バレンタインの日ver2021
――風紀委員 詰め所
佐天「――どもっす、お疲れさまでーす!」 ガチャッ
初春「はいお疲れさまです。風紀委員ではないのによくもまぁノコノコといらっしゃいませ」
佐天「白井さんやめちゃったんですか?」
白井「ナチュラルに聞いてきやがりましたわね部外者。ごきげんよう涙子」
佐天「いまだに慣れないんですが、ごきっす」
白井「そんな邪悪な略し方初めて聞きましたの……」
初春「流行りそうですよね」
白井「流行りませんわよ?そんなネタに特化した学校じゃないですからね?」
佐天「そういやバレンタイン近いですけど二人は何かご予定でも?」
初春「……佐天さん、我々の勤務態度を見てそれを言いますか?」
佐天「毎日毎日お疲れさまですよね、とは思うんだけど。なんか職場でとかありそうじゃない?」
初春「比較的男性も多いですけど、そういう出会いはないですかねぇ。ですよね?」
白井「公私混同と見られかねませんの。わたくしはないですわよ」
佐天「はー、そうなんですか」
白井「それよりも言い出しっぺはどうなんですの?まぁ暇を持て余してるのを見て、殿方がいるとは思えませんが」
初春「あー……それがですね、佐天さんは少々複雑でして」
白井「とは?」
初春「お題――『佐天さん最近男子によく頼まれるの巻』」
佐天「『好きな子がいるんだけど、その子へプレゼントを贈りたいから一緒に選んでくれないかな?』」 キリッ
白井「罠ですわよね?超罠ですわよね?何かこうワイヤーが伸びているのが幻視できるようなトラップですのよ」
白井「そして中一がまた凄いレベルの高い誘い方を……!?」
初春「『相手の好みを聞き出しつつ、かつベストな選択肢を自動的に決定した上、最後に実はサプライズ』的な」
白井「中一の発想とは思えないですのよ!」
初春「クソ度胸があるかマンガの読み過ぎかのどっちかかと。もしくは抉らせたエ×ゲー作ってる人」
白井「しかもよく頼まれるのは複数……!その後の展開が気になるですわ!」
初春「はい、ではお返事をどうぞ」
佐天「『他の女の子に選んだのをもらってもいい気分しないと思うよ?あたしだったら嫌だなー、まずその発想からしてないわー』」
白井「大丈夫ですの?不登校になった子とかいません?」
初春「……まぁ撃沈したのはしたで男子同士の横の繋がりが強くなるって言いますか、まぁ、はい」
白井「ちなみに類人猿さんからのお誘いがあった場合には?」
佐天「超オッケーして御坂さんにどんなブツを送るのかチェキしますけど何か?」
初春「あーこれこじれるパターンですね。親友として心が痛いです」 ワクワク
白井「どう見ても楽しんでるようにしか……?あれ?」
佐天「まぁあたしはそんな感じでノーフィッシングなんですが、お二人はあげる相手いますよね?」
白井「ですからどなたもいないと」
佐天「美山君もですか?」
初春「あー……そうですね。お世話になりましたね」
白井「しかしわたくしには心に決めた御方が!」
佐天「いえ、白井さんは御坂さんがお好きでもいいと思うんですよ。性的な意味でもスール的な意味でも」
白井「両者は同じですわよね?」
初春「それ白井さんだけですよ?スール的なものはもっとこう高潔な感じですからね?ドロォっとした欲とは無縁ですから」
佐天「色恋沙汰とは別に!対人コミュニケーションを円滑にするためにも日々の積み重ねが必要となるのです!」
白井「――で、本音は?」
佐天「御坂さんから頼まれています!『黒子ができればあたし以外にも興味を持つように!』って!」
初春「凄いですよね。ブブヅケを毎日もらっているのに突進するその力が」
白井「乙女力ですわね。えぇもうホントに」
初春「別名ストーカー力及び、『借りを少しずつ積み上げて逃げられないようにする』ですね」
佐天「そんでどうです?あげるんですか?」
白井「そうですわね。美山にはお世話になりましたし、将来の同僚として期待もしていますし」
初春「ただ転校されてしまいましたし、会いに行かない限りはバッタリ出くわすこともないかと」
初春「あぁじゃあ行きましょうよ!折角なんであたしもいっちょ噛みしますから!」
白井「導入が雑な上に強引ですわね……初春?」
初春「構いませんよー。何かあったら緊急で呼び出しかけますんで。あとこれ」 グッ
白井「チョコ――いいえ初春、わたくしたちは同僚でいるのがベストであって、これ以上親密には」
初春「なんでちょっと断り慣れてるんですか。美山君へ持っていって下さいね、って言ってるんですけど」
白井「しかしお姉様に秘密であれば肉体だけの関係でも吝かではございませんの……!」
初春「ダメです白井さん。結果的に癖(へき)へ全振りになってしまってます」
佐天「白井さんはなんで漢に生まれなかったんでしょうね?御坂さんを見ててもたまに思いますけど」
――どっかの学区
白井「――と、いう訳で美山の学校の近くまでやって来ましたの」
佐天「なおコンビニで二人分のチョコを購入しました」
白井「パッと言ってパッと渡してくればいいですわよね?」
佐天「学校で超ハブられますよ?確実に見られて悪目立ちするタイプじゃないですか、美山君って」
白井「……小学生ですわよ?」
佐天「いやでもあの子は……あ、丁度校門から出て来ましたね。まるであたし達が出待ちするのを待っていたかようなタイミングで」
白井「まぁそこはそれ人生とはそういうものですわよ、と納得させるしか」
美山『……』
女子A『ねぇ美山くんどっか遊びに行かない?隣街にクレープ屋さんができたんだって』
女子B『えー、ゲーセンいこーぜゲーセン。今日こそドラグモ○進化させてーしさー』
女子C『……あ、電波が……』
結標『ちょっと遅いわよ!もう少しで通報されるところだったじゃない!』
白井「『――もしもし初春?XX学区のXX小学校に不審者が出ましたの、えぇただちに射殺の許可を』」
佐天「うわぁ……なんていうか、うわぁ以外の言葉が出て来ません」
白井「取り敢えず肉体言語でシメてきますわ……ッ!」
佐天「――ジャストアモーメンッ!まだ早いです白井さん!確かに絵面が超キッツイですけど、まだ犯罪だって決まった訳では!」
(※少年&少女&少女&少女&恥女)
白井「高校生が小学生への声かけ事件で立件可能ですわよ?」
佐天「巻き込まれとはいえこんな案件に関わるのが嫌なんですよ!軽い気持ちで冷やかしに来たのにどうして!?」
白井「涙子はもっと猫を殺されないようにセーブした方が良くてよ?」
佐天「ま、まぁ待ちましょう!様子見ましょう!小学生グループに高校生が混じって切ないですけど!まだ犯罪だと確定は!」
(※小萌先生の保護観察になったから恐らく姫神さんと同じく高校生)
白井「……ひと思いにトドメ刺した方が、あの恥女にとってもwin-winなのではななくて……?」
佐天「ま、まだだ!まだ希望が残っているはずですよ!なんかこうアウツ、じゃない理由であの輪に交ざっている可能性も!」
白井「どんな理由ですのよ」
――路地裏
チンピラA『へっへっへ……!女ばかり連れていいご身分じゃねぇか!』
チンピラB『けっけっけ……!全くだぜ、少しばかりオジサン達にも分けてくんねぇかな?』
美山『彼女たちの意志も聞かずにかい?そんな無理難題通るはずがないと思うよ?』
佐天「少し目を離した隙に絡まれてますけど、大丈夫ですかこの学園?小学生児童に絡むヤンキーって色々と終わってないですか?」
白井「ど、同級生だと思えば!」
結標『助けて美山きゅん!?薄い本みたいなエ×ことされる!』
チンピラA『あ、すいません。おねーさんは興味無いんでいいです』
結標『オォラァッ!!!』 バスッ
チンピラA『げふっ!?』
チンピラB『あ、アニキ!?なんて酷い!アニキはただ子供と仲良くしたかっだけなのに!』
結標『うるさいわねこの犯罪者!えっと……ダメよ!予約済みなのよ!』
佐天「あの……途中から説得力が激減しましたけど、あれはどういう心理で?」
白井「恐らく『あ、これ人のこと言えねぇわ』と一瞬だけ正気に戻ったのかと』
佐天「いやでも、まぁ、ほらっ!や、役にたったじゃないですか!防犯的な意味で!」
白井「チンピラ二人が壁にめり込みかけてますけどね」
――コンビニ
美山『えっとじゃあ僕は――』
結標『なんでも買ってあげられるわ!ちょっとだけおねーさんに任せて!』
美山『ダメだよ、そういうのは。友達は友達で貸し借りしていいものと悪いものがある』
結標『美山きゅん……!』
佐天「すいません白井さん、言い出しっぺですけど帰っていいですか?SAN値がガリガリ削られます」
白井「お待ちなさいな!わたくしだって半分仕事と半分友人のためと思って我慢していますのに!」
佐天「せめてこう、見た目だけでも中学生ぐらいだったら微笑ましいんですけど。底辺イメージビデオのジャケっぽい服着たおねーさんが浮いて浮いて」
美山『――さて、ジュースも飲んだし行こうか、みんな』
結標『あ、ゴミは私が捨ててくるわね。ちょっとお花も摘みに行きたいし』
美山『花?花ってどういう――』
少女A『うん、じゃあ先に行ってるね!いつもの広場で!』
結標『そうね、ありがとうっ!』
佐天「精神年齢が逆転していません?何かこう黒っぽい組織が遊園地で遊んでで、たまたま持っていた薬で人体実験でもしたんですかね?」
白井「あの話も全国のごく少数のお姉様方にヒットしてるから、まぁあまりこう細かいことは。安○さん×コナ○くんは貴い……ッ!」
佐天「まぁでも、子供たちのゴミを率先して捨てるなんていいことじゃないですか。今日初めていいところ見ましたよ」
白井「……いいえ涙子、あなたはまだ甘いのですのよ。この学園の『暗部』について無知ですわ」
佐天「あんぶ、ですか?」
白井「えぇ、世の中には人の道から大きく踏み外し、それを良しとする人種がおりますの」
佐天「まさか!?――って意外でも無いな!あのスッゲーエ×い服着てる時点でおかしいですよね!」
白井「いいえ、わたくしが言ってるのはそういうことではなく――ご覧なさい!」 ピシッ
佐天「あ、あれはっ!?」
結標『……』 コソッ
佐天「美山君の飲んだジュースの空き缶を回収してる、だと!?」
白井「わたくしには分かりますの!だってわたくしだってしたいのですから!」
佐天「やっべぇな今日のツッコミ。初春と替わってもらってどっちも逮捕しちゃった方がいいんじゃないかなこれ」
白井「――ってなにやっとんじゃクラーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」 バスッ
佐天「出たーーーーーーーーっ!白井さんのドロップキック!その高さからフライ・ハイとも呼ばれる珠玉の必殺技が!」
結標「ゆきちっ!?」 ブフッ
白井「やっていいことと悪い事がありますのよ!絵的にはキッツイですけど、まぁ一緒にいるぐらいはいいとしまして!」
白井「もっとこう一線を守りなさい一線を!ストーカーとしてやっていいことと悪い事がありますのよ!」
佐天「白井さんは『やりたくてもやってない』だけですらね?実行犯と頭の中で想像するだけでは雲泥の差ですが」
結標「あ、あなたは白井さん――はっ!?やっぱりあなたも美山きゅんを狙っ……!?」
白井「違うわ、超違いますのよ」
結標「……分かるわ白井さん!世界の誰に理解されなくても!同じテレポーターであり同じ性癖を抉らせた私には分かるの!」
白井「ぶち殺しますわよ?二度とそのテレポーター繋がりで共感したみたいに言うな?マジで殺しますのよ?」
美山「……えぇと、黒子に涙子?どうしたの?」
佐天「えっと……うん。バレンタインで!たまたま近くを通りかかっただけだから!」
白井「……まぁそんな感じですの。どうぞ、ハッピー・バレンタイン」
美山「ありがとう黒子に涙子、大好きだよ」
佐天「なんだこの小さな王子様。リアル弟がいて耐性持ちのあたしですら『あれ?』って思うな!」
白井「や、やりますわね美山!なんかちょっと変な空気になりましてよ!」
結標「ぐぎぎぎぎぎ……!私だけの王子様が……!」
白井「あなたはこっち。さっ、しばらくシャバに出られると思わないでくださいまし」
結標「あぁせめてチョコだけでも!手作りしたのをせめて!」
白井「はいはい、成分検査して異物混入がなかったら返して差し上げますからご随意に。キリキリ歩きなさいな」
美山「うん、まぁお仕事お疲れさまです。またね」
佐天「美山君は真っ直ぐに育ってほしいけど、多分歪むんだろうなぁ」
-終-
(※「テレポーターは次元を歪曲しすぎて性癖も歪む」説。ご応募ありがとうございました)
――ファミレス
円周「エ×ゲーをね、贈ろうと思うんだよね」
バードウェイ「おいおいどうした?開幕からパワーワードぶっ込んできたけど大丈夫かこれ?」
シェリー「見た目は子供だから罪悪感が半端ないわね。自重しろクソガキども」
円周「シェリーちゃんこのあいだ『しっかりしたお子さんですね』って落ち込んでたよねぇ」
シェリー「うんまぁ、もういい加減慣れたっちゃあ慣れたから、『下の子は中々おしとやかにならないんですよ』って返したけどな」
バードウェイ「おいやめろ。私だっていい年してゴスロリ着た女を母と呼びたくはない」
円周「場違いは場違いなんだけど、なんだかんだで外見もいいから『モデルさんが雑誌の撮影かな?』って目で見られるしぃ」
シェリー「そらそうだろうよ。アートでメシ食ってる人間が第一印象怠ったらただのアホですわ」
バードウェイ「最近悪目立ちしなくなってきたしな。ただ無言で私を撮るのはやめてほしいが」
円周「マニアの犯行だよねぇ。いいの?」
バードウェイ「撮った画像全面に数十本の手が写り込むハートフルな仕様にしてやった」
シェリー「生命の危機を感じるよな。ちょっと見てぇ」
円周「魔術は小回り効くのが羨ましいよねぇ、ってそうじゃなくて当麻お兄ちゃんのことなんだけど」
バードウェイ「ていうかだな、なんでチョイスがエ×いゲームなんだ?もっと他にマシなモンあるだろうが、えっと……ソシャゲーとか?」
シェリー「生産性がクソほどもねぇよな。あぁいや大抵の娯楽なんざそんなもんだが」
円周「いやー、それがさーぁ?最近お兄ちゃんお疲れさまじゃん?大変だったじゃん?」
バードウェイ「ジャンジャン言うな。あれぐらいで鬱になる精神が弱すぎる」
シェリー「いや、流石にあたしもスーサイドクラブがオルフェウス教団と繋がりがあったとは思わなかったわ。なんで極東の島国で続いてたんだか」
円周「うん、うんッ……!そうだね、こんなとき『木原』だったらきっとこういうんだよね……ッ!」
バードウェイ「もっとスムーズに導入できないかそれ?あと普通に切り替わってるときあったよなぁ?」
円周「『人が中々死ななくなったら”自発的に”死なせるのが楽だわな。昔と違って死体ゴロゴロの暗黒時代でもねぇし』」
円周「――と、いう訳でね!お兄ちゃんが喜びそうなクソゲーをプレゼントして英気を養ってもらおうって企画だよ!バレンタインだしね!」
シェリー「クソの意味あるか?百歩譲ってエ×いゲームで納得するとしてもあえてクソ?」
――上条のアパート
シェリー「と、いうわけで私がトップバッターよ。笑えばいいじゃない」
上条「俺の知ってるバレンタインと違う……あ、海外ではそういう?」
シェリー「聞いた事な――くもないわね。そうそう、本番本場。あっちじゃ聖バレンタインの命日に戯○を贈りあうって風習がね」
上条「すっげーな戯○!老舗ではあるけど十字教にも名前出てるのか!戯○マインの二つ名は伊達じゃないぜ!」
シェリー「きっとブランドの中の人は泣いてると思うわ。だってただの蔑称だし」
上条「俺も正直『なんでバレンタインにエ×ゲーって思わなくもないけど!いいぜ!時々知り合いが選評書いたりして経験値を上げてる俺にかかって来い!」
シェリー「あたしは前に動画サイトでOPムービーが流れてて一目惚れしたのを。『フェアリーテイル・レクイエ○』」
上条「だから大丈夫か?名前出して関係各位から叱られたりしないかな?」
シェリー「CGとOPムービーは曲と合わせて業界最高……らしい。絵に釣られてゲームやっただけだったから、まぁあたしも詳しくはわっかんねぇだけども」
上条「色々と定評のあるライア○ソフトさんだからな。ハズレとアタリの差が激しい」
シェリー「内容はなんかアレだ、精神病院っぽいところに『お伽噺症候群(フェアリーテイルシンドローム)』の患者が収容されるって話だ」
上条「ラノベでありそうな当て字!そしてそういうの嫌いじゃないです能力バトルとか!最近は力でゴリ押しばっかだけど!」
シェリー「例えばアリスを名乗る子は不思議の国のアリスの行動を模倣する。バラを塗ったりお茶会を開いたり、それっぽい服を着せられたり」
上条「コスプレは必要なくね?なんでガワから始めんの?治療するって施設だよね?」
シェリー「まぁそんな感じでヒロイン達とあーでもないこーでもないと交流を深める訳なんだが、ぶっちゃけると『大規模なイメクラ施設』なんだわ」
上条「なんて?」
シェリー「施設の職員の正体は外部から金払って来たエ×いことする客だったり、てか常連も居たり」
上条「……心の病気を治す施設なんだよね?てかそれって病人に色々とするのはコンプラ的にアウトじゃ?」
シェリー「それは洗脳装置さんのお陰だったのよ……!」
上条「ちょっと何言ってるのか分からないですね」
シェリー「うん、心配しなくていいわ。買ってプレイした本人が一番分からないのだから。『ナンデ?』って」
シェリー「で、個別ルートも基本的には救われないような酷い内容なのだけど、全ての謎はグランドルートで回収されるのよ……ッ!」
上条「そ、そうだよな?きちんと落とし前はつけるんだよ、な?辻褄合わせっていうか?」
シェリー「今までの個別ルートは以前施設にいた自殺した少女の霊が見せたもしもの世界だったの……ッ!」
上条「シェリー、あなた疲れてるのよ」
シェリー「うん、あたしも『ニンジャの仕業かな?』って思った。だって今までほぼ存在すら聞かなかった上、幽霊そのものが登場しなかったのにそれ!?ってツッコんだし」
シェリー「えっと……ま、その施設は洗脳装置さんの実験場だったのよ。顧客の話では半世紀以上前から洗脳装置さんで実験を繰り返していたらしいわ」
上条「それ完成してねぇかな?だって頭パーにしてエ×いことさせてんだろ?」
シェリー「仕方がないでしょ!?だってそれ以外に洗脳装置さんは仕事してないんだから!」
上条「意味が分からない。つーかなんだその話は!?」
シェリー「事実はこうよ?主人公も含めたヒロイン達は全員某かの”罪”を抱えていたのよ、その”罪”から逃れられるため、全員童話っぽい物語の中へ逃げ込んだ――」
シェリー「――って洗脳されたの」
上条「だったら最初から罪云々じゃなくてガチ洗脳した方が早くね?洗脳するために罪の意識を植え付けるために洗脳したって、二重の意味で頭おかしい」
シェリー「でも実は全員”罪”なんて犯していなかったの!そのことを自覚した上、もう一人の医者が幽霊さんを自覚すれば!」
上条「なぁ、その後から次々と設定出てくるのなんとかならないか?幽霊とか医者とか初耳なんだけど」
シェリー「あぁ心配はいらないのだわ。主人公も最後の最後で”妹の生き霊”って謎の超存在に助けられたり」
上条「ゲームとして成立してる?後出しジャンケンばっかで伏線も何もない!」
(※伏線もクソもなく次から次へと登場する後出しジャンケン)
シェリー「……そして全員が幽霊の存在を認め、靴のカカトを三回鳴らしたら空を飛んで家へと帰ったのよ……!」
上条「情報が多すぎる上に混沌としてんな……ッ!?」
シェリー「スタッフロールの後で『昔ここで色々あったよね』的な回想があるから、まぁ全員が飛び降りとかそういうオチではない”筈”なのよ。きっと」
シェリー「あと施設が解体される際、ここで亡くなった患者を施設の敷地内へ勝手に埋めていたりとか、何かこう、うん。洗脳装置さんが八面六臂の活躍をしていたる割にはショボイっていうか」
上条「もっと体裁良くできなかったのかよ!?設定ありきで見切り発車するから!幽霊さんに解決を任せるんだったら、そっち方面で全体的に話を作った方がまだ辻褄合ったんじゃないか!」
シェリー「そしてお伽噺症候群()は洗脳装置さんが仕事をした結果であって、最初から誰一人罹っていなかった上」
シェリー「『結局誰がどういう意図で洗脳装置さんと施設を運用していたのか?』は謎のままおわるっていうね……!」
上条「大丈夫かライア○?原画頼みにしても程があんぞ?RIT○さん目当てで買う人の気持ちにもなって!」
(※OPムービーとその動画は最高。是非探してみてください)
シェリー「ちなみに円周に『日本のエ×いゲームってこんなんばっかなの?』って聞いたら、『あ、それはシナリオライターが地雷だよ!やったねラッキーだね!』って」
上条「やってないよ?それで喜ぶのって絹旗監督……いや監督も流石にエ×ゲーまで手を出してないはず」
シェリー「世の中にはダメ乙女ゲーというものもあるんだとよ」
上条「やってそう!主人公(の女の子)に『ハマヅラ』とか名前つけて超暗い楽しみ方してそう!」
シェリー「まぁそんな感じで、さっ遠慮なく、なっ?」
上条「いくら絵が綺麗だっていってもダメ要素がてんこ盛りしすぎでエ×根性も起きねぇよぉ!」
――上条のアパート
円周「――第二の刺客、木原円周、とおっ☆」
上条「お前の場合100%計算だからどのポーズもあざとくしか見えねぇ……!」
円周「やっだなあ当麻お兄ちゃん、私がスルのは当麻お兄ちゃんだけだよ?他に(生きているのは)いないんだよ?」
上条「デフォルトで病んでる……!誰だこいつヒロインに指定したの!?」
円周「『性欲業を征す』」
上条「もう元ネタがなんなのか分からないぐらいに変質してる」
円周「と、いうわけで私がオススメする一品はこちらです、どんっ!『殻(から)の少○シリーズ』三部作!」
上条「ごめんなさい俺が悪かったですからその箱をどっか見えないところへやって下さい!!!」
円周「ぶー、超しっつれいだねー?」
上条「ジャケットがもう嫌なんだよ!人体切断された女の子とかトラウマしか生まないって!」
円周「あぁいや普通に面白いよ?じゃなきゃシリーズ化なんてされないじゃんね?」
上条「あー……まぁそれはそうたけど」
円周「まぁインストするのも話を聞いてからで別にいいし――では改めまして殻の少○シリーズだね」
円周「昭和、戦後数年経ってから東京が舞台で。少女の連続殺人事件が世間を賑わせている中、主人公の探偵さんは公園で少女にこう依頼されます」
円周「『――本当の自分を見つけ出してほしい』と」
上条「お、なんかいい感じ。思ってたよりもソフトな感じで」
円周「名前のあるヒロインは大抵まともな死に方が出来ません!残念だったねー!」
(※ルートに関わらず生存率が低い上、前作ヒロインもひっどい目に遭う)
上条「喜ぶ要素あったか?お前とそこそこ付き合い長いけど、何一つ理解できてる気がしねぇんだよ!」
円周「ただこのゲーム、一作目には欠陥がありまーす!それは悪役が出て来た瞬間に『あ、こいつ犯人だな』って分かる仕様なんだね!」
上条「どゆこと?」
円周「まぁ大したことないんだけど、京極夏○先生の『魍魎の筺(もうりょうのはこ)』って小説があってねぇ。似てる箇所がいくつか」
上条「探偵小説だったら、まぁ仕方がないところもあるんじゃないの?乱歩とか明智とか、今よりも科学技術が発達してない方が駆け引きとか重要視されるしさ?」
円周「うん、あのね、そういうレベルじゃなくてバラバラ殺人事件が起きてたり、新人小説家が出て来たり、治療がどうのって話も」
円周「犯人像から設定に心理描写、そしてヒロインの両親が微妙だったり不幸な運命等ぜーんぶ酷似してるんだよねぇ」
上条「……訴えられなかったの?」
円周「もしもしエ×ゲーじゃなく、小説かマンガで出してたら確実に訴えられてたと思うよ?個人的な意見だけど、小説のギミックやコンセプトがソックリでね?」
円周「最初にプレイしたとき、『二周目の世界かな?』って疑うぐらいに既読のシーンがチラホラと」
上条「そっか――でもちょっと立ち止まって考えてほしいんだ?どうしてそんなアレな感じのゲームを俺へオススメしてるんですかコノヤロー?」
円周「それ”以外”はそんなには文句ないんだよ?原画と音楽とムービーは業界屈指だし、声優さんの演技は凄いの一言」
円周「特に一番凄いのは主人公の探偵さん、二作目のトゥルーラストで嗚咽をあげるシーンはもらい泣きしたねー。お兄ちゃんも声優として勉強した方がいいと思う」
(※このゲームで一番萌えるのは主人公のオッサン(男)。フルボイス版の演技は圧巻)
上条「まぁ俺は関係ないけど参考になるよね!俺に使う機会はないと思うけど!」
円周「なお最新作兼(多分)最終作では前二作で割かしまともだった人が、実は前から狂っていたのもポイント高いよねっ!」
(※窃盗&営利誘拐等)
円周「そしてレクタ○役だった人が大した動機もなかったり!まぁ最初から設定してなかったんだけど思うけどっ!」
上条「だからなんでそんなゲーム進めたの?やっぱお前俺の事嫌いだろ、なぁ?」
円周「そしてあんまりこのゲーム好きだってお外で言わない方がいいと思うよ?グロ表現がハンパ無いからね?」
上条「――よーし表出やがれこの野郎!今日という今日は決着つけてやっかんなオラ!」
――上条のアパート
上条「助けてバドえもん!アホ二人が僕のSAN値を削ってくるんだよぉ!?」
バードウェイ「力強いアホと頭がいいアホのコンビだな。微妙に例えが適当で笑うわ」
バードウェイ「まぁそう気に病むな。私はお前のためを思って選んできた」
上条「だ、騙されないぞ!どうせ思春○とかはじめてのおるすば○とかFift○みたいなコンプラ違反を持ち出すんだろ!?」
バードウェイ「随分詳しいなコラ。どれもこれも当時問題になったヤツで癖(へき)の方向性が限定されてんだろ」
バードウェイ「あーじゃあRPGでもするか?たまたま私が持ってきたのがそれなんだ」
上条「……ホントにか?クソ要素の結集したのじゃないだろうな?」
バードウェイ「いや違う違う。まもとなRPGだよ、舞台が現代で普通の高校生が主人公だ」
バードウェイ「最近街では猟奇殺人が多発してて『危ないねー』なんて言っていたら、ある日突然魔物があふれ出る!」
バードウェイ「しかし主人公と友人たちは神や天使、堕天使が封じられた魔剣を手に生き延びようと必死に足掻く……!」
