Category

Counter
Access Counter

On-line Counter



Clock(trial)

ハロウィンの日ver2021


――

エリザード「――面を上げろ」

建宮「くっ、殺せなのよ!」

エリザード「超イメージ悪いよな?なに?ウチのイギリス王室のイメージって魔王なのか?」

建宮「俺みたいな下っ端が直で呼ばれるだなんてエ×い命令に決まっているのよな……ッ!」

エリザード「やかましいわ。こっちにも選ぶ権利があるわ。何が悲しくてオッサン選ぶ必要性があるんだ、マニアか」

建宮「ならウチの若い衆をオススメするのよな!今そっち界隈がホットなのよ!」

エリザード「うんまぁ、ローマ正教がアレ過ぎるからって時事ネタに乗っかるのはほどほどに、な?割と昔っからそうじゃないかと言われ続けて二千年(ミレニアム)だからな?」
(※フランスで聖職者が性食者だった件。半世紀で21万件、8割の被害者が男児)

建宮「それでわざわざ俺を呼び出すだなんて何の用なのよな!この漢・建宮斎字!いくらエラい人とはいえ、理不尽な命令には従わないのよ!」

エリザード「それが冒頭のクッコロに繋がる訳か。安心しろ、無理筋ではない」

建宮「ウチの神裂の秘蔵写真だったらこちらに用意してあるのよ!初めてハイハイした日から、寝しょ×した日まで網羅してあるのよ!」

エリザード「神裂が天草抜けたの原因ってそこじゃね?イ・ナーカ特有のパーソナルスペースの侵害というか侵略というか」

建宮「……いいや、それは我らに責があるのよ。女教皇一人に押しつけてしまった弱さがよ」

エリザード「成程。まぁ聖人相手だからな、距離感も鈍るか」

建宮「『殉死するのもそれはそれで信仰的にはアリ』と、我らの本質を教えなかった責が……ッ!」

エリザード「どこぞの原理主義者だ?お前らミッドサマ○とか楽しそうなブートキャンプしていそうだよな?」

建宮「という訳でHDDに詰め込んだ神裂画像をプレゼントするのよ!あ、ただし外部に流したらお嫁に行けなくなるので超注意よな!」

エリザード「どうしようかな。超いらないしそろそろコイツ黙らせる術式とかないかな。あ、カーテナがここに」

建宮「待つのよ!流石の建宮さんもそれでバッサリいかれたら『なーんちゃって!』で復活できないのよな!」

エリザード「爆発オチぐらいだったら生き残れそうだが……それでまぁ呼び出したのは理由がある。ある意味見込んでと言えなくもない」

建宮「――ほぉ?俺になのよ?」

……

建宮「――『騎士団長』!『騎士団長』殿はいずこに居られるのよな!?」

騎士団長「あぁ、これはどうも建宮さん。何かご用でしょうか?アポはなかったはずですか……」

建宮「それが天下国家の一大事なのよ!悪いが今日の用事は全キャンセルしてもらうのよな!」

騎士団長「穏やかではありませんね。話を伺っても?」

建宮「おうさ!耳かっぽじってよぉく聞くのよ!それがよ、なんと――エリザード女王陛下がVチューバーデビューを謀っているのよな……ッ!!!」

騎士団長「なんて?」

建宮「そう、あれは俺がまだミミズにションベ×かけたらチ×チ×腫れると思い込んでた日のことなのよ……」

騎士団長「聞いてねぇよアフロ。てかジャパン超怖いな、そんなフォークロア存在するのか」

騎士団長「――じゃなくてだ!?聞き捨てならないことを言ったよね?ババアが今度はなんだって!?」

建宮「あぁそれがだな。俺が偶然陛下の私室の前を通りかかったときの話なのよ」

騎士団長「設定に無理がないかな?『王室派』の警備はそこまでザルではないのだけど、まぁいい!優先すべきはその先だ!」

建宮「『おぉヤベェ!変な所に迷いこんじまったのよ!』と踵を返そうとしたら、中から陛下の話し声がするのよ。それも気配は一人分だけ」

騎士団長「……月並みな台詞だが、誰かと通話しているのでは?陛下だってご友人の一人ぐらいいる……だろう、うんきっと多分」

建宮「俺もそう思ったんだけどよ。『今日紹介するのはなんと免罪符!教会抜きで発効しちゃいまーす!』って」

騎士団長「あんのババアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!このパワーバランスがクッソ脆いときに何しやがってんだクラアァッ!?」

建宮「『レス番1000取ったヤツにキャーリサを降嫁。いやマジ絶対守るって!嘘じゃないって!』」

騎士団長「――建宮君、取り敢えずは話し合おうじゃないか?まず事実かどうかを確かめた上、まぁ色々適度に時間を置いた上で告発するのが筋だと私は思うよ」

建宮「何を暢気なことを言っているのよ!お前さんの婚約者がレス番1000にNTRれるのよな!?」

騎士団長「ザッケンなよクソアフロ。誰があんな事故物件踏むか!」

建宮「――世の中には二種類の人間がいるのよな。一つはヤングキングアワー○を薄い胸のエルフから読む派、そしてもう一つは何故か連載されてるめBLから読む派なのよ……ッ!」

