「大みそかだよキュアラッキー!ローラ=スチュアート暗殺計画を食い止めろ!」
――オービット・ポータル芸能警備事務所
鳴護「今年もお疲れさまでした、えっとサンシャイン上条さん?」
上条「イエェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェイッ!ウエェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェイッ!」
鳴護「ボリューム落としてくれるかな?多分今更『あ、そういやそういう設定だった』って思い出したんだろうけど、手遅れだからね?」
上条「いやー、今年も色々あったよな!地獄のサメマラソンが一週で終わったのは僥倖だったけども!」
鳴護「監督曰く、『最近のサメ映画はそこそこクオリティの高いCG使いやがるから超そこそこ面白い』そうです」
上条「監督ってサメに親でも殺されたのかな。もしくは親友をサメ怪人に改造されたとか」
鳴護「黒夜ちゃんを見る限りだとなくはないような……あ、これ今月分のお給料です」
上条「あざっす!これでお供えのモチが買えます!」
鳴護「相変わらずエンゲル係数が極高だね。あたしも余所様の家計は言えないけど」
上条「くっくっくっく……!これでモズク酢を箱買いできるぜ……!」
鳴護「ごめん、やっぱ言える。そういうとこじゃないかな?なんでモズク酢?健康志向なの?」
上条「……京都のさ、ブブヅケってあるだろ?『さっさと帰れ的な』ピクトグラム」
鳴護「横文字にしても許されないよ?あとあれはデザインであってシンボルじゃない」
上条「俺は考えたんだよ!俺んちへ手土産の一つもなくトラブルばっか持ち込む奴らにはどう対処すればいいかって!」
鳴護「あ、オチはいいよ?大体分かったし」
上条「日本が誇るBubu-zukeのように!『お?これもしかして歓迎されてなくね?』ってマウント取ればいいんだ、ってな……!」
鳴護「予想通りで意外性の欠片もないね。そしてなんでモズク酢?」
上条「こないだインデックスに聞いたんだよ!『外人が一番嫌う和食って何?』って!」
鳴護「あぁそれでモズク酢が。また渋い食べ物だけど」
上条「何でも欧米で海藻を食べるのはスコットランドぐらいで、かつ穀物酢はあんま耐性ない人が多いんだそうだ」
上条「だから純粋な意味での嫌がらせとしてはモズク酢がいいんだってな!流石10万3,000冊の魔導図書館だぜ……!」
鳴護「『そんなもののために生まれたんじゃない』、バイ鬼束ちひ○」
上条「でもインデックスは普通に食べるがな!」
鳴護「あと確実に当麻君の目論見は失敗すると思う。誰とは言わないけど”レ”で始まった”サー”で終わる名前の子は、きっとブブヅケ出したとしても」
鳴護「『あ、いいんですかこれ?すいません気を遣わせちゃったようで!あとお茶とごはんもください!お茶漬けにしてかっ込みますから!』とか言うよ?」
上条「確かに……!魔術師も能力者ももっと他に使うところあるだろうってぐらい精神力は強い……!」
鳴護「『まさかこの程度でマズいメシだというおつもりですか――ふっ、そんな道は我々が200年ほど前に通った場所ですよ!』」
上条「アリサさん大丈夫?脳内レッサーを飼い続けると、いつか主従が逆転するよ?」
鳴護「あのたくましさは見習いたいと思う。でも逆にあぁなったら終わりだと思わなくもないよね」
上条「まぁレッサーには効果ないだろうが、待ってろよまだ見ぬ猛者どもよ!俺の家でオモテナシしてやるぜ!」
鳴護「オモテナシにそんなネガい意味はないかな」
上条「という訳でアリサもどうだ、くっくっくっく……!なんだったら今からでも!」
鳴護「もう悪い事考えてる顔だよね?あとあたしは別に酢の物も好きだし、乙女協定的な縛りも破る覚悟なんだけど……い、いいの?」
マネージャー「――すいません上条さん。折角のお誘いですが、ARISAさんは今から業務が入っておりまして」
鳴護「ないよそんなの?!カウントダウンイベントもないし、フリーですよねってさっき確認しましたよね!?」
マネージャー「シャットアウラ会長との会食のご予定が」
鳴護「業務なんですかそれ?ギャランティが発生していいんですね?」
上条「あぁいいよ別に。タイミングがあったらまた誘うから」
鳴護「お姉ちゃんはいいよ別に!?……ですよねっ!?」
マネージャー「自分は構いませんが、上条さんが謎のバイクに轢かれかねないので……」
鳴護「暗殺すら計画に入っている!?」
上条「なんか怖いからいいです。じゃあいいお年をー」
鳴護「また来年だよ!連絡するからねっ!」
――
ハマッヅラ『一発芸――異世界転生したら女一人を取り合うアホが王族してて草生える』
上条「どうやんだよ。そのありがちな展開を一発芸に持ち込むだなんてどうやるかやってみろや」
ハマッヅラ『曰く――英雄色を好む、よって色を好むものは英雄ヅラな……ッ!』
上条「その理屈が正しいんだったら、エ×い店に足繁く通うオッサンからエ×いゲームを作るオッサンまで、全員英雄に分類されちまうよね?実質人類100%英雄ってことだよな?」
ハマッヅラ『……いいヅラ、トーマ?英雄というのは優れた心身だから英雄ではないヅラ!強い魂を持つものが英雄、つまり――』
ハマッヅラ『――先が見えないのに黙々と英雄召喚のために課金をする人間、そう!彼ら全てが英雄と呼べるのではないヅラか……ッ!!!』
上条「ただのファンだよ。英雄っちゃ英雄には違いなんだろうが」
ハマッヅラ『それはつまりJCがCR機になってもヅラか?』
上条「俺も急に情報入って来て驚いたわ!?たまたま入ったコンビニでレジ開くの待ってたら積んであるパチスロ雑誌に『2022年期待の新台!とある科学の超電磁砲!』って書いてあって超驚いたわ!」
(※クリスマスイブに知りましたとも。よりにもよって)
ハマッヅラ『まぁスカ○だったりアイマ○だったりガルパ○だったり、今更感があるヅラが。中学生がギャンブルってどうヅラ?』
上条「失敗しろ失敗しろ失敗しろ……ッ!!!」
ハマッヅラ『「前評判と知名度の割には大した話題にならず消えてった」とある筐体……まぁ、ヅラ。えっと、来年はきっといいことあるヅラよ!』
上条「そう、かな?俺、まだゴールしなくてもいいの……?」
ハマッヅラ『トーマはそろそろゴールして楽になって欲しいと思わなくもないヅラが……ここも一体いつまで続けるつもりヅラし』
(※来年で8周年です)
上条「……そっか!ありがとな!じゃあ俺は帰ってマツケンサン○見ないといけないから!」
ハマッヅラ『気持ちは分かるヅラが、逃げないで欲しいヅラ。マツケサン○は放送終了後バズると思うヅラ』
上条「ちっ!逃げられなかったか……こうなったら、水に沈めて……!」
ハマッヅラ『待つヅラ!ハマッヅラをナイトプールに沈める前に話だけは聞いて欲しいヅラ!』
上条「ナイトプールってお前それもうエ×前提だろ。なにちょっといい感じの所に沈められようとしてんだ」
ハマッヅラ『陽性の国がまたピンチになるヅラ!』
上条「いい加減そのネタも古いよな?ぶっちゃけ『陽性の国から来た妖精の偽(ぎ)妖精』も、なんかこう二年も経つ新鮮味の欠片もないし、スベってる感が凄いっていうか」
上条「あと妖精の国だったりマジカルな国って安全保障どうなってんの?ウクライナ並にザルだわ、事ある度にピンチになるわ」
ハマッヅラ『優れた技術を持ちしものが必ずしも優れた精神を持たないのと同じヅラね?』
上条「たまーに思うんだけど、お前ホントに浜面をベースにしてる?浜面はもっとこう、バニーさんとパチスロのことぐらいしか考えてないからな?」
ハマッヅラ『そんなにことないヅラ!ハマッヅラはバニーさんが好物で新台入れ替えの日は並ぶぐらい勤勉な妖精さんヅラ!』
上条「ふービックリした。なんだやっぱり浜面か」
ハマッヅラ『そんなことよりマキャベリの君主論、「敬愛される王と怖れられる王、そのどちらがいいか?」についてヅラが』
上条「だからそういうトコだよ!?浜面が絶対に読まねぇわ知らないだろう知識持ってんのが!」
ハマッヅラ『まぁどっちでもいいしどうでもいいヅラ。どれだけ君主個人が有能であろうが無能であろうが、為政者として成功するのが”善”であり、それができなかったら”悪”ヅラ』
ハマッヅラ『手段と目的を取り違えているヅラよ。愛され系君主も莫逆たる系君主も、どちらを目指すとか目指さない話ですらないヅラ』
ハマッヅラ『太陽王ルイ14世の時代、それがフランスの絶対王政の最盛期だったヅラ。対外戦争も連戦連勝で市民はこぞって彼を褒め称えたヅラ』
ハマッヅラ『しかし彼の死後、ルイ15世は治世に失敗。ルイ16世はアントワネットと共にギロチンの露と消えたヅラ』
ハマッヅラ『まぁ国民にとってみれば自らに理がある君主であればどうであろうと支持し、そうでもなければ支持しないという――』
上条「あの、すいませんハマッヅラさん?俺が悪かったからお話続けてもらってもいいですかね?」
ハマッヅラ『そうだったヅラ!先々週のジャン○に××券がヅラ!』
上条「うん、知ってた。あやかしがトライアングルするあれの描いてはいけないのが編集の不始末で載ってた。ここまであらすじの所」
ハマッヅラ『そんな訳で大変ヅラ!トーマにはキュアラッキーに変身して世界を救って欲しいヅラ!』
上条「だから変身できねぇんだよ!第一回目からそうだけども変身した”体”で騙し騙しやってんだわ!」
ハマッヅラ『……こっちにも考えがあるヅラ!お願いを聞いてくれないと秘密を暴露するヅラ!』
上条「ねぇよそんなもん。ロフトのクッキー缶にヘソクリ溜めてるぐらいしか」
ハマッヅラ『そんなことないヅラ!トーマが隠している秘密、それは――』
ハマッヅラ『――実は、サンシャイン池○のネタをまともに見たことがないヅラ……ッ!!!』
上条「みんなそうだよ。誰も見たことないし別に誰も困ってねぇよ。えっと種族的にはゴー☆ジャ○と同じか、合体事故でコンゴトモヨロシクする悪魔」
ハマッヅラ『トーマには正義を愛する心はないヅラか!?そんなだからいつまで経ってもキュアラッキーに変身できないヅラ!』
上条「おぉっとここに来て新設定持ちだして来やがったな!確かにそういうフワッとした概念あるけどもだ!」
上条「だが言わせてもらうがキュア負け犬のフェンリルさんやキュアストーカーの海原(革)さんたちも変身してねぇよ!あぁ海原はしてるっちゃしてっけど!」
ハマッヅラ『キュア戦士の名前違うヅラ。もっとリスペクトを持つヅラ』
上条「そしてそもそもキュアラッキー(※スケベ)とは言うものの、一度たりともラッキー(※スケベ)起きてねぇからな俺!?そこんところ何とかしてくれよ!」
ハマッヅラ『だからトーマは修行が足りないって言ってるヅラ!もっと積極的に活動しないダメヅラ!』
上条「活動するってどんな?」
ハマッヅラ『マーテルレ○って知ってるヅラ?』
上条「知らない知らない、俺は知らないけど確か青ピが『令和で一番エ×い魔法少女もの』って言ってた。俺は興味ないから分からないけど」
