クリスマスの日ver2021
――クリスマスイブ 夜
上条「――」 ｺﾞｿｺﾞｿ
インデックス「とうまー、ねー、おやすみなさいしないの？」
上条「あぁ悪い。この作業が終わったら寝るから、電気消してていいぜ」
インデックス「それは別にいいんだけど。何してるのかな？」
上条「拡声器のアンプを改造してた」
インデックス「本当に何やってるんだよ！？今かな！？夜にする必要ある！？」
上条「……なぁインデックス、今日はクリスマス――言ってみればカップルどもが公然とエ×いことをする日だ」
インデックス「違うよ？神の子がこの世におわしたのを祝う日だよ？」
上条「だというのに！俺の手元には快楽○一冊だけ……ッ！」
インデックス「あの、せくはら……できればわたしのみえないところに置いてね」
上条「――と、いう訳で無差別なハッピークリスマス運動をしてこようと思う」
インデックス「てろだよね？それはもうつーほー案件だよね？」
上条「何行ってんだインデックス！俺は般若心経を愛するサークルの活動として街角コーラスするだけだ！」
上条「ただそれがカップルどもの集う繁華街であったり！はたまた浮かれる連中の多いアーケードのど真ん中ってだけで！」
インデックス「営業妨害なんだね。今年もいろいろあってりべんじ商戦になってるんだから、あんまりこう、波風の立つようなことはどうかな……」
上条「それじゃ行って来る！俺たちDTの生き様、見せてるや――」
インデックス「――そいっ！」 ﾒｷｯ
上条「そげぶっ！？」 ﾊﾞﾀｯ
インデックス「……せめて夢ぐらいは幸せなのを見てほしいんだよ。夢ぐらいは」
……
？？？『起きなさい……起きるのですよしょーもないDTよ』
？？？『そうなんだぜ−。夜中にゴソゴソやっているのに、同居人にバレてないと思い込んでるお前だ、お前』
上条「よし俺は違うな！前半部分は条件を満たしているが後半部分は違うからな！」
ネフテュス（？？？）『ツッコんだ時点で負けなのですよDT』
娘々（？？？）『気ぃ遣ってんだよ。分かってやれよDT』
上条「DTDTウルッセェな！HAMADURAのペルソ○のクセしてまた来やがったのかお前ら！」
ネフテュス『ハマーは最近イジってるリアクションが淡泊になったのよ。つまらないわ』
娘々『多分去年の今頃チヤホヤされてた反動なんじゃねー？もう何やってもどこ行っても「あ、煉○さんの人だ」って一発屋芸人扱いだし』
上条「浜面はどうでもいいわ。きっと今頃想像したくもねぇ爛れた状態になってるだろうし」
ネフテュス『そんなDTに神々の叡智を授けましょう――普通に付き合ってるカップルは別に定期的にイチャイチャしているので、クリスマスには拘らない』
上条・娘々「『――マジでっ！！！？』」
ネフテュス『若干一名もとい一柱リアクションがおかしい』
上条「だから帰れよ。浜面に遊んでもらって俺を巻き込むなよ」
ネフテュス『そんなあなたに朗報がある――異世界転生、してみたくはない？』
娘々『戦け愚民よ。汝の上には幸福があるが、それが儚いものであると知るがいいんだぜ？』
上条「これが……悪魔の囁きか！いくら流行りだっていっても俺にだってプライドがある！そう易々とお前らの思惑になんか乗ると思うなよ！？」
上条「俺は誰にも屈しない！精々DOGEZAしてクツを舐めるぐらいが精一杯だ！なんだったら人間イスになったっていいぜ！」
娘々『卑屈すきじゃね？』
ネフテュス『待って。ここはどのぐらいまでレートを落としてくるのか確かめるべき』
上条「おっぱ×を無理矢理マッサージさせるだなんて卑怯な！」
娘々『催眠ものＡ×の導入部みたいになってきたぞ。目的変ってんじゃねぇか』
ネフテュス『ハマーと比べて修羅場を潜ってる分、こういう時も果敢にボケるのよ』
上条「じゃああとチートもください。なんか神様に愛されて変形合体ロボ的なアレとか」
娘々『葛藤はどーした？下手な条件じゃ行かないんじゃなかったんかコラ？あ、お、あぁ？』
ネフテュス『よくある技術発展だけれど、主人公が死んだらよりレベルの高い殺戮が起きるとか考えないのよね。素敵だわ』
上条「じゃあ代価は快楽○ってことで」
娘々『安くね？神様なんだと思ってんだよテメー？』
ネフテュス『まぁいいでしょう。では目を瞑りなさい、次に目覚ましたときは異世界にいるのです……』
上条「あぁ……俺にもやっと幸運が！あっち行ったらはっちゃけるんだ……！」
娘々『なおその様子はこっちの親兄弟から友人知人に生中継されるんだぜ』
上条「何その罰ゲーム！？縛りが多すぎて何にも出来ないよ！？」
……
上条「……うーん――ハッ！？ここが異世界か！やったぜ！俺TUEEEEEEEEEEEEEEEE伝説がここから始まる！」
上条「待ってろ！世界を救って女の子侍らせて『さすかみ』とは言われる、ん、だ……？」
上条「それ、前と大して変って……？あれ？あんま変って……なくないか……？」
上条「まぁいいや！細かいことはさておき冒険だ！まずは街に行って情報を！――お？」 ｶﾞｻｶﾞｻｯ
上条「なんか臭いな……？ウインナーの匂いがするような？」
オーク「……」
上条「助けて神様！？第一異世界人がオークってどうかと思うぜ！？」
オーク「ブヒ？」
上条「あぁごめん大声上げて！いや、こ、これは威嚇とかじゃなくって！つーか助けに来ねぇな！えっと、どうすりゃ……」
オーク「ブヒ、ブヒブヒ？」
上条「いきなり襲ってきたりはしないから、食材扱いはされてねぇか……あー、『オレ』、分かる？『オレ』？お前が『オマエ』」
オーク「オレ、オ、オマエ？」
上条「そうそう！そして『オレ、オマエ、トモダチ』！」
オーク「いや初対面で友達とか言われても、その困るっていうか」
上条「喋れんじゃねぇか流暢に！？しかもやや外見に反してナイーブか！」
オーク「外見で判断するのは差別ブヒよ！ブヒはこう見てもオークの紳士として知られているブヒ！」
上条「あぁそりゃ悪かった
オーク「好きなものは黒エルフのロ×ブヒ」
上条「紳士は紳士でもHENTAIの方だな？俺の謝罪を返してくんねぇか？」
オーク「結構同族間では意見が分かるブヒ。正統派オークはエルフは貧乳のみを是とする一派で、ブヒ達の黒エルフは巨乳をも含むので異端とされているブヒ」
上条「あれオークって俺らのことなのか？微妙に納得できる部分があったりなかったり……」
オーク「同人エロ×ーでスタートさせたらまず最初に確かめるのが銭湯とスラムと売春宿があるかないかブヒ……！」
上条「世界観どうなってんの？それとも目の前の豚足マンは浜面辺りが転生しちまった成れの果てなの？」
オーク「それでお前はそんなところで何やってるブヒ？街道沿いからは少し離れてるブヒよ？」
上条「俺はまだオークっていうお前の主張を受けいれられないでいるが……あーまぁなんていったらいいのかな」
オーク「もしかして――異世界人ブヒか？」
上条「……そう、だけど。なんかマズいのか？」
オーク「いやマズってことはないブヒよ。ただあんまり人には言わない方がいいブヒ」
上条「なに？狩られんの？」
オーク「頭オカシイと思われるブヒ。『うわぁコイツいい歳してキッツいわー』みたいな？」
上条「よーし段々掴めてきたぞ世界観！異世界は異世界でもガッカリ系選びやがったなクソ神ども！どっかで『カンピオー○！』の世界に寄って帰るから首洗って待っとけや！」
オーク「まぁそうイライラするなブヒ！決まったんだから残りの生を楽しむといいブヒ！」 ｶﾞｼｯ
上条「肩組むなよ。何かこうアルトバイエル○の匂いがすんだよ」
オーク「てかお前を送り込んだ神様はいい仕事してるブヒよ。タイミング的には丁度ブヒ」
上条「タイミング？なんかイベントでもあんのか？」
オーク「そうブヒ！ミミガーを澄ますブヒ！」
上条「その言い回しは俺の世界ではしなかった。何かお前自分で食材に寄せに行ってんの？オークギャグなの？」
……ﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯ……
上条「パカラ音？馬か……馬車か！ 」
オーク「だけじゃないブヒ。よーく見るブヒよ」
御者A『――くっ賊が！このままでは追い付かれて！』
賊A『ウェーイ！金と女と命を置いてけウェーイ！』
ヒロインA『まさか！？A公爵の追っ手がここまで！？』
上条「大変だ助けないと！」
オーク「まぁ待つブヒ。ここは見極めが必要ブヒ」
上条「なんでだよ！追われて――ん？またパカラ音がすんな？賊の追っ手か？」 ﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯ
賊B『ウェーイ！お姫様の命もここまで（以下略
騎士B『姫！ここは私が時間を稼ぎますので！』
ヒロインB『ダメです！あなたの命と私の命、どちらが大切なのかは自明の理でしょう！？』
上条「ちょっと待てや！？タイミング悪ぃよ！追っ手にしてももう少し我慢しろよ！前の人やってんだからさ！ハケるまでは持ち堪えろよ！？」
オーク「――その、後ろを見るブヒ！」 ﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯ
上条「今度こそ騎士だろ。警備隊かなんかだよ」
商人C『ま、マズいですよ！？このままだと追い付かれてしまいます！』
ヒロインC『わ、わたしが何とかします！わたしの秘められた力が覚醒すればきっと……！』
賊C『ウェーイ（以下略
上条「大惨事だよ。見ろよ！馬車三台併走してモブの賊たちも一列になって追いかけてっから、なんかもう一つの盗賊団に追われてるみたいな感じになっちまってるだろ！？」
上条「もうなんか助け合えばなんとかなりそうだよ！？だって問題は足手まとい連れてっからで、一パーティは守備に徹して騎士と兵士で殲滅すりゃなんとかなるわ！」
オーク「頑張るブヒ人間！ここでフラグを立てればファーストヒロインと合流するブヒ！」
上条「この街道治安悪すぎじゃね？白昼堂々荷馬車が三台も襲われるんだから、それに適した人員を配置しないと物流死んで次の街が滅ぶだろ？」
オーク「早く助けるブヒ。早くしないと四台目五台目が出現するブヒよ？」
上条「ランダムエンカウントよりタチ悪ぃよ！？どうせだったら10台ぐらい並べて記念撮影してぇな！」
上条「てかお前が助けたら？人間なんかどうだっていいのかも知んないけど」
オーク「あー……ブヒはちょっとあれブヒ。まぁブヒの用事もそれなんブヒが」
上条「あとお前の一人称と語尾が”ブヒ”ってどっちかにしたら？あんまキャラ性を前面に出されても、その、なんだ」
オーク「じゃあまぁご指名があったから行くブヒが――『待てブヒ！そんな狼藉はブヒが許さないブヒよ！』」
上条「おぉ！やればできんじゃねぇか！見た感じ完璧に悪役だけども！」
御者A『死ねオーク！』 ﾌﾞﾝｯ
賊A『死ねオーク！』 ﾋｭﾝｯ
ヒロインA『死ねオーク！』 ｶﾞﾗｰﾝｯ
オーク「……」
上条「……いやなんかゴメン。同じ人類として謝っておくわ」
オーク「――と、アホな人類が投げて寄越した矢や槍や短剣を拾いに来たブヒ。これが結構いい稼ぎになるブヒ」
上条「外見通り逞しいよね。まぁ俺はいいんだけど――じゃ、なんかスッゴイチートパーーーーーーーーーーーーンチッ！」 ｽﾞｫﾝｯ
賊A・B・C『ぎゃー』
上条「大丈夫でしたか？」
御者A『危ないところを助け下さいましてありがとうございました。うっ！？矢が当たってこれ以上は進めない！』
騎士B『あなたは我が国の恩人です！うっ！？今の戦闘で古傷が！』
商人C『ありがとう旅の方！うっ！？靴紐が！』
上条「全員がババ押しつけに来やがったな！そして最後のヤツ別に結べばいけるだろ。商人だし、クッソ面倒な事故物件押しつけたい気持ちは分かるが」
オーク「まぁまぁそれはいいっこなしブヒ。パーティメンバーが5人になったと思えばいいブヒよ、数はパワーブヒ」
上条「まぁ、それは確かにな。お前がしれっとパーティに入ってるのが今日一番の驚きだけど、仲間が増えるのは良い事だよな」
上条「てかお前はファイターとして、他の子達の職業ってなんだ？」
ヒロインA「バードです」
ヒロインB「吟遊詩人です」
ヒロインC「歌姫です」
上条「バランスわっるっ！？まぁそういうの多いけど！大抵身分隠した姫さまって地に足が付いてないからフワっとした職業に偏るけど！」
上条「てかちょっと楽しくなってきたな！俺が敵とエンカウントしたら誰も助けてくれず、後ろで三人が歌い始めんの想像するに！」
オーク「阿佐○谷三姉妹ブヒな」
上条「なんで知ってんだよ？つーかお前ちょいちょいメタってくってけど、やっぱ中身浜面入ってねぇか？なぁ！？」
オーク「――さ、ブヒ達の異世界冒険はまだ始まったばかりブヒね！」
上条「……俺、やっぱ元の世界ぐらいで丁度いいわ。神のような複線の上に成り立った複雑な世界が、やっぱ合う、かな」
上条「つーかお前なんか妙にキャラ立ってっけどなんなの？エ×要因風情がなんで仕切ってんの？」
オーク「前にボツった企画書の中にブヒは存在したブヒ。恐らく二度と日の目を見ないブヒ」
上条「封印しとけや！こんな面白オークどこに出ても世界観壊すわ！」
-終-
（※異世界転生大好きですが、これは決してB級映画が好きだからとかそういう訳では決して。ご応募ありがとうございました）
――スタジオ
佐天「『レッディィィィィィィィィィィィィィィスッエンッジェントルマッ！ご来場の皆さんようこそいらっしゃいました！』」
上条「俺しかいねぇよ。もっと言えばスッゲー狭い会議室だここ、公民館？って感じの」
佐天「『今回の主役の上条さんではないですか！本日の意気込みをお願いします！』」
上条「第一報を聞いたときには『マジックミラ×号かな？』って思いました。あと期待値を上げすぎると後が怖いので、なるべくテンションを上げない方向で」
佐天「『お、謙虚ですなー！もっとこう男子高校生らしいリアクションとかないんですか？』」
上条「……海外のさ？フリーハグをやってる人の動画って見たことある？」
佐天「『一応参考資料として』」
上条「やってんのがイケメンだから成立するんであって、フツメン代表の俺が期待しちゃいけないんだよ！」
佐天「『そういう文化じゃないんですか？”まぁハグぐらいだったら挨拶かな？”みたいな？』」
上条「違う！『エ×い意味でハグしてんじゃねぇよ！』みたいに言うヤツも居るが、少なくとも大勢がエ×判定してなきゃ動画がバズる訳ねぇよ！」
佐天「『その理屈だとピコ太○さんもエ×裁判で有罪になりそうですよね』」
上条「あいつは一回流行った後、中の人が何やっても何言ってもスベってる感がするんだよ！どこ行きたいのかロードマップを示せっていうか！」
佐天「『一番知りたいのはご本人だと思います――さて！では早速目隠しの方をどうぞ！』」
上条「大丈夫だよね？実は母さんとか混ざってないよね？」 ｷﾞｭｯ
佐天「『えー、それでは準備をしている最中に本日のルールを説明致します。つってもまぁただ目隠ししてハグするだけですけど基本的には」
上条「嬉し――くはないな！ただの親愛表現だから！ほら、海外にもそこそこ行く俺には慣れっこっていうかな！」
佐天「『あ、じゃあ今からでも企画変えます？集まって下さった方から一回ずつ殴ってもらう方向で？』」
上条「佐天さん君とカラむのは久々だけど、そろそろ付き合う相手考えた方がいいよ？女子校でクロー○並の抗争してる人とかさ？」
佐天「『――ですがそれだけは物足りないでしょうから、お一人につき一回まで答え合わせの権利を持ちます！』」
上条「おぉ！女子には悪いが俺は嬉しいぜ！エ×的な意味ではなく純粋な知的好奇心でな！」
佐天「『好感度を落としたくなかったらそれ以上コメントを控えた方がいいと思います。んでは準備はオーケー！？』」
上条「よしかかって来い！俺は誰の挑戦でも受けるぜ……ッ！」
？？？『……』 ｸﾞｯ
上条「おぉ……？圧倒的な存在感、そして割れに割れまくったエイトパック！」
上条「そして胸っつーかこれもう鎧だってぐらいの筋肉！そして何となくするマズいメシの匂い……！」
佐天「『さぁ、回答はっ！？』」
上条「みんな大好きイギリスが生んだ面白人間！テメーいい加減に逃げ回んのやめろやいい歳なんだから――アックア！」
アックア（？？？）「正確なのであるな」
上条「離れろよ！？まぁ何となく男が出てくるのは予想できてたけど初手からこれか！？なぁぁっ！？」
佐天「『ご感想は？』」
上条「ヴィリアンさん（仮名）があの逞しい腕に毎晩毎晩抱かれているかと思うと複雑な気分になる」
アックア「やめるのである。折角呼ばれたから来たのに、被害を撒き散らすような真似は」
アックア「また王族の手前こう、あまり吹聴するような真似はしたくないのであるが、神は男女ともに貞節を推奨しておられてだな」
上条「へへ――兄、さん……？あなたもまさか俺の兄さんなんだね……ッ！？」
アックア「DT繋がりであって血縁関係は、ない」
佐天「『そしてその属性で探していったら、そこそこデカい国家並の人数が集まると思います』」
上条「えぇい次持って来い次！なんかこう口直し的な意味で！」
佐天「『えーと、ここで上条さんに良いお知らせがあります！男子は今で最後です！』」
上条「普通はそうじゃね？俺が男子とハグして喜ぶとでも思ってんの？」
佐天「『グローバルな視点から鑑みて、まぁ入れとけよ？的なノリで？』」
上条「最近分かったんだ。俺を不幸にしているのはこの世界じゃなく、（公式と運営の）人間の悪意だってな！」
佐天「『はーい、では目隠ししてくださーい。しないと強制的にしますよー？』」
上条「このゴミのような扱いがな……！はいしたよ！ギュッて縛ったよ！」
佐天「『ではそのままで”右手”は決して前に出さないようにお願いします。あと動いたら危ないので』」
上条「危ない？おい待て運営テメーら何考えて――げふっ！？」 ﾎﾞｽｯ
上条「な、なんだ今の！？何かに轢かれかかったぞ俺が！？」
？？？『……』
佐天「『えっと通訳しますと”乙女心が暴走した”そうです』」
上条「通訳……？なに？何があったの？何かこう質量のあるペットボトルのようなもんで殴られた……？」
佐天「『はいではもう一度ハグしたいそうでーす。上条さんは左手だけですよー』」
上条「なんかもう『箱の中身はなんだろな？』ゲームになってんだが……あ、来た。なんぞこれ？」 ﾎﾞｽｯ
上条「冷た……くはない。一肌？そしてなんかこう、丸い？筒……？」
佐天「『えーと、手元にある資料ですとスリーサイズが上から120・120・120だそうですよ？』」
上条「わーいワガママなボディだね！――って違うわ！？ほぼ形状ドラム缶だろそれ！？」
上条「つーかお前マリアンの世話してる面白人間じゃねぇか！？ミョルニルだっけ？」
ミョル子【いえーす、ざっらいっ】
上条「いや、女子かもしんねぇけども！本人的にはか弱い乙女かもしんねぇけどさ！？」
佐天「『えー、注文多ーい』」
ミョル子【DTなのにね】
上条「情緒がねぇさ！むしろ逆にミョル子に聞きたいが、これで『やだ……逞しい』とかいう男がいる方が引くだろ！？」
ミョル子【あっ、そういうのいいです。ク○カード目当てで来ただけですんで】
上条「……なぁ、金銭って発生していいのか？俺にハグさせるってそうでもしないと人集まらないのか？」
佐天「『えぇまぁそこはそれ事情がありまして。希望者を優先すると上条さんが後から闇討ちに遭いかねないという』」
上条「いいよ別になっても！矢でも青ピでも持って来いや！あぁいや本当に来やがったらハグしたまま背骨折っかっんな！」」
佐天「『ですがまぁ運営頑張りました！所々の反対を押し切って”レ”のつくあの方を召喚してあります！」
上条「”レ”……？あぁ！地元の中学で『外見はいいけど中身はノーサンキューの女』で二年連続一位に輝いたレッサーさんか！」
佐天「『その評価のされ方に悪意を感じます。女子もまぁそんな感じですけど』」