騎士団長「趣味が偏っている。そしてその、なんていうかアイキ・マスターの青年よりも一般ウケするのはエルフ(小)だという残念な現実が……」

建宮「まぁ俺はきちんと責任者に伝えたのよ。それじゃさいならー!」 ガシッ

騎士団長「まぁ待ちたまえよ建宮君!あまりにも唐突かつヘヴィーな案件で私の腰も砕け気味ではあるのだがね!まぁまずは事実を確認しないと!」

建宮「面倒臭そうなんで俺はこの辺でドロンしたいんだけども、まぁその心意気は良し!なのよ!」

……

建宮「そんな訳で我々は陛下の私室の前までやってきたのよ……ッ!」

騎士団長「あまり大きな声を出すなよ?気取られる恐れがある」

建宮「ちゅーかお前さんは近衛も兼ねてるんだからよ、『何やってんだBBA!』と乗り込んでもいいのよな」

騎士団長「いやそれは流石に。こうセンシティブな問題だから、ねっ?スーパーで残り物の弁当に値下げのシールが貼ったようなものだし?」

建宮「はっはーん?つまりお前さんがウチのお姫様に求婚したのは、キャーリサ殿下を押しつけられないようにするためだったのよな?」

騎士団長「合っているけれど今それ関係ないよね?あと普通に政略結婚は偉い人の務めだからね?」

建宮「あんまそこら辺を突かれると俺もちょおぉぉぉぉっと珍しく言葉を選ばないといけないのよな!」

騎士団長「泥仕合は止めようか!それよりも……本当に聞こえてくるね。あー、何々……?」

エリザード『オイ誰だスレストしたヤツ!?またウチの娘の婚期が伸びるだろうが!』

騎士団長「チイィッ!余計なことを!」

建宮「良識あるブリテン国民なのよ。そしてお前さんがツッコミ役なんだからしゃんとするのよな」

騎士団長「いや、まだだ!このぐらいだったら許容範囲だ!だってお遊びなんだからな!」

建宮「必死すぎて引くのよ」

エリザード『えーと、一発芸しまーす。ジョン=トラボル○……ッ!』

騎士団長・建宮「超見たいな!?」

エリザード『からのー妖怪ピンクババアが言いそうなこと――「きゃるーん!こり○星から来たコロンソン星人なりしよ!」』

騎士団長「待て!?それは色々な人にダメージが入るから言っちゃいけない!」

建宮「あぁ見えて苦労してる人なのよ……!もうそろそろお子さんも物心つくんだし、そっとしてあげてほしいのよな……!」

エリザード『あーっと、他になにするんだっけ?ハギス食えばいいのか?』

騎士団長「ゲテモノ料理じゃないぞ?ちゃんとしたスコットランドの郷土料理であり、ババアがしているのはケンカ売ってるのと同じ・だ・ゾ☆」

建宮「あの風味も慣れれば美味しいと思うのよ。スコットランド人は一生掛けて慣らしていくもんなんだろうけどよ」

エリザード『あー、じゃあお布施くれれば脱ぎ――オイ誰だ通報したヤツ!?冗談なんだから運営にチクるなよ!』

騎士団長「意外と視聴者はネットリテラシーが高いのかな?」

建宮「ただ単にグロ映像を見たくなかったのよ。まぁマニアの存在は否定しないが」

エリザード『人生初のカップ麺にチャレンジだ!えっと……オイ誰か熱湯を持って来い!』

騎士団長「違う、そうじゃない。カップ麺の主旨はそういうのでは決してない」

建宮「本人としては頑張ってるつもりなのよ?高貴な方であらせられる手前、マジでカップ麺なんか食わないだろうし」

エリザード『リクエスト募集しまーす。大体やりまーす』

騎士団長「末期だな。面倒臭くなって方向性も見失った動画配信者の末期だよ」

建宮「あーっと、んー、『ヴィリアン様の寝室公開』っと」 ポチッ

騎士団長「血の雨が降るな!?」

エリザード『ヴィリアンの部屋ぁ?やめとけやめとけ、今アイツの部屋にはクロスボウが大量にだな』

建宮「……マジなのよ?」

騎士団長「私も管轄外なのでネタなのか事実なのかまではちょっと……ありそうな話だが」

エリザード『あー、なんだ?「騎士団長と交際したい」?顔と家柄は悪くないな』

騎士団長「――頑張ってください陛下!忠臣に報いる絶好のチャンスかと!」

エリザード『あー、ダメだダメだ。あいつはその、えっと、エルフ的なものに美的感覚をなっ?なんていうかこう、ロ×ペ×野郎なんだよ』

騎士団長「ゴラアァァッ!出て来いやババア!今日こそ決着つけてやっかんな!」

建宮「お前さんも時々ヤカラになるのよな。いい育ちなのに」

エリザード『あとホラあれだ。今はちょっと発表できないけども、コロナ騒ぎが一段落したらな?こう王室から大々的にキャーリサとの、なっ?分かるだろ?』

騎士団長「外堀埋めてんじゃねぇぞババア!無理に押しつける方がパラハワだろうが!」

建宮「つーかなんでお前さんは嫌がるのよ?キャーリサ様はやり方間違ったけども、堅い信念と覚悟もった良い女なのよな?」

騎士団長「まぁ否定はしない。私も尊敬できる上司であり同志でもある――が!」

騎士団長「人喰い虎が常駐している家はホームではないと思うんだよ。アトラクションとしては楽しいのかも知れないが」

建宮「安らぎがほしいのよな」

エリザード『次はー?あぁ……クソガキどもは学校へ行け!お前たちが遊んでいる間にもライバルは勉強しているんだぞ!』

騎士団長「ちょっと何いってるのか分からないな」

建宮「グレ○さんなのよ」

騎士団長「ちょっと何いってるのか分からないかな!あなたも空気読んでほしいよね!」

エリザード『アレだぞー?相手を見てケンカ売ってる人間は大体嘘吐きだからなー?』

建宮「微妙にイギリスには言われたくない台詞なのよ」

騎士団長「我々は、あーっと、ちょっとしたイスラエルと思ってくれても……」

建宮「全周囲敵か潜在敵なのよな」

エリザード『――そろそろ番組の最後だが重大発表がある!刮目して見ろ貴様ら!』

建宮「……嫌な予感しかしないのよ。止めなくていいのよな?」

騎士団長「いやぁ、腐っても陛下は第二次世界大戦を戦い

エリザード『譲位しまーす。来年度からレッサー=チャンさんが国王でーす』

騎士団長「――殺ったんぞグラアァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」 バタンッ

建宮「そりゃキレるのよー。無限の選択肢の中でハゲ王子に後継がせるレベルの暴挙なのよな!」

エリザード「『ハッピー・ハロウィーーーーンッ!』」 パーンッ

騎士団長「よしそこに直れ!首切り人は伝統通り適当に見繕ってやるから!」

エリザード「【ドッキリ大成功!】のシーンなのにおこ!?いやまぁぶち切れる気持ちが分からんでもないがな!」

騎士団長「おっとこんな所にカーテンロープとフックが」

エリザード「助けろアフロ!目の前でゲコクジョーが起きようとしているんだぞ!?」

建宮「血みどろドロドロのイギリス王室の歴史に新たな伝説が加わるのよ。目撃者になれたのは幸運としかいいようがないのよな」

エリザード「あれ?お前も年齢的にはキャーリサの婿になれるよな?流行りの国際化で支持率も上がるし」

建宮「――ちょっと待つのよ!それ以上の暴虐はおてんとさんが許してもこの俺が許さんのよなっ!」

エリザード「そんなにか。そんなにも次女は嫌われているのか」

騎士団長「そしてアフロお前散々俺に聞いてただろ。悪くないよ的なニュアンス込めて」

建宮「俺だって家庭の中には安地がほしいのよ!俺だけじゃなくて全ての男の望みなのよ!」

騎士団長「と、いいますか。今の言いようだと建宮と陛下は……?」

エリザード「あぁ、すまなかったな。私も悪ふざけが過ぎたというか、ハロウィンのドッキリだ」

騎士団長「そうでしたか……ついに老いが始まったのかと」

エリザード「言葉を選ぼうか?貴様らババア連呼しやがってたけど、もうダメだぞ?おこだからな?」

エリザード「まぁ、アレだよ?お前には色々と心労をかけているからに。キャーリサとか、あとキャーリサとか、他にキャーリサのこととかな?」

騎士団長「……人としては尊敬できるんですがね。陛下も殿下も」

エリザード「お義母さんって呼んでもいいんだぞ?」

騎士団長「超お断りしますねこのババア」

エリザード「まぁそのぐらいのユルさでやってくれて構わん。アホ次女には力の抜き加減というか、緩さが無かったが故に暴走した訳だ」

エリザード「公の部分だけでいいからこれからも付き合ってやってくれ、頼んだぞ?」

騎士団長「――ハッ!身命に変えましても!」

エリザード「よーしよし。お前もご苦労だったな建宮、褒美その内とらせるから下がっても構わんぞ?」

建宮「いや……あの、陛下さんよ?お前さんはこの放送機材、どうやって用意したのよな……?」

騎士団長「カメラ一式そろっているな。こんなご趣味をお持ちだったのですか?」

エリザード「ぁあこれはウロチョロしてたキャーリサの部下に頼んだものだ。若いだけに意外と使えるな」

建宮「……もしかして?」

エリザード「レッサー何とかだった」

騎士団長「どうしたんだ建宮?顔色が悪いようだが」

建宮「いや、これ全部生配信されているのよな……ッ!!!」

エリザード・騎士団長「――え?」


-終-
(※邪悪なオチです。ご応募ありがとうございました)



――ケーキ屋

店員「いらっしゃいませこんにちは!ご予約の上条刀夜様ですね!」

刀夜「はい上条ですが……名前、言いましたっけ?苗字欄しかなかった筈なんですが」

店員「予約されていたのはモンブランハロウィンスペシャルが三つでお宜しかったですか?」

刀夜「あっはいそうですけど。質問に答えて頂けませんか?」

店員「ではこちらがお品物に――あれ?前に以前どこかでお会いしました、よね?」

刀夜「そうだったんですか?すいません、記憶にないみたいです」

店員「もうっ忘れちゃったんですか!前に、ホラ!あったじゃないですか!」

刀夜「あーすいません。忘れてしまっているようで、どの場所だったかを伺っても?