ハマッヅラ『ここまで言ってもダメヅラか……仕方がないヅラ。別のイケニエ、柵中の核弾頭にお願いするしかないヅラ』
上条「その話を詳しく!できれば変身後のコスチュームを重点的に!」
ハマッヅラ『あまりに食いつきがよくて引くヅラ。人命がかかってるのに不謹慎ヅラ』
上条「不謹慎なのはお前存在自体――って人命?っだよ人命かかってんだったら話は別だろ!もっと早く言え!」
ハマッヅラ『そうヅラ!去年のARISAテロ未遂事件に引き続いて悪の組織の活動を阻止せねばヅラ!』
上条「去年のは放置したって何も起きなかったと思うわー。レッサーがやってる時点で輝く負けフラグがそびえ立ってるわー」
ハマッヅラ『なんて酷い事を言うヅラ……ッ?!男関係を暴露されてアイドル人生がピンチになってもいいヅラか!?』
上条「誰であろうと恋愛する自由はあると思う。ただどうせ冤罪で吊し上げられるのは俺だろうがな!」
ハマッヅラ『「ARISA同棲発覚!義理の姉と一つ屋根の下で何が!?」』
上条「泊まりに行っただけじゃね?何かこう事故的なものが起きて欲しい気持ちがファン心理としてあるのは否めないが!」
ハマッヅラ『童×抉らせると取り返しのつかないところにまで行くヅラね』
上条「あとこれ最近思いついたんだが、シャットアウラってペットを可愛がりすぎて殺すタイプじゃね?」
ハマッヅラ『承認欲求の強めのイタイ女ヅラね』
上条「俺言ったんじゃねぇからな!?『まぁ、そうな』とは思ったが!」
上条「そんなことはどうでもいい!それよりも人命優先だ!早く行くぞ!」
ハマッヅラ『おうヅラね!』
――イギリス ロンドン塔前
ハマッヅラ『そんな訳でハマッヅラ達はロンドン塔前まで来たのだったヅラ……!』
上条「入国制限……あぁいやまぁギャグだからいいのか。ここに来たってことは『必要悪の教会』関係?」
ハマッヅラ『そうヅラ!ここのビッグボスが狙われているヅラ!』
上条「やめろその言い方。みんなで笑いものにしようって魂胆が見えてて可哀想になっから。でもここ……どっちかって言えば暗殺されるより暗殺する方じゃね?ハンターの方」
ハマッヅラ『そうヅラな。多少柔らかくなったとはいえ、基本的には血も涙も甲斐性もないブラックな組織ヅラ』
上条「甲斐性関係なくね?暗殺組織に甲斐性あったら、それもう暗殺組織じゃなくてロシ×って言うからな?」
ハマッヅラ『だがしかしトーマも知っているヅラが、ここのトップのローラ=スチュアート。別名”妖怪ババアがリアル悪魔ババアだったね”の異名を持つ』
上条「『もしかして;命名者・ステイル=マグヌス』」
ハマッヅラ『なんやかんやで優秀ヅラ!正体を知った各国の首脳は「まぁ、そんな気はしていた」と驚愕を露わにしたとかしなかったとかヅラ!』
上条「してねぇよ驚愕。アホの理事長も言ってたけど『100年前からずっと同じ姿』ってだけで、普通に人間じゃねぇって分かりそうなもんだろうが」
上条「あれ?あの人居座ってんの?いやまぁイギリスだし、有能だったら悪魔でもこき使いそうではあるが……」
ハマッヅラ『そんなトップを狙った暗殺計画があるヅラ!なんとしても阻止するヅラ!』
上条「お前も悪魔寄りの妖精だからな。もうなんだったらベルハマヅラとかハマヅラサンとか異名ありそうだし」
ハマッヅラ『妖精も十字教からすれば悪魔の一種ヅラよ?話せば長いヅラので、闇御坂を召喚するヅラ』
上条「闇咲な?『闇御坂?ヤンデレ化したビリビリのことかな?』って一瞬迷ったけども!」
上条「はーい、質問です。ハマッヅラさん。計画の対象は分かったし、あらゆる方面で恨みを買ってるのもまぁその通りだとは思う」
上条「ただあの人って……守る必要あんのか?神裂とアックアと一方通行と垣根(黒)を足したよりも更にヤッバイ相手じゃなかったっけ?」
ハマッヅラ『概ねトーマの認識が正しいと思うヅラ。神未満”ぐらい”であり、普通であれば人類がどうというレベルではないヅラが……』
ハマッヅラ『……ただ、未確認ではあるヅラが「ぬっ殺す方法思いついちゃいましたマジで!」というのが』
上条「はっはーん、今年も敵はレッサーだな?イギリス来た時点でボスかアイツかの二択だったけど」
ハマッヅラ『フシカかもしれないし、そう思わせることで利益を得ようとする目的があるかもしれないヅラ!しかし今の情勢で、急にトップがいなくなったら混乱は必至ヅラね!』
上条「まぁ、なぁ?優秀な人ほど替えはきかないって言うしな」
ハマッヅラ『なので!何としても食い止めねばいけないヅラ!』
上条「それが果たしてキュア戦士(自称)の仕事かどうかは甚だ怪しいが……てか聞いていいか?俺たちの敵って結局何なの?」
ハマッヅラ『フェミニス×ヅラ』
(※敵)
上条「違う、そうじゃない。戦ってるっちゃ戦ってっけど、俺らじゃなくて業界全体を含めた俺ら全体であってもっと視点がデカい話だよ」
ハマッヅラ『Vチューバ○のアレもそうヅラが、揺れるも揺れないという議論は「実は下に何もない」ヅラ!”ぽく”見せてるだけであってがらんどうヅラよ!』
(※大体の体は作るが、衣装の下はあっても仕方がないから消す。処理がただただ重くなる上、きちんと設定しないと体が衣装を貫通するので無駄)
ハマッヅラ『普通は衣装突き抜けるから中身(ボディ)は入れないヅラ!特殊な使い道を想定していなければ衣装一体型にしないと効率が悪いヅラ!』
(※例外;エ×いゲーム)
ハマッヅラ『乳一つ揺らすにも大勢のオッサンの職人さんが努力しているヅラ!そのオッサン達の労力を無駄にするような真似は……!』
(※オッサンの努力の成果。制作時間一時間弱)
上条「帰ってこい小さいオッサン。オッサンオッサン連呼すんなよ。大抵作ってんのはオッサンだろうが」
ハマッヅラ『余談ヅラが、消費するのもオッサンなので見事なメビウスの輪が完成してしているヅラ!』
上条「なんて優しい食物連鎖!誰が作ってるとか気にしなければ全員がwin-winだぜ!」
ハマッヅラ『優しい嘘ヅラね!全員が等しく敗者と言えなくもないヅラ!』
上条「待ってろよフェミニス○!来年は未成年&中学生のとあるヒロインがギャンブル界へ殴り込みだぜ!止められるもんなら止めてみろ!」
ハマッヅラ『そういえばパチン×にも無反応ヅラね……?相手を見てケンカ売ってるヅラ?』
上条「止めろや。二人でボケてたら収拾つかなくなるだろ」
ハマッヅラ『業界の闇をdisるのはこの程度にしてそろそろ中に入るヅラ!潜入捜査ヅラね!』
上条「いや入り込むたってどうすれば――って、お?アンジェレネ師匠?」
アンジェレネ「あ、あのぅ!ご、ご歓談中、も、申し訳ないんですけど!」
上条「この謎生物と一緒にいて楽しいと思ったことはない。これからもだ」
ハマッヅラ『ツンデーレヅラね!』
アンジェレネ「え、えぇだったらその、え、えっと――やっちゃってくださいよぉ!」
上条「やっちゃって……え?」 ガシッ
兵士「……」
アンジェレネ「あ、あなたには黙秘権があります!い、以下略です連行!」
上条「相変わらずのブラックぶりだなコノヤロー!?」
――『必要悪の教会』 尋問室
ステイル「……えぇと、こんにちは」
上条「ようステイル!久しぶりだな!」
ステイル「お名前と所属をどうぞ」
上条「上条当麻です!学園都市から来ました学生です!」
ステイル「あなたには国家転覆の容疑がかけられています。これは最大で100年程度の懲役刑になる可能性があります」
上条「心当たりがないぜ!疚しい所がないから大丈夫!」
ステイル「はい、では質問に答えてください。あなたはとある機密施設の周囲を歩いていましたか?イエス・オア・ノー?」
上条「……歩いてましたねー。イエスですねー」
ステイル「それはその施設が重要なものだと認識していましたか?外部には絶対秘匿されているんですが、イエス・オア・ノー?」
上条「いやだって前に来たことあったし!」
ステイル「イエス・オア・ノー?」
上条「イエスです」
ステイル「……取り調べにご協力ありがとうございました。本格的な裁判が始まるまで身柄はロンドン塔内に軟禁となります」
上条「待ってくださいステイルさん!?なんかこうシステマチックに処理するんじゃなくて血の通った対応をお願いしたいですよ!?」
ステイル「――おい誰か!アックアと同じ牢へ連れて行くんだ!」
上条「感情が入ったらより酷い待遇に!?いやまだ可能性はある!アックアの牢が3LDKである可能性も……!」
ステイル「ないよそんなもの。貴人用の牢にはキャーリサ殿下が入ったり出たりしているし」
上条「なにそれ怖い。ボケで言ってんのにあるんか偉い人用の牢」
ステイル「まぁ『処刑したいけどできない人』は一定数いるから、今も昔も。それで?君はわざわざ捕まりに?」
上条「聞いてくれよステイル!お前んとこのトップが暗殺されるって話が!」
ステイル「いつもあるよ?ローマ正教からロシア成教、それこそ小さな魔術結社から老舗までありとあらゆる組織から狙われているけど?」
上条「なんでだよ。超嫌われてんじゃん」
ステイル「僕たちの活動が目障りってのもあるけど。あーほら、『あいつのタマ取ったら箔がつく』?感覚?鉄砲玉的な?」
上条「反社かよ」
ステイル「反社だよ。強いて言うのであれば国家公認の反社だ」
上条「マジで大丈夫なの?」
ステイル「と、いうかだね。君だから僕も掛け値なしで本音を言うと――殺れるんだったら僕がとっくの昔に殺ってる」
上条「やだ言い切った……!」
ステイル「社会的な損失度外視した上、その他諸々の勘案も全て無視した上で……それでも『無理だ』、というのが結論かな」
ステイル「……正体を知らないときですらそうなのだから、今は更に、だね」
上条「そんな事言って必要がありゃぶっぱすんだろうが……そか。元気してんだったら勘違いだったんかな」
ステイル「……いや『元気』という意味であれば、違うと言わざるを得ない」
上条「なに?風邪でも引いたん?」
ステイル「どちらかといえばウイルスに感染する方ではなく、撒き散らす方だけどね。まぁ見てみるかい」
……
ローラ『……の、のおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……ッ!』 ガサゴソ
ステイル「なんかちょっと体調悪そうだよね。まぁ人間だしそういうこともあるある、では仕事に戻ろうか」
上条「待てやコラ!?明らかに何かおかしいぞ!いつも調子ぶっこいてんのに、腰をイワした中年男性みたいにのたうち回ってんじゃねぇか!」
ステイル「ちょっと何言ってるのか分からないかな」
上条「お前まさか『まぁこのまま死ぬんだったらそれはそれで』とか考えて……!?」
ステイル「いや全然全然?うんホントそんなことは全く考えてないよ?」
上条「超棒読みの台詞ありがとう。しかしこののたうち回り方は一体何が原因だ……?」
ローラ「――スーーーーーーーーーーーテェェェイッル!」
ステイル「あ、ヤベこっち気づいた」
上条「あ、どもお邪魔してます。何か気分悪そうですけど……」
ローラ「タッッッッッッッッッッッッッッッッチ!!!」 ピトッ
上条「野生の痴女が!?」
