鳴護「秒でモニタリン○！提供はキッコーマ○！」
――オービット・ポータル芸能警備会社
マネージャー「お疲れさまです」
鳴護「あっはいどうも――ってまた今年も死のパターンですか！？ここからまたムチャ振りされるパターンでしょ！？」
マネージャー「むちゃ、ぶ、り……？」
鳴護「初めてその単語を聞いた人みたいに！？去年散々話し合った結果が反映されていない！」
マネージャー「嫌ですよ。何を仰っているのでしょうか、本気の無茶振りというのは先々週の上条さんのような状態を言うんですよ？」
鳴護「Tor-M＠さんってウチの所属タレントさんじゃないでしたっけ？たまたま”そっちの方が面白そう”ってベクトルが働き、犠牲者が入れ替わっただけですよね？」
マネージャー「あそこでは言えませんでしたが、更に下があるっちゃあります。そしてネタにはできません」
（※「もしかして；ヤク×がカネ出してるとこ」）
鳴護「やめてくれないかな？時々洒落にならないし実生活で影響ありそうなの混じってくるよね？」
マネージャー「元そっち系アイドルさん曰く、『加齢と共にスタッフ・撮影時間・ホテル・ギャラ、その全てのグレードが落ちてくる』という地獄のような現場だそうです」
鳴護「ケンカ売ってますよね？えっとまぁ、一般的なアイドルもそういうとこあるみたいですけども！」
マネージャー「他にも日テレジェニッ○に選ばれていながら、枕と売春疑惑で引退した後により高いプロリーグでデビューした方とかもいましたっけ」
（※「もしかして；高橋聖○」。放送業界の役員相手だと推測）
鳴護「いい加減にしません？誰も幸せになりませんよ？闇が深いだけですからね？」
マネージャー「いえいえ、定期的に特定国へケンカを売るARISAさんのお友達に比べればまだまだです」
鳴護「レッサーちゃんは、えっと……前向きに後ろ向きなことをするのがお仕事の人だから。『人の嫌がることをしましょう』を悪い意味で」
マネージャー「それで次のお仕事なんですが」
鳴護「聞きませんよね？あたしずっと不満しか言ってないのに一向に聞こうとしませんよね？」
マネージャー「あぁいえそんなことは。事務所を移籍したいとのご要望でしたので、ご縁のある方に声をかけてはいるのですが」
鳴護「そこで前向きになるんだったら『待遇を良くしようかな！』って発想はないのかな！」
マネージャー「まぁ弊社と致しましてもTor-M＠を中心に原点へ立ち返ろうかと」
鳴護「元派遣会社ですよねここ？外付け保安部という超物騒な傭兵でしたよね？」
マネージャー「……ARISAさんは言ってみれば日の光の中を歩く方じゃないですか？いつまでも自分達と一緒、というのもどうかと思いまして」
鳴護「あ、いえそんな風に思ったことはないですけど……」
マネージャー「芸能界の酸いも甘いも分かって来たでしょうし――大丈夫ですよ。あなたはもう充分にプロです」
鳴護「……はい！」
マネージャー「いいお返事ですね。では『絹愛プロダクション』への移籍はこのまま話を進め」
鳴護「――ないです。あたしずっと事務所にいます！なんだってやります！やらせてください！」
マネージャー「いえですが、向こうはすぐにでも『ダメゾンビ映画マラソンを超しますけど！』と乗り気なんですが」
（※ゾンビーバ○オススメ）
鳴護「断って下さい。もしくは我が事務所の新星さんへお任せするべき案件だと思います」
マネージャー「自分のために仲間を売る……逞しくなりましたね、ARISAさん。きっともう一度エンデュミオンさせたら、普通に生き残りそうな気がします」
鳴護「あなたも加害者側ですからね？あのとき当麻君がいなかったらレディリーちゃんの共犯として指名手配されてますからね？」
マネージャー「ご理解頂いた所で今月のスケジュールなんですが、ファン感謝イベントをしませんかっていう話が出ています」
鳴護「ファンの人へ感謝ですか？ありがとーってことだったら大体思ってますけど」
マネージャー「そのお気持ちは大事ですね。しかしながらアイドル的な意味では違います」
鳴護「はぁ、つまり？」
マネージャー「『ファン感謝イベント（※ただし課金的な意味で）』です」
鳴護「感謝ってそんなゲスい意味ありましたっけ？」
マネージャー「具体的にはARISA会員限定通販サイトで、一定以上お買い上げの方に『感謝チケット』を配布しまして」
鳴護「あー、あたしのサインみたいな？」
マネージャー「いえ、十枚溜まると『ARISAファン感謝限定イベント☆』の優先券が手に入るというシステムで」
鳴護「課金ですよね？感謝する気持ちと要素が欠片もなくないですか？」
マネージャー「いえいえとんでもないです！優先券はあくまでもイベントの券が当たりやすくなるってだけで！」
鳴護「あ、違った！これもっとタチ悪いガチャだな！？」
マネージャー「選ばれた課金屋、もとい養分、違ったえぇと……よく訓練されたファンのみがイベントに参加できると」
鳴護「あたしの評判だけがだだ下がりしませんか？カネに汚いアイドルってイメージついたら終わりですよね？」
マネージャー「そして会場のファンだけでARISAさんへプレゼントを渡すことができるんですよ……ッ！」
鳴護「宝○かな？あそこもエっグい搾取システム組んでますけど、ご当地アイドルが背伸びしたような感じのあたしについてきますかね？そこまでコアなファンっています？」
マネージャー「あぁご心配なく。いざというときには上条さんの人脈で会場を埋めますから」
鳴護「何となくですけど、ズラーッと同じ顔の人が並びません？こう美琴ちゃんの目の虹彩消えた感じの子が」
マネージャー「あ、これが上条さんからのお祝いメッセージです」 ﾋﾟｯ
鳴護「収録済み！？あたしまだオッケー出してないのに！？」
上条（録画）『あーあー、マイクテストーマイクテストー。入ってる？大丈夫かこれ？』
上条（録画）『なんだっけこれ？おめでとう？うんなんか良かったな！よく分からないけど良かった！』
鳴護「ごめん、雑過ぎると思う。そして口ではあぁいったものの『ちょっと嬉しいな』って思ったあたしへの罰ですか？」
上条（録画）『まぁ言いたい事は色々とあると思う。生まれが違う、価値観が違う、そして癖（へき）も違う』
鳴護「これ流すの？イベ会場が静まりかえると思うよ？だって意味が分からないからね？」
上条（録画）『でもだからって悲観することはないんだよ！中にはシスターさん、そして管理人さんが好きな人だっているんだから！』
鳴護「自分で言ったことに引っ張られてるよね？癖のこと言い出しちゃったから意識持って行かれてるよね？」
上条（録画）『中には！そりゃ抉らせたヤツだっているさ！理事長とか、あと理事長とかな！』
鳴護「前のだよね？これわざと誤解させるように言ってない？大丈夫？」
上条（録画）『まぁ俺が何を言いたいかって言えば、まぁ単純に――』
上条（録画）『――誕生日、おめでとうってことだな！』
鳴護「一月だよ？気持ちは本当にありがたいんだけど、あたしの誕生日は一月十三日だからね？」
マネージャー「正しくは『88の奇跡』その日なのですが。まぁ流石に縁起が悪かろうと別の日になっていますからね、書類上は」
鳴護「あの……柴崎さん？ファン感謝イベントはしなきゃいけませんか？どうしても？」
マネージャー「いくつかあるお仕事案の一つなので、どうしてもではないです。他にもありますから」
鳴護「あぁじゃあ候補を全部聞いてから決めようかな……」
マネージャー「あとは『イギリス城レッサー』という企画が」
鳴護「すいません。事態が把握できていません。こう、知り合いから聞き覚えのない言葉で話しかけられている気がいます」
鳴護「イギリス……城？イギリスのお城ですか？そしてレッサーちゃん？あたしが知らないだけでそういう名前のがあるんですか？」
マネージャー「存じません。持ち込み企画でして、VRゲームの宣伝をしていただきたいと先様は」
鳴護「ちょっと想像出来ないんですけど……どんなゲームですか？」
マネージャー「プレゼン動画がありますのでそちらをご覧ください」
鳴護「いえ、いいですいいです。見れば見ただけテンション下がりますから、まだ口頭で伝えてもらった方が――ってやめてください！無理矢理動画再生させないで下さい！」
レッサー（動画）『――トランスヴァニアの深い森の奥、ひっそりと建つ古城がある……』
鳴護「イギリスは？外国だったらイギリス関係ないよね？」
レッサー（動画）『その城は昼間でも硬く戸が閉ざされ、何人足りとも入り込む余地はないのです――が、しかし！』
レッサー（動画）『夜になると城は本来の姿を取り戻し、イギリス人が闊歩する怖ろしい惨劇の館と化すのでした……ッ！！！』
鳴護「あー、ホラーゲームなんだすね。VRだから怖そ――」
鳴護「……」
鳴護「……リピートプリーズ？」
レッサー（動画）『――夜になるとイギリス人が徘徊する怖ろしい城、イギリス城だったのです！』
鳴護「原稿バグってるよ？モンスターとかクリーチャーとかって単語の場所が、ワープロソフトの一括置換で間違った感じになってますけど？」
マネージャー「いやいや、これが正しいそうです。二回メールした後に直でお話しして確かめましたから」
鳴護「まぁ、うん、そう……だよね。普通は誤植だなって思うもんね」
鳴護「いやいや！でもそのイギリス人が闊歩するのって普通じゃないですか！？なんでこうホラーっぽい導入なんですか！」
レッサー（動画）『それと同時に街では若い娘っこが大量に攫われるという不思議事件発生！パニクる親！そして儲かる地場産業！』
鳴護「地場産業がなんで盛況になるの？普通猟奇事件が起きたら人は出歩かなくなるよね？」
レッサー（動画）『マジレスすると中世ぐらいのちょっとした都市だと、未婚のお嬢さんは出歩かないので結果的に何も変らないのが正解です』
鳴護「うん、そうかもだけどこれ喋ってる感じだけど大丈夫かな？録画にツッコんでるっ体裁だから、ねっ？分かるよね？」
レッサー（本物）「え、すいません声が小さくて聞こえませんでした！！！」 ｶﾞﾗｯﾊﾞﾀﾝｯ
鳴護「もーほら来ちゃったよ！？だからそういうとこが良くないよって言ってるのにな！」
レッサー「え、面倒臭いので端折りますと、古い城イン・ザ・ウッズ、アンド娘っ子アブダクションオーケー？」
鳴護「……英語、合ってるの？この上ないネイティブの人なのに全然信用できない……！」