上条「レッサーなら……まぁいいや！性格はともかくアレがアレだからな！性格はともかく！」 ｷﾞｭｯ
佐天「『何かもう男子の業を見せつけられていますが、では気を取り直して”レ”で始まる方！上条さんへハグをどーぞっ！』」
？？？『……』 ｷﾞｭｯ
上条「ん……んー……？うー……ん？」
佐天「『なんなんですかその超中途半端なリアクション。あんま嬉しそうな感じじゃないですよね』」
上条「あぁいやハグされるだなんて滅多にねぇし嬉しいは嬉しいんだ？その、日常生活であんまベタベタすることってないだろ？」
佐天「『彼氏彼女さんだったらしません？』」
上条「いねぇからだよ！殆どの人間が寂しんぼうだからな！」
佐天「『でも女子は結構くっつきますけどね。手かとか腕組んだりしますよ』」
上条「その話を詳しく！」
佐天「『違う。主旨違う』」
上条「あぁそうそう！だから俺もなんだかんだいって嬉しいんだ！ただちょっとこれ……レッサーじゃなくね？」
上条「熱量っていうか、頭がある辺りの気配？もなんか一回りぐらい小さいし。何よりもこう、おっぱ×がな！」
佐天「『ぶっちゃけましたね、まぁそういう企画なんですが。あとレッサーさんってどなたです？』」
上条「イギリスが生んだ国際問題の専門家で、引き起こす方――って待て待て。いや君今さっき”レ”って言ってたよね？」
佐天「『言いましたけどね。”レ”で始まる人だとは』」
上条「つまりこいつは”レ”で始まるレッサーではない人――」
上条「――あぁレディリーか！いたなそういやレで始まる人！」
レディリー（？？？）「若い子っていいわね？若さが戻ってくるようよ」
上条「すいません離れて下さい。その、えっと言いにくいんですけど、後ろか前かの判断基準ですら難しい体型の方はノーサンキューっていうか」
レディリー「そう？ファンは多いのだけれどね」
上条「前のオークとかな！まぁ異世界転生しなくてもオークっぽい人はたまーにいるし、ここは地獄か！」
佐天「『えーと、ここで運営から声明が入りましたのでご報告しまーす』」
佐天「『当初の案ではバードウェイさんや打ち止めさんなどを次々と投入、上条さんをしょんぼりさせるつもりだったそうです』」」
上条「ほーらやっぱり俺に厳しい世界だぜ！」
佐天「『が、ご時世的にぶっちゃけ年齢がセーフな人を厳選しました。安心してください』」
上条「アウトだよ？普通にダメだよ？『不老不死だからロ×じゃないもん！』つっても法は許してくれないからな？」
レディリー「でも好きなんでしょう？」
上条「そういう人たちが居るのを否定はしないし一定の需要があるのも事実だが、断じて俺は違う！ただちょっと年上の管理人さんに憧れるノーマルな男子高校生だ！」
レディリー「二昔前はそうかも知れないけど、今は『ちょっと濃いめの癖（へき）ですね』って言われる時代よね」
上条「くっ……！いつのまにかロ×が攻略対称に含まれてると思ったが、時代は変っちまったのか……！？」
佐天「『ただただ無駄に多様性になっているだけですよね、それ。エントロピーが増大しすぎて全てが自滅へまっしぐらっていう』」
上条「とにかくロ×は帰れ帰れ！ここはお前の住む世界ではない！」
佐天「『じゃあどこに住むんですか。HENTAIの集うロ×コニアとかですかね』」
レディリー「じゃあね、そこそこ楽しかったわ」
上条「改善を要求します！基本ギャグなのはどうかと思いまーす！もっとこうゲスい意味でなんかこう、あるだろっ！？」
佐天「『またドストレートにゲス発言が来ましたね。てか最近何やってんでしょうか、ゲスい乙女の方――あ、連絡来ました。次は大丈夫だそうです』」
上条「本当に？ダメだったら暴れるからな！具体的には、えっと……トイレに籠城してやる！」
佐天「『腹に来るんで止めてください。あぁ残り二人ですので騙し騙しするそうです』」
上条「それで騙されるようだったら俺も大概だよね？幼児だとでも思われてんのかな」
佐天「『運営から指示が入っています。ちょっと土下座してくれせんか？』」
上条「”ちょっと”？上条家のお家芸をちょっと感覚で披露するの？」
佐天「『お家芸ってとこにも興味ありますけど、ではなく身長がちょっと足りない感じですので。合わせませんと』」
上条「怖いな次のヤツ！？俺がDOGEZAして届くのってオティヌスかスフィンクスかルン○ぐらいしか心当たりないですけど！？」
佐天「『――はい、という訳でいよいよ最後の一人になりましたね！』」
上条「ねぇなんで残機が減ったの？もしかしなくてもオティヌスさん来てた？『サイズ以外は完璧な女性ですよ！』ってオチ用意してたんですかコノヤロー？」
佐天「『今頃泣いてるんじゃないですかね。そんなことよりも最後なのでちゃっちゃとどうぞ！目隠しプリーズ！』」
上条「もういいわヤケだよ！最期だしどんなイロモノが飛んでくっか楽しみだな！絶対にまともな人は来ないだろうしさ！……あ？」 ｸﾞｯ
上条「あぁもうなんかチクチクするよ！腹になんかトゲっぽいのかあるし！明らかにフォルムが人類枠じゃねぇな！誰だよコイツ！？」
上条「てかなんか生臭い……？スイカ？年の瀬も迫った今、なんでスイカ？」
垣根（虫）『――それは私の外骨格です！』
上条「だと思ったよチクショー！？『わたしのおいな×さんだ！』みたいなテンションで言いやがって虫が！」
上条「てか最期の最期で夢に出そうな絵面じゃねぇか！等身大のカブトムシにハグされてんのって、遠目に見たら『捕食？』だよ！映えるわ！」
垣根（虫）『折角”男でも女でもない”ってオーダーを受けましたのに……』
上条「マジプシ○か。今やったらちょっと社会問題になりそうなアレか。てかお前、男じゃないの？」
垣根（虫）『アイドルと同じ扱いですね』
上条「やかましいわ甲虫類！実はテントンムシやホタルと一緒の分類のくせに！」
垣根（虫）『なんてことを言うんですか！？カブトムシは虫の王者と言っても過言じゃないのに！』
上条「まず人類になってから出直してこい！あとお前親御さんになんていうつもりなんだよ！？超美白になりやがって！」
佐天「『あ、どもお疲れさまでした。上条さんが荒んでいるので以上で企画を終わりたいと思いまーす。ありあっしたー』」
上条「どうせ……！どうせこんなオチだと思ってたよ！まともにハグしたのってレディリーだけだし！しかも背中！」
佐天「『前面でしたよ？まぁ凹凸に欠けるフォルムではありましたけど』」
上条「何がクリスマス企画だ！――そうだ！街角で般若心経を唱えるテロを」
佐天「『――えいっ！』」 ｷﾞｭｯ
上条「うぼぉぉっ！？」
佐天「『いちにーさんしーごーろくしちはちきゅーじゅーっ！ハイ終わり！ハグ止め！』」 ﾊﾞｯ
佐天「『はい、これでいいでしょ？JCからハグされたんだからもうウジウジしない！しゃんとしなさい！』」
上条「――い」
佐天「『はい？』」
上条「い、今の感触だとまた君着けてねぇだろ！？」
佐天「『反応するとこソコですかコノヤロー』」
上条「俺は良心的だよ！？心ないヤツは別の所に反応するんであって！」
佐天「『てかこの企画、最初から最後までシモ一本でしたよね。性質上しゃーなしですが』」
-終-
（※個人的には垣根(虫)さんのハグが一番価値があると思います、需要は別にして。ご応募ありがとうございました）
――『必要悪の教会』 ステイルの私室 夜
ステイル「ふー……今日も疲れたね。あぁ、疲れたよ」
ステイル「ハッピーなんとか団inロンドン支部とか言うアホどもを殲滅したのはいいんだけれど。というか土御門のアホもチラチラ見えていた気がするけど」
ステイル「しかし無煙タバコは悪くない……副流煙がほぼないのはいいんだが、今一こう吸ってる感が足りない」
ステイル「ピー○の両切りのノドに張りつくような不快感に比べれば、かな……はい？開いているよ」 ｺﾝｺﾝ
ローラ『……あのー、ローラなりしけど』
ステイル「すいません本日の営業は終わりました」
ローラ『開いてるって言ったばかりなのに！？最高責任者へ対してその扱い！？』
ステイル「……」 ｶﾞﾁｬﾝｯ
ローラ『ねぇ鍵閉めた？一番偉い人へ対してそれはどうかと思うたりけるのよ？流石にな？』
ステイル「……どうか、しましたか？」
ローラ『いや、なぁ？その何かあったちゅーか、なかったかっちゅーと、まぁまぁまぁまぁ？』
ステイル「どうした妖怪。挙動不審になってんぞ」
ローラ『お前の数々の暴言は後日ケリをつけるとして、その、なんだ？言いたいことが、あるんじゃないかなーと思うて』
ステイル「いいんですか？言っても？」
ローラ『ま、まぁ？』
ステイル「あの子を解放しろクソババア、そして死ね。あと死ね。さっさと死ね」
ローラ『予想してたのと違う！？死ねって三回も言われた！？』
ステイル「嘘偽りなく僕の本音ですけど。というかさっきから一体どうしたんです？話が見えません」
ローラ『……入っても？』
ステイル「まぁどうぞ」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「お、お邪魔しまーす」 ｶﾞﾁｬｯ
ステイル「何やってんだ痴女」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「そ、そのな？年頃なのは分かりたるのよ？タッパ大きいとはいえまだまだ子供、肉感的かつ芸術的な上司へエ×い欲望も抱くのも必然なのよ！」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「ロ×ペ×から脱却してノーマルの道へ戻るのも歓迎したりわ！なんだったから神裂カマして嫁にもらってほしい！『必要悪の教会』的には！」
ステイル「つまり？」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「こんな衣装をプレゼントされても、精々着て見せることだけしかできない――」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「――だって私はみんなの『最大教主』なのだから……ッ！！！」
ステイル「『――もしもし警備班ですか？えぇステイルですが、部屋に野生の痴女が現れまして』」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「塩対応を通り越したなんて現実的な対応！？いやまぁ歳考えればそうだけれど！」
ステイル「というか、脱げ」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「で、でもぉ……私には心に決めたツンツン頭がぁ……」
ステイル「全裸なれとは言ってない。そうじゃなくてどっかで着替えてこい、僕との関係性を疑わせるだけで不愉快だ」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「くっ！こんな小悪魔的な異性を前にしてその反応！やっぱりロ×ペ×なりたるか！」
ステイル「上司が夜中に性的な格好して現れたときのテンプレートだよ」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「悪魔なのに小悪魔的な、的な……ッ！！！」
ステイル「余裕あるな！てか時系列メッチャクチャだな！今更だけどさ！」
……
ステイル「――で、一体何があったんです？」
ローラ「いやぁ、それがな？一仕事して寝室へ戻りたるのよ、こう『ハッピーなんとか団ｉｎロンドン支部とかいうアホどもを殲滅するのに手間がかかったわー』と」
ステイル「あのアホどもはあなたの手にも余るんですね」
ローラ「よし！こんなときにはクリスマスに用意した『えっちなサンタさんコス』を見て癒されよう！と」
ステイル「待て、なんでそうなった？」
ローラ「癒されそうっていうか、正確にはイヤらしいことをされるだろうって妄想を」
ステイル「生々しいこと言わないでくれるかな？僕が女性不信になりかかってるのもゴリ聖人とあなたのせいですからね？」
ローラ「いつも閉ってあるクローゼットを開けたら、なんとそこにはエロバニーサンタコスが置かれてあらざりしな……！」
ステイル「”在る”の否定形になってますよ？つまりないってことに」
ステイル「……え、なんですか？それじゃさっきの風俗服は？」
ローラ「私が用意したのはエロサンタであってエロバニーサンタではなかりたりし！バニー成分は一体どこから……『あぁ！我が部下が劣情を！』と」
ステイル「消去法でいったら、まぁ分からなくもないですが、その前に『なんでバニー？』って疑えよ」
ローラ「……確かにそうよな！お前だったらばベーシックなシスター服一択なのよ……！」
ステイル「ぶち殺すぞ？……確かに事情は分かりました。それは問題ですね」
ローラ「そうなりし……今晩、泊めてくれる？」
ステイル「なんぼでもあるだろ部屋。お前がそこそこの頻度で粛正してっから余ってるよ部屋が」
ローラ「決して！そう決して少年を汚したりける欲望はそんなにはもたざりことなりしなことけるよ！」
ステイル「――じゃ『最大教主』の部屋へ行きましょうか。犯人の残した手がかりがあるかもしれない」
ローラ「スルー！？せめてアホ日本語にツッコんでほしかったりするわ！」
……
ローラ「そんな訳で我が部屋と来たりけるのだった……！」
ステイル「誰に言ってるんだい……つーか私室、暫くぶりに入りましたけど相変わらず頭悪そうなドピンクですね}
ローラ「趣味なんだから良かりしよ、この違法ヘビースモーカーめ！」
ステイル「年齢の壁もそうだけど、最近は国によって一括禁止とかありますしね。そのくせ大麻は合法だとか、狂ってる」
ローラ「ドラッグはマフィアのシノギなりしな。『卑怯者は安全なときだけ居丈高になる』byゲーテ」
ステイル「見た感じは……荒されたりはしていませんよね。他に何か盗まれたりとかは？」
ローラ「分からぬのよ。部屋へ戻ってエロコスを眺めようとしたら異変に気づいて、そのまま着替えたりし」
ステイル「サービス精神強すぎて迷惑です。まぁ爆弾とかだったら既に起動しているでしょうし……あぁ、犯人に心当たりは？」
ローラ「私に懸想している相手で言えば、まぁ人類の約半数？」
ステイル「あなたを殺したくて殺したくて殺したくて殺したいと常々思っている人間に心当たりは？」
ローラ「言い直した！？あぁ気を遣っていたりするの！？」
ステイル「僕の知っている範囲でしたら、『必要悪の教会』ほぼ全員と僕。あとローマ正教と僕、勿論ロシア成教と僕、他には学園都市にアレイスターと僕ぐらいですかね」
ローラ「気を遣って！？そして犯人の条件を満たす人間が私の前に一人いたるな！」
ステイル「逆に犯人じゃないのが……あーっと、シスター・オルソラと学園都市のアホぐらいですか」
ローラ「ありがとうシスター・オルソラ！……でも学園都市の少年は対象内ではないの？」
ステイル「あのアホにそんな甲斐性ない。精々ラッキースケベで押し倒すぐらいだ」
ローラ「それはそれで輿入れ前の乙女には不安なりしが……おや？」
ステイル「じゃあ僕はお役に立てないようですので帰りますね。おやすみなさい」
ローラ「『おや？』って言ったのに！？明らかに見なかったフリをしたるの！？」
ステイル「見たけど見たくはなかったんですよ！なんですかあのテーブルの上に置かれたプレゼント箱！私物じゃないんですか！？」
ローラ「あまりにもあからさま過ぎて見ないようにしたりしよ！だって怖いから！」
ステイル「……先に行っておきますけど、あれ僕に対する贈り物とかじゃないんですよね？サプライズ的な渡し方でゴネてるとかじゃ？」
ローラ「もしそうだったら場所変えたるわ！今だって、その……未婚の女子の部屋に殿方がいたりけるのは、良くなきことなのよ！？」
ステイル「はいはい」
ローラ「『はいはい』！？私を誰だと心得たるの！？」
（※「男性と二人きりになるのはダメ」が19世紀末までは常識。そして今も立場によっては同じ）
ステイル「あぁじゃ僕が開けますから一応離れていて下さい。精々ネコとかカラスの死骸でしょうし」
ローラ「ぎゃ、逆にステイルのサプラーイズ的な案件ではなかりたるの？普段からお世話になっとるエ×可愛い上司へ対する、とか？」
ステイル「すいません。僕の上司にそんな人いないんで」 ﾋﾞﾘﾋﾞﾘｯ
ローラ「さっきりから暴言がキツすぎない？そろそろ教育間違えたかなー、なんて振り返りたるのよ？」
ステイル「開けましたけど……なんだろう、これ？鉄の棒？折りたたみ傘の芯、ですかね？」
ローラ「こ、これは……！？特殊警棒なのよ！？」
ステイル「警棒……あぁ、これを振るとしゅっと伸びるんですね。警察官が持っているようなの」
ローラ「しかしチンピラが持っているようなこれが、どうしてプレゼントボックスに入っ――ハッ！？」
ステイル「何か？」
ローラ「……はっはーん？段々と読めてきたりしよ、我がピンク色の脳細胞がズババっとヒットするものが！」
ステイル「はい、お疲れさまでしたー。よい休日を−」
ローラ「態度悪くない？次の査定は覚えておきしな？」
ステイル「ぶっちゃけ疲れてるんで自己解決してほしいです。それで何が思いついたんですか？」
ローラ「思うたれば色々と不思議なことがあったが……しかし全ては一本の線で繋がっていたりしな！」
ステイル「とは？」
ローラ「ふっふっふっふ……奇しくも今日はクリスマス・イブ！ここまで言うたら、なぁ？もう答えを言っているようなものよ、なぁ？」
ステイル「絡み方が超うぜえ。それでつまり？」
ローラ「鈍し男よな。ほら、”サン”で始まって”タ”で終わるアレなりしよ」
ステイル「『サンティ○・クアランタ 』？」
ローラ「元アメリカ代表サッカー選手！？よく見つけてきたりしなそれ！？」
ローラ「そうではなくあの老人なのよ！クリスマスの夜にプレゼントと称して贈り物を子供の寝顔を堪能しつつ置いていくアレ！」
ステイル「……まさかとは思いますが、サンタ、ですか？」
ローラ「私が不在時には悪意を持つ人間は入れないように術式を組んであるのよ！だとすればサンタさんぐらいしか！」
ステイル「ババ×ー、あなた疲れているんですよ。サンタなんかいる訳ないだろ」
ローラ「えっ？」
ステイル「えっ？」
ローラ・ステイル「……」
ローラ「さ、サンタさん……？」
ステイル「――っていう話が一般的ですが！僕が聞いた限りでは最近は少子高齢化で少なくなっているだけらしいですね！僕が聞いた限りですけど！」
ローラ「そ、そうよなぁ？サンタさん……あぁビックリしたるけるのよ。よもや、なぁ」
ステイル「知りたくもない事実を知ってしまった……！てかあんた自分がイイコのつもりだったのか！？」
ローラ「え？存在的には遊びの部分も限りなく無かりしし、職務に忠実という意味ではこれ以上なく？」
ステイル「……優秀は優秀なんですよね。根本的に狂っている部分を除けば、ですが」
ローラ「しかいしその様子だとステイルの所には――あ、そうそう！ステイルはサンタさんになにをお願いしたるの？」
ステイル「僕は、特に何も。一身上の都合であまり神にも祈ってもいません」
ローラ「おぉ、それはよくなきことなのよ！たまには、ほれ、言うてみたりするのもまたよかろうて！もしかしたらサンタさんが聞いてるかもしれんし！」
ステイル「何を言っても？」
ローラ「あ、あんまり高いものは無理なりしよ？ZOZ○沢が税関でボッシュートされた1億の時計とか言われても、『ざまぁwwww』なのよ？」
ステイル「アホは怖いなって思うよね、あれ。しかしそうですね、ほしいもの、あー……そうだ、一つありました」
ローラ「んむ！言ってみるがいい！」
ステイル「上司の首、物理的に」
ローラ「――よーしかかってくるがよいわサンタさん！誰が相手でも戦ってやりたるわ！積年の恨みを込めてね！」
ステイル「戦うのか。そして恨みってなんだ恨みって」