ステイル「君にそんなに価値は……あぁまぁ蓼食う虫も好き好きとはいうからね」
ローラ「シェイクハンップリーズ!」
上条「シェイク……握手?しますけど」 ギュッ
ローラ「………………むぅ」
ステイル「僕の言ったとおりでしょう『最大教主』?呪いでも術式でもないって」
ローラ「いやでも!……しかし……なぁ!?ほら!?」
上条「話が見えねぇよ。お前ら一体どんな攻防してんだ、もといしてんですか?」
ローラ「聞いてたもれ!最近ちょっと存在自体が曖昧に来たりしなのよ!?」
上条「曖昧。具体的にはどんな感じ?」
ローラ「ガンガン酒を飲んだ後、深夜になって水を飲みに起きたら、『あぁ昔は楽しかったな』と学生時代を振り返ってしまったときのような焦燥感」
上条「それ病名つく症例じゃね?魔術結社のトップなんだから、そりゃまぁ心の一つや二つ病みそうだが」
ローラ「今まではそんなことなかりしよ!大量虐殺も『てれれてってれー♪』と鼻歌交じりに命ぜたし、今もそう!」
上条「人類の敵か。ドヤってんじゃねぇよ」
ローラ「でも、何かこう薄くなりたるの!存在っていうか外部からの攻撃を受けている感が!」
上条「って言ってんだけどステイルさん?」
ステイル「さんをつけるな気持ち悪い。いやいや僕だって鬼ではないよ?ここの本部もそうだけど、外部からの術式が届くような場所でもない――し」
ステイル「その筋の専門家、シスター・オルソラや名前忘れたライオン女を呼んで解析してもらったりしたけどね」
上条「シェリーな?てかプロが調べて何もなかった、か」
ステイル「補足すれば君の『右手』で触った瞬間、善悪に限らず”均等”になる筈なんだが……」
ローラ「特に何もなかったわ!期待外れだった!」
ステイル「と、まぁ終始こんな感じで僕らとしても手の打ちようがない」
上条「推測その一、悪魔だけに神様パワーが効いてる?ここって一応教会施設なんだよな?」
ステイル「ないんじゃない?だって悪魔なのに『教会派』のトップを100年近くやってるんだぜ?」
上条「正直ドピンクのシスター服はどうかと思うぜ!まぁ俺ぐらいになると『それはそれで』って思うけどな!」
ステイル「脱線するんじゃない面倒臭い」
上条「んじゃ推測その二、悪魔だけが罹る病気とか?」
ステイル「むしろの今の世界情勢がこの女の仕業じゃないかとも思うが……その推測だと僕たちにはどうしようもない。薬も術式もない」
上条「推測その三、この世界につなぎ止めてる術式かなんかが不安定になってる?」
ステイル「僕も最初は同意見だったんだが」
ローラ「ち、違かりし違かりし……!そんな生易しい話ではなかりしな!こう、存在が希薄になりそうな、なっ!?」
上条「こりゃ本当に厳しいなぁ。科学分野でなんかできる訳ねぇし、そもそも俺の『右手』だと消えるんじゃねぇかとも思ったが――あ、そうだ」
ステイル「あの子には相談済み。『悪魔の体調不良はちょっと……苦しんで死ねばいいんだよ』って」
上条「やったな?お前後半絶対に盛ったろ?」
ステイル「後は食あたりぐらいしかもう正直心当たりがない」
上条「あんまりだろ。ここで食堂行ったらレッサーが『ヘイお待ち!』とか言って、イギリス飯出されて――」
上条「――いや、その可能性はあるぜ……ッ!!!」
ステイル「あるの!?」
ローラ「……流石に食堂で食べた憶えは、ていうかそんなんで弱ってたら悪魔としての矜持が……」
上条「食あたりは関係ない!これは、そう――リナ=インバー○先輩が教えてくれたことだ!」
ステイル・ローラ「なんて?」
上条「先輩は言っただろ!?悪魔ってのは精神生命体だから肉体的な方法ではダメージを与えられないって!」
ステイル「フィクションの相手だろ。そもそも世界観が違うんだし参考になんか」
上条「でも逆にこうも言った!『お前のかーちゃんデーベソ!』的な悪口でもメンタルを削れば殺せると!」
(※的な感じ)
ステイル「いやだからね?」
ローラ「確かに……!」
ステイル「『確かに』!?あんたそんなデタラメな存在だったのかい!?」
ローラ「いや流石に!悪口一つで不安定にはなかりにしな!メンヘラのアイドルでもあるまいし!」
ローラ「ただ!極限にまで追い込まれれば人間よりも遙かに大きいダメージを負うというものも道理……!」
ステイル「なんでだよ。情緒不安定か」
上条「かもしれないだろ!?現に吸血鬼だって水が怖いとかお呼ばれしないと家に入れないとか、ちょっとナイーブな感じの弱点だってあるし!」
ステイル「うん、多分だけど人類史上で連中を”ナイーブ”で済ませたのって、君が最初で最後だと思うよ?多分だけどね」
上条「ローラさん何か心当たりはないか?最近誰かに言われたとか傷ついたとかそういうのが!」
ローラ「そういえばこんなことが――」
――回想
ローラ『ふーんふふーん♪そろそろ劇場版が出るといいなー♪』
少女『……お願いします!超お願いします!誰かこの円盤を買って下さい!』
ローラ『おん?待て待てそこな少女よ、路上で違法円盤の販売とはいけないことなりしよ?』
少女『超違うんです!違法じゃありません!』
ローラ『ほぉ?では一体なにゆえに?』
少女『これは……知り合いがビデオ屋さんで働いているんですけど、超間違って仕入れてしまったんです!』
ローラ『あー、はーはーはー。ありしなぁ、桁を一つ間違ったとか、そういう話』
少女『あ、いえ。ゼロだったのに間違って一と』
ローラ『どういう発注?知り合いわざと入荷させたりし?……ま、まぁいいが。それをハケるまでは帰りない、的な話よ?』
少女『超そうなんです!そこの超美人でお召し物も素敵でそこはかとになく人知を超越した美貌のお姉さん!どうか買っていって下さい!』
ローラ『まぁな!そこまで言われれば買わざるを得ない!』
少女『あ、新品未開封なので3万円になりまーす。超あざーす』
ローラ『円盤セットならまぁそんなもの……か?まぁよかりしよ。アニメ?』
少女『超面白いんです!是非心が超疲れたときになんか見てくださいね!』
ローラ『ほーん?あまりサイバーパンク的なものは敬遠しとぉたが……タイトルは』
少女『”エクス・アー○”です』
――
ローラ「――ってことが……!」
上条「くっ……マズいな!敵は思った以上にプロがいるらしいぜ!確実に心を壊しにかかってきている!」
ステイル「なんでだよ。もう一回言うけどなんでだよ、てゆうかアニメ!?アニメなんか見て心が壊れる訳ないだろ!?」
ローラ「い、いや……!全員がパペットめいた雑な作りでP○2レベルのCGはもう嫌……!」
ステイル「じゃあ見なければよくないかな?なんだったら円盤叩き割ればそれはそれでスッとするんじゃない?」
上条「……いいか、ステイル?お前はまだ子供だから分からないかもしれないが、そんなしょーもないものに金を遣ったって事実がまずあるんだよ」
上条「そしてそれを取り戻そうと、何度も何度も見返すんだ。こう『いいとこあるかもしれない!誉められる部分あるかも!』って」
ステイル「クッソ不味い食べ放題で元を取りにかかる心境だよね。歳に関係なく理解できないししたくもないな」
上条「でも世の中には!絶対に誉める所の無い作品だってあるんだよ!『音出てますね!』とか『カラス避けに最適』ってレベルで!」
ステイル「むしろなんでその地雷を踏んだのかが謎だよね。地上に出ちゃってないかな?見えてるよね起爆装置が?」
上条「これは計画的な犯行だ!他には?他には何か攻撃を受けてなかったのか!?」
ローラ「そ、そういえばこんな出来事が……」
――回想
ウレアパディー『――思ったのだけれど』
ローラ『う、うん?な、なんか道歩いてたら、怖そうな人に絡まりたりけるが』
ウレアパディー『……何を?』
ローラ『何を!?あれ!?何か哲学的な問いかけをされてるの!?それとも電波ユンユン的なアレ!?』
ウレアパディー『落ち着きなさいローラ=スチュアート。あなたの中の自分をね、見つめたりするの』
ローラ『大丈夫?マトリック○のフワッとした人みたいになってない?』
ウレアパディー『あぁ偉大なるオオカミの王。かの魔神は全てを知るが故に動けず、ただ傍観者に徹するのみ』
ウレアパディー『預言者は不死の躰を大いに呪い、その力を托そうと企むが――』
ローラ『が、が?』
ウレアパディー『托そうと企む……ッ!!!』
ローラ『怖いものがないな!?この極寒の空気もそうだし何がしたかったのかも不明だしあぁもうでこからツッコんでいいかすら分からぬわ!』
ウレアパディー『「ショートコント・ハコガ○」』
ローラ『やりたい放題よな!大昔の皇帝だってもっと顧みたわ!だってアホだと思われるから!」
ウレアパディー『「ハコガ○ー、ファイッオーファイッオーファイッオー」』
ウレアパディー『「ハコガ○ー、ファイッオーファイッオーファイッオー」』
ウレアパディー『「ハコガ○ー……」』
ウレアパディー『「――ってワイのときだけなんで声出さへんのかーい。ルネッサーーーー○……」』
ローラ『……』
ウレアパディー『――あなたに幸多かりし事を』 ポンッ
ローラ『充分今ので不幸になりたるわ!ちょっとしたラッキーでも今から「あぁよかった……!」って思うたるわ!』
ローラ『あと少しも寄せようとする努力が見当たらない鳴○君のクオリティ!ファンに叱られる!』
――
ステイル「……あぁ。そういや妙にノド涸らしながら帰って来た日がありましたっけ」
ローラ「大変なりしよ!ボケが縦横無尽にボケるから拾わないと放送事故になるし!」
上条「分かる……!凄いよく分かる!」
――回想
ローラ『……なんなんだろうなぁ……?最近散歩する度にダメージを受けて帰っているような……?』
ローラ『気分転換&人間観察が主目的なのに……まぁ、よいわ。そうそう当たりばっかということも』
姫神『ちゃっちゃっちゃらら、ちゃららっちゃららー』
ローラ『世にも奇○なテーマを何か雰囲気たっぷりの子が口ずさみながら来たる!?怖いっちゃ怖いんだけど何か違う!』
姫神『どうも。こんにちは美人のおねーさん』
ローラ『あ、はい、どうもこんちには?てかジャパニーズガールが制服でなんでここに……?』
姫神『奇○に世界に迷いこんでしまったのです』
ローラ『私じゃなくあなたが!?てか自己申告する人初めて見たな!?あれって番組の最後でグラサンが言うんじゃなかった!?』
姫神『ちゃっちゃっちゃらら、ちゃららっちゃららー』
ローラ『ハケていくのも一瞬で!?このためだけにイギリス来たの!?』
――
ローラ「もう嫌……!散歩怖い……!」
ステイル「不審者多くない?ここら辺ってそんなに治安悪かったかな?」
上条「比較的耐性のある俺でもそんな攻撃受ければノイローゼになるのに!素人さんを巻き込むだなんて酷い事を!」
ローラ「あぁ!窓に窓にサメの影が!」
ステイル「僕でもちょっと心配になるよ。大丈夫?というか何をどうしたら元へ戻るんだい?」
上条「体の傷じゃないからなぁ。普通に考えればゆっくり休んで栄養取ったり、まぁ風邪と同じ対応でいいんじゃないかな?」
ローラ「じゃ、じゃあ食堂行くかしら……温かいココアでも飲めば多少持ち直したる……」 フラッ