マネージャー「映画でも短い文法連呼はよくあります。急いでいるときに『あちら側を見てくださいどうかお願いします！あの森の中からそのイノシシは私たちの元へ移動していきます！』とは言いませんから」
レッサー「そういうときは『There!（あっこ！）』ですね。そりゃそうですが」
鳴護「そうなんだろうけども！あたしが言いたいのはそうじゃなくて！」
レッサー「あ、ゲームのあらすじの続きですね？分かってますよぉこの欲しがりや・S・A・N・値☆」
鳴護「前から何回も言ってるけど芸風がニャルなんとかさんと同じだからね？注意した方が良いよ？」
レッサー「それでまぁ若い娘が攫われるのを見て！ハンターが立ち上がるのです――」
レッサー「『――よっしゃこれイギリス城の仕業だわー、退治するしかねーわーつれーわー』と」
鳴護「テロリストだよね？カチコミに来るハンターは過激派だよね？」
レッサー「こうして再び復活したイギリス城を滅ぼすため！イギリス人ハンター、アリサ＝メイーゴサンはイギリス城へとムチを片手に乗り込むのでした……！」
鳴護「事故だよね？その一文だけ聞くとあたしが頭イタイ人にしか聞こえないよね？」
鳴護「て、ゆうかね？その、ムチだったり城だったり、コナ○から出ている某ドラキュ○をハンターするアレっぽい聞こえるんだけど……？」
レッサー「てーてーてー、ててーてーてー！てーてーてー、ててーてーてーてーて！」
（※悪魔城ドラキュ○のテーマ）
鳴護「あ、やっぱりか！？リスペクトという名のイジるやつだこれ！？」
レッサー「『トロピカって○〜！』」
鳴護「本当に待とう？それうん、えっと、あれだよ、一年間通じて言わなきゃいけない人がいるんだから！春と夏はともかく木枯らし吹いてきても雪が積もってもね！」
レッサー「気を遣っているようでdisってますね！いいですよー、アリサさんも程良い感じにこっち側へどうぞ！」
鳴護「あーこれが『世界の半分をあげるから』みたいな話かー。全然心引かれないなー」
レッサー「って感じに！プレイヤーはイギリス人ハンターとしてイギリス城で戦うのがコンセプトです！」
鳴護「イギリス人ハンターってなに？今ご時世だとヘイト警察に通報されないかな？」
レッサー「あぁそこはご心配なく！てかやってみます？プロローグでしたら無料でプレイできますんで」
鳴護「いえ結構です。それよりもファン感謝イベントでお布施を稼ごうと思います。お帰りください」
レッサー「あぁじゃあやってみます？プロローグでしたら無料でプレイできますんで」
鳴護「あ、これハイって言うまでループするやつだ」
マネージャー「すいません。ウチのARISAにそういうのはちょっと。口頭でできませんか？」
鳴護「あ、初めて仕事っぽいことしてる！」
レッサー「あー、じゃあまず第一章は美山王国とその隣にスットコトン帝国があります」
鳴護「名前が和風でご陽気な感じ！？てか飾利ちゃんが言ってた後輩候補の子と同じだね！」
レッサー「先に断っておきますが全く関係はございません。語呂合わせです」
鳴護「語呂合わせ……まぁいいや、後でまとめてツッコむからそれで？」
レッサー「ある日美山王国が闇の国であるスットコトン帝国へと攻め込みました。まぁ理由は色々あったんですが、その後二つの国は三回ほど戦争をしました」
鳴護「色々と端折りすぎだと思うんだけど……それが？」
レッサー「結論から言えばスットコトン帝国の大勝ち、美山王国は滅亡。同王国の王夫妻は流刑ののち死亡、王子は処刑、王女はスットコトン帝国士官の従卒に下賜されて行方不明です」
鳴護「ヒッドイなそれ！？多分その王女さまを助けてって展開なんだろうけど、導入部分がキツすぎて心が折れるよ！？」
レッサー「――今の話の、”美山王国”を”ミャンマー王国”、”スットコトン帝国”を”大英帝国”にすり替えるとそのまま史実になります」
（※実話です。救いはありません）
鳴護「まさに悪魔城！？ドラキュラと同じレベルの悪行をやってる！？」
（※1886年）
レッサー「ちなみにイギリス領ビルマ州には多くのスコットランド人とスコットランド企業が関与しており、他人ヅラしてやがるけどヤローどもも共犯です」
（※「スコットランド植民地」と呼ばれた。連邦国家なのに）
鳴護「あの、レッサーちゃん？いい加減にしてくれないと人間不信になりそうなんだけど……」
レッサー「待ってつかぁさい！有料コンテンツとなる第二章からが本番なんですよ！『ドラキュラの森事件』です！」
鳴護「あ、なんかそれっぽい。迷い込んだ冒険者が失踪しそうな感じ」
レッサー「いいえ？被害者はポーランド人捕虜、かつ主犯はソ連が2万人ちょっとをぬっ殺した事件です」
鳴護「フィクションの体は！？フワッとした言い方で誤魔化したら、ってあれ？イギリスさんは今回無関係じゃ？」
レッサー「と言いたい所なんですが、同虐殺が発覚した1943年にはチャーチルもルーズベルトも様々なルートでこの事件を把握していましたが、公表は差し止めました」
（※実話です）
レッサー「当時は対ドイツ・対日本でソ連と組んで参戦しており、世論が揺らぐのを嫌がったため隠蔽」
（※実話です）
レッサー「てか調査結果が丁度”3年”前に殺されていたんじゃねぇかってトドメが」
（※実話です）
鳴護「三年？」
レッサー「ぶっちゃけイギリスもアメリカも対ドイツ参戦するより前から、ソ連がポーランドで虐殺しやがってましたね残念でしたね大義名分なんてなかったですね、っていうね……ッ！！！」
（※ポーランドが大戦前にイギリス・フランスと同盟組んでたのに、結局ドイツ相手に戦ってソ連は”政治的な理由で”スルーしたという意味）
鳴護「スーツ着た蛮族……あぁ当麻君が大分前に寝言で言っていたような……」
レッサー「というコンセプトが！『バンパイアとイギリス人を入れ替えても成立する不思議！』という画期的なゲームです！どうですか！？」
鳴護「なんで？なんでレッサーちゃんはそこまで体を張って笑いを取ろうとするの？」
レッサー「ふっ、体を張らない芸人なんぞ芸ではありません……ッ！」
鳴護「その分類方法だとユーチュー○で人の尊厳を売ってる人たち以外は芸人さんじゃなくなっちゃう……」
レッサー「てな訳でどうですか！イギリス城ドラキュ○！悪魔城ドラキュ○のリスペクトで！」
鳴護「原型は？どんな歪な金型使ってもここまで怖ろしく歪まないよね？邪神もっこ○ぐらい？」
レッサー「クックックック……！どうですかアリサさん！？ドラキュラは若い娘っ子しか襲いませんが、イギリス人は相手を選びませんよっ！？」
鳴護「そんなに傷つかないで！一瞬の笑いを取るためだけに血だらけにならないで！」
マネージャー「すいません。ARISAさんの精神状況がちょっとアレなので、今のお話はなかったことに」
レッサー「ちっ、命拾いをしましたね！今日はこのぐらいにしてあげますけどね！」 ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ
鳴護「……なんだろうね、こう、『ドラキュラって特定の時代に実在していたら大して問題にならなかったんじゃ？』って。うん、なんていうか」
マネージャー「原作にはモデルがいますから。ワラキア公爵？上条さんの方がお詳しそうです」
鳴護「中二、もとい魔術だからね。あれもきっとどっかでぶつかりそうな」
マネージャー「あ、お茶でも如何です？それとも次のプレゼンに移っても？」
鳴護「お茶と心の準備をください。あと情報を小出しにするのもやめてもらっていいですか？」
マネージャー「はい？何か？」
鳴護「プレゼンってなんですか！？まだ何かネタが！？」
マネージャー「ですからあなたのお仕事案がもう一つあります。ファン感謝祭と……テレビのですね」
鳴護「いいですね！どういう感じの？」
レッサー「『秒でモニタリング……ッ！！！』」 ｶﾞﾗｯ
鳴護「うん、言いたい事は分かるしやりたいことも100%想像はつくんだよね。悲しいけど慣れちゃってるから、ここ一年で散々鍛えられたから」
鳴護「ていうかレッサーちゃんとドッキリって史上最低の組み合わせだよね？最愛ちゃんが監督で映画撮るようなもんだよ？分かってるの？」
レッサー「なんで私だとダメなんですか！？人を陥れたらこれ以上ないってぐらいの人材なのに！？」
鳴護「自覚はあるんだね。あぁ良かった、これで分かってなかったらどうしようかって思ったよ」
レッサー「最近同僚に言われた台詞、『あれレッサー？オマエの名前なんだったっけカ？』」
鳴護「フロリスちゃんだね？割りと沸点が低い彼女を怒らせるなんてどんな酷いをやったの？」
レッサー「『だからオレは答えてやったのさ――”オマエのワイフと寝たから勲章がもらえたのさ”ってね……！』」
鳴護「オチてないよ？脈絡がない上にアメリカンジョークはイギリスの管轄外だよね？レッサーちゃんの担当はもっと乾いた笑いだよ？」
レッサー「あぁいえ、今の話の笑いどころは”答えてやった”のが”堪えてヤッた”という点にありまして」
鳴護「――マネージャーさん、ギブアップです。あたしには荷が重すぎるので我が事務所の最終兵器を要請したいと思います」
マネージャー「分かりました。ではこちらに一任ということで、レッサー＝チャンさんの持ち込み企画、『24時間耐久人狼ゲーム』で」
鳴護「その贄があたしである必要性はどこに？まだ百歩譲ってドッキリぐらいだったら分からないでもないですけど、人狼マラソンに出る必然性は？」
レッサー「『実はARISAが人狼でした！』って定番のオチがカマせると思うんですよね」
鳴護「定番過ぎて真っ先に狩られると思うよ？あたしがもし金田○さんに登場したら『あの人が犯人パターンだな』ってマークされるよ？」
鳴護「てゆうか24時間耐久ってずっと人狼ゲーム？最初の三回ぐらいまでは、まぁなんとか面白いだろうけど、それ以上になるとダラっとしちゃうよね？」
レッサー「多分途中からローカルルールの作成に力を入れると思います。人狼に加えてモフっとした人熊に発情期がある人兎の参戦」
レッサー「そして映画マニアが加わってハンニバル＝レクタ○博士が混ざってワッケ分からなくなるという……！」
鳴護「どちらさまですか？世界史で習ったような？」
マネージャー「別人です。20世紀屈指の猟奇殺人者でご趣味が共食いの方ですね」