上条「あぁいいな!そういうの好き!」
バードウェイ「装備できる魔剣は魔剣同士で合体可能!より強い上位魔剣で敵を倒す!」
バードウェイ「レベリングも簡単だぞ!異界のキノコ映えする一本道を上り下りするだけで敵がわんさかと!」
上条「……でも戦闘、面倒なんでしょ?」
バードウェイ「そんな心配は無用だ!途中から入る秘宝はオートバトルを可能とさせ、単調な稼ぎをスキップできる!」
バードウェイ「さぁ立ち上がれ転生者よ!貴様の血に宿る神々の思惑を断ち切ってやるんだ!」
上条「お、おぉ……!なんか格好いい!……あー。でもな」
バードウェイ「なんだね。まだ何か不満でも?」
上条「エ×ゲーのRPGって出来が極端なのばっかじゃん?エウだって当たり外れが大きいし、信用できるスタッフなのか?」
バードウェイ「本当にお前はものを知らないなぁ。あー、あまり大きな声では言えないんだが……女神転○ってゲーム知ってるか?」
上条「知らないヤツなんていねーよ!悪魔合体で超有名な……あ!?魔剣とかの合体ってもしかして!?」
バードウェイ「そうだ!何作目かは忘れたが、女神転○を作った人間が企画や監修してるんだよ……っ!」
(※鈴木一○先生。ファミコン版の「悪魔合体」の考案者。全てはこの人から始まったと言っても過言じゃない)
上条「言ってみればこれはある意味、メガテ○のエ×ゲー版……?」
バードウェイ「まぁ世界観は酷似してるな」
上条「ナイスだバードウェイ!折角だから俺はこのゲームを選ぶぜ!」
バードウェイ「いい判断だ!単純バカほど騙しやすい人間はいないからな!」
上条「だよな!……うん?お前今なんて」
バードウェイ「まぁインストしてる間に何か質問はあるかね?ネタバレしない程度に答えて進ぜよう!」
上条「大事なこと聞くの忘れてた。タイトルはなんて?」
バードウェイ「――『新世黙示録 Death Marc○』っていうんだ」
-終-
(※知らない人は”新世黙示録 選評”でググってみよう。ご応募ありがとうございました)
――『新たなる光』アジト
レッサー「くっくっくっく……本日はお忙しいところ足をお運びいただきまことにありがとうございました……ッ!」
フロリス「運んではねーシ忙しくもねーシ、そもそも『くっくっくっく』いるカ?いらないだロ?」
ラシンス「『べ、別にあんたのために足を運んだんじゃないんだからね……』」
ベイロープ「事実じゃない、ただの」
レッサー「本日の議題は『エクス・アー○のアニメ公開にいっちょ噛みして同人ゲーム出そうとしていたのが諸事情により凍結になった』件についてですが」
フロリス「言ってやるなヨ、ナッ?それ運営から『そのネタだけは勘弁して下さい』って言われたばっかりだろ」
ランシス「あれ……?『押すなよ、絶対に押すなよ、絶対だからな!』じゃないの……?」
レッサー「押した後に泣かれたらマジで、いい笑顔になったらフリだって事ですよ。簡単じゃないですかーやーだー」
ベイロープ「漢解除ってあったわよね?ローグライクゲームで罠踏んで見分けるっていう」
フロリス「アホの人生全部そればっかだよナ」
レッサー「ふっ、我が校『こいつチ××装着してんじゃね?』ランキングで第一位の私には褒め言葉ですよ!」
フロリス「何が目的でどんな人間がやったんだヨ。そのおぞましい人気投票」
ランシス「おぉ……『実は女子力高くて気取ってんじゃねぇぞコノアマ』ランキング一位は言うことが違う……!」
ベイロープ「ほぼほぼ悪口よね?女子から嫌われそうなタイプだけど」
フロリス「いやワタシの勝手だロ!?人の趣味っつーかたまたま持ってる生活スキルに文句言ってんじゃネーヨ!?」
レッサー「まぁお高く気取ってそうなタイプですし、好感度は低いですからね!残念ですよね!」
フロリス「あー全くだナ。知り合いが満面の笑みで肯定するところとかが特にナ!」
ランシス「……まぁまぁ、レッサーはこう見えても友達思い。だから陰口許さない……」
レッサー「いやーそうでもないですよ!参ったなコレ私が良い人だって言ってるようなもんですね!」
フロリス「マジ?」
ベイロープ「一度だけ現場を見たことがあるんだけど、相手の髪の毛引っつかんで表まで連行した挙げ句」
ベイロープ「『すいまっせーん、今ちょっとよく聞こえなかったんでもう一回仰ってくださいな?えー、なんですってー?聞こえなーい?』って。相手が『ごめんなさい』するまで延々繰り返すの」
フロリス「だからカ!?最近妙なハブられ方したり、知り合いでもないヤツから『ごめんなさい!』って言われんノ!?」
ランシス「サイキックフォー○にそんなキャラいた……コマンド投げが成立すると、相手の顔面掴んで壁ウォッシュ……」
レッサー「――ふっ、まぁ私に出来るのはこの程度ですからね」
ランシス「基本的に暴力……」
ベイロープ「勿論寮長の私の所へは抗議殺到してるのだわ。なんだったら見る?書面でもそこそこの数が」
フロリス「……うンまァ、頑張って?ナ?」
ベイロープ「それで、えーっとなんでしたっけ?『新たなる陽射し』のレッグラリアートさんでしたっけ?」
レッサー「おっ、なんですかー?ケンカ売ってんですかー、売ってんですよねー分かります!しまむ○のスレイヤー○クッションぐらいの価格で買ってやりますよー!」
フロリス「全く見当がつかない」
ランシス「キャラグッズにしては破格……メイトの1/8ぐらい……」
レッサー「私は好きであっちへ出向してる訳じゃないですからね!?ただちょっと労働条件が良くてお手伝いするとお小遣いまで貰えて、フランス大使館の壁へ”lavatory”って書くだけですから!」
(※手洗い場=トイレ。英国式の通称)
フロリス「そのナチュラルにフランス貶めんのいい加減にしろヨ。ヘイトだなんだって問題になってんだろーガ」
レッサー「私だってそうですよ!私は差別とフランスが嫌いなんですからねっ!」
ベイロープ「シオニストジョークをぶっ飛ばすな!本当に厳しいんだから最近は!」
レッサー「あれこれ振ってます?私に放送禁止レベルのジョークを敢行しろと?」
ラシンス「うん……被害妄想。いい加減尺が決まってるんだから、進めるといい……」
レッサー「『ホワイトハウスで射×された人数=BLM運動始まってから射×された人数』……ッ!!!」
フロリス「大体の人は思ってんだヨ。『サラっと流してっケドこれって根は同じだよな、あれ?』ってサ」
レッサー「ふー、言いたい事を言ったんでスッキリしました!では解散しましょう!」
ベイロープ「主旨は!?あなたもっとこう自分の役割に責任を持ちなさいよ!?」
レッサー「反省はしていません!なんだったら中の人に迷惑をお掛けしてもそれはそれでオイシイかなとすら思います!」
ランシス「爛れた芸人思考……しんがぽーに移住する元芸人も見習ってほすぃ……」
レッサー「まぁベイロープから泣きが入ったので本題へと戻しますと――ジャンケンをしましょう」 ニチャァ
フロリス「絶対に信じちゃいけない系の汚っさん顔してんナ。アレだ、異世界転生したら嘘吐いて奴隷紋で縛ろうとしてくる商人だワ」
レッサー「この季節に衆道、もとい集合となればバレンタインに決まってるじゃないですか!」
ベイロープ「間違う要素あった?英語で話してる設定なのにそこ間違わないよね?」
レッサー「何回か同ミッションをこなしてはいますが、大抵こうフロリスかランシスの一人勝ち。私とベイロープは噛ませ犬になっている……!」
ランシス「自業自得かな……だってレッサーだし」
ベイロープ「レッサーだしね」
フロリス「レッサーだから諦めたら?」
レッサー「随分連係プレイがお上手になりましたねコノアマども!この私をノケモノにして!」
レッサー「だがここはあえて悪役を買って出ましょう!上条さんちへみんなで行くのはお邪魔ではないか、と!」
フロリス「あ、じゃあワタシが行くゼ。一人で行けば問題ないだロ?」
ラシンス「ううん……大変、だし乗り継ぎ。私が」
ベイロープ「だったら私も行くのだわ。いや用事は無いけど入国しづらいでしょ」
レッサー「じゃあ私が!私が持っていきますよ!」
フロリス・ランシス・ベイロープ「……」
レッサー「何やってんですか!?ここは『どうぞどうぞ』の流れでしょーが!?なんでちょっと引いてんですか!?」
フロリス「あまりにもアホが単純に引っかかったから、怖くて。つい」
ベイロープ「お笑いのテンプレートを忠実にこなす魔術師ってなんなの?」
レッサー「はて魔術師……?」
レッサー「……」
レッサー「――あぁはいはい魔術師魔術師!そうでした魔術師ですよ!私は!」
フロリス「オマエ本当に大丈夫か?存在意義見失ってただのモンスタークレーマー属性だけが燦然と輝い・て・ん・ゾ☆」
レッサー「いや違うんですよ!丁度いま犯人達の事件○読んでたから『あぁ放課後の?』って思っちゃっただけで!」
ベイロープ「あれよくよく考えると『放課後の魔術師って聞いたことある?』って先生方の間で裏取りさせれば、その時点で犯人分かるわよね」
ランシス「相変わらずオールウェイズ曖昧な虎○先生……」
レッサー「まぁ全員が日本行きを志望したというのでえぇ!ここは公平を期すためにもおぉ!ゲームをして誰か一人を送り込むのが効率的ではないでしょうくあぁ……!」
フロリス「いや、その結論はおかしい。ワタシだってかこつけて東京観光してーシ」
レッサー「……」
フロリス「っだよ?」
レッサー「観光を、敢行……ッ!!!」
フロリス「オッサンじゃん?もう親父ギャグ一本で食っていくかそのままそこで乾いていけばいいんじゃネ?」
ベイロープ「あぁもうあなたのボケで進まないのだわ!時間が無駄なのよ!時間以外もだけど!」
レッサー「では全員が賛意を頂いたということで――で、ゲームは何にしましょう?」
フロリス「ノープランかヨ」
レッサー「最悪殴り合うところでは想定の範囲内ですが――ここは公平に」
ベイロープ「大体詐欺を言い出すときって誰も表だって反対できないような綺麗事を掲げるわよね。まぁあくまでも一般論だけど」
レッサー「まぁ我々の代表として赴くからにはそれなりにものが必要だとは思いませんか?あんまりラフな格好で行くもアレですし」
ランシス「それは……そこまで気を遣うのもどうかと思う……」
レッサー「何言ってんですか!?代表がナメられたら全員がナメられたって事ですよ!?もうベロンベロンですからね!?」
フロリス「喩えの意味が分からんワ。前半はまぁ、だケド」
レッサー「なのでここは一つ!女性としてのミリキの高い方を選ぶべきかと!」
ランシス「……つまり?」
レッサー「トップバストとアンダーバストの差が最も顕著な女性的な、ぶっちゃけおっぱいが大きい人に決めましょう!」
ランシス「――よしそのケンカ買った……!昨日の夕飯と再会させてやる」
レッサー「おっ、言いましたねコノヤロー!やってやりますよ今日こそは!そのチチだか背中だか分からない部分を徹底的にシバキあげましようか!」
ベイロープ「やめなさいよあなた達。殴り合っても意味はないのだわ」
フロリス「そーゆーベイロープはデカ乳だから安心してっけどもだ。最近ちょっとウエストが成長してんじゃねーノ?」
ベイロープ「そういうあなたも成長期がとまったわよね?前は確か『すぐに抜かす』とかなんとか言ってたっけ」
レッサー・ランシス・フロリス・ベイロープ「……」
レッサー・ランシス・フロリス・ベイロープ「――よし、表へ出ろ……ッ!!!」
――上条のアパート
配達員『しゃっせー!宅配便でーす!上条・D・当麻さんはご在宅でー?』
上条「なにその格好いい名前!?ドラキュラかな!?それとも海賊王的な方かな!?」
配達員「あ、童×のDって小さく書いてありますわ」
上条「あぁじゃあ俺じゃないな。この隣に土御門さんっているから、その”ど”だったらそっちだわ。俺じゃないわいやマジで」
配達員「それじゃーまたの利用オマー」 パタンッ
上条「だから隣だよ!俺じゃないよ!持って行けよ!」
オティヌス「オイうるさいぞ童×」
上条「俺は違うんだよ……!覚えてないだけできっと!」
オティヌス「どーでもいい前世のことなんか忘れてさっさと荷物を開けろ。甘い匂いがする」
上条「へいへい……あ、チョコだ」
オティヌス「寄越せ!私は腹一杯スイーツを食べるのが夢だったんだ!」
上条「なんでそんな庶民的な子が世界征服しようとしてたの?ノリとテンション間違っちゃった?」
オティヌス「メッセージカードには『皆さんでお召し上がりください』って書いてあるぞ!」
上条「なんでだよ、ってあぁマジが。海外なのに日本語で書いてある……何々?」
レッサー【この手紙をあなたが読んでいる頃には、私はもうこの世にはいないでしょう】
上条「また手紙芸かよ!?前にやっただろこの下りも!?」
レッサー【今年もこの季節になりましたね。できれば直接お目にかかって、我らが英国の未来のお話をしたいところですが】
レッサー【残念ですが、あなたの国はご時世的に入国が難しいのでピンチです】
上条「これいいのか?ネタにするのを憚ると言いつつそこそこネタにしてイジってたのだけど自重してないのか?」
オティヌス「確か去年の今頃、『なんだったらロンドンでやってやろうかHAHAHA!』とかホザいてたのも、今にして思えば自虐ネタと思えなくもないな」
(※累計感染者数;イングランド(イギリスじゃなくイングランドのみ)で約300万、日本は約37万)
レッサー【とはいえいいニュースもあります。そちらには偽装結婚という素敵な入国制度があると聞きました】
上条「ないよ?”偽装”ってついてるよね?」
レッサー【あとなんかあれです、ダンサー募集?】
上条「案の定クラスター起きてたけどな!人のエ×へかける情熱に自重と自粛の文字はなかったぜ!」
レッサー【もうなんか助けると思って結婚してくださいよ!いやマジでしてくれてもいいですから!】
上条「……そんなにボロボロなんだっけ?詳しくは知らないけど」
オティヌス「これは私が楽しみにしているネット番組のパーソナリティの実家の弟のメル友が、『30近いけどどう?』みたいな打診をマジでされたらしい」
上条「超遠いな。そして数字がリアル……!」
オティヌス「当然『三次元になってから出直してこい』と、毅然として断ったそうだが」
上条「あれ毅然って『バカ』って意味もあったんだ?へー、知らなかったわー」
レッサー【なんだったら籍だけでいいですから!一回入れるだけですから!先っちょだけでいいですから!】
上条「もうなんか切羽詰まってるのが文面だけで伝わってくるな」
オティヌス「食べていいか?」
レッサー【まぁいいですよコノヤロー!今私を嫁にしなかったことを一生後悔するがいいですよ!】
上条「最初から愛の一欠片もなく、打算すらそんなになく、ギャグでやってるアホ相手にどうしろと……?」
オティヌス「お、見ろこれ。空輸したチョコだ」
上条「えーっと……?食べ物って勝手に輸入していいんだっけ……?」
オティヌス「お?まだ紙が入っているな」
レッサー【――エイズ・メアリーという都市伝説をご存じでしょうか?】
上条「タチわっっっっっっっっっっっっっっっっっる!?このご時世に趣味悪いギャグカマしやがって!?冗談でも言っていいのと悪いものがあんだからな!?」
オティヌス「普通に炎上案件だよな。そして普通の食べ物ぐらいじゃうつらない。あ、もらうぞ?」
上条「どうぞ……あ、美味いな。味はいいんだけど、味は」
オティヌス「まぁでも来年の今頃は、みたいにネタにしてるんだから大丈夫だよ。この世界はそれほど柔じゃない」
上条「……そうだな」
レッサー【あの、すいません?私たちのターンなのになんでそのフィギュアモドキがオイシイところ持ってってんです?】
上条「不謹慎だからですよコノヤロー?お前もいい加減自重を覚えろや!」
-終-
(※今年も女の友情は儚いものでした、日本へ行く日はいつになったら……ご応募ありがとうございました)
――
帆風「えぇと、あの『女王』?本日お呼びになったのはどういう理由で……?」
食蜂「もうすぐバレンタインよねぇ」
帆風「と、いうことは……ついに!意中の殿方へお気持ちを……!?」
食蜂「そうしたいところなんだけどねぇ。一身上の都合により難しいわぁ」
食蜂「……」
食蜂「記憶に残らない――つまり逆×××し放題……ッ!?」
帆風「ダメです『女王』。一瞬『女王』らしいといえばそうかも?と迷いましたが、その、なんかこうえっちなのはダメだと思います!」
食蜂「あなたも男好きしそうな体してるのに卑怯だと思うわよぉ?」
帆風「正直『女王』に仰る資格はないかと。胸部装甲が増加の一途ですが」
食蜂「これはこれはで悩みがあ・る・ん・だ・ゾ☆」
帆風「そうなのですか?勉強になります」
食蜂「好きな相手がガチロ×ペ×だった場合、肉感的なボディはハンデにしか……!」
帆風「そうですか、勉強になりません。私だったら粉砕してなかったことにします。試合不成立なのでノーコントストと」
食蜂「でねぇ、でもねぇ?私も御坂さんが動くとなったら出張らないといけないじゃなぁい?」
食蜂「例えばそれが対象外で秘めた物語だとしても……!」
(※何故かリク率が低い)
帆風「何の事とは申しませんけれど、皆さんネタに突っ走られるので。えぇ何の事とは申しませんが」
食蜂「私”は”正当ヒロインとしての意地があるわよぉ!」
帆風「たった一年の間に株価が大暴落……いえすいません、なんでもございませんわ」
食蜂「ふっふっふ☆みてなさぁい上条さん!私の本気力を!」
――
上条「それじゃ行ってきまーす。いいかインデクッス、お昼は用意してあるけど、足りなかったらここの電話番号に電話して」
インデックス「『○○学区の土御門ですが、お隣に届けて下さい』だね!」
上条「グッドだインデックス!『誕生日プレゼントなのでリボンもして下さい』って付け加えると更にベネッ!」
上条「そしてデリバーさんが不審そうな顔したら泣き真似をすれば一発だぜ!」
インデックス「なんて失っちゃいけない色々ものを失ってる気がするけど、分かったんだよ!いってらっしゃい!」
――通学路
御坂?「……」
上条「――まぁ分かってたけどな!季節的にワンダリングするって知ってた!」
上条「よしかかって来いコノヤロー!最近俺は日課で遺書書くようになったから怖くなんてないぞ!本当だからな!」
御坂? ニコニコ
上条「……ってどうしたお前?なんかやったら嬉しそうだけど――あ、分かった!ゲコ太だ!ゲコ太の限定イベントに当選し――」
御坂?「げこた!?げこたいるのげこた!?ねえどこっ!?どこどこっ!?」
上条「………………は?」
御坂?「ねーねーげこたどこなのかなっ!?」
上条「おい大丈夫かビリビリッ!?いつもと違って変だぞっ!?」
御坂?「へん?なにが?」
上条「何って言われても、何かこうツンデレ属性が全面に消えて、こう世の中全てへケンカ売ってる気配が霧散してるって言うか!」
御坂?「げこた……いない、ねえ?」
上条「いない、ですよねぇ」
御坂?「うそ、ついたの?」
上条「ん、あぁいやそういう訳じゃ」
御坂?「”ごめんなさい”は?」
上条「はい?」
御坂?「”ごめんなさい”!しないとだめなんだよ!みーちゃんいつもいってるもん!うそはだめだよって!めっ!」
上条「みーちゃん?」
御坂?「そう、みーちゃん!『おんなのこはいくらおとこのひとにうそついてもいいけど、ごめんなさいすればちゃらだよ』って!」
上条「おい誰だその英才教育カマしてるやつ連れて来い!?あながち嘘じゃねぇけど!男子はそういうトコあるけども!」
上条「取り敢えず落ち着け!?お前はもっと何かあったら顔真っ赤にして攻撃してくるキャラだったろ!?」
御坂?「なにそれこわい」
上条「まぁそうだけど!それに比べたら嘘言うなって説教されて――普通だな。非の一点もねぇな」
上条「誰か助けてー!?いるんでしょ白井さん!ここぞというときに出現するオチ担当の白井さーーーーーーーーーーーーーーんっ!?」
???「天が呼ぶ地が呼ぶ人が呼ぶ、悪を滅せてと声は囁く……」
上条「被害妄想じゃね?えっと、パラノイア?」
???「お姉様のいるところにわたくしあり、わたくしのいるところにお姉様あり――とおっ!」 ダンッ
上条「お、おぉっ!?」
白井?(???)「――『風紀委員』ですよ!」
上条「何か違げぇ!?てか、あれ?白井さんじゃなくて黒井、さん?」
黒井?(白井?)「誰が黒井ですか!」
上条「いやでも全体的にクロっぽい制服だろ。そして微妙にキャラ違ってるし」
黒井?「アレェ?白井さんってこんな感じじゃ?」
上条「ほれ、ビリビリの自撮りちょいエロ写メ」
黒井?「いや、そんなん見せられてもな!」
上条「お前――まさか!」
黒井?「し、しまった!?つい本音が!」
上条「気をつけろ!俺たちはアウレオルスに攻撃を受けている……ッ!」
黒井?「バカなのかな?てかツインテだと見分けがつかない人?」
――学校
上条「なぁ土御門、ヘッドバッドで人格入れ替えが可能になったって言ったら信じるか?」
土御門「その説が事実だったら天○選手(新日本プロレ○)が何回入れ替わってんだぜぃ?オリジナルは川○選手ぐらいに漂流してそうだけど」 ピカッ
上条「――そういえばあのビリビリ(仮)と黒井さん(仮)は白井さんよりもおっぱ×大きかった……!」
土御門「そこ大事?いや大事だけども。人によっては人生を左右する癖(へき)だけども」 ピカッ
上条「なんかちょっとおかしい、っていうか違和感がな。『御使堕し』のがまた始まっちまったのかと」
土御門「そう、か?俺には正常なままに見えるが、カミやんには俺が変な風に見えるって?」 ピカッ
上条「あれお前マスクは?」
土御門「やめようぜ?そういうのはイジメっていうんだからな?ご時世的にアレなネタは、やめとけ?」 ピカッ
上条「まぁ土御門がそういうんだったら……てかさっきから気になってたんだけど」
土御門「どしたん?」 ピカッ
上条「うんだから、お前が事あるごとに俺の顔へ反射させてるゴツい腕時計だよ」
土御門「あぁこれ?ドルチェ&ガッパー○」
上条「あるの!?あぁいや知らんけどつーか多分あるんだろうけど!」
土御門「うんちょっと臨時のアドバイザーとしてバイト代が入ったんだぜぃ」
上条「スゲーな、高級時計買えるバイトってどんなんだよ」
土御門「――聞きたいか?レベル5絡みだぜぃ?」
上条「いや……ヤバそうだったら教えてくれよ。そんときは首突っ込むからさ」
土御門「そっか――それで最近身の覚えのないデリバリーが届くんだが」
上条「妖怪のしわざじゃね?うん多分きっとそう!だから友達を疑うのは良くないよ!無実とは言い切れないかもしれないけど、社会が悪いんだよ!」
土御門「いや別にステイルから経費貰ってんだろうから、そっち使えよ」
???「オハヨウゴザイマス。ドウサレマシタカ?」
土御門「いや聞いてくれよ青ピ、カミやんったら酷いんだぜ?」
青ピ?(???)「オゥ、イケマセンネーカミヤン。友達ハ大事にシナイト」
土御門「そうだぜぃ青ピ!言ってやれ!もっとだ!」
上条「……いやごめん、ご歓談中に悪いんだけど、ちょっといいかな?」
土御門「用法間違ってるけど、どした?」
上条「誰、その人?」
土御門「青ピだけど、なぁ?」
青ピ「HAHAHA!何言ッテンデスカカミヤンサーン」
上条「青くねぇだろ!?ピアスもしてねぇし面影どころか人種だって違うじゃねーか!?間違え探しどころか合ってる部分探す方が難しいわ!?」
姫神「おはよう。どうしたの上条くん?」
青ピ?「オハヨウゴザイマス雛神サン。カミヤンサンガ私ガオカシイッテ仰ッテテ」
上条「姫神な?そんな基本設定ぐらい頭に叩き込んでから出て来いや!雑なんだよ!全体的に!」
上条「つーか姫神も言ってくれよ!?おかしいだけだコイツが!」
姫神「おかしい?……あぁ。そういえば」
上条「そうそう!そういうの!」
姫神「髪切った?」
上条「天然かな」
青ピ?「オゥ流石ハ姫宮サン。昨日実ハ自分デエリ切ッタラコンナ感ジニ」
上条「だからこんな雑なの!?なんか年齢の割りにちょいウルフで格好いいの?」
姫神「あとちょっと大人びて見える。何か階段を登っちゃったとみた」
上条「大人だからだよ!つーか俺にはいい年のオッサンに見えるわ!」
――
帆風「……『女王』?」
食蜂「そうねぇ、あなたの言いたいことは大体力想像力がつくけどぉ」
帆風「そんな使い方してまたっけ?もっとこうつける単語が違っていたかと……」
食蜂「でもその疑問の答えとして誠に遺憾ながらここで一つ報告があるのよぉ、それはっ!」 クワッ
帆風「あ、はい。それは一体?」
食蜂「手持ちの実弾(※人)が尽きてしまいました……ッ!!!」
帆風「『女王』……?派閥を動員すればクラス丸ごと全部イケますけど?」
食蜂「いいえぇ、それじゃダメなのよぉ!あくまてせもさりげなく、というのがこの企画の主旨よぉ!」
帆風「『そうじゃねぇよ、そんなつもりで投稿してねぇよ』という幻聴が聞こえるかのようです」
――上条のアパート
上条「――ただいまーインデックス。聞いてくれよ、俺今日さ、奇妙な世○に巻きこまれっちまったみたいでさ」
インデックス?「おかえり上条さぁん!ご飯にする?お風呂にする?それともわ・た・し☆」
スフィンクス?「にゃ、にゃー……?」
上条「……」 パタンッ
上条「………………?」 ソーッ
インデックス?「どぉしたのぉ?具合でも悪いのかしらぁ?」
スフィンクス?「えっと……あまりのギャップに戸惑ってらっしゃるだけかと」
上条「――ただいまインデックスとスフィンクス、今日もいい子にしていられたかい?」
スフィンクス?「何の迷いもなく受け入れた!?『女王』が能力を使われている訳でもないに!?」
上条「あっはっはっはっはー!何を言っていてるのかな可愛い子猫ちゃん!俺の帰る場所はここで、そして君たちはずっとに住んでいる!違うかい!?」
スフィンクス?「前半だけは合っていますが、後半は100%違うかと」
インデックス?「もうっ、上条さんったらぁ☆」
スフィンクス?「あと『女王』もせめて演技するフリだけはしませんか?制服もそのままですし、何一つ普段とお変わりないのですが、その」
上条「さっ、二人とも!細かいことはご飯でも食べながら話し合おうじゃないか!この優しい世界に乾杯しながらねっ!」
インデックス?「はぁい☆」
パタンッ
インデックス「……あれ?どっきりのおちですたんばってた私は?あれ?