ローラ「だ、だって今年までずっとくれなかったから……」
ステイル「どんだけだよ……しかしこれ、本当に誰が置いたんだ？ババアに悪意が無い人間なんているのか……？」
……
オルソラ「――以上、ご用命の通りにしてきたのでございますよ」
土御門「ありがとうございますにゃー。これでババアも送り主も喜ぶんだにゃー」
オルソラ「いえいえ、どなたかの助けになれば本望でございますれば。ただ、できれば直接お渡しになった方が双方にとってよかったのでは？」
土御門「一身上の都合だにゃ−。誰とは言わないが、恋人いるのに他の女性へプレゼントするのは怒られるかもだしー？」
オルソラ「さようでございますか？私には分からないのでございますけど……」
土御門「まぁそういう愛もあるんだぜぃ。あ、日本へ持っていくのはこの箱だけ？」
オルソラ「はい、イギリス清教シスター並びにローマ正教ロンドン支部シスターの連名で」
土御門「分かったぜぃ。それじゃまた」
オルソラ「はい、佳きクリスマスを」
-終-
（※「あれこれHAMADURA出ない方が面白くね？」で他意はありません。ご応募ありがとうございました）
――『明け色の陽射し』
パードウェイ「――『明け色の陽射し』と『新たなる光』ってカブってないか？」
レッサー「またエラいこと言い出しやがりましたねこのロ×が！」
バードウェイ「同じ”あ”系だし最後が”光”系の単語で終わっているし、うろ覚えで書いたSSとかで『新たなる陽射し』とかって誤記がありそうだよな」
レッサー「それで通用しそうですからね！別の名前まで拘りそうなマニアはごく一部でしょうし！」
バードウェイ「と、いう訳でそろそろ奴らには退場願おうと思うんだが」
レッサー「へっへっへっへっお任せ下さいよ、お頭ぁ！ポッと出の魔術結社モドキぐらい、この『明け色の陽射し』のレッサーがひとひねりでさぁ！」
バードウェイ「大義である。しかしお前を見ていると、イエヤス＝トクガワの政策って正しかったんだなってつくづく思うな」
レッサー「どなたかは存じませんが、走狗をグツグツ煮込むだけ煮込んだ感じですね！我らが王室も似たようなもんですけど！」
バードウェイ「なのでパチモンは打倒する頃合いだろうな、異論は？」
レッサー「あろう筈がない訳でないと言えないこともなくはないかもなんて思ったり思わなかったりするに決まってるようないないような感じでさぁ！」
バードウェイ「フランス人が心の底からフランス人なのと一緒で、お前も残念なイギリス人なんだな」
レッサー「――訂正してくださいな！誰が残念だっていうんですか！？」
バードウェイ「お、やるのか？」
レッサー「残念なのは私であってイギリスではありませんよ！そこは譲りませんからね！」
バードウェイ「えっと、まぁその、強く生きろ？人類滅亡しても、イギリス人は何となく生き残りそうだが。しぶといし」
レッサー「マズいメシを食い慣れているから粗食にも耐えられますよ！まぁ不安材料は高級食材でも調理させればマズいってことですが！」
バードウェイ「じゃあ絶滅ルートだな。よかったな人類と一緒で」
レッサー「では早速我らの敵を殲滅するため、そこら辺の汚っさん雇って向わせますぜ！」 ﾆﾁｬｱｧｧ
バードウェイ「お前ホント最低だな」
レッサー「ですのでお金ください！いっぱいください！具体的にはクリスマスに女四人が遊べるぐらいの額を！」
バードウェイ「そういうアホは嫌いじゃない。あとでマークに適当な理由をでっち上げて申告しておくがいい」
レッサー「しゃっす！で、ボスはどうするんですか？やはりご家族でパーティでも？」
バードウェイ「考えていることはあるんだが……そうだな、日本のクリスマスって×××前提なのか？」
レッサー「ファッションモンスターからモンスター成分抜いたのが出現してませんか？元々風紀なんてあってないようなもんですけど、えっと、その通報案件ですよ？」
レッサー「あとその質問に関しては何とも答えにくいですかね！クリスマスやらバレンタインが誤解されたまま日本へと伝わり、それがJカルチャー通じて逆輸出しやがってるんでね！」
バードウェイ「ポッタ○も『メシ超美味い！』ぐらい言わせればよかったのにな。『地球に似た別の世界なんだな』って認識されて終わりだろうが」
レッサー「くっ！こうなったらイギリスのカレー料理は結構美味いとプロパガンダを流すしか……！」
バードウェイ「その時点でもう負けてるけどな。では、私用があるので失礼する」
レッサー「待ってつかーさいお頭！上条さんが児×でタイーホされそうなことホザいていませんでしたかねっ！？」
バードウェイ「いやまぁ、な？最近じゃ寛容な時代になったようでもあるし、なっ？」
レッサー「わっかんねぇですよ？そんな『なっ？』みたいな同意を求められましてもね！」
バードウェイ「そろそろ時代が私に追い付いたのではなかったというのかっ！？」
レッサー「どう、でしょうかね？規制的にはむしろ厳しい方へ行ってるような感じですけど」
バードウェイ「○○○諸国の××婚に物申す人権団体が皆無なので、受け入れたとばかり」
レッサー「誰かーマークさん呼んで来てー！？できればハリセンも持ってきてー！鋼鉄でできたヤツーーーーーーーーーーーーーーーっ！！！」
……
ネフテュス『――起きなさい、起きるのですロ×ペ×担当よ 」
娘々『文字通り機械仕掛けの神々になり下がった神様の登場ですよっと。はろはろー』
バードウェイ「ここは……夢、か？」
ネフテュス『そう、女神が転生する感じの和製RPGの導入部です。デカい顔とかがドヤ顔で出てくる』
娘々『顔だけに……ドヤ顔で……！』
バードウェイ「神ジョークの沸点が分からん。ただアホだというのはよーく理解できた」
ネフテュス『うんまぁそのね、えっと法的に厳しいから色々と加護を与えます。大っきくしてあげる。適齢期っていうか』
娘々『具体的には18歳ぐらいのお前だ！よかったな！』
バードウェイ「――神ごときがしてやろうとはおこがましいわ……ッ！！！」
ネフテュス『やだ超上から来るわねこのロ×』
娘々『ここまで上から目線は売れないユダヤ人の画家ぐらいしかいねーわ。そういうアイツどうなったんだっけ？』
バードウェイ「だがしかしどうしてもというのならばもらってやらんでもない！あと移動が面倒だから日本にまでパッと送ってもらおうか！」
ネフテュス『何様？私たちの立場を除いてもどうかと思うわよ？』
娘々『そうだそうだー！ネフえもんがツッコむなんて世界大戦よりもレアなんだぜ！』
バードウェイ「世界を征服できる力は不要――何故ならば既に持っているからな」
ネフテュス『この子……あぁアレイスターの後輩、うん。強く生きてね』
娘々『考えようによっては年相応、か？ギリで』
バードウェイ「無駄口を叩くな！私の望みを叶えさせてやっているのだから手早く動け！」
ネフテュス『……もういや……！神、神なのにストレスゲージがマッハで溜まっていくわ……！』
娘々『私たちにも天敵がいやがったか……まぁ飛ばすから頑張るんだぜ』
……
バードウェイ「――学園都市に来るのは久々だが。相変わらずガキばかりだな」
チンピラA「ねーねー俺たちとどっか遊びに行かない？待ってた子にキャンセルされちゃってさー」
チンピラB「今ちょっとヒマしてるんだけどおっぱ×？」
オーク「ここが――異世界ブヒか……？」
バードウェイ「散れザコども。そして三番目に何かいたな！警備員呼んで射殺しとけ！」
チンピラA「ねーねいいからさー？最近だとエ×ゲームでも出た瞬間抗議のハガキが届いて出番すらもらえなくてねー？」
チンピラB「呼ばれたと思ったらデスゲームで最初にひでぶされる役ぐらいでおっぱ×？」
バードウェイ「同情はするが死んでく――れ、なくてもいいか。この展開だと出そうだしな」
上条「――おいお前ら何やってんだ！嫌がってるだろその子！」
バードウェイ「知ってたわー。何かそんな気はしてたわー」
チンピラA「おいおい途中から割り込んでそげぶっ！？」
チンピラB「来年の車検代がそげぶっ！？」
上条「えっと、大丈夫か？怪我はなかったか？」
バードウェイ「あぁ問題ないよ。助けてくれたことには一応礼を言おう」
上条「てか、あんた、あー……ボスの知り合い、ですか？」
バードウェイ「敬語は要らんよ。まぁ身内、というか血縁関係はあったりするような感じだな」
上条「あぁやっぱり！服も似てるけど全体的に大きくしたような感じだから！」
バードウェイ「いつも世話になっているようだからな。観光も兼ねて挨拶に来た、という設定で頼む」
上条「設定って何？妹さんが散々俺を弄んだ的な展開がリピートされんの？」
バードウェイ「あれ？頭にドリ……？なんだっけ？」
上条「喜んでお嬢様！俺で宜しければ何でもお申し付けくれよなっ！」
……
バードウェイ「てゆうかよくよく考えたら12歳児の後頭部へドリル押しつけるとか、もう人生終わらせるぐらいの話だよな？」
上条「その話はもう終わってんだよ！？人聞きが悪すぎるから掘り返さないで！」
バードウェイ「取り敢えず、手を。淑女をエスコートする栄誉を与えてやろう」
上条「……」
バードウェイ「ん、どうした？柄もなく緊張でもしているのかね？」
上条「あぁいやそういうんじゃなくてだ。えーとまぁ悪魔の身内で緊張もしてるはしてんだけど」
バードウェイ「酷い言い草だが、それで？」
上条「手を繋ぐのは、ちょっとアレだから許してもらえないか。ボスのねーちゃんがイヤってことじゃなくて、美人だし俺も嬉しいとは思うんだが」
バードウェイ「よく分からんが……あ、じゃあ腕でも組むか？」
上条「おっぱ×！？」
バードウェイ「また斬新な喜びようだな。私も若干盛りすぎてて引いているが」
上条「気持ちはありがたいが！正直『いっかな？』と思わなくもないがダメです！そういうのはお付き合いしてから！」
バードウェイ「そう、か？手を繋ぐぐらいは別にしてくれてただろ？」
上条「誰が？」
バードウェイ「――レイヴィニアとな！そういう話を聞いたんだよ！」
上条「あぁまぁボスはボスだし、子供と大人じゃ意味合いが変るっていうか？」
バードウェイ「私がいいと言っているのに？」
上条「余所は余所！ウチはウチです！」
バードウェイ「むぅ……折角大人ボディで悩殺するはずがなんたる誤算か……うん？」 ﾜｰｷｬｰ
垣根（白）『――滅ぶのです、愚かな人間どもめ！具体的には綺麗事ばっか言いやがって児童放棄したクソビッチどもに鉄槌を！』
佐天『暴れカブトムシが出たぞー！？みんな逃げてーーーーーっ！？』
バードウェイ「なんだ超楽しそう！肩車しろ肩車！人垣で前が見えない！」
上条「そういうのもダメだってんだろ！？なんかこうDT値が下がるんだよ！下がった方がいい変数なのかもしんないけど！」
バードウェイ「……」
上条「悪い、強く言い過ぎたけど。なんか、うん、なっ？他は付き合ってやるから、えっと、メシも吉野○って所で奢るし？」
バードウェイ「大人は……つまらないのか？」
上条「あー……まぁあんた、もといお前がどういう環境で育ったのかは知らないけど、色々とあるんだよ。やってオーケーなのとノーサンキューなのが」
バードウェイ「……分かんない」
上条「できることも多いけど、やって良い事とか悪い事を知るってのも大人だし、ある程度の線引きはしなきゃいけない、つーか」
バードウェイ「なんでも自由、じゃないのか？」
上条「好き放題と自由はまた違うし、特に男女関係は複雑っていうか、ちゃんとしないと刺されるんだよ」
バードウェイ「それはお前だけだろ」
上条「よーくご存じですねドチクショー！？滅多には刺されないけど、たまーにね！フラグ回避できないときとか！」
バードウェイ「……そうか。分かった、少し待ってろ」
上条「あぁトイレはあっちに」
バードウェイ「ガキよりもデリカシー皆無だな……まぁ行くけど」 ｽﾀｽﾀ
上条「合ってんじゃねぇかよ――ってボス！？なんつータイミングで合流して、あ！待ち合わせだったのか！」
バードウェイ（小）「まぁそんな感じなんだが、アレは帰ったよ。『思ったよりもつまらなかった』って」
上条「来たばっかなのに！？……あぁ俺のせいだな！どうやってお詫びすればいいか……！」
バードウェイ「要らん要らん。そんなことよりも、ふんっ」
上条「ハンドシェイク？」
バードウェイ「……じゃない。手を繋げと言っている」
上条「おう、はぐれると危ないからな」 ｷﾞｭｯ
海原（革）『――こんな世界など滅びればいいのです！キュアサニ○（cv.田野アサ○）が結婚した世界なんてもう！』
初春『ヘンタイが出たぞー。あと運営はしょーもないことで呼ばないでくださいねー』
上条「アホが暴走しやがった！？気持ちは分からないでもないが！」
バードウェイ「……えぇと、肩車、しろ。いや、するんだ」
上条「おー、これでいいか？」 ｸﾞｯ
バードウェイ「あ、こらっ！急に立ち上がるな！……全く、貴様というヤツはレディの扱いがなっておらんようだな」
上条「いいんだよ。俺は俺だし、お前はお前だ。あー、まぁ普通に歩いて行けば」
バードウェイ「……」
上条「どっちかが早歩きになったりしても楽しくなんかねぇだろ？だから、まぁ」
バードウェイ「……大丈夫だ、私には分かってる」
上条「おう」
バードウェイ「お前がまさか18歳よりも12歳児しかダメな癖（へき）だなんてな……ッ！」
上条「分かってない、超何も分かってないですよコノヤロー？」
オーク（はぐれ）「そうブヒよ！オーク的には来るもの拒まず去るもの逃がさずがスタンダードブヒな！」
上条「お前もう帰れや！？キャラが濃い上にオチ要因としてはピッタリすぎて怖いわ！？」
-終-
（※「メンタル一般人、行動一逸人」の上条さんだったらこんな反応かと。ご応募ありがとうございました）
――学園都市 クリスマスのある日
上条「……」
御坂「――あ、あたしも今来たところよっ！全然待ってなんかないんだからねっ！」
上条「……あぁそう、時間ピッタリっていうかまぁ、現時点で約束の30分前だからいつからスタンバッてたのか聞いてみたいところだけど」
御坂「少し早めに出たから、かな？」
上条「あぁうんそれも想像出来るんだけど、想定外なのはその、後ろの」
御坂「なに？後ろに何かある？」
チンピラA「……きゅ、救急車……」
チンピラB「ほ、骨が……ベキッて……」
青ピ「コロス……！相打ちになってもせめて一矢報いぃ……！」
上条「死屍累々になってる男子生徒の諸君は何？あとオーク出せよ二回引っ張ってんだから、オークっぽい人間じゃなくて」
御坂「怖かった……！知らない人に声をかけられて！」
上条「向こうは知ってると思うし、ある程度は痛い目見た方が本人にとってもいいとは思う。思うけども……」
白井「……お゛ね゛え゛ざま゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……ッ！！！」
上条「知ってる人いるよね？俺、近日中に亡き者にされないか？突然上からそこにはなかった筈の鉄筋が降って来たり、盲腸で緊急搬送されたら胃の中からドリルが見つかったり」
御坂「あなたは死なないわ、あたしが守るもの」
上条「やだ格好いい。超有名セカイ系のパクリだとしても」
御坂「時間が惜しいわ！べ、別に楽しみに何かしてないんだからねっ！？」
上条「情緒不安定か。じゃあなんで来たんだよ」
御坂「べ、別に来たくて来たんじゃないわよ！ただちょっと人生の節目だしね！」
上条「高度に発達したツンデレってもうギャグだよな。ダベっててもしょうがねぇし、まずはテンション戻してから歩きながら話そうぜ」
御坂「じやあまず雑貨屋さんに行かない？プレゼントなんかどうせしてないでしょうし」
上条「――おぉっと忘れてたぜ！だって俺は――ビリビリと付き合えることが最大のプレゼントだから」 ｷﾘｯ
御坂「うんっ！裏切ったら殺すから☆」
上条「ボケに殺害予告で返されるのって辛いぜ……！」
……
御坂「うわー、混んでるわねー。はぐれそー」
上条「そう、か？まだ午前中だし出足は遅いと思うんだが……」
御坂「はぐれたら迷子になるわ……！」
上条「ケータイあるよね？そもそもこの店コンビニ二つ分ぐらいだよな？」
御坂「え、なに？『手をつな……？』つまり？」
上条「『ビリビリ、はぐれたら大変だから手を繋ごうぜ！』」
御坂「きゅ、急に言われても！全く男子ってのはいつもそうよね！」
上条「別に急っつーほどではなかったろ。助走期間もそこそこあったろ」
御坂「と、特別なんだからね！感謝しなさいよ！」 ｷﾞｭｯ
上条「繋げっつったのは手であって腕じゃ……まぁいいか。それで？何か欲しいものがあったら、予算の許す範囲でプレゼントするけど」
御坂「えー、どうしようかなー？こういうのって選んでくれるのが普通じゃないの？」
上条「あぁじゃあすみっこぐら○のペンギンっぽい何かで」
御坂「……ううん、それはダメ。サンエック○は敵なの！」
上条「戻って来てビリビリ！？誰と戦い出した！？」
御坂「――あたし、気づいたのよ。ゲコ太がメジャーになるためには何が悪いのかなって」
上条「それなりに有名っちゃ有名だと思うが。ただ年季の割に一部のマニアにしか浸透してないっていうか」
御坂「要は……同業他社がなくなれば、実質上のトップといっても過言ではないわよね？」
上条「よーしステイだビリビリ！その理屈で次々と倒していったらネズミの王といつかやり合うハメになるぞ！」
御坂「かかってきなさい……！あっちは規約で暴力表現ができないってことは、一方的にボコれる……！」
上条「映画の設定な？あとリアルな暴力を使わないだけで、法とか札束で普通に殴ってくるよ？」
御坂「まずはこの店のリラック○を全部たれぱん○に差し替えるところから……！」
上条「普通に嬉しいわ。今年たれぱん○のスケジュール帳発売されなかったから」
上条「じゃなくてだな、えーっと……ほら！好きな歌手とかにはメジャーになって欲しい反面、売れすぎると手が届かなくなるって感じで！」
御坂「分かるわ……凄いよく分かる！万人のニワカよりも100人の精鋭ってことね！」
上条「良かった……！選択肢ミスらずに済んだ……！」
御坂「それじゃー、どうしよっかなー。あたしの欲しいもので基本いいってこと？」
上条「できれば予算も考えて頂けると嬉しいですが」
御坂「ペアリングなんて……いいと思わない？」
上条「重いな！いや人それぞれでいいとは思うけど！高校生が中学生へ送るのはヘビィーだぜ！」
御坂「あたしだけ見てよ！あたしだけを考えてよ！」
上条「はっはーん、アレか？なんか今日の流れがおかしい気がしてたけど、要はマインスイーパなのな？どこに地雷埋まってんのかわっかんねぇのに？」
上条「了解了解……俺たちはまだ学生じゃないか！こういうのは、あーっと……働きに出て給料三ヶ月っていうじゃないか！」
御坂「そ、そうね！ちょっとだけ気が早かったかもしれないわね！」
上条「このゲームの勝利条件が分からないぜ……！無事に乗り切っても後々利子つけて返ってくるブーメランかも……！」
御坂「でもできれば普段使いにできそうなのがいいかなー。アクセサリーとか、ダメ？」
上条「あ、あぁいいんじゃないか。気に入ったんだったらゲコ太でもキテ○さんでも。つーかさ、常盤台って校則でガッチガチじゃないの？すっげー厳しいって」
御坂「門限とかはそうだけど、それ以外だったらそれほど厳しくはないわよ？基本的にお嬢様ばっかだし、素行のいい子多いから」
上条「お前も白井さんもプラス部分だけ見れば間違いなくいい子だよな」
御坂「あたしだけ見てよ！」
上条「――この、ゲコ太ピンってどうかなっ！？ネクタイピンにも使えるし金具交換すればヘアピンにもできるってさ！」
御坂「素敵……！もうっ、あたしの欲しかった物調べてたんでしょっ！」
上条「そりゃ命かかってますからね！できれば俺一人だけで留まって欲しいもんだが！」
御坂「ピンクのゲコ太とドピンクのゲコ太、どっちがいい？」