鳴護「人狼いらなくないかな？人狼さんも困ると思うよ、『ここへ来て主役が……！』って」
――
レッサー「――はい、って言うわけでドッキリに決まりましたが！」
鳴護「待ってください。さっきのファン感謝イベントでいいです！あたしへの負担がまだ軽そうな感じ！」
レッサー「――いやー、どうも始めまして！BBBC（ブリティッシュ・ブロードウェイ・バッチ来い・ケーブルテレビ）のレッサー＝チャンと申します！
鳴護「日本語入ってるよね？バッチ来いって明らかに日本語だよね？」
レッサー「了解を得てドッキリするのと、了解を得られないのにドッキリする、どっちがいいですか？」
鳴護「そういうとこだよ？何がダメって最愛ちゃんもだけど、JOJ○の黄金の意志のように決して曲がらないところだよ？」
レッサー「いやぁそういうイベントも裏は大変ですよ？タチの悪いファンがハラスメントに及んだらどうするんですか！いやらしい！」
鳴護「いやらしくはないです。あたしは被害者です」
レッサー「いいですかARISAさん？男子ってのは所詮ケモノなんですよ、基本エ×いこととロボットのことしか考えていないんですからね？」
鳴護「まずその二択は失礼だと思うよ？中にはロボットじゃなくてメイドさんや管理人さんって人もいるよ？」
レッサー「どっちもメイドロボと管理人ロボでカバーしてるじゃないですか！何言ってんですか！」
鳴護「あのね、それ言い出したら代用できないものってないよね？」
レッサー「あ、すいません。アイドルも初○さんで代用ができちゃいましたよね！生身の存在価値とは一体！」
鳴護「失礼だな！？あぁいやあたしからしても二重の意味でパイセンだけども！」
鳴護「パイセンはパイセンで本業とは関係ない所で量産される薄い本で頭が痛いと思います。せめてマージン的なものが入ってくるんだったらともかく」
レッサー「ともあれアリサさんからリクエストあります？ないんでしたらこちらで勝手に決めますけど」
鳴護「……一応どんな案があるのか聞いても？」
レッサー「アリサさんは腐ってもアイドルじゃないですか？ですんでそちらを有効活用する感じで」
鳴護「腐ってないよ？そしてアイドルでもなく正しくはシンガーソングライターね？」
レッサー「私が用意するのは――ファンドッキリイベント……ッ！！！」
鳴護「あー……新進気鋭のタレントさんが番宣とセットで出るヤツだね」
レッサー「アリサさんが知ってんのが意外っちゃ意外ですが」
鳴護「この間も元フィギュアスケートの女の子がの見たよ。なんかファン同士の集いにカメラが仕掛けられてて、こう浅○さんの語り合いをしててね」
鳴護「『このレストランは浅○さんもご利用されているんですよ！』とか途中で飼い犬が迷い込んできたり！」
レッサー「おっ、いいですよねー。タレントさんにとっても全肯定してくれるレベルの高いファンに囲まれて姫プレイしたいですよねー」
鳴護「誰だって肯定っていうか承認欲求は大なり小なりあると思う……そして有名人だったら余計に」
レッサー「ではアリサさんもその路線で行きます？ファンの集いにコッソリ潜入するご本人みたいな？」
鳴護「そういうのいいかも！恥ずかしいけどファンの子たちの生の感想って知りたいよね！」
レッサー「ではそういうファングラブの個人的な催しに参加するって感じで」
鳴護「結果的にファン感謝イベントと言えなくもないかも……」
レッサー「あぁでも犬は飼っていませんでしたよね？こっちで用意しておきましたんで」
鳴護「ギミックの犬要素いる？まぁ犬は好きだけど」
ｶﾞﾗｯ
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「……」
鳴護「……」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「――もう殺せよ」
鳴護「うん、あのね、整理しよっか？散らかってて何が何だか分からないと思うんだよね？」
鳴護「まず犬だよね？飼い犬要素はまぁ百歩譲って分からなくもないけど、ゲコ太君だよね？多分悲しい声からして中の人は当麻君だろうけど」
鳴護「代用出来ると思ったの？哺乳類と両生類の着ぐるみは等価交換にはならないよね？『やったね！ゲコ太だ！』ってなるのは精々美琴ちゃんぐらいだよね？」
鳴護「次に当麻君はくっ殺モードへ入ってるけど、そんなに嫌かな？ゲコ太くんは色々あって最近は好きになったきたけど、自殺を考えるぐらいに嫌？そんなに？」
鳴護「そして最後に着ぐるみは脱ぐチャンスあったよね？あたしが事務所に来てから『なーんか隣の部屋からゴソゴソ音がするな？』っては思ってたし、着脱のチャンスはあったよね？」
レッサー「あ、じゃあ全裸にパンイチでレザーギャグでも噛まします？当日は？」
鳴護「レッサーちゃんあたしのこと嫌い？全裸の男子高校生を飼うってそれもうアイドルの域を逸脱してるよね？レベルの高い人身売買ブローカーでもそんな無駄はしないよね？」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「お、俺を飼うんだったら……その、ダッ○だ！週一でハーゲンダッ○を用意しないと暴れるんだからな！」
鳴護「なんでダッ○？あぁいや好きだけどあたしも」
レッサー「想像するに『自分の中で最高の贅沢』ってせっまい引き出しの中、最も高そうなカードがダッ○……うっ！ちょっと泣きそうですね！」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「やかましいわ！俺にとってはご褒美だしもし本当に買ってきたら無駄遣いすんなって説教するわ！」
鳴護「なんて理不尽な居候！？でもその程度で飼えるんだったら誰とは言わないけど喜んでゲットしそう！」
レッサー「病んでますからね。誰とは言いませんが」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「てかレッサーのボケ長っがいんだよ！冬場だったからよかったものの、俺いつまでこれ着て待機しなっきゃなんねぇんだ！」
鳴護「素直に脱げばいいんじゃないかな？出オチなんだから着てる意味ないよね？」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「騙されるなアリサ！このアホはイジりたいだけでまともにドッキリさせるつもりなんでないんだ！」
鳴護「信じたいんだけど、あのね？ゲコ太君の着ぐるみ着てる人に何言われたって説得力は出ないと思うよ？」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「ここは素直に！ファン感謝イベントという名の搾取コマンドをしておいた方が無難だと思うぜ！」
鳴護「度々失礼だよね？大局的に見れば！まぁお金の流れを俯瞰してみた場合は！確かにそういう一面も無きにしも非ずだけと！」
レッサー「そしてファンがいくら課金しようとも、ファンとアイドルがゴールインした例はないのです……ッ！！！」
鳴護「人によるんじゃないの？有名な人たちが有名な人とくっついてるだけであって、あたしは別に？こうなんていう友達枠から選んでもいっかなー、みたいな？」 ﾁﾗｯ
レッサー「すいませんアリサさん。私の性癖はノーマルでしてその気持ちには応えられないんです」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「何言ってんだよ！一回ぐらいはデートしたっていいだろ！？アリサの気持ちを踏みにじるつもりかよ！？」
鳴護「誰も求めてない。そして黙ってろ百合厨」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「まぁ俺が何を言いたいかって言えばバスツアーなんてどうだ？それっぽくね？」
鳴護「あー……あるはあるけど、うーん……？」
レッサー「私は日本のことは存じませんが、バスツアーとはなんです？バスでライブ会場をハシゴするんで？」
鳴護「じゃなくてねー、えーっと例えば地方のそこそこ有名な観光地にツアーを組んでいくのね？大体一泊二日とか泊まりがけで」
鳴護「で、そこで有名人が同じバスで会話したり、ホテルでディナーショーやトークショーしたりって予定が入ると。その分お値段は割り増しなんだけど」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「ファンからしたら観光も楽しめるしタレントにも会えるから一度で二度ラッキーだな！」
レッサー「ラッキー違いません？ギャランティが発生してる時点で人為的に発生させていますよね？」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「黙レッサー！地方の観光業にとっては起爆剤だからいいんだよ！」
レッサー「謝ってください！また変な呼び方を定着させようとしている！」
鳴護「ただ、まぁ？当然一線で働いてる人たちがするかっていえば、当然そんな事はいなよねっていう」
鳴護「ぶっちゃけ旅行会社と地方のタレントさんのタイアップかな。演歌の人とか、場所によっては局のアナウンサーさんが行ったりとか」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「つまり学園都市ローカルタレントのARISAにはピッタリって事だな……ッ！！！」
鳴護「事務所の先輩として言うね、当麻君今日でクビ」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「まぁ待ってくれよパイセン！プレゼン動画を見てから言ってくれ！」 ﾋﾟｯ
鳴護「この事務所大丈夫かな……なんで無駄な労力を二重も三重も使って」
上条（動画）『あー、楽しみだなーアオピンのバスツアー！なんたって1万9千円もかかったけど！日帰りだけども！』
鳴護「当麻君も演技が雑。そして日帰りで2万円弱って適正価格なのかな？」
レッサー「場所と内容次第では？アイドルだっていうんでしたら、それなりのステージ借りてライブもしたいですし結構必要かと」
鳴護「あー、そっかー。歌も聴いてほしいもんね」
上条（動画）『どーれ明日はテンションを常にマックスにするために今日は早く寝よう！夕メシ食ったらすぐに――』