ステイル「帰ろうインデックス。あれが癖(へき)を優先させた男の末路だ」
-終-
(※インデックス(小)<<<超えられない乳<<<食蜂(特大)。ご応募ありがとうございました)
――ZZ学区 公立墓地
浜面「『――弐ノ型 昇り炎天……ッ!!!』」
浜面「……?」
浜面「……あぁ夢か。何か劇場アニメの一番オイシイ役になって、テレビから雑誌まであっちこっち引っ張り回された夢を見たわー。そんなんないわー」
浜面「てかここどこよ?超真っ暗なんだけど、狭ぇし。カプセルホテル……?」
???『聞こえますか……?浜面よ、浜面、えっと……浜面よ?』
浜面「今の間ってなに?もしかして俺の名前も追い出せなかったの?」
???『そんなことはありません浜面。アインズ=ウール・ゴウまでは思い出しているって訳だし』
浜面「そこまで覚えてるんだったら”ン”ぐらいは思い出さねぇかな?あと一個よ?そしてこのやりとり二回目だかんな?」
???『つーかあんたこそあたしの声に聞き覚えはないってボケか』
浜面「”訳”な!そんな語尾で人気出るか!ただの口悪い人だろフレンダ!」
フレンダ(???)『そう、あたしはフレンダ!なんかこう霊的なものです!」
浜面「あぁそう?別に怖くはないけど」
フレンダ『なんでよ!?怖がりなさいよ!浜面のくせにもっと泣いて許しを請いなさいよ!』
浜面「くっくっくっく……!俺に手を出してみろ、お前の妹に教育をするのが滝壺から絹旗へと変るんだぜ……!」
フレンダ『マジやめてください。全面的にあたしが悪かったですサーセン』
浜面「いやまぁ幽霊でもなんでもいいんだけどさ、いるんだったら麦野に会いに行ってやれよ。随分気にしてるみたいだから」
フレンダ『あの……浜面?あたしも悪いっちゃ悪いんだげと、ほぼ問答無用で謝る時間さえ与えられず、/(テケテケ)されたあたしに言ってる?」
浜面「俺は学んだんだ、復讐からは何も生まれない!暴力はもっと大きな暴力を生む!」
フレンダ『浜面……』」
浜面「分かってくれ、フレンダ!俺は死んだお前より生きてる麦野のご機嫌を取りつつ持ってる力と金に頼ってこの先もダラダラ生きていかなきゃならないんだ!」
フレンダ『サラッと言った訳ね?あんた人類史上稀に見るゴミ発言をぶっちゃけた訳よね?』
浜面「てかお前だってマジ怨んでるんだったら麦野のとこ行けば?殺すのは止めっけど、まぁ恨み言言うぐらいの権利はあると思うし」
フレンダ『無理よ。結局あたし普通の人には見えない訳だし』
浜面「ほーん?でも俺とダベってんじゃんか」
フレンダ『いやアンタ死んでる訳だし?』
浜面「へいグーク○!”スーパー銭湯 女子大 場所”で検索ッ!!!」
フレンダ『おいバカ。あ、間違った凄いバカ。そうじゃない訳よ、なに人がビビらせようと盛ってんのに、超速攻でテメーの欲望満たそうとしてる訳?」
浜面「誰だって考えるでしょうが!俺だけじゃないよ!みんなそうだよ!違うって人は嘘ついてるだけだもん!」
フレンダ『いやそこまでヤローはアホじゃない、と思いたい訳だけど……まぁ聞きなさいよ。あんたは今霊体になってる訳。おけ?』
浜面「霊体……死んでんじゃねぇか」
フレンダ『ううん、多分違う訳。なんかこうあたしと違ってフラフラしてない訳』
浜面「フラフラ……仮死状態、か?」
フレンダ『じゃないかなーって。よくある訳よ、死にかけると死んだおじーちゃんと話すみたいな?』
浜面「できればそうでありたいんだが……」
フレンダ『まぁいいから外に出る訳。お墓の中に居たって気が滅入るだけだし』
浜面「お、おぅ……」 スルッ
フレンダ『ここはあたしのお墓であんたが隣ね』
浜面「場所的に悪くはないが――気分は悪りぃわ!?なんで俺の墓が秒で作られてんだよ!?」
フレンダ『いやそこは麦野たちの優しさじゃない訳?「悪い男からさっさと足を洗って」みたいな?』
浜面「その言葉に異論はねぇけどよ、悪い男が誰を指してるのか教えろやコラ?あ?お?」
フレンダ『いや別に凄まれても浜面如きはゴキブリの次ぐらいに怖い訳だし』
浜面「意外と上位!?あぁいや大体の人は怖いけど躊躇いなく殺しに来るって事か!?」
フレンダ『まぁ一応生きてるみたいだし、あたしの話に付き合いなさいよ。他にすることも無い訳だし』
浜面「正直話せて死ぬほど嬉しいっちゃ嬉しいんだが、有り難みがクソほどもねぇしな」
フレンダ『あれ?誰か来た訳?』
浜面「おぉ誰だよ墓参り――って麦野と絹旗!?」
麦野・絹旗「……」
フレンダ『あたしらはやっぱり見えない訳か』
絹旗「……麦野、超大丈夫ですか?私一人でも良かったんですけど」
麦野「いいわ。誰と一緒でも関係ないでしょ?だってもう浜面は」
絹旗「そう、ですけどね。まぁ……超罪な男ですよ、私たちにこんな思いさせるんですから」
麦野「全くよね」
浜面「二人とも……!」
フレンダ『いい話よね……相手がハマーじゃなきゃもっと良かった訳だけどさ』
浜面「いやいいだろ別に俺でも!?どうせこのあと凱旋して涙の再会になるんだからねっ!?」
絹旗「あの麦野?それ、チョコ、ですか?」
麦野「まぁそうね、ってあんたもそれ」
絹旗「超奇遇ですね。実は私も」
麦野「生前欲しがってたでしょ?滝壺に泣きついたり、私たちにもたかったりしてたっけか」
絹旗「『大将に俺は質で勝つ!』と意味不明の供述をしてましたっけ。義理二人とが増えても質は変わりはしないでしょうが」
麦野「まぁでも、今にして思えばってのはあるわね。あのときあげていれば、今頃は……」
絹旗「そうですね。あげてさえいれば……くっ!」
浜面「死因なんて伝わってんの?義理チョコ二人貰っただけで運命が変えられたとでも?」
フレンダ『童×を抉らせて死んだ男、ここに眠る』
浜面「ち、違わい!俺はもう童×じゃないんだ!」
フレンダ『逆に考える訳よ浜面!だから死んだんだ、ってね!』
浜面「根拠はねぇのになんて説得力!あぁまぁ確かに映画とかでもリア充になったやつからくたばってたわ!」
絹旗「まぁいいじゃないですか。超終わったことをあれこれいうよりも、麦野も浜面も」
麦野「そうね。終わったことだしね」
浜面「待って?”も”って言った?もしかして俺の存在確認してる?」
フレンダ『絹旗は……幽霊が見えてたのにあんだけホラー映画見まくってんだったら、どんだけメンタル強いって訳……!?』
絹旗「麦野から、どうぞ。ある意味の悲願の義理チョコを」
麦野「そんなつもりは全くないけど――浜面聞いてる?今頃フレンダと一緒に地獄で何してるの?」
浜面「テメーを棚に上げてエッラい上から語るなこのアマ!?」
フレンダ『地獄の最下層でフリー○様と仲良く吊られるのがほぼ確定してるのに、よくもまぁ……!』
麦野「たまに、ね?あんたのこと思い出すのよ。あんなことがあったな、とかこんなことがあったな、とか」
浜面「そう!そういうのがほしいです!折角見えてないんだから『実は頼りにしてました』っていうのが!」
麦野「水道の出が悪くなったり、トイレの電球が切れたり、換気扇のフィルターが汚くなってきたり」
浜面「水回り多いな!業者へ頼めばいいんじゃねーの!?」
フレンダ『ま、まぁまぁ!お父さんみたいな意味かも知れないし!』
麦野「あと……私の下着がなくなったとき、犯人扱いしてごめんなさい。黒のレースは最近出て来たわ」
フレンダ『うわぁ……』
浜面「いややってねぇってば!俺じゃねーよ!」
麦野「――あんたの、遺品の中からだけど」
フレンダ『おい』
浜面「いや違うんですよね!そうじゃないんですよ!たまたま!そう洗濯物を畳んでいたら滝壺のだと思ってね!こう、お守り代わりに!」
絹旗「どっちにしろ超ドン引きですけどね」
浜面「ここまで騒ぎにならなかったらこっそり戻してたわ!?俺だって滝壺以外のはそんなにほしくないもんね!」 キリッ
フレンダ『つーか絹旗と微妙に会話が噛み合ってるような……?』
麦野「まぁ、そこまでほしかったんだったら――うん、よく似合ってるわよ、浜面」 ピチンッ
浜面「墓につけんの!?やめてよぉ!世界広しといえどもどんなHENTAIが自分の墓石に下着装着すんだよ!?どんな癖だ!」
絹旗「墓石が御影石ですから黒が超似合います」 パシッャパシャッパシャッ
浜面「……なに?俺は死んだ後もこうやって死体蹴りされる運命にあるの?」
フレンダ『親愛の情よ!二人は二人なりに考えての!うんきっとそう!』
麦野「それじゃ……ちょっと恥ずかしいんだけど、ハッピー・バレンタイン!」
浜面「あぁでも……悪い気はしねぇよな。帰ったらマジで貰ってやるって気合い入るぜ!」
フレンダ『そうね浜面。あんたはさっさと帰るって訳だし』
麦野「――はい、あなたの大好きだったチロルチョ○イモけんぴ味よ」
(※実在します)
浜面「言ったか?俺一度でも『イモけんぴだーいすき!』だなんて言ったか?なぁ?」
フレンダ『あれ?嫌いって訳』
浜面「いや嫌いじゃねーけどもよ!?イモけんぴってアレでしょ!?なんかかりんとうっぽいイモのスティックだよなぁ!?」
絹旗「あれそれ浜面にあげちゃうんですか?このあいだ『最後の一個だ』って超言ってませんでしたっけ?」
麦野「うん、物珍しさで買ったけど、そんなに私はイモけんぴって感じじゃないし」
浜面「いらねーのかよ!?まぁそうだとは思ったけど!予想の範囲だから傷ついてないわよ!」
フレンダ『泣きたいんだったら泣くといい訳、ねっ?男はそうやって成長してるんだから!』
絹旗「あ、なんか浜面が笑った気がしません?なんか空気が超暖かくなったような」
麦野「それは……春が近いからからだけど、そうだったらいいわね」
浜面「泣いてんだよ俺は!?お前のアレさに戦慄してんだよ今な!」
絹旗「じゃあ次私ですね。えっと私も浜面を時々超思い出します」
フレンダ『まぁ……絹旗はマシじゃないの?言っちゃなんだけど麦野よりかは壊れてない訳よ』
浜面「いやぁわっかんねぇぞ?B級映画ばっかり見ると心が壊れるって、誰かが実証しやがってるから。実体験で」
(※壊れます)
絹旗「……」
浜面「てかフリーズしてんだけど――まさかお前、泣いて!?」
絹旗「いえすいません。嘘を吐きました、これといって浜面を思い出すことはなかったですね」
浜面「嘘でいいじゃん!?そこは嘘でも『思い出します』で終わっておけばいい話になったじゃんよ!?」
絹旗「どうぞ、うんチョ○ですが」
(※動物の体を模したパッケージの駄菓子で、特定の場所から丸いチョコが出る)
浜面「なんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっでだよ!?
絹旗「ぎ、義理なんですから超勘違いしないでくださいよっ!」
浜面「勘違いのしようがねーよ!どこの世界に好きな相手へうんチョ○プレゼントするヤツいるんだよ!いたらギャグだわ!あぁまぁギャグだけど!」
フレンダ『いやでも絹旗の場合、イジるのが大好きだからきっと……!』
浜面「死んだと思ってる相手をイジるのはただの外道だわ。あ、しまったコイツら正真正銘の外道だったわー、忘れてたわー」
絹旗「いやなんか超テレますよね
麦野「ねっ!女の子って感じがするわねっ!」
フレンダ『誰が女子……」
麦野「――あぁ?」
フレンダ『ヒィッ!?』
浜面「だからなんで聞こえてんだよ!?てか聞いてるんだったら散々嫌がってんだからどっかで思い留まれや!」
絹旗「あとこれ、浜面の遺品の中から出て来た超エ×い本と円盤です。傾向としては年上おねえさんとバニーさんが8割でした」 ドサッ
フレンダ『うわぁ……』
浜面「やめて墓前に晒さないで!?大事なんだから片付けずにとっておいてよぉ!また探すの大変なんだからさぁ!」
麦野「なお滝壺に持っていっていい?って聞いたら、『ふんさいしてきて』と許可を得ています」
浜面「本当の死体蹴り……!死人の方がまだ優しいってどうだよ!?お前らに人の心はないのか……ッ!?」
フレンダ『あの……人んちの妹の教育に超悪そうなんだけど、チェンジってできる訳?保護者がカブトムシ(節足動物)の方がまだ安パイって……」
絹旗「――さて、気持ちを切り替えて新メンバーの超募集と行きましょうか!次はもっとイケメンがいいですよね!煉○さんのような!」
麦野「そうね。頼れてかつイケボで人間性も深い男性って素敵よね」
浜面「お前ら――憶えておけよ!俺が帰ったらちょくちょくパンツが紛失するかんな!」
フレンダ『復讐が超みみっちいな!まぁ確かに効果的に嫌な訳だけども!』
-終-
(※「浜面死んだのは童×じゃなくなったから説」。ご応募ありがとうございました)
――エジンバラ城 執務室
エリザード「なぁ、いい加減腹を割って話そうじゃないか」
騎士団長「なんですか急に。私に東洋のHara-kiriでもしろと仰せで?」
エリザード「いいや、そうではなくお前とも付き合いは長いよなと言っている」
騎士団長「あぁはい、そうですね。父の頃から陛下にお仕えしておりますし、年季はそれなりに」
エリザード「私もな。お前のお父上から宜しくやってくれと頼まれているし、お前のことを息子のようなものだと思っている」
騎士団長「恐縮です」
エリザード「それを踏まえて回答してほしいのだが――お前ゲイか?」
騎士団長「何言い出しやがったババア」
エリザード「いや、浮いた話の一つもないしかといってフィアンセがいる訳でもなし」
エリザード「あー神裂か。あの女に花束を持っていったとかって話は聞いたが、実はカモフラージュなんだろ?」
騎士団長「なんでだよ。一度だけ、それも工作半分下見半分ですし」
エリザード「工作?」
騎士団長「恐らく敵対するのは分かっていましたから、力量を何となく知っておいた方がいいかと」
エリザード「ほーん。てかお前なんでそこそこ優秀なのに、バカ娘の片棒なんか担いだんだ?」
騎士団長「それが仕事だからだよ!あと付け加えるんだったら議会のバカどもが対フランスで下手打ったからだ!」
(※リュビ級原子力潜水艦inドーバー。原潜の中で最小サイズは外洋ではなくドーバー辺りで運用前提、つーか対イギリス・ドイツ・オランダ含めた対EUというクソ舐めたコンセプト)
エリザード「まぁこっちもウロチョロさせてるなぁ――よし分かった!バレンタインにお母さんが素敵な贈り物をあげようか!」
騎士団長「ノーサンキューだ!大体産廃押しつけられるって想像出来んだよ!」
エリザード「いやしかし真面目な話をしよう。お前がどうしてフリーでいられたのか分かるか?あ?」
騎士団長「結婚が義務だ、と仰るのであれば少し前の王室はどうなんですか」
エリザード「父の代の話はするな!あの色ボケどもはいいんだ!今の話をしている!」
騎士団長「……まぁ、理解しておりますとも。家と家を繋げる鎖ですよね」
エリザード「そうだとも。血の高貴さを声高に主張できなくなったものの、統治者としては例え御輿でも肩肘を張らねばならんのだ」
騎士団長「そうですね。民主主義が始まってまだ数百年、先祖帰りした例はありますからね」
エリザード「だがお前は私にとって息子にも等しい存在!確かに裏切られたものの!信じていたのに!ビリーブユー!」
騎士団長「イジってくるな。今日はやたらとそこイジってくるな」
エリザード「まぁ別に見合いだけと思え。出会い系アプリでマッチングしたぐらいの軽い気持ちで構わん」
騎士団長「地雷原をセンサーなしに歩けと言ってるよな?私の目を見て言ってみるんだ!さぁ!」
――特設お見合い会場
キャーリサ「えー、初めましてだし」
騎士団長「おいババア!せめて一人目は様子見じゃないのか!?アクセルベタ踏みでトラック突っ込んできたぞ!」
エリザード「え?異世界転生する勢いで?」
騎士団長「あれ法的にはどうなんだろう……?他人を庇っても献身制が認められない以上、遺族には保険金どころか賠償金請求が来る可能性も……」
(※横断歩道にいる人間を突き飛ばす→被害者バックれる→飛び込み自殺として処理→賠償金)
エリザード「『横断歩道を渡っている人間とすり替わることが出来る異常な身体能力』とか、ツッコんだら負けだからな!いいな!」
騎士団長「……いや、言葉が過ぎました陛下。しかしこれはその、あんまりといいますか、ふざけんなコラといいますか」
エリザード「まぁ話すだけ話してみろ。意外と気が合うかもしれんし」
キャーリサ「最近のマイブームは牢獄の壁をジーッと見つめることだし。すると何か人の顔に見えてくるんだよな」
騎士団長「陛下、ただちに病院が必要かと」
エリザード「中々想像力豊かなお嬢さんじゃないか!少々夢見がちだがな!」
騎士団長「フォローになってるか?あとお前やっぱり深く深く根に持ってるよな?」
キャーリサ「あー、結婚したあとは自立した女性的な活動をしつつ、王室スキャンダル本を書いてディズニ○と契約し主演ドラマ化」
キャーリサ「王室の名前を使ったブランドを興して一儲けしつつ、確実に元王家へダメージを与え」
キャーリサ「最終的には王室を離脱して離婚。それもまたあることないこと書きまくった本を出そうと思うし」
エリザード「……見事!想像出来る範囲内で最低の所業をするつもりだな!我が娘ながら的確なハラスメントだ!」
騎士団長「笑い事じゃねぇんだよ。半分ぐらい実行済みのアホがいるんだよ!
