないんだけど大丈夫?放送できるの?」
レッサー「任せてつかーさい!全国のガキどもを恐怖のズンドコに叩き込んでやりまさぁ!」
鳴護「企画の主旨……あぁいや、食べ物で遊ぼうって意味では合ってる、かな?」
……
鳴護「『ではでは”とあるTry!”次のお客様は留学生の方のチャレンジです!』」
レッサー『ハローハロー!All your base are belong to us!!!』
(※「All your base are belong to us」=「お前らの基地は全部俺らがいただいた」ですが、文法間違いだったりネタにされまくった某STGの一文)
上条「やめろ。世界一有名なネタ台詞をぶっ込んでくるな」
鳴護「『留学生が”基地を占拠した”は国際問題じゃ?』」
レッサー『くっ!ネタにマジレスされるとちょっとだけ恥ずかしいですね!選んだ私もどうかと思いますが!』
鳴護「『えーっと、ではお名前とご出身を聞いても?』」
レッサー『日本から見てフランスの方から来ましたカルロ×です!』
上条「放送事故起こす満々じゃねぇか。するとは言わないが俺の居ない企画でやってくれよ!」
鳴護「『そのツッコミもおかしい。それで一体どんなお料理を作ってくれるんですかゴー○さん?』」
レッサー『すいません。カエル野郎と呼ばれるのはイギリス人にとって最大の屈辱の一つなので止めて下さいませんか?』
上条「自分で言ってただろ」
レッサー『えー、ではですね。アリサさんには我が故郷イングランドの伝統料理をお見舞いして差し上げましょう!』
鳴護「『お見舞い……食べられる、んだよね?』」
レッサー『失敬な!我が国の料理を食べて生きてる人だっているんですよ!?』
上条「そりゃいるだろ。残念なことだが」
レッサー『私が作るのは「リスのミートソース」ですッ!!!』
鳴護・上条「……」
レッサー『あれ聞こえませんでした?もしもーし?ドッピ○さん聞いてますー?』
鳴護「『ディアボ○さんはそんなこと言わない。じゃなくて、えっと、尋常じゃない単語が料理名に付随してたんだけど……なに?なんて?』」
レッサー『リスのミートソースですけど何か?』
(※実在するイギリス料理です)
上条「……喰うの?リスって何か、英語で別の意味がある何か、とか?」
レッサー『いえ日本でも栗鼠(りす)ですよ?英語だと「Squirrel」の方』
鳴護「『それはつまり樹の上とかに住んで、前歯の長い齧歯類の、ってこと、ですか?』」
レッサー『はいな。それが原料のミートソースです』
(※何回でも言いますが実在するイギリス料理です)
上条「嘘だろお前!?喰うんかリス!?お前らの国では!?」
レッサー『あぁウチは狩猟趣味のアッパークラスのアクティビティとして歴史がありますし?狩ったリスの毛皮だけでなく肉も食べることがありますんで』
鳴護「『あぁうん……もったいないの精神だったら、まぁ?分からないでもない、かな。決して認めたくはないけど』」
レッサー『チチチッ○アンッデールッ♪』
上条「版権的にヤバイ歌歌うんじゃねぇよ!?それ確かリス二人が主人公のアニメだろ!?」
レッサー『なおチッ○とデー○が兄弟というのはただの誤訳であり――あとは、分かりますね……ッ!?』
(※「親友」の意味の「ブラザー」を直訳して生まれた誤訳。公式では親友、つまり将来的にはそうなる可能性が高い)
鳴護「『嘘でしょ!?ずっと兄弟って設定でやってたのに!?』」
レッサー『では早速作るとしましょうか!リスをここへ!シメて皮剥ぐところから実演しまょうかね!』
上条「すいません、ないです。ブタ・トリ・ウシ肉以外に用意してない」
レッサー『お近くにリスがいない場合はピカチュ○で代用してみてください!』
鳴護「『食べられる、の?あれ確か昔のゲームだとそんな記述が あったような?』」
上条「てゆうかそれ法律に違反しないの?絶命とかレッドリストとかに入ってそうなんだけど?」
レッサー『昔っから喰ってましたし、一部のリスは天敵となる猛禽類の減少によりむしろ狩猟推奨されていますが!』
鳴護「『前あった”ウサギのミートソース”ぐらいの衝撃なんだけど……』」
レッサー『おぉよくぞ覚えてらっしゃいましたね!!作り方が途中までほぼ一緒なんですよ!』
レッサー『最初にリスの皮を剥いで内臓を全部取り出します!そしてそれを寸胴鍋に投入!』
レッサー『そして煮込んで煮込んで四・五時間!ここ大切ですよぉ!煮込めば煮込むだけお肉が柔らかくなりますからねぇ!』
鳴護「『あの……当麻君、これってつまり?』」
上条「『悪い肉ほどよく煮込んで騙くらかす』の超典型例かな。高品質の肉ほど肉質も脂も柔らかいって相場が」
鳴護「『てゆうかこの説明だと首も手も足もそのままのような……?』」
レッサー『え、肉がグズグズになるまで煮込めば同じじゃないですか?』
(※実在する料理です)
上条「いやいや待てや!?血抜きは!?血抜きはしねぇの!?」
レッサー『……知ってます?血液って新鮮なウチは飲めるぐらいに栄養豊富なんですよ?』
鳴護「『えっと……優勝です!あたしの独断と偏見ですが、レッサーちゃんが優勝でいいと思います!っていうか他の人のどんな失敗料理も勝てません!』
レッサー『――フッ、敗北の味を知りたいですよな……ッ!!!』
上条「敗北の味の前にエアで作ってるリスのミートソースを食ってみろよ。このあとどう挽回してもゲテモノ鍋だろ」む
レッサー『あぁいえ煮込んだ後はウサギのミートソースと同じく、挽肉にするだけですよ?色々なブツが入っているため、栄養も豊富で体にも良いんですからね!』
(※軟骨・血液等々。栄養価”だけ”は結構高く、リス自体の肉の臭味は”それほど”ない)
鳴護「『えーっと……番組特製ステッカーを差し上げますので大人しく帰って下さい。あ、あと何かありましたらどうぞ?』」
レッサー『リスだけにイギリス料理、ってね……ッ!!!』
鳴護「『臆面もなく一っつも面白くないギャグを言う勇気!?全国に流れれば公開処刑間違いなしなのになんて勇気を!?』」
上条「齧歯類喰うのかよイギリス人……!多少詳しくなったとはいえ、相変わらず引き出しが深いぜ……!」
鳴護「『当麻君そういうのはいいから。今のは全カットになると思うんで、他の子誰かいないかな?こうなったらもうヤラセでも仕込みでも無難な子をね』」
ランシス「――呼ばれて飛び出て……!」
鳴護「イギリス人縛りが過ぎるよ!?あぁいや悪いってことじゃあないけど!もっとこう仕込みにしたってキャスティングの段階でおかしいからね!?」
レッサー「あぁじゃあ簡単にチキンブロスっていう家庭で作る鶏ガラスープがあるんですが、そっち作りましょうか?材料揃ってますし」
レッサー「結構美味しいんですよ?ネタに走るでもなく、澄んだ透明のチキンスープでしてね」
鳴護「……大丈夫?猟奇的な絵面にならないかな?」
レッサー「鶏ガラをセロリとニンジンとタマネギと一緒に煮込むだけですので。あ、ただ『首の付いたまま』って縛りが」
(※料理の本に明記されています)
鳴護「イギリスの人って微妙にネタに走ってるよね?文化自体がツッコミ待ちってどうなの?」
-終-
(※リスは本当に食べますし、チキンプロスは何故か「首をつけたまま」と料理の本に明記されていました名状しがたいイギリス料理。ご応募ありがとうございました)
――
アラディア「――くっ、殺せ!」
上条「余裕あるじゃねぇかテメー。コンプラ的にこっちがそげぶできてもそれ以上は追撃できないって分かっててやってんのかコラ」
上条「でも生憎薄い本の中でなら自由にやれっから!まぁ殆どおれ関係なくてビリビリさんが無双するんですけども!」
アラディア「最近それも金髪の子が多いじゃない。このまま行くと数年後には人気でも乗っ取りそうな勢いで」
上条「くっくっく……!つまりこの空間でならなんでも出来るってスンポーさ!ハイクを詠め!カイシャクしてやる!」
アラディア「――で、背徳的な魔女の女王たる私へ、具体的にはどんなエ×トラップを?」
上条「す、スカートめくっちゃうぞ!俺は本気だからな!」
アラディア「小学生か。スカート履いてないし、ほぼ水着の踊り子服なんだけど……」
上条「し、下着にするからな!俺はやるっていったらやるんだ!」
アラディア「今よりも露出度が上がるぐらいなんだけど……」
上条「――くっ、殺せ!」
アラディア「攻撃力が超弱々。何もしないのに勝負に勝ってしまった……!」
上条「『――あ、もしもし青ピ?今俺の目の前に踊り子服着た子が』」
アラディア「その選択肢は本当にマズい!貞操じゃなくて魂の危険を感じる!」
上条「――はい、ここでアラディアさんから告知があるそうなんですが」
アラディア「その意味のないフリが一番辛い。ただそっちの切り札がないのだけは理解できる」
上条「調子に乗ってられるのも今のウチだけだぜ!こっちにはこのジョーカーがある……ッ!!!」
アラディア「……レポート用紙?」
上条「えーっとまずエキド○さんは魔女なんですよね?」
アラディア「エキド○違います。大罪魔女の一人じゃなく、魔女の女王ね?魔術師が力なき者の行き着いたどん詰まりと一緒で、私は子供たちを守るのよ」
上条「ウィッカ?系のまぁ魔神みたいなもん?」
アラディア「あそこまで絶対的な立ち位置ではないけれど、魔女の擁護者という意味では間違ってないわ」
上条「そんなあなたにクレームが届いています」
アラディア「なんでよ!?十字教に貶められた弱い立場の人たちを守るのがどうして抗議されるの!?」
上条「ちなみに差し出し人は闇咲逢魔とレッサーを筆頭にして、自称文化人類学者及び警察当局が連盟で」
アラディア「本当に意味が分からないわ!?共通点がないじゃないの!」
上条「なんつーかやらしてんだわ、お前の信者っていうかウィッカの人らが」
アラディア「それは不当な差別よ!私はただ娘たちを思って!」