アナウンサー（動画）『続きまして芸能ニュースです。元○○○○○娘の青ピさんのおめでたいニュースが飛び込んできました！』
上条（動画）『あれアオピンじゃね？どうしたんだろ、折角明日バスツーアなのに……あ、そっか！きっとツアー内容の宣伝かなんで』
アナウンサー（動画）『なんと！アオピンさんこと青髪ピアスさん！元バンドメンバーと入籍、お腹の中には赤ちゃんがいるのが判明しました！』
（※実話です）
上条（動画）『えっ？』
鳴護「嘘でしょ？前日だよ！？ファンイベント前日に入籍&妊娠の即死コンボが飛んでくるの！？」
レッサー「いいですね！私的には好印象ですよそのアイドルの方！」
上条（動画）『……翌日。俺たちはバスに乗ったんだ、すると――』
女性添乗員（動画）『皆さん、おはよーございまーす！今日は何の日か分かりますかー？』
女性添乗員（動画）『そう！今日は7月7日！一年に一度織姫様と彦星が会える日です！ファンの皆さんも飯田さんに会えて良かったですよね！』
上条（動画）『………………うっ』
鳴護「煽ってるよね？煽りスキルがハンパ無いよねこの添乗員さん？」
レッサー「恐らく添乗員さんとしては普通に時候の挨拶をされているだけでしょうが……結果的に地雷を踏み抜いてます」
レッサー「――はっ！？これはもしや彦星という名のファンは織姫様という名のアイドルに一回しか会えないけど、織姫はその間NTRれていたという高度な暗示ではないでしょうか……ッ！？」
鳴護「ない話じゃないよね。そして誰でも心折れると思う」
鳴護「あとこっそり実名はやめよう？ググれば一瞬で出てくるとはいえ、イジるんだったら匿名にしよう？」
スタッフ（動画）『ではまず皆さん楽しいバーベキューをどうぞ！各テーブルに指定された量がありますから守ってくださいね！』
上条（動画）『あの、すいません。一人につき肉一枚とソーセージ一本、バナナ1/3カットしかないんですけど……』
スタッフ（動画）『ビールは別売りになっておりますので、近くのスタッフにまでお声をお掛けくださいね！』
上条（動画）『違うわ！？そんなレベルの話ですらねぇよ！？』
ファンA（動画）『――おい、見ろよ』
上条（動画）『ど、どうした兄弟？』
ファンA（動画）『8人テーブルに1.5リットルのウーロン茶一本しか置いてない……しかもこれ、キッコーマ○のウーロン茶だ……！』
上条（動画）『そっか……キッコーマ○ってウーロン茶も出してるんだ……』
鳴護「ファンの人は怒っていいと思うよ？何かの修行してるのかな？」
レッサー「可能な限り安く安くしようとした結果でしょうが、逆にどういうルートで仕入れたのか知りたいです。キッコーマ○のウーロン茶」
鳴護「まぁ、確かに言えることはキッコーマ○にエライ風評被害が出ているってこと、だね。今度機会があったら探してみよう」
スタッフ（動画）『はーい、お腹も一杯になったところでレクリエーションをしまーす！皆さん大好きな巨大迷路でーす！』
上条（動画）『おー！……おぉ？ナンデ？迷路ナンデ？』
スタッフ（動画）『なおアオピンは健康上の理由につき迷路には入りませーん！さぁ、皆さんレッツトライ！』
鳴護「だからなんで？一事が万事疑問符がつく……！」
レッサー「”間を持たせるために施設内にあった適当な遊具で時間を潰す”が正解かと。いやーやりますね！キラいじゃないですこの雑さ加減が！」
青ピ（動画）『まいどー！今日はアオピンのバスツアーに参加してくれて本当にありがとさん！』
青ピ（動画）『ボク、今度結婚することになったから！結婚してもみんな大切なファンやんね！』
上条（動画）『アーオピーーーーーン！！！』
青ピ（動画）『みんな――泣いて喜んでくれるだなんて！アオピン感激や！』
鳴護「違う、そうじゃない。彼らが泣いているのは別の理由があると思います」
レッサー「アリサさん！見てくださいあのステージを！」
鳴護「多目的ステージに雑に張られた紅白の幕のどこに着眼する予知が？」
レッサー「ではなく！……あぁこれは全ての伏線だったのかもしれませんね。今日が七夕ってことを忘れていました……！」
鳴護「はい？」
レッサー「ステージの、その中央にあるのはなんですか……ッ！？」
鳴護「あー、あれ短冊だね。小さい竹が置いてあるから、一応演出プランとしてはやってたんだね。なんの感慨もないし、同じプロとしては軽蔑しかしないけど」
レッサー「違いますよ！ですからその短冊には何が書かれていますか……ッ！？」
鳴護「あ、そうだね。何か、っていうか誰かの願い事が――ってまさか！？」
レッサー「……そうです。あのステージの短冊は、こう書かれているんですよ――」
レッサー「『――みんながいつまで笑顔でいられますように。アオピン（※アイドル名）』ってね……ッ！！！」
鳴護「その笑顔を奪ったのは誰かなぁ！？せめて！そうせめてあと一日ぐらいは結婚＆妊娠発表をズレ込ませなかったのかな！？」
上条「くっくっくっく……！どうだアリサ！何が凄いかって全然盛ってない事実だけで構成されてるって事なんだぜ……！」
（※残念ですがマジらしいです）
鳴護「うん、分かったけどそれであたしのファンイベントとどう繋がるのかな？反面教にしろってこと？」
上条「あぁいえこの上を行く歴史に残るような悲惨なバスツアーをだな」
鳴護「だからなんで！？レッサーちゃんも当麻君も人のアイドル人生をかけてネタに走るのはやめてくれないかな！？」
上条「そして今調べたところによるとこの大迷路は去年の6月に老朽化を理由として取り壊しが決定している……！」
鳴護「いや興味はないです」
上条「そして更に更に調べたところ、大迷路がある千葉県野田市の清水公園の運営会社の大株主、そしてスポンサーになっているのが――」
上条「――キッコーマ○であると独自調査によって判明しました……ッ！！！」
鳴護「だから？」
レッサー「と、いうことは飯○さんが用意したキッコーマ○のウーロン茶とは……？」
上条「――そう、彼女自身にルートがあったのではなく、施設側から多分タダで贈られたものだったんじゃねぇかなと！」
（※企画したのが旅行会社だから）
鳴護「盛り上がってる所恐縮なんだけど2007年の話だよね？今更『そんな事実が！？』って盛り上がれる人いる？いないよね？」
レッサー「負けてはいられませんよアリサさん！こうなったらドッキリでファンとアイドルが逃避行をした後、本命の彼氏ご登場ってドッキリを！」
鳴護「それでも勝てる気がしないね！面白い芸人さんのあとに素人芸を見せても例外なくスベり倒す感じかな！」
上条「じゃあ少し角度を変えてだ？心霊体験バスツアーってのはどうだろう？」
鳴護「角度つきすぎじゃないかな？急勾配にも程があるよね？」
上条「あぁ勿論アイドル要素を取り入れるのも忘れずに。こう、ファンと一緒になってキャーキャー騒ぐ感じのやつ」
鳴護「悪くはないけどねー。でも涙子ちゃん向けじゃないかなー。キャラ的にも」
上条「こう、アレだ。深夜に誰もいない廃墟に行ってだな。三人ぐらいの組に分かれて、一番奥に置いてあるお札を取ってくるんだ」
上条「アリサや他のファンがいるところでは大丈夫なフリをしても、一組、またもう一組が入っていく。そして近づく自分達の番」
上条「アリサに『頑張っていきまっしょい！』って言われて、最初の間はテンション上がって意気揚々と向うんだけども……」
上条「暗い廃墟の中では物音一つ――あぁ違う！どこからともかく、こう、声がしたんだ……！」
レッサー「『……出、して……ここから……出して……』
上条「どこをどう走ったのかも分からない。ただひたすら何も考えずに出口を探して走り回って」
上条「暗闇の中やっと見つけたスタッフの灯り、息も絶え絶えに事情を説明すると――」
上条「――そのスタッフは、こう、言ったんだ……」
レッサー「『――この巨大迷路の中にはね、今もなお出口を求めて彷徨ってる飯田圭○のファンがいるんですよ……ッ！！！』」
上条「い、いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ！！！？」
鳴護「打ち合わせしたよね？二人の呼吸ピッタリなのは今更なんだけども、それだけじゃ台詞まで揃えてたって説明つかないからね？」
鳴護「てゆうか同じ施設だよね？飯○さんがやからした施設は取り壊しが決まっても、まだイジられる運命にあるの？可哀相じゃないかな？」
鳴護「てかもう尺がないんだよ！？ドッキリにしろバスツアーにしろいい加減にここいらで決めないと！」
レッサー「――ってはいそんな訳で今日もワイワイやって来た訳ですが！オービット・ポータルではファンの皆さんからの企画を募集しています！」
鳴護「あ、あれ……？謎の告知が始まった……？」
レッサー「所謂エイプリルフールでドッキリなんですが、基本洒落になる感じで！なんだったらアリサさんじゃなくても構いません！」
レッサー「我らBBBCクルーが責任を持ってキャスティング並びに実行犯を担当いたしますんで！」
鳴護「なんて？あたしいらなかったら今日の下りは一体……」
レッサー「なお決して！そう決して去年のエイプリルフールで何もコメントを頂けず、テンションが下がった訳ではありません！そりゃもう絶対にです！」
レッサー「フルモデリングのコーポ・アステカを作成、ウソ心霊画像を合成しようとしたら一気にノーパソの調子が悪くなっただけです！他意はありません！」
（※原因不明。あとは並べてSUM○の物件紹介みたいなの作るだけでした）
鳴護「他意はないけどちょくちょく呪われてないかな？あぁいや良い機会だし人生の厳しさを思い知った方がいいと思うけど」
上条「みんなの応募、待ってるぜ☆」 ｷﾘｯ
鳴護「あっはい。えっと、程々にね？あたしのノドの調子も考えてくれると嬉しいよねっ！よろしくっ！」
-終-
※エイプリルフール企画です
【誰】が【誰】へ【どんなドッキリ】をするか、書くと良い事があるかも知れません
できればシャレになる範囲だといいかもしれませんが、ネジのズレた何人かは自重しないかもしれません
例）――
【上条さん】が【御坂さん】へ【実は血縁関係あったんだドッキリ】を敢行
【姫神さん】が【鳴護さん】へ【心霊ロケドッキリ】を敢行
【レッサーさん】が【上条さん】へ【弟切草ドッキリ】を敢行
禁書・超電磁砲キャラ限定で、お互いが知り合いかどうかや死亡フラグは無視します