(※本当に何なんでしょうあれ)
キャーリサ「と、いう訳で私の寵愛が欲しかったら跪いて請い願え。態度次第では伴侶になることを考えてやらんでもない」
騎士団長「陛下、事故物件が何か申しておりますが、抜剣の許可を!」
エリザード「不許可だサー!汝は舌戦のみで戦う戦場へ来ていることを忘れるな!」
キャーリサ「ほれどーした?なんだったら世界同時配信してやろーかー?」
騎士団長「このアホが……!このアホさえやり方を間違わなかったら今頃きっと……!」
キャーリサ「いやでもよく考えろ、『騎士団長』。貴様がここまでお一人様を楽しめたのは我ら姉妹があってことだし?」
騎士団長「決して楽しんでなどいませんが。何故?」
キャーリサ「何かあったときのため、適度に爵位が高くてそこそこ年齢の釣り合った人間を”保険”として残しておいたし」
騎士団長「ほぼ罰ゲームじゃねぇか。現に今そうなってる」
キャーリサ「じゃー逆に聞くがなー。妹か姉のどっちがいい?」
騎士団長「どっちも嫌ですよ!?片方は人間不信を抉らせていますし、もう片方は話が出た瞬間に撲殺される!」
キャーリサ「いや、意外と『この胸の高鳴りは……これがNTRであるか……ッ!?』って新たな癖(へき)に覚醒する可能性が」
騎士団長「オルウェルを侮辱するな。抉らせているのは認めますが」
キャーリサ「なのでこう、中東のアラブの大富豪に嫁がせられようとしている私を救うと思って、なー?」
騎士団長「その話は初耳なのですが……え、マジで?」
エリザード「いいや?GAFA辺りで手を打とうと思っているが?」
キャーリサ「チッ!ジョークが真実に変ろうとは!」
エリザード「まぁそのなんだ!お前であればこの親不孝者の手綱を締めるだろうという信頼が前提だ!」
騎士団長「また嫌な信じ方を!まぁ他にはアホしかいないから仕方がないですけども!」
キャーリサ「なお一応断っておくが、お前のよーな男は嫌いだ」
騎士団長「選ぶつもりないのにフラれた!?あぁまぁありがとうございますっ!立場上推されたら断りようがないので!」
キャーリサ「ねー、ままー。わたしこの人がいーなー」
エリザード「流石だな我が娘よ!自身の半生を賭け嫌がらせ結婚する覚悟があるんだなんて!」
騎士団長「いい加減にしろよ!今度こそ革命起こして共和制へ移行すんぞコラ!」
エリザード「ったく贅沢な。何が気に入らん?包容力か?女性としての魅力に欠けるのか?」
騎士団長「いえ、結婚ですからそういうのはまた別の話で……しかしながらこう包容力は考えていただきたく」
騎士団長「家庭へ帰って優しく癒されたいのは万人の望みかと」
エリザード「バカ娘だったら外も家庭も戦場だからな。甲斐甲斐しく尽くしている光景すら浮かばん」
キャーリサ「失礼だし。淑女の嗜みは戦闘・戦闘・戦術と叩き込んだのはだーれ?」
騎士団長「指揮官としてはこの上なく尊敬しておりますが、女性として、妻としてというのは少し、こう」
キャーリサ「興奮する?」
騎士団長「無理だよ!?外面がどんだけ良くたって中身バンシ○(ユニコーンガンダ○二号機)だぞ!?」
エリザード「人の言う事聞かないわ暴走するわ散々だよな。まぁ分かった、そこまで嫌がるんだったら二番目だ!入れ!」
ローラ「はじめましてなりしよっ☆」
騎士団長「おい何やってんだテロリスト」
ローラ「なにかしら?」
エリザード「んー……あぁまぁ絶賛指名手配中だな。アホとの戦闘でイギリス中メチャクチャにしやがったから」
ローラ「あぁ、モテる女の辛いところよの。嫉妬その他でここまで追われるとはな」
エリザード「しかし心配はいらん!このアホ女と結婚すれば恩赦を出す予定だから!」
ローラ「くっ……!卑怯なりしよ!そうやって私にエ×いことをさせるつもりか……薄い本みたいに!」
ローラ「――でも増長はしたらあくなきことよ!私の心までは縛れないのだし!」
騎士団長「お前らホンット仲良いよな。そして日本語がメッチャクチャだ」
ローラ「で、でもこう見えて意外と尽くすタイプでありけるのよ?こう見えて?」
騎士団長「嫌なのかアピールしたいのかどっちにしろ!ちょっと可愛いから『まぁこれはこれで』って思うんだよ!」
キャーリサ「まぁヤローなんてそんなもんだし」
エリザード「だな。お前らも異母兄弟何人かいるしな」
キャーリサ「おいババアテメー何つった?」
騎士団長「いい加減にしろダメ親子!今の発言は怖いからスルーするとして!私の見合いを進める感じで来るんだ!」
騎士団長「つーか陛下……?まさかとは思いますが、この際我が国の事故物件ワースト一位二位を私に押しつけようと……?」
エリザード「見た目は新古だ!得したな!」
騎士団長「もう爵位返上して仕事辞めたろうかな!私の代で潰れてもいい!」
エリザード「ではローラ君。アピールポイントをどうぞ」
ローラ「はい、多分寿命では死なないし、肉体強度は人類超えで魔術力は魔神より少し弱いぐらい?」
騎士団長「欲してるステータスじゃない!求めてる属性が違う!」
ローラ「人類最高齢よりちょっと若いなりしお姉さんよな☆」
騎士団長「あれ確か今の最高齢って110ぐらい……あれ?」
ローラ「最近の流行りは二重人格ごっこ。では試しに一番アレイスター=クロウリー召喚」
ローラ「『どうだね、我が精神のジャジャ馬っぷりは!私も最近何が何だか分からないよ!』」
エリザード「あれお前こんな芸風あったか?その歳で新ジャンルを開拓するなんてやるな!」
ローラ「ほ、本当に殺して、ほしい……!」
騎士団長「何か真に迫った演技なのですが。えぇ引くぐらい」
ローラ「『なので?まぁ?この体がお嫁さんということは自動的に私もついてくるわけだし、自分の意志に反して好きでもない男と結婚だなんて良かったなコロンゾン?」
騎士団長「スチュアート元『最大教主』、あなた疲れてるんですよ。えぇ私が同情するぐらいに」
エリザード「お前が図らずしも『事故物件』と言ったが、割りと的を射ている表現だったかも知れん」
ローラ「ねっ☆今だったら体は一つで心は二つ、お得なりしよっ☆」
騎士団長「正直、スチュアート女史は正体バレするまでは比較的好ましい女性だと思っていたのですが……こんな”闇”を抱えていたとかと思うと、ちょっと」
エリザード「うんまぁ私も繋ぎのネタ要員だとは思ったが、下がってくれ。冗談が冗談ではなくなるから」
ローラ「ばいばーい、よな」
エリザード「では次で最後になるが、いい加減決めたらどうだ?どうせ誰でもそんなに大差ないだろう?」
騎士団長「貴族的な意味ではそうのですが……せめて自分の御せる相手でないと」
シスター・アンジェレネ「あ、あー、じゃあわたしで決まりですかねぇ。ふ、ふつつか者ですが」
騎士団長「落差!?実はさっきから会場の隅の方でチラチラ見切れてて『あれなんで小さい子がいるんだろう?』って思ってたけども!そうか、そういうことか!」
アンジェレネ「い、一応シスターなので眷族しなければいけないのですが、ま、まぁ財力と地位のある方ですし、ハンサムですし悪くはないかなぁって」
騎士団長「しかもしっかりしてる!」
エリザード「念のためロ×枠も用意してたんだがな……まさかクリティカルとは思わなかったぞ、この外道が!」
騎士団長「いや選んではないですよ!?可愛らしいとは思いますが、年齢差ありすぎてないわ!一回り以上だろこれ!?」
アンジェレネ「え、えー?こ、ここまで来ているのにそう言われると……慰謝料として、それなりのものを頂かないと」
騎士団長「よく分からないが、君の保護者には匿名で寄付しておくから。あ、ほら、会場内にある食べ物好きなだけ持っていっていいから、帰りなさい」
アンジェレネ「い、いやぁすいませんねぇ。た、隊のみんなにおみやげまで、えぇえぇ、タッパーで全部包んでください。ぜ、全種類を入るだけ」
騎士団長「卑屈なのかメンタルがハンパないのかよく分からない子だね……?」
エリザード「私の経験上、”要注意”分類だな。大抵どっかでキレる」
騎士団長「よくまぁ見つけてきたなそんな物件!?まぁ前二人に比べればまだマシだが!」
エリザード「年下もダメ年上もダメ、一体お前は誰がいいって言うんだ!?」
騎士団長「普通の女性だよ。変化球じゃなくて色物でもないフツーの人がいいです」
エリザード「そうだなぁ。私の知っている範囲ではイギリスへ亡命してきたお姉さんさんしかいないぞ?}
騎士団長「それ個人的には興味ありますが、式の最中に乱入されて攫われるフラグまで立っている気がします」
エリザード「嫌だったら神裂を口説いてこい!お前の嫁になればこっちでも扱いやすい!」
騎士団長「分かってて言ってるだろババア?テメー絶対に失敗するって確信があって言っていやがるよな?」
エリザード「やはり貴様――オルウェルと何か……!?」
騎士団長「ないわ。あったらさっさと騎士団放り出してるわ」
青ピ「まぁ三次元に見切りをつけるんやったら早い方がエエよ?どんな回り道したっても、最終的に堕ちる場所は同じやで?」
騎士団長「警備!どっから入って来やがったこの不審者!?」
青ピ「てかババアに妖怪にロ×!よりどりみどりなのに何贅沢言うとぉんこのダボが!」
騎士団長「叱られる意味が分からない」
青ピ「カミやんやったら『ちょっと何言ってるのか分からないですね』とか言いながら全員のルート制覇するよ!?見習いや!」
騎士団長「インキュバスじゃないか」
-終-
(※たまになろ○系主人公見てるとそう思います。ご応募ありがとうございました)
――
エリザード「腹を割って話そうじゃないか」
騎士団長「そのネタ一個前にやっただろ。水曜どうでしょ○のホテル」
エリザード「まさかの私もエリザード縛りで二つ届くとは予想外だった。さてそれはそれとして今度は論功行賞の話だ」
騎士団長「論功……どなたに叙勲されるのですか?医療従事者に代表して?」
エリザード「それは追々だな。よくやってくれてはいるが、全体的にツケが回ってきている」
騎士団長「議会の問題ですけどね。後に改善しないと洒落にならないほど禍根を残すかと」
エリザード「功というのはアレだ、あの日本人だ」
騎士団長「あぁ彼ですね、彼ですかー」
エリザード「『右手』が暴走したからイーブン、なんて言うなよ?元々は妖怪ババアを滅した後遺症みたいなものだしな」
騎士団長「被害の半分は『能力者』の影響でしたしね……事故を装って斬っておけばとも」
エリザード「その考えは嫌いじゃないしトップとしては悪くはないが、まだ、甘い」
騎士団長「とは?」
エリザード「貸しにしておけばいいのさ。金額に関係なく恩に着せればいい――」
エリザード「――と、強硬派のバカどもには適当に嘘吐いているが」
騎士団長「嘘かよ」
エリザード「納得できる理由がほしいだけだ。誰も好き好んで17・8の女子供を手にかけたくなどないだろうがな」
騎士団長「もっと下だったような……あぁ失礼致しました。それで改めて彼を?勲章か褒賞でも授与されるので?」
エリザード「いや、そういうのは良くない。あまり重いものでは受け取ってすらくれぬだろうな」
騎士団長「仰せの通りかと。では何を?」
エリザード「銅像だ」
騎士団長「超重くね?あ、失礼しました、超重いだろ何考えてんだババア?」
エリザード「お前の無礼なツッコミも板についてきたな!まぁ深くは考えていない、ただアドバイザーとして雇った人間がな」
エリザード「『へっへっへっへ、なぁに作っちまえばこっちのもんですよお頭ぁ。現物目の前にしていらないとは言えないでしょう?』って」
騎士団長「おい誰だその怪しさ1000%の素材」
エリザード「いやいや一人じゃないぞ?一人だけだったら意見が偏るから、その筋のプロを三人雇ってきちんと話をしてみた」
騎士団長「人選が多少心配ですが、まぁ銅像ぐらいだったら別に良いのでは?公的な場に飾るのは恥ずかしいでしょうけど」
エリザード「分かった。ではその案件はこちらで進めておくとしよう」
――1人目
エリザード「えぇと上条当麻をよく知る人物、ということで天草式十字凄教に打診したところだな」
五和「お、お目にかかれて光栄ですっ女王陛下!」
エリザード「あぁそう仰々しくしなくても構わん。非公式の場でこちらが教えを請う立場だ。座ってくれ」
五和「ありがとうございますっ!」
エリザード「事前に通告したように、我々は上条当麻君へ銅像をプレゼントしたい。設置場所は未定だが、まぁ王族の私有地置いてもいいし輸送費を負担して日本へ送るのもまぁいいだろう」
五和「素敵なお考えだと思いますっ!よっ、流石子育て失敗に定評のあるイギリス王室っ!」
エリザード「あぁそういうキャラなのだね?素直そうに見えて毒が強い的な?」
五和「って建宮さんが言っていました!私は関係ありません!」
エリザード「まぁともあれ忌憚ない意見を聞かせてほしい」
五和「と、言われてましても。像の仮案というかどんな形とか決めてあるんですか?」
エリザード「用意してあるとも。木原……円周率?だったか、かわった名前の研究者が3Dモデルを作ってくれた。タブレットを見てほしい」
五和「あ、全身像いいと思います。でもこれ……小さくないですか?」
エリザード「一応等身大スキャンをコッソリしたそうだし、私の目には大体こんな感じだったように見えるが」
五和「あーそれ人種が違うからですよ。だって陛下神裂さんとよくある異世界転生のサムライっ娘の区別つきませんよね?」
エリザード「根っこは同じじゃないか?というか向こうがこっちへ寄せに来ているというか」
五和「といいますか、上条さんはもっと身長ありましたよ!190cmぐらい!」
エリザード「近くで見たが180ちょいの『騎士団長』より小さかった、よな?」
五和「目の錯覚じゃないですかね?こう、オーラが出ている感じで?」
エリザード「オーラ……?いや待て待て、大きくするのは当然出来るが、ただ単に伸ばしても全体が大きくなるだけだぞ?」
五和「足です!この倍はありましたね!もっと長かったです!」
エリザード「人か?なにかこうアフリカ辺りの身長拡張をする部族っぽいフォルムになるぞ?」
五和「あとですね、髪はサラッサラしていました!肌なんか白雪姫のように真っ白で!」
エリザード「エルフかな?もしくは眼科行け」
五和「私が言っているんですら科間違いありませんよ!ほら、いつも持ち歩いているラミカ加工した写真をご覧になってください!」
エリザード「こっちの3Dモデルと瓜二つに見えるが……」
五和「ではなくその、英雄ですよね?」
エリザード「まぁ、そういう評価も出来るな」
五和「王子様ですよね?」
エリザード「そういう評価は聞いたことがないな」
五和「芸術として時には誇張的表現をするのも必要なんじゃないですかねっ!?こうビール瓶が人よりも大きく見えたり!」
エリザード「宮○ワールドだからだよ」
五和「それに上条さんだって喜ぶはずですよ!ちょっと盛るぐらいは許容範囲内じゃないですかねっ!」
――2人目
レッサー「くっくっくっく……始めましてエリザード女王陛下、そして――」
レッサー「――死ねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
エリザード「『――あ、もしもし警備か?殺人未遂で、うん衛兵をこっちに回してくれ』」
レッサー「って小粋なジョークじゃないですか!ジョーク!ブリティッシュ・ジョーク!」
エリザード「そう言い張るんだったら手に持った霊装を降ろせ。カーテナ・セカンドでぶった切るぞ」
レッサー「ちっ!ババアのくせに用意周到な!」
エリザード「本来であれば貴様らは愚娘と共にロンドン塔へ収監されている身だ、弁えろバカ」
レッサー「あまり私をバカバカ言わないでくださいよ!私にだって我慢の限界があるんですからね!」
エリザード「ほう?限界を超えるとどうなるって?」
レッサー「罵られるのが気持ち良くなるに決まってるじゃないですか……!」
エリザード「お前の人生楽しそうでいいな。替わってくれないか?娘どもの教育全部間違えた私と」
レッサー「いえ間違ってはないと思いますよ?だから我々も一度はキャーリサ殿下へついていったわけですから」
レッサー「問題なのは根回しが悪すぎる。三姉妹全員の賛同を得ていれば、と惜しまれるところですな」
エリザード「上から目線の批評をありがとうテロリスト。よし、じゃあ牢へ戻ってくれ」
レッサー「くっ、殺しなさい!――って違うわ!?アドバイザーとして呼ばれたのに拘束されるなんてズルじゃないですかーやーだー」
エリザード「意外と余裕あるよなお前。それでそれが作成予定の銅像の3Dモデルだ」
レッサー「あぁこれが――って誰ですこの人?こんな人いましたっけ?」
エリザード「……アドバイザー一号の意見を取り入れたところ、少々美化が進んでしまってな」
レッサー「あーイイ感じですねー、きっと上条さんが見たらモルサァ言って喜びそうですな!」
エリザード「絞め殺される鳥の鳴き声を聞こえるが」
レッサー「付け加えるのならばこのツンツン頭をもっとストレートっぽくできません?造形物であの頭の再現は難しいでしょうし、PS○の格ゲーでも違和感ありまくりでした」
エリザード「誰がやっているんだそれ。まぁ言い分は分からないでもない」
レッサー「あとこの直立って決定済みなんですか?ポーズ変えるってできません?」
エリザード「ポーズ?あぁ全身像だからな、棒立ちよりも何かさせた方が見栄えがいいか」
レッサー「ならこう右手を顔の前へ持ってきて、『くっ、右手に封じられた邪龍が!』ってポーズがベストかと!」
エリザード「……そんなことやっているのか?彼は?」
レッサー「勿論ですとも!この私の曇りなきマナコをご覧ください!一寸の陰りすらないではないですか!」
エリザード「まぁ実際に『右手』にドラゴンっぽい何かがあるようだしな。分かった、そのポーズでいこう」
レッサー「他にオプションって可能です?」
エリザード「オプションとは何だ?本人以外に何か?」
レッサー「いえ本人だけですとちょっと寂しいので、ドラゴンの一匹でも出せないかなぁと」
エリザード「予算が……そして等身大だとドラゴンは大きすぎる」
レッサー「なら首だけでも!その上に上条さんが乗る!的なね!」
エリザード「あぁ悪くないな!ドラゴンを御している故にドラゴンに乗る案は格好いいな」
レッサー「……超チョロいなこのババア……」
エリザード「ん?なんか言ったか?」
レッサー「大英帝国バンザーイ!偉大なエリザード陛下の御世が千代に八千代に続かんことを!」
エリザード「引退したいんだよ!妖怪ババアは足抜けするし残された方が全部の仕事を押しつけられているんだ!」
レッサー「それ失礼を。あー……なんでしたら服も変えません?学生服ってのはあんまりですし、もっとカジュアルな服装をさせてあげたいんですよね」
エリザード「学生なのだから正装だとは思うがな、まぁ若者の流行りまではしらん」
レッサー「お任せください!学園都市で大人気の白黒シマシマ服を取り寄せて見せましょう!」
エリザード「そうか。ならば任せる」
――3人目
絹旗「――分かりました。ヴィリアン様が王室を離れたドキュメント映画は私が超撮ればいいんですね?」
エリザード「お前凄いな?初対面の相手にケンカ売るって分かっててグイグイ来るよな?」
絹旗「何言っているんですか超ジョークじゃないですか。笑って流せないと器量を問われますよ?」
エリザード「暴言を吐きながら相手に寛容さを求めるのはただ言葉の暴力だな」
絹旗「どうも、アドバイザーとして呼ばれたのですが、上なんとかさんとは超対して面識もありません」
エリザード「よく受けたな!人選をミスったのはこっちのアレだが、よくまぁ普通にイギリスまで来たな!」
絹旗「観光も兼ねて友人と一緒に。ただアドバイスはきちんとしたいと思います――それは、”追い込み”です」
エリザード「ふむ?」
絹旗「あ、超違いました。”製作過程”です」
エリザード「今溜めたよな?溜めたのに全然違う単語ってどういうことだ?間違う要素あったか?」
絹旗「てへ☆」
エリザード「なんで私に通じると思った?いやまぁ可愛いは可愛いが王女だぞこっちは?」
絹旗「公費で呼ばれたからには超きちんとお仕事もしますけど、銅像を造るのだって簡単ではないですよね?」
エリザード「そうだな。最近は3Dプリンタを駆使した作成が多いが、名のある職人はそうではないな」
絹旗「その過程を全部記録しお披露目と共に公開すれば、どんなゴミであっても受け取る側は半笑いになると超思いますが?」
エリザード「追い込みじゃねーか。お前本当はイギリス人だったりしないか?」
――上条当麻 銅像授与式
ナレーション『――こうして、スタッフの必死の努力により像は完成したのであった……ッ!!!』
上条「……」
エリザード「――いや、ありがとう!実に感動的だったな!まさかここまでの制作秘話があったとは!」
エリザード「さぁ続いて除幕といこう!」 パッパパー
上条「……」
エリザード「どうした?感動して言葉も出ないか?」
上条「……あの、質問があるんですけど。いいですか?」
エリザード「なんだ?」
上条「どうしてこの上条像は美白なの?銅像なのに着色ってアリなの?」
上条「足も長すぎるよね?もうなんか遠回しなイヤミなのかってぐらいにモデル体型極まりないよね?
上条「特に髪なんて原形留めてないよね?サラッサラで弱ストレートで、多分父さん母さんだって俺だって分かんないよ、つーかさ」
上条「――ってコレ俺じゃねぇよこれ!?他人だよ!?どう見ても一方通行だよ!」
上条「てか俺だって分かんない方がむしろいいわ!『くっ、右手が!』って中二ポーズってケンカ売ってるし!」
上条「そもそもこの股間のドラゴンは何なんだよ!?前面に来すぎてて見た人全員の印象がそっちに持って行かれるじゃねぇかよ!?」
上条「氷川きよ○じゃねぇか!紅白で『君ジャンル何だっけ?』って悩むぐらい美術スタッフの悪ふざけが毎年毎年続いてる氷川きよ○のセットだろこれ!?」
(※何年か前ドラゴンに乗ってたのをチラッと見た)
レッサー「芸人としてオイシイですよね!」
上条「やかましいわ!銅像作った連中一列に並べやゴラ!全員そげぶすっからな!」
-終-
(※「絹旗さん実はイギリス人の血が入ってる説」。ご応募ありがとうございました)
――姫神のアパート
姫神「我々は無理をしない」 クワッ
吹寄「姫神さん姫神さん、それどうでしょ○じゃない。梨の妖精が何年か前に打ちだした目標」
姫神「体を張った企画が多かったから。彼っていうか彼女っていうか」
吹寄「しかし年収を考えるとファンの人は多々買わなければいけないという鬼仕様」
姫神「最近のマイブームが日本刀集めで数十万〜数百万のを買いあさっている」
吹寄「どう考えても炎上案件なのに、『まぁ梨だしな』ってスルーされてるのも凄いっちゃ凄いけどね」
姫神「まぁふなっし○の今後についてあとで話し合うとして。今は我々の女子力が試されている」
吹寄「あとでするの?まぁ嫌いじゃないけど、これといって特に詳しくも……って女子力?」
姫神「そう。来週の日曜日はバレンタイン!月曜だったらキリが良かったのに!」 クワッ
(※スケジュール管理を間違って一週間で5本SSを書くことに。今、日曜の午後12時45分でラスト一本開始)
吹寄「そうね。チョコ贈る……の?」
姫神「当然。お世話になっている人たちにありがとうを伝えるチャンス」
吹寄「……あぁそっちの意味でね」
姫神「そこには当然『クラスが変ってもハブらないでね』という切実な思いが込められている……ッ!」
吹寄「そればっかりはちょっと。てゆうか変った先で馴染めないと辛いわよ?」
姫神「吹寄さんにボッチを怖れる気持ちは分からない?」
吹寄「とは言わないけど。中学の頃はウザがられたりもしてるし、今だってクラス全員と仲良いわけじゃないわよ」
姫神「ダンゴムシになりたい」
吹寄「大丈夫よ!クラス変ってもちょくちょく顔出すから!どんな様子か見に行くからね!」
姫神「というジョークはさておき」
吹寄「相変わらず間合いが独特だわ。達人と勝負しているような錯覚が」
姫神「ではチョコをどうしましょうか。ということになるんですが」
吹寄「どうって?既製品のじゃダメなの?」
姫神「好感度を稼ぐには手作り。しかしクラス女子には『なんだこいつ媚びてる』って思われかねない」
吹寄「そんな女子はいないわ!そこまで荒んだ人間関係はないから安心して!」
姫神「そして主人公にありがちな料理高スキル。上条君の方が上手に作れる」
吹寄「あぁうん……調理実習とかで主婦並の腕を見せるのよね。プロじゃなくって主婦の、毎日作ってる感がするの」
姫神「私が頑張って作ったとしてもきっと普通……普通の呪いからは逃れられない……ッ!」
吹寄「素人がチョコ整形し直して普通は誇っていいと思うけど。あれ?」 ピンポーン
姫神「援軍が来た。どうぞ」
鳴護「お邪魔しまーす……ってあれ?お客様?」
吹寄「こんにちは、吹寄制理です」
鳴護「あ、どうもです。鳴護アリサです」
吹寄「鳴護さんね………………ん?アリサ?」
姫神「ご紹介します、グラドルのARISAです」
鳴護「違うよね?シンガーソングライターだよって何回も言ってるよね?」
鳴護「てゆうかもうこのイジられ方が掴みみたいになっちゃってるのは納得いかないかなっ!いつ定着したんだろう……!」
吹寄「えっ、あっ、本物っ!?」
鳴護「まぁ一応、はい。アイドルとしてお仕事をさせていただいています」
吹寄「謎の人脈――でもないわね。カミジョー系のアレでしょ?」
鳴護「まぁそんな感じで」
姫神「今年のM-1に二人で出る予定」
鳴護「出ないよ!?事務所からも止められるよ……きっと!」
吹寄「最近は映画?だか迷走してるみたいだけど」
鳴護「まぁ色々あったからね!本人の望まないところで!」
姫神「二人とも私の数少ないお友達。仲良くしてくれると嬉しいかも」
吹寄「あ、うん。よろしく、ね?てか敬語使った方が良い?」
鳴護「そっちが多分年上だから使わなくても、てかあたしが使えよって話なんですけど」
吹寄「社会に出て働いてる人だし、友達枠だったら普通に喋るでしょ?」
鳴護「じゃあそれで」
姫神「でも仲良くなりすぎて私をハブらないでください」
鳴護「秋沙ちゃんって時々卑屈になるよね……」
吹寄「多分冗談なんだろうけど、徹頭徹尾”無”なのよね」
姫神「お代官様。どうかその米だけは勘弁してくだせぇ」
鳴護「何で今そのネタしようと思ったのかな?そんな話題振ってなかったよね?」
吹寄「……あー、鳴護さんツッコミで合ってると思うわ」
鳴護「合って間もない人にまで裏切られたよ!?違うから!そういうお仕事の人じゃないから!」
姫神「さて。パーティも増えたしチョコでも食べながら相談を進めたい」
鳴護「相談?」
吹寄「バレンタインで男友達へ何をあげればいいかな、って相談だって」
鳴護「チョコ以外に何があるのかと」
姫神「ではなく。贈るにしても手作りとか『義理』と書かれた市販のとか色々考える」
鳴護「あー……うん、分かる分かる。気を遣うよね」
吹寄「ちょっと興味あるわね。アイドルも苦労してるの?」
鳴護「『お世話になってる人にあげるの”も”お仕事ですよ』、ってマネージャーさんが」
吹寄「営業の一種かー。割り切ってるのはいいっちゃいいけど」
鳴護「あとはラジオとかのリスナーさんへのプレゼントとか?……でも実はあげるより貰った方が多いんだよね」
吹寄「女性のファンがいるの?」
鳴護「だから失礼じゃないかな!?ウチの子たちを悪く言わないで!みんな、極々一部のアレな子を除いてはいい子だよぉ!」
姫神「それでも一部がアレ。なんと怖い世界」
鳴護「……チョコ好きです、って言ってるから女の子ファンから市販品を三桁ぐらい?」
吹寄「凄っ!?結構いるのね!」
姫神「恐らく全員偽装した男子。アリサのためを思ってあえて女子のフリをしている」
鳴護「いや違――ぁっ」
姫神「思い当たる点があるとみた。でもまぁ愛情は愛情」
吹寄「姫神さん、鳴護さんをあまり追い詰めない方がいいんじゃないかな?事務所の人とかも分かって伝えてないとかあると思うし、でしょ?」
鳴護「……今後ファンの子からは善意を疑うとして、業界なんてそんな感じだよね。あげた方の人も『ありがとー嬉しいな!』ってポーズだと思うし」
吹寄「まぁコミュニケーションのツールと言えなくもないかもね。全部か全部義理ってのは悲しいものがあるけど」
鳴護「秋沙ちゃんと制理ちゃんはどうなのかな?義理って言ってもお友達なんでしょ?」
吹寄「制理ちゃん……呼び慣れない言い方で『誰!?』って一瞬思った……えっと、まぁ市販の100円ぐらいなのが妥当じゃないかな」
姫神「けど手作りも捨てがたい。しかし上条君には鼻で笑われたら悲しい」
吹寄「って感じにやさぐれてんのよ」