上条「うん、動機は否定しないし俺も共感できる面はあるんだけど……まぁ再現VTRをご覧ください。レポート読むよりも早いんで」
アラディア「何やらかしたのあの子たち……!?」
……
レッサー(※ウィッカ役)『あ、すいませーん。○○研究室の方から来たんですが!』
闇咲(※学芸員)『あぁ。本日はどのような用件で?』
レッサー『こちらに納められているヘカーテ神の遺物なんですが、研究目的でお借りしたいと思いまして!』
闇咲『研究?そのような話は聞いてないのだが?』
レッサー『じゃあ連絡が届いてないんですね!行き違いになっちゃったのかなー!』
闇咲『なのでお帰り下さ――待て!その手を離せ!』
レッサー『依頼書は後から着くと思いますんで、私はレリック持って失礼しまーす!』
闇咲『待ちなさい!警備員捕まえろ!』
レッサー『えぇいお離ししなさい!こんなところで展示されているよりも、正当な魔女である我々のカヴンが使った方が有意義じゃないですか!』
……
上条「『ウィッカが起こした騒動・その一、遺物を勝手にパクろうとした』」
アラディア「い、一理わるわ!飾っておくよりも実用した方がいいに決まってるもの!」
上条「『○○の後継者』は自称なんで正統性の欠片もねぇよ。あとそれ言い出すんだったら、土地代払えなくて追い出された人間にも所有権あるって言ってんのと同じだ」
アラディア「土地と信仰は違うわ!正式に申し込んだら良かったのよ!」
上条「では被告人は次のVTRをご覧ください」
……
レッサー『こんちゃーす!こないだお借りしたアテナのメダリオンをお返しに来ましたー!』
闇咲『あぁ確かに返却――ん?少し待て』
レッサー『はいな?なんでしょうか?』
闇咲『……私にはメダリオンにドピンクで彩色されているように見えるのだが……?』
レッサー『おっ!そこに気づくとはお目が高いですな!我々のカルボナーラ神の御心に従い、ドピンクに塗るのがジャスティスだそうで!』
闇咲『あと……所々欠け、ヒビが入っているような』
レッサー『それも神様が言いました――「これでカーリングするのが旧い信仰だった」と!』
闇咲『そして極めつけは漢字っぽい何かでサインがされている……』
レッサー『あ、これは封印です!いやー危なかったんですよ!我々が封印を施さなかったら邪神ドクターペッパ○が復活するところでしたから!』
闇咲『――よし、法廷で会おうか』
……
上条「『ウィッカが起こした騒動・その二、研究目的で借りてった遺物を魔改造して返す』」
アラディア「もうやめてもらっていい?擁護してあげたいし私の存在意義なんだけど、二つめでもうギブアップなのよ。てゆうか、無理」
上条「なお連中がやった『魔術的処理』はポッタ○とかサブカルの影響を多々受けたものであり、文化的にはゴミよりもゴミだったっていうね!」
アラディア「本音は良い子たちなのよ!?分かれと思った、その真心的なのが暴走しちゃっただけで!長い目で考えて!」
上条「どんな目で見たって歴史的遺物を破壊事実には変わりねぇわ。じゃ次行くぞ!まだまだあるんだからな!」
……
上条(※観光ガイド役)『――はーい、着きましたねー。ここが世界遺産にも登録されているストーンヘンジですよー』
闇咲(※観光客役)『あぁこれが本物の。まさか実物を目にする前に、VRでみるとは思いもしなかったが』
上条『はいそこメタ的なツッコミしない!人数足りないんだからいつもと違ってな!』
上条『んじゃバスは30分後に出ますんで、忘れないように戻って来て下さいねー』
闇咲『すまない。ちょっといいか?』
上条『はいなんですか?写真撮ればいいんで?』
闇咲『ではなく。ヘンジに人が』
上条『人?いや人ぐらいいるでしょう、観光地ですし』
闇咲『それも違うと思う。ガチなんだ』
上条『ガチ?』
レッサー(※ウィッカ役)『ふんぐるいむぐるふなふくとぅるーいいえうがなぐるふたぐん……ッ!!!』
上条『やってんなコレ!?思ってた以上にガチだったわ!?』
レッサー『くっくっくっく……!悪魔が集いし邪教のヘンジをようこそよう○……!』
上条『こんなときでも「ようこそよう○」ネタをぶっ込んでくるお前には尊敬しかないわ。ある意味ではだが』
レッサー『何しに来たんですか十字教徒ども!ここは我らが神が眠る場所です!何人たりとも入らせやしませんよ!』
上条『国立公園ですよバカヤロー?てかお前だって勝手に入ってんじゃねぇか!』
レッサー『我々の正当な信仰を邪魔するんですか!?あなた方が立ち入ることによって、遺跡が変ってしまったらどうするんですか!?』
上条『なんでだよ。そのぐらいで遺跡が変るわけないだろ』
レッサー『変るですよ!人が踏み固めたりアホがサイン残したりって問題が!』
上条『あぁまぁそういうのはあるかもだが』
レッサー『ここは古代から脈々と受け継がれる我々の聖地!何人たりとも変えられはしないんですからねっ!?』
闇咲『あー、すまないがガイドブックに寄るとだ』
レッサー『ガイドブックぅ?そんなシロートが書いたようなシロモノで何を語るって言うんです!?こっちはプロですからね!?』
闇咲『昔のストーンヘンジはもっと柱の間に石のアーチがかかっていたのだが、安全を考慮して重機で降ろしてある、だそうだが?』
レッサー『……』
上条『どうしたプロ?変ってんだろ全然よ?』
レッサー『そのガイドブックは名のある魔術師が書いたモノかも……ッ!?』
上条『お前って人生楽しそうだよな?』
……
上条「『事案・その三、ウィッカ遺跡で勝手に儀式やったり私物化しやがった事件』」
(※ヘンジではないですが、勝手に遺跡入ってやらかす案件)
アラディア「ごめんなさいヘンジ!感受性の強い子ばっかで!」
上条「これは流石にギルティだわ。公共の場所なんだからウィッカの人らのものであるけど、同時にそうじゃないんだからな?」
アラディア「だって迫害されたんだから仕方がないじゃない!弱い子なのよみんな!」
上条「現代と『弱い子(※主にアタマが)』だよ。みろよ、レッサーさん今年一番ぐらいやる気になって演技してっから」
アラディア「もうそろそろ私のHPが0に……!」
上条「あ、次ので最後だからもう少し頑張って。てか最後のが一番酷いっちゃ酷いんだが」
……
上条『ここがリブートキャンプ会かー。ここに来ればただで自然との楽しめるって聞いたんだけど、ホントかなー?』
レッサー『ようこそいらっしゃいました!私はニョッキ会のレッサーと申します!』
上条『よろしくはお願いします。それでここって何するんですか?ボーイスカウトみたいな感じ?』
レッサー『こちらはですね−、十字教では悪魔とされた旧い神様の儀式をしましょうってサークルでしてね』
上条『えー、そんなの胡散臭いですよ。カルトじゃないですか』
レッサー『いえそれは誤解ですよ!だって我々は宗教じゃないんですから!』
上条『じゃないの?』
レッサー『あなたが十字教徒でもまた他の極東の島国のローカル宗教であっても我々の門戸は常に開かれています!』
上条『んじゃここでは具体的に何を?』
レッサー『大昔に失われてしまった儀式の再現ですかね?私たちが古代で過していたような生活スタイルを取り戻すってだけでありまして、疚しいことは全く?』路
上条『あー……日本にもありましたわ。縄文時代の生活体験みたいな村興し、それと一緒か』
レッサー『ご理解頂けたら何よりです――では、さっそく全裸になってください』
上条『なんて?』
レッサー『全裸ですよ、裸(ら)?プリーズストリーキングオーケー?』
上条『多分その英語は間違ってる。例え合ってても違うわ。え、なに?裸?』
レッサー『よーく考えみて下さい!人類は裸で生まれ裸で生き裸で死んでいくのです!』
上条『着るわ。どっかの段階で「なんか寒いな」って着るのを選択するわ』
レッサー『物理的にはそうかも知れませんが神の前ではみな平等なのです!きっと昔は全裸のままで生活をしていたに違いありません!』
上条『原始時代の壁画でも大抵毛皮着てるわ。なんだったら宇宙服っぽいの着てる人だっているし』
レッサー『なんかこう自然を感じるのです!きっと多分気持ちいいと思いますし!』
上条『さっきから前提が二転三転してっからな?……いやぁ流石に全裸はハードル高いわー』
レッサー『だったら今日は下着でもいいじゃないですか!お試しですし、なんだったら後で脱げばいいですし!』
上条『俺の命にかけてそんな展開にはならない――っていいか?』
レッサー『あい?なんです?』 ジーッ
上条『その、バズーカのようなレンズつけたカメラって何?まるで俺を撮ってるような漢字に見えだけど?』
レッサー『あぁこれは我々の活動実績ですね。「こんなことをやっていますよー!」って広報用の動画です』
上条『へー……ちなみにそれは無料で?』
レッサー『いいえ?会員限定ですけど、あ!入りますか!?』
上条『取り敢えず歯ぁ食いしばれコノヤロー』
……
上条「『事案その四でいっちゃんタチ悪いヤツ、何かこう未成年のアレとかコレとかを販売』」
アラディア「これもう私の責任?もう宗教じゃないわよね?子供やアタマの弱い子を騙して稼ごうっていう一種の詐欺じゃ?」
上条「そうだよ詐欺だよ!この詐欺にお前やお前のウィッカが使われてんだよ!」
アラディア「じゃあ被害者はこっちよ!私と子供たちは悪くないじゃない!」
上条「販売するような外道は魔女じゃない……かどうかは分からないよなぁ。『楽して稼げるんだったら!』みたいな軽い気持ちって可能性もあるし」
アラディア「くっ……!やっぱりこの時代でも魔女は立場が弱い……!」
上条「てかお前の魔女のイメージって……あぁんじゃシミュレートしてみようか。俺が魔女で、中世だったらどうなるんだ?」
アラディア「『水に沈めて死ななかったら魔女だ!』」
上条「なにそれ怖い。確かにそんなクソみたいな時代だったらお前は必要か」
アラディア「でしょう!?」
上条「じゃあ今はどうなったかやってみるわ。お前が魔女役な?」