ステイル「予想以上にしょーもないことでダメージ受けるんだね。なんで暗殺組織が有吉の○で致命傷負うのかは甚だ疑問だけれど」
上条「俺の予想だが、普段の業務が非人道的なのばっかでそっち関係には慣れちまってんだよ。元がなんつっても悪魔だし、相性もよかった」
上条「だが俺たち人間はそれだけじゃない!生命に満ち溢れた輝く力!悪しきものには永遠にないものを見せつけたんだ……ッ!」
ステイル「だから有吉の○だよね?シュールギャグを見せて退散できるんだったら、人類の未来は安泰だよね」
上条「敵は間違いなくアホだが、効果が出ている時点で脅威……けど決め手にかけてるのも事実」
ステイル「決め手?」
上条「最終目標はローラさんの暗殺なんだろう?だったら外部でちまちま削るだけじゃダメだ。内部でも工作しないと」
ステイル「バカだから考えてない、っていうのは?」
上条「レッサーを甘く見るな!あの女は手段のためには目的を選ばないんだぞっ!?」
ステイル「なんて?」
上条「ん?……レッサー、イギリス、メシ、マズい――しまった!?」 ダッ
ステイル「おいどうした!?」
上条「食堂だ!敵の狙いは――!」
――食堂
おばちゃん「しゃっせー、しゃったー」
ローラ「……疲れた。廊下を歩くだけで存在が希薄になりたるのよ……」
おばちゃん「おんやー、どうしましたか超疲れた顔して?彼氏さんにでも捨てられました?」
ローラ「そういうんじゃなかりしな。てか彼氏なんぞ欲しくもないわ」
おばちゃん「そうですか?人は一人では生きていけませんし、お互いに支え合ってナンボだと思いますけどねぇ」
ローラ「メンタルがヘラい重めの女はちょっと……今日のお勧めは?」
おばちゃん「イキのいいブリティッシュソーセージが入ってますぜ!美人のおねーさんも一本どうです?」
ローラ「へー、ブリティッシュソーセージ?そこそこロンドンの住んどるのに初めて聞いたかも」
おばちゃん「あぁどっちかって言えば大衆的な食べもんですから!でもある意味イギリスの代表料理と言っても過言ではないですぜ!」
ローラ「ふーん?そこまでいうんだったら一つ頼もうかしら」
おばちゃん「ヘイまいど!ブリティッシュソーセージ定食一つ!」 ドン
ローラ「いつのまにここが定食制に……?大きいな!?長さと幅が通常の倍!?デカ盛りグルメでちょっと話題になりそうなぐらい!」
ローラ「……これ本当にイギリスの郷土料理なりし?かつがれてない?」
おばちゃん「いやマジです。どっかの極東の島国じゃイングリッシュソーセージなどと呼ばれていますけど、立派なイギリスの郷土料理です」
(※本当です)
ローラ「確認なんだけど、ゲテモノ料理のハギスの親戚とか別名とかでは……?」
おばちゃん「ご心配なく、それとも別物です。正真正銘イギリスを代表するイギリス飯の一つです」
(※本当です)
ローラ「そ、そう?ソーセージってドイツかハンガリー辺りがって思いしが……へー、イギリスにも代表的なソーセージがあったるのだなぁ。意外」
おばちゃん「さぁどうぞ召し上がってくださいな!」
ローラ「じゃあ、いただきまー――」
上条「ジャスト・ア・モーメンッ!!!」
ステイル「別に日本語で良くない?今まで『これどうやってフィアンマと意思疎通してるんだろう?』とか、騙し騙しやってきたんだからさ?」
上条「うるっさいな!公式がそうだっつーんだからそうなんだよ!」
ローラ「少年……?」
おばちゃん「……チッ!もう少しだったのに!」
上条「食べるのを待ってくれ!その前に正体を現せ悪魔の子め!」
レッサー(おばちゃん)「――ふっ、よく私の変装を見破りましたね!それでこそ我が終生のライバル!」
ステイル「三角巾被ってただけだよね?ていうかイギリスで給食のおばちゃんの姿って超浮くんだけど」
上条「お前の魂胆はまるっとお見通しだぜ!『ローラ=スチュアート暗殺計画』は俺が食い止めた!」
ローラ「ちょ、ちょっと待つのよ!?暗殺って、まさか毒が……!?」
ステイル「入ってても死なないだろう。何を言ってるんだ君は」
レッサー「そうですよ!厳しいセキュリティをくぐり抜け、そして私はバイトの求人で雇われた身です!お客様にイギリス料理をお出しするののどこが悪いのかと!」
上条「……そうだな。毒は入ってない、そして多分悪魔相手に、つーか魔術師相手に効きはしない――」
上条「――なら、食ってみろよ!お前が出した料理を!」
レッサー「い、いやだから毒は入ってないですって!ちゃんとしたメーカーから卸してもらった商品ですし!」
上条「いいから、食えよ。なっ?」
レッサー「くっ……!い、いただきます……!」 モソッ
ローラ「凄い音した!?私の知ってるソーセージ咀嚼音とは違う音なりな!」
ステイル「ソーセージじゃなかったっていうのかい?」
レッサー「ぐおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……ッ!」
上条「体に害はないんだ、ないんだが……あぁステイルも食べてみろよ。そうすりゃ理由が分かるから」
ステイル「え、嫌だけど」
上条「いいから食えよ!じゃないと説明的に盛り上がんねぇだろ!?」
ステイル「なんて理不尽な、まぁ毒じゃないんだったら食べるよ――ん!?」 グチャッ
ローラ「ステイル!?今解毒の術式を!」
ステイル「……あぁいや大丈夫です。そういう問題じゃなくて、ただその――これ、ソーセージかい?」
ローラ「……うむ?なんて?」
ステイル「あのですね、噛んだ瞬間に口の中へ広がる雑味と血の味、そして中々かみ切れないぶにゃっとした皮」
ステイル「食感はまるでハンバーグを食べているようで、爽快感の欠片もない。そして味が不味い」
ステイル「もしドイツ行ってこれが出てきたらぶち切れると思います。僕は」
上条「……驚いたか。これがブリティッシュソーセージの正体なんだ!」
ローラ「ど、どういうことなりし?」
上条「普通はさ?各国の食フェスみたいなところでドイツ産のソーセージだとか、フランス産のソーセージみたいな食べ比べはある」
上条「その中には販売路には乗らないが、まぁニッチだけど隠れた名品みたいなのは確実にある!ハンガリーとかがお勧めだが!」
上条「しかしそんな中、一応の伝統料理なのに他国へ絶対に広がらない肉料理――それがブリティッシュソーセージなんだ……ッ!」
ステイル「本当にどういうことだよ」
上条「ソーセージの作り方は知ってるか?」
ステイル「専門家ではないけれど、豚の腸かなんかに肉詰めして燻製か蒸すんじゃなかったのかい?」
ローラ「あと香辛料や保存液にも漬けたるな。それが味の決め手でもあるし」
上条「……それが、してないんだ」
ステイル・ローラ「はい?」
上条「ブリティッシュソーセージはな!成型した後に加熱殺菌処理をしてないんだ!茹でもしないし蒸しもしない!そのままナチュラルな状態で完成なんだ!」
(※本当です)
上条「だから中の身が引き締まったりはしないし!皮がパリっと楽しめたりもしないんだ!当然保存料なんかも使ってないぜ!」
上条「そしてかなりデカいもんだから、焼くのに普通のソーセージの倍はかかる!中までしっかりと火が通らないから注意してくれよな!」
(※なので屋台で食べるときにはやや危険)
ローラ「……えっと、その大丈夫なりし?食あたり的な意味で?」
上条「正直『バカじゃねーの?』って料理」
(※個人の意見です)
ステイル「……えぇと、つまりあれかい?このソーセージは加熱殺菌せず、保存料も使わない、まぁ言葉を選べば自然体な食べ物で」
ステイル「しかも大きさと太さが倍だから、通常のソーセージの倍はきちんと火を通さないと危ない――」
ステイル「ただ豚や羊の腸へ挽肉と香辛料詰め込んだだけの雑な料理、っていうことかい?」
上条「……そう!それだけじゃない!この料理の最も怖ろしい点は他にあるんだ!それは――」
上条「――これだけ非加熱・未保存料に拘っているのに、ただただマズいって点がな……!!!」
ローラ「な、なんて怖ろしい……!?」
上条「……危ないところだったぜ!こんな危険な料理を食べていたら人間だったら超凹むが食中毒だし、あんただったらあまりの酷さに消滅していたかもしれない!」
レッサー「ふっ、よくぞ見破りましたね!アッパレと言わざるを得ないでしょう!よっ、ケッパレ!」
上条「意味違うわ。足踏ん張ってだ」
レッサー「だか『最大教主』よ!例え私の魔の手を避けたとしても、ここはメシマズの国!次から次へと予想を上回るマズいメシがあなたを襲うでしょう……!」
レッサー「……」
レッサー「……あの、すいません?今日の台本ってあんまりじゃないですかね?いくら事実だからって言って良い事と悪い事があると思うんですよ?」
ステイル「連れて行け!」
アンジェレネ「は、はぁーい!きょ、今日から三食ハギスですよー!よ、よかったですねー!」
レッサー「えぇい弁護士を呼んでください!ゴー○を弁護した逃げられたある意味クッソ有能な弁護士を私にもつけてくださいな!」
ローラ「……」
上条「大丈夫か?怪我は?」
ステイル「あったら怖いよね?マズいメシを食わせられそうになっただけで怪我するの?」
上条「暫くはマッ○かデニー○で食事を取ってくれ。あと日本のコンピニも出店してるから、可能な限りはそっちを利用」
ローラ「あなたが」
上条「はい?」
ローラ「――私の、王子様っ……?」
上条「……はい?」
――『必要悪の教会』 館内放送
ステイル『あーマイクテストマイクテスト−。本日は晴天なりー』
ステイル『業務連絡があります。ローラ=スチュアート最大教主さんがこのたび寿退社することになりましたー。はい、はくしゅー』
ステイル『後任はヴィリアン殿下が有力で、まぁお飾りを迎え入れるでしょう。また決まったら連絡します。以上です』
……
ハマッヅラ『いやー見事だったヅラな。流石ヅラ』
ステイル「まぁね。暗殺なんて野蛮な方法を取らなくても物理的に排除してしまえばいい訳だし」
ハマッヅラ『そんな事言って本当は寂しいヅラ?』
ステイル「そういう気持ちもなくはない。ただ、僕が理解できたかはまた別の話かな。納得もしてはいないし」
ハマッヅラ『トーマにとっても悪くない結末ヅラ!超年上のお姉さんゲットヅラ!』
ステイル「一般的にはおばあさん……いやごめんなんでもない。はい報酬。これでよかったのかい?」
ハマッヅラ『ありがとうヅラ!真・女神転生デビルチルドレ○の黒の○ヅラ!これが欲しかったヅラ!』
ステイル「ちなみに理由を聞いても?」
ハマッヅラ『前に「サメが神様になった例はない」的な事を言ったヅラが、そういやこのゲームのクイズで「サメに歯をやった」的な記述があったのを思い出したヅラ!その確認ヅラ!』
(※筈)
ステイル「聞かなきゃよかった。まぁいいさ、これであの子もそれなりの生活が出来――」
ローラ『――ステーーーーーーーーーーーーーーーーーイルッ!私の口座が凍結されたのだけど、まーーーさーーーかーーー!?』
ステイル「……あぁうん、いるよね。引退した部活の先輩が尋ねてくる的なの。本人以外迷惑極まりない感じで」