上条「まだペアという試練が……！まぁソリ○ピンク乗ってる野郎もそこそこいるし――だが！上条家を舐めるなよ！」
上条「父さんが編み出した『詩菜さんのご機嫌を取る方法108式』の一つ！必勝の策を使うぜ――」
上条「『――ビリビリが好きな色を選んでくれるかな？それが俺の色だから！』」
御坂「あ、これもう結婚するしかないわー。他に選択肢無いわー」
上条「ありがとう父さん！事態は悪化の一途を辿ってる気がしないでもないけど乗り切ったよ！」
御坂「買い物も済ませたし−、お腹空かない？どっかで軽く食べない？」
上条「賛成。吉野○とすき○となか○と幸楽○のどこがいい？」
御坂「ムードは？『わぁいすき○大好き！』って喜ぶJCいる？あぁっ！？」
上条「ビリビリー、演技演技ー」
御坂「悪くないわねー！でも折角予約取ったカラオケボックスがあるのよ！ランチが美味しいって！」
上条「予約取ってんじゃねぇか！？なんで聞いたよ！？」
御坂「マジレスすると『どこでも君の好きなところがいいよ』が欲しかった」
上条「……俺、もう一生一人でもいいと思うんだ。そんな高度な駆け引きできねぇよ」
御坂「あと買い物するときも『これとこれどっちがいいかな？』は意見を求めてないのよ！自分の中では決まってるんだから！」
御坂「ただ『どっちを着けても最高だね！』って言葉が欲しいだけだから！勘違いしないでよね！」
上条「本当に情緒不安定か」
……
上条「あー、ここがカラオケ屋か？随分おしゃれな感じの……足りるかな」
御坂「あ、ここは払うわよ。あたしが予約入れちゃったしね」
上条「……くっ！なんだかんだで気前もいいし気配りもできる――頑張れ俺！クラッときたら一生コースだからな！」
御坂「ちょっと何言ってるのか分からないけど。ごはん頼んじゃうねー。あ、嫌いなものあったっけ？」
上条「特にはこれといって。あ、サソリの丸焼きとかのチャレンジメニューはちょっと……」
御坂「流石にあぁいうのは命に対する冒涜だと思うのよね。好きな人が好きで食べる分にはいいけど」
上条「じゃ俺先に歌いたい。えっと……」
御坂「あ、『ゼロからの逆襲』ね！」
（※『とある魔術の禁書目録 アーカイブス2』に収録、歌：上条当麻（演；阿部○））
上条「止めろよぉ！？えっと、こう人のトラウマっていうか黒歴史っていうか若気の至りを掘り起こすような真似はどうかと思うなぁボカぁ！？」
御坂「じゃああたしは『ハッピー☆マテリア○』を」
上条「間違ってねぇけど間違ってるよ？」
御坂「あと……ちょっとどうか思ったんだけど」
上条「お、どうした？ドヤ顔で前作の主人公が出てきたと思ったら参議院選出馬するって話か？」
御坂「ちょっと何言ってるのか分からないし、立場的にコメントは差し控えさせてもらうわね？」
御坂「いやそんなことよりもね、実は軽食っていうかサンドイッチ的なもの持ってきた、ような？」
上条「何でそんなに疑問系なんだよ」
御坂「しょうがないのよ！朝ちょっとバタバタしちゃって、行ってる最中に食べればいいかなって包んで……忘れた感じ？」
上条「何時に待ち合わせ場所に来てんすかビリビリさん。でもまぁちゃんと作ってきたんじゃないなら、俺が食べる訳には――」
御坂「……」 ｼﾞｰｯ
上条「――と思ってたけど嘘だわー！実はサンドイッチが食べたくて食べたくて仕方がなかったわー！」
御坂「ふ、冬だし痛んではないと思うんだけど、変な味したらペッしなさいよ？」
上条「あっはい、頂きます……」 ﾓｸﾞﾓｸﾞ
御坂「どう？」
上条「俺が作った方が美味い――し、しまった！？つい本音が！」
上条「助けてくれ父さん！こんなときには――そうだ！父さんから授かった秘策が！」
上条「い、今のは言い方とニュアンスを変えれば『一生俺のメシを食べてくれないか？』って意味にも取れるよ！これ以上は説明できないけど！」
御坂「そ、そう……？だったら、まぁまぁ」
上条「大丈夫が俺の外堀？大阪冬の陣ぐらいには余裕あるか？まだ埋め立てられないよな？」
……
御坂「……今日は楽しかった。ありがとね、デートに誘ってくれて」
上条「そうですね！さっきから寒気が止まらないけど、楽しんでくれたんだったら良かったぜ！」
御坂「……」
上条「じゃあ俺は塾があるからこれで――離して！？」 ｷﾞｭｯ
御坂「その、帰りたくない、とか言ったら迷惑、かな？」
上条「またお前色々な意味で死亡フラグぶっ込んで来やがったな！？児童福祉法的にも厳しいんだぞそれ！？」
御坂「え、なに？」
上条「い、いやなんでもない！問題ない考えろ俺！こんなピンチはいくらでもくぐり抜けてきた筈だぜ！」
上条「――そう！こういう時にはやっぱり父さんから習った対応をすればいいんだ！」
上条「……なぁ、ビリビリ。俺だってお前と一緒にいたいよ！離れたくないよ！」
御坂「だったら――！」
上条「でも！お前には門限があって帰らなきゃいけない！そこは守ろうぜ！」
上条「なんつーか感情に任せて突き進むのも時には必要だと思うけど！今じゃない！そう、今では！」
上条「無理をしないで付き合っていきたいんだよ！ここで俺たちがルール破ったら、今後のことに差し障るっていうかさ！」
上条「それはビリビリが大事だから言ってるんだ！決して『あ、手ぇ出したらクッソ面倒だなー』とかそういうことじゃないんだ！分かってくれ！」
御坂「……将来が大事だから、今はちょっと、ってこと……？」
上条「そうだ！もし俺とお前が規則破ってお泊まりなんかしたら学校から大目玉だし、下手すれば退学になるかもしれない！当然親からは叱られる！当り前だ！」
上条「そういうのがイヤなんだよ！こう、未来の展望っていうか、いつかゴールするためにも今は節度を守って一緒にはいられない……分かるか？」
御坂「……ごめん。あたしが子供だったわ、そこまであたしのことを考えてくれてた……！」
上条「な、納得してくれた？」
御坂「そうね！今は分かれても、それは未来に繋がるのよね！なら寂しいけど……我慢するわ！」
上条「そうだぜ！冬休みが終わったらまた会えるんだからな！」
御坂「あ、大丈夫よ？詩菜さんに許可はもらったから年末年始はお邪魔するし？」
上条「もしかしてもう夏の陣始まっちゃってるか？外堀なんてもうとっくに埋められてた？」
上条「てかよくよく考えたらだけど！結局父さんは母さんとゴールインさせられたんだから、重大な危機は回避できなかったってことだよな！薄々そうじゃねぇかって思ってたけども！」
御坂「――これからも、ずっと一緒なんだからねっ！」
-終-
（※頑張った方ですが上条さんの戦いは終ってしまいました。ご応募ありがとうございました）
――バー『負け犬の遠吠え』
騎士団長「ここは――」 ｶﾗﾝｺﾛﾝｯ
上条「ようこそ、バー『負け犬の遠吠え』へ」
騎士団長「ストレートすぎやしないか？」
上条「ここは古今東西の負け犬が傷を舐め合う場所……どうぞカウンターの方へ。お連れ様はいらっしゃってますよ」
騎士団長「その解釈だと私も負け犬にならないかな？異議がある」
マーク「おや、あんたは――」
騎士団長「君は確か『明け色』の」
マーク「マーク＝スペースです。よかったら一緒に飲みませんか？おツレさん待たせてあるんでなければ」
騎士団長「連れはいないが……そうだな。たまにはそういうのもいいだろう」
上条「負け犬一丁カウンター席入りましたー！」
騎士団長「怒って良くないかな？ていうか君やっぱりボケの方がイキイキとしてないかい？」
……
騎士団長「――では」
マーク「乾杯です！……あぁいい酒ですね」 ｶﾁﾝｯ
上条「ありがとうございます客様。当店一押しのモズク酢でございまして」
騎士団長「そんなので乾杯させられているのかい！？せめてアルコール出してくれないかな！」
マーク「この、癖になりそうな三杯酢……！くぅっ！」
騎士団長「いやまぁビネガーもアルコールの延長線上にあるといえばあるけれどさ」
上条「オーナー曰く、『お前らのしょっぱい生き方を象徴している』とのことです」
騎士団長「オーナーはバカなのかな？客商売で常にケンカ売る姿勢ってどうなの？」
マーク「まぁまぁ。目出度い日なんですからそんなにカリカリせずに」
騎士団長「せめてアルコールを出せよ！飲みに来てるんだから！」
上条「では当店オリジナルカクテル――『ブルーハワイ』を」 ｼｬｶｼｬｶ
騎士団長「どうせアレだよね？元ネタはカクテルをシロップにしたんだけど、回り回ってかき氷にかけるヤツにしたやつが来るんだよね？」
上条「チッ――ほらよビール飲め！」
騎士団長「本当に態度悪いよ？クリスマスの夜にバイトしてるってだけでその怒りの原点は何となく分かるけど」
マーク「まぁまぁいいじやないですか！酔えればなんだって！」
騎士団長「あぁビールも嫌いではないが……うん、美味しいね」
マーク「店員さん、次は何かイギリス風ポテトフライを」
上条「かしこまりました」
騎士団長「……凄い店だけれど……マーク、だったな。いつもここに？」
マーク「えぇ最近はよく来てまさぁ。私のような負け犬にはお似合いの店ですし」
騎士団長「いやいや、そう自分を卑下するものではないだろう？君たちの活躍は……あー、まぁ公の立場では言えないが、『黄金』系では一番ではなかろうか」
騎士団長「我らが危険視するのも影響力の高さ故に、というところもあるのだし」
マーク「……まぁね！そうですけども！」
騎士団長「まぁ正直、歴史の転換点なのか次から次へと危険性の高い連中が出てくる中では、多少影が薄――」
マーク「違うんですよ！そうじゃねぇんですよ！」
騎士団長「ふむ？何がかな？」
マーク「あなたに何が分かるって言うんですか！？JCにあっさりポジションを取られた俺の何が！？」
騎士団長「ちょっと何言ってるのか分からないかな。そして私だけじゃなく全員が『なんて？』ってツッコんでると思うよ」
マーク「最初はよかったんですよ！？闊達そうなお嬢さんだなって、ウチの人間の士気も上がっていましたし！」
騎士団長「JC加入でテンション上がる魔術結社も、その、なんだね。困るよね」
マーク「ですが！ポッと出のJCがいつのまにかボス（12歳児）の側近扱いになって、私の出番が激減してしまった……ッ！！！」
騎士団長「いいんじゃないかな？年が近い同性の側近の方が、まぁ何かと感受性の強い年頃でもあるし」
マーク「おかしいとは思ったんですよ！食堂のメシが急にマズくなったり、ハギスとフィッシュ&チップスだけになったらと思ったら！」
騎士団長「料理のおばちゃんに問題があるんじゃないか？もしくは仕入れ先でババ掴まされたとか」
マーク「遊戯室のダーツがフランス国旗の柄になっていたのをおかしいと思わなかった！私にも責任はあるんだ！」
騎士団長「それもう心霊現象だよね？『なにそれ怖い』ってみんな思うよね？」
マーク「俺は……っ！俺はもう負け犬なんだ！JCに負けちまったんだよ！」
騎士団長「まぁ、出番が少なくなったのは分からないでもないが……いいじゃないか、それだけで済んだのだから」
マーク「……ひっく……」
騎士団長「マスター！一番強いのを二つ！」
上条「へい！モズク酢をストレートで二つ！」
騎士団長「酸性って意味ではないよ？Ph値を高めろってんじゃなく、アルコール成分って意味でね？」
上条「ビール二つ入りやしたー！」
騎士団長「バーなのにビールしか置いてない……！まぁいいさ、飲むんだ君も！」
マーク「けっ……順風満帆な『騎士団長』様ともあろう方にゃ分からんでしょうぜ」
騎士団長「いいや、違うぞマーク＝スペース。私もまた――負け犬なのだから」
マーク「あんたが、ですかい？」
騎士団長「まぁ、故あってというか大儀あって一度は国家に背き、また忠義をも貫けなかった半端者だ」
上条「よっ、裏切り者！フワッとした動機でクーデターしてフワッとした動機で裏切った男！」
騎士団長「マスター黙ってて。今いい話をしているからせめて終わりまで聞いてからにしてくれないか？」
騎士団長「……それで、まぁ？残りの人生は国家のため、民衆のために遣うと誓ったんだ――だが！」
騎士団長「……来る仕事はかませ犬or誰かに操られての二択！頑張ったのに！婦女子をぶん殴るという騎士としてあるまじきタブーまで犯したというのに！」
マーク「……ふっ、そのぐらいで済んだからいいじゃねぇですか。出番は、どうせ少しずつでももらってんでしょ？」
騎士団長「ほぼ見切れる感じだがな！『よし出発！→瞬殺』ばかりで、こうなんか、なぁ！？」
マーク「……マスター、判定は？」
上条「☆1つですね。負け犬としてはまだまだ」
騎士団長「どういう評価基準をしているんだい？分母が3だったらそここその評価だけど」
マーク「甘いですぜ！あいつを見てくださいよ！」
騎士団長「店内が暗くてよく分からなかったが、カウンター席以外にも人が……ッ！？」
？？？「兄ちゃんよぉ、その程度の負け犬度で調子に乗ってもらっちゃあ、この業界長くはやってられねぇぜ？」
騎士団長「お、お前はっ！？」
フェンリル（？？？）「負け犬を乗るんだったら、せめて俺レベルになってから言うんだなぁ……ッ！！！」
騎士団長「……」
フェンリル「……」
騎士団長「あの、どちら様だったかな？」
フェンリル「この知名度のなさ！そしてグレムリン幹部としてドヤ顔で出ていたのに露出狂のねーちゃんにしばかれて消える！」
フェンリル「『世界を喰うオオカミだし、すっごい強いんだろうな』って期待させときながらほぼ名前あるモブ扱い！どうだ！？お前に俺の気持ちが分かるか！？」
騎士団長「もう泣いていいのは分かる。というか泣こう？男でも泣いたっていいと思うんだよ？」
上条「そうだぞ！最近フェンリルっていったらなろ○系で量産されてっから、どれが誰だか判断できない上にモブい名前になっちまってんだからな！」
騎士団長「マスターうるさい。かもしれないけど黙っててくれ」
マーク「RPGで名前つける感覚で思いついたそれっぽい名前をつけてっから、たまーに原義知ってると爆笑するのかとかある！」
騎士団長「君も黙ろうか？負け犬同士で塩をすり込む回なのかな？」
上条「キュアドッグの苦しみがお前に分かるのか！？下手にドヤってた分、活躍が皆無だから指さして笑われるんだぞ！？」
上条「そして再登場の芽なんかないし、そのしょーもないヨダレ霊装なもんだから暇人のSSですらお呼ばれしないんだ！」
騎士団長「君だね。今彼のことを世界で一番深く深く刺しているのは、君だ」
フェンリル「……笑ってくれよ。負け犬度☆3つの俺をよ、笑ってくれよ、なぁ？」
騎士団長「あ、あははは……」
フェンリル「何笑ってんだよテメー！？ぶち殺すぞ！？」
騎士団長「情緒不安定だね。カウンセリングをお勧めしたいかな」
騎士団長「いや、まぁグレムリンの幹部に会うのは初めてだがね。なんだかんだその筋で優秀だったのだろう？なら負け犬だなんてことは」
？？？「――失敬。静かに飲みたいのですがな」
騎士団長「これは失礼をしたご老人。少々はしゃぎすぎ――む？」
？？？「おやおや気づかれましたかな？かの有名な御仁に覚えていただき恐悦に存じますれば」
マーク「知り合い、なんすか？」
騎士団長「あぁ忘れられるか！こいつは私とキャーリサ殿下を煙に巻いた――だろう！？魔人ロキ！」
ロキ（？？？）「左様でございましたな。元グレムリン幹部、そしてまたの名を――」
ロキ「負け犬度☆4、”あれあいつどこ行ったんだっけ？”ロキと……ッ！！！」
騎士団長「古いケータイの充電器みたいに呼び方されているのか！？」
騎士団長「あぁいやいや待ちたまえよ！ご老人は我らイギリス清教一派に大ダメージを与えられた方、敵ながらアッパレであり負け犬とは程遠いのでは？」
ロキ「……まぁ物語には”セオリー”がございましょうなぁ。パターンではありますが、それが決まれば美しい的な」
騎士団長「ふむ？」
ロキ「オティヌス様を凌ぐ狡猾さと深謀遠慮、故に味方からも鬼符（ジョーカー）として怖れられ、故に『ロキ』の名を頂いた私でございますが――」
ロキ「――実は、その正体が別の組織のボスであったり、とか」
騎士団長「確かにそういうのは燃えるな！その展開だったら敵の味方になりやすいし！」
ロキ「しかしながら――全く全然これっぽっちもそういう伏線はなく、ただドヤ顔で出陣して敵の先方を騙くらかしたものの、その後行方不明という有様で」
ロキ「生き残るかチョイ役で出ることすらなく、強キャラ感&裏ボス感たっぷりで出てきたのにも関わらず、それが余計に負け犬度を引き上げてございます……」
騎士団長「あー……うん、えーっと……」
ロキ「しかもキャラがジジイだし大して活躍してないもんだから、そちらのフェンリル殿よりも更にマイナー。名前のあるモブとはわたくしのことでございますな」
騎士団長「それ以上の自虐はやめていただけないかな？私ももらい泣きしそうだから」
ロキ「とはいえお陰様で☆4つ負け犬と自負しております。騎士団長殿は☆1が不服だと仰せですが、それは贅沢というものでしょう。身の程を知りなされ」
騎士団長「私の知っている身の程とは使い方が大分違うようだが……まぁ、理解したよ。三人とも如何ともしがたい苦労をしているのが分かった」
騎士団長「だがしかし、だからといって私について正しい評価とは言えない……この話を聞いてもらおうか」
騎士団長「この間、実家へ帰ったときの話なのだが。まぁ……ご存じの通り親孝行とはとても言いがたく、かといって誉められるような息子でもなく、ただ恥じ入るばかりなのだが」
上条「ナイス☆負け犬」
騎士団長「合いの手が酷すぎないかな？お互いに人間なのだから尊重し合おうよ？」
騎士団長「実家もまたそれなりの家柄であり、私の不始末でともあればなくなる可能性すらあった。それだけのことをしでかした訳だが」
騎士団長「そんな出来の悪い自分であるというのに、父も母も私を詰るような真似はしなかった」
騎士団長「それどころか子供の頃のように自分の好物を作っていてくれたり……まぁ、両親からすれば幾つになっても子供は子供なのだと、少々面映ゆくもあり嬉しくもあり。何とも度し難い感じではあった」
騎士団長「懐かしい料理に舌鼓を打ちながらも、まぁ出る話題といえば将来の話だった。誰かいい娘はいないのか？付き合ってる女性は？と、困るような話だったが」
騎士団長「ともあれ久方ぶりに両親の情を感じ、あれだけのことをしでかした自分がいいものかと自答しながら。懐かしい自分の部屋へ入った」
騎士団長「よく掃除はしてるのだろう。家を出ながらも見覚えのある調度品に思いを馳せていると……テーブル上に、こう、アルバムがあったんだ」
騎士団長「『おや、子供の頃の写真だろうか？母が私を心配するあまり、昔の姿でも見ようと思ったのだろうか？』――そう、思ってアルバムを開けると――」
騎士団長「――そこに入っていたのは、キャーリサ殿下のお見合い写真だった」
上条・マーク・フェンリル・ロキ「……」
騎士団長「一枚だけじゃない！何枚も何枚もただ一人分の写真が詰まったアルバムだった！フルセットのお見合い写真たなんだよ！」
騎士団長「全身に鳥肌を立てながら最後まで見終えると、ページの下にメモが挟んであり、そこには母の字でこう書いてあった」
騎士団長「『――当家のためにも……分かっていますね？』、と……ッ！！！」
マーク・フェンリル・ロキ「ナイス☆負け犬」
上条「――さっ、ここからは俺たちのオゴリですよ！今日は好きなだけモズク酢飲んでってくださいよ！」
騎士団長「ありかどう友よ！モズク酢は好きじゃないからビールをくれると嬉しいな！」
騎士団長「しかし、最初はどうかと思ったけれど中々いい店じゃないか。ここのオーナーは一体どなたが？」
上条「あぁそれはですね、って丁度来ましたね。オーナー！こちら新しい負け犬です！」
騎士団長「その呼び方はどうなんだろう。初めまして、だよね？」
海原（オリジナル）「――噂はいつも聞いています。どうか同じ負け犬同士なかよくやりましょう！」
-終-