アラディア「『我は魔女!ヘカーテの直系にしてゴルゴネイオンの秘技を受け継ぐもの……!』」
上条「『ん、あぁそう……?魔女、なんだ、へー……』」
アラディア「思ってたりアクション違う!?なんか騒がれるよりも傷つく!?」
上条「だからお前はウィッカをなんとかしなさいよ!最初の三つはまだギャグで済むかもだが、最後のは児童虐待をも含まれてんだからな!」
アラディア「でも……最後のはマフィアがやってるんじゃないの……?だっらた私は無関係とは言わないけど、どっちかって言えば名前を使われた被害者だわ!」
上条「だったら宣言すればいいんじゃ?『ロ×ペ×動画売ってるの連中ってウィッカに非ず』的な?」
アラディア「……真面目に言うけど、宗教家の殆どは『自分の言う通りに動いてくれる神』であって、私が降臨して言い出したら偽物扱いされるわよ?」
アラディア「十字教で聖人が死んだり殺されたりするのも”それ”だし、現代の聖人も”そう”するから聖人ってテンプレ遣ってんでしょうし」
アラディア「……もしもイエ○やブッ○が降臨したらなんて言うんだろ、とかたまに思うし」
上条「それやってんのがウィッカじゃねぇの?『昔の神様はこうだったに違いないからこうする』的な?」
上条「まぁとにかくあと10年もすればサブカルの影響で魔女も社会的に認知されるよ! 『プリキュ○の一種?』みたいに!」
アラディア「それはそれで救済対象だわコノヤロー」
-終-
(※大体誇張なし、何かもう冗談のような搾取のされ方しやがってますし、人権屋が突っ込まないところをみるにマフィアも一枚噛んでる。ご応募ありがとうございました)
バードウェイ「――最近増えたマジレス系主人公ってどうなんだ?」
上条「ボス、久々にぶっぱするのは如何なものかと……」
シェリー「ヒロインの行動にガチギレするんだったら、最初から愛想尽かしてねぇのか、って話よね」
バードウェイ「まさにそれだな。限界点を突破するぐらいだったらそれでやめとけよ。どうせいつかキレるんだったら早い方がいい」
上条「そ、そんなことないよ!女子はもっとこう繊細なんだから男子は頑張るべきだよ!」
バードウェイ「言ってやれ女子の本音を」
円周「うん、うん……ッ!そうだね、こんなとき木原顔芸おばさんだったらこう言うんだよね……ッ!」
円周「『付き合う気がない相手はウザいから告白してこないでほしいし、フった後も同じ態度でチヤホヤしてほしい。そもそもリターンを求めず一方的に奉仕してほしい』」
上条「あれ?俺たちは黙々と働くドロイドかなんだと思われてんの?」
シェリー「そこまで酷ぇのはそんなには居ない。ただ超極論を言やぁ合ってなくもないわね。フッた後、露骨に態度悪くなるヤツとかいるし」
円周「シェリーお姉ちゃんを口説こうって猛者がいたんだっ?」
シェリー「いや、見栄張っただけだわ。同僚がそんな話してたような気がする」
上条「態度悪いのはどうかと思うが。フられた後にまたなんか前の態度と同じで、ってのは厳しくないか?」
バードウェイ「そこも含めて精神論だ!フる方だって傷ついてるんだぞ!」
円周「と、言いながら内心はウザいだけなんだよね。あと女子会でトロフィーのようにマウントを取りまくるっていうねっ!」
シェリー「逆の立場だったらどうよ?後輩女子辺りに告られた後、居なくなったら寂しいとか思うだろ?」
上条「――ふっ、俺にフッた経験なんてあるとでも!?」
バードウェイ「フィクションのノリで許されてきたツンデレもついに落日となろうとはな」
上条「もう既になってね?ツンデレと称するコミュ障の人っていうか」
シェリー「てかクリスマスにマジレス系主人公の話止めろよ。誰も得しねぇし」
バードウェイ「ではアメコミの日本語版出してる出版社が、売れなさすぎて撤退するそうだな」
上条「タイムリーはタイムリーだけどもそれ違うわ。地獄のHENTAI性癖マラソンでやったヤツだろ」
シェリー「なんでも拾うからそうなんだよ。つーか帰っていいか?」
円周「えー、プレゼント買いに来たんじゃないのー?」
バードウェイ「だなぁ。どっかの美術バカが『用、意……?』とか抜かすから付き合ってやったんだろうが」
シェリー「おいおいお待ちなさいなクソガキどもめ。私のプレゼントは既に用意済みなのよ?」
上条「ちなみに中身は?」
シェリー「通販で買ったハンディ掃除機。ちなみにダイソ○のパチモン」
上条「貰って嬉しい……は、嬉しいが、まぁ!せめてこう心を込めようぜ!」
円周「それが四分の一の確率で当たるとなると……うん、ちょっと考えるよねぇ」
シェリー「プレゼント交換もいいんだけどよ、それだったらテメーで買った方が良くね?」
バードウェイ「いやいやクロムウェルよ、外連味が足りん。もっとこう攻めていかないと」
シェリー「へえぇ?魔術結社のボスは一体何を用意されてるので?」
バードウェイ「カッチェ○のグミだ……ッ!」
シェリー「やめろバカ!?食べ物を無駄にすんなよ!?」
上条「かっちぇ○?」
円周「ドイツ製で不味いって評判のグミだねぇ。なんでも『塹壕の味』なんだって」
上条「せめて食べ物で例えてやれよ。ポッタ○のダメキャンディと同じじゃねぇか」
円周「あれはロシアンルーレット的な要素もあって『不味く作ろう』ってコンセプトがあってね?対してドイツのは『素でただただ不味い』っていう非業のグミなんだよねっ!」
上条「イギリスの呪いでも感染した可能性も」
バードウェイ「そこまでイギリスに業を背負わせるな。てゆうかこの女だけじゃなく貴様らも大概だったのを忘れたのか?あ?」
シェリー「何用意したんだよ、ちっこいの」
円周「ん?ただのダイバーナイフだよ?」
上条「悪い意味での実用品だな!日本だと殺傷力が強くて規制されたヤツだ!」
円周「血抜きに便利なんだけどなぁ。お兄ちゃんは?快楽○?」
上条「ここでそれ用意したらアタマおかしいかアタマがアレな勇者だよ。俺はほら、頑張ってゲームの詰め合わせをだ!」
バードウェイ「悪くはないがパンチに欠けるな。あと私と被った」
上条「態度が超ヘビィ。被ったんだったらその暴言はお前にも刺されるだろ」
シェリー「あ、これいいんじゃね?スポンジボ○の何か」
バードウェイ「貴様――子供だと思っているな!?」
シェリー「鏡を、見ろよ。年齢的には丁度だろうが」
円周「スポンジボ○は流石に低年齢層じゃないかなぁ。嫌いじゃないけど、あの独特のシュール感が」
上条「まぁ用意しちまったのは仕方がないとして……あ、パーティゲームのコーナーだ。別口でいくつか買っとくか?」
バードウェイ「――よし勝負だ!一番盛り上がったのを用意したヤツが勝ちな!」
円周「受けて立つよー!うん、うんっ!そうだね、こんなとき――まぁいいやっていうか待って!」
上条「……バードウェイさん?思いっきりはしゃいでますけど?」
シェリー「まぁいいじゃねぇか。年相応で」
……
円周「――っていう訳で始まりましたー!『第一回パーティゲーム大会!』でぇすっ!」
バードウェイ「ルールは簡単だ!楽しんだヤツが勝ち!以上っ!」
シェリー「全員が全員、自分のやつに票入れてバラッバラになんじゃねぇの?」
上条「そ、それも含めてクリスマスの醍醐味だよ!張り切っていこうぜ!」
円周「なお票がバラけるように出品者は隠してありまーす!それじゃーまずは――これっ!ジェンガでーすっ!」
上条「隠したんだから……まぁいいか。まぁパーティゲームとしちゃ定番だよな」
バードウェイ「ルールはベーシックなアレだ!棒を引っこ抜いて上に重ねるだけだな!」
上条「あれこれもしかしてボスのやつ?テンションマックスだから分かりづらい」
シェリー「まぁいいけどよ。それじゃまずは――」 ガシャーン
上条「あ、あれ……?一本抜いた瞬間に、どうして全部倒れて……!?」
バードウェイ「『不幸』さんは今日もいい仕事するよなぁ。お前は隅っこで膝でも抱えてろ」
上条「クソッ!この時間にピザでも作ってやるんだからねっ!?」
円周「お兄ちゃんは主婦の鑑だよねぇ。もしくはメイドさん?」
……
上条「――ってピザ焼けたぞー。つっても冷凍のピザ生地にトッピングして焼いただけ――ってスッゲ!?超高くなってる!?」
バードウェイ「くっくっく……!貴様の罪を数えるがいい!」 スッ
円周「『オイオイクソガキが舐めてんじゃねーぞゴラアァッ!!!』」 スッ
シェリー「あ、私に一かけ頂戴」
上条「一体何が……?」
シェリー「私が普通に負けた後、ガキ二人がヤッベェぐらいに続いてる。どっちも小器用だからな」
上条「楽しいか?なぁこれ楽しい、か?」
……
バードウェイ「――と、そこそこ盛り上がったものの、所詮はそこそこだったな!次は私のターン!」
上条「推薦者隠すって言ってんだろボス。あと盛り上がったのはお前らだけで、年上チームはピザ喰ってただけだわ」
バードウェイ「どうせ次も速攻で負けるんだからもう一枚焼いてこい!私が用意したゲームはこれだ――『ツイスターゲーム』だ……ッ!!!」
円周「――タイム」
シェリー「タイムの申請を受理します」
バードウェイ「お、おい……?なんだ?どういうことだ?」
上条「俺も知らん。つーかどういうシステム?」
円周「あー……えぇーっとね……シェリーお姉ちゃんはレヴィちゃんにお話ししてくれるかな?その間にお兄ちゃんに説明しておくから」
シェリー「りょーかい。おらこっち来い」
バードウェイ「手を引っ張るなよ。なんなんだ一体――」
上条「つーか何?なんでボスが?」
円周「あんまりこう、うん言っていいのか迷うんだけど……キラーコンテンツ、なんだよね」
上条「それって超売れる映画とか映像作品じゃなかったっけ?」
円周「そうでもありそうでもなくって感じなんだけど。海外のさ?動画投稿サイトってあるじゃん?再生回数でお金が貰える的なの」
上条「端的に言ってユーチユーバ○だな。それが?」
円周「それの上位かつよくBANさる動画ジャンルに『ツイスター』って項目が、ねっ?分かるよねっ?」