鳴護「当麻君は善意であげたものを粗末にしない人だと思うよ?……レッサーちゃん以外は」
吹寄「当麻”君”?えーっと、鳴護さん、嫌だったら答えなくてもいいんだけど、上条当麻にもしかして……?」
鳴護「あ、うん、あげる予定だよ?」
吹寄「――ちょっと待って!それって!」
鳴護「インデックスちゃんにもだし、最近は中々会える機会もないからねー」
吹寄「……あぁ、そういう。大スキャンダルになるかって驚いたけど、友達として、ね。だったら」
鳴護「ううん?男性として好きだけど」
吹寄「ちょっ!?立場!アイドルなんでしょう!?」
鳴護「好きな人に好きだよって言えない立場なんてないと思うな。あるんだったらそれは言い訳だよ」
鳴護「――少なくとも”わたし”はそう」
吹寄「そ、そう……?強いの、ね?」
鳴護「……って言ってもまぁ?迷惑になるだけだから中々言えないんだけどねぇ。今はちょっと不安定だし、色々とループが」
吹寄「なんて言ったらいいのか分からないけど、頑張って?で、いいのかな」
鳴護「うん頑張るけど、制理ちゃんも当麻君のことが好きなんだよね?」
吹寄「何で私が!?」
鳴護「嫌い?」
吹寄「って……いうわけでないけど!まぁ嫌いじゃないけど、好きって訳でもなくて!」
吹寄「いや違うのよ!?フィクションとかであるような夜も眠れないとか、ずっと考えてるとかそういうんじゃ決して!」
鳴護「うん、それでいいんじゃないかな?好きに上も下もないし、強い弱いもないし、どんな風にってのもなくて」
鳴護「フワッとしたのでも、なんなとてなくでもそれは立派な”好き”だからね。まずそこを自覚するのがスタートで」
鳴護「ただ自分に嘘を吐いちゃダメだからね?どんな上手く嘘を吐いてとしても、自分だけは嘘だって分かっちゃうんだから、って」
吹寄「……ごめんなさい鳴護さん。なんかこうもっとポヤっとしたイメージだと思ってたわ」
鳴護「こう見えても地獄は見てるからね−。あとアリサって呼んでくれると嬉しい、です」
吹寄「なんで最後に敬語よ?」
鳴護「あぁいやなんかいまあたしスッゴイ事言ったなって今更ながら恥ずかしくて!」
吹寄「アリサさんの属性多すぎてズルいわ!どんだけ男子から好かれる要素持ってんのよ!」
鳴護「あー……それはそのズルだなって思わないでもないけど、女の子の見た夢の形がそのままあたしになってるもんでね」
吹寄「ちょっと何いってるのか分からないわよね」
鳴護「話すと1時間半ぐらいの長編アニメになるから省くけど、ってアレ?秋沙ちゃんがいない?」
吹寄「お茶でも煎れてくれ――あ、隅っこでヒザを抱えてる」
姫神「……二人が仲良くなって私をハブっている。ショック……」 ブツブツ
鳴護「なんて典型的な構ってアピール!?まぁ放置したあたし達も悪いけど、会話へ入ってくれば良かったのに!?」
姫神「修羅場かと思って逃げていました」
吹寄「逃げてんじゃない。自分から遠ざかった結果じゃない」
姫神「ではあとは若い二人同士で……」
鳴護「どういう設定?寒村の農民だったよね?脈絡ないけど話がとっ散らかってるよね?」
姫神「……」
吹寄「な、なに?」
姫神「最近は女子のお笑いトリオが増えている……!」
吹寄「絶対にしないからね!?このメンツだったらどうせ私一人だけ年増キャラにならざるを得ないんだから!」
鳴護「無理だと思う。だって秋沙ちゃんの無理茶ぶりはツッコミ初段の当麻君がいないと止められないレベルだから」
吹寄「いつまにか黒帯を……?」
姫神「まぁ話もまとまったのでチョコを買いに行こう」
吹寄「あ、あれ?作ろうって主張していた人がアッサリ?」
姫神「よく考えたら作るの面倒臭い」
鳴護「秋沙ちゃんってそーゆーとこあるよね?スッゴイ雰囲気は繊細そうなんだけど、雑っていうか」
吹寄「あー、分かるわー。何かこう深窓の令嬢感があって体育の持久走大丈夫?ってみんなハラハラしてたんだけど、普通に完走っていうか」
姫神「山の中で山菜採りをしていたので。都会のもやしっ子に混ざったらそこそこ上位だった」
鳴護「ある意味ガッカリ感……あぁいや失礼か、ゴメンね」
姫神「なので特設売り場のチョコ買ったらあとは女子会をした方が有意義」
鳴護「まぁそうだけども!多分『違うそうじゃない』ってリクの人はツッコんでると思うよ!」
吹寄「天然?……いや違うわね、なんかこうよくわからない何かと話してる気分になるのよね」
――2月14日
ピンポーン
上条「――はーい、どちらさんでー?」 ガチャッ
姫神・吹寄・鳴護「――ハッピー・バレンタイン!」
-終-
(※多分鳴護さんが無事帰還していたら一ヶ月ぐらいで恋人ができていた(誰がとはいわない)と思います。ご応募ありがとうございました)
佐天「――どもっす、お疲れさまでーす!」 ガチャッ
初春「はいお疲れさまです。風紀委員ではないのによくもまぁノコノコといらっしゃいませ」
佐天「白井さんやめちゃったんですか?」
白井「ナチュラルに聞いてきやがりましたわね部外者。ごきげんよう涙子」
佐天「いまだに慣れないんですが、ごきっす」
白井「そんな邪悪な略し方初めて聞きましたの……」
初春「流行りそうですよね」
白井「流行りませんわよ?そんなネタに特化した学校じゃないですからね?」
佐天「そういやバレンタイン近いですけど二人は何かご予定でも?」
初春「……佐天さん、我々の勤務態度を見てそれを言いますか?」
佐天「毎日毎日お疲れさまですよね、とは思うんだけど。なんか職場でとかありそうじゃない?」
初春「比較的男性も多いですけど、そういう出会いはないですかねぇ。ですよね?」
白井「公私混同と見られかねませんの。わたくしはないですわよ」
佐天「はー、そうなんですか」
白井「それよりも言い出しっぺはどうなんですの?まぁ暇を持て余してるのを見て、殿方がいるとは思えませんが」
初春「あー……それがですね、佐天さんは少々複雑でして」
白井「とは?」
初春「お題――『佐天さん最近男子によく頼まれるの巻』」
佐天「『好きな子がいるんだけど、その子へプレゼントを贈りたいから一緒に選んでくれないかな?』」 キリッ
白井「罠ですわよね?超罠ですわよね?何かこうワイヤーが伸びているのが幻視できるようなトラップですのよ」
白井「そして中一がまた凄いレベルの高い誘い方を……!?」
初春「『相手の好みを聞き出しつつ、かつベストな選択肢を自動的に決定した上、最後に実はサプライズ』的な」
白井「中一の発想とは思えないですのよ!」
初春「クソ度胸があるかマンガの読み過ぎかのどっちかかと。もしくは抉らせたエ×ゲー作ってる人」
白井「しかもよく頼まれるのは複数……!その後の展開が気になるですわ!」
初春「はい、ではお返事をどうぞ」
佐天「『他の女の子に選んだのをもらってもいい気分しないと思うよ?あたしだったら嫌だなー、まずその発想からしてないわー』」
白井「大丈夫ですの?不登校になった子とかいません?」
初春「……まぁ撃沈したのはしたで男子同士の横の繋がりが強くなるって言いますか、まぁ、はい」
白井「ちなみに類人猿さんからのお誘いがあった場合には?」
佐天「超オッケーして御坂さんにどんなブツを送るのかチェキしますけど何か?」
初春「あーこれこじれるパターンですね。親友として心が痛いです」 ワクワク
白井「どう見ても楽しんでるようにしか……?あれ?」
佐天「まぁあたしはそんな感じでノーフィッシングなんですが、お二人はあげる相手いますよね?」
白井「ですからどなたもいないと」
佐天「美山君もですか?」
初春「あー……そうですね。お世話になりましたね」
白井「しかしわたくしには心に決めた御方が!」
佐天「いえ、白井さんは御坂さんがお好きでもいいと思うんですよ。性的な意味でもスール的な意味でも」
白井「両者は同じですわよね?」
初春「それ白井さんだけですよ?スール的なものはもっとこう高潔な感じですからね?ドロォっとした欲とは無縁ですから」
佐天「色恋沙汰とは別に!対人コミュニケーションを円滑にするためにも日々の積み重ねが必要となるのです!」
白井「――で、本音は?」
佐天「御坂さんから頼まれています!『黒子ができればあたし以外にも興味を持つように!』って!」
初春「凄いですよね。ブブヅケを毎日もらっているのに突進するその力が」
白井「乙女力ですわね。えぇもうホントに」
初春「別名ストーカー力及び、『借りを少しずつ積み上げて逃げられないようにする』ですね」
佐天「そんでどうです?あげるんですか?」
白井「そうですわね。美山にはお世話になりましたし、将来の同僚として期待もしていますし」
初春「ただ転校されてしまいましたし、会いに行かない限りはバッタリ出くわすこともないかと」
初春「あぁじゃあ行きましょうよ!折角なんであたしもいっちょ噛みしますから!」
白井「導入が雑な上に強引ですわね……初春?」
初春「構いませんよー。何かあったら緊急で呼び出しかけますんで。あとこれ」 グッ
白井「チョコ――いいえ初春、わたくしたちは同僚でいるのがベストであって、これ以上親密には」
初春「なんでちょっと断り慣れてるんですか。美山君へ持っていって下さいね、って言ってるんですけど」
白井「しかしお姉様に秘密であれば肉体だけの関係でも吝かではございませんの……!」
初春「ダメです白井さん。結果的に癖(へき)へ全振りになってしまってます」
佐天「白井さんはなんで漢に生まれなかったんでしょうね?御坂さんを見ててもたまに思いますけど」
――どっかの学区
白井「――と、いう訳で美山の学校の近くまでやって来ましたの」
佐天「なおコンビニで二人分のチョコを購入しました」
白井「パッと言ってパッと渡してくればいいですわよね?」
佐天「学校で超ハブられますよ?確実に見られて悪目立ちするタイプじゃないですか、美山君って」
白井「……小学生ですわよ?」
佐天「いやでもあの子は……あ、丁度校門から出て来ましたね。まるであたし達が出待ちするのを待っていたかようなタイミングで」
白井「まぁそこはそれ人生とはそういうものですわよ、と納得させるしか」
美山『……』
女子A『ねぇ美山くんどっか遊びに行かない?隣街にクレープ屋さんができたんだって』
女子B『えー、ゲーセンいこーぜゲーセン。今日こそドラグモ○進化させてーしさー』
女子C『……あ、電波が……』
結標『ちょっと遅いわよ!もう少しで通報されるところだったじゃない!』
白井「『――もしもし初春?XX学区のXX小学校に不審者が出ましたの、えぇただちに射殺の許可を』」
佐天「うわぁ……なんていうか、うわぁ以外の言葉が出て来ません」
白井「取り敢えず肉体言語でシメてきますわ……ッ!」
佐天「――ジャストアモーメンッ!まだ早いです白井さん!確かに絵面が超キッツイですけど、まだ犯罪だって決まった訳では!」
(※少年&少女&少女&少女&恥女)
白井「高校生が小学生への声かけ事件で立件可能ですわよ?」
佐天「巻き込まれとはいえこんな案件に関わるのが嫌なんですよ!軽い気持ちで冷やかしに来たのにどうして!?」
白井「涙子はもっと猫を殺されないようにセーブした方が良くてよ?」
佐天「ま、まぁ待ちましょう!様子見ましょう!小学生グループに高校生が混じって切ないですけど!まだ犯罪だと確定は!」
(※小萌先生の保護観察になったから恐らく姫神さんと同じく高校生)
白井「……ひと思いにトドメ刺した方が、あの恥女にとってもwin-winなのではななくて……?」
佐天「ま、まだだ!まだ希望が残っているはずですよ!なんかこうアウツ、じゃない理由であの輪に交ざっている可能性も!」
白井「どんな理由ですのよ」
――路地裏
チンピラA『へっへっへ……!女ばかり連れていいご身分じゃねぇか!』
チンピラB『けっけっけ……!全くだぜ、少しばかりオジサン達にも分けてくんねぇかな?』
美山『彼女たちの意志も聞かずにかい?そんな無理難題通るはずがないと思うよ?』
佐天「少し目を離した隙に絡まれてますけど、大丈夫ですかこの学園?小学生児童に絡むヤンキーって色々と終わってないですか?」
白井「ど、同級生だと思えば!」
結標『助けて美山きゅん!?薄い本みたいなエ×ことされる!』
チンピラA『あ、すいません。おねーさんは興味無いんでいいです』
結標『オォラァッ!!!』 バスッ
チンピラA『げふっ!?』
チンピラB『あ、アニキ!?なんて酷い!アニキはただ子供と仲良くしたかっだけなのに!』
結標『うるさいわねこの犯罪者!えっと……ダメよ!予約済みなのよ!』
佐天「あの……途中から説得力が激減しましたけど、あれはどういう心理で?」
白井「恐らく『あ、これ人のこと言えねぇわ』と一瞬だけ正気に戻ったのかと』
佐天「いやでも、まぁ、ほらっ!や、役にたったじゃないですか!防犯的な意味で!」
白井「チンピラ二人が壁にめり込みかけてますけどね」
――コンビニ
美山『えっとじゃあ僕は――』
結標『なんでも買ってあげられるわ!ちょっとだけおねーさんに任せて!』
美山『ダメだよ、そういうのは。友達は友達で貸し借りしていいものと悪いものがある』
結標『美山きゅん……!』
佐天「すいません白井さん、言い出しっぺですけど帰っていいですか?SAN値がガリガリ削られます」
白井「お待ちなさいな!わたくしだって半分仕事と半分友人のためと思って我慢していますのに!」
佐天「せめてこう、見た目だけでも中学生ぐらいだったら微笑ましいんですけど。底辺イメージビデオのジャケっぽい服着たおねーさんが浮いて浮いて」
美山『――さて、ジュースも飲んだし行こうか、みんな』
結標『あ、ゴミは私が捨ててくるわね。ちょっとお花も摘みに行きたいし』
美山『花?花ってどういう――』
少女A『うん、じゃあ先に行ってるね!いつもの広場で!』
結標『そうね、ありがとうっ!』
佐天「精神年齢が逆転していません?何かこう黒っぽい組織が遊園地で遊んでで、たまたま持っていた薬で人体実験でもしたんですかね?」
白井「あの話も全国のごく少数のお姉様方にヒットしてるから、まぁあまりこう細かいことは。安○さん×コナ○くんは貴い……ッ!」
佐天「まぁでも、子供たちのゴミを率先して捨てるなんていいことじゃないですか。今日初めていいところ見ましたよ」
白井「……いいえ涙子、あなたはまだ甘いのですのよ。この学園の『暗部』について無知ですわ」
佐天「あんぶ、ですか?」
白井「えぇ、世の中には人の道から大きく踏み外し、それを良しとする人種がおりますの」
佐天「まさか!?――って意外でも無いな!あのスッゲーエ×い服着てる時点でおかしいですよね!」
白井「いいえ、わたくしが言ってるのはそういうことではなく――ご覧なさい!」 ピシッ
佐天「あ、あれはっ!?」
結標『……』 コソッ
佐天「美山君の飲んだジュースの空き缶を回収してる、だと!?」
白井「わたくしには分かりますの!だってわたくしだってしたいのですから!」
佐天「やっべぇな今日のツッコミ。初春と替わってもらってどっちも逮捕しちゃった方がいいんじゃないかなこれ」
白井「――ってなにやっとんじゃクラーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」 バスッ
佐天「出たーーーーーーーーっ!白井さんのドロップキック!その高さからフライ・ハイとも呼ばれる珠玉の必殺技が!」
結標「ゆきちっ!?」 ブフッ
白井「やっていいことと悪い事がありますのよ!絵的にはキッツイですけど、まぁ一緒にいるぐらいはいいとしまして!」
白井「もっとこう一線を守りなさい一線を!ストーカーとしてやっていいことと悪い事がありますのよ!」
佐天「白井さんは『やりたくてもやってない』だけですらね?実行犯と頭の中で想像するだけでは雲泥の差ですが」
結標「あ、あなたは白井さん――はっ!?やっぱりあなたも美山きゅんを狙っ……!?」
白井「違うわ、超違いますのよ」
結標「……分かるわ白井さん!世界の誰に理解されなくても!同じテレポーターであり同じ性癖を抉らせた私には分かるの!」
白井「ぶち殺しますわよ?二度とそのテレポーター繋がりで共感したみたいに言うな?マジで殺しますのよ?」
美山「……えぇと、黒子に涙子?どうしたの?」
佐天「えっと……うん。バレンタインで!たまたま近くを通りかかっただけだから!」
白井「……まぁそんな感じですの。どうぞ、ハッピー・バレンタイン」
美山「ありがとう黒子に涙子、大好きだよ」
佐天「なんだこの小さな王子様。リアル弟がいて耐性持ちのあたしですら『あれ?』って思うな!」
白井「や、やりますわね美山!なんかちょっと変な空気になりましてよ!」
結標「ぐぎぎぎぎぎ……!私だけの王子様が……!」
白井「あなたはこっち。さっ、しばらくシャバに出られると思わないでくださいまし」
結標「あぁせめてチョコだけでも!手作りしたのをせめて!」
白井「はいはい、成分検査して異物混入がなかったら返して差し上げますからご随意に。キリキリ歩きなさいな」
美山「うん、まぁお仕事お疲れさまです。またね」
佐天「美山君は真っ直ぐに育ってほしいけど、多分歪むんだろうなぁ」
-終-
(※「テレポーターは次元を歪曲しすぎて性癖も歪む」説。ご応募ありがとうございました)
――ファミレス
円周「エ×ゲーをね、贈ろうと思うんだよね」
バードウェイ「おいおいどうした?開幕からパワーワードぶっ込んできたけど大丈夫かこれ?」
シェリー「見た目は子供だから罪悪感が半端ないわね。自重しろクソガキども」
円周「シェリーちゃんこのあいだ『しっかりしたお子さんですね』って落ち込んでたよねぇ」
シェリー「うんまぁ、もういい加減慣れたっちゃあ慣れたから、『下の子は中々おしとやかにならないんですよ』って返したけどな」
バードウェイ「おいやめろ。私だっていい年してゴスロリ着た女を母と呼びたくはない」
円周「場違いは場違いなんだけど、なんだかんだで外見もいいから『モデルさんが雑誌の撮影かな?』って目で見られるしぃ」
シェリー「そらそうだろうよ。アートでメシ食ってる人間が第一印象怠ったらただのアホですわ」
バードウェイ「最近悪目立ちしなくなってきたしな。ただ無言で私を撮るのはやめてほしいが」
円周「マニアの犯行だよねぇ。いいの?」
バードウェイ「撮った画像全面に数十本の手が写り込むハートフルな仕様にしてやった」
シェリー「生命の危機を感じるよな。ちょっと見てぇ」
円周「魔術は小回り効くのが羨ましいよねぇ、ってそうじゃなくて当麻お兄ちゃんのことなんだけど」
バードウェイ「ていうかだな、なんでチョイスがエ×いゲームなんだ?もっと他にマシなモンあるだろうが、えっと……ソシャゲーとか?」
シェリー「生産性がクソほどもねぇよな。あぁいや大抵の娯楽なんざそんなもんだが」
円周「いやー、それがさーぁ?最近お兄ちゃんお疲れさまじゃん?大変だったじゃん?」
バードウェイ「ジャンジャン言うな。あれぐらいで鬱になる精神が弱すぎる」
シェリー「いや、流石にあたしもスーサイドクラブがオルフェウス教団と繋がりがあったとは思わなかったわ。なんで極東の島国で続いてたんだか」
円周「うん、うんッ……!そうだね、こんなとき『木原』だったらきっとこういうんだよね……ッ!」
バードウェイ「もっとスムーズに導入できないかそれ?あと普通に切り替わってるときあったよなぁ?」
円周「『人が中々死ななくなったら”自発的に”死なせるのが楽だわな。昔と違って死体ゴロゴロの暗黒時代でもねぇし』」
円周「――と、いう訳でね!お兄ちゃんが喜びそうなクソゲーをプレゼントして英気を養ってもらおうって企画だよ!バレンタインだしね!」
シェリー「クソの意味あるか?百歩譲ってエ×いゲームで納得するとしてもあえてクソ?」
――上条のアパート
シェリー「と、いうわけで私がトップバッターよ。笑えばいいじゃない」
上条「俺の知ってるバレンタインと違う……あ、海外ではそういう?」
シェリー「聞いた事な――くもないわね。そうそう、本番本場。あっちじゃ聖バレンタインの命日に戯○を贈りあうって風習がね」
上条「すっげーな戯○!老舗ではあるけど十字教にも名前出てるのか!戯○マインの二つ名は伊達じゃないぜ!」
シェリー「きっとブランドの中の人は泣いてると思うわ。だってただの蔑称だし」
上条「俺も正直『なんでバレンタインにエ×ゲーって思わなくもないけど!いいぜ!時々知り合いが選評書いたりして経験値を上げてる俺にかかって来い!」
シェリー「あたしは前に動画サイトでOPムービーが流れてて一目惚れしたのを。『フェアリーテイル・レクイエ○』」
上条「だから大丈夫か?名前出して関係各位から叱られたりしないかな?」
シェリー「CGとOPムービーは曲と合わせて業界最高……らしい。絵に釣られてゲームやっただけだったから、まぁあたしも詳しくはわっかんねぇだけども」
上条「色々と定評のあるライア○ソフトさんだからな。ハズレとアタリの差が激しい」
シェリー「内容はなんかアレだ、精神病院っぽいところに『お伽噺症候群(フェアリーテイルシンドローム)』の患者が収容されるって話だ」
上条「ラノベでありそうな当て字!そしてそういうの嫌いじゃないです能力バトルとか!最近は力でゴリ押しばっかだけど!」
シェリー「例えばアリスを名乗る子は不思議の国のアリスの行動を模倣する。バラを塗ったりお茶会を開いたり、それっぽい服を着せられたり」
上条「コスプレは必要なくね?なんでガワから始めんの?治療するって施設だよね?」
シェリー「まぁそんな感じでヒロイン達とあーでもないこーでもないと交流を深める訳なんだが、ぶっちゃけると『大規模なイメクラ施設』なんだわ」
上条「なんて?」
シェリー「施設の職員の正体は外部から金払って来たエ×いことする客だったり、てか常連も居たり」
上条「……心の病気を治す施設なんだよね?てかそれって病人に色々とするのはコンプラ的にアウトじゃ?」
シェリー「それは洗脳装置さんのお陰だったのよ……!」
上条「ちょっと何言ってるのか分からないですね」
シェリー「うん、心配しなくていいわ。買ってプレイした本人が一番分からないのだから。『ナンデ?』って」
シェリー「で、個別ルートも基本的には救われないような酷い内容なのだけど、全ての謎はグランドルートで回収されるのよ……ッ!」
上条「そ、そうだよな?きちんと落とし前はつけるんだよ、な?辻褄合わせっていうか?」
シェリー「今までの個別ルートは以前施設にいた自殺した少女の霊が見せたもしもの世界だったの……ッ!」
上条「シェリー、あなた疲れてるのよ」
シェリー「うん、あたしも『ニンジャの仕業かな?』って思った。だって今までほぼ存在すら聞かなかった上、幽霊そのものが登場しなかったのにそれ!?ってツッコんだし」
シェリー「えっと……ま、その施設は洗脳装置さんの実験場だったのよ。顧客の話では半世紀以上前から洗脳装置さんで実験を繰り返していたらしいわ」
上条「それ完成してねぇかな?だって頭パーにしてエ×いことさせてんだろ?」
シェリー「仕方がないでしょ!?だってそれ以外に洗脳装置さんは仕事してないんだから!」
上条「意味が分からない。つーかなんだその話は!?」
シェリー「事実はこうよ?主人公も含めたヒロイン達は全員某かの”罪”を抱えていたのよ、その”罪”から逃れられるため、全員童話っぽい物語の中へ逃げ込んだ――」
シェリー「――って洗脳されたの」
上条「だったら最初から罪云々じゃなくてガチ洗脳した方が早くね?洗脳するために罪の意識を植え付けるために洗脳したって、二重の意味で頭おかしい」
シェリー「でも実は全員”罪”なんて犯していなかったの!そのことを自覚した上、もう一人の医者が幽霊さんを自覚すれば!」
上条「なぁ、その後から次々と設定出てくるのなんとかならないか?幽霊とか医者とか初耳なんだけど」
シェリー「あぁ心配はいらないのだわ。主人公も最後の最後で”妹の生き霊”って謎の超存在に助けられたり」
上条「ゲームとして成立してる?後出しジャンケンばっかで伏線も何もない!」
(※伏線もクソもなく次から次へと登場する後出しジャンケン)
シェリー「……そして全員が幽霊の存在を認め、靴のカカトを三回鳴らしたら空を飛んで家へと帰ったのよ……!」
上条「情報が多すぎる上に混沌としてんな……ッ!?」
シェリー「スタッフロールの後で『昔ここで色々あったよね』的な回想があるから、まぁ全員が飛び降りとかそういうオチではない”筈”なのよ。きっと」
シェリー「あと施設が解体される際、ここで亡くなった患者を施設の敷地内へ勝手に埋めていたりとか、何かこう、うん。洗脳装置さんが八面六臂の活躍をしていたる割にはショボイっていうか」
上条「もっと体裁良くできなかったのかよ!?設定ありきで見切り発車するから!幽霊さんに解決を任せるんだったら、そっち方面で全体的に話を作った方がまだ辻褄合ったんじゃないか!」
シェリー「そしてお伽噺症候群()は洗脳装置さんが仕事をした結果であって、最初から誰一人罹っていなかった上」
シェリー「『結局誰がどういう意図で洗脳装置さんと施設を運用していたのか?』は謎のままおわるっていうね……!」
上条「大丈夫かライア○?原画頼みにしても程があんぞ?RIT○さん目当てで買う人の気持ちにもなって!」
(※OPムービーとその動画は最高。是非探してみてください)
シェリー「ちなみに円周に『日本のエ×いゲームってこんなんばっかなの?』って聞いたら、『あ、それはシナリオライターが地雷だよ!やったねラッキーだね!』って」
上条「やってないよ?それで喜ぶのって絹旗監督……いや監督も流石にエ×ゲーまで手を出してないはず」
シェリー「世の中にはダメ乙女ゲーというものもあるんだとよ」
上条「やってそう!主人公(の女の子)に『ハマヅラ』とか名前つけて超暗い楽しみ方してそう!」
シェリー「まぁそんな感じで、さっ遠慮なく、なっ?」
上条「いくら絵が綺麗だっていってもダメ要素がてんこ盛りしすぎでエ×根性も起きねぇよぉ!」
――上条のアパート
円周「――第二の刺客、木原円周、とおっ☆」
上条「お前の場合100%計算だからどのポーズもあざとくしか見えねぇ……!」
円周「やっだなあ当麻お兄ちゃん、私がスルのは当麻お兄ちゃんだけだよ?他に(生きているのは)いないんだよ?」
上条「デフォルトで病んでる……!誰だこいつヒロインに指定したの!?」
円周「『性欲業を征す』」
上条「もう元ネタがなんなのか分からないぐらいに変質してる」
円周「と、いうわけで私がオススメする一品はこちらです、どんっ!『殻(から)の少○シリーズ』三部作!」
上条「ごめんなさい俺が悪かったですからその箱をどっか見えないところへやって下さい!!!」
円周「ぶー、超しっつれいだねー?」
上条「ジャケットがもう嫌なんだよ!人体切断された女の子とかトラウマしか生まないって!」
円周「あぁいや普通に面白いよ?じゃなきゃシリーズ化なんてされないじゃんね?」
上条「あー……まぁそれはそうたけど」
円周「まぁインストするのも話を聞いてからで別にいいし――では改めまして殻の少○シリーズだね」
円周「昭和、戦後数年経ってから東京が舞台で。少女の連続殺人事件が世間を賑わせている中、主人公の探偵さんは公園で少女にこう依頼されます」
円周「『――本当の自分を見つけ出してほしい』と」
上条「お、なんかいい感じ。思ってたよりもソフトな感じで」
円周「名前のあるヒロインは大抵まともな死に方が出来ません!残念だったねー!」
(※ルートに関わらず生存率が低い上、前作ヒロインもひっどい目に遭う)
上条「喜ぶ要素あったか?お前とそこそこ付き合い長いけど、何一つ理解できてる気がしねぇんだよ!」
円周「ただこのゲーム、一作目には欠陥がありまーす!それは悪役が出て来た瞬間に『あ、こいつ犯人だな』って分かる仕様なんだね!」
上条「どゆこと?」
円周「まぁ大したことないんだけど、京極夏○先生の『魍魎の筺(もうりょうのはこ)』って小説があってねぇ。似てる箇所がいくつか」
上条「探偵小説だったら、まぁ仕方がないところもあるんじゃないの?乱歩とか明智とか、今よりも科学技術が発達してない方が駆け引きとか重要視されるしさ?」
円周「うん、あのね、そういうレベルじゃなくてバラバラ殺人事件が起きてたり、新人小説家が出て来たり、治療がどうのって話も」
円周「犯人像から設定に心理描写、そしてヒロインの両親が微妙だったり不幸な運命等ぜーんぶ酷似してるんだよねぇ」
上条「……訴えられなかったの?」
円周「もしもしエ×ゲーじゃなく、小説かマンガで出してたら確実に訴えられてたと思うよ?個人的な意見だけど、小説のギミックやコンセプトがソックリでね?」
円周「最初にプレイしたとき、『二周目の世界かな?』って疑うぐらいに既読のシーンがチラホラと」