（※クリスマス企画のトリに相応しい心温まる内容になりました。ご応募ありがとうございました）
上条「――」 ｺﾞｿｺﾞｿ
インデックス「とうまー、ねー、おやすみなさいしないの？」
上条「あぁ悪い。この作業が終わったら寝るから、電気消してていいぜ」
インデックス「それは別にいいんだけど。何してるのかな？」
上条「拡声器のアンプを改造してた」
インデックス「本当に何やってるんだよ！？今かな！？夜にする必要ある！？」
上条「……なぁインデックス、今日はクリスマス――言ってみればカップルどもが公然とエ×いことをする日だ」
インデックス「違うよ？神の子がこの世におわしたのを祝う日だよ？」
上条「だというのに！俺の手元には快楽○一冊だけ……ッ！」
インデックス「あの、せくはら……できればわたしのみえないところに置いてね」
上条「――と、いう訳で無差別なハッピークリスマス運動をしてこようと思う」
インデックス「てろだよね？それはもうつーほー案件だよね？」
上条「何行ってんだインデックス！俺は般若心経を愛するサークルの活動として街角コーラスするだけだ！」
上条「ただそれがカップルどもの集う繁華街であったり！はたまた浮かれる連中の多いアーケードのど真ん中ってだけで！」
インデックス「営業妨害なんだね。今年もいろいろあってりべんじ商戦になってるんだから、あんまりこう、波風の立つようなことはどうかな……」
上条「それじゃ行って来る！俺たちDTの生き様、見せてるや――」
インデックス「――そいっ！」 ﾒｷｯ
上条「そげぶっ！？」 ﾊﾞﾀｯ
インデックス「……せめて夢ぐらいは幸せなのを見てほしいんだよ。夢ぐらいは」
……
？？？『起きなさい……起きるのですよしょーもないDTよ』
？？？『そうなんだぜ−。夜中にゴソゴソやっているのに、同居人にバレてないと思い込んでるお前だ、お前』
上条「よし俺は違うな！前半部分は条件を満たしているが後半部分は違うからな！」
ネフテュス（？？？）『ツッコんだ時点で負けなのですよDT』
娘々（？？？）『気ぃ遣ってんだよ。分かってやれよDT』
上条「DTDTウルッセェな！HAMADURAのペルソ○のクセしてまた来やがったのかお前ら！」
ネフテュス『ハマーは最近イジってるリアクションが淡泊になったのよ。つまらないわ』
娘々『多分去年の今頃チヤホヤされてた反動なんじゃねー？もう何やってもどこ行っても「あ、煉○さんの人だ」って一発屋芸人扱いだし』
上条「浜面はどうでもいいわ。きっと今頃想像したくもねぇ爛れた状態になってるだろうし」
ネフテュス『そんなDTに神々の叡智を授けましょう――普通に付き合ってるカップルは別に定期的にイチャイチャしているので、クリスマスには拘らない』
上条・娘々「『――マジでっ！！！？』」
ネフテュス『若干一名もとい一柱リアクションがおかしい』
上条「だから帰れよ。浜面に遊んでもらって俺を巻き込むなよ」
ネフテュス『そんなあなたに朗報がある――異世界転生、してみたくはない？』
娘々『戦け愚民よ。汝の上には幸福があるが、それが儚いものであると知るがいいんだぜ？』
上条「これが……悪魔の囁きか！いくら流行りだっていっても俺にだってプライドがある！そう易々とお前らの思惑になんか乗ると思うなよ！？」
上条「俺は誰にも屈しない！精々DOGEZAしてクツを舐めるぐらいが精一杯だ！なんだったら人間イスになったっていいぜ！」
娘々『卑屈すきじゃね？』
ネフテュス『待って。ここはどのぐらいまでレートを落としてくるのか確かめるべき』
上条「おっぱ×を無理矢理マッサージさせるだなんて卑怯な！」
娘々『催眠ものＡ×の導入部みたいになってきたぞ。目的変ってんじゃねぇか』
ネフテュス『ハマーと比べて修羅場を潜ってる分、こういう時も果敢にボケるのよ』
上条「じゃああとチートもください。なんか神様に愛されて変形合体ロボ的なアレとか」
娘々『葛藤はどーした？下手な条件じゃ行かないんじゃなかったんかコラ？あ、お、あぁ？』
ネフテュス『よくある技術発展だけれど、主人公が死んだらよりレベルの高い殺戮が起きるとか考えないのよね。素敵だわ』
上条「じゃあ代価は快楽○ってことで」
娘々『安くね？神様なんだと思ってんだよテメー？』
ネフテュス『まぁいいでしょう。では目を瞑りなさい、次に目覚ましたときは異世界にいるのです……』
上条「あぁ……俺にもやっと幸運が！あっち行ったらはっちゃけるんだ……！」
娘々『なおその様子はこっちの親兄弟から友人知人に生中継されるんだぜ』
上条「何その罰ゲーム！？縛りが多すぎて何にも出来ないよ！？」
……
上条「……うーん――ハッ！？ここが異世界か！やったぜ！俺TUEEEEEEEEEEEEEEEE伝説がここから始まる！」
上条「待ってろ！世界を救って女の子侍らせて『さすかみ』とは言われる、ん、だ……？」
上条「それ、前と大して変って……？あれ？あんま変って……なくないか……？」
上条「まぁいいや！細かいことはさておき冒険だ！まずは街に行って情報を！――お？」 ｶﾞｻｶﾞｻｯ
上条「なんか臭いな……？ウインナーの匂いがするような？」
オーク「……」
上条「助けて神様！？第一異世界人がオークってどうかと思うぜ！？」
オーク「ブヒ？」
上条「あぁごめん大声上げて！いや、こ、これは威嚇とかじゃなくって！つーか助けに来ねぇな！えっと、どうすりゃ……」
オーク「ブヒ、ブヒブヒ？」
上条「いきなり襲ってきたりはしないから、食材扱いはされてねぇか……あー、『オレ』、分かる？『オレ』？お前が『オマエ』」
オーク「オレ、オ、オマエ？」
上条「そうそう！そして『オレ、オマエ、トモダチ』！」
オーク「いや初対面で友達とか言われても、その困るっていうか」
上条「喋れんじゃねぇか流暢に！？しかもやや外見に反してナイーブか！」
オーク「外見で判断するのは差別ブヒよ！ブヒはこう見てもオークの紳士として知られているブヒ！」
上条「あぁそりゃ悪かった
オーク「好きなものは黒エルフのロ×ブヒ」
上条「紳士は紳士でもHENTAIの方だな？俺の謝罪を返してくんねぇか？」
オーク「結構同族間では意見が分かるブヒ。正統派オークはエルフは貧乳のみを是とする一派で、ブヒ達の黒エルフは巨乳をも含むので異端とされているブヒ」
上条「あれオークって俺らのことなのか？微妙に納得できる部分があったりなかったり……」
オーク「同人エロ×ーでスタートさせたらまず最初に確かめるのが銭湯とスラムと売春宿があるかないかブヒ……！」
上条「世界観どうなってんの？それとも目の前の豚足マンは浜面辺りが転生しちまった成れの果てなの？」
オーク「それでお前はそんなところで何やってるブヒ？街道沿いからは少し離れてるブヒよ？」
上条「俺はまだオークっていうお前の主張を受けいれられないでいるが……あーまぁなんていったらいいのかな」
オーク「もしかして――異世界人ブヒか？」
上条「……そう、だけど。なんかマズいのか？」
オーク「いやマズってことはないブヒよ。ただあんまり人には言わない方がいいブヒ」
上条「なに？狩られんの？」
オーク「頭オカシイと思われるブヒ。『うわぁコイツいい歳してキッツいわー』みたいな？」
上条「よーし段々掴めてきたぞ世界観！異世界は異世界でもガッカリ系選びやがったなクソ神ども！どっかで『カンピオー○！』の世界に寄って帰るから首洗って待っとけや！」
オーク「まぁそうイライラするなブヒ！決まったんだから残りの生を楽しむといいブヒ！」 ｶﾞｼｯ
上条「肩組むなよ。何かこうアルトバイエル○の匂いがすんだよ」
オーク「てかお前を送り込んだ神様はいい仕事してるブヒよ。タイミング的には丁度ブヒ」
上条「タイミング？なんかイベントでもあんのか？」
オーク「そうブヒ！ミミガーを澄ますブヒ！」
上条「その言い回しは俺の世界ではしなかった。何かお前自分で食材に寄せに行ってんの？オークギャグなの？」
……ﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯ……
上条「パカラ音？馬か……馬車か！ 」
オーク「だけじゃないブヒ。よーく見るブヒよ」
御者A『――くっ賊が！このままでは追い付かれて！』
賊A『ウェーイ！金と女と命を置いてけウェーイ！』
ヒロインA『まさか！？A公爵の追っ手がここまで！？』
上条「大変だ助けないと！」
オーク「まぁ待つブヒ。ここは見極めが必要ブヒ」
上条「なんでだよ！追われて――ん？またパカラ音がすんな？賊の追っ手か？」 ﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯ
賊B『ウェーイ！お姫様の命もここまで（以下略
騎士B『姫！ここは私が時間を稼ぎますので！』
ヒロインB『ダメです！あなたの命と私の命、どちらが大切なのかは自明の理でしょう！？』
上条「ちょっと待てや！？タイミング悪ぃよ！追っ手にしてももう少し我慢しろよ！前の人やってんだからさ！ハケるまでは持ち堪えろよ！？」
オーク「――その、後ろを見るブヒ！」 ﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯ
上条「今度こそ騎士だろ。警備隊かなんかだよ」
商人C『ま、マズいですよ！？このままだと追い付かれてしまいます！』
ヒロインC『わ、わたしが何とかします！わたしの秘められた力が覚醒すればきっと……！』
賊C『ウェーイ（以下略
上条「大惨事だよ。見ろよ！馬車三台併走してモブの賊たちも一列になって追いかけてっから、なんかもう一つの盗賊団に追われてるみたいな感じになっちまってるだろ！？」
上条「もうなんか助け合えばなんとかなりそうだよ！？だって問題は足手まとい連れてっからで、一パーティは守備に徹して騎士と兵士で殲滅すりゃなんとかなるわ！」
オーク「頑張るブヒ人間！ここでフラグを立てればファーストヒロインと合流するブヒ！」
上条「この街道治安悪すぎじゃね？白昼堂々荷馬車が三台も襲われるんだから、それに適した人員を配置しないと物流死んで次の街が滅ぶだろ？」
オーク「早く助けるブヒ。早くしないと四台目五台目が出現するブヒよ？」
上条「ランダムエンカウントよりタチ悪ぃよ！？どうせだったら10台ぐらい並べて記念撮影してぇな！」
上条「てかお前が助けたら？人間なんかどうだっていいのかも知んないけど」
オーク「あー……ブヒはちょっとあれブヒ。まぁブヒの用事もそれなんブヒが」
上条「あとお前の一人称と語尾が”ブヒ”ってどっちかにしたら？あんまキャラ性を前面に出されても、その、なんだ」
オーク「じゃあまぁご指名があったから行くブヒが――『待てブヒ！そんな狼藉はブヒが許さないブヒよ！』」
上条「おぉ！やればできんじゃねぇか！見た感じ完璧に悪役だけども！」
御者A『死ねオーク！』 ﾌﾞﾝｯ
賊A『死ねオーク！』 ﾋｭﾝｯ
ヒロインA『死ねオーク！』 ｶﾞﾗｰﾝｯ
オーク「……」
上条「……いやなんかゴメン。同じ人類として謝っておくわ」
オーク「――と、アホな人類が投げて寄越した矢や槍や短剣を拾いに来たブヒ。これが結構いい稼ぎになるブヒ」
上条「外見通り逞しいよね。まぁ俺はいいんだけど――じゃ、なんかスッゴイチートパーーーーーーーーーーーーンチッ！」 ｽﾞｫﾝｯ
賊A・B・C『ぎゃー』
上条「大丈夫でしたか？」
御者A『危ないところを助け下さいましてありがとうございました。うっ！？矢が当たってこれ以上は進めない！』
騎士B『あなたは我が国の恩人です！うっ！？今の戦闘で古傷が！』
商人C『ありがとう旅の方！うっ！？靴紐が！』
上条「全員がババ押しつけに来やがったな！そして最後のヤツ別に結べばいけるだろ。商人だし、クッソ面倒な事故物件押しつけたい気持ちは分かるが」
オーク「まぁまぁそれはいいっこなしブヒ。パーティメンバーが5人になったと思えばいいブヒよ、数はパワーブヒ」
上条「まぁ、それは確かにな。お前がしれっとパーティに入ってるのが今日一番の驚きだけど、仲間が増えるのは良い事だよな」
上条「てかお前はファイターとして、他の子達の職業ってなんだ？」
ヒロインA「バードです」
ヒロインB「吟遊詩人です」
ヒロインC「歌姫です」
上条「バランスわっるっ！？まぁそういうの多いけど！大抵身分隠した姫さまって地に足が付いてないからフワっとした職業に偏るけど！」
上条「てかちょっと楽しくなってきたな！俺が敵とエンカウントしたら誰も助けてくれず、後ろで三人が歌い始めんの想像するに！」
オーク「阿佐○谷三姉妹ブヒな」
上条「なんで知ってんだよ？つーかお前ちょいちょいメタってくってけど、やっぱ中身浜面入ってねぇか？なぁ！？」
オーク「――さ、ブヒ達の異世界冒険はまだ始まったばかりブヒね！」
上条「……俺、やっぱ元の世界ぐらいで丁度いいわ。神のような複線の上に成り立った複雑な世界が、やっぱ合う、かな」
上条「つーかお前なんか妙にキャラ立ってっけどなんなの？エ×要因風情がなんで仕切ってんの？」
オーク「前にボツった企画書の中にブヒは存在したブヒ。恐らく二度と日の目を見ないブヒ」
上条「封印しとけや！こんな面白オークどこに出ても世界観壊すわ！」
-終-
（※異世界転生大好きですが、これは決してB級映画が好きだからとかそういう訳では決して。ご応募ありがとうございました）
――スタジオ
佐天「『レッディィィィィィィィィィィィィィィスッエンッジェントルマッ！ご来場の皆さんようこそいらっしゃいました！』」
上条「俺しかいねぇよ。もっと言えばスッゲー狭い会議室だここ、公民館？って感じの」
佐天「『今回の主役の上条さんではないですか！本日の意気込みをお願いします！』」
上条「第一報を聞いたときには『マジックミラ×号かな？』って思いました。あと期待値を上げすぎると後が怖いので、なるべくテンションを上げない方向で」
佐天「『お、謙虚ですなー！もっとこう男子高校生らしいリアクションとかないんですか？』」
上条「……海外のさ？フリーハグをやってる人の動画って見たことある？」
佐天「『一応参考資料として』」
上条「やってんのがイケメンだから成立するんであって、フツメン代表の俺が期待しちゃいけないんだよ！」
佐天「『そういう文化じゃないんですか？”まぁハグぐらいだったら挨拶かな？”みたいな？』」
上条「違う！『エ×い意味でハグしてんじゃねぇよ！』みたいに言うヤツも居るが、少なくとも大勢がエ×判定してなきゃ動画がバズる訳ねぇよ！」
佐天「『その理屈だとピコ太○さんもエ×裁判で有罪になりそうですよね』」
上条「あいつは一回流行った後、中の人が何やっても何言ってもスベってる感がするんだよ！どこ行きたいのかロードマップを示せっていうか！」
佐天「『一番知りたいのはご本人だと思います――さて！では早速目隠しの方をどうぞ！』」
上条「大丈夫だよね？実は母さんとか混ざってないよね？」 ｷﾞｭｯ
佐天「『えー、それでは準備をしている最中に本日のルールを説明致します。つってもまぁただ目隠ししてハグするだけですけど基本的には」
上条「嬉し――くはないな！ただの親愛表現だから！ほら、海外にもそこそこ行く俺には慣れっこっていうかな！」
佐天「『あ、じゃあ今からでも企画変えます？集まって下さった方から一回ずつ殴ってもらう方向で？』」
上条「佐天さん君とカラむのは久々だけど、そろそろ付き合う相手考えた方がいいよ？女子校でクロー○並の抗争してる人とかさ？」
佐天「『――ですがそれだけは物足りないでしょうから、お一人につき一回まで答え合わせの権利を持ちます！』」
上条「おぉ！女子には悪いが俺は嬉しいぜ！エ×的な意味ではなく純粋な知的好奇心でな！」
佐天「『好感度を落としたくなかったらそれ以上コメントを控えた方がいいと思います。んでは準備はオーケー！？』」
上条「よしかかって来い！俺は誰の挑戦でも受けるぜ……ッ！」
？？？『……』 ｸﾞｯ
上条「おぉ……？圧倒的な存在感、そして割れに割れまくったエイトパック！」
上条「そして胸っつーかこれもう鎧だってぐらいの筋肉！そして何となくするマズいメシの匂い……！」
佐天「『さぁ、回答はっ！？』」
上条「みんな大好きイギリスが生んだ面白人間！テメーいい加減に逃げ回んのやめろやいい歳なんだから――アックア！」
アックア（？？？）「正確なのであるな」
上条「離れろよ！？まぁ何となく男が出てくるのは予想できてたけど初手からこれか！？なぁぁっ！？」
佐天「『ご感想は？』」
上条「ヴィリアンさん（仮名）があの逞しい腕に毎晩毎晩抱かれているかと思うと複雑な気分になる」
アックア「やめるのである。折角呼ばれたから来たのに、被害を撒き散らすような真似は」
アックア「また王族の手前こう、あまり吹聴するような真似はしたくないのであるが、神は男女ともに貞節を推奨しておられてだな」
上条「へへ――兄、さん……？あなたもまさか俺の兄さんなんだね……ッ！？」
アックア「DT繋がりであって血縁関係は、ない」
佐天「『そしてその属性で探していったら、そこそこデカい国家並の人数が集まると思います』」
上条「えぇい次持って来い次！なんかこう口直し的な意味で！」
佐天「『えーと、ここで上条さんに良いお知らせがあります！男子は今で最後です！』」
上条「普通はそうじゃね？俺が男子とハグして喜ぶとでも思ってんの？」
佐天「『グローバルな視点から鑑みて、まぁ入れとけよ？的なノリで？』」
上条「最近分かったんだ。俺を不幸にしているのはこの世界じゃなく、（公式と運営の）人間の悪意だってな！」
佐天「『はーい、では目隠ししてくださーい。しないと強制的にしますよー？』」
上条「このゴミのような扱いがな……！はいしたよ！ギュッて縛ったよ！」
佐天「『ではそのままで”右手”は決して前に出さないようにお願いします。あと動いたら危ないので』」
上条「危ない？おい待て運営テメーら何考えて――げふっ！？」 ﾎﾞｽｯ
上条「な、なんだ今の！？何かに轢かれかかったぞ俺が！？」
？？？『……』
佐天「『えっと通訳しますと”乙女心が暴走した”そうです』」
上条「通訳……？なに？何があったの？何かこう質量のあるペットボトルのようなもんで殴られた……？」
佐天「『はいではもう一度ハグしたいそうでーす。上条さんは左手だけですよー』」
上条「なんかもう『箱の中身はなんだろな？』ゲームになってんだが……あ、来た。なんぞこれ？」 ﾎﾞｽｯ
上条「冷た……くはない。一肌？そしてなんかこう、丸い？筒……？」
佐天「『えーと、手元にある資料ですとスリーサイズが上から120・120・120だそうですよ？』」
上条「わーいワガママなボディだね！――って違うわ！？ほぼ形状ドラム缶だろそれ！？」
上条「つーかお前マリアンの世話してる面白人間じゃねぇか！？ミョルニルだっけ？」
ミョル子【いえーす、ざっらいっ】
上条「いや、女子かもしんねぇけども！本人的にはか弱い乙女かもしんねぇけどさ！？」
佐天「『えー、注文多ーい』」
ミョル子【DTなのにね】
上条「情緒がねぇさ！むしろ逆にミョル子に聞きたいが、これで『やだ……逞しい』とかいう男がいる方が引くだろ！？」
ミョル子【あっ、そういうのいいです。ク○カード目当てで来ただけですんで】
上条「……なぁ、金銭って発生していいのか？俺にハグさせるってそうでもしないと人集まらないのか？」
佐天「『えぇまぁそこはそれ事情がありまして。希望者を優先すると上条さんが後から闇討ちに遭いかねないという』」
上条「いいよ別になっても！矢でも青ピでも持って来いや！あぁいや本当に来やがったらハグしたまま背骨折っかっんな！」」
佐天「『ですがまぁ運営頑張りました！所々の反対を押し切って”レ”のつくあの方を召喚してあります！」
上条「”レ”……？あぁ！地元の中学で『外見はいいけど中身はノーサンキューの女』で二年連続一位に輝いたレッサーさんか！」
佐天「『その評価のされ方に悪意を感じます。女子もまぁそんな感じですけど』」