上条「……なんで?ちょいエ×マンガでは出てくるけど、そのレベルだろ?」
円周「よりタチ悪いヤツで、えっと、あるんだよね?レヴィちゃんぐらいの年頃の子が、親に言われてツイッターで遊んでる動画が」
上条「よく分からん。はっきり言ってくれ」
円周「うん、うん……ッ!そうだよね、こんなとき、数多おじちゃんだったらこう言うんだよね――」
円周「『――テメーのガキをロ×コンテンツで一攫千金を狙ってるクソ親が居るんだわ。しかも表向きはただ遊んでるだけだから規制しづれぇのなんのって』」
上条「――よーし次は誰のパーティゲームかなぁ!?まだ俺のは出てないけど楽しみだぞーっ!!!」
……
シェリー「あー三番目か。『人狼ゲーム』よ。ベタで悪いけど」
バードウェイ「いいじゃないか!知能の高さがモノを言うゲームだな!」
上条「俺初めてだけど人狼って四人で出来るゲームだっけ?」
円周「パーティゲーム用に再デザインされたバージョンみたいだね。GMがいなくてカードでやりとりするみたい」
上条「へー?そんじゃ一回やってみようか――まずはカードを――」
円周「『――グルルルルルルルルル……!!!』」
上条「猟師さーん!?今まさにオオカミが人を食べようとしてまーす!?」
バード「コイツは賢いのかアホなのか分からんよな。演技力が無駄に高いところは評価できるが」
シェリー「そのツッコミはお前にも大分当て嵌まるからな?」
上条「配役を変えよう!お前は猟師だ!」
円周「『――ヤツらは人の皮を被った悪魔だ!俺の、俺の子供たちを……ッ!』」
上条「どういう設定?一瞬でそこまで役作り込む必要ってある?」
バードウェイ「更に配役チェンジだ。あーっと、殺人鬼?」
円周「『こんにちはー、はじめましてー!お隣に引っ越してきた木原でーす!』」
シェリー「街から子供が少しずつ消えるタイプのシリアルキラーだな」
……
上条「――てかデパートからツッコミし過ぎてノド痛いわボケ!?冬だから乾燥気味なんだよ!?」
バードウェイ「キレ方がおかしい。あと最後だからさっさとやれ」
上条「俺のはド定番だ!その名も桃○99年ゲーム……ッ!!!」
バードウェイ・円周・シェリー「絶対にイヤだ」
上条「なんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっでだよ!?絶対に面白いに決まってるだろ!?」
バードウェイ「ゲーム性を否定しないが、99年は辛いだけだろ。最初の一・二時間はまぁ、だが」
円周「『リアルで一時間経ったのにまだこれだけしか……』って追い詰められていくんだよねっ」
シェリー「最終的に楽しむためにゲームやってんのか、ゲームするために楽しんでのか分からなくなる」
上条「くっ!こうなったら日本の古式ゆかしいパーティゲームをお見舞いしてやるぜ!その名も――」
上条「――『野球拳』だ……ッ!!!」
バードウェイ「存在自体は知ってはいるが、誰も何も得をしくないか?いや別に今更お前の貧相な裸(ら)見ても、なぁ?」
円周「そんなに裸見たいんだったら脱ぐよ?」
シェリー「ピザ食ったら喉渇いた。シャンパンってどこに置いたっけか?」
上条「全員リアクションがおかしい!もっとこう女子として恥ずかしがるターンじゃねぇの!?」
バードウェイ「あぁまぁチャレンジしてもいいんだが……その、『ジャンケンで100回負け続ける』っていう奇跡の男()には、どうハンデをつけたもんか、なっ?」
円周「私たちが下着スタートでイーブンかなぁ?それとも全裸?」
上条「それ俺の知ってる野球拳と違う。幼児二人を前にして男子が徐々に脱いでいくのって、何かの儀式か?」
バードウェイ「ふっ!自信がなければ引くがよい――『やーきゅーうー、すーるならー♪』」
円周「『こーゆー具合にしやしゃんせー♪アウト!セーフ!』」
上条「『よよいのっよい――』」
……
シェリー「……ん、んん?あぁ頭痛てぇ……寝ちまったのか。グレンゴインは飲みやすくて困るぜ、クソッタレが」
シェリー「つーかガキどもも静かになってんのな?桃○やって寝オチでも――」
上条(※全裸)「……ぐー……」
バードウェイ・円周(※下着)「すー……」
シェリー「なんかヤッベェ事件の痕跡が!?具体的には淫らな行い?!」
シェリー「……」
シェリー「てかちょっと待てクソガキども!この面子で警察沙汰になったら実名報道&全責任されるのは私だけだな!?」
シェリー「『29歳、大学講師が淫×を行い』ってネットニュースに飛び交うのだけは阻止し――」
シェリー「――よし!飲んで寝るぜ!きっと起きた時には全部解決してるよなマジで!」 ゴッゴッゴッゴッゴッ
-終-
(※クロムウェルさんの孤独な戦いはまだ始まったばかりですいや本当に。ご応募ありがとうございました)
――
上条「――ここは……?」
チャーリー『よートーマ!なんだってシケたツラしてんるんだいHAHAHA!!!』
上条「外人か!?つーか誰だよお前!?」
チャーリー『トーマは今日もテンション高いぜ!なぁダイラン!』」
ダイラン『察してやれよ。そいつ昔っからジェニーのこと、なっ?分かるだろ?』
チャーリー『そうだったのかよ!?……なんだお前、一言言ってくれれば良かったのに……』
上条「だからお前ら誰だよ。あと俺が失恋したみたいになってっけど、どういうことだよ」
チャーリー『いやだってお前、明日は俺とジェニーの結婚式だろ?』
上条「あぁうんそれは別におめでとう……?」
チャーリー『でもまぁたまにだったら貸してもいいぜ?たまにだったらな?』
上条「なぁそっちのギャングにしか見えない人、こいつぶん殴ってもいいよな?事情は全く理解できないんだが」
ダイラン『やめとけやめとけ。一応そんなんでも明日の新郎だからな』
チャーリー『おぉっともうみんな時間だね!約束があるから失礼するよ!』 シュタッ
上条「行っちまったな……つーかこれどういう状況?犯人は暇を持て余した神々の遊びなのは間違いないが、ここどこよ?」
ダイラン『どこってお前郊外の結婚式場だよ。古い別荘をリゾートホテルとして立て直して、まぁ丸ごとセットで貸してんだと』
上条「あー……何となく読めてきたな。この後シリアルキラーがゾンビ、もしくはサメに襲撃されんのかここ」
ダイラン『トーマ、お前も疲れてんだよ。ほら、一杯飲んで寝ちまえよ』
上条「未成年だしいいっすわ。つーかどう見ても四十越えたプロレスラーっぽいオッサンと同期って設定おかしいだろ!?』
チャーリー『あああああああああああああああああああああああああああああっ!?』
上条「ウルッセェな今度はどうした新郎!?情緒不安定か!?」
上条「――ってマジでどうした?んなずぶ濡れになって、しかも裸って……?」
チャーリー『シャ、シャワーを!シャワーを浴びてただけだから!』
上条「いやその理屈はおかしい。つーかなんかちょっと血の臭いが――」
チャーリー『ぼ、僕はもう寝るよ!おやすみなさい!』 ダッ
上条「俺以上に情緒不安定か。おい、どうするよレスラーの人?」
ダイラン『俺はレスラーじゃねぇが。まぁ放っとけ、年貢の納め時になってパニクってるだけだろ』
上条「結婚したら落ち着くといいけど、こういうヤツは痛い目見るまで反省しやがらないんだよなぁ」
……
チャーリー『いやー悪かったねトーマ!昨日はなんか取り乱してしまったようで!』
上条「別にいいけどもだ。何かあったのか?おすくり的なモノをキメた?」
チャーリー『かも、しれないね!あれは悪夢だったんだ、忘れよう!』
上条「んー……?」
ダイラン『――二人ともケイトを知らないか?朝になったら居なくなってたって女子が騒いでる』 ガチャッ
上条「俺は知らない。ケイトが誰なのかも知らない。お前は?」
チャーリー『……』
上条「どした?」
チャーリー『し、知らないよ!彼女は気分屋だから帰ったんじゃないかい?』
ダイラン『そうかも知れないが……』
チャーリー『いいから式の準備をしよう!遅らせるわけにはいかないからね!』
……
牧師『――汝、チャーリーは彼女のことを愛しますか――』
上条「結局見つかんなかったな、その人。車もあったのに、どこ行っちまったんだろ」
ダイラン『……トーマ、大変だ!こいつを見てくれ!』
上条「うん?なにこれ?」
ダイラン『敷地の廃屋で拾った人骨だ!』
上条「そんなもん持って来んなや!?お前もお前でどっかバグってるわ!?」
ダイラン『しかもこれ新しい!一体何が……!?』
上条「いやもう大体分かるだろ。新婦の隣に立ってるのが犯人か重要参考人だわ」
牧師『……』
チャーリー『神父様?どうされましたか?』
牧師『あ、後ろを見て下さい!あそこに、そこにっ!』
絹旗(※ワニの着ぐるみ)『ワニーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!』
上条「出やがったな悪魔め!?つーかこのタイミングで来るか!?」
チャーリー『やっぱり――昨日ケイトが食べられたのは夢じゃなかったんだ……!?』
上条「ってお前が元凶か腐れイケメン!?てか一人が喰われてんのに夢で済まそうとすんじゃねぇよバーカ!?」
……
絹旗「――はい、っていうわけで『Cro○』です。今年公開になったばかりの超ク×映画です」
上条「すいません監督、緩急が効き過ぎてて事態をまだ良く呑み込めません。つーか出来れば知りたくもないです」
絹旗「あぁいえいえ、これはですよね超善意でして」
上条「監督から一番遠い言葉っすね」
絹旗「『クリスマス企画で上条さんをダ×映画の世界で超癒してやってください!』的な?サプライズ?」
上条「無っっっっっっっっっっっっっっっっっ理だわ?!どこの世界にダ×映画の世界に堕とされて楽しめるやつがいんだよ!?」
絹旗「いやしかし折角の超ご厚意ですし、ねぇ?裏切るのも、ねぇ?」
上条「そんな厚意ってある?そして地獄に落ちるんだったら浜で始まって面で終わる人とか、適切な人材が居るって思うんですよね?」