店員「二週間前に、こ・こ・で☆」

刀夜「ケーキ予約したときだよね?カウントしていいのかなそれ?」

店員「あ、これ私の気持ちです!」

刀夜「違うよ?私が注文したケーキだよ?」

店員「そんなっ!?モノだけが目当てだったんですねっ!?」

刀夜「そうだよ?正しくその通りだね?」

店員「クリスマスの予定は空いてますから……奥さんと息子さん、急な事故とかに遭わないといいですよねぇ」

刀夜「助けて詩菜さん!?今回ばっかりは私が悪いんじゃないよね!?」

店員「待っててください!法律的にもあなたを直ぐフリーにしてみせますから!」

刀夜「『――あ、もしもし?いつもお世話になっています上条です、この間はありがとうございました。はい』」

刀夜「『それでですね通報を……えぇまたなんですすいません。お手数ですがフルセットを、GPSの住所をにまで。はい、はーい、お願いしまーす』」

店員「警察……あたしのことは遊びだったんですか!?」

刀夜「まだ始まってもねぇよ」

……

刀夜「――さて!警察の事情聴取も無事終えたことだし!さっさと帰って愛しの家族を――」

アンジェレネ「し、シスター・アニェーゼぇ……こ、ここはどこなんでしょうねぇ?し、指定された場所とは違うようですけど……」

アニェーゼ「落ち着いてくださいなシスター・アンジェレネ。たかが数時間遅れただけじゃないですか、それだけで職務放棄する方が悪いんですよ」

アンジェレネ「そ、それは致命的なような……」

アニェーゼ「しかしまぁ確かに困っちまいますね。このまま野宿する訳にも行かねぇでしょうし」

アンジェレネ「じゃ、ジャパニーズはチョロんじゃなかったんですか?」

アニェーゼ「いいえ、それはあくまでも特定の血族がそうだって話ですよ。国は違えでもマニアは一定数存在するのです。それが世界の理ってぇもんです」

アンジェレネ「ほ、滅びた方がいいんじゃないかな」

アニェーゼ「ですんでここは待ちの一手で、アホが引っかかるまでは体力を温存する方向で」

刀夜「そこのお嬢さんたち?何か困りごとでも?」

アニェーゼ・アンジェレネ「――カモ、発見……ッ!」

……

上条「指定された住所は……もう少しか。随分いいところに家買ったな」

上条「実家を爆破されてから帰省するのは初めてかー。つーか何気に父さんしか働いてないのに稼いでるよな」

上条「マス○さんやひろ○さんがカチグミ・サラリマンだっていうのに……!ハゲ散らかした父さんは上だったなんて……!」

詩菜「あらあら当麻さん。家の前で刀夜さんの悪口を言っちゃいけませんよ」 ザックザック

上条「ただいま母さ、ん?」

詩菜「どうしたの?あ、大きなお家でビックリしちゃった?やぁねぇ、誰に似たんだか小心者で」

上条「いやそれにも驚いてるけど……」

詩菜「ここね、土地付き家付きでとてもお安かったのよ?リフォームしたから新築同然だし」

上条「あぁそういう。いや驚いたよ、なんかちょっとした豪邸だったからローン大丈夫かなってさ」

詩菜「それがねぇ。全部合わせて軽自動車一台分ぐらいでいいって」

上条「大丈夫?それ別の意味で大丈夫ではないよね?事故物件か瑕疵案件だよね?」

詩菜「そうねぇ。たまに女の人の声がする以外には問題ないわねぇ」

上条「『――あ、もしもし闇咲さん?うん、悪いんだけど建物の除霊をお願いしたいんだ。前に貰ったクーポン使えるっけ?』」

詩菜「当麻さんったら子供ねぇ。オバケなんかいないわよ?」

上条「そう、なんだけどまぁ、なんつーかこの世界の設定、公式含めてフワッフワしてっからさ?念のためっていうか」

上条「まぁ豪邸なのはテンション上がるけど、母さんは庭で何やってんの?本格的なスコップで穴掘ってっけど」

詩菜「墓穴よ?」

上条「――さぁ!ただいま母さん!あなたの息子が帰ってきたんで俺は何も見てないから帰ってから続けてくださいね!」

詩菜「ホント誰に似たのかしらねぇ。都合が悪くなると大きな声出すし」

アニェーゼ「あ、お帰りなさい兄さん。先に部屋割り決めちまってますけどいいですかい」

アンジェレネ「わ、わたしたちは二階がいいなって思うんですけど、どうですかねぇ?」

上条「――母さん、幼気です……ッ!!!」

詩菜「妖気ね?鬼太○さんか奇異太○さんのアホ毛が反応するのね?」

上条「くっ……!闇咲じゃなくて青ピと土御門と海原と一方通行を呼ぶべきだったか……ッ!」

アニェーゼ「選択肢の多さに戦慄します。兄さん加えて戦隊できるじゃねぇですか」

アンジェレネ「ふ、不健全戦隊ロ×ペ×ダー」

上条「大体内容は分かるわ!どうせ薄い本だろ!?」

アニェーゼ「前にとあるアホが『ロ×探偵ロ×ィ&ペデ×』って企画を持ち込んだそうですが、ボツったそうです」
(※実話です)

上条「邪悪だからな!そんな文化滅びてしまえ!」

詩菜「あら、当麻さんダメよ?乱暴な言葉は新しい妹が真似しちゃうでしょう?」

上条「――気をつけろ!精神攻撃型のスタン○使いの攻撃を受けてるみたいだ!」

円周「そうだねっ!こんなとき『上条当麻』だったらきっとこう言うんだよね……ッ!」

円周「『――なぁ、熱膨張って知ってるか……ッ?』」(※ドヤ顔で)