ハマッヅラ『今年もキュア要素の皆無のまま暮れていくヅラな。まぁいつものことであるヅラが』
-終-
鳴護「今年もお疲れさまでした、えっとサンシャイン上条さん?」
上条「イエェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェイッ!ウエェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェイッ!」
鳴護「ボリューム落としてくれるかな?多分今更『あ、そういやそういう設定だった』って思い出したんだろうけど、手遅れだからね?」
上条「いやー、今年も色々あったよな!地獄のサメマラソンが一週で終わったのは僥倖だったけども!」
鳴護「監督曰く、『最近のサメ映画はそこそこクオリティの高いCG使いやがるから超そこそこ面白い』そうです」
上条「監督ってサメに親でも殺されたのかな。もしくは親友をサメ怪人に改造されたとか」
鳴護「黒夜ちゃんを見る限りだとなくはないような……あ、これ今月分のお給料です」
上条「あざっす!これでお供えのモチが買えます!」
鳴護「相変わらずエンゲル係数が極高だね。あたしも余所様の家計は言えないけど」
上条「くっくっくっく……!これでモズク酢を箱買いできるぜ……!」
鳴護「ごめん、やっぱ言える。そういうとこじゃないかな?なんでモズク酢?健康志向なの?」
上条「……京都のさ、ブブヅケってあるだろ?『さっさと帰れ的な』ピクトグラム」
鳴護「横文字にしても許されないよ?あとあれはデザインであってシンボルじゃない」
上条「俺は考えたんだよ!俺んちへ手土産の一つもなくトラブルばっか持ち込む奴らにはどう対処すればいいかって!」
鳴護「あ、オチはいいよ?大体分かったし」
上条「日本が誇るBubu-zukeのように!『お?これもしかして歓迎されてなくね?』ってマウント取ればいいんだ、ってな……!」
鳴護「予想通りで意外性の欠片もないね。そしてなんでモズク酢?」
上条「こないだインデックスに聞いたんだよ!『外人が一番嫌う和食って何?』って!」
鳴護「あぁそれでモズク酢が。また渋い食べ物だけど」
上条「何でも欧米で海藻を食べるのはスコットランドぐらいで、かつ穀物酢はあんま耐性ない人が多いんだそうだ」
上条「だから純粋な意味での嫌がらせとしてはモズク酢がいいんだってな!流石10万3,000冊の魔導図書館だぜ……!」
鳴護「『そんなもののために生まれたんじゃない』、バイ鬼束ちひ○」
上条「でもインデックスは普通に食べるがな!」
鳴護「あと確実に当麻君の目論見は失敗すると思う。誰とは言わないけど”レ”で始まった”サー”で終わる名前の子は、きっとブブヅケ出したとしても」
鳴護「『あ、いいんですかこれ?すいません気を遣わせちゃったようで!あとお茶とごはんもください!お茶漬けにしてかっ込みますから!』とか言うよ?」
上条「確かに……!魔術師も能力者ももっと他に使うところあるだろうってぐらい精神力は強い……!」
鳴護「『まさかこの程度でマズいメシだというおつもりですか――ふっ、そんな道は我々が200年ほど前に通った場所ですよ!』」
上条「アリサさん大丈夫?脳内レッサーを飼い続けると、いつか主従が逆転するよ?」
鳴護「あのたくましさは見習いたいと思う。でも逆にあぁなったら終わりだと思わなくもないよね」
上条「まぁレッサーには効果ないだろうが、待ってろよまだ見ぬ猛者どもよ!俺の家でオモテナシしてやるぜ!」
鳴護「オモテナシにそんなネガい意味はないかな」
上条「という訳でアリサもどうだ、くっくっくっく……!なんだったら今からでも!」
鳴護「もう悪い事考えてる顔だよね?あとあたしは別に酢の物も好きだし、乙女協定的な縛りも破る覚悟なんだけど……い、いいの?」
マネージャー「――すいません上条さん。折角のお誘いですが、ARISAさんは今から業務が入っておりまして」
鳴護「ないよそんなの?!カウントダウンイベントもないし、フリーですよねってさっき確認しましたよね!?」
マネージャー「シャットアウラ会長との会食のご予定が」
鳴護「業務なんですかそれ?ギャランティが発生していいんですね?」
上条「あぁいいよ別に。タイミングがあったらまた誘うから」
鳴護「お姉ちゃんはいいよ別に!?……ですよねっ!?」
マネージャー「自分は構いませんが、上条さんが謎のバイクに轢かれかねないので……」
鳴護「暗殺すら計画に入っている!?」
上条「なんか怖いからいいです。じゃあいいお年をー」
鳴護「また来年だよ!連絡するからねっ!」
――
ハマッヅラ『一発芸――異世界転生したら女一人を取り合うアホが王族してて草生える』
上条「どうやんだよ。そのありがちな展開を一発芸に持ち込むだなんてどうやるかやってみろや」
ハマッヅラ『曰く――英雄色を好む、よって色を好むものは英雄ヅラな……ッ!』
上条「その理屈が正しいんだったら、エ×い店に足繁く通うオッサンからエ×いゲームを作るオッサンまで、全員英雄に分類されちまうよね?実質人類100%英雄ってことだよな?」
ハマッヅラ『……いいヅラ、トーマ?英雄というのは優れた心身だから英雄ではないヅラ!強い魂を持つものが英雄、つまり――』
ハマッヅラ『――先が見えないのに黙々と英雄召喚のために課金をする人間、そう!彼ら全てが英雄と呼べるのではないヅラか……ッ!!!』
上条「ただのファンだよ。英雄っちゃ英雄には違いなんだろうが」
ハマッヅラ『それはつまりJCがCR機になってもヅラか?』
上条「俺も急に情報入って来て驚いたわ!?たまたま入ったコンビニでレジ開くの待ってたら積んであるパチスロ雑誌に『2022年期待の新台!とある科学の超電磁砲!』って書いてあって超驚いたわ!」
(※クリスマスイブに知りましたとも。よりにもよって)
ハマッヅラ『まぁスカ○だったりアイマ○だったりガルパ○だったり、今更感があるヅラが。中学生がギャンブルってどうヅラ?』
上条「失敗しろ失敗しろ失敗しろ……ッ!!!」
ハマッヅラ『「前評判と知名度の割には大した話題にならず消えてった」とある筐体……まぁ、ヅラ。えっと、来年はきっといいことあるヅラよ!』
上条「そう、かな?俺、まだゴールしなくてもいいの……?」
ハマッヅラ『トーマはそろそろゴールして楽になって欲しいと思わなくもないヅラが……ここも一体いつまで続けるつもりヅラし』
(※来年で8周年です)
上条「……そっか!ありがとな!じゃあ俺は帰ってマツケンサン○見ないといけないから!」
ハマッヅラ『気持ちは分かるヅラが、逃げないで欲しいヅラ。マツケサン○は放送終了後バズると思うヅラ』
上条「ちっ!逃げられなかったか……こうなったら、水に沈めて……!」
ハマッヅラ『待つヅラ!ハマッヅラをナイトプールに沈める前に話だけは聞いて欲しいヅラ!』
上条「ナイトプールってお前それもうエ×前提だろ。なにちょっといい感じの所に沈められようとしてんだ」
ハマッヅラ『陽性の国がまたピンチになるヅラ!』
上条「いい加減そのネタも古いよな?ぶっちゃけ『陽性の国から来た妖精の偽(ぎ)妖精』も、なんかこう二年も経つ新鮮味の欠片もないし、スベってる感が凄いっていうか」
上条「あと妖精の国だったりマジカルな国って安全保障どうなってんの?ウクライナ並にザルだわ、事ある度にピンチになるわ」
ハマッヅラ『優れた技術を持ちしものが必ずしも優れた精神を持たないのと同じヅラね?』
上条「たまーに思うんだけど、お前ホントに浜面をベースにしてる?浜面はもっとこう、バニーさんとパチスロのことぐらいしか考えてないからな?」
ハマッヅラ『そんなにことないヅラ!ハマッヅラはバニーさんが好物で新台入れ替えの日は並ぶぐらい勤勉な妖精さんヅラ!』
上条「ふービックリした。なんだやっぱり浜面か」
ハマッヅラ『そんなことよりマキャベリの君主論、「敬愛される王と怖れられる王、そのどちらがいいか?」についてヅラが』
上条「だからそういうトコだよ!?浜面が絶対に読まねぇわ知らないだろう知識持ってんのが!」
ハマッヅラ『まぁどっちでもいいしどうでもいいヅラ。どれだけ君主個人が有能であろうが無能であろうが、為政者として成功するのが”善”であり、それができなかったら”悪”ヅラ』
ハマッヅラ『手段と目的を取り違えているヅラよ。愛され系君主も莫逆たる系君主も、どちらを目指すとか目指さない話ですらないヅラ』
ハマッヅラ『太陽王ルイ14世の時代、それがフランスの絶対王政の最盛期だったヅラ。対外戦争も連戦連勝で市民はこぞって彼を褒め称えたヅラ』
ハマッヅラ『しかし彼の死後、ルイ15世は治世に失敗。ルイ16世はアントワネットと共にギロチンの露と消えたヅラ』
ハマッヅラ『まぁ国民にとってみれば自らに理がある君主であればどうであろうと支持し、そうでもなければ支持しないという――』
上条「あの、すいませんハマッヅラさん?俺が悪かったからお話続けてもらってもいいですかね?」
ハマッヅラ『そうだったヅラ!先々週のジャン○に××券がヅラ!』
上条「うん、知ってた。あやかしがトライアングルするあれの描いてはいけないのが編集の不始末で載ってた。ここまであらすじの所」
ハマッヅラ『そんな訳で大変ヅラ!トーマにはキュアラッキーに変身して世界を救って欲しいヅラ!』
上条「だから変身できねぇんだよ!第一回目からそうだけども変身した”体”で騙し騙しやってんだわ!」
ハマッヅラ『……こっちにも考えがあるヅラ!お願いを聞いてくれないと秘密を暴露するヅラ!』
上条「ねぇよそんなもん。ロフトのクッキー缶にヘソクリ溜めてるぐらいしか」
ハマッヅラ『そんなことないヅラ!トーマが隠している秘密、それは――』
ハマッヅラ『――実は、サンシャイン池○のネタをまともに見たことがないヅラ……ッ!!!』
上条「みんなそうだよ。誰も見たことないし別に誰も困ってねぇよ。えっと種族的にはゴー☆ジャ○と同じか、合体事故でコンゴトモヨロシクする悪魔」
ハマッヅラ『トーマには正義を愛する心はないヅラか!?そんなだからいつまで経ってもキュアラッキーに変身できないヅラ!』
上条「おぉっとここに来て新設定持ちだして来やがったな!確かにそういうフワッとした概念あるけどもだ!」
上条「だが言わせてもらうがキュア負け犬のフェンリルさんやキュアストーカーの海原(革)さんたちも変身してねぇよ!あぁ海原はしてるっちゃしてっけど!」
ハマッヅラ『キュア戦士の名前違うヅラ。もっとリスペクトを持つヅラ』
上条「そしてそもそもキュアラッキー(※スケベ)とは言うものの、一度たりともラッキー(※スケベ)起きてねぇからな俺!?そこんところ何とかしてくれよ!」
ハマッヅラ『だからトーマは修行が足りないって言ってるヅラ!もっと積極的に活動しないダメヅラ!』
上条「活動するってどんな?」
ハマッヅラ『マーテルレ○って知ってるヅラ?』
上条「知らない知らない、俺は知らないけど確か青ピが『令和で一番エ×い魔法少女もの』って言ってた。俺は興味ないから分からないけど」
ハマッヅラ『ここまで言ってもダメヅラか……仕方がないヅラ。別のイケニエ、柵中の核弾頭にお願いするしかないヅラ』