絹旗「ハマーは別件で悪魔と魔女のオモチャになるとのことなので、まぁ超諦めてください。字数の都合上、あとたった二本だけですから」
上条「そして多分俺の心を折りに来る珠玉の二本ってことだよね?厳選されたエレガントな感じの?」
絹旗「なお一本目のダ×映画ですが、『新郎が結婚式前日に他の女と×ってる間にワニに襲撃、見捨てて逃げてなかったことにする』のが超最大の見せ場です」
上条「映画の内容よりもその新郎が怖いわ」
……
山野『――それでな。俺次の物件行こうと思うんだよ。カミやんどうする?来る?』
上条「オッケーまず俺に寄るな触るな近寄るな!ディアボ○さんが今もいるであろう『永遠に真実に到達しない世界』はこんな感じっぺぇだろうが!」
山野『いやもうカミやんしかいないんだよ。中野さんは途中でやめちゃうし……』
上条「中野さん?何かあった人?」
山野『お父さんが事故しお母さんが倒れただけなのに』
上条「それもう人生一変するような転機だよな?もう放ってといてやれよ」
山野『最初だけ!最初何日か様子を見に来るだけでいいから!』
上条「見に行くってお前んちか?なんでまた?ペットの世話でもすりゃいいの?」
山野『いや、事故物件の録画をだな』
上条「だったら原因100%お前ですよねコノヤロー?てか人んちのオヤジを間接的に殺ってんのかもしんねぇのにそんな態度なの!?」
山野『頼む!事務所の大先輩に言われて仕方がなくだから!お前の家族に何かあっても俺は関係ないから!この通り!』
上条「お前とお前の先輩の人間性がマズいわ−。映画の設定上とはいえ、パワハラが過ぎるわー」
……
死神?『オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォウウゥッ……!!!』
山野『――効いた!どっかで買って来た安い線香が効いた!』
山野『でもその炎がこっちに向って――ビニール傘バリアー!!!』
上条「なぁ監督!俺が悪かったらもう戻してくれよ!俺このままここに居たら頭どうかしちまうから!」
死神?『ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?』
山野『やった、消えていく……!』
上条「そんなもんなの?設定上何人殺ってる悪霊だか怨霊だか死神が、線香二束焚いただけで成仏しちまうの?」
……
絹旗「――と言うわけで『事故物○』です。事故物件住みます芸人の方が超有名になった原作を元にしている、らしいです。私は読んでいませんが」
(※本人のドキュメントは読み物として面白いです)
上条「松○芸能ってアホなの?仮にも老舗の芸能会社なんだから、なんかこう、アレだ。もっとなんとか頑張ってできなかったの?」
絹旗「正しくは『松○』という会社の芸能部門です。超並列して映画部もあり、不動産業もありって感じの」
上条「てゆうか事故物○ってやんなかったっけか?」
絹旗「多分やってない、かな?と超忘れましたんで、まぁ簡単にだしいいだろうと」
上条「何かこう全部が雑だな。事故物件に住むのもそうだし、オバケを退散させるのも含めてだ!」
絹旗「なお字数の関係で怪談おじさん二号は超登場できませんが、曰く『線香だけ焚いても意味がない』そうで」
上条「……獣除け、だったんだっけか?前にオカルトサバイバル的な企画で聞いたわ」
絹旗「元々は亡くなられた方を埋葬するまで弔う――と、いうよりもご遺体の匂いがアレですからね。それを紛らせるため、もしくは獣を寄りつかせないため、が大元だったそうで」
絹旗「一応供養の一環として『焼香』があるっちゃありますけど、それ自体はそれほど超重要視は……『多分護摩と間違われてるんだろうが』だそうで。ファブリー○か」
上条「やめなさいよ。アレと同じ扱いなのは流石にちょっと」
絹旗「『ぶっちゃけ破魔矢もそうだけど、アレ魑魅魍魎に撃ち込まないと持ってるだけじゃ効果が無い』」
(※諸説あり)
上条「だから余計なこと言うなや!?色々な人が納得してんだからそれでいいだろ!?」
絹旗「あと今軽く調べてみましたが、事故物件を超きちんとやった回はありませんでした。なのでこれが初ですね」
上条「本当に大した中身無かったな!最終的にアホ映画として名を残したわけだが!」
絹旗「……いえ、それがですね。実はこの演者にも超シャレにならない祟りが起きたって」
上条「えー、そういうのって不謹慎じゃねぇの?俺も嫌いじゃないけどもだ」
絹旗「――元グループの方が違法薬物所持で超逮捕……ッ!!!」
上条「うん知ってた。そんなことだろうとは思ってたし、あと今のグループの子たちは残ったメンバーで頑張ってんだからあんま言うなよ?」
……
絹旗『――ねぇ、超知ってますか?「としまえ○のの呪い」って都市伝説があるらしいんですよ』
上条「あぁ最後は監督同伴……としまえ○ってあのとしまえ○?古い遊園地で何年か前に営業終わったやつ?」
絹旗『そのとしまえ○です。なんでもお化け屋敷の扉をノックすると超呪われるんだそうで』
上条「営業妨害……あぁまぁ閉じた遊園地だからいいのか」
絹旗『あくまでも噂ですが……私たちと超同期だった浜面さんが亡くなったそうですよ?』
上条「固有名詞浜面じゃなくて良くね?どうせそれオバケになって迫ってくる役なんだろ?」
絹旗『超面白いじゃないですか!行ってみましょうよ!』
上条「人間性を疑うわ」
……
ネフテュス『――あれ、上条君?上条君じゃない、久しぶり』
上条「出やがったな元凶その一!終盤になって人手が足りなくなってきたから出て来やがって!」
ネフテュス『私も別に出たいとは……なんか久しぶりだけ。今浜面の遺品を整理しに戻って来ている、らしい』
上条「だから浜面が超気ぃ悪いだろ」
ネフテュス『それで整理していたらとしまえ○の入場チケットを見つけた。良かったら貰ってほしい、どう?』
上条「いやぁ、流石に貰うのは……」
ネフテュス『丁度浜面と仲の良かったグループの枚数と同じ。きっと神のお導き』
上条「なぁこれ確実に呪うか呪わせに来てるよね?親御さんが俺たちを道連れにさせようとしてる?」
……
絹旗『――くっ!遊園地から超出られません!しかも一緒に遊びに来てた同期が次々と消えて……!』
上条「見事にハマってる訳だな。亡くなった設定の浜面と同じ、としまえ○の呪いってやつに」
上条「つーかさ?スタート地点ってどこよ、浜面が呪い喰らったのってどういった経緯で?」
絹旗『え?超忘れたんですか?浜面と幼馴染みのあなたが面白半分でやらせたんじゃないですか?』
上条「俺最低だな!これ呪われても文句言えねぇわ!」
……
絹旗「てな感じで『映画としまえ○』でした」
上条「すいません監督。これやっぱり全滅エンドなんでしょうけど、主人公以下全員呪われても仕方がねぇんじゃねぇかなぁって……」
絹旗「『としまえ○でホラー映画作りました』以上でもなく以下でもない作品ですね。内容は『被害者ヅラしてる主人公が一番のクズ』と最後の最後で超判明します」
絹旗「全員がそれなりのアイドルなので、ババをつける訳にも行かず、流血やクリーチャー感も超最小限度なので。怖いかこれ?って内容になっています」
上条「なくはないんだよな。『このぐらいのオバケだったら別に共存できそうじゃね?』みたいなのが」
絹旗「それもまぁ超大抵はプロダクションの影響力ですね。『この子は、ねっ?グロ売り出来ないんだよ?ねっ?』と脚本段階からチェック入りますんで」
絹旗「そしてまたこの映画しまえ○縛りがあるらしく、スタッフロール除いた映画75分中60分はとしまえ○の中で超ウロウロしてやがります」
上条「折角ロケ地になったんだから、気持ちは分からないでもないが。あとクローズドもの映画だったら1箇所縛りは珍しくないんじゃ?」
絹旗「『これ遊園地設定いらねぇよ』的な感想だと超思ってください。ホンモノ使ってるだけある程度の臨場感はあるんですが」
絹旗「なお余談ですが、最初に呪いで亡くなった女子であり、呪ってる張本人のご両親は既に白骨化して、発電室に超放置されていました」
上条「ほんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっとに雑だな!?『あぁあの人たち幽霊だったんだ……』って展開はいいのに!なんでそんな場所に放置してんの!?」
絹旗「映画があまりにも、その、つまらないため考察サイトも何もないため、謎は結局超謎のままですな」
絹旗「――さて!上条さんもお楽しみ頂けたと超確信しておりますが!、あえて最後にこの言葉を贈りたいと思います――」
絹旗「――『映画の中身が事故物件』……ッ!!!」
上条「ウルッセェな!?まぁ何一つ反論するところが見当たらねぇがウルッセェわ!」
娘々『あと私の出番くれよ。ちょい役でいいから』
ネフテュス『ダメよ娘々。損をするわ、なにをどうやったところでケチがついているもの』
絹旗「――なお、私が超プロデュースするよりも下の映画がこの世界に満ち溢れていますが!」
上条「世紀末かな」
-終-
(※ゆめゆめ忘れることなかれ。あなたがダメ映画を観ているとき、それはダメ映画からも観られていることを……ご応募ありがとうございました)
――
カメラマン『――おはようございますARISAさん。本日はどうぞよろしくお願いします』
鳴護「どうもです。『これアイドルのお仕事かな?』と思わなくもないですが、まぁはい」
カメラマン『今日は「とあるTry!年末スペシャル!」と題しまして、学生の皆さんに得意料理をパパっと作ってもらう感じで』
鳴護「路上に特設のセット組んだんですね。もっと別の所に最新技術を作ってほしいところですけど」
カメラマン『ちなみにARISAさんは当番組の主旨はご存じてすか?』
鳴護「といいますと?お料理を素人さんが作るんじゃないでしたっけ?」
カメラマン『若人を笑いものにして、高齢者の溜飲を下げるって番組ですけど?』