上条「そっか――でもちょっと立ち止まって考えてほしいんだ?どうしてそんなアレな感じのゲームを俺へオススメしてるんですかコノヤロー?」
円周「それ”以外”はそんなには文句ないんだよ?原画と音楽とムービーは業界屈指だし、声優さんの演技は凄いの一言」
円周「特に一番凄いのは主人公の探偵さん、二作目のトゥルーラストで嗚咽をあげるシーンはもらい泣きしたねー。お兄ちゃんも声優として勉強した方がいいと思う」
(※このゲームで一番萌えるのは主人公のオッサン(男)。フルボイス版の演技は圧巻)
上条「まぁ俺は関係ないけど参考になるよね!俺に使う機会はないと思うけど!」
円周「なお最新作兼(多分)最終作では前二作で割かしまともだった人が、実は前から狂っていたのもポイント高いよねっ!」
(※窃盗&営利誘拐等)
円周「そしてレクタ○役だった人が大した動機もなかったり!まぁ最初から設定してなかったんだけど思うけどっ!」
上条「だからなんでそんなゲーム進めたの?やっぱお前俺の事嫌いだろ、なぁ?」
円周「そしてあんまりこのゲーム好きだってお外で言わない方がいいと思うよ?グロ表現がハンパ無いからね?」
上条「――よーし表出やがれこの野郎!今日という今日は決着つけてやっかんなオラ!」
――上条のアパート
上条「助けてバドえもん!アホ二人が僕のSAN値を削ってくるんだよぉ!?」
バードウェイ「力強いアホと頭がいいアホのコンビだな。微妙に例えが適当で笑うわ」
バードウェイ「まぁそう気に病むな。私はお前のためを思って選んできた」
上条「だ、騙されないぞ!どうせ思春○とかはじめてのおるすば○とかFift○みたいなコンプラ違反を持ち出すんだろ!?」
バードウェイ「随分詳しいなコラ。どれもこれも当時問題になったヤツで癖(へき)の方向性が限定されてんだろ」
バードウェイ「あーじゃあRPGでもするか?たまたま私が持ってきたのがそれなんだ」
上条「……ホントにか?クソ要素の結集したのじゃないだろうな?」
バードウェイ「いや違う違う。まもとなRPGだよ、舞台が現代で普通の高校生が主人公だ」
バードウェイ「最近街では猟奇殺人が多発してて『危ないねー』なんて言っていたら、ある日突然魔物があふれ出る!」
バードウェイ「しかし主人公と友人たちは神や天使、堕天使が封じられた魔剣を手に生き延びようと必死に足掻く……!」
上条「あぁいいな!そういうの好き!」
バードウェイ「装備できる魔剣は魔剣同士で合体可能!より強い上位魔剣で敵を倒す!」
バードウェイ「レベリングも簡単だぞ!異界のキノコ映えする一本道を上り下りするだけで敵がわんさかと!」
上条「……でも戦闘、面倒なんでしょ?」
バードウェイ「そんな心配は無用だ!途中から入る秘宝はオートバトルを可能とさせ、単調な稼ぎをスキップできる!」
バードウェイ「さぁ立ち上がれ転生者よ!貴様の血に宿る神々の思惑を断ち切ってやるんだ!」
上条「お、おぉ……!なんか格好いい!……あー。でもな」
バードウェイ「なんだね。まだ何か不満でも?」
上条「エ×ゲーのRPGって出来が極端なのばっかじゃん?エウだって当たり外れが大きいし、信用できるスタッフなのか?」
バードウェイ「本当にお前はものを知らないなぁ。あー、あまり大きな声では言えないんだが……女神転○ってゲーム知ってるか?」
上条「知らないヤツなんていねーよ!悪魔合体で超有名な……あ!?魔剣とかの合体ってもしかして!?」
バードウェイ「そうだ!何作目かは忘れたが、女神転○を作った人間が企画や監修してるんだよ……っ!」
(※鈴木一○先生。ファミコン版の「悪魔合体」の考案者。全てはこの人から始まったと言っても過言じゃない)
上条「言ってみればこれはある意味、メガテ○のエ×ゲー版……?」
バードウェイ「まぁ世界観は酷似してるな」
上条「ナイスだバードウェイ!折角だから俺はこのゲームを選ぶぜ!」
バードウェイ「いい判断だ!単純バカほど騙しやすい人間はいないからな!」
上条「だよな!……うん?お前今なんて」
バードウェイ「まぁインストしてる間に何か質問はあるかね?ネタバレしない程度に答えて進ぜよう!」
上条「大事なこと聞くの忘れてた。タイトルはなんて?」
バードウェイ「――『新世黙示録 Death Marc○』っていうんだ」
-終-
(※知らない人は”新世黙示録 選評”でググってみよう。ご応募ありがとうございました)
――『新たなる光』アジト
レッサー「くっくっくっく……本日はお忙しいところ足をお運びいただきまことにありがとうございました……ッ!」
フロリス「運んではねーシ忙しくもねーシ、そもそも『くっくっくっく』いるカ?いらないだロ?」
ラシンス「『べ、別にあんたのために足を運んだんじゃないんだからね……』」
ベイロープ「事実じゃない、ただの」
レッサー「本日の議題は『エクス・アー○のアニメ公開にいっちょ噛みして同人ゲーム出そうとしていたのが諸事情により凍結になった』件についてですが」
フロリス「言ってやるなヨ、ナッ?それ運営から『そのネタだけは勘弁して下さい』って言われたばっかりだろ」
ランシス「あれ……?『押すなよ、絶対に押すなよ、絶対だからな!』じゃないの……?」
レッサー「押した後に泣かれたらマジで、いい笑顔になったらフリだって事ですよ。簡単じゃないですかーやーだー」
ベイロープ「漢解除ってあったわよね?ローグライクゲームで罠踏んで見分けるっていう」
フロリス「アホの人生全部そればっかだよナ」
レッサー「ふっ、我が校『こいつチ××装着してんじゃね?』ランキングで第一位の私には褒め言葉ですよ!」
フロリス「何が目的でどんな人間がやったんだヨ。そのおぞましい人気投票」
ランシス「おぉ……『実は女子力高くて気取ってんじゃねぇぞコノアマ』ランキング一位は言うことが違う……!」
ベイロープ「ほぼほぼ悪口よね?女子から嫌われそうなタイプだけど」
フロリス「いやワタシの勝手だロ!?人の趣味っつーかたまたま持ってる生活スキルに文句言ってんじゃネーヨ!?」
レッサー「まぁお高く気取ってそうなタイプですし、好感度は低いですからね!残念ですよね!」
フロリス「あー全くだナ。知り合いが満面の笑みで肯定するところとかが特にナ!」
ランシス「……まぁまぁ、レッサーはこう見えても友達思い。だから陰口許さない……」
レッサー「いやーそうでもないですよ!参ったなコレ私が良い人だって言ってるようなもんですね!」
フロリス「マジ?」
ベイロープ「一度だけ現場を見たことがあるんだけど、相手の髪の毛引っつかんで表まで連行した挙げ句」
ベイロープ「『すいまっせーん、今ちょっとよく聞こえなかったんでもう一回仰ってくださいな?えー、なんですってー?聞こえなーい?』って。相手が『ごめんなさい』するまで延々繰り返すの」
フロリス「だからカ!?最近妙なハブられ方したり、知り合いでもないヤツから『ごめんなさい!』って言われんノ!?」
ランシス「サイキックフォー○にそんなキャラいた……コマンド投げが成立すると、相手の顔面掴んで壁ウォッシュ……」
レッサー「――ふっ、まぁ私に出来るのはこの程度ですからね」
ランシス「基本的に暴力……」
ベイロープ「勿論寮長の私の所へは抗議殺到してるのだわ。なんだったら見る?書面でもそこそこの数が」
フロリス「……うンまァ、頑張って?ナ?」
ベイロープ「それで、えーっとなんでしたっけ?『新たなる陽射し』のレッグラリアートさんでしたっけ?」
レッサー「おっ、なんですかー?ケンカ売ってんですかー、売ってんですよねー分かります!しまむ○のスレイヤー○クッションぐらいの価格で買ってやりますよー!」
フロリス「全く見当がつかない」
ランシス「キャラグッズにしては破格……メイトの1/8ぐらい……」
レッサー「私は好きであっちへ出向してる訳じゃないですからね!?ただちょっと労働条件が良くてお手伝いするとお小遣いまで貰えて、フランス大使館の壁へ”lavatory”って書くだけですから!」
(※手洗い場=トイレ。英国式の通称)
フロリス「そのナチュラルにフランス貶めんのいい加減にしろヨ。ヘイトだなんだって問題になってんだろーガ」
レッサー「私だってそうですよ!私は差別とフランスが嫌いなんですからねっ!」
ベイロープ「シオニストジョークをぶっ飛ばすな!本当に厳しいんだから最近は!」
レッサー「あれこれ振ってます?私に放送禁止レベルのジョークを敢行しろと?」
ラシンス「うん……被害妄想。いい加減尺が決まってるんだから、進めるといい……」
レッサー「『ホワイトハウスで射×された人数=BLM運動始まってから射×された人数』……ッ!!!」
フロリス「大体の人は思ってんだヨ。『サラっと流してっケドこれって根は同じだよな、あれ?』ってサ」
レッサー「ふー、言いたい事を言ったんでスッキリしました!では解散しましょう!」
ベイロープ「主旨は!?あなたもっとこう自分の役割に責任を持ちなさいよ!?」
レッサー「反省はしていません!なんだったら中の人に迷惑をお掛けしてもそれはそれでオイシイかなとすら思います!」
ランシス「爛れた芸人思考……しんがぽーに移住する元芸人も見習ってほすぃ……」
レッサー「まぁベイロープから泣きが入ったので本題へと戻しますと――ジャンケンをしましょう」 ニチャァ
フロリス「絶対に信じちゃいけない系の汚っさん顔してんナ。アレだ、異世界転生したら嘘吐いて奴隷紋で縛ろうとしてくる商人だワ」
レッサー「この季節に衆道、もとい集合となればバレンタインに決まってるじゃないですか!」
ベイロープ「間違う要素あった?英語で話してる設定なのにそこ間違わないよね?」
レッサー「何回か同ミッションをこなしてはいますが、大抵こうフロリスかランシスの一人勝ち。私とベイロープは噛ませ犬になっている……!」
ランシス「自業自得かな……だってレッサーだし」
ベイロープ「レッサーだしね」
フロリス「レッサーだから諦めたら?」
レッサー「随分連係プレイがお上手になりましたねコノアマども!この私をノケモノにして!」
レッサー「だがここはあえて悪役を買って出ましょう!上条さんちへみんなで行くのはお邪魔ではないか、と!」
フロリス「あ、じゃあワタシが行くゼ。一人で行けば問題ないだロ?」
ラシンス「ううん……大変、だし乗り継ぎ。私が」
ベイロープ「だったら私も行くのだわ。いや用事は無いけど入国しづらいでしょ」
レッサー「じゃあ私が!私が持っていきますよ!」
フロリス・ランシス・ベイロープ「……」
レッサー「何やってんですか!?ここは『どうぞどうぞ』の流れでしょーが!?なんでちょっと引いてんですか!?」
フロリス「あまりにもアホが単純に引っかかったから、怖くて。つい」
ベイロープ「お笑いのテンプレートを忠実にこなす魔術師ってなんなの?」
レッサー「はて魔術師……?」
レッサー「……」
レッサー「――あぁはいはい魔術師魔術師!そうでした魔術師ですよ!私は!」
フロリス「オマエ本当に大丈夫か?存在意義見失ってただのモンスタークレーマー属性だけが燦然と輝い・て・ん・ゾ☆」
レッサー「いや違うんですよ!丁度いま犯人達の事件○読んでたから『あぁ放課後の?』って思っちゃっただけで!」
ベイロープ「あれよくよく考えると『放課後の魔術師って聞いたことある?』って先生方の間で裏取りさせれば、その時点で犯人分かるわよね」
ランシス「相変わらずオールウェイズ曖昧な虎○先生……」
レッサー「まぁ全員が日本行きを志望したというのでえぇ!ここは公平を期すためにもおぉ!ゲームをして誰か一人を送り込むのが効率的ではないでしょうくあぁ……!」
フロリス「いや、その結論はおかしい。ワタシだってかこつけて東京観光してーシ」
レッサー「……」
フロリス「っだよ?」
レッサー「観光を、敢行……ッ!!!」
フロリス「オッサンじゃん?もう親父ギャグ一本で食っていくかそのままそこで乾いていけばいいんじゃネ?」
ベイロープ「あぁもうあなたのボケで進まないのだわ!時間が無駄なのよ!時間以外もだけど!」
レッサー「では全員が賛意を頂いたということで――で、ゲームは何にしましょう?」
フロリス「ノープランかヨ」
レッサー「最悪殴り合うところでは想定の範囲内ですが――ここは公平に」
ベイロープ「大体詐欺を言い出すときって誰も表だって反対できないような綺麗事を掲げるわよね。まぁあくまでも一般論だけど」
レッサー「まぁ我々の代表として赴くからにはそれなりにものが必要だとは思いませんか?あんまりラフな格好で行くもアレですし」
ランシス「それは……そこまで気を遣うのもどうかと思う……」
レッサー「何言ってんですか!?代表がナメられたら全員がナメられたって事ですよ!?もうベロンベロンですからね!?」
フロリス「喩えの意味が分からんワ。前半はまぁ、だケド」
レッサー「なのでここは一つ!女性としてのミリキの高い方を選ぶべきかと!」
ランシス「……つまり?」
レッサー「トップバストとアンダーバストの差が最も顕著な女性的な、ぶっちゃけおっぱいが大きい人に決めましょう!」
ランシス「――よしそのケンカ買った……!昨日の夕飯と再会させてやる」
レッサー「おっ、言いましたねコノヤロー!やってやりますよ今日こそは!そのチチだか背中だか分からない部分を徹底的にシバキあげましようか!」
ベイロープ「やめなさいよあなた達。殴り合っても意味はないのだわ」
フロリス「そーゆーベイロープはデカ乳だから安心してっけどもだ。最近ちょっとウエストが成長してんじゃねーノ?」
ベイロープ「そういうあなたも成長期がとまったわよね?前は確か『すぐに抜かす』とかなんとか言ってたっけ」
レッサー・ランシス・フロリス・ベイロープ「……」
レッサー・ランシス・フロリス・ベイロープ「――よし、表へ出ろ……ッ!!!」
――上条のアパート
配達員『しゃっせー!宅配便でーす!上条・D・当麻さんはご在宅でー?』
上条「なにその格好いい名前!?ドラキュラかな!?それとも海賊王的な方かな!?」
配達員「あ、童×のDって小さく書いてありますわ」
上条「あぁじゃあ俺じゃないな。この隣に土御門さんっているから、その”ど”だったらそっちだわ。俺じゃないわいやマジで」
配達員「それじゃーまたの利用オマー」 パタンッ
上条「だから隣だよ!俺じゃないよ!持って行けよ!」
オティヌス「オイうるさいぞ童×」
上条「俺は違うんだよ……!覚えてないだけできっと!」
オティヌス「どーでもいい前世のことなんか忘れてさっさと荷物を開けろ。甘い匂いがする」
上条「へいへい……あ、チョコだ」
オティヌス「寄越せ!私は腹一杯スイーツを食べるのが夢だったんだ!」
上条「なんでそんな庶民的な子が世界征服しようとしてたの?ノリとテンション間違っちゃった?」
オティヌス「メッセージカードには『皆さんでお召し上がりください』って書いてあるぞ!」
上条「なんでだよ、ってあぁマジが。海外なのに日本語で書いてある……何々?」
レッサー【この手紙をあなたが読んでいる頃には、私はもうこの世にはいないでしょう】
上条「また手紙芸かよ!?前にやっただろこの下りも!?」
レッサー【今年もこの季節になりましたね。できれば直接お目にかかって、我らが英国の未来のお話をしたいところですが】
レッサー【残念ですが、あなたの国はご時世的に入国が難しいのでピンチです】
上条「これいいのか?ネタにするのを憚ると言いつつそこそこネタにしてイジってたのだけど自重してないのか?」
オティヌス「確か去年の今頃、『なんだったらロンドンでやってやろうかHAHAHA!』とかホザいてたのも、今にして思えば自虐ネタと思えなくもないな」
(※累計感染者数;イングランド(イギリスじゃなくイングランドのみ)で約300万、日本は約37万)
レッサー【とはいえいいニュースもあります。そちらには偽装結婚という素敵な入国制度があると聞きました】
上条「ないよ?”偽装”ってついてるよね?」
レッサー【あとなんかあれです、ダンサー募集?】
上条「案の定クラスター起きてたけどな!人のエ×へかける情熱に自重と自粛の文字はなかったぜ!」
レッサー【もうなんか助けると思って結婚してくださいよ!いやマジでしてくれてもいいですから!】
上条「……そんなにボロボロなんだっけ?詳しくは知らないけど」
オティヌス「これは私が楽しみにしているネット番組のパーソナリティの実家の弟のメル友が、『30近いけどどう?』みたいな打診をマジでされたらしい」
上条「超遠いな。そして数字がリアル……!」
オティヌス「当然『三次元になってから出直してこい』と、毅然として断ったそうだが」
上条「あれ毅然って『バカ』って意味もあったんだ?へー、知らなかったわー」
レッサー【なんだったら籍だけでいいですから!一回入れるだけですから!先っちょだけでいいですから!】
上条「もうなんか切羽詰まってるのが文面だけで伝わってくるな」
オティヌス「食べていいか?」
レッサー【まぁいいですよコノヤロー!今私を嫁にしなかったことを一生後悔するがいいですよ!】
上条「最初から愛の一欠片もなく、打算すらそんなになく、ギャグでやってるアホ相手にどうしろと……?」
オティヌス「お、見ろこれ。空輸したチョコだ」
上条「えーっと……?食べ物って勝手に輸入していいんだっけ……?」
オティヌス「お?まだ紙が入っているな」
レッサー【――エイズ・メアリーという都市伝説をご存じでしょうか?】
上条「タチわっっっっっっっっっっっっっっっっっる!?このご時世に趣味悪いギャグカマしやがって!?冗談でも言っていいのと悪いものがあんだからな!?」
オティヌス「普通に炎上案件だよな。そして普通の食べ物ぐらいじゃうつらない。あ、もらうぞ?」
上条「どうぞ……あ、美味いな。味はいいんだけど、味は」
オティヌス「まぁでも来年の今頃は、みたいにネタにしてるんだから大丈夫だよ。この世界はそれほど柔じゃない」
上条「……そうだな」
レッサー【あの、すいません?私たちのターンなのになんでそのフィギュアモドキがオイシイところ持ってってんです?】
上条「不謹慎だからですよコノヤロー?お前もいい加減自重を覚えろや!」
-終-
(※今年も女の友情は儚いものでした、日本へ行く日はいつになったら……ご応募ありがとうございました)
――
帆風「えぇと、あの『女王』?本日お呼びになったのはどういう理由で……?」
食蜂「もうすぐバレンタインよねぇ」
帆風「と、いうことは……ついに!意中の殿方へお気持ちを……!?」
食蜂「そうしたいところなんだけどねぇ。一身上の都合により難しいわぁ」
食蜂「……」
食蜂「記憶に残らない――つまり逆×××し放題……ッ!?」
帆風「ダメです『女王』。一瞬『女王』らしいといえばそうかも?と迷いましたが、その、なんかこうえっちなのはダメだと思います!」
食蜂「あなたも男好きしそうな体してるのに卑怯だと思うわよぉ?」
帆風「正直『女王』に仰る資格はないかと。胸部装甲が増加の一途ですが」
食蜂「これはこれはで悩みがあ・る・ん・だ・ゾ☆」
帆風「そうなのですか?勉強になります」
食蜂「好きな相手がガチロ×ペ×だった場合、肉感的なボディはハンデにしか……!」
帆風「そうですか、勉強になりません。私だったら粉砕してなかったことにします。試合不成立なのでノーコントストと」
食蜂「でねぇ、でもねぇ?私も御坂さんが動くとなったら出張らないといけないじゃなぁい?」
食蜂「例えばそれが対象外で秘めた物語だとしても……!」
(※何故かリク率が低い)
帆風「何の事とは申しませんけれど、皆さんネタに突っ走られるので。えぇ何の事とは申しませんが」
食蜂「私”は”正当ヒロインとしての意地があるわよぉ!」
帆風「たった一年の間に株価が大暴落……いえすいません、なんでもございませんわ」
食蜂「ふっふっふ☆みてなさぁい上条さん!私の本気力を!」
――
上条「それじゃ行ってきまーす。いいかインデクッス、お昼は用意してあるけど、足りなかったらここの電話番号に電話して」
インデックス「『○○学区の土御門ですが、お隣に届けて下さい』だね!」
上条「グッドだインデックス!『誕生日プレゼントなのでリボンもして下さい』って付け加えると更にベネッ!」
上条「そしてデリバーさんが不審そうな顔したら泣き真似をすれば一発だぜ!」
インデックス「なんて失っちゃいけない色々ものを失ってる気がするけど、分かったんだよ!いってらっしゃい!」
――通学路
御坂?「……」
上条「――まぁ分かってたけどな!季節的にワンダリングするって知ってた!」
上条「よしかかって来いコノヤロー!最近俺は日課で遺書書くようになったから怖くなんてないぞ!本当だからな!」
御坂? ニコニコ
上条「……ってどうしたお前?なんかやったら嬉しそうだけど――あ、分かった!ゲコ太だ!ゲコ太の限定イベントに当選し――」
御坂?「げこた!?げこたいるのげこた!?ねえどこっ!?どこどこっ!?」
上条「………………は?」
御坂?「ねーねーげこたどこなのかなっ!?」
上条「おい大丈夫かビリビリッ!?いつもと違って変だぞっ!?」
御坂?「へん?なにが?」
上条「何って言われても、何かこうツンデレ属性が全面に消えて、こう世の中全てへケンカ売ってる気配が霧散してるって言うか!」
御坂?「げこた……いない、ねえ?」
上条「いない、ですよねぇ」
御坂?「うそ、ついたの?」
上条「ん、あぁいやそういう訳じゃ」
御坂?「”ごめんなさい”は?」
上条「はい?」
御坂?「”ごめんなさい”!しないとだめなんだよ!みーちゃんいつもいってるもん!うそはだめだよって!めっ!」
上条「みーちゃん?」
御坂?「そう、みーちゃん!『おんなのこはいくらおとこのひとにうそついてもいいけど、ごめんなさいすればちゃらだよ』って!」
上条「おい誰だその英才教育カマしてるやつ連れて来い!?あながち嘘じゃねぇけど!男子はそういうトコあるけども!」
上条「取り敢えず落ち着け!?お前はもっと何かあったら顔真っ赤にして攻撃してくるキャラだったろ!?」
御坂?「なにそれこわい」
上条「まぁそうだけど!それに比べたら嘘言うなって説教されて――普通だな。非の一点もねぇな」
上条「誰か助けてー!?いるんでしょ白井さん!ここぞというときに出現するオチ担当の白井さーーーーーーーーーーーーーーんっ!?」
???「天が呼ぶ地が呼ぶ人が呼ぶ、悪を滅せてと声は囁く……」
上条「被害妄想じゃね?えっと、パラノイア?」
???「お姉様のいるところにわたくしあり、わたくしのいるところにお姉様あり――とおっ!」 ダンッ
上条「お、おぉっ!?」
白井?(???)「――『風紀委員』ですよ!」
上条「何か違げぇ!?てか、あれ?白井さんじゃなくて黒井、さん?」
黒井?(白井?)「誰が黒井ですか!」
上条「いやでも全体的にクロっぽい制服だろ。そして微妙にキャラ違ってるし」
黒井?「アレェ?白井さんってこんな感じじゃ?」
上条「ほれ、ビリビリの自撮りちょいエロ写メ」
黒井?「いや、そんなん見せられてもな!」
上条「お前――まさか!」
黒井?「し、しまった!?つい本音が!」
上条「気をつけろ!俺たちはアウレオルスに攻撃を受けている……ッ!」
黒井?「バカなのかな?てかツインテだと見分けがつかない人?」
――学校
上条「なぁ土御門、ヘッドバッドで人格入れ替えが可能になったって言ったら信じるか?」
土御門「その説が事実だったら天○選手(新日本プロレ○)が何回入れ替わってんだぜぃ?オリジナルは川○選手ぐらいに漂流してそうだけど」 ピカッ
上条「――そういえばあのビリビリ(仮)と黒井さん(仮)は白井さんよりもおっぱ×大きかった……!」
土御門「そこ大事?いや大事だけども。人によっては人生を左右する癖(へき)だけども」 ピカッ
上条「なんかちょっとおかしい、っていうか違和感がな。『御使堕し』のがまた始まっちまったのかと」
土御門「そう、か?俺には正常なままに見えるが、カミやんには俺が変な風に見えるって?」 ピカッ
上条「あれお前マスクは?」
土御門「やめようぜ?そういうのはイジメっていうんだからな?ご時世的にアレなネタは、やめとけ?」 ピカッ
上条「まぁ土御門がそういうんだったら……てかさっきから気になってたんだけど」
土御門「どしたん?」 ピカッ
上条「うんだから、お前が事あるごとに俺の顔へ反射させてるゴツい腕時計だよ」
土御門「あぁこれ?ドルチェ&ガッパー○」
上条「あるの!?あぁいや知らんけどつーか多分あるんだろうけど!」
土御門「うんちょっと臨時のアドバイザーとしてバイト代が入ったんだぜぃ」
上条「スゲーな、高級時計買えるバイトってどんなんだよ」
土御門「――聞きたいか?レベル5絡みだぜぃ?」
上条「いや……ヤバそうだったら教えてくれよ。そんときは首突っ込むからさ」
土御門「そっか――それで最近身の覚えのないデリバリーが届くんだが」
上条「妖怪のしわざじゃね?うん多分きっとそう!だから友達を疑うのは良くないよ!無実とは言い切れないかもしれないけど、社会が悪いんだよ!」
土御門「いや別にステイルから経費貰ってんだろうから、そっち使えよ」
???「オハヨウゴザイマス。ドウサレマシタカ?」
土御門「いや聞いてくれよ青ピ、カミやんったら酷いんだぜ?」
青ピ?(???)「オゥ、イケマセンネーカミヤン。友達ハ大事にシナイト」
土御門「そうだぜぃ青ピ!言ってやれ!もっとだ!」
上条「……いやごめん、ご歓談中に悪いんだけど、ちょっといいかな?」
土御門「用法間違ってるけど、どした?」
上条「誰、その人?」
土御門「青ピだけど、なぁ?」
青ピ「HAHAHA!何言ッテンデスカカミヤンサーン」
上条「青くねぇだろ!?ピアスもしてねぇし面影どころか人種だって違うじゃねーか!?間違え探しどころか合ってる部分探す方が難しいわ!?」
姫神「おはよう。どうしたの上条くん?」
青ピ?「オハヨウゴザイマス雛神サン。カミヤンサンガ私ガオカシイッテ仰ッテテ」
上条「姫神な?そんな基本設定ぐらい頭に叩き込んでから出て来いや!雑なんだよ!全体的に!」
上条「つーか姫神も言ってくれよ!?おかしいだけだコイツが!」
姫神「おかしい?……あぁ。そういえば」
上条「そうそう!そういうの!」
姫神「髪切った?」
上条「天然かな」
青ピ?「オゥ流石ハ姫宮サン。昨日実ハ自分デエリ切ッタラコンナ感ジニ」
上条「だからこんな雑なの!?なんか年齢の割りにちょいウルフで格好いいの?」
姫神「あとちょっと大人びて見える。何か階段を登っちゃったとみた」
上条「大人だからだよ!つーか俺にはいい年のオッサンに見えるわ!」
――
帆風「……『女王』?」
食蜂「そうねぇ、あなたの言いたいことは大体力想像力がつくけどぉ」
帆風「そんな使い方してまたっけ?もっとこうつける単語が違っていたかと……」
食蜂「でもその疑問の答えとして誠に遺憾ながらここで一つ報告があるのよぉ、それはっ!」 クワッ
帆風「あ、はい。それは一体?」
食蜂「手持ちの実弾(※人)が尽きてしまいました……ッ!!!」
帆風「『女王』……?派閥を動員すればクラス丸ごと全部イケますけど?」
食蜂「いいえぇ、それじゃダメなのよぉ!あくまてせもさりげなく、というのがこの企画の主旨よぉ!」
帆風「『そうじゃねぇよ、そんなつもりで投稿してねぇよ』という幻聴が聞こえるかのようです」
――上条のアパート
上条「――ただいまーインデックス。聞いてくれよ、俺今日さ、奇妙な世○に巻きこまれっちまったみたいでさ」
インデックス?「おかえり上条さぁん!ご飯にする?お風呂にする?それともわ・た・し☆」
スフィンクス?「にゃ、にゃー……?」
上条「……」 パタンッ
上条「………………?」 ソーッ
インデックス?「どぉしたのぉ?具合でも悪いのかしらぁ?」
スフィンクス?「えっと……あまりのギャップに戸惑ってらっしゃるだけかと」
上条「――ただいまインデックスとスフィンクス、今日もいい子にしていられたかい?」
スフィンクス?「何の迷いもなく受け入れた!?『女王』が能力を使われている訳でもないに!?」
上条「あっはっはっはっはー!何を言っていてるのかな可愛い子猫ちゃん!俺の帰る場所はここで、そして君たちはずっとに住んでいる!違うかい!?」
スフィンクス?「前半だけは合っていますが、後半は100%違うかと」
インデックス?「もうっ、上条さんったらぁ☆」
スフィンクス?「あと『女王』もせめて演技するフリだけはしませんか?制服もそのままですし、何一つ普段とお変わりないのですが、その」
上条「さっ、二人とも!細かいことはご飯でも食べながら話し合おうじゃないか!この優しい世界に乾杯しながらねっ!」
インデックス?「はぁい☆」
パタンッ
インデックス「……あれ?どっきりのおちですたんばってた私は?あれ?