バードウェイ「おっ、一回目のやつだな」

ヘルカリア『グッドな台詞です。スーパーマンは日系人を愛しますか?』

上条「母さん!幼気が偉い勢いで上昇しています……ッ!!!」

詩菜「良かったわねぇ当麻さん。これも刀夜さんが頑張ってくれたお陰ですよ?……元凶とも言うけど」

上条「一体何があったっていうんだよ!?平和なウチに何が!?」

詩菜「――そうね、あれは私が学生時代、刀夜さんの幼馴染みに向って『幼馴染みは負けフラグ!人型戦車になるがいいわ!』って」

上条「巻きで頼むわ。さっきから誰が俺のケツをツンツンしてっから」

詩菜「拾ってきたの」

上条「道で!?受け入れる母さんもどうかしてると思うな!?」

詩菜「前から女の子が欲しかったのよ。あ、決して当麻さんに不満がある訳じゃなくてね?」

上条「ポジティブ過ぎないかな?」

詩菜「どうせ刀夜さんが余所の女に騙された子でしょう?」

上条「ネガティブにも程があるな!せめて中間ぐらいで丁度いいと思うよ!ほら笑って!母さんの笑顔が好きだな俺は!」

詩菜「良かったわね、当麻さん。あなたが欲しかったお姉さんじゃないけれど、姉妹が一気にいっぱい……!」

上条「うん、そういうんじゃないんだ。違うんだ母さん。俺のは癖(へき)であってだ」

バードウェイ「あぁ”不幸”で爪弾きだったもんな。可哀相に……ククッ」

上条「人の不幸を笑ったね?いやもうなんか笑うしかねぇけど、せめて俺のいないところでやれよ」

円周「お兄ちゃん、お風呂入ろ?ねっ、何にもしないから!私からは絶対にしないから!ねーってばぁ!」

上条「お前いつも思うんだけど作品間違えてね?わから×系サキュバスの一種だよね?前アホ統括理事長の寄生先っていうか」

詩菜「今夜――お赤飯ね!」

上条「やかましいわ!?母さんにだってツッコむけどもっと疑え疑え!父さんに浮気できるほど度胸はないって!」

詩菜「……いい、当麻さん?この世の中には不思議な出来事があるんですよ?」

上条「つまり?」

詩菜「……酒の勢い?」

上条「実の母親からそんな生々しい話は聞きたくなかった!」

アニェーゼ「そしてつまり、ここでその話が出るってぇことは、ですね」

アンジェレネ「え、えーとぉ……あ、あーっ!そ、そういうのですかっ!い、勢いで!」

上条「ウルッセェな違法ロ×ども!?取り敢えずo-hanashiがあっからこっち来いや!」

……

上条「よし、全員正座」

バードウェイ「やれ」

円周「はーいっ!折るねーっ!」 ギリギリギリギリッ

上条「あだだだだだだだだだっ!?能力じゃなくて純粋な暴力だから『右手』関係ないのか!?」

アニェーゼ「ほーらもっと力を入れないと折れっちまいますよーポキっと。抵抗しないとー」

上条「ドSしかいないってなんなのさ!?普通は一人ぐらい止めるでしょうが!」

ヘルカリア『あなたは何が目的なのですか何故?』

アンジェレネ「『ご、ご褒美ですよ』って言って伝わるかな……ゴ、ゴホービ、おーけー?」

上条「ヘルカリアはその○グループ謹製の翻訳機捨てようぜ?えっと……あぁほらボス、多分ヒンディー語に翻訳を」

バードウェイ「オーケー任せろ――『私は子供を分から×ようとして分から×れるのが大好きなヘンタイです』」

上条「あれ?『分からせる』って別に伏せ字にする必要はないような……変な意味が付いちまってるけど」

上条「つーかお前らなんでいやがんだよ!?俺が唯一羽を休められる実家まで押しかけてくんなや!?」

アニェーゼ「あぁいえ、こいつには深い訳がありましてね。最初は『ハッピー・ハロウィーン!』的な主旨で集結したんですが」

アンジェレネ「で、ですっ!」

上条「……もう目的を達してるよ?だって引くぐらい驚いてるもの」

アニェーゼ「ですがママさんに歓待されてる間にこう思ったんですよ――『タカれるだけタカった挙げ句、出来る限りの財産分与を強した方が得だな』って」

アンジェレネ「さ、流石シスター・アニェーゼですねっ!」

上条「おいそこのちびっ子ギャングども。お前らには帰る場所あるだろ。大分煤けてる上、リリースするのはどうかなって俺も思うぐらいだが」

バードウェイ「今だ!泣き脅しをすればなんとかなりそうな雰囲気だぞ!」

円周「おウチに帰ったら……血の繋がってない親兄弟から無理矢理実験を強いられて……!」

上条「ノーノー、お前は被害者違う。ソーヤ○一家の方」

ヘルカリア『ママは最近新しいパパの話をします。吊り橋効果ってなんですか?』

上条「まぁ家庭環境に問題あっけど!なんぼなんでもお姉さんスキーでも越えてはいけない一線ってあるわな!」

アニェーゼ「後手、上条名人引きに入ってますね。これはどう見れば?」

バードウェイ「『年上だって限界があるし二次元じゃねぇんだから人妻はマズいだろ』だな」

アンジェレネ「あ、あぁじゃあ上条さんパパなんかにご紹介すればいいんじゃないんでしょうかねぇ?」

上条「父さんが奇妙な果実になるよ!ギャグじゃなくて真実の意味でね!」

刀夜「――お、当麻!部屋割りで妹達とモメるんじゃないぞ!お兄ちゃんなんだからな!」

上条「何やってんだよ元凶!つーか土臭ぇわ父さん!?」

刀夜「これはね、ハロウインドッキリでゾンビのように甦ろうとしたら、詩菜さんが途中からやや本気で埋めにかかったんだ」

上条「俺は実母の犯罪現場に立ちあっちったのか……!」

刀夜「でももう心配さ!私の愛が詩菜さんに通じたからね!」

上条「そこそこ長年寄り合ってるのに、結構な頻度でボコられるってのは信用されてない証拠だよな?」

刀夜「――愛とは、詩菜さんみたいな聖人でも容易く変えてしまう、ということだね」

上条「真剣で殴りかかってくるか電柱持って殴りかかってくんのか。碌なもんじゃねぇよ聖人」

上条「つーか全員責任持って元あったところに返してきなさい!ヘルカリアはお母さんいるんだからネタに付き合わせない!」」

刀夜「まぁいいじゃないか細かいことは!妹が何人いたって困ることはないよ!減らないしね!」

上条「シスター二人組に関しては人助けだし、善悪で言えば限りなく善っちゃ善なんだが……」

刀夜「だろう?それにホラ、なんだったかゲームで流行っているって効いたよ?」

上条「知らないよ、ゲーム?ソシャゲーは星の数ほどあっけど、どれの話?」

刀夜「シスタープリンセ○だっけ?」

上条「今度は読んでる人が知らねぇよ!?何年前のコンシューマーゲームだと思ってんだ!?」

アニェーゼ「まぁ私らシスターなんで合ってるっちゃ合ってますね。シスターがプリンセスするゲーム」

バードウェイ「修道女の”sister”だな。良かったなシスタースキー」

上条「ウルッセェな!?包容力の皆無なシスターさんなんてただのレイヤーさんなんだよ所詮はな!」


-終-
(※とある世界では年齢低いほど大抵逞しいですが。ご応募ありがとうございました)



――ロンドン某所 アジト

ランシス「お題……誰かがもうメンバーの一員じゃなくなった件について……ッ!」

ベイロープ「やめなさい。えっと、まぁ大人の都合というか、いっちょ噛みしているおバカのせいっていうか」

フロリス「まー確かにそんなに仲良しこよしっつー関係でもなかったケド。自然崩壊するサークルの一歩手前ジャンね」

ベイロープ「適当な賑やかしで、かつフットワークと頭の軽いもとい柔軟な人材が求められた以上、レッサー以外に適役が、ねっ?ジャンケン大会で日本に行ったでしょ?あれと同じで」

フロリス「ヨシ!じゃあ新メンバーの募集賭けようゼ!強くなくてもいいから仲間を裏切らないヤツ!」

ランシス「……まぁ、いいかなー……裏切らなければ性別不問、男の娘までは我慢する……」

ベイロープ「そんなにホイホイいるような存在じゃ……ま、誠実さは必須よね。最低限筋を通す的な」

レッサー「――大変です皆さん!危険がピンチですッ!」 バタンッ

フロリス・ランシス・ベイロープ「来やがったな元凶」

レッサー「私の陰口で盛り上がるよりも!もっと世界がピンチなんですってばいやマジで!」

フロリス「それ知ってんだったら外で聞いてただロ。そして別に本人がいたところで直に言うから同じだワ」

レッサー「そんなことよりもこれ!このペーパーを読んでください!」

ベイロープ「今まで特に使ってこなかった英語キャラ……?」

ランシス「深い意味はない……どうせレッサー……」

レッサー「本当にヤベーんですって!まずは見てから!」

フロリス「見っけどサ。あーナニ?雑誌の切り抜き?」

○少年サンデ○・名探偵コナ○の人気エピソードランキング
1位 灰原回(黒の組織との再会) 33,171
2位 安室回(密室にいるコナン) 19,738
3位 安室回(ギスギスしたお茶会) 18,132
4位 灰原回(黒の組織から来た女1) 12,974
5位 安室回(暗号に隠された秘密) 12,278
6位 灰原回(黒の組織から来た女2) 8,988
7位 佐藤・高木回(命を賭けた恋愛中継) 8,410
8位 安室回(緋色シリーズ) 6,803
9位 原回(甘く冷たい宅配便) 6,726
10位 赤井回(緋色シリーズ) 5,322