鳴護「思ってた以上に黒いな!?いやまぁ薄々そうじゃないかなとは思ってましたが!」
カメラマン『あと今の若い子は経済感覚しっかりしてますからね。なので、ねっ?分かりますよね?』
鳴護「ダメっぽい人を選んで頼め、と?」
カメラマン『いえそんなことは全く!ただARISAさんが選ぶ相手は指名できませんからね!』
鳴護「最低ですよね。あと当麻君は業界に染まりすぎてる」
……
鳴護「『――はい!っていうわけで”とあるTry!年末スペシャル!”のコーナーですよー!』」
鳴護「『道行く学園生に、得意な料理を作ってもらおうって企画ですねー!それじゃーどの学園生に頼もうかなー?』」
舞夏・鞠亜「……」 ジーッ
鳴護「『プロの方はあっち行って!どうせ無難かつ豪華な料理作られても撮れ高が稼げないので!』」
鳴護「『もっとこう普通っぽい人誰がいませんかー?自薦でも他薦でも構いませんよ?』」
姫神「――普通と聞いてやってきた」
鳴護「『寄せに来てるよね?外見はどう見ても退魔士なんだけど、中身は結構ひょうきんっていう』」
姫神「ごく普通のJKです。趣味はゲコ太のぬいぐるみで記念撮影」
鳴護「『その現場見たら泣きそう……!いや、いいんだけど!いいんだけども!』」
姫神「得意料理を作れと言われた気がする」
鳴護「『あの……グイグイ来てるところに恐縮なんだけど、使われるかどうかは面白さ次第であってね?』」
カメラマン『一回撮ってみようか!面白そうだしな!』
鳴護「呼んだよね?これ誰かスタッフの人、具体的には当麻君が一声かけたってことじゃないのかな?』」
姫神「えぇとではテッパンの肉じゃがを作りたいと思う。材料は?」
鳴護「『大体は揃ってます。お好きなのをどうぞ』」
姫神「ではまずジャガイモとニンジンの皮を剥く。ジャガは水につけておきます」 スーッスーッ
姫神「タマネギも同じように処理しつつ、食べやすい大きさに切ります。あ、この間に野菜は火の通りにくい順からレンチンしておきます」
姫神「次にお肉。豚でも牛でも食べやすい一口大にカットしてめんつゆにつけておきます」
姫神「あとはまぁお鍋に軽く油を引き、お肉を少し炒めてから水を入れて煮込む。ここで出汁を入れてもいいし、灰汁を取ってもいい」
姫神「彩りを考えたらエダマメ、味重視だったらイトコンを入れればいい。なお最終的な味付けはめんつゆよりも醤油の方がサッパリしつつ、みりんを隠し味に入れてるのがジャスティス」
鳴護「『えぇっと……”無難すぎてボツだろうな”って思うあたしはヨゴレてんだろうか……?』」
姫神「という訳で食べてほしい。どうぞ」
鳴護「『あっはい頂きます――あ、美味しいね!醤油ベースでシンプルな味だ!』」
姫神「昨今のなんにでもめんつゆ使う風潮は如何なものかと思う。いや私も使うけれど、そればかり頼っていたら『○○のお高いめんつゆ』にしないと飽きが来る」
鳴護「『そうなの?』」
カメラマン『個人の感想だけど、バーゲンとかで170円ぐらいのめんつゆ群って調味料多いから飽きるんだよな』
姫神「――ふっ、今日の私はデキる女……っ!JKで家庭料理が上手いのはポイントも高かろうって打算がない訳ではない……!」
鳴護「『っていうことなんですけど、男性代表として当麻君のご意見を頂けますか?』」
カメラマン『俺が作った方が美味いが、需要的には完封負けしてる自信があるぜ……ッ!!!』
鳴護「『だよね。あと失礼だから謝って』」
……
鳴護「あー……何人かにはやってもらったけど、みんなそこそこ成功してるよねぇ。秋沙ちゃんほど本格的じゃないけど」
カメラマン『お題が得意料理だからな。カレーかチャーハンぐらいだったら、まぁ誰でも作れるだろうし』
鳴護「てかもう終わりでいいんじゃない?充分でしょ?」
カメラマン『悪くはないんだが、こうバラエティ的な要素が足りてない。具体的にはカタルシス』
鳴護「失敗しろって言ってる?てかそれでいいの?」
カメラマン『ちょっとごめん。カメラ持っててもらっていいか?』
鳴護「うん、いいけどお手洗い?」
上条「――学園都市から来ました上条当麻ですっ!彼女募集中です!」
鳴護「出たがりかな!?てかあたしが撮るの!?演者側が!?」
上条「なぁアリサ知ってるか――人間誰しも、自分の人生って舞台の主役やってるんだぜ?」
鳴護「いや違う違う違う。そんな哲学的な事は言ってない」
上条「えーと誰でも作れる簡単なサバの味噌煮だ!勘違いしてるやつ結構居るから注意しろ!」
鳴護「多分編集で全カットされると思うけど、一応撮るよ。一応ね?」
上条「まずサバの切り身に飾り包丁、ぶっちゃけ皮の方にバッテンの切り込みを入れ、両面に塩を振って10分放置!この間にお湯を用意しよう!鍋に水入れて沸騰直前ぐらいまで湧かせ!」
上条「時間が経過したらサバの切り身を網の杓子でソッと鍋に入れる!切り身が白くなったら静かに取り出して冷水につけろ!」
鳴護「あ、あれ?サバの味噌煮ってそんな料理の仕方するんだ?」
上条「いや普通に煮る方法もあんだけど、コレが一番煮崩れしないんだわ。理由は後から説明すっけど」
上条「まぁとにかくそのサバを冷水の中で軽く表面を擦ること。塩と汚れを落とすようなイメージでだ」
上条「終わったらキッチンタオルでよく水気を取って横に置いておく。ただ身が崩れやすいから丁寧にすること!大事だぞ!」
上条「んで次に味噌煮の味噌部分の作成だ!水・酒・味噌・砂糖、あとお好みで酢を少し入れてもいい!全部合わせて『緩いかな?』ぐらいの粘度にまでする!」
上条「出来上がったらサバを鍋に入れ、味噌を注ぎ、弱火で沸騰させろ!いいか、絶対に弱火だぞ?」
上条「そんで沸騰したら落としぶたをして5分間煮る!その後はサバを取り出してからショウガの輪切りを数本入れ、粘度がドロってするまで煮詰める!」
上条「市販品ぐらいの粘度になったらサバを戻して一煮立ち!これでサバの味噌煮の完成だ!なんだったら片栗粉を溶いた水を入れてとろみを出してもいい!」
鳴護「思いっきり早足でやっちゃったけど、何かの時短料理かな?もっとこう『しっかり煮込んだんで身が柔らかく!』みたいなのを期待してたんだけど」
上条「サカナっつーかサバの場合だと、煮込みすぎると身が崩れるんだわ。こうバラバラのフレーク状になっちまうっつーか」
鳴護「あんまりお魚の煮込み料理って作らないし……」
上条「洋食で『○○時間煮込んだ牛スープ』みたいなのはあるけど、『魚を煮詰めた』ってのがないのと一緒。スープの出汁しては使うけど、メインにするんだったら煮込みすぎると原型留めてないんだよ」
上条「ついでに言うけど、ブイヨンとか作るときに使う肉は基本的にはあんま食べないのな?脂と旨味が全部水分に出ちまうから、中身スカッスカになる」
上条「加えて知り合いプロのシスターさんから聞いた話だと、あんま鮮度の良くない肉や魚ほど、アホみたいに煮込んで料理するんだって。だって当たるから」
鳴護「プロのシスターさんってなに?プロじゃないシスターさんがいるの?」
上条「例えばイギリス、もしくはイギリス、他にもイギリスとかだな!内陸部は特に!」
(※加えて塩で漬け込むため、塩分抜きという意味で煮込みまくる)
上条「よって魚料理のキモはより短時間で仕上げること!これ大切!」
鳴護「『ありがとうございました上条さん。多分オクラになると思われますが、まぁ期待しないで待ってて下さい。あとカメラ、はい』」
上条「ついでだからアリサも料理してみれば?女子力アピールできると思うぜ?」
鳴護「あぁうん、そういう考えがなくもなかったんだけどね……あたしよりも上手い相手にどう太刀打ちしろと?」
上条「あ、だったら俺と一緒に特訓しようぜ!頑張ってソイツを見返してやろう!」
鳴護「心が死んでるのかな?」
レッサー「情緒がイカレてますよね。ある意味サイコパスっちゅーか」
鳴護「出たねレッサーちゃん!クッキング企画だから来ると思ったよ!」
レッサー「ふっ、イギリスと言えば(マズい)メシ!(マズい)メシと言えばイギリスですからね!」
上条「顔は笑ってんだが、奥歯を強く強く噛みしめてんだよな。もうそこまで身を張った自虐ネタは尊敬に値するわ」
レッサー「サッカーワールドカップも私の中では終わったことですしね!さぁカメラを回しなさい!海外からの留学生って設定でイギリス料理をお見舞いしますよ!?」
鳴護「興味無いことはないんだけど大丈夫?放送できるの?」
レッサー「任せてつかーさい!全国のガキどもを恐怖のズンドコに叩き込んでやりまさぁ!」
鳴護「企画の主旨……あぁいや、食べ物で遊ぼうって意味では合ってる、かな?」
……
鳴護「『ではでは”とあるTry!”次のお客様は留学生の方のチャレンジです!』」
レッサー『ハローハロー!All your base are belong to us!!!』
(※「All your base are belong to us」=「お前らの基地は全部俺らがいただいた」ですが、文法間違いだったりネタにされまくった某STGの一文)
上条「やめろ。世界一有名なネタ台詞をぶっ込んでくるな」
鳴護「『留学生が”基地を占拠した”は国際問題じゃ?』」
レッサー『くっ!ネタにマジレスされるとちょっとだけ恥ずかしいですね!選んだ私もどうかと思いますが!』
鳴護「『えーっと、ではお名前とご出身を聞いても?』」
レッサー『日本から見てフランスの方から来ましたカルロ×です!』
上条「放送事故起こす満々じゃねぇか。するとは言わないが俺の居ない企画でやってくれよ!」
鳴護「『そのツッコミもおかしい。それで一体どんなお料理を作ってくれるんですかゴー○さん?』」
レッサー『すいません。カエル野郎と呼ばれるのはイギリス人にとって最大の屈辱の一つなので止めて下さいませんか?』
上条「自分で言ってただろ」
レッサー『えー、ではですね。アリサさんには我が故郷イングランドの伝統料理をお見舞いして差し上げましょう!』
鳴護「『お見舞い……食べられる、んだよね?』」