ステイル「帰ろうインデックス。あれが癖(へき)を優先させた男の末路だ」
-終-
(※インデックス(小)<<<超えられない乳<<<食蜂(特大)。ご応募ありがとうございました)
――ZZ学区 公立墓地
浜面「『――弐ノ型 昇り炎天……ッ!!!』」
浜面「……?」
浜面「……あぁ夢か。何か劇場アニメの一番オイシイ役になって、テレビから雑誌まであっちこっち引っ張り回された夢を見たわー。そんなんないわー」
浜面「てかここどこよ?超真っ暗なんだけど、狭ぇし。カプセルホテル……?」
???『聞こえますか……?浜面よ、浜面、えっと……浜面よ?』
浜面「今の間ってなに?もしかして俺の名前も追い出せなかったの?」
???『そんなことはありません浜面。アインズ=ウール・ゴウまでは思い出しているって訳だし』
浜面「そこまで覚えてるんだったら”ン”ぐらいは思い出さねぇかな?あと一個よ?そしてこのやりとり二回目だかんな?」
???『つーかあんたこそあたしの声に聞き覚えはないってボケか』
浜面「”訳”な!そんな語尾で人気出るか!ただの口悪い人だろフレンダ!」
フレンダ(???)『そう、あたしはフレンダ!なんかこう霊的なものです!」
浜面「あぁそう?別に怖くはないけど」
フレンダ『なんでよ!?怖がりなさいよ!浜面のくせにもっと泣いて許しを請いなさいよ!』
浜面「くっくっくっく……!俺に手を出してみろ、お前の妹に教育をするのが滝壺から絹旗へと変るんだぜ……!」
フレンダ『マジやめてください。全面的にあたしが悪かったですサーセン』
浜面「いやまぁ幽霊でもなんでもいいんだけどさ、いるんだったら麦野に会いに行ってやれよ。随分気にしてるみたいだから」
フレンダ『あの……浜面?あたしも悪いっちゃ悪いんだげと、ほぼ問答無用で謝る時間さえ与えられず、/(テケテケ)されたあたしに言ってる?」
浜面「俺は学んだんだ、復讐からは何も生まれない!暴力はもっと大きな暴力を生む!」
フレンダ『浜面……』」
浜面「分かってくれ、フレンダ!俺は死んだお前より生きてる麦野のご機嫌を取りつつ持ってる力と金に頼ってこの先もダラダラ生きていかなきゃならないんだ!」
フレンダ『サラッと言った訳ね?あんた人類史上稀に見るゴミ発言をぶっちゃけた訳よね?』
浜面「てかお前だってマジ怨んでるんだったら麦野のとこ行けば?殺すのは止めっけど、まぁ恨み言言うぐらいの権利はあると思うし」
フレンダ『無理よ。結局あたし普通の人には見えない訳だし』
浜面「ほーん?でも俺とダベってんじゃんか」
フレンダ『いやアンタ死んでる訳だし?』
浜面「へいグーク○!”スーパー銭湯 女子大 場所”で検索ッ!!!」
フレンダ『おいバカ。あ、間違った凄いバカ。そうじゃない訳よ、なに人がビビらせようと盛ってんのに、超速攻でテメーの欲望満たそうとしてる訳?」
浜面「誰だって考えるでしょうが!俺だけじゃないよ!みんなそうだよ!違うって人は嘘ついてるだけだもん!」
フレンダ『いやそこまでヤローはアホじゃない、と思いたい訳だけど……まぁ聞きなさいよ。あんたは今霊体になってる訳。おけ?』
浜面「霊体……死んでんじゃねぇか」
フレンダ『ううん、多分違う訳。なんかこうあたしと違ってフラフラしてない訳』
浜面「フラフラ……仮死状態、か?」
フレンダ『じゃないかなーって。よくある訳よ、死にかけると死んだおじーちゃんと話すみたいな?』
浜面「できればそうでありたいんだが……」
フレンダ『まぁいいから外に出る訳。お墓の中に居たって気が滅入るだけだし』
浜面「お、おぅ……」 スルッ
フレンダ『ここはあたしのお墓であんたが隣ね』
浜面「場所的に悪くはないが――気分は悪りぃわ!?なんで俺の墓が秒で作られてんだよ!?」
フレンダ『いやそこは麦野たちの優しさじゃない訳?「悪い男からさっさと足を洗って」みたいな?』
浜面「その言葉に異論はねぇけどよ、悪い男が誰を指してるのか教えろやコラ?あ?お?」
フレンダ『いや別に凄まれても浜面如きはゴキブリの次ぐらいに怖い訳だし』
浜面「意外と上位!?あぁいや大体の人は怖いけど躊躇いなく殺しに来るって事か!?」
フレンダ『まぁ一応生きてるみたいだし、あたしの話に付き合いなさいよ。他にすることも無い訳だし』
浜面「正直話せて死ぬほど嬉しいっちゃ嬉しいんだが、有り難みがクソほどもねぇしな」
フレンダ『あれ?誰か来た訳?』
浜面「おぉ誰だよ墓参り――って麦野と絹旗!?」
麦野・絹旗「……」
フレンダ『あたしらはやっぱり見えない訳か』
絹旗「……麦野、超大丈夫ですか?私一人でも良かったんですけど」
麦野「いいわ。誰と一緒でも関係ないでしょ?だってもう浜面は」
絹旗「そう、ですけどね。まぁ……超罪な男ですよ、私たちにこんな思いさせるんですから」
麦野「全くよね」
浜面「二人とも……!」
フレンダ『いい話よね……相手がハマーじゃなきゃもっと良かった訳だけどさ』
浜面「いやいいだろ別に俺でも!?どうせこのあと凱旋して涙の再会になるんだからねっ!?」
絹旗「あの麦野?それ、チョコ、ですか?」
麦野「まぁそうね、ってあんたもそれ」
絹旗「超奇遇ですね。実は私も」
麦野「生前欲しがってたでしょ?滝壺に泣きついたり、私たちにもたかったりしてたっけか」
絹旗「『大将に俺は質で勝つ!』と意味不明の供述をしてましたっけ。義理二人とが増えても質は変わりはしないでしょうが」
麦野「まぁでも、今にして思えばってのはあるわね。あのときあげていれば、今頃は……」
絹旗「そうですね。あげてさえいれば……くっ!」
浜面「死因なんて伝わってんの?義理チョコ二人貰っただけで運命が変えられたとでも?」
フレンダ『童×を抉らせて死んだ男、ここに眠る』
浜面「ち、違わい!俺はもう童×じゃないんだ!」
フレンダ『逆に考える訳よ浜面!だから死んだんだ、ってね!』
浜面「根拠はねぇのになんて説得力!あぁまぁ確かに映画とかでもリア充になったやつからくたばってたわ!」
絹旗「まぁいいじゃないですか。超終わったことをあれこれいうよりも、麦野も浜面も」
麦野「そうね。終わったことだしね」
浜面「待って?”も”って言った?もしかして俺の存在確認してる?」
フレンダ『絹旗は……幽霊が見えてたのにあんだけホラー映画見まくってんだったら、どんだけメンタル強いって訳……!?』
絹旗「麦野から、どうぞ。ある意味の悲願の義理チョコを」
麦野「そんなつもりは全くないけど――浜面聞いてる?今頃フレンダと一緒に地獄で何してるの?」
浜面「テメーを棚に上げてエッラい上から語るなこのアマ!?」
フレンダ『地獄の最下層でフリー○様と仲良く吊られるのがほぼ確定してるのに、よくもまぁ……!』
麦野「たまに、ね?あんたのこと思い出すのよ。あんなことがあったな、とかこんなことがあったな、とか」
浜面「そう!そういうのがほしいです!折角見えてないんだから『実は頼りにしてました』っていうのが!」
麦野「水道の出が悪くなったり、トイレの電球が切れたり、換気扇のフィルターが汚くなってきたり」
浜面「水回り多いな!業者へ頼めばいいんじゃねーの!?」
フレンダ『ま、まぁまぁ!お父さんみたいな意味かも知れないし!』
麦野「あと……私の下着がなくなったとき、犯人扱いしてごめんなさい。黒のレースは最近出て来たわ」
フレンダ『うわぁ……』
浜面「いややってねぇってば!俺じゃねーよ!」
麦野「――あんたの、遺品の中からだけど」
フレンダ『おい』
浜面「いや違うんですよね!そうじゃないんですよ!たまたま!そう洗濯物を畳んでいたら滝壺のだと思ってね!こう、お守り代わりに!」
絹旗「どっちにしろ超ドン引きですけどね」
浜面「ここまで騒ぎにならなかったらこっそり戻してたわ!?俺だって滝壺以外のはそんなにほしくないもんね!」 キリッ
フレンダ『つーか絹旗と微妙に会話が噛み合ってるような……?』
麦野「まぁ、そこまでほしかったんだったら――うん、よく似合ってるわよ、浜面」 ピチンッ
浜面「墓につけんの!?やめてよぉ!世界広しといえどもどんなHENTAIが自分の墓石に下着装着すんだよ!?どんな癖だ!」
絹旗「墓石が御影石ですから黒が超似合います」 パシッャパシャッパシャッ
浜面「……なに?俺は死んだ後もこうやって死体蹴りされる運命にあるの?」
フレンダ『親愛の情よ!二人は二人なりに考えての!うんきっとそう!』
麦野「それじゃ……ちょっと恥ずかしいんだけど、ハッピー・バレンタイン!」
浜面「あぁでも……悪い気はしねぇよな。帰ったらマジで貰ってやるって気合い入るぜ!」
フレンダ『そうね浜面。あんたはさっさと帰るって訳だし』
麦野「――はい、あなたの大好きだったチロルチョ○イモけんぴ味よ」
(※実在します)
浜面「言ったか?俺一度でも『イモけんぴだーいすき!』だなんて言ったか?なぁ?」
フレンダ『あれ?嫌いって訳』
浜面「いや嫌いじゃねーけどもよ!?イモけんぴってアレでしょ!?なんかかりんとうっぽいイモのスティックだよなぁ!?」
絹旗「あれそれ浜面にあげちゃうんですか?このあいだ『最後の一個だ』って超言ってませんでしたっけ?」
麦野「うん、物珍しさで買ったけど、そんなに私はイモけんぴって感じじゃないし」
浜面「いらねーのかよ!?まぁそうだとは思ったけど!予想の範囲だから傷ついてないわよ!」
フレンダ『泣きたいんだったら泣くといい訳、ねっ?男はそうやって成長してるんだから!』
絹旗「あ、なんか浜面が笑った気がしません?なんか空気が超暖かくなったような」
麦野「それは……春が近いからからだけど、そうだったらいいわね」
浜面「泣いてんだよ俺は!?お前のアレさに戦慄してんだよ今な!」
絹旗「じゃあ次私ですね。えっと私も浜面を時々超思い出します」
フレンダ『まぁ……絹旗はマシじゃないの?言っちゃなんだけど麦野よりかは壊れてない訳よ』
浜面「いやぁわっかんねぇぞ?B級映画ばっかり見ると心が壊れるって、誰かが実証しやがってるから。実体験で」
(※壊れます)
絹旗「……」
浜面「てかフリーズしてんだけど――まさかお前、泣いて!?」
絹旗「いえすいません。嘘を吐きました、これといって浜面を思い出すことはなかったですね」
浜面「嘘でいいじゃん!?そこは嘘でも『思い出します』で終わっておけばいい話になったじゃんよ!?」
絹旗「どうぞ、うんチョ○ですが」
(※動物の体を模したパッケージの駄菓子で、特定の場所から丸いチョコが出る)
浜面「なんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっでだよ!?
絹旗「ぎ、義理なんですから超勘違いしないでくださいよっ!」
浜面「勘違いのしようがねーよ!どこの世界に好きな相手へうんチョ○プレゼントするヤツいるんだよ!いたらギャグだわ!あぁまぁギャグだけど!」
フレンダ『いやでも絹旗の場合、イジるのが大好きだからきっと……!』
浜面「死んだと思ってる相手をイジるのはただの外道だわ。あ、しまったコイツら正真正銘の外道だったわー、忘れてたわー」
絹旗「いやなんか超テレますよね
麦野「ねっ!女の子って感じがするわねっ!」
フレンダ『誰が女子……」
麦野「――あぁ?」
フレンダ『ヒィッ!?』
浜面「だからなんで聞こえてんだよ!?てか聞いてるんだったら散々嫌がってんだからどっかで思い留まれや!」
絹旗「あとこれ、浜面の遺品の中から出て来た超エ×い本と円盤です。傾向としては年上おねえさんとバニーさんが8割でした」 ドサッ
フレンダ『うわぁ……』
浜面「やめて墓前に晒さないで!?大事なんだから片付けずにとっておいてよぉ!また探すの大変なんだからさぁ!」
麦野「なお滝壺に持っていっていい?って聞いたら、『ふんさいしてきて』と許可を得ています」
浜面「本当の死体蹴り……!死人の方がまだ優しいってどうだよ!?お前らに人の心はないのか……ッ!?」
フレンダ『あの……人んちの妹の教育に超悪そうなんだけど、チェンジってできる訳?保護者がカブトムシ(節足動物)の方がまだ安パイって……」
絹旗「――さて、気持ちを切り替えて新メンバーの超募集と行きましょうか!次はもっとイケメンがいいですよね!煉○さんのような!」
麦野「そうね。頼れてかつイケボで人間性も深い男性って素敵よね」
浜面「お前ら――憶えておけよ!俺が帰ったらちょくちょくパンツが紛失するかんな!」
フレンダ『復讐が超みみっちいな!まぁ確かに効果的に嫌な訳だけども!』
-終-
(※「浜面死んだのは童×じゃなくなったから説」。ご応募ありがとうございました)
――エジンバラ城 執務室
エリザード「なぁ、いい加減腹を割って話そうじゃないか」
騎士団長「なんですか急に。私に東洋のHara-kiriでもしろと仰せで?」
エリザード「いいや、そうではなくお前とも付き合いは長いよなと言っている」
騎士団長「あぁはい、そうですね。父の頃から陛下にお仕えしておりますし、年季はそれなりに」
エリザード「私もな。お前のお父上から宜しくやってくれと頼まれているし、お前のことを息子のようなものだと思っている」
騎士団長「恐縮です」
エリザード「それを踏まえて回答してほしいのだが――お前ゲイか?」
騎士団長「何言い出しやがったババア」
エリザード「いや、浮いた話の一つもないしかといってフィアンセがいる訳でもなし」
エリザード「あー神裂か。あの女に花束を持っていったとかって話は聞いたが、実はカモフラージュなんだろ?」
騎士団長「なんでだよ。一度だけ、それも工作半分下見半分ですし」
エリザード「工作?」
騎士団長「恐らく敵対するのは分かっていましたから、力量を何となく知っておいた方がいいかと」
エリザード「ほーん。てかお前なんでそこそこ優秀なのに、バカ娘の片棒なんか担いだんだ?」
騎士団長「それが仕事だからだよ!あと付け加えるんだったら議会のバカどもが対フランスで下手打ったからだ!」
(※リュビ級原子力潜水艦inドーバー。原潜の中で最小サイズは外洋ではなくドーバー辺りで運用前提、つーか対イギリス・ドイツ・オランダ含めた対EUというクソ舐めたコンセプト)
エリザード「まぁこっちもウロチョロさせてるなぁ――よし分かった!バレンタインにお母さんが素敵な贈り物をあげようか!」
騎士団長「ノーサンキューだ!大体産廃押しつけられるって想像出来んだよ!」
エリザード「いやしかし真面目な話をしよう。お前がどうしてフリーでいられたのか分かるか?あ?」
騎士団長「結婚が義務だ、と仰るのであれば少し前の王室はどうなんですか」
エリザード「父の代の話はするな!あの色ボケどもはいいんだ!今の話をしている!」
騎士団長「……まぁ、理解しておりますとも。家と家を繋げる鎖ですよね」
エリザード「そうだとも。血の高貴さを声高に主張できなくなったものの、統治者としては例え御輿でも肩肘を張らねばならんのだ」
騎士団長「そうですね。民主主義が始まってまだ数百年、先祖帰りした例はありますからね」
エリザード「だがお前は私にとって息子にも等しい存在!確かに裏切られたものの!信じていたのに!ビリーブユー!」
騎士団長「イジってくるな。今日はやたらとそこイジってくるな」
エリザード「まぁ別に見合いだけと思え。出会い系アプリでマッチングしたぐらいの軽い気持ちで構わん」
騎士団長「地雷原をセンサーなしに歩けと言ってるよな?私の目を見て言ってみるんだ!さぁ!」
――特設お見合い会場
キャーリサ「えー、初めましてだし」
騎士団長「おいババア!せめて一人目は様子見じゃないのか!?アクセルベタ踏みでトラック突っ込んできたぞ!」
エリザード「え?異世界転生する勢いで?」
騎士団長「あれ法的にはどうなんだろう……?他人を庇っても献身制が認められない以上、遺族には保険金どころか賠償金請求が来る可能性も……」
(※横断歩道にいる人間を突き飛ばす→被害者バックれる→飛び込み自殺として処理→賠償金)
エリザード「『横断歩道を渡っている人間とすり替わることが出来る異常な身体能力』とか、ツッコんだら負けだからな!いいな!」
騎士団長「……いや、言葉が過ぎました陛下。しかしこれはその、あんまりといいますか、ふざけんなコラといいますか」
エリザード「まぁ話すだけ話してみろ。意外と気が合うかもしれんし」
キャーリサ「最近のマイブームは牢獄の壁をジーッと見つめることだし。すると何か人の顔に見えてくるんだよな」
騎士団長「陛下、ただちに病院が必要かと」
エリザード「中々想像力豊かなお嬢さんじゃないか!少々夢見がちだがな!」
騎士団長「フォローになってるか?あとお前やっぱり深く深く根に持ってるよな?」
キャーリサ「あー、結婚したあとは自立した女性的な活動をしつつ、王室スキャンダル本を書いてディズニ○と契約し主演ドラマ化」
キャーリサ「王室の名前を使ったブランドを興して一儲けしつつ、確実に元王家へダメージを与え」
キャーリサ「最終的には王室を離脱して離婚。それもまたあることないこと書きまくった本を出そうと思うし」
エリザード「……見事!想像出来る範囲内で最低の所業をするつもりだな!我が娘ながら的確なハラスメントだ!」
騎士団長「笑い事じゃねぇんだよ。半分ぐらい実行済みのアホがいるんだよ!