ベイロープ「本当に関係ないわね!?まぁ言わんとすることは分からないでもないけど!?」

レッサー「つまりこれは――サンデ○読者がロ×かショ○である可能性大……ッ!!!」

フロリス「合ってるけど違うワー。票数が全てを物語ってっケドもソーユーこっちゃないワー」

レッサー「ロ×ペ×が灰○さんに、腐が安○さんへそれぞれ振った結果かと思われます!」

フロリス「うン、だからナ?そこは男性ファン女性ファンってボカそうゼ?真実を言ったところで誰が得する訳じゃネーヨ」

ランシス「……あれ……?えっと……名前忘れたけど、あの人は……?」

レッサー「あぁ分かります分かります!えっとなんか急に名前は出て来ないんですけど、アレですよアレ!GS美○の中間管理職!」

ベイロープ「誰が知ってんのよ?『蘭ねーちゃ○さんはGS美○の小竜○様と中の人一緒』って誰が分かるのだわ」

ランシス「゛むしろそれで……正ヒロイン役に抜擢された説が……」

フロリス「ナーこの下りいるカ?ワタシらがなにやってっかって現状報告も兼ねてっけど、いるカ?」

レッサー「だがしかし私は声を大にして言いたい!コナ○君さんだけがクローズアップされて居る中、椎○先生はもっと凄いんじゃねぇかと!」

フロリス「あ、分かったぞテメー。このままズルズルと尺だけ稼いで本編させねーってハラか?オ、ア、コラ?」

レッサー「何を仰いますか!某国ではパッソポー(※巻き舌)にMF(male・female)表記だけではなく”X”が採用される時代になったんですから」

ランシス「なんか格好いい……ぶっぱするとき『X!』ってエフェクト入りそう」

ベイロープ「まさか身分証明書でギャグかっ飛ばすとはね。レッサーみたいな子って意外と世界中に散らばってるの……?」

フロリス「あ、分かったテメーら。全員がグルだナ?そうなんだロ?ナァ?」

レッサー「……くっくっくっく!よく見抜きましたね、我々は生まれこそ違えでも死ぬときは一緒と誓ったピーチ・ガーデンの仲……ッ!」

フロリス「それ一番踏みにじってんのオマエじゃね?具体的には下請け」

レッサー「なのに!どうしてあなただけが一人ノコノコとヤポンへ行けると思ったのですか!!?」

フロリス「話聞け、ナッ?都合悪くなったら声デカくしても説得力は出ネーぜ?」

レッサー「宜しい!ならはかかってきなさい!我ら三人の友情を見せてくれましょう!」

ベイロープ「数に加えないで」

ランシス「……てか、あれ?レッサー、別の企画で日本行くって言ってた、よね……?」

クルッ

レッサー「――さっ、バレたとあっちゃプランBで行きましょう!なーに戦力は2対2のイーブンです!」

フロリス「オマエもう帰れヨ。ある意味正しい形でこれ以上なくイギリス魂の体現してっけどモだ」

……

フロリス「――さて、日本まで来ちまったケド。あー……どーすっかナー。アホに関わってたら便一本逃しちまって予定とズレたナー」

フロリス「深夜っー訳じゃネーが……マ、いいか。行けばなんとかなんだろ。ウン」

フロリス「……ン?マンションの前に、なんだ?サークル?ギャングの集会か?」

カンカンカンカンー

10032号『そこまで。ミサカ19991号の勝利だとミサカはジャッジを下します』

19991号『中々手強い相手でしたね、とミサカは相手の健闘を讃えます』

12234号『ありがとうございます、あなたも中々でした、とミサカは勝者に敬意を払います』

フロリス「……ホントになにやってんだヨ!?」

14548号「おや新たなエントリーですか?とミサカはお客様の対応をします」

フロリス「ヤ、なんつーか、えっと、何やってんの?大昔のヤンキーっぽく、サークルになって殴り合い?」

14548号「いいえ殴り合いだなんて野蛮なのです、お姉様とは違うのですよ、とミサカさりげなくオリジナルをdisります」

フロリス「いや知らねーシ!まぁなんか有名になった子らってのは知ってっケド!そーじゃねーヨ!?」

14548号「ですからミサカたちは吶喊する順番を決めるため、あっち向いてホイ大会を開催中なのです、とミサカは説明します」

フロリス「この人数でカ!?100人はいるゼ!?」

14548号「全員で押しかけてしまっては流石に失礼ですよね、とミサカは常識を披露します」

フロリス「どこ行くか大体検討つくケド、どっちかって言えば他人様の住居前でレクリエかます方が非常識じゃ?」

14548号「おっとあんなところにゲコ太が!とミサカは都合が悪くなったので話題を打ちきりにかかります」

フロリス「全部が雑だワー。一緒の便で来たアホの子並に雑過ぎるワー」

10032号「ゲコ太!?どこなのですかとミサカは照会を求めます」

19991号「こんな夜に保護しなくては!とミサカはお持ち帰りする気満々です」

12234号「まさにカエルだけにお持ちカエル、なんつったりしちゃったりしてとミサカは爆笑必至のギャグをぶっ込みます」

フロリス「効果抜群だナ!?そして最後のヤツは間違って方向に成長してっから気をつけロ!悪い事言わネーからカウンセリング受けとケ!」

フロリス「……アァでも、全員の気が逸れたナ……今のウチに建物入っちまおう……」

……

フロリス「全体的に普通のマンション。『かかって来い魔術師!』とかイカレた落書きもネーシ……」

姫神(※黒セーラー)「……」

フロリス「てか来んのは初めて……カ?微妙にそこら辺はフワっとしてっケド。毎年やってる感がしないでもないんだが」

姫神(※黒セーラー)「……」

フロリス「そもそも……アーッと

姫神(※黒セーラー)「そこはサザエさ○方式だから気にしなくていいと思う」

フロリス「ア、普通に喋れんノ?!てっきり日本のアーバンレジェンド(都市伝説)かと思ったゼ!?」

姫神(※黒セーラー)「『ある男の話。男はとある観光施設でレジに並んだ。すると前に並んでいた女性がペットボトルを忘れていった』」

フロリス「オ、それっぽくなってきたゼ!どうせオチと同時に襲い掛かってくるパターンだナ!」

姫神(※黒セーラー)「『しかし相手は白人女性、対して男はニューホライズ○程度の語力しか持たないスライムベ○』」

フロリス「スライムベ○さんに失礼じゃネ?旅立ち直後の勇者が死にそうなるんだから、一般人相手ならアウトだろーシ」

姫神(※黒セーラー)「『でも男は頑張った。”Excuse me. Dropped something.”と全カリッジを振り絞り、ペットボトルを渡そうとした。すると――』」

姫神(※黒セーラー)「『――”オゥ!アリガトゴザイマース!”とまぁ普通の日本語でお礼を言って女性は去っていったそうな……ッ!!!』」
(※実話です)

フロリス「やめろ。全員が全員しょーもない尺稼ぎに走るんじゃネー」

姫神(※黒セーラー)「それは違う。今のは『あ。外人さん。怖っ』っていう私の気持ちを遠回しに表現してみました」

フロリス「そりゃこっちだゼ!?オマエも、その寄せに行ってるのかただの被害者なのか分からないヴィジュアルとか、ナッ?」

姫神(※黒セーラー)「『ふんぐるい・むぐるうなふ・くとぅるー・るるいえ・なぐるふたぐん』」

フロリス「ア、これ寄せに行ってるワー。自分の外見すらもネタにしてるワー」

姫神(※黒セーラー)「迷える少女よ。私からのアドバイスはただ一つ。時期を間違えるなと」

フロリス「だからサ、オマエなんなの?登場する意味も分からないし、なんでここで都市伝説になってんの?」

姫神(※黒セーラー)「ハロウィンドッキリのタイミングを外し。『夜?夜っていってもいつ行ったらいいの?』と彷徨い続ける私のようになってほしくない」

フロリス「じゃあ行けヨ!?なんだったら一緒してやっから!ここで無駄に佇むよりか建設的ダロ!?」

……

姫神(※黒セーラー)「――そんな訳で我々は上条君の部屋の前まで来たのだった……ッ!」

フロリス「2メータージャン。エレベーター降りて歩いた距離ツーメター」

姫神(※黒セーラー)「……私に出来るのはここまで。あとは――任せて。行って……ッ!」

フロリス「そんなにカ?ハロウィンってそんなに緊迫感醸し出すカ?」

フロリス「テカ一緒にお邪魔すればいいだけじゃ……まぁいいわ、ローカルルールでもあると思えば」 カチ

姫神(※黒セーラー)「鍵は植木鉢の下の皿」

フロリス「なんで知ってるのかこえーケドもサンキューな!」

……

フロリス「お邪魔しまーす……?オ?真っ暗?早くね?」

フロリス「マーいいゼ。ハロウィンドッキリをしよ――……」

フロリス「……ドッキリエグいな!?どこの世界にンなドッキリ敢行するアホがいんだヨ!?レッサーか!?」

フロリス「………………レッサー……?」

フロリス「ちょっとマテ……アメリカのX政策といい、オーカスのgdgdっぷりといい、世界がレッサー化してる、ダト……ッ!!!」

???「うーん……」

フロリス「――ッ!」

???「うるさ…………――よ……ぐー………………」

フロリス(ベッドで寝てる……ナ?つーかベッド以外に寝るとこネーシは。普通は)

フロリス(マーマーマーマー、アレだヨ!えっと、マードッキリだしナ!うン、まぁナ!)

フロリス(相手が起きないor勢いでやっちまえっつーときは、まぁノリで!それはそれで事故っていうカ仕方がないっていうかナ!)

???「ぐー……」

フロリス「(つーことでよく眠ってるみたいだシ……アン?)」 ペタペタ

フロリス(なんか……思ってたのと違うナ?プニップニっつーか、ビーズクッション?手に馴染むワー、際限なくフィットするっつーカ?) プニプニ

フロリス(前にダイブしたときはベッキベキとは言わないけど、ベキぐらいの堅さはあった、ヨナ……?) プニプニ

フロリス(メタボのおっさんだってもうちょっと――いや他も柔らかっ!?筋肉ついてのかっつーかぐらいの!)

フロリス(あ、デモ口腔筋だけ異常に発達してル……?サメ?サメなの?草食系男子が多い中で肉食系?)

??? ガバッ

フロリス「オオゥッ!?」

インデックス(???)「もー、眠いんだよ私は!ほんじつの業務はしゅーりょーしたんだから、とらぶるは明日にするといいのかも!」

フロリス「なんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっでダヨ!?あれ部屋間違った!?都市伝説女の仕込み!?」

インデックス「あとまっさーじは気持ち良かったんだよ!ありがとうね!」

フロリス「ど、ドーモ?マッサージ、ではないんだケドもだ」

パシャッ、ピロリロリーン

フロリス「あン?」

上条「――いいと思います!女子が女子に愛する――つまり被害者なんで誰もいなかったってことだな……ッ!!!」

フロリス「ちょっと何言ってるのか分からねーヨ。あとカメラこっちに向けンナ」

上条「なぁ知ってるか?この国では同性の結婚がまだ認められていないが、同性が同性にチョメチョメするのはちょっと前までただの傷害だったんだぜ?」

フロリス「強制はナ?そして意味合い違くネ?だからオーケーみたいな感じじゃねーゾ?」

フロリス「つーかオマエどこいやがった!?ベッド一個しかねーのニ!?」

上条「フッ、俺ぐらいの紳士になるとな!男女が同じ部屋で過ちを犯さないよう、風呂場で眠るもんさ!」

フロリス「部屋別に借りれば?紳士力の発揮する方向間違えてネ?」


-終-
(※オチは「ベッドの下のビリビリさん(仮名)と目が合った」にしようかと思ったのですが自重しました。ご応募ありがとうございました)