〆切りは大体2週間ぐらい？数によってはエイプリルフール当日を過ぎても続きます
では宜しければご参加下さい
マネージャー「お疲れさまです」
鳴護「あっはいどうも――ってまた今年も死のパターンですか！？ここからまたムチャ振りされるパターンでしょ！？」
マネージャー「むちゃ、ぶ、り……？」
鳴護「初めてその単語を聞いた人みたいに！？去年散々話し合った結果が反映されていない！」
マネージャー「嫌ですよ。何を仰っているのでしょうか、本気の無茶振りというのは先々週の上条さんのような状態を言うんですよ？」
鳴護「Tor-M＠さんってウチの所属タレントさんじゃないでしたっけ？たまたま”そっちの方が面白そう”ってベクトルが働き、犠牲者が入れ替わっただけですよね？」
マネージャー「あそこでは言えませんでしたが、更に下があるっちゃあります。そしてネタにはできません」
（※「もしかして；ヤク×がカネ出してるとこ」）
鳴護「やめてくれないかな？時々洒落にならないし実生活で影響ありそうなの混じってくるよね？」
マネージャー「元そっち系アイドルさん曰く、『加齢と共にスタッフ・撮影時間・ホテル・ギャラ、その全てのグレードが落ちてくる』という地獄のような現場だそうです」
鳴護「ケンカ売ってますよね？えっとまぁ、一般的なアイドルもそういうとこあるみたいですけども！」
マネージャー「他にも日テレジェニッ○に選ばれていながら、枕と売春疑惑で引退した後により高いプロリーグでデビューした方とかもいましたっけ」
（※「もしかして；高橋聖○」。放送業界の役員相手だと推測）
鳴護「いい加減にしません？誰も幸せになりませんよ？闇が深いだけですからね？」
マネージャー「いえいえ、定期的に特定国へケンカを売るARISAさんのお友達に比べればまだまだです」
鳴護「レッサーちゃんは、えっと……前向きに後ろ向きなことをするのがお仕事の人だから。『人の嫌がることをしましょう』を悪い意味で」
マネージャー「それで次のお仕事なんですが」
鳴護「聞きませんよね？あたしずっと不満しか言ってないのに一向に聞こうとしませんよね？」
マネージャー「あぁいえそんなことは。事務所を移籍したいとのご要望でしたので、ご縁のある方に声をかけてはいるのですが」
鳴護「そこで前向きになるんだったら『待遇を良くしようかな！』って発想はないのかな！」
マネージャー「まぁ弊社と致しましてもTor-M＠を中心に原点へ立ち返ろうかと」
鳴護「元派遣会社ですよねここ？外付け保安部という超物騒な傭兵でしたよね？」
マネージャー「……ARISAさんは言ってみれば日の光の中を歩く方じゃないですか？いつまでも自分達と一緒、というのもどうかと思いまして」
鳴護「あ、いえそんな風に思ったことはないですけど……」
マネージャー「芸能界の酸いも甘いも分かって来たでしょうし――大丈夫ですよ。あなたはもう充分にプロです」
鳴護「……はい！」
マネージャー「いいお返事ですね。では『絹愛プロダクション』への移籍はこのまま話を進め」
鳴護「――ないです。あたしずっと事務所にいます！なんだってやります！やらせてください！」
マネージャー「いえですが、向こうはすぐにでも『ダメゾンビ映画マラソンを超しますけど！』と乗り気なんですが」
（※ゾンビーバ○オススメ）
鳴護「断って下さい。もしくは我が事務所の新星さんへお任せするべき案件だと思います」
マネージャー「自分のために仲間を売る……逞しくなりましたね、ARISAさん。きっともう一度エンデュミオンさせたら、普通に生き残りそうな気がします」
鳴護「あなたも加害者側ですからね？あのとき当麻君がいなかったらレディリーちゃんの共犯として指名手配されてますからね？」
マネージャー「ご理解頂いた所で今月のスケジュールなんですが、ファン感謝イベントをしませんかっていう話が出ています」
鳴護「ファンの人へ感謝ですか？ありがとーってことだったら大体思ってますけど」
マネージャー「そのお気持ちは大事ですね。しかしながらアイドル的な意味では違います」
鳴護「はぁ、つまり？」
マネージャー「『ファン感謝イベント（※ただし課金的な意味で）』です」
鳴護「感謝ってそんなゲスい意味ありましたっけ？」
マネージャー「具体的にはARISA会員限定通販サイトで、一定以上お買い上げの方に『感謝チケット』を配布しまして」
鳴護「あー、あたしのサインみたいな？」
マネージャー「いえ、十枚溜まると『ARISAファン感謝限定イベント☆』の優先券が手に入るというシステムで」
鳴護「課金ですよね？感謝する気持ちと要素が欠片もなくないですか？」
マネージャー「いえいえとんでもないです！優先券はあくまでもイベントの券が当たりやすくなるってだけで！」
鳴護「あ、違った！これもっとタチ悪いガチャだな！？」
マネージャー「選ばれた課金屋、もとい養分、違ったえぇと……よく訓練されたファンのみがイベントに参加できると」
鳴護「あたしの評判だけがだだ下がりしませんか？カネに汚いアイドルってイメージついたら終わりですよね？」
マネージャー「そして会場のファンだけでARISAさんへプレゼントを渡すことができるんですよ……ッ！」
鳴護「宝○かな？あそこもエっグい搾取システム組んでますけど、ご当地アイドルが背伸びしたような感じのあたしについてきますかね？そこまでコアなファンっています？」
マネージャー「あぁご心配なく。いざというときには上条さんの人脈で会場を埋めますから」
鳴護「何となくですけど、ズラーッと同じ顔の人が並びません？こう美琴ちゃんの目の虹彩消えた感じの子が」
マネージャー「あ、これが上条さんからのお祝いメッセージです」 ﾋﾟｯ
鳴護「収録済み！？あたしまだオッケー出してないのに！？」
上条（録画）『あーあー、マイクテストーマイクテストー。入ってる？大丈夫かこれ？』
上条（録画）『なんだっけこれ？おめでとう？うんなんか良かったな！よく分からないけど良かった！』
鳴護「ごめん、雑過ぎると思う。そして口ではあぁいったものの『ちょっと嬉しいな』って思ったあたしへの罰ですか？」
上条（録画）『まぁ言いたい事は色々とあると思う。生まれが違う、価値観が違う、そして癖（へき）も違う』
鳴護「これ流すの？イベ会場が静まりかえると思うよ？だって意味が分からないからね？」
上条（録画）『でもだからって悲観することはないんだよ！中にはシスターさん、そして管理人さんが好きな人だっているんだから！』
鳴護「自分で言ったことに引っ張られてるよね？癖のこと言い出しちゃったから意識持って行かれてるよね？」
上条（録画）『中には！そりゃ抉らせたヤツだっているさ！理事長とか、あと理事長とかな！』
鳴護「前のだよね？これわざと誤解させるように言ってない？大丈夫？」
上条（録画）『まぁ俺が何を言いたいかって言えば、まぁ単純に――』
上条（録画）『――誕生日、おめでとうってことだな！』
鳴護「一月だよ？気持ちは本当にありがたいんだけど、あたしの誕生日は一月十三日だからね？」
マネージャー「正しくは『88の奇跡』その日なのですが。まぁ流石に縁起が悪かろうと別の日になっていますからね、書類上は」
鳴護「あの……柴崎さん？ファン感謝イベントはしなきゃいけませんか？どうしても？」
マネージャー「いくつかあるお仕事案の一つなので、どうしてもではないです。他にもありますから」
鳴護「あぁじゃあ候補を全部聞いてから決めようかな……」
マネージャー「あとは『イギリス城レッサー』という企画が」
鳴護「すいません。事態が把握できていません。こう、知り合いから聞き覚えのない言葉で話しかけられている気がいます」
鳴護「イギリス……城？イギリスのお城ですか？そしてレッサーちゃん？あたしが知らないだけでそういう名前のがあるんですか？」
マネージャー「存じません。持ち込み企画でして、VRゲームの宣伝をしていただきたいと先様は」
鳴護「ちょっと想像出来ないんですけど……どんなゲームですか？」
マネージャー「プレゼン動画がありますのでそちらをご覧ください」
鳴護「いえ、いいですいいです。見れば見ただけテンション下がりますから、まだ口頭で伝えてもらった方が――ってやめてください！無理矢理動画再生させないで下さい！」
レッサー（動画）『――トランスヴァニアの深い森の奥、ひっそりと建つ古城がある……』
鳴護「イギリスは？外国だったらイギリス関係ないよね？」
レッサー（動画）『その城は昼間でも硬く戸が閉ざされ、何人足りとも入り込む余地はないのです――が、しかし！』
レッサー（動画）『夜になると城は本来の姿を取り戻し、イギリス人が闊歩する怖ろしい惨劇の館と化すのでした……ッ！！！』
鳴護「あー、ホラーゲームなんだすね。VRだから怖そ――」
鳴護「……」
鳴護「……リピートプリーズ？」
レッサー（動画）『――夜になるとイギリス人が徘徊する怖ろしい城、イギリス城だったのです！』
鳴護「原稿バグってるよ？モンスターとかクリーチャーとかって単語の場所が、ワープロソフトの一括置換で間違った感じになってますけど？」
マネージャー「いやいや、これが正しいそうです。二回メールした後に直でお話しして確かめましたから」
鳴護「まぁ、うん、そう……だよね。普通は誤植だなって思うもんね」
鳴護「いやいや！でもそのイギリス人が闊歩するのって普通じゃないですか！？なんでこうホラーっぽい導入なんですか！」
レッサー（動画）『それと同時に街では若い娘っこが大量に攫われるという不思議事件発生！パニクる親！そして儲かる地場産業！』
鳴護「地場産業がなんで盛況になるの？普通猟奇事件が起きたら人は出歩かなくなるよね？」
レッサー（動画）『マジレスすると中世ぐらいのちょっとした都市だと、未婚のお嬢さんは出歩かないので結果的に何も変らないのが正解です』
鳴護「うん、そうかもだけどこれ喋ってる感じだけど大丈夫かな？録画にツッコんでるっ体裁だから、ねっ？分かるよね？」
レッサー（本物）「え、すいません声が小さくて聞こえませんでした！！！」 ｶﾞﾗｯﾊﾞﾀﾝｯ
鳴護「もーほら来ちゃったよ！？だからそういうとこが良くないよって言ってるのにな！」
レッサー「え、面倒臭いので端折りますと、古い城イン・ザ・ウッズ、アンド娘っ子アブダクションオーケー？」
鳴護「……英語、合ってるの？この上ないネイティブの人なのに全然信用できない……！」