上条「レッサーなら……まぁいいや！性格はともかくアレがアレだからな！性格はともかく！」 ｷﾞｭｯ
佐天「『何かもう男子の業を見せつけられていますが、では気を取り直して”レ”で始まる方！上条さんへハグをどーぞっ！』」
？？？『……』 ｷﾞｭｯ
上条「ん……んー……？うー……ん？」
佐天「『なんなんですかその超中途半端なリアクション。あんま嬉しそうな感じじゃないですよね』」
上条「あぁいやハグされるだなんて滅多にねぇし嬉しいは嬉しいんだ？その、日常生活であんまベタベタすることってないだろ？」
佐天「『彼氏彼女さんだったらしません？』」
上条「いねぇからだよ！殆どの人間が寂しんぼうだからな！」
佐天「『でも女子は結構くっつきますけどね。手かとか腕組んだりしますよ』」
上条「その話を詳しく！」
佐天「『違う。主旨違う』」
上条「あぁそうそう！だから俺もなんだかんだいって嬉しいんだ！ただちょっとこれ……レッサーじゃなくね？」
上条「熱量っていうか、頭がある辺りの気配？もなんか一回りぐらい小さいし。何よりもこう、おっぱ×がな！」
佐天「『ぶっちゃけましたね、まぁそういう企画なんですが。あとレッサーさんってどなたです？』」
上条「イギリスが生んだ国際問題の専門家で、引き起こす方――って待て待て。いや君今さっき”レ”って言ってたよね？」
佐天「『言いましたけどね。”レ”で始まる人だとは』」
上条「つまりこいつは”レ”で始まるレッサーではない人――」
上条「――あぁレディリーか！いたなそういやレで始まる人！」
レディリー（？？？）「若い子っていいわね？若さが戻ってくるようよ」
上条「すいません離れて下さい。その、えっと言いにくいんですけど、後ろか前かの判断基準ですら難しい体型の方はノーサンキューっていうか」
レディリー「そう？ファンは多いのだけれどね」
上条「前のオークとかな！まぁ異世界転生しなくてもオークっぽい人はたまーにいるし、ここは地獄か！」
佐天「『えーと、ここで運営から声明が入りましたのでご報告しまーす』」
佐天「『当初の案ではバードウェイさんや打ち止めさんなどを次々と投入、上条さんをしょんぼりさせるつもりだったそうです』」」
上条「ほーらやっぱり俺に厳しい世界だぜ！」
佐天「『が、ご時世的にぶっちゃけ年齢がセーフな人を厳選しました。安心してください』」
上条「アウトだよ？普通にダメだよ？『不老不死だからロ×じゃないもん！』つっても法は許してくれないからな？」
レディリー「でも好きなんでしょう？」
上条「そういう人たちが居るのを否定はしないし一定の需要があるのも事実だが、断じて俺は違う！ただちょっと年上の管理人さんに憧れるノーマルな男子高校生だ！」
レディリー「二昔前はそうかも知れないけど、今は『ちょっと濃いめの癖（へき）ですね』って言われる時代よね」
上条「くっ……！いつのまにかロ×が攻略対称に含まれてると思ったが、時代は変っちまったのか……！？」
佐天「『ただただ無駄に多様性になっているだけですよね、それ。エントロピーが増大しすぎて全てが自滅へまっしぐらっていう』」
上条「とにかくロ×は帰れ帰れ！ここはお前の住む世界ではない！」
佐天「『じゃあどこに住むんですか。HENTAIの集うロ×コニアとかですかね』」
レディリー「じゃあね、そこそこ楽しかったわ」
上条「改善を要求します！基本ギャグなのはどうかと思いまーす！もっとこうゲスい意味でなんかこう、あるだろっ！？」
佐天「『またドストレートにゲス発言が来ましたね。てか最近何やってんでしょうか、ゲスい乙女の方――あ、連絡来ました。次は大丈夫だそうです』」
上条「本当に？ダメだったら暴れるからな！具体的には、えっと……トイレに籠城してやる！」
佐天「『腹に来るんで止めてください。あぁ残り二人ですので騙し騙しするそうです』」
上条「それで騙されるようだったら俺も大概だよね？幼児だとでも思われてんのかな」
佐天「『運営から指示が入っています。ちょっと土下座してくれせんか？』」
上条「”ちょっと”？上条家のお家芸をちょっと感覚で披露するの？」
佐天「『お家芸ってとこにも興味ありますけど、ではなく身長がちょっと足りない感じですので。合わせませんと』」
上条「怖いな次のヤツ！？俺がDOGEZAして届くのってオティヌスかスフィンクスかルン○ぐらいしか心当たりないですけど！？」
佐天「『――はい、という訳でいよいよ最後の一人になりましたね！』」
上条「ねぇなんで残機が減ったの？もしかしなくてもオティヌスさん来てた？『サイズ以外は完璧な女性ですよ！』ってオチ用意してたんですかコノヤロー？」
佐天「『今頃泣いてるんじゃないですかね。そんなことよりも最後なのでちゃっちゃとどうぞ！目隠しプリーズ！』」
上条「もういいわヤケだよ！最期だしどんなイロモノが飛んでくっか楽しみだな！絶対にまともな人は来ないだろうしさ！……あ？」 ｸﾞｯ
上条「あぁもうなんかチクチクするよ！腹になんかトゲっぽいのかあるし！明らかにフォルムが人類枠じゃねぇな！誰だよコイツ！？」
上条「てかなんか生臭い……？スイカ？年の瀬も迫った今、なんでスイカ？」
垣根（虫）『――それは私の外骨格です！』
上条「だと思ったよチクショー！？『わたしのおいな×さんだ！』みたいなテンションで言いやがって虫が！」
上条「てか最期の最期で夢に出そうな絵面じゃねぇか！等身大のカブトムシにハグされてんのって、遠目に見たら『捕食？』だよ！映えるわ！」
垣根（虫）『折角”男でも女でもない”ってオーダーを受けましたのに……』
上条「マジプシ○か。今やったらちょっと社会問題になりそうなアレか。てかお前、男じゃないの？」
垣根（虫）『アイドルと同じ扱いですね』
上条「やかましいわ甲虫類！実はテントンムシやホタルと一緒の分類のくせに！」
垣根（虫）『なんてことを言うんですか！？カブトムシは虫の王者と言っても過言じゃないのに！』
上条「まず人類になってから出直してこい！あとお前親御さんになんていうつもりなんだよ！？超美白になりやがって！」
佐天「『あ、どもお疲れさまでした。上条さんが荒んでいるので以上で企画を終わりたいと思いまーす。ありあっしたー』」
上条「どうせ……！どうせこんなオチだと思ってたよ！まともにハグしたのってレディリーだけだし！しかも背中！」
佐天「『前面でしたよ？まぁ凹凸に欠けるフォルムではありましたけど』」
上条「何がクリスマス企画だ！――そうだ！街角で般若心経を唱えるテロを」
佐天「『――えいっ！』」 ｷﾞｭｯ
上条「うぼぉぉっ！？」
佐天「『いちにーさんしーごーろくしちはちきゅーじゅーっ！ハイ終わり！ハグ止め！』」 ﾊﾞｯ
佐天「『はい、これでいいでしょ？JCからハグされたんだからもうウジウジしない！しゃんとしなさい！』」
上条「――い」
佐天「『はい？』」
上条「い、今の感触だとまた君着けてねぇだろ！？」
佐天「『反応するとこソコですかコノヤロー』」
上条「俺は良心的だよ！？心ないヤツは別の所に反応するんであって！」
佐天「『てかこの企画、最初から最後までシモ一本でしたよね。性質上しゃーなしですが』」
-終-
（※個人的には垣根(虫)さんのハグが一番価値があると思います、需要は別にして。ご応募ありがとうございました）
――『必要悪の教会』 ステイルの私室 夜
ステイル「ふー……今日も疲れたね。あぁ、疲れたよ」
ステイル「ハッピーなんとか団inロンドン支部とか言うアホどもを殲滅したのはいいんだけれど。というか土御門のアホもチラチラ見えていた気がするけど」
ステイル「しかし無煙タバコは悪くない……副流煙がほぼないのはいいんだが、今一こう吸ってる感が足りない」
ステイル「ピー○の両切りのノドに張りつくような不快感に比べれば、かな……はい？開いているよ」 ｺﾝｺﾝ
ローラ『……あのー、ローラなりしけど』
ステイル「すいません本日の営業は終わりました」
ローラ『開いてるって言ったばかりなのに！？最高責任者へ対してその扱い！？』
ステイル「……」 ｶﾞﾁｬﾝｯ
ローラ『ねぇ鍵閉めた？一番偉い人へ対してそれはどうかと思うたりけるのよ？流石にな？』
ステイル「……どうか、しましたか？」
ローラ『いや、なぁ？その何かあったちゅーか、なかったかっちゅーと、まぁまぁまぁまぁ？』
ステイル「どうした妖怪。挙動不審になってんぞ」
ローラ『お前の数々の暴言は後日ケリをつけるとして、その、なんだ？言いたいことが、あるんじゃないかなーと思うて』
ステイル「いいんですか？言っても？」
ローラ『ま、まぁ？』
ステイル「あの子を解放しろクソババア、そして死ね。あと死ね。さっさと死ね」
ローラ『予想してたのと違う！？死ねって三回も言われた！？』
ステイル「嘘偽りなく僕の本音ですけど。というかさっきから一体どうしたんです？話が見えません」
ローラ『……入っても？』
ステイル「まぁどうぞ」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「お、お邪魔しまーす」 ｶﾞﾁｬｯ
ステイル「何やってんだ痴女」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「そ、そのな？年頃なのは分かりたるのよ？タッパ大きいとはいえまだまだ子供、肉感的かつ芸術的な上司へエ×い欲望も抱くのも必然なのよ！」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「ロ×ペ×から脱却してノーマルの道へ戻るのも歓迎したりわ！なんだったから神裂カマして嫁にもらってほしい！『必要悪の教会』的には！」
ステイル「つまり？」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「こんな衣装をプレゼントされても、精々着て見せることだけしかできない――」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「――だって私はみんなの『最大教主』なのだから……ッ！！！」
ステイル「『――もしもし警備班ですか？えぇステイルですが、部屋に野生の痴女が現れまして』」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「塩対応を通り越したなんて現実的な対応！？いやまぁ歳考えればそうだけれど！」
ステイル「というか、脱げ」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「で、でもぉ……私には心に決めたツンツン頭がぁ……」
ステイル「全裸なれとは言ってない。そうじゃなくてどっかで着替えてこい、僕との関係性を疑わせるだけで不愉快だ」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「くっ！こんな小悪魔的な異性を前にしてその反応！やっぱりロ×ペ×なりたるか！」
ステイル「上司が夜中に性的な格好して現れたときのテンプレートだよ」
ローラ（※エロバニーサンタコス）「悪魔なのに小悪魔的な、的な……ッ！！！」
ステイル「余裕あるな！てか時系列メッチャクチャだな！今更だけどさ！」
……
ステイル「――で、一体何があったんです？」
ローラ「いやぁ、それがな？一仕事して寝室へ戻りたるのよ、こう『ハッピーなんとか団ｉｎロンドン支部とかいうアホどもを殲滅するのに手間がかかったわー』と」
ステイル「あのアホどもはあなたの手にも余るんですね」
ローラ「よし！こんなときにはクリスマスに用意した『えっちなサンタさんコス』を見て癒されよう！と」
ステイル「待て、なんでそうなった？」
ローラ「癒されそうっていうか、正確にはイヤらしいことをされるだろうって妄想を」
ステイル「生々しいこと言わないでくれるかな？僕が女性不信になりかかってるのもゴリ聖人とあなたのせいですからね？」
ローラ「いつも閉ってあるクローゼットを開けたら、なんとそこにはエロバニーサンタコスが置かれてあらざりしな……！」
ステイル「”在る”の否定形になってますよ？つまりないってことに」
ステイル「……え、なんですか？それじゃさっきの風俗服は？」
ローラ「私が用意したのはエロサンタであってエロバニーサンタではなかりたりし！バニー成分は一体どこから……『あぁ！我が部下が劣情を！』と」
ステイル「消去法でいったら、まぁ分からなくもないですが、その前に『なんでバニー？』って疑えよ」
ローラ「……確かにそうよな！お前だったらばベーシックなシスター服一択なのよ……！」
ステイル「ぶち殺すぞ？……確かに事情は分かりました。それは問題ですね」
ローラ「そうなりし……今晩、泊めてくれる？」
ステイル「なんぼでもあるだろ部屋。お前がそこそこの頻度で粛正してっから余ってるよ部屋が」
ローラ「決して！そう決して少年を汚したりける欲望はそんなにはもたざりことなりしなことけるよ！」
ステイル「――じゃ『最大教主』の部屋へ行きましょうか。犯人の残した手がかりがあるかもしれない」
ローラ「スルー！？せめてアホ日本語にツッコんでほしかったりするわ！」
……
ローラ「そんな訳で我が部屋と来たりけるのだった……！」
ステイル「誰に言ってるんだい……つーか私室、暫くぶりに入りましたけど相変わらず頭悪そうなドピンクですね}
ローラ「趣味なんだから良かりしよ、この違法ヘビースモーカーめ！」
ステイル「年齢の壁もそうだけど、最近は国によって一括禁止とかありますしね。そのくせ大麻は合法だとか、狂ってる」
ローラ「ドラッグはマフィアのシノギなりしな。『卑怯者は安全なときだけ居丈高になる』byゲーテ」
ステイル「見た感じは……荒されたりはしていませんよね。他に何か盗まれたりとかは？」
ローラ「分からぬのよ。部屋へ戻ってエロコスを眺めようとしたら異変に気づいて、そのまま着替えたりし」
ステイル「サービス精神強すぎて迷惑です。まぁ爆弾とかだったら既に起動しているでしょうし……あぁ、犯人に心当たりは？」
ローラ「私に懸想している相手で言えば、まぁ人類の約半数？」
ステイル「あなたを殺したくて殺したくて殺したくて殺したいと常々思っている人間に心当たりは？」
ローラ「言い直した！？あぁ気を遣っていたりするの！？」
ステイル「僕の知っている範囲でしたら、『必要悪の教会』ほぼ全員と僕。あとローマ正教と僕、勿論ロシア成教と僕、他には学園都市にアレイスターと僕ぐらいですかね」
ローラ「気を遣って！？そして犯人の条件を満たす人間が私の前に一人いたるな！」
ステイル「逆に犯人じゃないのが……あーっと、シスター・オルソラと学園都市のアホぐらいですか」
ローラ「ありがとうシスター・オルソラ！……でも学園都市の少年は対象内ではないの？」
ステイル「あのアホにそんな甲斐性ない。精々ラッキースケベで押し倒すぐらいだ」
ローラ「それはそれで輿入れ前の乙女には不安なりしが……おや？」
ステイル「じゃあ僕はお役に立てないようですので帰りますね。おやすみなさい」
ローラ「『おや？』って言ったのに！？明らかに見なかったフリをしたるの！？」
ステイル「見たけど見たくはなかったんですよ！なんですかあのテーブルの上に置かれたプレゼント箱！私物じゃないんですか！？」
ローラ「あまりにもあからさま過ぎて見ないようにしたりしよ！だって怖いから！」
ステイル「……先に行っておきますけど、あれ僕に対する贈り物とかじゃないんですよね？サプライズ的な渡し方でゴネてるとかじゃ？」
ローラ「もしそうだったら場所変えたるわ！今だって、その……未婚の女子の部屋に殿方がいたりけるのは、良くなきことなのよ！？」
ステイル「はいはい」
ローラ「『はいはい』！？私を誰だと心得たるの！？」
（※「男性と二人きりになるのはダメ」が19世紀末までは常識。そして今も立場によっては同じ）
ステイル「あぁじゃ僕が開けますから一応離れていて下さい。精々ネコとかカラスの死骸でしょうし」
ローラ「ぎゃ、逆にステイルのサプラーイズ的な案件ではなかりたるの？普段からお世話になっとるエ×可愛い上司へ対する、とか？」
ステイル「すいません。僕の上司にそんな人いないんで」 ﾋﾞﾘﾋﾞﾘｯ
ローラ「さっきりから暴言がキツすぎない？そろそろ教育間違えたかなー、なんて振り返りたるのよ？」
ステイル「開けましたけど……なんだろう、これ？鉄の棒？折りたたみ傘の芯、ですかね？」
ローラ「こ、これは……！？特殊警棒なのよ！？」
ステイル「警棒……あぁ、これを振るとしゅっと伸びるんですね。警察官が持っているようなの」
ローラ「しかしチンピラが持っているようなこれが、どうしてプレゼントボックスに入っ――ハッ！？」
ステイル「何か？」
ローラ「……はっはーん？段々と読めてきたりしよ、我がピンク色の脳細胞がズババっとヒットするものが！」
ステイル「はい、お疲れさまでしたー。よい休日を−」
ローラ「態度悪くない？次の査定は覚えておきしな？」
ステイル「ぶっちゃけ疲れてるんで自己解決してほしいです。それで何が思いついたんですか？」
ローラ「思うたれば色々と不思議なことがあったが……しかし全ては一本の線で繋がっていたりしな！」
ステイル「とは？」
ローラ「ふっふっふっふ……奇しくも今日はクリスマス・イブ！ここまで言うたら、なぁ？もう答えを言っているようなものよ、なぁ？」
ステイル「絡み方が超うぜえ。それでつまり？」
ローラ「鈍し男よな。ほら、”サン”で始まって”タ”で終わるアレなりしよ」
ステイル「『サンティ○・クアランタ 』？」
ローラ「元アメリカ代表サッカー選手！？よく見つけてきたりしなそれ！？」
ローラ「そうではなくあの老人なのよ！クリスマスの夜にプレゼントと称して贈り物を子供の寝顔を堪能しつつ置いていくアレ！」
ステイル「……まさかとは思いますが、サンタ、ですか？」
ローラ「私が不在時には悪意を持つ人間は入れないように術式を組んであるのよ！だとすればサンタさんぐらいしか！」
ステイル「ババ×ー、あなた疲れているんですよ。サンタなんかいる訳ないだろ」
ローラ「えっ？」
ステイル「えっ？」
ローラ・ステイル「……」
ローラ「さ、サンタさん……？」
ステイル「――っていう話が一般的ですが！僕が聞いた限りでは最近は少子高齢化で少なくなっているだけらしいですね！僕が聞いた限りですけど！」
ローラ「そ、そうよなぁ？サンタさん……あぁビックリしたるけるのよ。よもや、なぁ」
ステイル「知りたくもない事実を知ってしまった……！てかあんた自分がイイコのつもりだったのか！？」
ローラ「え？存在的には遊びの部分も限りなく無かりしし、職務に忠実という意味ではこれ以上なく？」
ステイル「……優秀は優秀なんですよね。根本的に狂っている部分を除けば、ですが」
ローラ「しかいしその様子だとステイルの所には――あ、そうそう！ステイルはサンタさんになにをお願いしたるの？」
ステイル「僕は、特に何も。一身上の都合であまり神にも祈ってもいません」
ローラ「おぉ、それはよくなきことなのよ！たまには、ほれ、言うてみたりするのもまたよかろうて！もしかしたらサンタさんが聞いてるかもしれんし！」
ステイル「何を言っても？」
ローラ「あ、あんまり高いものは無理なりしよ？ZOZ○沢が税関でボッシュートされた1億の時計とか言われても、『ざまぁwwww』なのよ？」
ステイル「アホは怖いなって思うよね、あれ。しかしそうですね、ほしいもの、あー……そうだ、一つありました」
ローラ「んむ！言ってみるがいい！」
ステイル「上司の首、物理的に」
ローラ「――よーしかかってくるがよいわサンタさん！誰が相手でも戦ってやりたるわ！積年の恨みを込めてね！」
ステイル「戦うのか。そして恨みってなんだ恨みって」
ローラ「だ、だって今年までずっとくれなかったから……」