――とある高校 職員室

小萌「うーぬぬぬぬぬぬぬ……ッ!」

黄泉川「お疲れさまです。どうしたんじゃん小萌先生。この世の終わりみたいな顔してるじゃん?」

小萌「あ、お疲れなのです黄泉川先生。実はその」

黄泉川「へー、つまり上条が悪いじゃん?」

小萌「まだ切り出しもしてないのですよ!?まぁそうなんですけど!」

黄泉川「先生の悩みは大抵三バカか時々天然を炸裂させる姫神のどれかじゃんね。確率で言えば上条・青ピがダントツでほぼ二択じゃん」

小萌「まぁそうですし、今回の悩みもそうなんですけど……」

黄泉川「なんだったら聞くじゃん?ドーンと言ってみるじゃんよ!」

小萌「なんか最近黄泉川先生の生徒になりたいって少し思うのですけど……その、先生は統括理事長ってご存じなのですか?」

黄泉川「――と、思ったけど明日の授業の準備があるじゃん。ゴメンゴメン、その話はまたいつか聞くじゃん」

小萌「やっぱり知っていたのですね!?いつだったらアホ毛ちゃんと一緒に会ったヤッベェぐらいに美白な生徒ちゃんを!」

黄泉川「あー……ギャグで一回顔合わせしたじゃんねー……んで?一方通行が何かしたじゃん?」

小萌「まぁその、統括理事長自ら被告になるっていう前代未聞の自虐ネタをかましたのですが……呼び出しがですね、あの、ありまして」

黄泉川「――よし!ちょっとくら警棒で拡張してくるじゃん!カタキは取ってくるじゃんね!」

小萌「エ×犯罪ではないのですよ!?なんか前評判と大いに違って紳士的な肌白い子でしたし!」

黄泉川「そうじゃんね。いつかお風呂に入れたときもそんな反応だったじゃん」

小萌「おい犯罪者。年齢考えろ」

黄泉川「っていうのはジョークだとして!一体全体あいつが小萌先生になんの用じゃん?」

小萌「なんかこうアルカトラズみたいな超ハイテクっぽい牢屋まで連れて行かれまして――上条ちゃんの話があると」

黄泉川「……うん?上条が?」

小萌「私もそう思ったのですよ。『なんで上条ちゃんのお話が?』と聞いたところ、『学園生一人一人を大事にするのが理事長の勤めじゃねェ?』とエッラい熱い言葉が」

黄泉川「まぁ……そうなんだけども、絶対に信じられない台詞じゃんね」

小萌「詳しくは上条ちゃんの進級なのです」

黄泉川「あれ?留年確定したじゃん?どう考えても日数足りてないじゃん?」

小萌「まぁそうなんですけど!てゆうか私もどうにかしたいんですけど!そこを言われたのですよ!」

小萌「『――いいかァ?これは一般論であって具体的な話じゃねェよ?そこンとこ勘違いすンなよ?』」

黄泉川「相変わらず小萌先生中二演技は腹に来るじゃん……!」

小萌「『こォ、あれだ。学生ってェのは学業が本分。そりゃアそォだ。またガキなンだから勉強しろってェ話だわな』」

黄泉川「正しいじゃんね。恐らく万単位で『お前が言うなや』ってツッコミ入ったと思うじゃんが」

小萌「『ただその、なァ?別に勉強だけが全てって訳でもねェし、他にも評価のアレがあってもいいンじゃねェの、ってなァ』」

黄泉川「オイ何やってんだ白モヤシ。私情100%入りまくりじゃんし、ほぼ素人さんに絡んでるヤカラじゃん」

小萌「『だから、ほら、なァ?あれな感じで頼むわ、はーいお疲れェ』」

黄泉川「また露骨に手心を加えろって話じゃん。スキャンダルに……ならないじゃん。あれ以上に人格否定される話はそうそうないじゃんし」

小萌「私はどうすればいいのですかっ!?そりゃ確かに上条ちゃんは数字に表れるようなイイコではないのですけど!」

小萌「成績も良くないし提出物も殆ど出さない!授業態度だって悪――」

小萌「……」

小萌「――あれ?これ別に留年が妥当じゃ……?」

黄泉川「帰って来るじゃん小萌先生!みんな薄々そう思ってるけど、小萌先生は、小萌先生だけはその真実を直視しちゃダメじゃんよ!」

小萌「腐ったミカンを助けるために私の教師生活と引き替えに不正をしろと!?」

黄泉川「えっと……上条は、あー……世界を救ったからイーブンとか、そういう判断はできないじゃん?エレメント騒動んときもなんやかんやで活躍してたじゃん?」

小萌「あれはあれで後始末大変だったのですよ……!収まったあと、向こうの学校の意地悪な生徒ちゃんが全員アフロで見つかったり!『イラッシャイマセー』としか言わなくなったり!」

黄泉川「本当に学園都市って怖いじゃんね。中世ヨーロッパ暗黒時代でももっと秩序あったじゃん」」

小萌「そして謎の女子の大群に上条ちゃんが襲われていたというニュースも!未確認情報ですが!」

黄泉川「もう事件じゃんね。前に一回ドリルで傷害未遂も一回やってたじゃんし」

小萌「――で、最終的に私は統括理事長の意向を汲んだ方がいいのですか?そしてそもそも何が言いたかったのすら不明なのですよ!」

黄泉川「小萌先生、ここにサイコロがあるじゃん」

小萌「待つのですよ!?もう話に付き合うのが面倒になったからってドキドキ・サイコロゲーム☆で生徒ちゃんの一生を分かつ訳にはいかないのです!?」

黄泉川「だったらもう本人に振らせればいいじゃん?1以外だったら進級なら……ダメじゃんね。100回振っても100回分1出すじゃん」

小萌「前に……そう、『課題を提出できない理由』って土御門ちゃんが教えてくれまして。朝投降するときにトンビが上条ちゃんのバッグを奪う動画が……!」

黄泉川「もうそれで食っていけるじゃんよ。だってもう毎回100%の確率でやってくるんだからオイシイにも程があるじゃん」

小萌「……蜘蛛の糸ではないですけど、か細い望みがない訳でもないのです……!厳しいですけど!」

黄泉川「あー、小萌先生。あんま贔屓するのは良くないじゃんよ?一方通行もアレだけど、ここで一回休みになるのも経験じゃん?」

小萌「あ、じゃあ来年の担任は黄泉川先生が請け負ってくれるのですか?だったら安心なのです!」

黄泉川「――進級させよう!どんな手を使ってでも!」

小萌「センセー、語尾語尾−」

黄泉川「大体危機感が足りないじゃん!上条は今日もまたなんか女子に囲まれてヘラヘラしてたじゃん!」

小萌「ヘラヘラだったらまだ……上条ちゃんの場合、命のお値段がペットボトルよりも安い世界に確変するのですよ」

黄泉川「上条には危機感が足りてないじゃん!もっとこうあるじゃん!?」

小萌「えぇだからその、あんまり良くないのですけど一度こう追い詰めようと思うのです」

黄泉川「デスゲームは良くないじゃんよ?」

小萌「そんな発想するのです?どうして私がコネを持つと思ったのですか?」

黄泉川「そいじゃあどうするじゃん?」

小萌「えぇ、ですので――」

……

小萌「――と、いう訳で上条ちゃんにはプレゼントがあるのですよ☆はーい、はくしゅー、なのですー☆」

上条「ヤッベェなこの雰囲気!大宮アルディージ○のユニフォーム着て埼玉スタジア○来た感じだぜ!」

小萌「はいそこ不謹慎発言は控えるのですよ−。基本的に死人が出ないだけ日本のファンの子たちは大人しくてイイコちゃんですからねー?」
(※ミルウォー○。相手サポーターだけじゃなく審判やスタッフも襲撃される時代があった)

上条「あの、先生?弁護士的な方を呼びたいのですけど……」

小萌「事態は改善しないのですよ☆まぁ、座るのです☆」

上条「……はい。それで用って?」

小萌「えぇとですねぇ、今回のと言いますか、上条ちゃんは一年間頑張ったじゃないですか?」

上条「まだ終わってないです!なんで年度を締めくくるような飯田するんですか!?」

小萌「まぁ年度は終わってないんですけど、上条ちゃんの年度は終わったっていうか、パーティーが全滅したって言いますか」

上条「ま、まだだ!冒険の書が消えていなければやり直しができる筈ですよ!」

小萌「えぇですので、まぁその、残りの授業は病気療養ということにするとしまして」

上条「先生?あの、リアル過ぎる対応はやめてくれませんか?俺たちはあくまでも演者であってですね?」

小萌「なので、はい!前向きに行くのですよ!たった一年延びただけじゃないですか!」

上条「チョクショォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!やっぱそうか!なんかいつになく優しい目をしてたからそうだと思ったぜ!」