マネージャー「映画でも短い文法連呼はよくあります。急いでいるときに『あちら側を見てくださいどうかお願いします！あの森の中からそのイノシシは私たちの元へ移動していきます！』とは言いませんから」
レッサー「そういうときは『There!（あっこ！）』ですね。そりゃそうですが」
鳴護「そうなんだろうけども！あたしが言いたいのはそうじゃなくて！」
レッサー「あ、ゲームのあらすじの続きですね？分かってますよぉこの欲しがりや・S・A・N・値☆」
鳴護「前から何回も言ってるけど芸風がニャルなんとかさんと同じだからね？注意した方が良いよ？」
レッサー「それでまぁ若い娘が攫われるのを見て！ハンターが立ち上がるのです――」
レッサー「『――よっしゃこれイギリス城の仕業だわー、退治するしかねーわーつれーわー』と」
鳴護「テロリストだよね？カチコミに来るハンターは過激派だよね？」
レッサー「こうして再び復活したイギリス城を滅ぼすため！イギリス人ハンター、アリサ＝メイーゴサンはイギリス城へとムチを片手に乗り込むのでした……！」
鳴護「事故だよね？その一文だけ聞くとあたしが頭イタイ人にしか聞こえないよね？」
鳴護「て、ゆうかね？その、ムチだったり城だったり、コナ○から出ている某ドラキュ○をハンターするアレっぽい聞こえるんだけど……？」
レッサー「てーてーてー、ててーてーてー！てーてーてー、ててーてーてーてーて！」
（※悪魔城ドラキュ○のテーマ）
鳴護「あ、やっぱりか！？リスペクトという名のイジるやつだこれ！？」
レッサー「『トロピカって○〜！』」
鳴護「本当に待とう？それうん、えっと、あれだよ、一年間通じて言わなきゃいけない人がいるんだから！春と夏はともかく木枯らし吹いてきても雪が積もってもね！」
レッサー「気を遣っているようでdisってますね！いいですよー、アリサさんも程良い感じにこっち側へどうぞ！」
鳴護「あーこれが『世界の半分をあげるから』みたいな話かー。全然心引かれないなー」
レッサー「って感じに！プレイヤーはイギリス人ハンターとしてイギリス城で戦うのがコンセプトです！」
鳴護「イギリス人ハンターってなに？今ご時世だとヘイト警察に通報されないかな？」
レッサー「あぁそこはご心配なく！てかやってみます？プロローグでしたら無料でプレイできますんで」
鳴護「いえ結構です。それよりもファン感謝イベントでお布施を稼ごうと思います。お帰りください」
レッサー「あぁじゃあやってみます？プロローグでしたら無料でプレイできますんで」
鳴護「あ、これハイって言うまでループするやつだ」
マネージャー「すいません。ウチのARISAにそういうのはちょっと。口頭でできませんか？」
鳴護「あ、初めて仕事っぽいことしてる！」
レッサー「あー、じゃあまず第一章は美山王国とその隣にスットコトン帝国があります」
鳴護「名前が和風でご陽気な感じ！？てか飾利ちゃんが言ってた後輩候補の子と同じだね！」
レッサー「先に断っておきますが全く関係はございません。語呂合わせです」
鳴護「語呂合わせ……まぁいいや、後でまとめてツッコむからそれで？」
レッサー「ある日美山王国が闇の国であるスットコトン帝国へと攻め込みました。まぁ理由は色々あったんですが、その後二つの国は三回ほど戦争をしました」
鳴護「色々と端折りすぎだと思うんだけど……それが？」
レッサー「結論から言えばスットコトン帝国の大勝ち、美山王国は滅亡。同王国の王夫妻は流刑ののち死亡、王子は処刑、王女はスットコトン帝国士官の従卒に下賜されて行方不明です」
鳴護「ヒッドイなそれ！？多分その王女さまを助けてって展開なんだろうけど、導入部分がキツすぎて心が折れるよ！？」
レッサー「――今の話の、”美山王国”を”ミャンマー王国”、”スットコトン帝国”を”大英帝国”にすり替えるとそのまま史実になります」
（※実話です。救いはありません）
鳴護「まさに悪魔城！？ドラキュラと同じレベルの悪行をやってる！？」
（※1886年）
レッサー「ちなみにイギリス領ビルマ州には多くのスコットランド人とスコットランド企業が関与しており、他人ヅラしてやがるけどヤローどもも共犯です」
（※「スコットランド植民地」と呼ばれた。連邦国家なのに）
鳴護「あの、レッサーちゃん？いい加減にしてくれないと人間不信になりそうなんだけど……」
レッサー「待ってつかぁさい！有料コンテンツとなる第二章からが本番なんですよ！『ドラキュラの森事件』です！」
鳴護「あ、なんかそれっぽい。迷い込んだ冒険者が失踪しそうな感じ」
レッサー「いいえ？被害者はポーランド人捕虜、かつ主犯はソ連が2万人ちょっとをぬっ殺した事件です」
鳴護「フィクションの体は！？フワッとした言い方で誤魔化したら、ってあれ？イギリスさんは今回無関係じゃ？」
レッサー「と言いたい所なんですが、同虐殺が発覚した1943年にはチャーチルもルーズベルトも様々なルートでこの事件を把握していましたが、公表は差し止めました」
（※実話です）
レッサー「当時は対ドイツ・対日本でソ連と組んで参戦しており、世論が揺らぐのを嫌がったため隠蔽」
（※実話です）
レッサー「てか調査結果が丁度”3年”前に殺されていたんじゃねぇかってトドメが」
（※実話です）
鳴護「三年？」
レッサー「ぶっちゃけイギリスもアメリカも対ドイツ参戦するより前から、ソ連がポーランドで虐殺しやがってましたね残念でしたね大義名分なんてなかったですね、っていうね……ッ！！！」
（※ポーランドが大戦前にイギリス・フランスと同盟組んでたのに、結局ドイツ相手に戦ってソ連は”政治的な理由で”スルーしたという意味）
鳴護「スーツ着た蛮族……あぁ当麻君が大分前に寝言で言っていたような……」
レッサー「というコンセプトが！『バンパイアとイギリス人を入れ替えても成立する不思議！』という画期的なゲームです！どうですか！？」
鳴護「なんで？なんでレッサーちゃんはそこまで体を張って笑いを取ろうとするの？」
レッサー「ふっ、体を張らない芸人なんぞ芸ではありません……ッ！」
鳴護「その分類方法だとユーチュー○で人の尊厳を売ってる人たち以外は芸人さんじゃなくなっちゃう……」
レッサー「てな訳でどうですか！イギリス城ドラキュ○！悪魔城ドラキュ○のリスペクトで！」
鳴護「原型は？どんな歪な金型使ってもここまで怖ろしく歪まないよね？邪神もっこ○ぐらい？」
レッサー「クックックック……！どうですかアリサさん！？ドラキュラは若い娘っ子しか襲いませんが、イギリス人は相手を選びませんよっ！？」
鳴護「そんなに傷つかないで！一瞬の笑いを取るためだけに血だらけにならないで！」
マネージャー「すいません。ARISAさんの精神状況がちょっとアレなので、今のお話はなかったことに」
レッサー「ちっ、命拾いをしましたね！今日はこのぐらいにしてあげますけどね！」 ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ
鳴護「……なんだろうね、こう、『ドラキュラって特定の時代に実在していたら大して問題にならなかったんじゃ？』って。うん、なんていうか」
マネージャー「原作にはモデルがいますから。ワラキア公爵？上条さんの方がお詳しそうです」
鳴護「中二、もとい魔術だからね。あれもきっとどっかでぶつかりそうな」
マネージャー「あ、お茶でも如何です？それとも次のプレゼンに移っても？」
鳴護「お茶と心の準備をください。あと情報を小出しにするのもやめてもらっていいですか？」
マネージャー「はい？何か？」
鳴護「プレゼンってなんですか！？まだ何かネタが！？」
マネージャー「ですからあなたのお仕事案がもう一つあります。ファン感謝祭と……テレビのですね」
鳴護「いいですね！どういう感じの？」
レッサー「『秒でモニタリング……ッ！！！』」 ｶﾞﾗｯ
鳴護「うん、言いたい事は分かるしやりたいことも100%想像はつくんだよね。悲しいけど慣れちゃってるから、ここ一年で散々鍛えられたから」
鳴護「ていうかレッサーちゃんとドッキリって史上最低の組み合わせだよね？最愛ちゃんが監督で映画撮るようなもんだよ？分かってるの？」
レッサー「なんで私だとダメなんですか！？人を陥れたらこれ以上ないってぐらいの人材なのに！？」
鳴護「自覚はあるんだね。あぁ良かった、これで分かってなかったらどうしようかって思ったよ」
レッサー「最近同僚に言われた台詞、『あれレッサー？オマエの名前なんだったっけカ？』」
鳴護「フロリスちゃんだね？割りと沸点が低い彼女を怒らせるなんてどんな酷いをやったの？」
レッサー「『だからオレは答えてやったのさ――”オマエのワイフと寝たから勲章がもらえたのさ”ってね……！』」
鳴護「オチてないよ？脈絡がない上にアメリカンジョークはイギリスの管轄外だよね？レッサーちゃんの担当はもっと乾いた笑いだよ？」
レッサー「あぁいえ、今の話の笑いどころは”答えてやった”のが”堪えてヤッた”という点にありまして」
鳴護「――マネージャーさん、ギブアップです。あたしには荷が重すぎるので我が事務所の最終兵器を要請したいと思います」
マネージャー「分かりました。ではこちらに一任ということで、レッサー＝チャンさんの持ち込み企画、『24時間耐久人狼ゲーム』で」
鳴護「その贄があたしである必要性はどこに？まだ百歩譲ってドッキリぐらいだったら分からないでもないですけど、人狼マラソンに出る必然性は？」
レッサー「『実はARISAが人狼でした！』って定番のオチがカマせると思うんですよね」
鳴護「定番過ぎて真っ先に狩られると思うよ？あたしがもし金田○さんに登場したら『あの人が犯人パターンだな』ってマークされるよ？」
鳴護「てゆうか24時間耐久ってずっと人狼ゲーム？最初の三回ぐらいまでは、まぁなんとか面白いだろうけど、それ以上になるとダラっとしちゃうよね？」
レッサー「多分途中からローカルルールの作成に力を入れると思います。人狼に加えてモフっとした人熊に発情期がある人兎の参戦」
レッサー「そして映画マニアが加わってハンニバル＝レクタ○博士が混ざってワッケ分からなくなるという……！」
鳴護「どちらさまですか？世界史で習ったような？」
マネージャー「別人です。20世紀屈指の猟奇殺人者でご趣味が共食いの方ですね」
鳴護「人狼いらなくないかな？人狼さんも困ると思うよ、『ここへ来て主役が……！』って」