ステイル「どんだけだよ……しかしこれ、本当に誰が置いたんだ？ババアに悪意が無い人間なんているのか……？」
……
オルソラ「――以上、ご用命の通りにしてきたのでございますよ」
土御門「ありがとうございますにゃー。これでババアも送り主も喜ぶんだにゃー」
オルソラ「いえいえ、どなたかの助けになれば本望でございますれば。ただ、できれば直接お渡しになった方が双方にとってよかったのでは？」
土御門「一身上の都合だにゃ−。誰とは言わないが、恋人いるのに他の女性へプレゼントするのは怒られるかもだしー？」
オルソラ「さようでございますか？私には分からないのでございますけど……」
土御門「まぁそういう愛もあるんだぜぃ。あ、日本へ持っていくのはこの箱だけ？」
オルソラ「はい、イギリス清教シスター並びにローマ正教ロンドン支部シスターの連名で」
土御門「分かったぜぃ。それじゃまた」
オルソラ「はい、佳きクリスマスを」
-終-
（※「あれこれHAMADURA出ない方が面白くね？」で他意はありません。ご応募ありがとうございました）
――『明け色の陽射し』
パードウェイ「――『明け色の陽射し』と『新たなる光』ってカブってないか？」
レッサー「またエラいこと言い出しやがりましたねこのロ×が！」
バードウェイ「同じ”あ”系だし最後が”光”系の単語で終わっているし、うろ覚えで書いたSSとかで『新たなる陽射し』とかって誤記がありそうだよな」
レッサー「それで通用しそうですからね！別の名前まで拘りそうなマニアはごく一部でしょうし！」
バードウェイ「と、いう訳でそろそろ奴らには退場願おうと思うんだが」
レッサー「へっへっへっへっお任せ下さいよ、お頭ぁ！ポッと出の魔術結社モドキぐらい、この『明け色の陽射し』のレッサーがひとひねりでさぁ！」
バードウェイ「大義である。しかしお前を見ていると、イエヤス＝トクガワの政策って正しかったんだなってつくづく思うな」
レッサー「どなたかは存じませんが、走狗をグツグツ煮込むだけ煮込んだ感じですね！我らが王室も似たようなもんですけど！」
バードウェイ「なのでパチモンは打倒する頃合いだろうな、異論は？」
レッサー「あろう筈がない訳でないと言えないこともなくはないかもなんて思ったり思わなかったりするに決まってるようないないような感じでさぁ！」
バードウェイ「フランス人が心の底からフランス人なのと一緒で、お前も残念なイギリス人なんだな」
レッサー「――訂正してくださいな！誰が残念だっていうんですか！？」
バードウェイ「お、やるのか？」
レッサー「残念なのは私であってイギリスではありませんよ！そこは譲りませんからね！」
バードウェイ「えっと、まぁその、強く生きろ？人類滅亡しても、イギリス人は何となく生き残りそうだが。しぶといし」
レッサー「マズいメシを食い慣れているから粗食にも耐えられますよ！まぁ不安材料は高級食材でも調理させればマズいってことですが！」
バードウェイ「じゃあ絶滅ルートだな。よかったな人類と一緒で」
レッサー「では早速我らの敵を殲滅するため、そこら辺の汚っさん雇って向わせますぜ！」 ﾆﾁｬｱｧｧ
バードウェイ「お前ホント最低だな」
レッサー「ですのでお金ください！いっぱいください！具体的にはクリスマスに女四人が遊べるぐらいの額を！」
バードウェイ「そういうアホは嫌いじゃない。あとでマークに適当な理由をでっち上げて申告しておくがいい」
レッサー「しゃっす！で、ボスはどうするんですか？やはりご家族でパーティでも？」
バードウェイ「考えていることはあるんだが……そうだな、日本のクリスマスって×××前提なのか？」
レッサー「ファッションモンスターからモンスター成分抜いたのが出現してませんか？元々風紀なんてあってないようなもんですけど、えっと、その通報案件ですよ？」
レッサー「あとその質問に関しては何とも答えにくいですかね！クリスマスやらバレンタインが誤解されたまま日本へと伝わり、それがJカルチャー通じて逆輸出しやがってるんでね！」
バードウェイ「ポッタ○も『メシ超美味い！』ぐらい言わせればよかったのにな。『地球に似た別の世界なんだな』って認識されて終わりだろうが」
レッサー「くっ！こうなったらイギリスのカレー料理は結構美味いとプロパガンダを流すしか……！」
バードウェイ「その時点でもう負けてるけどな。では、私用があるので失礼する」
レッサー「待ってつかーさいお頭！上条さんが児×でタイーホされそうなことホザいていませんでしたかねっ！？」
バードウェイ「いやまぁ、な？最近じゃ寛容な時代になったようでもあるし、なっ？」
レッサー「わっかんねぇですよ？そんな『なっ？』みたいな同意を求められましてもね！」
バードウェイ「そろそろ時代が私に追い付いたのではなかったというのかっ！？」
レッサー「どう、でしょうかね？規制的にはむしろ厳しい方へ行ってるような感じですけど」
バードウェイ「○○○諸国の××婚に物申す人権団体が皆無なので、受け入れたとばかり」
レッサー「誰かーマークさん呼んで来てー！？できればハリセンも持ってきてー！鋼鉄でできたヤツーーーーーーーーーーーーーーーっ！！！」
……
ネフテュス『――起きなさい、起きるのですロ×ペ×担当よ 」
娘々『文字通り機械仕掛けの神々になり下がった神様の登場ですよっと。はろはろー』
バードウェイ「ここは……夢、か？」
ネフテュス『そう、女神が転生する感じの和製RPGの導入部です。デカい顔とかがドヤ顔で出てくる』
娘々『顔だけに……ドヤ顔で……！』
バードウェイ「神ジョークの沸点が分からん。ただアホだというのはよーく理解できた」
ネフテュス『うんまぁそのね、えっと法的に厳しいから色々と加護を与えます。大っきくしてあげる。適齢期っていうか』
娘々『具体的には18歳ぐらいのお前だ！よかったな！』
バードウェイ「――神ごときがしてやろうとはおこがましいわ……ッ！！！」
ネフテュス『やだ超上から来るわねこのロ×』
娘々『ここまで上から目線は売れないユダヤ人の画家ぐらいしかいねーわ。そういうアイツどうなったんだっけ？』
バードウェイ「だがしかしどうしてもというのならばもらってやらんでもない！あと移動が面倒だから日本にまでパッと送ってもらおうか！」
ネフテュス『何様？私たちの立場を除いてもどうかと思うわよ？』
娘々『そうだそうだー！ネフえもんがツッコむなんて世界大戦よりもレアなんだぜ！』
バードウェイ「世界を征服できる力は不要――何故ならば既に持っているからな」
ネフテュス『この子……あぁアレイスターの後輩、うん。強く生きてね』
娘々『考えようによっては年相応、か？ギリで』
バードウェイ「無駄口を叩くな！私の望みを叶えさせてやっているのだから手早く動け！」
ネフテュス『……もういや……！神、神なのにストレスゲージがマッハで溜まっていくわ……！』
娘々『私たちにも天敵がいやがったか……まぁ飛ばすから頑張るんだぜ』
……
バードウェイ「――学園都市に来るのは久々だが。相変わらずガキばかりだな」
チンピラA「ねーねー俺たちとどっか遊びに行かない？待ってた子にキャンセルされちゃってさー」
チンピラB「今ちょっとヒマしてるんだけどおっぱ×？」
オーク「ここが――異世界ブヒか……？」
バードウェイ「散れザコども。そして三番目に何かいたな！警備員呼んで射殺しとけ！」
チンピラA「ねーねいいからさー？最近だとエ×ゲームでも出た瞬間抗議のハガキが届いて出番すらもらえなくてねー？」
チンピラB「呼ばれたと思ったらデスゲームで最初にひでぶされる役ぐらいでおっぱ×？」
バードウェイ「同情はするが死んでく――れ、なくてもいいか。この展開だと出そうだしな」
上条「――おいお前ら何やってんだ！嫌がってるだろその子！」
バードウェイ「知ってたわー。何かそんな気はしてたわー」
チンピラA「おいおい途中から割り込んでそげぶっ！？」
チンピラB「来年の車検代がそげぶっ！？」
上条「えっと、大丈夫か？怪我はなかったか？」
バードウェイ「あぁ問題ないよ。助けてくれたことには一応礼を言おう」
上条「てか、あんた、あー……ボスの知り合い、ですか？」
バードウェイ「敬語は要らんよ。まぁ身内、というか血縁関係はあったりするような感じだな」
上条「あぁやっぱり！服も似てるけど全体的に大きくしたような感じだから！」
バードウェイ「いつも世話になっているようだからな。観光も兼ねて挨拶に来た、という設定で頼む」
上条「設定って何？妹さんが散々俺を弄んだ的な展開がリピートされんの？」
バードウェイ「あれ？頭にドリ……？なんだっけ？」
上条「喜んでお嬢様！俺で宜しければ何でもお申し付けくれよなっ！」
……
バードウェイ「てゆうかよくよく考えたら12歳児の後頭部へドリル押しつけるとか、もう人生終わらせるぐらいの話だよな？」
上条「その話はもう終わってんだよ！？人聞きが悪すぎるから掘り返さないで！」
バードウェイ「取り敢えず、手を。淑女をエスコートする栄誉を与えてやろう」
上条「……」
バードウェイ「ん、どうした？柄もなく緊張でもしているのかね？」
上条「あぁいやそういうんじゃなくてだ。えーとまぁ悪魔の身内で緊張もしてるはしてんだけど」
バードウェイ「酷い言い草だが、それで？」
上条「手を繋ぐのは、ちょっとアレだから許してもらえないか。ボスのねーちゃんがイヤってことじゃなくて、美人だし俺も嬉しいとは思うんだが」
バードウェイ「よく分からんが……あ、じゃあ腕でも組むか？」
上条「おっぱ×！？」
バードウェイ「また斬新な喜びようだな。私も若干盛りすぎてて引いているが」
上条「気持ちはありがたいが！正直『いっかな？』と思わなくもないがダメです！そういうのはお付き合いしてから！」
バードウェイ「そう、か？手を繋ぐぐらいは別にしてくれてただろ？」
上条「誰が？」
バードウェイ「――レイヴィニアとな！そういう話を聞いたんだよ！」
上条「あぁまぁボスはボスだし、子供と大人じゃ意味合いが変るっていうか？」
バードウェイ「私がいいと言っているのに？」
上条「余所は余所！ウチはウチです！」
バードウェイ「むぅ……折角大人ボディで悩殺するはずがなんたる誤算か……うん？」 ﾜｰｷｬｰ
垣根（白）『――滅ぶのです、愚かな人間どもめ！具体的には綺麗事ばっか言いやがって児童放棄したクソビッチどもに鉄槌を！』
佐天『暴れカブトムシが出たぞー！？みんな逃げてーーーーーっ！？』
バードウェイ「なんだ超楽しそう！肩車しろ肩車！人垣で前が見えない！」
上条「そういうのもダメだってんだろ！？なんかこうDT値が下がるんだよ！下がった方がいい変数なのかもしんないけど！」
バードウェイ「……」
上条「悪い、強く言い過ぎたけど。なんか、うん、なっ？他は付き合ってやるから、えっと、メシも吉野○って所で奢るし？」
バードウェイ「大人は……つまらないのか？」
上条「あー……まぁあんた、もといお前がどういう環境で育ったのかは知らないけど、色々とあるんだよ。やってオーケーなのとノーサンキューなのが」
バードウェイ「……分かんない」
上条「できることも多いけど、やって良い事とか悪い事を知るってのも大人だし、ある程度の線引きはしなきゃいけない、つーか」
バードウェイ「なんでも自由、じゃないのか？」
上条「好き放題と自由はまた違うし、特に男女関係は複雑っていうか、ちゃんとしないと刺されるんだよ」
バードウェイ「それはお前だけだろ」
上条「よーくご存じですねドチクショー！？滅多には刺されないけど、たまーにね！フラグ回避できないときとか！」
バードウェイ「……そうか。分かった、少し待ってろ」
上条「あぁトイレはあっちに」
バードウェイ「ガキよりもデリカシー皆無だな……まぁ行くけど」 ｽﾀｽﾀ
上条「合ってんじゃねぇかよ――ってボス！？なんつータイミングで合流して、あ！待ち合わせだったのか！」
バードウェイ（小）「まぁそんな感じなんだが、アレは帰ったよ。『思ったよりもつまらなかった』って」
上条「来たばっかなのに！？……あぁ俺のせいだな！どうやってお詫びすればいいか……！」
バードウェイ「要らん要らん。そんなことよりも、ふんっ」
上条「ハンドシェイク？」
バードウェイ「……じゃない。手を繋げと言っている」
上条「おう、はぐれると危ないからな」 ｷﾞｭｯ
海原（革）『――こんな世界など滅びればいいのです！キュアサニ○（cv.田野アサ○）が結婚した世界なんてもう！』
初春『ヘンタイが出たぞー。あと運営はしょーもないことで呼ばないでくださいねー』
上条「アホが暴走しやがった！？気持ちは分からないでもないが！」
バードウェイ「……えぇと、肩車、しろ。いや、するんだ」
上条「おー、これでいいか？」 ｸﾞｯ
バードウェイ「あ、こらっ！急に立ち上がるな！……全く、貴様というヤツはレディの扱いがなっておらんようだな」
上条「いいんだよ。俺は俺だし、お前はお前だ。あー、まぁ普通に歩いて行けば」
バードウェイ「……」
上条「どっちかが早歩きになったりしても楽しくなんかねぇだろ？だから、まぁ」
バードウェイ「……大丈夫だ、私には分かってる」
上条「おう」
バードウェイ「お前がまさか18歳よりも12歳児しかダメな癖（へき）だなんてな……ッ！」
上条「分かってない、超何も分かってないですよコノヤロー？」
オーク（はぐれ）「そうブヒよ！オーク的には来るもの拒まず去るもの逃がさずがスタンダードブヒな！」
上条「お前もう帰れや！？キャラが濃い上にオチ要因としてはピッタリすぎて怖いわ！？」
-終-
（※「メンタル一般人、行動一逸人」の上条さんだったらこんな反応かと。ご応募ありがとうございました）
――学園都市 クリスマスのある日
上条「……」
御坂「――あ、あたしも今来たところよっ！全然待ってなんかないんだからねっ！」
上条「……あぁそう、時間ピッタリっていうかまぁ、現時点で約束の30分前だからいつからスタンバッてたのか聞いてみたいところだけど」
御坂「少し早めに出たから、かな？」
上条「あぁうんそれも想像出来るんだけど、想定外なのはその、後ろの」
御坂「なに？後ろに何かある？」
チンピラA「……きゅ、救急車……」
チンピラB「ほ、骨が……ベキッて……」
青ピ「コロス……！相打ちになってもせめて一矢報いぃ……！」
上条「死屍累々になってる男子生徒の諸君は何？あとオーク出せよ二回引っ張ってんだから、オークっぽい人間じゃなくて」
御坂「怖かった……！知らない人に声をかけられて！」
上条「向こうは知ってると思うし、ある程度は痛い目見た方が本人にとってもいいとは思う。思うけども……」
白井「……お゛ね゛え゛ざま゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……ッ！！！」
上条「知ってる人いるよね？俺、近日中に亡き者にされないか？突然上からそこにはなかった筈の鉄筋が降って来たり、盲腸で緊急搬送されたら胃の中からドリルが見つかったり」
御坂「あなたは死なないわ、あたしが守るもの」
上条「やだ格好いい。超有名セカイ系のパクリだとしても」
御坂「時間が惜しいわ！べ、別に楽しみに何かしてないんだからねっ！？」
上条「情緒不安定か。じゃあなんで来たんだよ」
御坂「べ、別に来たくて来たんじゃないわよ！ただちょっと人生の節目だしね！」
上条「高度に発達したツンデレってもうギャグだよな。ダベっててもしょうがねぇし、まずはテンション戻してから歩きながら話そうぜ」
御坂「じやあまず雑貨屋さんに行かない？プレゼントなんかどうせしてないでしょうし」
上条「――おぉっと忘れてたぜ！だって俺は――ビリビリと付き合えることが最大のプレゼントだから」 ｷﾘｯ
御坂「うんっ！裏切ったら殺すから☆」
上条「ボケに殺害予告で返されるのって辛いぜ……！」
……
御坂「うわー、混んでるわねー。はぐれそー」
上条「そう、か？まだ午前中だし出足は遅いと思うんだが……」
御坂「はぐれたら迷子になるわ……！」
上条「ケータイあるよね？そもそもこの店コンビニ二つ分ぐらいだよな？」
御坂「え、なに？『手をつな……？』つまり？」
上条「『ビリビリ、はぐれたら大変だから手を繋ごうぜ！』」
御坂「きゅ、急に言われても！全く男子ってのはいつもそうよね！」
上条「別に急っつーほどではなかったろ。助走期間もそこそこあったろ」
御坂「と、特別なんだからね！感謝しなさいよ！」 ｷﾞｭｯ
上条「繋げっつったのは手であって腕じゃ……まぁいいか。それで？何か欲しいものがあったら、予算の許す範囲でプレゼントするけど」
御坂「えー、どうしようかなー？こういうのって選んでくれるのが普通じゃないの？」
上条「あぁじゃあすみっこぐら○のペンギンっぽい何かで」
御坂「……ううん、それはダメ。サンエック○は敵なの！」
上条「戻って来てビリビリ！？誰と戦い出した！？」
御坂「――あたし、気づいたのよ。ゲコ太がメジャーになるためには何が悪いのかなって」
上条「それなりに有名っちゃ有名だと思うが。ただ年季の割に一部のマニアにしか浸透してないっていうか」
御坂「要は……同業他社がなくなれば、実質上のトップといっても過言ではないわよね？」
上条「よーしステイだビリビリ！その理屈で次々と倒していったらネズミの王といつかやり合うハメになるぞ！」
御坂「かかってきなさい……！あっちは規約で暴力表現ができないってことは、一方的にボコれる……！」
上条「映画の設定な？あとリアルな暴力を使わないだけで、法とか札束で普通に殴ってくるよ？」
御坂「まずはこの店のリラック○を全部たれぱん○に差し替えるところから……！」
上条「普通に嬉しいわ。今年たれぱん○のスケジュール帳発売されなかったから」
上条「じゃなくてだな、えーっと……ほら！好きな歌手とかにはメジャーになって欲しい反面、売れすぎると手が届かなくなるって感じで！」
御坂「分かるわ……凄いよく分かる！万人のニワカよりも100人の精鋭ってことね！」
上条「良かった……！選択肢ミスらずに済んだ……！」
御坂「それじゃー、どうしよっかなー。あたしの欲しいもので基本いいってこと？」
上条「できれば予算も考えて頂けると嬉しいですが」
御坂「ペアリングなんて……いいと思わない？」
上条「重いな！いや人それぞれでいいとは思うけど！高校生が中学生へ送るのはヘビィーだぜ！」
御坂「あたしだけ見てよ！あたしだけを考えてよ！」
上条「はっはーん、アレか？なんか今日の流れがおかしい気がしてたけど、要はマインスイーパなのな？どこに地雷埋まってんのかわっかんねぇのに？」
上条「了解了解……俺たちはまだ学生じゃないか！こういうのは、あーっと……働きに出て給料三ヶ月っていうじゃないか！」
御坂「そ、そうね！ちょっとだけ気が早かったかもしれないわね！」
上条「このゲームの勝利条件が分からないぜ……！無事に乗り切っても後々利子つけて返ってくるブーメランかも……！」
御坂「でもできれば普段使いにできそうなのがいいかなー。アクセサリーとか、ダメ？」
上条「あ、あぁいいんじゃないか。気に入ったんだったらゲコ太でもキテ○さんでも。つーかさ、常盤台って校則でガッチガチじゃないの？すっげー厳しいって」
御坂「門限とかはそうだけど、それ以外だったらそれほど厳しくはないわよ？基本的にお嬢様ばっかだし、素行のいい子多いから」
上条「お前も白井さんもプラス部分だけ見れば間違いなくいい子だよな」
御坂「あたしだけ見てよ！」
上条「――この、ゲコ太ピンってどうかなっ！？ネクタイピンにも使えるし金具交換すればヘアピンにもできるってさ！」
御坂「素敵……！もうっ、あたしの欲しかった物調べてたんでしょっ！」
上条「そりゃ命かかってますからね！できれば俺一人だけで留まって欲しいもんだが！」
御坂「ピンクのゲコ太とドピンクのゲコ太、どっちがいい？」
上条「まだペアという試練が……！まぁソリ○ピンク乗ってる野郎もそこそこいるし――だが！上条家を舐めるなよ！」