小萌「――と、いうのは勿論冗談なのです、冗談。しかしですね、これからは一度死んだ気になってリスタートする気持ちを忘れずに――」

小萌「――って上条ちゃん?聞いているの、です、か?」

上条「……」 スタッ、ガラッタタタタタタタタタタタタタタタタタタッ

小萌「ちょっ!?まだ話は終わってないのですよ!?上条ちゃん、上条ちゃーーーーーーーーーーーーーーん!?」

……

黄泉川「――大変じゃん小萌先生!上条のヤツが見つかったじゃんよ!」

小萌「あぁ……良かったのですよ!親御さんから預った大切な生徒ちゃんが……!」

黄泉川「使われてない体育用具入れじゃん」

小萌「あるのですか?エ×いゲームでよく出てきますけど、普通そんなもの放置しないのですよ?」

黄泉川「今、土御門達が説得に当たってるじゃん!さぁ早く先生も!」

小萌「分かりました!……って説得?なんで説得しているのですか?」

黄泉川「それがあのバカ……人質を取って立てこもってるじゃん!」

小萌「なんて事を!?これも私が冗談で追い詰めたせいで!」

黄泉川「あーいや、そこまで大げさではないじゃんが」

小萌「なんてこと言うのですか!?上条ちゃんには同情の余地が多々ありますし、私も原因の半分ぐらいは背負ってますけど!」

小萌「巻き込まれた生徒ちゃんに罪はないのですよ!言語道断なのです!」

黄泉川「生徒、ではないじゃん。少なくとも多分きっと」

小萌「それでは外部の方を巻き込んでしまったのですか!?……それじゃ内々で収めることも……うぅっ!」

黄泉川「外部っちゃ外部じゃん。ただまぁ口は堅いと思うじゃん。物理的に」

小萌「そ、それで人質になった方は一体……?」

黄泉川「ゲコ太じゃんよ」

小萌「なんて?」

……

上条「ウルセー近づくな!人質がどうなってもいいのか!?」

ゲコ太(ぬいぐるみ)「……」

小萌「あの……上条ちゃん?上条ちゃんの気持ちは分からないでもないのですし、私も悪かったのはそうなんですけど」

上条「先生!小萌先生だけは俺の味方だと思っていたのに!」

小萌「あぁうん、そういうのはいいですから。それよりもその、手に持っているのは……」

上条「ゲコ太だ!」

小萌「ですよね!見れば分かるのですよ!」

上条「俺はもう誰も信じないぞ!この世界を変えてやるんだ!」

小萌「あの、その聞いていいのか分からないですけど、どういう経緯でゲコ太ぬいぐるみを人質にしようと思ったのですか?」

上条「え?だって他人に迷惑はかけられないですよね?」

小萌「ですけども!もっとこう姫神ちゃんとか吹寄ちゃんとかいたのに!」

上条「な、なんて怖ろしいことを言うんだ小萌先生!可哀相じゃないか二人が!」

小萌「その正義感はもっと別の場面で発揮できませんか?今まさに現在進行形で上条ちゃんの頭が可哀相になっているのですよ?」

上条「俺が打ちのめされてフラフラ歩いていると、ショーウィンドゥにコイツが飾られているのを見たんだ!」

小萌「ま、まさか盗んだのですか!?」

上条「税込み二千八百円だった!」

小萌「ですよね!上条ちゃんだったらそうなりますよね!」

上条「店員さんは俺にこう言ったんだ――『あぁ良かった。この子売れ残ってたんですよね』って」

上条「つまりこの子は俺と同じなんだ!世間に見捨てられた俺と!」

小萌「情緒不安定なのです。そしてあまりにも痛々しいもんだから、誰もここには近寄ってすら来ないのですよ」

小萌「まぁ、そのですね?さっきのは先生が悪かったですし、留年もタチが悪いジョークだったのです。ですから、ねっ?立てこもってないで先生と話し合うのですよ?」

上条「それ以上近づくな!近づくと、えっと……」

小萌「上条ちゃん?あの、プランがあっさいのですよ?雨上がりにできるアスファルトの水溜まり並に底が超ペラいのです」

上条「ま、眉毛を描くぞ!」

小萌「それは好きにすればいいと思うのです。上条ちゃんの私物なのですから」

上条「ふ、服を自作してインス○に投稿するぜ!」

小萌「それも好きにすればいいのですよ。同好の士から”いいね!”貰えるのです」

上条「だったら最終手段だ!ウチの居候とチェンジすればアバババババババババ゛ハババ゛バハバっ!?」 ビリビリビリビリッ

小萌「上条ちゃん!?どうしたのですか急に落雷が!?」

御坂「――大丈夫?怪我はない?」

小萌「攻撃仕掛けた本人が!?」

御坂「これは仕方がないことなのよ!ゲコ太はあたしが守らないと!」

小萌「あ、これ話が通じねぇな。思い詰めた上条ちゃんと同じでやっべぇ目ぇしてる」

御坂「後は任せて!こいつもゲコ太もあたしがまとめて面倒見るから!」

小萌「傷害ですよね?上条ちゃんがご乱心していたのを多少加味しても傷害現行犯なのですよ?」

御坂「常盤台で臨時講師の仕事があるのよね。実績次第で正職員に」

小萌「あ、どうぞどうぞなのですよ☆上条ちゃんで良かったら好きにすればいいのです☆」


-終-
(※人質をゲコ太にするかミョル子さんにするか悩みました。ご応募ありがとうございました)



――オービット・ポータル芸能警備会社

レッサー「『――お題;異世界美少女受肉おじさ○がそのままだった件について』……ッ!」

鳴護「おじさん二人がそのまま異世界行っただけだよ。あと凄いペースでアニメ化したよね」

レッサー「あれ『まぁいいから一回F×××させときなさいよ!感謝の気持ちを込めてね!』って思うのは私だけでしょうか?」

鳴護「一応女の子なんだから放送コードに引っかかるようなワードは遠慮して欲しいかなー」

レッサー「くっくっくっく……!今開かされる衝撃の真実!実は私は異世界からこちらへ転生して性転換したけど宗教により改造不可能で癖(へき)が同性愛だったのです……!」

鳴護「一周回って元の場所へ戻って来てる!?『じゃあ好きにすれば?』以外の感想がないね!」

レッサー「あ、おはようございますアリサさん。ハバナイスデー」

鳴護「あ、どうもです。もう既にナイスなデーではなくなってきてるけど、ファインセンキュー?」

レッサー「ではアリサさんの合意も得られたということで!早速お仕事の話へ移りたいと思うのですが!」

鳴護「うん、取り敢えず全部話してくれるかな?当麻君に通報されたくなかったらだけど」

レッサー「『――そう、あれは私が夜中にコンビニへダッ○を買いに行ったときのことです。後ろからヒタヒタ、ヒタヒタとまるで付いてくるかのような足音が』」

鳴護「違うそうじゃない。誰も心霊話をひろって言ってんじゃない」

レッサー「『なんと相手はただの強盗だったのでフルボッコにして捨ててきました……ッ!!!』」

鳴護「正当防衛、かな?まぁ何事もなくて良かったけど、そうじゃなくて事情ね?なんであたしが巻き込まれているかを説明して?」

レッサー「いやそれがですね、えーとこちらの事務所から私にお仕事の依頼が来ましてね」

鳴護「どこかの政府転覆ですか?」

レッサー「HAHAHAHA!ナイスジョーク!まるで私がテロリストであるかのような物言いですな!」

鳴護「助けて当麻君!?今日あたし事務所付いてからツッコミしかしてないの!?」

レッサー「まぁ小粋なジョークはさておきまして、私に課せられたお仕事!それはズンバラリアリサさんのスキルアップです!」

鳴護「ズバリね?ズンバラリだと斬ってるから、こうサムライがスパッと」

レッサー「という訳ですのでのね、幾つか課題をこなしてもらうのですが、まずはこれです!手紙ドッキリ!」

鳴護「内容バラした!?しかもドッキリって最初に告知した!?」

レッサー「てかテレビのドッキリなんて90%はヤラセですよ!前に一言断っておくのが普通じゃないですか!」

鳴護「えー……」

レッサー「当り前ですよ!そうじゃないと警察呼ばれたり『大成功!』のタイミングで充分なリアクションが取れないじゃないですか!」
(※例外;水曜日のダウンタウ○で具志堅用○さんがドッキリしかけられて警察呼んだ)

鳴護「まぁそうだけども!でも気づいてレッサーちゃん!あなたの目の前にいる人がバラドルではなくシンガーソングライターだってことを!」

レッサー「あ、どうも初めまして!レッサー=チャンと申します!幽霊さんにお会いしたのは初めてですね!」

鳴護「何が何でも人を認めない姿勢ってどうかと思うな!そういうトコだよ!」

レッサー「んなこたぁどうでもいいんですよ!アリサさんもプロなんですからユーザーに求められるだけの対価を支払わないと!」

鳴護「音楽ならね?ドッキリのリアクションは専門外にも程があるよ?」

レッサー「ヘイパース!開けるてバタバタ音が出る謎の封筒キャッチミー!」

鳴護「あ、うん」

割り箸と輪ゴムで作ったの『……』 バタバタバタバタバタバタバタバタ

レッサー「……」

鳴護「……あー……」

レッサー「何やってんですかリアクション薄いですよ!?」

鳴護「無理だよ!?だって事前に予告したあるんだから『あぁ、そう……?』で終わるもん!」

レッサー「あーダメですダメダメ。そんなヌルいリアクションしかできないんだったから、『ARISAのえ、ドッキリ!?ライブが大喜利大会だった!?』イベントが中止になるんですからねっ!?」