上条「その話を詳しく!できれば変身後のコスチュームを重点的に!」
ハマッヅラ『あまりに食いつきがよくて引くヅラ。人命がかかってるのに不謹慎ヅラ』
上条「不謹慎なのはお前存在自体――って人命?っだよ人命かかってんだったら話は別だろ!もっと早く言え!」
ハマッヅラ『そうヅラ!去年のARISAテロ未遂事件に引き続いて悪の組織の活動を阻止せねばヅラ!』
上条「去年のは放置したって何も起きなかったと思うわー。レッサーがやってる時点で輝く負けフラグがそびえ立ってるわー」
ハマッヅラ『なんて酷い事を言うヅラ……ッ?!男関係を暴露されてアイドル人生がピンチになってもいいヅラか!?』
上条「誰であろうと恋愛する自由はあると思う。ただどうせ冤罪で吊し上げられるのは俺だろうがな!」
ハマッヅラ『「ARISA同棲発覚!義理の姉と一つ屋根の下で何が!?」』
上条「泊まりに行っただけじゃね?何かこう事故的なものが起きて欲しい気持ちがファン心理としてあるのは否めないが!」
ハマッヅラ『童×抉らせると取り返しのつかないところにまで行くヅラね』
上条「あとこれ最近思いついたんだが、シャットアウラってペットを可愛がりすぎて殺すタイプじゃね?」
ハマッヅラ『承認欲求の強めのイタイ女ヅラね』
上条「俺言ったんじゃねぇからな!?『まぁ、そうな』とは思ったが!」
上条「そんなことはどうでもいい!それよりも人命優先だ!早く行くぞ!」
ハマッヅラ『おうヅラね!』
――イギリス ロンドン塔前
ハマッヅラ『そんな訳でハマッヅラ達はロンドン塔前まで来たのだったヅラ……!』
上条「入国制限……あぁいやまぁギャグだからいいのか。ここに来たってことは『必要悪の教会』関係?」
ハマッヅラ『そうヅラ!ここのビッグボスが狙われているヅラ!』
上条「やめろその言い方。みんなで笑いものにしようって魂胆が見えてて可哀想になっから。でもここ……どっちかって言えば暗殺されるより暗殺する方じゃね?ハンターの方」
ハマッヅラ『そうヅラな。多少柔らかくなったとはいえ、基本的には血も涙も甲斐性もないブラックな組織ヅラ』
上条「甲斐性関係なくね?暗殺組織に甲斐性あったら、それもう暗殺組織じゃなくてロシ×って言うからな?」
ハマッヅラ『だがしかしトーマも知っているヅラが、ここのトップのローラ=スチュアート。別名”妖怪ババアがリアル悪魔ババアだったね”の異名を持つ』
上条「『もしかして;命名者・ステイル=マグヌス』」
ハマッヅラ『なんやかんやで優秀ヅラ!正体を知った各国の首脳は「まぁ、そんな気はしていた」と驚愕を露わにしたとかしなかったとかヅラ!』
上条「してねぇよ驚愕。アホの理事長も言ってたけど『100年前からずっと同じ姿』ってだけで、普通に人間じゃねぇって分かりそうなもんだろうが」
上条「あれ?あの人居座ってんの?いやまぁイギリスだし、有能だったら悪魔でもこき使いそうではあるが……」
ハマッヅラ『そんなトップを狙った暗殺計画があるヅラ!なんとしても阻止するヅラ!』
上条「お前も悪魔寄りの妖精だからな。もうなんだったらベルハマヅラとかハマヅラサンとか異名ありそうだし」
ハマッヅラ『妖精も十字教からすれば悪魔の一種ヅラよ?話せば長いヅラので、闇御坂を召喚するヅラ』
上条「闇咲な?『闇御坂?ヤンデレ化したビリビリのことかな?』って一瞬迷ったけども!」
上条「はーい、質問です。ハマッヅラさん。計画の対象は分かったし、あらゆる方面で恨みを買ってるのもまぁその通りだとは思う」
上条「ただあの人って……守る必要あんのか?神裂とアックアと一方通行と垣根(黒)を足したよりも更にヤッバイ相手じゃなかったっけ?」
ハマッヅラ『概ねトーマの認識が正しいと思うヅラ。神未満”ぐらい”であり、普通であれば人類がどうというレベルではないヅラが……』
ハマッヅラ『……ただ、未確認ではあるヅラが「ぬっ殺す方法思いついちゃいましたマジで!」というのが』
上条「はっはーん、今年も敵はレッサーだな?イギリス来た時点でボスかアイツかの二択だったけど」
ハマッヅラ『フシカかもしれないし、そう思わせることで利益を得ようとする目的があるかもしれないヅラ!しかし今の情勢で、急にトップがいなくなったら混乱は必至ヅラね!』
上条「まぁ、なぁ?優秀な人ほど替えはきかないって言うしな」
ハマッヅラ『なので!何としても食い止めねばいけないヅラ!』
上条「それが果たしてキュア戦士(自称)の仕事かどうかは甚だ怪しいが……てか聞いていいか?俺たちの敵って結局何なの?」
ハマッヅラ『フェミニス×ヅラ』
(※敵)
上条「違う、そうじゃない。戦ってるっちゃ戦ってっけど、俺らじゃなくて業界全体を含めた俺ら全体であってもっと視点がデカい話だよ」
ハマッヅラ『Vチューバ○のアレもそうヅラが、揺れるも揺れないという議論は「実は下に何もない」ヅラ!”ぽく”見せてるだけであってがらんどうヅラよ!』
(※大体の体は作るが、衣装の下はあっても仕方がないから消す。処理がただただ重くなる上、きちんと設定しないと体が衣装を貫通するので無駄)
ハマッヅラ『普通は衣装突き抜けるから中身(ボディ)は入れないヅラ!特殊な使い道を想定していなければ衣装一体型にしないと効率が悪いヅラ!』
(※例外;エ×いゲーム)
ハマッヅラ『乳一つ揺らすにも大勢のオッサンの職人さんが努力しているヅラ!そのオッサン達の労力を無駄にするような真似は……!』
(※オッサンの努力の成果。制作時間一時間弱)
上条「帰ってこい小さいオッサン。オッサンオッサン連呼すんなよ。大抵作ってんのはオッサンだろうが」
ハマッヅラ『余談ヅラが、消費するのもオッサンなので見事なメビウスの輪が完成してしているヅラ!』
上条「なんて優しい食物連鎖!誰が作ってるとか気にしなければ全員がwin-winだぜ!」
ハマッヅラ『優しい嘘ヅラね!全員が等しく敗者と言えなくもないヅラ!』
上条「待ってろよフェミニス○!来年は未成年&中学生のとあるヒロインがギャンブル界へ殴り込みだぜ!止められるもんなら止めてみろ!」
ハマッヅラ『そういえばパチン×にも無反応ヅラね……?相手を見てケンカ売ってるヅラ?』
上条「止めろや。二人でボケてたら収拾つかなくなるだろ」
ハマッヅラ『業界の闇をdisるのはこの程度にしてそろそろ中に入るヅラ!潜入捜査ヅラね!』
上条「いや入り込むたってどうすれば――って、お?アンジェレネ師匠?」
アンジェレネ「あ、あのぅ!ご、ご歓談中、も、申し訳ないんですけど!」
上条「この謎生物と一緒にいて楽しいと思ったことはない。これからもだ」
ハマッヅラ『ツンデーレヅラね!』
アンジェレネ「え、えぇだったらその、え、えっと――やっちゃってくださいよぉ!」
上条「やっちゃって……え?」 ガシッ
兵士「……」
アンジェレネ「あ、あなたには黙秘権があります!い、以下略です連行!」
上条「相変わらずのブラックぶりだなコノヤロー!?」
――『必要悪の教会』 尋問室
ステイル「……えぇと、こんにちは」
上条「ようステイル!久しぶりだな!」
ステイル「お名前と所属をどうぞ」
上条「上条当麻です!学園都市から来ました学生です!」
ステイル「あなたには国家転覆の容疑がかけられています。これは最大で100年程度の懲役刑になる可能性があります」
上条「心当たりがないぜ!疚しい所がないから大丈夫!」
ステイル「はい、では質問に答えてください。あなたはとある機密施設の周囲を歩いていましたか?イエス・オア・ノー?」
上条「……歩いてましたねー。イエスですねー」
ステイル「それはその施設が重要なものだと認識していましたか?外部には絶対秘匿されているんですが、イエス・オア・ノー?」
上条「いやだって前に来たことあったし!」
ステイル「イエス・オア・ノー?」
上条「イエスです」
ステイル「……取り調べにご協力ありがとうございました。本格的な裁判が始まるまで身柄はロンドン塔内に軟禁となります」
上条「待ってくださいステイルさん!?なんかこうシステマチックに処理するんじゃなくて血の通った対応をお願いしたいですよ!?」
ステイル「――おい誰か!アックアと同じ牢へ連れて行くんだ!」
上条「感情が入ったらより酷い待遇に!?いやまだ可能性はある!アックアの牢が3LDKである可能性も……!」
ステイル「ないよそんなもの。貴人用の牢にはキャーリサ殿下が入ったり出たりしているし」
上条「なにそれ怖い。ボケで言ってんのにあるんか偉い人用の牢」
ステイル「まぁ『処刑したいけどできない人』は一定数いるから、今も昔も。それで?君はわざわざ捕まりに?」
上条「聞いてくれよステイル!お前んとこのトップが暗殺されるって話が!」
ステイル「いつもあるよ?ローマ正教からロシア成教、それこそ小さな魔術結社から老舗までありとあらゆる組織から狙われているけど?」
上条「なんでだよ。超嫌われてんじゃん」
ステイル「僕たちの活動が目障りってのもあるけど。あーほら、『あいつのタマ取ったら箔がつく』?感覚?鉄砲玉的な?」
上条「反社かよ」
ステイル「反社だよ。強いて言うのであれば国家公認の反社だ」
上条「マジで大丈夫なの?」
ステイル「と、いうかだね。君だから僕も掛け値なしで本音を言うと――殺れるんだったら僕がとっくの昔に殺ってる」
上条「やだ言い切った……!」
ステイル「社会的な損失度外視した上、その他諸々の勘案も全て無視した上で……それでも『無理だ』、というのが結論かな」
ステイル「……正体を知らないときですらそうなのだから、今は更に、だね」
上条「そんな事言って必要がありゃぶっぱすんだろうが……そか。元気してんだったら勘違いだったんかな」
ステイル「……いや『元気』という意味であれば、違うと言わざるを得ない」
上条「なに?風邪でも引いたん?」
ステイル「どちらかといえばウイルスに感染する方ではなく、撒き散らす方だけどね。まぁ見てみるかい」
……
ローラ『……の、のおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……ッ!』 ガサゴソ
ステイル「なんかちょっと体調悪そうだよね。まぁ人間だしそういうこともあるある、では仕事に戻ろうか」
上条「待てやコラ!?明らかに何かおかしいぞ!いつも調子ぶっこいてんのに、腰をイワした中年男性みたいにのたうち回ってんじゃねぇか!」
ステイル「ちょっと何言ってるのか分からないかな」
上条「お前まさか『まぁこのまま死ぬんだったらそれはそれで』とか考えて……!?」
ステイル「いや全然全然?うんホントそんなことは全く考えてないよ?」
上条「超棒読みの台詞ありがとう。しかしこののたうち回り方は一体何が原因だ……?」
ローラ「――スーーーーーーーーーーーテェェェイッル!」
ステイル「あ、ヤベこっち気づいた」
上条「あ、どもお邪魔してます。何か気分悪そうですけど……」
ローラ「タッッッッッッッッッッッッッッッッチ!!!」 ピトッ
上条「野生の痴女が!?」
ステイル「君にそんなに価値は……あぁまぁ蓼食う虫も好き好きとはいうからね」