上条「父さんが編み出した『詩菜さんのご機嫌を取る方法108式』の一つ！必勝の策を使うぜ――」
上条「『――ビリビリが好きな色を選んでくれるかな？それが俺の色だから！』」
御坂「あ、これもう結婚するしかないわー。他に選択肢無いわー」
上条「ありがとう父さん！事態は悪化の一途を辿ってる気がしないでもないけど乗り切ったよ！」
御坂「買い物も済ませたし−、お腹空かない？どっかで軽く食べない？」
上条「賛成。吉野○とすき○となか○と幸楽○のどこがいい？」
御坂「ムードは？『わぁいすき○大好き！』って喜ぶJCいる？あぁっ！？」
上条「ビリビリー、演技演技ー」
御坂「悪くないわねー！でも折角予約取ったカラオケボックスがあるのよ！ランチが美味しいって！」
上条「予約取ってんじゃねぇか！？なんで聞いたよ！？」
御坂「マジレスすると『どこでも君の好きなところがいいよ』が欲しかった」
上条「……俺、もう一生一人でもいいと思うんだ。そんな高度な駆け引きできねぇよ」
御坂「あと買い物するときも『これとこれどっちがいいかな？』は意見を求めてないのよ！自分の中では決まってるんだから！」
御坂「ただ『どっちを着けても最高だね！』って言葉が欲しいだけだから！勘違いしないでよね！」
上条「本当に情緒不安定か」
……
上条「あー、ここがカラオケ屋か？随分おしゃれな感じの……足りるかな」
御坂「あ、ここは払うわよ。あたしが予約入れちゃったしね」
上条「……くっ！なんだかんだで気前もいいし気配りもできる――頑張れ俺！クラッときたら一生コースだからな！」
御坂「ちょっと何言ってるのか分からないけど。ごはん頼んじゃうねー。あ、嫌いなものあったっけ？」
上条「特にはこれといって。あ、サソリの丸焼きとかのチャレンジメニューはちょっと……」
御坂「流石にあぁいうのは命に対する冒涜だと思うのよね。好きな人が好きで食べる分にはいいけど」
上条「じゃ俺先に歌いたい。えっと……」
御坂「あ、『ゼロからの逆襲』ね！」
（※『とある魔術の禁書目録 アーカイブス2』に収録、歌：上条当麻（演；阿部○））
上条「止めろよぉ！？えっと、こう人のトラウマっていうか黒歴史っていうか若気の至りを掘り起こすような真似はどうかと思うなぁボカぁ！？」
御坂「じゃああたしは『ハッピー☆マテリア○』を」
上条「間違ってねぇけど間違ってるよ？」
御坂「あと……ちょっとどうか思ったんだけど」
上条「お、どうした？ドヤ顔で前作の主人公が出てきたと思ったら参議院選出馬するって話か？」
御坂「ちょっと何言ってるのか分からないし、立場的にコメントは差し控えさせてもらうわね？」
御坂「いやそんなことよりもね、実は軽食っていうかサンドイッチ的なもの持ってきた、ような？」
上条「何でそんなに疑問系なんだよ」
御坂「しょうがないのよ！朝ちょっとバタバタしちゃって、行ってる最中に食べればいいかなって包んで……忘れた感じ？」
上条「何時に待ち合わせ場所に来てんすかビリビリさん。でもまぁちゃんと作ってきたんじゃないなら、俺が食べる訳には――」
御坂「……」 ｼﾞｰｯ
上条「――と思ってたけど嘘だわー！実はサンドイッチが食べたくて食べたくて仕方がなかったわー！」
御坂「ふ、冬だし痛んではないと思うんだけど、変な味したらペッしなさいよ？」
上条「あっはい、頂きます……」 ﾓｸﾞﾓｸﾞ
御坂「どう？」
上条「俺が作った方が美味い――し、しまった！？つい本音が！」
上条「助けてくれ父さん！こんなときには――そうだ！父さんから授かった秘策が！」
上条「い、今のは言い方とニュアンスを変えれば『一生俺のメシを食べてくれないか？』って意味にも取れるよ！これ以上は説明できないけど！」
御坂「そ、そう……？だったら、まぁまぁ」
上条「大丈夫が俺の外堀？大阪冬の陣ぐらいには余裕あるか？まだ埋め立てられないよな？」
……
御坂「……今日は楽しかった。ありがとね、デートに誘ってくれて」
上条「そうですね！さっきから寒気が止まらないけど、楽しんでくれたんだったら良かったぜ！」
御坂「……」
上条「じゃあ俺は塾があるからこれで――離して！？」 ｷﾞｭｯ
御坂「その、帰りたくない、とか言ったら迷惑、かな？」
上条「またお前色々な意味で死亡フラグぶっ込んで来やがったな！？児童福祉法的にも厳しいんだぞそれ！？」
御坂「え、なに？」
上条「い、いやなんでもない！問題ない考えろ俺！こんなピンチはいくらでもくぐり抜けてきた筈だぜ！」
上条「――そう！こういう時にはやっぱり父さんから習った対応をすればいいんだ！」
上条「……なぁ、ビリビリ。俺だってお前と一緒にいたいよ！離れたくないよ！」
御坂「だったら――！」
上条「でも！お前には門限があって帰らなきゃいけない！そこは守ろうぜ！」
上条「なんつーか感情に任せて突き進むのも時には必要だと思うけど！今じゃない！そう、今では！」
上条「無理をしないで付き合っていきたいんだよ！ここで俺たちがルール破ったら、今後のことに差し障るっていうかさ！」
上条「それはビリビリが大事だから言ってるんだ！決して『あ、手ぇ出したらクッソ面倒だなー』とかそういうことじゃないんだ！分かってくれ！」
御坂「……将来が大事だから、今はちょっと、ってこと……？」
上条「そうだ！もし俺とお前が規則破ってお泊まりなんかしたら学校から大目玉だし、下手すれば退学になるかもしれない！当然親からは叱られる！当り前だ！」
上条「そういうのがイヤなんだよ！こう、未来の展望っていうか、いつかゴールするためにも今は節度を守って一緒にはいられない……分かるか？」
御坂「……ごめん。あたしが子供だったわ、そこまであたしのことを考えてくれてた……！」
上条「な、納得してくれた？」
御坂「そうね！今は分かれても、それは未来に繋がるのよね！なら寂しいけど……我慢するわ！」
上条「そうだぜ！冬休みが終わったらまた会えるんだからな！」
御坂「あ、大丈夫よ？詩菜さんに許可はもらったから年末年始はお邪魔するし？」
上条「もしかしてもう夏の陣始まっちゃってるか？外堀なんてもうとっくに埋められてた？」
上条「てかよくよく考えたらだけど！結局父さんは母さんとゴールインさせられたんだから、重大な危機は回避できなかったってことだよな！薄々そうじゃねぇかって思ってたけども！」
御坂「――これからも、ずっと一緒なんだからねっ！」
-終-
（※頑張った方ですが上条さんの戦いは終ってしまいました。ご応募ありがとうございました）
――バー『負け犬の遠吠え』
騎士団長「ここは――」 ｶﾗﾝｺﾛﾝｯ
上条「ようこそ、バー『負け犬の遠吠え』へ」
騎士団長「ストレートすぎやしないか？」
上条「ここは古今東西の負け犬が傷を舐め合う場所……どうぞカウンターの方へ。お連れ様はいらっしゃってますよ」
騎士団長「その解釈だと私も負け犬にならないかな？異議がある」
マーク「おや、あんたは――」
騎士団長「君は確か『明け色』の」
マーク「マーク＝スペースです。よかったら一緒に飲みませんか？おツレさん待たせてあるんでなければ」
騎士団長「連れはいないが……そうだな。たまにはそういうのもいいだろう」
上条「負け犬一丁カウンター席入りましたー！」
騎士団長「怒って良くないかな？ていうか君やっぱりボケの方がイキイキとしてないかい？」
……
騎士団長「――では」
マーク「乾杯です！……あぁいい酒ですね」 ｶﾁﾝｯ
上条「ありがとうございます客様。当店一押しのモズク酢でございまして」
騎士団長「そんなので乾杯させられているのかい！？せめてアルコール出してくれないかな！」
マーク「この、癖になりそうな三杯酢……！くぅっ！」
騎士団長「いやまぁビネガーもアルコールの延長線上にあるといえばあるけれどさ」
上条「オーナー曰く、『お前らのしょっぱい生き方を象徴している』とのことです」
騎士団長「オーナーはバカなのかな？客商売で常にケンカ売る姿勢ってどうなの？」
マーク「まぁまぁ。目出度い日なんですからそんなにカリカリせずに」
騎士団長「せめてアルコールを出せよ！飲みに来てるんだから！」
上条「では当店オリジナルカクテル――『ブルーハワイ』を」 ｼｬｶｼｬｶ
騎士団長「どうせアレだよね？元ネタはカクテルをシロップにしたんだけど、回り回ってかき氷にかけるヤツにしたやつが来るんだよね？」
上条「チッ――ほらよビール飲め！」
騎士団長「本当に態度悪いよ？クリスマスの夜にバイトしてるってだけでその怒りの原点は何となく分かるけど」
マーク「まぁまぁいいじやないですか！酔えればなんだって！」
騎士団長「あぁビールも嫌いではないが……うん、美味しいね」
マーク「店員さん、次は何かイギリス風ポテトフライを」
上条「かしこまりました」
騎士団長「……凄い店だけれど……マーク、だったな。いつもここに？」
マーク「えぇ最近はよく来てまさぁ。私のような負け犬にはお似合いの店ですし」
騎士団長「いやいや、そう自分を卑下するものではないだろう？君たちの活躍は……あー、まぁ公の立場では言えないが、『黄金』系では一番ではなかろうか」
騎士団長「我らが危険視するのも影響力の高さ故に、というところもあるのだし」
マーク「……まぁね！そうですけども！」
騎士団長「まぁ正直、歴史の転換点なのか次から次へと危険性の高い連中が出てくる中では、多少影が薄――」
マーク「違うんですよ！そうじゃねぇんですよ！」
騎士団長「ふむ？何がかな？」
マーク「あなたに何が分かるって言うんですか！？JCにあっさりポジションを取られた俺の何が！？」
騎士団長「ちょっと何言ってるのか分からないかな。そして私だけじゃなく全員が『なんて？』ってツッコんでると思うよ」
マーク「最初はよかったんですよ！？闊達そうなお嬢さんだなって、ウチの人間の士気も上がっていましたし！」
騎士団長「JC加入でテンション上がる魔術結社も、その、なんだね。困るよね」
マーク「ですが！ポッと出のJCがいつのまにかボス（12歳児）の側近扱いになって、私の出番が激減してしまった……ッ！！！」
騎士団長「いいんじゃないかな？年が近い同性の側近の方が、まぁ何かと感受性の強い年頃でもあるし」
マーク「おかしいとは思ったんですよ！食堂のメシが急にマズくなったり、ハギスとフィッシュ&チップスだけになったらと思ったら！」
騎士団長「料理のおばちゃんに問題があるんじゃないか？もしくは仕入れ先でババ掴まされたとか」
マーク「遊戯室のダーツがフランス国旗の柄になっていたのをおかしいと思わなかった！私にも責任はあるんだ！」
騎士団長「それもう心霊現象だよね？『なにそれ怖い』ってみんな思うよね？」
マーク「俺は……っ！俺はもう負け犬なんだ！JCに負けちまったんだよ！」
騎士団長「まぁ、出番が少なくなったのは分からないでもないが……いいじゃないか、それだけで済んだのだから」
マーク「……ひっく……」
騎士団長「マスター！一番強いのを二つ！」
上条「へい！モズク酢をストレートで二つ！」
騎士団長「酸性って意味ではないよ？Ph値を高めろってんじゃなく、アルコール成分って意味でね？」
上条「ビール二つ入りやしたー！」
騎士団長「バーなのにビールしか置いてない……！まぁいいさ、飲むんだ君も！」
マーク「けっ……順風満帆な『騎士団長』様ともあろう方にゃ分からんでしょうぜ」
騎士団長「いいや、違うぞマーク＝スペース。私もまた――負け犬なのだから」
マーク「あんたが、ですかい？」
騎士団長「まぁ、故あってというか大儀あって一度は国家に背き、また忠義をも貫けなかった半端者だ」
上条「よっ、裏切り者！フワッとした動機でクーデターしてフワッとした動機で裏切った男！」
騎士団長「マスター黙ってて。今いい話をしているからせめて終わりまで聞いてからにしてくれないか？」
騎士団長「……それで、まぁ？残りの人生は国家のため、民衆のために遣うと誓ったんだ――だが！」
騎士団長「……来る仕事はかませ犬or誰かに操られての二択！頑張ったのに！婦女子をぶん殴るという騎士としてあるまじきタブーまで犯したというのに！」
マーク「……ふっ、そのぐらいで済んだからいいじゃねぇですか。出番は、どうせ少しずつでももらってんでしょ？」
騎士団長「ほぼ見切れる感じだがな！『よし出発！→瞬殺』ばかりで、こうなんか、なぁ！？」
マーク「……マスター、判定は？」
上条「☆1つですね。負け犬としてはまだまだ」
騎士団長「どういう評価基準をしているんだい？分母が3だったらそここその評価だけど」
マーク「甘いですぜ！あいつを見てくださいよ！」
騎士団長「店内が暗くてよく分からなかったが、カウンター席以外にも人が……ッ！？」
？？？「兄ちゃんよぉ、その程度の負け犬度で調子に乗ってもらっちゃあ、この業界長くはやってられねぇぜ？」
騎士団長「お、お前はっ！？」
フェンリル（？？？）「負け犬を乗るんだったら、せめて俺レベルになってから言うんだなぁ……ッ！！！」
騎士団長「……」
フェンリル「……」
騎士団長「あの、どちら様だったかな？」
フェンリル「この知名度のなさ！そしてグレムリン幹部としてドヤ顔で出ていたのに露出狂のねーちゃんにしばかれて消える！」
フェンリル「『世界を喰うオオカミだし、すっごい強いんだろうな』って期待させときながらほぼ名前あるモブ扱い！どうだ！？お前に俺の気持ちが分かるか！？」
騎士団長「もう泣いていいのは分かる。というか泣こう？男でも泣いたっていいと思うんだよ？」
上条「そうだぞ！最近フェンリルっていったらなろ○系で量産されてっから、どれが誰だか判断できない上にモブい名前になっちまってんだからな！」
騎士団長「マスターうるさい。かもしれないけど黙っててくれ」
マーク「RPGで名前つける感覚で思いついたそれっぽい名前をつけてっから、たまーに原義知ってると爆笑するのかとかある！」
騎士団長「君も黙ろうか？負け犬同士で塩をすり込む回なのかな？」
上条「キュアドッグの苦しみがお前に分かるのか！？下手にドヤってた分、活躍が皆無だから指さして笑われるんだぞ！？」
上条「そして再登場の芽なんかないし、そのしょーもないヨダレ霊装なもんだから暇人のSSですらお呼ばれしないんだ！」
騎士団長「君だね。今彼のことを世界で一番深く深く刺しているのは、君だ」
フェンリル「……笑ってくれよ。負け犬度☆3つの俺をよ、笑ってくれよ、なぁ？」
騎士団長「あ、あははは……」
フェンリル「何笑ってんだよテメー！？ぶち殺すぞ！？」
騎士団長「情緒不安定だね。カウンセリングをお勧めしたいかな」
騎士団長「いや、まぁグレムリンの幹部に会うのは初めてだがね。なんだかんだその筋で優秀だったのだろう？なら負け犬だなんてことは」
？？？「――失敬。静かに飲みたいのですがな」
騎士団長「これは失礼をしたご老人。少々はしゃぎすぎ――む？」
？？？「おやおや気づかれましたかな？かの有名な御仁に覚えていただき恐悦に存じますれば」
マーク「知り合い、なんすか？」
騎士団長「あぁ忘れられるか！こいつは私とキャーリサ殿下を煙に巻いた――だろう！？魔人ロキ！」
ロキ（？？？）「左様でございましたな。元グレムリン幹部、そしてまたの名を――」
ロキ「負け犬度☆4、”あれあいつどこ行ったんだっけ？”ロキと……ッ！！！」
騎士団長「古いケータイの充電器みたいに呼び方されているのか！？」
騎士団長「あぁいやいや待ちたまえよ！ご老人は我らイギリス清教一派に大ダメージを与えられた方、敵ながらアッパレであり負け犬とは程遠いのでは？」
ロキ「……まぁ物語には”セオリー”がございましょうなぁ。パターンではありますが、それが決まれば美しい的な」
騎士団長「ふむ？」
ロキ「オティヌス様を凌ぐ狡猾さと深謀遠慮、故に味方からも鬼符（ジョーカー）として怖れられ、故に『ロキ』の名を頂いた私でございますが――」
ロキ「――実は、その正体が別の組織のボスであったり、とか」
騎士団長「確かにそういうのは燃えるな！その展開だったら敵の味方になりやすいし！」
ロキ「しかしながら――全く全然これっぽっちもそういう伏線はなく、ただドヤ顔で出陣して敵の先方を騙くらかしたものの、その後行方不明という有様で」
ロキ「生き残るかチョイ役で出ることすらなく、強キャラ感&裏ボス感たっぷりで出てきたのにも関わらず、それが余計に負け犬度を引き上げてございます……」
騎士団長「あー……うん、えーっと……」
ロキ「しかもキャラがジジイだし大して活躍してないもんだから、そちらのフェンリル殿よりも更にマイナー。名前のあるモブとはわたくしのことでございますな」
騎士団長「それ以上の自虐はやめていただけないかな？私ももらい泣きしそうだから」
ロキ「とはいえお陰様で☆4つ負け犬と自負しております。騎士団長殿は☆1が不服だと仰せですが、それは贅沢というものでしょう。身の程を知りなされ」
騎士団長「私の知っている身の程とは使い方が大分違うようだが……まぁ、理解したよ。三人とも如何ともしがたい苦労をしているのが分かった」
騎士団長「だがしかし、だからといって私について正しい評価とは言えない……この話を聞いてもらおうか」
騎士団長「この間、実家へ帰ったときの話なのだが。まぁ……ご存じの通り親孝行とはとても言いがたく、かといって誉められるような息子でもなく、ただ恥じ入るばかりなのだが」
上条「ナイス☆負け犬」
騎士団長「合いの手が酷すぎないかな？お互いに人間なのだから尊重し合おうよ？」
騎士団長「実家もまたそれなりの家柄であり、私の不始末でともあればなくなる可能性すらあった。それだけのことをしでかした訳だが」
騎士団長「そんな出来の悪い自分であるというのに、父も母も私を詰るような真似はしなかった」
騎士団長「それどころか子供の頃のように自分の好物を作っていてくれたり……まぁ、両親からすれば幾つになっても子供は子供なのだと、少々面映ゆくもあり嬉しくもあり。何とも度し難い感じではあった」
騎士団長「懐かしい料理に舌鼓を打ちながらも、まぁ出る話題といえば将来の話だった。誰かいい娘はいないのか？付き合ってる女性は？と、困るような話だったが」
騎士団長「ともあれ久方ぶりに両親の情を感じ、あれだけのことをしでかした自分がいいものかと自答しながら。懐かしい自分の部屋へ入った」
騎士団長「よく掃除はしてるのだろう。家を出ながらも見覚えのある調度品に思いを馳せていると……テーブル上に、こう、アルバムがあったんだ」
騎士団長「『おや、子供の頃の写真だろうか？母が私を心配するあまり、昔の姿でも見ようと思ったのだろうか？』――そう、思ってアルバムを開けると――」
騎士団長「――そこに入っていたのは、キャーリサ殿下のお見合い写真だった」
上条・マーク・フェンリル・ロキ「……」
騎士団長「一枚だけじゃない！何枚も何枚もただ一人分の写真が詰まったアルバムだった！フルセットのお見合い写真たなんだよ！」
騎士団長「全身に鳥肌を立てながら最後まで見終えると、ページの下にメモが挟んであり、そこには母の字でこう書いてあった」
騎士団長「『――当家のためにも……分かっていますね？』、と……ッ！！！」
マーク・フェンリル・ロキ「ナイス☆負け犬」
上条「――さっ、ここからは俺たちのオゴリですよ！今日は好きなだけモズク酢飲んでってくださいよ！」
騎士団長「ありかどう友よ！モズク酢は好きじゃないからビールをくれると嬉しいな！」
騎士団長「しかし、最初はどうかと思ったけれど中々いい店じゃないか。ここのオーナーは一体どなたが？」
上条「あぁそれはですね、って丁度来ましたね。オーナー！こちら新しい負け犬です！」
騎士団長「その呼び方はどうなんだろう。初めまして、だよね？」
海原（オリジナル）「――噂はいつも聞いています。どうか同じ負け犬同士なかよくやりましょう！」
-終-
（※クリスマス企画のトリに相応しい心温まる内容になりました。ご応募ありがとうございました）