鳴護「今なんて?とてもとても聞き逃せない邪悪なこと言ったよねぇ!?」

レッサー「あぁはい最終的にはですね、コンサートと称してアリサさんを騙し、お笑い演芸大会で笑いを取って頂こうかと」

鳴護「だから何で言うの!?百歩譲ってそのイベが事実だとしても、今言っちゃったら意味無くなるよねぇっ!?」

レッサー「すいませんアリサさん、今よく聞き取れなかったので『今イッちゃたら』からもう一回リピートして貰えませんか?」 ピッ

鳴護「ちょくちょくセクハラを挟んで来るのはなんなの?どこかに転売用?」

レッサー「ですからあなたはプロの自覚が乏しいのですよ!今ドームを満員にできるのは中々いないんですからね!?」

鳴護「あぁ……ドームでするんだ……?あたし一人のリアクションを見るためにそこまでするんだ……?」

レッサー「待ってなさい!今リアクションマン一号を呼び出しますから!ヘイッカマン一号!」

上条「――やぁ、リアクションマン一号だよ!」

鳴護「うん、意外性はないかな。てゆうか事務所へは一緒に来たしね」

レッサー「いいですかー?今から彼が数々のリアクションを見せますから!あなたは最低でもそれができるようにしておいてくださいね!」

鳴護「努力はしてみるけど当麻君次第かなー」

レッサー「ではまずバタバタ鳴る封筒、レエェェェェェェェェェッ・リァクショッ!!!」

上条「『あれなんだこの封筒?インデークス……は、いないな。えーと、上条当麻様宛だな』」

鳴護「こんなに喋る人っている?封筒だよね?直ぐ開けるかあとで開けるかの二択だよね?」

レッサー「いえ!そこはそれ手品と一緒ですよ。視聴者に分かりやすく現状を説明し注意を引く、所謂”溜め”の部分ですな」

上条「『あ、もしかしたらこの間振り込んだ還付金が来たのかも!ラッキー!たった一万円を振り込んだだけで倍になって返ってくるなんて!』」

鳴護「リアクションが痛いよ!別の意味で刺さってくるよ!」

レッサー「見てくださいアリサさん!匠にしかできない注意喚起と自虐ネタ!あれが出るまでには実に17年のキャリアが必要ですな!」

鳴護「奇遇だよね。あたしの知ってるラノベも丁度そのぐらいやってるし」

上条「『よっしゃ!じゃあ開けて――うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?』」

割り箸と輪ゴムで作ったの『……』 バタバタバタバタバタバタバタバタ

上条「『いやっ!?なにっ!?なにこれ怖っ!?マジで!?何すんだよチクショーっ!?』」

鳴護「いやだから、こんなに騒ぐ?人がもっと驚いたときには”無”になるよね?」

レッサー「注目すべきところではそこではありませんよ!ギャーギャー騒いでいるときにも体感は動かさずカメラブレが少ないように留めています!」

鳴護「だからなに?」

割り箸と輪ゴムで作ったの『……』 バタ、……バタ……シーン……

上条「『……』」

鳴護「あ、終わったね。てゆうか固まってる?」

レッサー「またこれも”溜め”です。ここで注意を引いておくと、見てる人は『次はどうするんだろう?』って思うじゃないですか。そうしてから」

上条「『なにしやがんだグラァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?』」

上条「『またか!?また騙してくれやがったのか!?チックショー!今度は大丈夫だと思ったのにぬか喜びさせやがって!』」

上条「『もう騙されないからな!お前らの悪ふざけには通用しないんだから!覚えとけアホども!』」

レッサー「素晴らしい!この三段ツッコミが出来ようになればその道のプロと言っても過言ではないでしょう!」

鳴護「うん、だからね?ここまで長文をペラペラ出せる人っているかな?いないよね?ビックリしたんだったら余計にね?」

レッサー「まぁ今のは若手芸人のリアクションであって、これがジャニー○や歌手だともう少し大人しめになりますが、まぁアリサさんはこれでやってみてください」

鳴護「シンガー……あたし、あの、若手だけど芸人さんじゃないです」

……

レッサー「では続きまして応用編です!これを乗り切れば免許皆伝と言えなくもないですよ!」

鳴護「あの、先生?当麻君のリアクション芸が予想を上回って面白いので、もっと続けませんか?一周回って凄く楽しくなってきました」

レッサー「残念ですがリアクションマンの体力と何より尺にも限りが有ります。私が冒頭でダラダラ喋って圧迫しています」

鳴護「削れば?何の意味も無い会話を削ったらいいんじゃない?」

レッサー「ではリアクションマン一号!『――あ、すいませーん、ちょっといいですかー?』」

鳴護「唐突に始まったよね。事務所なのに路上設定で」

上条「『あっはい、なんすか?あ、カメラ?これテレビなんですか?』」

レッサー「『そうなんてすよー、今ちょっと路上で芸能人好感度調査してましてねー、誰か好きな人とかいます?』」

上条「『あぁARISAですね!グラビアとかよく見てるっす!』」

レッサー「『あ、やっぱりおっぱ×が?』」

上条「『そうっすね!ぶっちゃけ体以外に興味はないっす!』」

鳴護「このファンの子が下衆過ぎないかな?たまにいるけどそういう失礼な人も、ただここであえて選んでくる意味が分からない」

レッサー「『そうですかー、熱心なファンの方なんですねー――で、実は、ARISA見てるんですよ!これ!』」

上条「『えーマジっすかー!?ちょりーっす!ARISAウェーイwwwwwwww』」

鳴護「当麻君のINT値がどんどん下がっていくね。イメージ的にインタされる人ってそんな感じだけども」

レッサー「『ではARISAへ一言お願いしまーす!』」

上条「『ケータイの電話番号くださーいwwwwwwどっか遊びに行きませんかwwwwwwww』」

鳴護「……」

レッサー「(ほら出てきて!早く!)」

鳴護「あぁこれご本人登場ドッキリなんだ!?てっきりあたしの心を折りに来てるのかと思ったよ!どっちみち大差ないけど!」

鳴護「えっと……応援ありがとうございます?」

上条「『えっ、えっ!?マジで?!マジARISA来たこれやっべぇ!やっべぇなARISAさんちーっす!』」

レッサー「『あれ?ファンの方さっきまでなんて言ってたんでしたっけ?』」

上条「『あなたの歌のファンでした……ッ!!!』

鳴護「『嘘でしょ?二重の意味でそれは嘘だよ!?騙されないよ!?』」

上条「『えっと、代表作、グラジオラス?なんか最高でした?』」

鳴護「グローリアね?”グ”しか合ってないけどいいのかな?うろ覚えにも程がない?」

上条「『あぁ知ってるっすよ!エルメェ○のお姉さん!』」

鳴護「JOJOの奇妙な冒険第六部ストーンオーシャ○主人公の相方の亡くなったお姉さんだよね?確かグロリ○さんだからほぼ正解っちゃ正解だけど」

上条「よくここまで成長した……ッ!俺にはもう教えることがないぜ!」

鳴護「ほぼ見てただけだよ?当麻君が一人でリアクションしてるのにツッコんでただけなのに終わりなの?」

レッサー「リアクションマンからお酢も付きも頂いたところで、衣装の採寸にかかりましょうか!ドッキリとはいえ下準備は必要ですからね!」

鳴護「辛いね!嘘だって事前に分かってはいても新衣装に期待しちゃうよね!」

……

レッサー「――はい、っていう訳でコンサート当日ですよ!アリサさん準備はどうですか!?今更キャンセルするんだったら大赤字ですが!」

鳴護「本当にあたしを追い詰めにかかってくるよね?お友達だと思ってるのはあたしだけ?」

レッサー「あ、じゃあちゅーしましょうか?」

鳴護「待ってください!?文化が違いすぎますよ!?」

レッサー「まぁともあれ最終的な手順を確認しますね。つってもそのまんまですけど」

鳴護「MCの人があたしを呼び出して、メインホールへ上がったら」

レッサー「『ドッキリ大成功!』の張り紙ですね。そこで大いにリアクションを見せつけてやってください!得意の三段ツッコミで!」

鳴護「当麻君だよ?そしてそもそもでいうんだったら、その必殺技得意なのはフレなんとかさんだよ?」

レッサー「あ、そろそろお時間ですね!では頑張ってきてくださいね!」

鳴護「笑いものになりに行く人へ対してそれはどうなんだろう……」

……

佐天『――はい、ありがとうございましたー!以上サンシャイン上条さんで”ゼロからの逆襲”でしたー!』

上条『今笑ったヤツ全員表な!あとMCは覚えとけよ!』

佐天『ではトイレタイム&物販タイムは終わりと言うことで――お待たせしましたファンの皆さん!今日の主役をお呼びしましょー!』

佐天『では皆さんご一緒にー!アーリーサーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!』

鳴護「『あ、どうもARISAです!本日はイベントに来てくれてありがとうみんな!』」

観客『――アッリッサ!アッリッサ!アッリッサ!アッリッサ!――』

鳴護「『あーうんありがとー。暫く配信しかできなくてあたし、寂しかったんだけど……んー……?』」 キョロキョロ

佐天『何かお探しのようですが、どうかしました?ぽんぽんでも痛いんですか?』

鳴護「『じゃないけど。あれ?看板は?【ドッキリ大成功!】の』」

佐天『いえ、ないですけど。ドッキリってなんですか?あたしは聞いてませんよ』

鳴護「『聞いてない……ってことは、ドッキリじゃないドッキリ――』」

鳴護「『――って色々と無理だよ!?だって普通はライブするまでに何ヶ月か時間をかけて打ち合わせするんだからぶっつけ本番なんてね!?』」

鳴護「『カラオケじゃないんだから!一曲二曲軽く流して終わりって訳じゃないし!踊りとかMCとかの手配もなしだし演目も何も白紙じゃないのかな!?』」

レッサー「見事な三段ツッコミですね!わざわざカマした甲斐があったってもんです!」

鳴護「『絹旗監督並にタチ悪いよ!?あっちは悪意100%だけどこっちは悪気100%だよねぇ!?』」

上条「任せろアリサ!こんなこともあろうかと尺稼ぎに怪談おじさん二号を呼んである!」

鳴護「『ぶち壊しに来てるよね?それだったらまだ当麻君が歌って物投げつけられる方が趣旨に沿ってると思うよ?』」

闇咲「『これはとある船舶の会話記録から流出した話なのだが』」

鳴護「『帰ってください!?なんでもガチで引き受ける怪談おじさんはジャンル守って!』」


-終-
(※真に邪悪なのはイギリス、そしてその眷属達なのです。ご応募ありがとうございました)

inserted by FC2 system