――
レッサー「――はい、って言うわけでドッキリに決まりましたが！」
鳴護「待ってください。さっきのファン感謝イベントでいいです！あたしへの負担がまだ軽そうな感じ！」
レッサー「――いやー、どうも始めまして！BBBC（ブリティッシュ・ブロードウェイ・バッチ来い・ケーブルテレビ）のレッサー＝チャンと申します！
鳴護「日本語入ってるよね？バッチ来いって明らかに日本語だよね？」
レッサー「了解を得てドッキリするのと、了解を得られないのにドッキリする、どっちがいいですか？」
鳴護「そういうとこだよ？何がダメって最愛ちゃんもだけど、JOJ○の黄金の意志のように決して曲がらないところだよ？」
レッサー「いやぁそういうイベントも裏は大変ですよ？タチの悪いファンがハラスメントに及んだらどうするんですか！いやらしい！」
鳴護「いやらしくはないです。あたしは被害者です」
レッサー「いいですかARISAさん？男子ってのは所詮ケモノなんですよ、基本エ×いこととロボットのことしか考えていないんですからね？」
鳴護「まずその二択は失礼だと思うよ？中にはロボットじゃなくてメイドさんや管理人さんって人もいるよ？」
レッサー「どっちもメイドロボと管理人ロボでカバーしてるじゃないですか！何言ってんですか！」
鳴護「あのね、それ言い出したら代用できないものってないよね？」
レッサー「あ、すいません。アイドルも初○さんで代用ができちゃいましたよね！生身の存在価値とは一体！」
鳴護「失礼だな！？あぁいやあたしからしても二重の意味でパイセンだけども！」
鳴護「パイセンはパイセンで本業とは関係ない所で量産される薄い本で頭が痛いと思います。せめてマージン的なものが入ってくるんだったらともかく」
レッサー「ともあれアリサさんからリクエストあります？ないんでしたらこちらで勝手に決めますけど」
鳴護「……一応どんな案があるのか聞いても？」
レッサー「アリサさんは腐ってもアイドルじゃないですか？ですんでそちらを有効活用する感じで」
鳴護「腐ってないよ？そしてアイドルでもなく正しくはシンガーソングライターね？」
レッサー「私が用意するのは――ファンドッキリイベント……ッ！！！」
鳴護「あー……新進気鋭のタレントさんが番宣とセットで出るヤツだね」
レッサー「アリサさんが知ってんのが意外っちゃ意外ですが」
鳴護「この間も元フィギュアスケートの女の子がの見たよ。なんかファン同士の集いにカメラが仕掛けられてて、こう浅○さんの語り合いをしててね」
鳴護「『このレストランは浅○さんもご利用されているんですよ！』とか途中で飼い犬が迷い込んできたり！」
レッサー「おっ、いいですよねー。タレントさんにとっても全肯定してくれるレベルの高いファンに囲まれて姫プレイしたいですよねー」
鳴護「誰だって肯定っていうか承認欲求は大なり小なりあると思う……そして有名人だったら余計に」
レッサー「ではアリサさんもその路線で行きます？ファンの集いにコッソリ潜入するご本人みたいな？」
鳴護「そういうのいいかも！恥ずかしいけどファンの子たちの生の感想って知りたいよね！」
レッサー「ではそういうファングラブの個人的な催しに参加するって感じで」
鳴護「結果的にファン感謝イベントと言えなくもないかも……」
レッサー「あぁでも犬は飼っていませんでしたよね？こっちで用意しておきましたんで」
鳴護「ギミックの犬要素いる？まぁ犬は好きだけど」
ｶﾞﾗｯ
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「……」
鳴護「……」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「――もう殺せよ」
鳴護「うん、あのね、整理しよっか？散らかってて何が何だか分からないと思うんだよね？」
鳴護「まず犬だよね？飼い犬要素はまぁ百歩譲って分からなくもないけど、ゲコ太君だよね？多分悲しい声からして中の人は当麻君だろうけど」
鳴護「代用出来ると思ったの？哺乳類と両生類の着ぐるみは等価交換にはならないよね？『やったね！ゲコ太だ！』ってなるのは精々美琴ちゃんぐらいだよね？」
鳴護「次に当麻君はくっ殺モードへ入ってるけど、そんなに嫌かな？ゲコ太くんは色々あって最近は好きになったきたけど、自殺を考えるぐらいに嫌？そんなに？」
鳴護「そして最後に着ぐるみは脱ぐチャンスあったよね？あたしが事務所に来てから『なーんか隣の部屋からゴソゴソ音がするな？』っては思ってたし、着脱のチャンスはあったよね？」
レッサー「あ、じゃあ全裸にパンイチでレザーギャグでも噛まします？当日は？」
鳴護「レッサーちゃんあたしのこと嫌い？全裸の男子高校生を飼うってそれもうアイドルの域を逸脱してるよね？レベルの高い人身売買ブローカーでもそんな無駄はしないよね？」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「お、俺を飼うんだったら……その、ダッ○だ！週一でハーゲンダッ○を用意しないと暴れるんだからな！」
鳴護「なんでダッ○？あぁいや好きだけどあたしも」
レッサー「想像するに『自分の中で最高の贅沢』ってせっまい引き出しの中、最も高そうなカードがダッ○……うっ！ちょっと泣きそうですね！」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「やかましいわ！俺にとってはご褒美だしもし本当に買ってきたら無駄遣いすんなって説教するわ！」
鳴護「なんて理不尽な居候！？でもその程度で飼えるんだったら誰とは言わないけど喜んでゲットしそう！」
レッサー「病んでますからね。誰とは言いませんが」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「てかレッサーのボケ長っがいんだよ！冬場だったからよかったものの、俺いつまでこれ着て待機しなっきゃなんねぇんだ！」
鳴護「素直に脱げばいいんじゃないかな？出オチなんだから着てる意味ないよね？」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「騙されるなアリサ！このアホはイジりたいだけでまともにドッキリさせるつもりなんでないんだ！」
鳴護「信じたいんだけど、あのね？ゲコ太君の着ぐるみ着てる人に何言われたって説得力は出ないと思うよ？」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「ここは素直に！ファン感謝イベントという名の搾取コマンドをしておいた方が無難だと思うぜ！」
鳴護「度々失礼だよね？大局的に見れば！まぁお金の流れを俯瞰してみた場合は！確かにそういう一面も無きにしも非ずだけと！」
レッサー「そしてファンがいくら課金しようとも、ファンとアイドルがゴールインした例はないのです……ッ！！！」
鳴護「人によるんじゃないの？有名な人たちが有名な人とくっついてるだけであって、あたしは別に？こうなんていう友達枠から選んでもいっかなー、みたいな？」 ﾁﾗｯ
レッサー「すいませんアリサさん。私の性癖はノーマルでしてその気持ちには応えられないんです」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「何言ってんだよ！一回ぐらいはデートしたっていいだろ！？アリサの気持ちを踏みにじるつもりかよ！？」
鳴護「誰も求めてない。そして黙ってろ百合厨」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「まぁ俺が何を言いたいかって言えばバスツアーなんてどうだ？それっぽくね？」
鳴護「あー……あるはあるけど、うーん……？」
レッサー「私は日本のことは存じませんが、バスツアーとはなんです？バスでライブ会場をハシゴするんで？」
鳴護「じゃなくてねー、えーっと例えば地方のそこそこ有名な観光地にツアーを組んでいくのね？大体一泊二日とか泊まりがけで」
鳴護「で、そこで有名人が同じバスで会話したり、ホテルでディナーショーやトークショーしたりって予定が入ると。その分お値段は割り増しなんだけど」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「ファンからしたら観光も楽しめるしタレントにも会えるから一度で二度ラッキーだな！」
レッサー「ラッキー違いません？ギャランティが発生してる時点で人為的に発生させていますよね？」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「黙レッサー！地方の観光業にとっては起爆剤だからいいんだよ！」
レッサー「謝ってください！また変な呼び方を定着させようとしている！」
鳴護「ただ、まぁ？当然一線で働いてる人たちがするかっていえば、当然そんな事はいなよねっていう」
鳴護「ぶっちゃけ旅行会社と地方のタレントさんのタイアップかな。演歌の人とか、場所によっては局のアナウンサーさんが行ったりとか」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「つまり学園都市ローカルタレントのARISAにはピッタリって事だな……ッ！！！」
鳴護「事務所の先輩として言うね、当麻君今日でクビ」
上条（※ゲコ太着ぐるみ）「まぁ待ってくれよパイセン！プレゼン動画を見てから言ってくれ！」 ﾋﾟｯ
鳴護「この事務所大丈夫かな……なんで無駄な労力を二重も三重も使って」
上条（動画）『あー、楽しみだなーアオピンのバスツアー！なんたって1万9千円もかかったけど！日帰りだけども！』
鳴護「当麻君も演技が雑。そして日帰りで2万円弱って適正価格なのかな？」
レッサー「場所と内容次第では？アイドルだっていうんでしたら、それなりのステージ借りてライブもしたいですし結構必要かと」
鳴護「あー、そっかー。歌も聴いてほしいもんね」
上条（動画）『どーれ明日はテンションを常にマックスにするために今日は早く寝よう！夕メシ食ったらすぐに――』
アナウンサー（動画）『続きまして芸能ニュースです。元○○○○○娘の青ピさんのおめでたいニュースが飛び込んできました！』