ローラ「シェイクハンップリーズ!」
上条「シェイク……握手?しますけど」 ギュッ
ローラ「………………むぅ」
ステイル「僕の言ったとおりでしょう『最大教主』?呪いでも術式でもないって」
ローラ「いやでも!……しかし……なぁ!?ほら!?」
上条「話が見えねぇよ。お前ら一体どんな攻防してんだ、もといしてんですか?」
ローラ「聞いてたもれ!最近ちょっと存在自体が曖昧に来たりしなのよ!?」
上条「曖昧。具体的にはどんな感じ?」
ローラ「ガンガン酒を飲んだ後、深夜になって水を飲みに起きたら、『あぁ昔は楽しかったな』と学生時代を振り返ってしまったときのような焦燥感」
上条「それ病名つく症例じゃね?魔術結社のトップなんだから、そりゃまぁ心の一つや二つ病みそうだが」
ローラ「今まではそんなことなかりしよ!大量虐殺も『てれれてってれー♪』と鼻歌交じりに命ぜたし、今もそう!」
上条「人類の敵か。ドヤってんじゃねぇよ」
ローラ「でも、何かこう薄くなりたるの!存在っていうか外部からの攻撃を受けている感が!」
上条「って言ってんだけどステイルさん?」
ステイル「さんをつけるな気持ち悪い。いやいや僕だって鬼ではないよ?ここの本部もそうだけど、外部からの術式が届くような場所でもない――し」
ステイル「その筋の専門家、シスター・オルソラや名前忘れたライオン女を呼んで解析してもらったりしたけどね」
上条「シェリーな?てかプロが調べて何もなかった、か」
ステイル「補足すれば君の『右手』で触った瞬間、善悪に限らず”均等”になる筈なんだが……」
ローラ「特に何もなかったわ!期待外れだった!」
ステイル「と、まぁ終始こんな感じで僕らとしても手の打ちようがない」
上条「推測その一、悪魔だけに神様パワーが効いてる?ここって一応教会施設なんだよな?」
ステイル「ないんじゃない?だって悪魔なのに『教会派』のトップを100年近くやってるんだぜ?」
上条「正直ドピンクのシスター服はどうかと思うぜ!まぁ俺ぐらいになると『それはそれで』って思うけどな!」
ステイル「脱線するんじゃない面倒臭い」
上条「んじゃ推測その二、悪魔だけが罹る病気とか?」
ステイル「むしろの今の世界情勢がこの女の仕業じゃないかとも思うが……その推測だと僕たちにはどうしようもない。薬も術式もない」
上条「推測その三、この世界につなぎ止めてる術式かなんかが不安定になってる?」
ステイル「僕も最初は同意見だったんだが」
ローラ「ち、違かりし違かりし……!そんな生易しい話ではなかりしな!こう、存在が希薄になりそうな、なっ!?」
上条「こりゃ本当に厳しいなぁ。科学分野でなんかできる訳ねぇし、そもそも俺の『右手』だと消えるんじゃねぇかとも思ったが――あ、そうだ」
ステイル「あの子には相談済み。『悪魔の体調不良はちょっと……苦しんで死ねばいいんだよ』って」
上条「やったな?お前後半絶対に盛ったろ?」
ステイル「後は食あたりぐらいしかもう正直心当たりがない」
上条「あんまりだろ。ここで食堂行ったらレッサーが『ヘイお待ち!』とか言って、イギリス飯出されて――」
上条「――いや、その可能性はあるぜ……ッ!!!」
ステイル「あるの!?」
ローラ「……流石に食堂で食べた憶えは、ていうかそんなんで弱ってたら悪魔としての矜持が……」
上条「食あたりは関係ない!これは、そう――リナ=インバー○先輩が教えてくれたことだ!」
ステイル・ローラ「なんて?」
上条「先輩は言っただろ!?悪魔ってのは精神生命体だから肉体的な方法ではダメージを与えられないって!」
ステイル「フィクションの相手だろ。そもそも世界観が違うんだし参考になんか」
上条「でも逆にこうも言った!『お前のかーちゃんデーベソ!』的な悪口でもメンタルを削れば殺せると!」
(※的な感じ)
ステイル「いやだからね?」
ローラ「確かに……!」
ステイル「『確かに』!?あんたそんなデタラメな存在だったのかい!?」
ローラ「いや流石に!悪口一つで不安定にはなかりにしな!メンヘラのアイドルでもあるまいし!」
ローラ「ただ!極限にまで追い込まれれば人間よりも遙かに大きいダメージを負うというものも道理……!」
ステイル「なんでだよ。情緒不安定か」
上条「かもしれないだろ!?現に吸血鬼だって水が怖いとかお呼ばれしないと家に入れないとか、ちょっとナイーブな感じの弱点だってあるし!」
ステイル「うん、多分だけど人類史上で連中を”ナイーブ”で済ませたのって、君が最初で最後だと思うよ?多分だけどね」
上条「ローラさん何か心当たりはないか?最近誰かに言われたとか傷ついたとかそういうのが!」
ローラ「そういえばこんなことが――」
――回想
ローラ『ふーんふふーん♪そろそろ劇場版が出るといいなー♪』
少女『……お願いします!超お願いします!誰かこの円盤を買って下さい!』
ローラ『おん?待て待てそこな少女よ、路上で違法円盤の販売とはいけないことなりしよ?』
少女『超違うんです!違法じゃありません!』
ローラ『ほぉ?では一体なにゆえに?』
少女『これは……知り合いがビデオ屋さんで働いているんですけど、超間違って仕入れてしまったんです!』
ローラ『あー、はーはーはー。ありしなぁ、桁を一つ間違ったとか、そういう話』
少女『あ、いえ。ゼロだったのに間違って一と』
ローラ『どういう発注?知り合いわざと入荷させたりし?……ま、まぁいいが。それをハケるまでは帰りない、的な話よ?』
少女『超そうなんです!そこの超美人でお召し物も素敵でそこはかとになく人知を超越した美貌のお姉さん!どうか買っていって下さい!』
ローラ『まぁな!そこまで言われれば買わざるを得ない!』
少女『あ、新品未開封なので3万円になりまーす。超あざーす』
ローラ『円盤セットならまぁそんなもの……か?まぁよかりしよ。アニメ?』
少女『超面白いんです!是非心が超疲れたときになんか見てくださいね!』
ローラ『ほーん?あまりサイバーパンク的なものは敬遠しとぉたが……タイトルは』
少女『”エクス・アー○”です』
――
ローラ「――ってことが……!」
上条「くっ……マズいな!敵は思った以上にプロがいるらしいぜ!確実に心を壊しにかかってきている!」
ステイル「なんでだよ。もう一回言うけどなんでだよ、てゆうかアニメ!?アニメなんか見て心が壊れる訳ないだろ!?」
ローラ「い、いや……!全員がパペットめいた雑な作りでP○2レベルのCGはもう嫌……!」
ステイル「じゃあ見なければよくないかな?なんだったら円盤叩き割ればそれはそれでスッとするんじゃない?」
上条「……いいか、ステイル?お前はまだ子供だから分からないかもしれないが、そんなしょーもないものに金を遣ったって事実がまずあるんだよ」
上条「そしてそれを取り戻そうと、何度も何度も見返すんだ。こう『いいとこあるかもしれない!誉められる部分あるかも!』って」
ステイル「クッソ不味い食べ放題で元を取りにかかる心境だよね。歳に関係なく理解できないししたくもないな」
上条「でも世の中には!絶対に誉める所の無い作品だってあるんだよ!『音出てますね!』とか『カラス避けに最適』ってレベルで!」
ステイル「むしろなんでその地雷を踏んだのかが謎だよね。地上に出ちゃってないかな?見えてるよね起爆装置が?」
上条「これは計画的な犯行だ!他には?他には何か攻撃を受けてなかったのか!?」
ローラ「そ、そういえばこんな出来事が……」
――回想
ウレアパディー『――思ったのだけれど』
ローラ『う、うん?な、なんか道歩いてたら、怖そうな人に絡まりたりけるが』
ウレアパディー『……何を?』
ローラ『何を!?あれ!?何か哲学的な問いかけをされてるの!?それとも電波ユンユン的なアレ!?』
ウレアパディー『落ち着きなさいローラ=スチュアート。あなたの中の自分をね、見つめたりするの』
ローラ『大丈夫?マトリック○のフワッとした人みたいになってない?』
ウレアパディー『あぁ偉大なるオオカミの王。かの魔神は全てを知るが故に動けず、ただ傍観者に徹するのみ』
ウレアパディー『預言者は不死の躰を大いに呪い、その力を托そうと企むが――』
ローラ『が、が?』
ウレアパディー『托そうと企む……ッ!!!』
ローラ『怖いものがないな!?この極寒の空気もそうだし何がしたかったのかも不明だしあぁもうでこからツッコんでいいかすら分からぬわ!』
ウレアパディー『「ショートコント・ハコガ○」』
ローラ『やりたい放題よな!大昔の皇帝だってもっと顧みたわ!だってアホだと思われるから!」
ウレアパディー『「ハコガ○ー、ファイッオーファイッオーファイッオー」』
ウレアパディー『「ハコガ○ー、ファイッオーファイッオーファイッオー」』
ウレアパディー『「ハコガ○ー……」』
ウレアパディー『「――ってワイのときだけなんで声出さへんのかーい。ルネッサーーーー○……」』
ローラ『……』
ウレアパディー『――あなたに幸多かりし事を』 ポンッ
ローラ『充分今ので不幸になりたるわ!ちょっとしたラッキーでも今から「あぁよかった……!」って思うたるわ!』
ローラ『あと少しも寄せようとする努力が見当たらない鳴○君のクオリティ!ファンに叱られる!』
――
ステイル「……あぁ。そういや妙にノド涸らしながら帰って来た日がありましたっけ」
ローラ「大変なりしよ!ボケが縦横無尽にボケるから拾わないと放送事故になるし!」
上条「分かる……!凄いよく分かる!」
――回想
ローラ『……なんなんだろうなぁ……?最近散歩する度にダメージを受けて帰っているような……?』
ローラ『気分転換&人間観察が主目的なのに……まぁ、よいわ。そうそう当たりばっかということも』
姫神『ちゃっちゃっちゃらら、ちゃららっちゃららー』
ローラ『世にも奇○なテーマを何か雰囲気たっぷりの子が口ずさみながら来たる!?怖いっちゃ怖いんだけど何か違う!』
姫神『どうも。こんにちは美人のおねーさん』
ローラ『あ、はい、どうもこんちには?てかジャパニーズガールが制服でなんでここに……?』
姫神『奇○に世界に迷いこんでしまったのです』
ローラ『私じゃなくあなたが!?てか自己申告する人初めて見たな!?あれって番組の最後でグラサンが言うんじゃなかった!?』
姫神『ちゃっちゃっちゃらら、ちゃららっちゃららー』
ローラ『ハケていくのも一瞬で!?このためだけにイギリス来たの!?』
――
ローラ「もう嫌……!散歩怖い……!」
ステイル「不審者多くない?ここら辺ってそんなに治安悪かったかな?」
上条「比較的耐性のある俺でもそんな攻撃受ければノイローゼになるのに!素人さんを巻き込むだなんて酷い事を!」
ローラ「あぁ!窓に窓にサメの影が!」
ステイル「僕でもちょっと心配になるよ。大丈夫?というか何をどうしたら元へ戻るんだい?」
上条「体の傷じゃないからなぁ。普通に考えればゆっくり休んで栄養取ったり、まぁ風邪と同じ対応でいいんじゃないかな?」
ローラ「じゃ、じゃあ食堂行くかしら……温かいココアでも飲めば多少持ち直したる……」 フラッ
ステイル「予想以上にしょーもないことでダメージ受けるんだね。なんで暗殺組織が有吉の○で致命傷負うのかは甚だ疑問だけれど」