レッサー『失敬な!我が国の料理を食べて生きてる人だっているんですよ!?』
上条「そりゃいるだろ。残念なことだが」
レッサー『私が作るのは「リスのミートソース」ですッ!!!』
鳴護・上条「……」
レッサー『あれ聞こえませんでした?もしもーし?ドッピ○さん聞いてますー?』
鳴護「『ディアボ○さんはそんなこと言わない。じゃなくて、えっと、尋常じゃない単語が料理名に付随してたんだけど……なに?なんて?』」
レッサー『リスのミートソースですけど何か?』
(※実在するイギリス料理です)
上条「……喰うの?リスって何か、英語で別の意味がある何か、とか?」
レッサー『いえ日本でも栗鼠(りす)ですよ?英語だと「Squirrel」の方』
鳴護「『それはつまり樹の上とかに住んで、前歯の長い齧歯類の、ってこと、ですか?』」
レッサー『はいな。それが原料のミートソースです』
(※何回でも言いますが実在するイギリス料理です)
上条「嘘だろお前!?喰うんかリス!?お前らの国では!?」
レッサー『あぁウチは狩猟趣味のアッパークラスのアクティビティとして歴史がありますし?狩ったリスの毛皮だけでなく肉も食べることがありますんで』
鳴護「『あぁうん……もったいないの精神だったら、まぁ?分からないでもない、かな。決して認めたくはないけど』」
レッサー『チチチッ○アンッデールッ♪』
上条「版権的にヤバイ歌歌うんじゃねぇよ!?それ確かリス二人が主人公のアニメだろ!?」
レッサー『なおチッ○とデー○が兄弟というのはただの誤訳であり――あとは、分かりますね……ッ!?』
(※「親友」の意味の「ブラザー」を直訳して生まれた誤訳。公式では親友、つまり将来的にはそうなる可能性が高い)
鳴護「『嘘でしょ!?ずっと兄弟って設定でやってたのに!?』」
レッサー『では早速作るとしましょうか!リスをここへ!シメて皮剥ぐところから実演しまょうかね!』
上条「すいません、ないです。ブタ・トリ・ウシ肉以外に用意してない」
レッサー『お近くにリスがいない場合はピカチュ○で代用してみてください!』
鳴護「『食べられる、の?あれ確か昔のゲームだとそんな記述が あったような?』」
上条「てゆうかそれ法律に違反しないの?絶命とかレッドリストとかに入ってそうなんだけど?」
レッサー『昔っから喰ってましたし、一部のリスは天敵となる猛禽類の減少によりむしろ狩猟推奨されていますが!』
鳴護「『前あった”ウサギのミートソース”ぐらいの衝撃なんだけど……』」
レッサー『おぉよくぞ覚えてらっしゃいましたね!!作り方が途中までほぼ一緒なんですよ!』
レッサー『最初にリスの皮を剥いで内臓を全部取り出します!そしてそれを寸胴鍋に投入!』
レッサー『そして煮込んで煮込んで四・五時間!ここ大切ですよぉ!煮込めば煮込むだけお肉が柔らかくなりますからねぇ!』
鳴護「『あの……当麻君、これってつまり?』」
上条「『悪い肉ほどよく煮込んで騙くらかす』の超典型例かな。高品質の肉ほど肉質も脂も柔らかいって相場が」
鳴護「『てゆうかこの説明だと首も手も足もそのままのような……?』」
レッサー『え、肉がグズグズになるまで煮込めば同じじゃないですか?』
(※実在する料理です)
上条「いやいや待てや!?血抜きは!?血抜きはしねぇの!?」
レッサー『……知ってます?血液って新鮮なウチは飲めるぐらいに栄養豊富なんですよ?』
鳴護「『えっと……優勝です!あたしの独断と偏見ですが、レッサーちゃんが優勝でいいと思います!っていうか他の人のどんな失敗料理も勝てません!』
レッサー『――フッ、敗北の味を知りたいですよな……ッ!!!』
上条「敗北の味の前にエアで作ってるリスのミートソースを食ってみろよ。このあとどう挽回してもゲテモノ鍋だろ」む
レッサー『あぁいえ煮込んだ後はウサギのミートソースと同じく、挽肉にするだけですよ?色々なブツが入っているため、栄養も豊富で体にも良いんですからね!』
(※軟骨・血液等々。栄養価”だけ”は結構高く、リス自体の肉の臭味は”それほど”ない)
鳴護「『えーっと……番組特製ステッカーを差し上げますので大人しく帰って下さい。あ、あと何かありましたらどうぞ?』」
レッサー『リスだけにイギリス料理、ってね……ッ!!!』
鳴護「『臆面もなく一っつも面白くないギャグを言う勇気!?全国に流れれば公開処刑間違いなしなのになんて勇気を!?』」
上条「齧歯類喰うのかよイギリス人……!多少詳しくなったとはいえ、相変わらず引き出しが深いぜ……!」
鳴護「『当麻君そういうのはいいから。今のは全カットになると思うんで、他の子誰かいないかな?こうなったらもうヤラセでも仕込みでも無難な子をね』」
ランシス「――呼ばれて飛び出て……!」
鳴護「イギリス人縛りが過ぎるよ!?あぁいや悪いってことじゃあないけど!もっとこう仕込みにしたってキャスティングの段階でおかしいからね!?」
レッサー「あぁじゃあ簡単にチキンブロスっていう家庭で作る鶏ガラスープがあるんですが、そっち作りましょうか?材料揃ってますし」
レッサー「結構美味しいんですよ?ネタに走るでもなく、澄んだ透明のチキンスープでしてね」
鳴護「……大丈夫?猟奇的な絵面にならないかな?」
レッサー「鶏ガラをセロリとニンジンとタマネギと一緒に煮込むだけですので。あ、ただ『首の付いたまま』って縛りが」
(※料理の本に明記されています)
鳴護「イギリスの人って微妙にネタに走ってるよね?文化自体がツッコミ待ちってどうなの?」
-終-
(※リスは本当に食べますし、チキンプロスは何故か「首をつけたまま」と料理の本に明記されていました名状しがたいイギリス料理。ご応募ありがとうございました)
――
アラディア「――くっ、殺せ!」
上条「余裕あるじゃねぇかテメー。コンプラ的にこっちがそげぶできてもそれ以上は追撃できないって分かっててやってんのかコラ」
上条「でも生憎薄い本の中でなら自由にやれっから!まぁ殆どおれ関係なくてビリビリさんが無双するんですけども!」
アラディア「最近それも金髪の子が多いじゃない。このまま行くと数年後には人気でも乗っ取りそうな勢いで」
上条「くっくっく……!つまりこの空間でならなんでも出来るってスンポーさ!ハイクを詠め!カイシャクしてやる!」
アラディア「――で、背徳的な魔女の女王たる私へ、具体的にはどんなエ×トラップを?」
上条「す、スカートめくっちゃうぞ!俺は本気だからな!」
アラディア「小学生か。スカート履いてないし、ほぼ水着の踊り子服なんだけど……」
上条「し、下着にするからな!俺はやるっていったらやるんだ!」
アラディア「今よりも露出度が上がるぐらいなんだけど……」
上条「――くっ、殺せ!」
アラディア「攻撃力が超弱々。何もしないのに勝負に勝ってしまった……!」
上条「『――あ、もしもし青ピ?今俺の目の前に踊り子服着た子が』」
アラディア「その選択肢は本当にマズい!貞操じゃなくて魂の危険を感じる!」
上条「――はい、ここでアラディアさんから告知があるそうなんですが」
アラディア「その意味のないフリが一番辛い。ただそっちの切り札がないのだけは理解できる」
上条「調子に乗ってられるのも今のウチだけだぜ!こっちにはこのジョーカーがある……ッ!!!」
アラディア「……レポート用紙?」
上条「えーっとまずエキド○さんは魔女なんですよね?」
アラディア「エキド○違います。大罪魔女の一人じゃなく、魔女の女王ね?魔術師が力なき者の行き着いたどん詰まりと一緒で、私は子供たちを守るのよ」
上条「ウィッカ?系のまぁ魔神みたいなもん?」
アラディア「あそこまで絶対的な立ち位置ではないけれど、魔女の擁護者という意味では間違ってないわ」
上条「そんなあなたにクレームが届いています」
アラディア「なんでよ!?十字教に貶められた弱い立場の人たちを守るのがどうして抗議されるの!?」
上条「ちなみに差し出し人は闇咲逢魔とレッサーを筆頭にして、自称文化人類学者及び警察当局が連盟で」
アラディア「本当に意味が分からないわ!?共通点がないじゃないの!」
上条「なんつーかやらしてんだわ、お前の信者っていうかウィッカの人らが」
アラディア「それは不当な差別よ!私はただ娘たちを思って!」
上条「うん、動機は否定しないし俺も共感できる面はあるんだけど……まぁ再現VTRをご覧ください。レポート読むよりも早いんで」
アラディア「何やらかしたのあの子たち……!?」
……
レッサー(※ウィッカ役)『あ、すいませーん。○○研究室の方から来たんですが!』
闇咲(※学芸員)『あぁ。本日はどのような用件で?』
レッサー『こちらに納められているヘカーテ神の遺物なんですが、研究目的でお借りしたいと思いまして!』
闇咲『研究?そのような話は聞いてないのだが?』
レッサー『じゃあ連絡が届いてないんですね!行き違いになっちゃったのかなー!』
闇咲『なのでお帰り下さ――待て!その手を離せ!』
レッサー『依頼書は後から着くと思いますんで、私はレリック持って失礼しまーす!』
闇咲『待ちなさい!警備員捕まえろ!』
レッサー『えぇいお離ししなさい!こんなところで展示されているよりも、正当な魔女である我々のカヴンが使った方が有意義じゃないですか!』
……
上条「『ウィッカが起こした騒動・その一、遺物を勝手にパクろうとした』」
アラディア「い、一理わるわ!飾っておくよりも実用した方がいいに決まってるもの!」
上条「『○○の後継者』は自称なんで正統性の欠片もねぇよ。あとそれ言い出すんだったら、土地代払えなくて追い出された人間にも所有権あるって言ってんのと同じだ」
アラディア「土地と信仰は違うわ!正式に申し込んだら良かったのよ!」
上条「では被告人は次のVTRをご覧ください」
……
レッサー『こんちゃーす!こないだお借りしたアテナのメダリオンをお返しに来ましたー!』
闇咲『あぁ確かに返却――ん?少し待て』