上条（動画）『あれアオピンじゃね？どうしたんだろ、折角明日バスツーアなのに……あ、そっか！きっとツアー内容の宣伝かなんで』
アナウンサー（動画）『なんと！アオピンさんこと青髪ピアスさん！元バンドメンバーと入籍、お腹の中には赤ちゃんがいるのが判明しました！』
（※実話です）
上条（動画）『えっ？』
鳴護「嘘でしょ？前日だよ！？ファンイベント前日に入籍&妊娠の即死コンボが飛んでくるの！？」
レッサー「いいですね！私的には好印象ですよそのアイドルの方！」
上条（動画）『……翌日。俺たちはバスに乗ったんだ、すると――』
女性添乗員（動画）『皆さん、おはよーございまーす！今日は何の日か分かりますかー？』
女性添乗員（動画）『そう！今日は7月7日！一年に一度織姫様と彦星が会える日です！ファンの皆さんも飯田さんに会えて良かったですよね！』
上条（動画）『………………うっ』
鳴護「煽ってるよね？煽りスキルがハンパ無いよねこの添乗員さん？」
レッサー「恐らく添乗員さんとしては普通に時候の挨拶をされているだけでしょうが……結果的に地雷を踏み抜いてます」
レッサー「――はっ！？これはもしや彦星という名のファンは織姫様という名のアイドルに一回しか会えないけど、織姫はその間NTRれていたという高度な暗示ではないでしょうか……ッ！？」
鳴護「ない話じゃないよね。そして誰でも心折れると思う」
鳴護「あとこっそり実名はやめよう？ググれば一瞬で出てくるとはいえ、イジるんだったら匿名にしよう？」
スタッフ（動画）『ではまず皆さん楽しいバーベキューをどうぞ！各テーブルに指定された量がありますから守ってくださいね！』
上条（動画）『あの、すいません。一人につき肉一枚とソーセージ一本、バナナ1/3カットしかないんですけど……』
スタッフ（動画）『ビールは別売りになっておりますので、近くのスタッフにまでお声をお掛けくださいね！』
上条（動画）『違うわ！？そんなレベルの話ですらねぇよ！？』
ファンA（動画）『――おい、見ろよ』
上条（動画）『ど、どうした兄弟？』
ファンA（動画）『8人テーブルに1.5リットルのウーロン茶一本しか置いてない……しかもこれ、キッコーマ○のウーロン茶だ……！』
上条（動画）『そっか……キッコーマ○ってウーロン茶も出してるんだ……』
鳴護「ファンの人は怒っていいと思うよ？何かの修行してるのかな？」
レッサー「可能な限り安く安くしようとした結果でしょうが、逆にどういうルートで仕入れたのか知りたいです。キッコーマ○のウーロン茶」
鳴護「まぁ、確かに言えることはキッコーマ○にエライ風評被害が出ているってこと、だね。今度機会があったら探してみよう」
スタッフ（動画）『はーい、お腹も一杯になったところでレクリエーションをしまーす！皆さん大好きな巨大迷路でーす！』
上条（動画）『おー！……おぉ？ナンデ？迷路ナンデ？』
スタッフ（動画）『なおアオピンは健康上の理由につき迷路には入りませーん！さぁ、皆さんレッツトライ！』
鳴護「だからなんで？一事が万事疑問符がつく……！」
レッサー「”間を持たせるために施設内にあった適当な遊具で時間を潰す”が正解かと。いやーやりますね！キラいじゃないですこの雑さ加減が！」
青ピ（動画）『まいどー！今日はアオピンのバスツアーに参加してくれて本当にありがとさん！』
青ピ（動画）『ボク、今度結婚することになったから！結婚してもみんな大切なファンやんね！』
上条（動画）『アーオピーーーーーン！！！』
青ピ（動画）『みんな――泣いて喜んでくれるだなんて！アオピン感激や！』
鳴護「違う、そうじゃない。彼らが泣いているのは別の理由があると思います」
レッサー「アリサさん！見てくださいあのステージを！」
鳴護「多目的ステージに雑に張られた紅白の幕のどこに着眼する予知が？」
レッサー「ではなく！……あぁこれは全ての伏線だったのかもしれませんね。今日が七夕ってことを忘れていました……！」
鳴護「はい？」
レッサー「ステージの、その中央にあるのはなんですか……ッ！？」
鳴護「あー、あれ短冊だね。小さい竹が置いてあるから、一応演出プランとしてはやってたんだね。なんの感慨もないし、同じプロとしては軽蔑しかしないけど」
レッサー「違いますよ！ですからその短冊には何が書かれていますか……ッ！？」
鳴護「あ、そうだね。何か、っていうか誰かの願い事が――ってまさか！？」
レッサー「……そうです。あのステージの短冊は、こう書かれているんですよ――」
レッサー「『――みんながいつまで笑顔でいられますように。アオピン（※アイドル名）』ってね……ッ！！！」
鳴護「その笑顔を奪ったのは誰かなぁ！？せめて！そうせめてあと一日ぐらいは結婚＆妊娠発表をズレ込ませなかったのかな！？」
上条「くっくっくっく……！どうだアリサ！何が凄いかって全然盛ってない事実だけで構成されてるって事なんだぜ……！」
（※残念ですがマジらしいです）
鳴護「うん、分かったけどそれであたしのファンイベントとどう繋がるのかな？反面教にしろってこと？」
上条「あぁいえこの上を行く歴史に残るような悲惨なバスツアーをだな」
鳴護「だからなんで！？レッサーちゃんも当麻君も人のアイドル人生をかけてネタに走るのはやめてくれないかな！？」
上条「そして今調べたところによるとこの大迷路は去年の6月に老朽化を理由として取り壊しが決定している……！」
鳴護「いや興味はないです」
上条「そして更に更に調べたところ、大迷路がある千葉県野田市の清水公園の運営会社の大株主、そしてスポンサーになっているのが――」
上条「――キッコーマ○であると独自調査によって判明しました……ッ！！！」
鳴護「だから？」
レッサー「と、いうことは飯○さんが用意したキッコーマ○のウーロン茶とは……？」
上条「――そう、彼女自身にルートがあったのではなく、施設側から多分タダで贈られたものだったんじゃねぇかなと！」
（※企画したのが旅行会社だから）
鳴護「盛り上がってる所恐縮なんだけど2007年の話だよね？今更『そんな事実が！？』って盛り上がれる人いる？いないよね？」
レッサー「負けてはいられませんよアリサさん！こうなったらドッキリでファンとアイドルが逃避行をした後、本命の彼氏ご登場ってドッキリを！」
鳴護「それでも勝てる気がしないね！面白い芸人さんのあとに素人芸を見せても例外なくスベり倒す感じかな！」
上条「じゃあ少し角度を変えてだ？心霊体験バスツアーってのはどうだろう？」
鳴護「角度つきすぎじゃないかな？急勾配にも程があるよね？」
上条「あぁ勿論アイドル要素を取り入れるのも忘れずに。こう、ファンと一緒になってキャーキャー騒ぐ感じのやつ」
鳴護「悪くはないけどねー。でも涙子ちゃん向けじゃないかなー。キャラ的にも」
上条「こう、アレだ。深夜に誰もいない廃墟に行ってだな。三人ぐらいの組に分かれて、一番奥に置いてあるお札を取ってくるんだ」
上条「アリサや他のファンがいるところでは大丈夫なフリをしても、一組、またもう一組が入っていく。そして近づく自分達の番」
上条「アリサに『頑張っていきまっしょい！』って言われて、最初の間はテンション上がって意気揚々と向うんだけども……」
上条「暗い廃墟の中では物音一つ――あぁ違う！どこからともかく、こう、声がしたんだ……！」
レッサー「『……出、して……ここから……出して……』
上条「どこをどう走ったのかも分からない。ただひたすら何も考えずに出口を探して走り回って」
上条「暗闇の中やっと見つけたスタッフの灯り、息も絶え絶えに事情を説明すると――」
上条「――そのスタッフは、こう、言ったんだ……」
レッサー「『――この巨大迷路の中にはね、今もなお出口を求めて彷徨ってる飯田圭○のファンがいるんですよ……ッ！！！』」
上条「い、いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ！！！？」
鳴護「打ち合わせしたよね？二人の呼吸ピッタリなのは今更なんだけども、それだけじゃ台詞まで揃えてたって説明つかないからね？」
鳴護「てゆうか同じ施設だよね？飯○さんがやからした施設は取り壊しが決まっても、まだイジられる運命にあるの？可哀相じゃないかな？」
鳴護「てかもう尺がないんだよ！？ドッキリにしろバスツアーにしろいい加減にここいらで決めないと！」
レッサー「――ってはいそんな訳で今日もワイワイやって来た訳ですが！オービット・ポータルではファンの皆さんからの企画を募集しています！」
鳴護「あ、あれ……？謎の告知が始まった……？」
レッサー「所謂エイプリルフールでドッキリなんですが、基本洒落になる感じで！なんだったらアリサさんじゃなくても構いません！」
レッサー「我らBBBCクルーが責任を持ってキャスティング並びに実行犯を担当いたしますんで！」
鳴護「なんて？あたしいらなかったら今日の下りは一体……」
レッサー「なお決して！そう決して去年のエイプリルフールで何もコメントを頂けず、テンションが下がった訳ではありません！そりゃもう絶対にです！」
レッサー「フルモデリングのコーポ・アステカを作成、ウソ心霊画像を合成しようとしたら一気にノーパソの調子が悪くなっただけです！他意はありません！」
（※原因不明。あとは並べてSUM○の物件紹介みたいなの作るだけでした）
鳴護「他意はないけどちょくちょく呪われてないかな？あぁいや良い機会だし人生の厳しさを思い知った方がいいと思うけど」
上条「みんなの応募、待ってるぜ☆」 ｷﾘｯ
鳴護「あっはい。えっと、程々にね？あたしのノドの調子も考えてくれると嬉しいよねっ！よろしくっ！」
-終-
※エイプリルフール企画です
【誰】が【誰】へ【どんなドッキリ】をするか、書くと良い事があるかも知れません
できればシャレになる範囲だといいかもしれませんが、ネジのズレた何人かは自重しないかもしれません
例）――
【上条さん】が【御坂さん】へ【実は血縁関係あったんだドッキリ】を敢行
【姫神さん】が【鳴護さん】へ【心霊ロケドッキリ】を敢行
【レッサーさん】が【上条さん】へ【弟切草ドッキリ】を敢行
禁書・超電磁砲キャラ限定で、お互いが知り合いかどうかや死亡フラグは無視します
〆切りは大体2週間ぐらい？数によってはエイプリルフール当日を過ぎても続きます
では宜しければご参加下さい