上条「俺の予想だが、普段の業務が非人道的なのばっかでそっち関係には慣れちまってんだよ。元がなんつっても悪魔だし、相性もよかった」
上条「だが俺たち人間はそれだけじゃない!生命に満ち溢れた輝く力!悪しきものには永遠にないものを見せつけたんだ……ッ!」
ステイル「だから有吉の○だよね?シュールギャグを見せて退散できるんだったら、人類の未来は安泰だよね」
上条「敵は間違いなくアホだが、効果が出ている時点で脅威……けど決め手にかけてるのも事実」
ステイル「決め手?」
上条「最終目標はローラさんの暗殺なんだろう?だったら外部でちまちま削るだけじゃダメだ。内部でも工作しないと」
ステイル「バカだから考えてない、っていうのは?」
上条「レッサーを甘く見るな!あの女は手段のためには目的を選ばないんだぞっ!?」
ステイル「なんて?」
上条「ん?……レッサー、イギリス、メシ、マズい――しまった!?」 ダッ
ステイル「おいどうした!?」
上条「食堂だ!敵の狙いは――!」
――食堂
おばちゃん「しゃっせー、しゃったー」
ローラ「……疲れた。廊下を歩くだけで存在が希薄になりたるのよ……」
おばちゃん「おんやー、どうしましたか超疲れた顔して?彼氏さんにでも捨てられました?」
ローラ「そういうんじゃなかりしな。てか彼氏なんぞ欲しくもないわ」
おばちゃん「そうですか?人は一人では生きていけませんし、お互いに支え合ってナンボだと思いますけどねぇ」
ローラ「メンタルがヘラい重めの女はちょっと……今日のお勧めは?」
おばちゃん「イキのいいブリティッシュソーセージが入ってますぜ!美人のおねーさんも一本どうです?」
ローラ「へー、ブリティッシュソーセージ?そこそこロンドンの住んどるのに初めて聞いたかも」
おばちゃん「あぁどっちかって言えば大衆的な食べもんですから!でもある意味イギリスの代表料理と言っても過言ではないですぜ!」
ローラ「ふーん?そこまでいうんだったら一つ頼もうかしら」
おばちゃん「ヘイまいど!ブリティッシュソーセージ定食一つ!」 ドン
ローラ「いつのまにここが定食制に……?大きいな!?長さと幅が通常の倍!?デカ盛りグルメでちょっと話題になりそうなぐらい!」
ローラ「……これ本当にイギリスの郷土料理なりし?かつがれてない?」
おばちゃん「いやマジです。どっかの極東の島国じゃイングリッシュソーセージなどと呼ばれていますけど、立派なイギリスの郷土料理です」
(※本当です)
ローラ「確認なんだけど、ゲテモノ料理のハギスの親戚とか別名とかでは……?」
おばちゃん「ご心配なく、それとも別物です。正真正銘イギリスを代表するイギリス飯の一つです」
(※本当です)
ローラ「そ、そう?ソーセージってドイツかハンガリー辺りがって思いしが……へー、イギリスにも代表的なソーセージがあったるのだなぁ。意外」
おばちゃん「さぁどうぞ召し上がってくださいな!」
ローラ「じゃあ、いただきまー――」
上条「ジャスト・ア・モーメンッ!!!」
ステイル「別に日本語で良くない?今まで『これどうやってフィアンマと意思疎通してるんだろう?』とか、騙し騙しやってきたんだからさ?」
上条「うるっさいな!公式がそうだっつーんだからそうなんだよ!」
ローラ「少年……?」
おばちゃん「……チッ!もう少しだったのに!」
上条「食べるのを待ってくれ!その前に正体を現せ悪魔の子め!」
レッサー(おばちゃん)「――ふっ、よく私の変装を見破りましたね!それでこそ我が終生のライバル!」
ステイル「三角巾被ってただけだよね?ていうかイギリスで給食のおばちゃんの姿って超浮くんだけど」
上条「お前の魂胆はまるっとお見通しだぜ!『ローラ=スチュアート暗殺計画』は俺が食い止めた!」
ローラ「ちょ、ちょっと待つのよ!?暗殺って、まさか毒が……!?」
ステイル「入ってても死なないだろう。何を言ってるんだ君は」
レッサー「そうですよ!厳しいセキュリティをくぐり抜け、そして私はバイトの求人で雇われた身です!お客様にイギリス料理をお出しするののどこが悪いのかと!」
上条「……そうだな。毒は入ってない、そして多分悪魔相手に、つーか魔術師相手に効きはしない――」
上条「――なら、食ってみろよ!お前が出した料理を!」
レッサー「い、いやだから毒は入ってないですって!ちゃんとしたメーカーから卸してもらった商品ですし!」
上条「いいから、食えよ。なっ?」
レッサー「くっ……!い、いただきます……!」 モソッ
ローラ「凄い音した!?私の知ってるソーセージ咀嚼音とは違う音なりな!」
ステイル「ソーセージじゃなかったっていうのかい?」
レッサー「ぐおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……ッ!」
上条「体に害はないんだ、ないんだが……あぁステイルも食べてみろよ。そうすりゃ理由が分かるから」
ステイル「え、嫌だけど」
上条「いいから食えよ!じゃないと説明的に盛り上がんねぇだろ!?」
ステイル「なんて理不尽な、まぁ毒じゃないんだったら食べるよ――ん!?」 グチャッ
ローラ「ステイル!?今解毒の術式を!」
ステイル「……あぁいや大丈夫です。そういう問題じゃなくて、ただその――これ、ソーセージかい?」
ローラ「……うむ?なんて?」
ステイル「あのですね、噛んだ瞬間に口の中へ広がる雑味と血の味、そして中々かみ切れないぶにゃっとした皮」
ステイル「食感はまるでハンバーグを食べているようで、爽快感の欠片もない。そして味が不味い」
ステイル「もしドイツ行ってこれが出てきたらぶち切れると思います。僕は」
上条「……驚いたか。これがブリティッシュソーセージの正体なんだ!」
ローラ「ど、どういうことなりし?」
上条「普通はさ?各国の食フェスみたいなところでドイツ産のソーセージだとか、フランス産のソーセージみたいな食べ比べはある」
上条「その中には販売路には乗らないが、まぁニッチだけど隠れた名品みたいなのは確実にある!ハンガリーとかがお勧めだが!」
上条「しかしそんな中、一応の伝統料理なのに他国へ絶対に広がらない肉料理――それがブリティッシュソーセージなんだ……ッ!」
ステイル「本当にどういうことだよ」
上条「ソーセージの作り方は知ってるか?」
ステイル「専門家ではないけれど、豚の腸かなんかに肉詰めして燻製か蒸すんじゃなかったのかい?」
ローラ「あと香辛料や保存液にも漬けたるな。それが味の決め手でもあるし」
上条「……それが、してないんだ」
ステイル・ローラ「はい?」
上条「ブリティッシュソーセージはな!成型した後に加熱殺菌処理をしてないんだ!茹でもしないし蒸しもしない!そのままナチュラルな状態で完成なんだ!」
(※本当です)
上条「だから中の身が引き締まったりはしないし!皮がパリっと楽しめたりもしないんだ!当然保存料なんかも使ってないぜ!」
上条「そしてかなりデカいもんだから、焼くのに普通のソーセージの倍はかかる!中までしっかりと火が通らないから注意してくれよな!」
(※なので屋台で食べるときにはやや危険)
ローラ「……えっと、その大丈夫なりし?食あたり的な意味で?」
上条「正直『バカじゃねーの?』って料理」
(※個人の意見です)
ステイル「……えぇと、つまりあれかい?このソーセージは加熱殺菌せず、保存料も使わない、まぁ言葉を選べば自然体な食べ物で」
ステイル「しかも大きさと太さが倍だから、通常のソーセージの倍はきちんと火を通さないと危ない――」
ステイル「ただ豚や羊の腸へ挽肉と香辛料詰め込んだだけの雑な料理、っていうことかい?」
上条「……そう!それだけじゃない!この料理の最も怖ろしい点は他にあるんだ!それは――」
上条「――これだけ非加熱・未保存料に拘っているのに、ただただマズいって点がな……!!!」
ローラ「な、なんて怖ろしい……!?」
上条「……危ないところだったぜ!こんな危険な料理を食べていたら人間だったら超凹むが食中毒だし、あんただったらあまりの酷さに消滅していたかもしれない!」
レッサー「ふっ、よくぞ見破りましたね!アッパレと言わざるを得ないでしょう!よっ、ケッパレ!」
上条「意味違うわ。足踏ん張ってだ」
レッサー「だか『最大教主』よ!例え私の魔の手を避けたとしても、ここはメシマズの国!次から次へと予想を上回るマズいメシがあなたを襲うでしょう……!」
レッサー「……」
レッサー「……あの、すいません?今日の台本ってあんまりじゃないですかね?いくら事実だからって言って良い事と悪い事があると思うんですよ?」
ステイル「連れて行け!」
アンジェレネ「は、はぁーい!きょ、今日から三食ハギスですよー!よ、よかったですねー!」
レッサー「えぇい弁護士を呼んでください!ゴー○を弁護した逃げられたある意味クッソ有能な弁護士を私にもつけてくださいな!」
ローラ「……」
上条「大丈夫か?怪我は?」
ステイル「あったら怖いよね?マズいメシを食わせられそうになっただけで怪我するの?」
上条「暫くはマッ○かデニー○で食事を取ってくれ。あと日本のコンピニも出店してるから、可能な限りはそっちを利用」
ローラ「あなたが」
上条「はい?」
ローラ「――私の、王子様っ……?」
上条「……はい?」
――『必要悪の教会』 館内放送
ステイル『あーマイクテストマイクテスト−。本日は晴天なりー』
ステイル『業務連絡があります。ローラ=スチュアート最大教主さんがこのたび寿退社することになりましたー。はい、はくしゅー』
ステイル『後任はヴィリアン殿下が有力で、まぁお飾りを迎え入れるでしょう。また決まったら連絡します。以上です』
……
ハマッヅラ『いやー見事だったヅラな。流石ヅラ』
ステイル「まぁね。暗殺なんて野蛮な方法を取らなくても物理的に排除してしまえばいい訳だし」
ハマッヅラ『そんな事言って本当は寂しいヅラ?』
ステイル「そういう気持ちもなくはない。ただ、僕が理解できたかはまた別の話かな。納得もしてはいないし」
ハマッヅラ『トーマにとっても悪くない結末ヅラ!超年上のお姉さんゲットヅラ!』
ステイル「一般的にはおばあさん……いやごめんなんでもない。はい報酬。これでよかったのかい?」
ハマッヅラ『ありがとうヅラ!真・女神転生デビルチルドレ○の黒の○ヅラ!これが欲しかったヅラ!』
ステイル「ちなみに理由を聞いても?」
ハマッヅラ『前に「サメが神様になった例はない」的な事を言ったヅラが、そういやこのゲームのクイズで「サメに歯をやった」的な記述があったのを思い出したヅラ!その確認ヅラ!』
(※筈)
ステイル「聞かなきゃよかった。まぁいいさ、これであの子もそれなりの生活が出来――」
ローラ『――ステーーーーーーーーーーーーーーーーーイルッ!私の口座が凍結されたのだけど、まーーーさーーーかーーー!?』
ステイル「……あぁうん、いるよね。引退した部活の先輩が尋ねてくる的なの。本人以外迷惑極まりない感じで」
ハマッヅラ『今年もキュア要素の皆無のまま暮れていくヅラな。まぁいつものことであるヅラが』
-終-