レッサー『はいな?なんでしょうか?』
闇咲『……私にはメダリオンにドピンクで彩色されているように見えるのだが……?』
レッサー『おっ!そこに気づくとはお目が高いですな!我々のカルボナーラ神の御心に従い、ドピンクに塗るのがジャスティスだそうで!』
闇咲『あと……所々欠け、ヒビが入っているような』
レッサー『それも神様が言いました――「これでカーリングするのが旧い信仰だった」と!』
闇咲『そして極めつけは漢字っぽい何かでサインがされている……』
レッサー『あ、これは封印です!いやー危なかったんですよ!我々が封印を施さなかったら邪神ドクターペッパ○が復活するところでしたから!』
闇咲『――よし、法廷で会おうか』
……
上条「『ウィッカが起こした騒動・その二、研究目的で借りてった遺物を魔改造して返す』」
アラディア「もうやめてもらっていい?擁護してあげたいし私の存在意義なんだけど、二つめでもうギブアップなのよ。てゆうか、無理」
上条「なお連中がやった『魔術的処理』はポッタ○とかサブカルの影響を多々受けたものであり、文化的にはゴミよりもゴミだったっていうね!」
アラディア「本音は良い子たちなのよ!?分かれと思った、その真心的なのが暴走しちゃっただけで!長い目で考えて!」
上条「どんな目で見たって歴史的遺物を破壊事実には変わりねぇわ。じゃ次行くぞ!まだまだあるんだからな!」
……
上条(※観光ガイド役)『――はーい、着きましたねー。ここが世界遺産にも登録されているストーンヘンジですよー』
闇咲(※観光客役)『あぁこれが本物の。まさか実物を目にする前に、VRでみるとは思いもしなかったが』
上条『はいそこメタ的なツッコミしない!人数足りないんだからいつもと違ってな!』
上条『んじゃバスは30分後に出ますんで、忘れないように戻って来て下さいねー』
闇咲『すまない。ちょっといいか?』
上条『はいなんですか?写真撮ればいいんで?』
闇咲『ではなく。ヘンジに人が』
上条『人?いや人ぐらいいるでしょう、観光地ですし』
闇咲『それも違うと思う。ガチなんだ』
上条『ガチ?』
レッサー(※ウィッカ役)『ふんぐるいむぐるふなふくとぅるーいいえうがなぐるふたぐん……ッ!!!』
上条『やってんなコレ!?思ってた以上にガチだったわ!?』
レッサー『くっくっくっく……!悪魔が集いし邪教のヘンジをようこそよう○……!』
上条『こんなときでも「ようこそよう○」ネタをぶっ込んでくるお前には尊敬しかないわ。ある意味ではだが』
レッサー『何しに来たんですか十字教徒ども!ここは我らが神が眠る場所です!何人たりとも入らせやしませんよ!』
上条『国立公園ですよバカヤロー?てかお前だって勝手に入ってんじゃねぇか!』
レッサー『我々の正当な信仰を邪魔するんですか!?あなた方が立ち入ることによって、遺跡が変ってしまったらどうするんですか!?』
上条『なんでだよ。そのぐらいで遺跡が変るわけないだろ』
レッサー『変るですよ!人が踏み固めたりアホがサイン残したりって問題が!』
上条『あぁまぁそういうのはあるかもだが』
レッサー『ここは古代から脈々と受け継がれる我々の聖地!何人たりとも変えられはしないんですからねっ!?』
闇咲『あー、すまないがガイドブックに寄るとだ』
レッサー『ガイドブックぅ?そんなシロートが書いたようなシロモノで何を語るって言うんです!?こっちはプロですからね!?』
闇咲『昔のストーンヘンジはもっと柱の間に石のアーチがかかっていたのだが、安全を考慮して重機で降ろしてある、だそうだが?』
レッサー『……』
上条『どうしたプロ?変ってんだろ全然よ?』
レッサー『そのガイドブックは名のある魔術師が書いたモノかも……ッ!?』
上条『お前って人生楽しそうだよな?』
……
上条「『事案・その三、ウィッカ遺跡で勝手に儀式やったり私物化しやがった事件』」
(※ヘンジではないですが、勝手に遺跡入ってやらかす案件)
アラディア「ごめんなさいヘンジ!感受性の強い子ばっかで!」
上条「これは流石にギルティだわ。公共の場所なんだからウィッカの人らのものであるけど、同時にそうじゃないんだからな?」
アラディア「だって迫害されたんだから仕方がないじゃない!弱い子なのよみんな!」
上条「現代と『弱い子(※主にアタマが)』だよ。みろよ、レッサーさん今年一番ぐらいやる気になって演技してっから」
アラディア「もうそろそろ私のHPが0に……!」
上条「あ、次ので最後だからもう少し頑張って。てか最後のが一番酷いっちゃ酷いんだが」
……
上条『ここがリブートキャンプ会かー。ここに来ればただで自然との楽しめるって聞いたんだけど、ホントかなー?』
レッサー『ようこそいらっしゃいました!私はニョッキ会のレッサーと申します!』
上条『よろしくはお願いします。それでここって何するんですか?ボーイスカウトみたいな感じ?』
レッサー『こちらはですね−、十字教では悪魔とされた旧い神様の儀式をしましょうってサークルでしてね』
上条『えー、そんなの胡散臭いですよ。カルトじゃないですか』
レッサー『いえそれは誤解ですよ!だって我々は宗教じゃないんですから!』
上条『じゃないの?』
レッサー『あなたが十字教徒でもまた他の極東の島国のローカル宗教であっても我々の門戸は常に開かれています!』
上条『んじゃここでは具体的に何を?』
レッサー『大昔に失われてしまった儀式の再現ですかね?私たちが古代で過していたような生活スタイルを取り戻すってだけでありまして、疚しいことは全く?』路
上条『あー……日本にもありましたわ。縄文時代の生活体験みたいな村興し、それと一緒か』
レッサー『ご理解頂けたら何よりです――では、さっそく全裸になってください』
上条『なんて?』
レッサー『全裸ですよ、裸(ら)?プリーズストリーキングオーケー?』
上条『多分その英語は間違ってる。例え合ってても違うわ。え、なに?裸?』
レッサー『よーく考えみて下さい!人類は裸で生まれ裸で生き裸で死んでいくのです!』
上条『着るわ。どっかの段階で「なんか寒いな」って着るのを選択するわ』
レッサー『物理的にはそうかも知れませんが神の前ではみな平等なのです!きっと昔は全裸のままで生活をしていたに違いありません!』
上条『原始時代の壁画でも大抵毛皮着てるわ。なんだったら宇宙服っぽいの着てる人だっているし』
レッサー『なんかこう自然を感じるのです!きっと多分気持ちいいと思いますし!』
上条『さっきから前提が二転三転してっからな?……いやぁ流石に全裸はハードル高いわー』
レッサー『だったら今日は下着でもいいじゃないですか!お試しですし、なんだったら後で脱げばいいですし!』
上条『俺の命にかけてそんな展開にはならない――っていいか?』
レッサー『あい?なんです?』 ジーッ
上条『その、バズーカのようなレンズつけたカメラって何?まるで俺を撮ってるような漢字に見えだけど?』
レッサー『あぁこれは我々の活動実績ですね。「こんなことをやっていますよー!」って広報用の動画です』
上条『へー……ちなみにそれは無料で?』
レッサー『いいえ?会員限定ですけど、あ!入りますか!?』
上条『取り敢えず歯ぁ食いしばれコノヤロー』
……
上条「『事案その四でいっちゃんタチ悪いヤツ、何かこう未成年のアレとかコレとかを販売』」
アラディア「これもう私の責任?もう宗教じゃないわよね?子供やアタマの弱い子を騙して稼ごうっていう一種の詐欺じゃ?」
上条「そうだよ詐欺だよ!この詐欺にお前やお前のウィッカが使われてんだよ!」
アラディア「じゃあ被害者はこっちよ!私と子供たちは悪くないじゃない!」
上条「販売するような外道は魔女じゃない……かどうかは分からないよなぁ。『楽して稼げるんだったら!』みたいな軽い気持ちって可能性もあるし」
アラディア「くっ……!やっぱりこの時代でも魔女は立場が弱い……!」
上条「てかお前の魔女のイメージって……あぁんじゃシミュレートしてみようか。俺が魔女で、中世だったらどうなるんだ?」
アラディア「『水に沈めて死ななかったら魔女だ!』」
上条「なにそれ怖い。確かにそんなクソみたいな時代だったらお前は必要か」
アラディア「でしょう!?」
上条「じゃあ今はどうなったかやってみるわ。お前が魔女役な?」
アラディア「『我は魔女!ヘカーテの直系にしてゴルゴネイオンの秘技を受け継ぐもの……!』」
上条「『ん、あぁそう……?魔女、なんだ、へー……』」
アラディア「思ってたりアクション違う!?なんか騒がれるよりも傷つく!?」
上条「だからお前はウィッカをなんとかしなさいよ!最初の三つはまだギャグで済むかもだが、最後のは児童虐待をも含まれてんだからな!」
アラディア「でも……最後のはマフィアがやってるんじゃないの……?だっらた私は無関係とは言わないけど、どっちかって言えば名前を使われた被害者だわ!」
上条「だったら宣言すればいいんじゃ?『ロ×ペ×動画売ってるの連中ってウィッカに非ず』的な?」
アラディア「……真面目に言うけど、宗教家の殆どは『自分の言う通りに動いてくれる神』であって、私が降臨して言い出したら偽物扱いされるわよ?」
アラディア「十字教で聖人が死んだり殺されたりするのも”それ”だし、現代の聖人も”そう”するから聖人ってテンプレ遣ってんでしょうし」
アラディア「……もしもイエ○やブッ○が降臨したらなんて言うんだろ、とかたまに思うし」
上条「それやってんのがウィッカじゃねぇの?『昔の神様はこうだったに違いないからこうする』的な?」
上条「まぁとにかくあと10年もすればサブカルの影響で魔女も社会的に認知されるよ! 『プリキュ○の一種?』みたいに!」
アラディア「それはそれで救済対象だわコノヤロー」
-終-
(※大体誇張なし、何かもう冗談のような搾取のされ方しやがってますし、人権屋が突っ込まないところをみるにマフィアも一枚噛んでる。ご応募ありがとうございました)