(※本当に何なんでしょうあれ)
キャーリサ「と、いう訳で私の寵愛が欲しかったら跪いて請い願え。態度次第では伴侶になることを考えてやらんでもない」
騎士団長「陛下、事故物件が何か申しておりますが、抜剣の許可を!」
エリザード「不許可だサー!汝は舌戦のみで戦う戦場へ来ていることを忘れるな!」
キャーリサ「ほれどーした?なんだったら世界同時配信してやろーかー?」
騎士団長「このアホが……!このアホさえやり方を間違わなかったら今頃きっと……!」
キャーリサ「いやでもよく考えろ、『騎士団長』。貴様がここまでお一人様を楽しめたのは我ら姉妹があってことだし?」
騎士団長「決して楽しんでなどいませんが。何故?」
キャーリサ「何かあったときのため、適度に爵位が高くてそこそこ年齢の釣り合った人間を”保険”として残しておいたし」
騎士団長「ほぼ罰ゲームじゃねぇか。現に今そうなってる」
キャーリサ「じゃー逆に聞くがなー。妹か姉のどっちがいい?」
騎士団長「どっちも嫌ですよ!?片方は人間不信を抉らせていますし、もう片方は話が出た瞬間に撲殺される!」
キャーリサ「いや、意外と『この胸の高鳴りは……これがNTRであるか……ッ!?』って新たな癖(へき)に覚醒する可能性が」
騎士団長「オルウェルを侮辱するな。抉らせているのは認めますが」
キャーリサ「なのでこう、中東のアラブの大富豪に嫁がせられようとしている私を救うと思って、なー?」
騎士団長「その話は初耳なのですが……え、マジで?」
エリザード「いいや?GAFA辺りで手を打とうと思っているが?」
キャーリサ「チッ!ジョークが真実に変ろうとは!」
エリザード「まぁそのなんだ!お前であればこの親不孝者の手綱を締めるだろうという信頼が前提だ!」
騎士団長「また嫌な信じ方を!まぁ他にはアホしかいないから仕方がないですけども!」
キャーリサ「なお一応断っておくが、お前のよーな男は嫌いだ」
騎士団長「選ぶつもりないのにフラれた!?あぁまぁありがとうございますっ!立場上推されたら断りようがないので!」
キャーリサ「ねー、ままー。わたしこの人がいーなー」
エリザード「流石だな我が娘よ!自身の半生を賭け嫌がらせ結婚する覚悟があるんだなんて!」
騎士団長「いい加減にしろよ!今度こそ革命起こして共和制へ移行すんぞコラ!」
エリザード「ったく贅沢な。何が気に入らん?包容力か?女性としての魅力に欠けるのか?」
騎士団長「いえ、結婚ですからそういうのはまた別の話で……しかしながらこう包容力は考えていただきたく」
騎士団長「家庭へ帰って優しく癒されたいのは万人の望みかと」
エリザード「バカ娘だったら外も家庭も戦場だからな。甲斐甲斐しく尽くしている光景すら浮かばん」
キャーリサ「失礼だし。淑女の嗜みは戦闘・戦闘・戦術と叩き込んだのはだーれ?」
騎士団長「指揮官としてはこの上なく尊敬しておりますが、女性として、妻としてというのは少し、こう」
キャーリサ「興奮する?」
騎士団長「無理だよ!?外面がどんだけ良くたって中身バンシ○(ユニコーンガンダ○二号機)だぞ!?」
エリザード「人の言う事聞かないわ暴走するわ散々だよな。まぁ分かった、そこまで嫌がるんだったら二番目だ!入れ!」
ローラ「はじめましてなりしよっ☆」
騎士団長「おい何やってんだテロリスト」
ローラ「なにかしら?」
エリザード「んー……あぁまぁ絶賛指名手配中だな。アホとの戦闘でイギリス中メチャクチャにしやがったから」
ローラ「あぁ、モテる女の辛いところよの。嫉妬その他でここまで追われるとはな」
エリザード「しかし心配はいらん!このアホ女と結婚すれば恩赦を出す予定だから!」
ローラ「くっ……!卑怯なりしよ!そうやって私にエ×いことをさせるつもりか……薄い本みたいに!」
ローラ「――でも増長はしたらあくなきことよ!私の心までは縛れないのだし!」
騎士団長「お前らホンット仲良いよな。そして日本語がメッチャクチャだ」
ローラ「で、でもこう見えて意外と尽くすタイプでありけるのよ?こう見えて?」
騎士団長「嫌なのかアピールしたいのかどっちにしろ!ちょっと可愛いから『まぁこれはこれで』って思うんだよ!」
キャーリサ「まぁヤローなんてそんなもんだし」
エリザード「だな。お前らも異母兄弟何人かいるしな」
キャーリサ「おいババアテメー何つった?」
騎士団長「いい加減にしろダメ親子!今の発言は怖いからスルーするとして!私の見合いを進める感じで来るんだ!」
騎士団長「つーか陛下……?まさかとは思いますが、この際我が国の事故物件ワースト一位二位を私に押しつけようと……?」
エリザード「見た目は新古だ!得したな!」
騎士団長「もう爵位返上して仕事辞めたろうかな!私の代で潰れてもいい!」
エリザード「ではローラ君。アピールポイントをどうぞ」
ローラ「はい、多分寿命では死なないし、肉体強度は人類超えで魔術力は魔神より少し弱いぐらい?」
騎士団長「欲してるステータスじゃない!求めてる属性が違う!」
ローラ「人類最高齢よりちょっと若いなりしお姉さんよな☆」
騎士団長「あれ確か今の最高齢って110ぐらい……あれ?」
ローラ「最近の流行りは二重人格ごっこ。では試しに一番アレイスター=クロウリー召喚」
ローラ「『どうだね、我が精神のジャジャ馬っぷりは!私も最近何が何だか分からないよ!』」
エリザード「あれお前こんな芸風あったか?その歳で新ジャンルを開拓するなんてやるな!」
ローラ「ほ、本当に殺して、ほしい……!」
騎士団長「何か真に迫った演技なのですが。えぇ引くぐらい」
ローラ「『なので?まぁ?この体がお嫁さんということは自動的に私もついてくるわけだし、自分の意志に反して好きでもない男と結婚だなんて良かったなコロンゾン?」
騎士団長「スチュアート元『最大教主』、あなた疲れてるんですよ。えぇ私が同情するぐらいに」
エリザード「お前が図らずしも『事故物件』と言ったが、割りと的を射ている表現だったかも知れん」
ローラ「ねっ☆今だったら体は一つで心は二つ、お得なりしよっ☆」
騎士団長「正直、スチュアート女史は正体バレするまでは比較的好ましい女性だと思っていたのですが……こんな”闇”を抱えていたとかと思うと、ちょっと」
エリザード「うんまぁ私も繋ぎのネタ要員だとは思ったが、下がってくれ。冗談が冗談ではなくなるから」
ローラ「ばいばーい、よな」
エリザード「では次で最後になるが、いい加減決めたらどうだ?どうせ誰でもそんなに大差ないだろう?」
騎士団長「貴族的な意味ではそうのですが……せめて自分の御せる相手でないと」
シスター・アンジェレネ「あ、あー、じゃあわたしで決まりですかねぇ。ふ、ふつつか者ですが」
騎士団長「落差!?実はさっきから会場の隅の方でチラチラ見切れてて『あれなんで小さい子がいるんだろう?』って思ってたけども!そうか、そういうことか!」
アンジェレネ「い、一応シスターなので眷族しなければいけないのですが、ま、まぁ財力と地位のある方ですし、ハンサムですし悪くはないかなぁって」
騎士団長「しかもしっかりしてる!」
エリザード「念のためロ×枠も用意してたんだがな……まさかクリティカルとは思わなかったぞ、この外道が!」
騎士団長「いや選んではないですよ!?可愛らしいとは思いますが、年齢差ありすぎてないわ!一回り以上だろこれ!?」
アンジェレネ「え、えー?こ、ここまで来ているのにそう言われると……慰謝料として、それなりのものを頂かないと」
騎士団長「よく分からないが、君の保護者には匿名で寄付しておくから。あ、ほら、会場内にある食べ物好きなだけ持っていっていいから、帰りなさい」
アンジェレネ「い、いやぁすいませんねぇ。た、隊のみんなにおみやげまで、えぇえぇ、タッパーで全部包んでください。ぜ、全種類を入るだけ」
騎士団長「卑屈なのかメンタルがハンパないのかよく分からない子だね……?」
エリザード「私の経験上、”要注意”分類だな。大抵どっかでキレる」
騎士団長「よくまぁ見つけてきたなそんな物件!?まぁ前二人に比べればまだマシだが!」
エリザード「年下もダメ年上もダメ、一体お前は誰がいいって言うんだ!?」
騎士団長「普通の女性だよ。変化球じゃなくて色物でもないフツーの人がいいです」
エリザード「そうだなぁ。私の知っている範囲ではイギリスへ亡命してきたお姉さんさんしかいないぞ?}
騎士団長「それ個人的には興味ありますが、式の最中に乱入されて攫われるフラグまで立っている気がします」
エリザード「嫌だったら神裂を口説いてこい!お前の嫁になればこっちでも扱いやすい!」
騎士団長「分かってて言ってるだろババア?テメー絶対に失敗するって確信があって言っていやがるよな?」
エリザード「やはり貴様――オルウェルと何か……!?」
騎士団長「ないわ。あったらさっさと騎士団放り出してるわ」
青ピ「まぁ三次元に見切りをつけるんやったら早い方がエエよ?どんな回り道したっても、最終的に堕ちる場所は同じやで?」
騎士団長「警備!どっから入って来やがったこの不審者!?」
青ピ「てかババアに妖怪にロ×!よりどりみどりなのに何贅沢言うとぉんこのダボが!」
騎士団長「叱られる意味が分からない」
青ピ「カミやんやったら『ちょっと何言ってるのか分からないですね』とか言いながら全員のルート制覇するよ!?見習いや!」
騎士団長「インキュバスじゃないか」
-終-
(※たまになろ○系主人公見てるとそう思います。ご応募ありがとうございました)
――
エリザード「腹を割って話そうじゃないか」
騎士団長「そのネタ一個前にやっただろ。水曜どうでしょ○のホテル」
エリザード「まさかの私もエリザード縛りで二つ届くとは予想外だった。さてそれはそれとして今度は論功行賞の話だ」
騎士団長「論功……どなたに叙勲されるのですか?医療従事者に代表して?」
エリザード「それは追々だな。よくやってくれてはいるが、全体的にツケが回ってきている」
騎士団長「議会の問題ですけどね。後に改善しないと洒落にならないほど禍根を残すかと」
エリザード「功というのはアレだ、あの日本人だ」
騎士団長「あぁ彼ですね、彼ですかー」
エリザード「『右手』が暴走したからイーブン、なんて言うなよ?元々は妖怪ババアを滅した後遺症みたいなものだしな」
騎士団長「被害の半分は『能力者』の影響でしたしね……事故を装って斬っておけばとも」
エリザード「その考えは嫌いじゃないしトップとしては悪くはないが、まだ、甘い」
騎士団長「とは?」
エリザード「貸しにしておけばいいのさ。金額に関係なく恩に着せればいい――」
エリザード「――と、強硬派のバカどもには適当に嘘吐いているが」
騎士団長「嘘かよ」
エリザード「納得できる理由がほしいだけだ。誰も好き好んで17・8の女子供を手にかけたくなどないだろうがな」
騎士団長「もっと下だったような……あぁ失礼致しました。それで改めて彼を?勲章か褒賞でも授与されるので?」
エリザード「いや、そういうのは良くない。あまり重いものでは受け取ってすらくれぬだろうな」
騎士団長「仰せの通りかと。では何を?」
エリザード「銅像だ」
騎士団長「超重くね?あ、失礼しました、超重いだろ何考えてんだババア?」
エリザード「お前の無礼なツッコミも板についてきたな!まぁ深くは考えていない、ただアドバイザーとして雇った人間がな」
エリザード「『へっへっへっへ、なぁに作っちまえばこっちのもんですよお頭ぁ。現物目の前にしていらないとは言えないでしょう?』って」
騎士団長「おい誰だその怪しさ1000%の素材」
エリザード「いやいや一人じゃないぞ?一人だけだったら意見が偏るから、その筋のプロを三人雇ってきちんと話をしてみた」
騎士団長「人選が多少心配ですが、まぁ銅像ぐらいだったら別に良いのでは?公的な場に飾るのは恥ずかしいでしょうけど」
エリザード「分かった。ではその案件はこちらで進めておくとしよう」
――1人目
エリザード「えぇと上条当麻をよく知る人物、ということで天草式十字凄教に打診したところだな」
五和「お、お目にかかれて光栄ですっ女王陛下!」
エリザード「あぁそう仰々しくしなくても構わん。非公式の場でこちらが教えを請う立場だ。座ってくれ」
五和「ありがとうございますっ!」
エリザード「事前に通告したように、我々は上条当麻君へ銅像をプレゼントしたい。設置場所は未定だが、まぁ王族の私有地置いてもいいし輸送費を負担して日本へ送るのもまぁいいだろう」
五和「素敵なお考えだと思いますっ!よっ、流石子育て失敗に定評のあるイギリス王室っ!」
エリザード「あぁそういうキャラなのだね?素直そうに見えて毒が強い的な?」
五和「って建宮さんが言っていました!私は関係ありません!」
エリザード「まぁともあれ忌憚ない意見を聞かせてほしい」
五和「と、言われてましても。像の仮案というかどんな形とか決めてあるんですか?」
エリザード「用意してあるとも。木原……円周率?だったか、かわった名前の研究者が3Dモデルを作ってくれた。タブレットを見てほしい」
五和「あ、全身像いいと思います。でもこれ……小さくないですか?」
エリザード「一応等身大スキャンをコッソリしたそうだし、私の目には大体こんな感じだったように見えるが」
五和「あーそれ人種が違うからですよ。だって陛下神裂さんとよくある異世界転生のサムライっ娘の区別つきませんよね?」
エリザード「根っこは同じじゃないか?というか向こうがこっちへ寄せに来ているというか」
五和「といいますか、上条さんはもっと身長ありましたよ!190cmぐらい!」
エリザード「近くで見たが180ちょいの『騎士団長』より小さかった、よな?」
五和「目の錯覚じゃないですかね?こう、オーラが出ている感じで?」
エリザード「オーラ……?いや待て待て、大きくするのは当然出来るが、ただ単に伸ばしても全体が大きくなるだけだぞ?」
五和「足です!この倍はありましたね!もっと長かったです!」
エリザード「人か?なにかこうアフリカ辺りの身長拡張をする部族っぽいフォルムになるぞ?」
五和「あとですね、髪はサラッサラしていました!肌なんか白雪姫のように真っ白で!」
エリザード「エルフかな?もしくは眼科行け」
五和「私が言っているんですら科間違いありませんよ!ほら、いつも持ち歩いているラミカ加工した写真をご覧になってください!」
エリザード「こっちの3Dモデルと瓜二つに見えるが……」
五和「ではなくその、英雄ですよね?」
エリザード「まぁ、そういう評価も出来るな」
五和「王子様ですよね?」
エリザード「そういう評価は聞いたことがないな」
五和「芸術として時には誇張的表現をするのも必要なんじゃないですかねっ!?こうビール瓶が人よりも大きく見えたり!」
エリザード「宮○ワールドだからだよ」
五和「それに上条さんだって喜ぶはずですよ!ちょっと盛るぐらいは許容範囲内じゃないですかねっ!」
――2人目
レッサー「くっくっくっく……始めましてエリザード女王陛下、そして――」
レッサー「――死ねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
エリザード「『――あ、もしもし警備か?殺人未遂で、うん衛兵をこっちに回してくれ』」
レッサー「って小粋なジョークじゃないですか!ジョーク!ブリティッシュ・ジョーク!」
エリザード「そう言い張るんだったら手に持った霊装を降ろせ。カーテナ・セカンドでぶった切るぞ」
レッサー「ちっ!ババアのくせに用意周到な!」
エリザード「本来であれば貴様らは愚娘と共にロンドン塔へ収監されている身だ、弁えろバカ」
レッサー「あまり私をバカバカ言わないでくださいよ!私にだって我慢の限界があるんですからね!」
エリザード「ほう?限界を超えるとどうなるって?」
レッサー「罵られるのが気持ち良くなるに決まってるじゃないですか……!」
エリザード「お前の人生楽しそうでいいな。替わってくれないか?娘どもの教育全部間違えた私と」
レッサー「いえ間違ってはないと思いますよ?だから我々も一度はキャーリサ殿下へついていったわけですから」
レッサー「問題なのは根回しが悪すぎる。三姉妹全員の賛同を得ていれば、と惜しまれるところですな」
エリザード「上から目線の批評をありがとうテロリスト。よし、じゃあ牢へ戻ってくれ」
レッサー「くっ、殺しなさい!――って違うわ!?アドバイザーとして呼ばれたのに拘束されるなんてズルじゃないですかーやーだー」
エリザード「意外と余裕あるよなお前。それでそれが作成予定の銅像の3Dモデルだ」
レッサー「あぁこれが――って誰ですこの人?こんな人いましたっけ?」
エリザード「……アドバイザー一号の意見を取り入れたところ、少々美化が進んでしまってな」
レッサー「あーイイ感じですねー、きっと上条さんが見たらモルサァ言って喜びそうですな!」
エリザード「絞め殺される鳥の鳴き声を聞こえるが」
レッサー「付け加えるのならばこのツンツン頭をもっとストレートっぽくできません?造形物であの頭の再現は難しいでしょうし、PS○の格ゲーでも違和感ありまくりでした」
エリザード「誰がやっているんだそれ。まぁ言い分は分からないでもない」
レッサー「あとこの直立って決定済みなんですか?ポーズ変えるってできません?」
エリザード「ポーズ?あぁ全身像だからな、棒立ちよりも何かさせた方が見栄えがいいか」
レッサー「ならこう右手を顔の前へ持ってきて、『くっ、右手に封じられた邪龍が!』ってポーズがベストかと!」
エリザード「……そんなことやっているのか?彼は?」
レッサー「勿論ですとも!この私の曇りなきマナコをご覧ください!一寸の陰りすらないではないですか!」
エリザード「まぁ実際に『右手』にドラゴンっぽい何かがあるようだしな。分かった、そのポーズでいこう」
レッサー「他にオプションって可能です?」
エリザード「オプションとは何だ?本人以外に何か?」
レッサー「いえ本人だけですとちょっと寂しいので、ドラゴンの一匹でも出せないかなぁと」
エリザード「予算が……そして等身大だとドラゴンは大きすぎる」
レッサー「なら首だけでも!その上に上条さんが乗る!的なね!」
エリザード「あぁ悪くないな!ドラゴンを御している故にドラゴンに乗る案は格好いいな」
レッサー「……超チョロいなこのババア……」
エリザード「ん?なんか言ったか?」
レッサー「大英帝国バンザーイ!偉大なエリザード陛下の御世が千代に八千代に続かんことを!」
エリザード「引退したいんだよ!妖怪ババアは足抜けするし残された方が全部の仕事を押しつけられているんだ!」
レッサー「それ失礼を。あー……なんでしたら服も変えません?学生服ってのはあんまりですし、もっとカジュアルな服装をさせてあげたいんですよね」
エリザード「学生なのだから正装だとは思うがな、まぁ若者の流行りまではしらん」
レッサー「お任せください!学園都市で大人気の白黒シマシマ服を取り寄せて見せましょう!」
エリザード「そうか。ならば任せる」
――3人目
絹旗「――分かりました。ヴィリアン様が王室を離れたドキュメント映画は私が超撮ればいいんですね?」
エリザード「お前凄いな?初対面の相手にケンカ売るって分かっててグイグイ来るよな?」
絹旗「何言っているんですか超ジョークじゃないですか。笑って流せないと器量を問われますよ?」
エリザード「暴言を吐きながら相手に寛容さを求めるのはただ言葉の暴力だな」
絹旗「どうも、アドバイザーとして呼ばれたのですが、上なんとかさんとは超対して面識もありません」
エリザード「よく受けたな!人選をミスったのはこっちのアレだが、よくまぁ普通にイギリスまで来たな!」
絹旗「観光も兼ねて友人と一緒に。ただアドバイスはきちんとしたいと思います――それは、”追い込み”です」
エリザード「ふむ?」
絹旗「あ、超違いました。”製作過程”です」
エリザード「今溜めたよな?溜めたのに全然違う単語ってどういうことだ?間違う要素あったか?」
絹旗「てへ☆」
エリザード「なんで私に通じると思った?いやまぁ可愛いは可愛いが王女だぞこっちは?」
絹旗「公費で呼ばれたからには超きちんとお仕事もしますけど、銅像を造るのだって簡単ではないですよね?」
エリザード「そうだな。最近は3Dプリンタを駆使した作成が多いが、名のある職人はそうではないな」
絹旗「その過程を全部記録しお披露目と共に公開すれば、どんなゴミであっても受け取る側は半笑いになると超思いますが?」
エリザード「追い込みじゃねーか。お前本当はイギリス人だったりしないか?」
――上条当麻 銅像授与式
ナレーション『――こうして、スタッフの必死の努力により像は完成したのであった……ッ!!!』
上条「……」
エリザード「――いや、ありがとう!実に感動的だったな!まさかここまでの制作秘話があったとは!」
エリザード「さぁ続いて除幕といこう!」 パッパパー
上条「……」
エリザード「どうした?感動して言葉も出ないか?」
上条「……あの、質問があるんですけど。いいですか?」
エリザード「なんだ?」
上条「どうしてこの上条像は美白なの?銅像なのに着色ってアリなの?」
上条「足も長すぎるよね?もうなんか遠回しなイヤミなのかってぐらいにモデル体型極まりないよね?
上条「特に髪なんて原形留めてないよね?サラッサラで弱ストレートで、多分父さん母さんだって俺だって分かんないよ、つーかさ」
上条「――ってコレ俺じゃねぇよこれ!?他人だよ!?どう見ても一方通行だよ!」
上条「てか俺だって分かんない方がむしろいいわ!『くっ、右手が!』って中二ポーズってケンカ売ってるし!」
上条「そもそもこの股間のドラゴンは何なんだよ!?前面に来すぎてて見た人全員の印象がそっちに持って行かれるじゃねぇかよ!?」
上条「氷川きよ○じゃねぇか!紅白で『君ジャンル何だっけ?』って悩むぐらい美術スタッフの悪ふざけが毎年毎年続いてる氷川きよ○のセットだろこれ!?」
(※何年か前ドラゴンに乗ってたのをチラッと見た)
レッサー「芸人としてオイシイですよね!」
上条「やかましいわ!銅像作った連中一列に並べやゴラ!全員そげぶすっからな!」
-終-
(※「絹旗さん実はイギリス人の血が入ってる説」。ご応募ありがとうございました)
――姫神のアパート
姫神「我々は無理をしない」 クワッ
吹寄「姫神さん姫神さん、それどうでしょ○じゃない。梨の妖精が何年か前に打ちだした目標」
姫神「体を張った企画が多かったから。彼っていうか彼女っていうか」
吹寄「しかし年収を考えるとファンの人は多々買わなければいけないという鬼仕様」
姫神「最近のマイブームが日本刀集めで数十万〜数百万のを買いあさっている」
吹寄「どう考えても炎上案件なのに、『まぁ梨だしな』ってスルーされてるのも凄いっちゃ凄いけどね」
姫神「まぁふなっし○の今後についてあとで話し合うとして。今は我々の女子力が試されている」
吹寄「あとでするの?まぁ嫌いじゃないけど、これといって特に詳しくも……って女子力?」
姫神「そう。来週の日曜日はバレンタイン!月曜だったらキリが良かったのに!」 クワッ
(※スケジュール管理を間違って一週間で5本SSを書くことに。今、日曜の午後12時45分でラスト一本開始)
吹寄「そうね。チョコ贈る……の?」
姫神「当然。お世話になっている人たちにありがとうを伝えるチャンス」
吹寄「……あぁそっちの意味でね」
姫神「そこには当然『クラスが変ってもハブらないでね』という切実な思いが込められている……ッ!」
吹寄「そればっかりはちょっと。てゆうか変った先で馴染めないと辛いわよ?」
姫神「吹寄さんにボッチを怖れる気持ちは分からない?」
吹寄「とは言わないけど。中学の頃はウザがられたりもしてるし、今だってクラス全員と仲良いわけじゃないわよ」
姫神「ダンゴムシになりたい」
吹寄「大丈夫よ!クラス変ってもちょくちょく顔出すから!どんな様子か見に行くからね!」
姫神「というジョークはさておき」
吹寄「相変わらず間合いが独特だわ。達人と勝負しているような錯覚が」
姫神「ではチョコをどうしましょうか。ということになるんですが」
吹寄「どうって?既製品のじゃダメなの?」
姫神「好感度を稼ぐには手作り。しかしクラス女子には『なんだこいつ媚びてる』って思われかねない」
吹寄「そんな女子はいないわ!そこまで荒んだ人間関係はないから安心して!」
姫神「そして主人公にありがちな料理高スキル。上条君の方が上手に作れる」
吹寄「あぁうん……調理実習とかで主婦並の腕を見せるのよね。プロじゃなくって主婦の、毎日作ってる感がするの」
姫神「私が頑張って作ったとしてもきっと普通……普通の呪いからは逃れられない……ッ!」
吹寄「素人がチョコ整形し直して普通は誇っていいと思うけど。あれ?」 ピンポーン
姫神「援軍が来た。どうぞ」
鳴護「お邪魔しまーす……ってあれ?お客様?」
吹寄「こんにちは、吹寄制理です」
鳴護「あ、どうもです。鳴護アリサです」
吹寄「鳴護さんね………………ん?アリサ?」
姫神「ご紹介します、グラドルのARISAです」
鳴護「違うよね?シンガーソングライターだよって何回も言ってるよね?」
鳴護「てゆうかもうこのイジられ方が掴みみたいになっちゃってるのは納得いかないかなっ!いつ定着したんだろう……!」
吹寄「えっ、あっ、本物っ!?」
鳴護「まぁ一応、はい。アイドルとしてお仕事をさせていただいています」
吹寄「謎の人脈――でもないわね。カミジョー系のアレでしょ?」
鳴護「まぁそんな感じで」
姫神「今年のM-1に二人で出る予定」
鳴護「出ないよ!?事務所からも止められるよ……きっと!」
吹寄「最近は映画?だか迷走してるみたいだけど」
鳴護「まぁ色々あったからね!本人の望まないところで!」
姫神「二人とも私の数少ないお友達。仲良くしてくれると嬉しいかも」
吹寄「あ、うん。よろしく、ね?てか敬語使った方が良い?」
鳴護「そっちが多分年上だから使わなくても、てかあたしが使えよって話なんですけど」
吹寄「社会に出て働いてる人だし、友達枠だったら普通に喋るでしょ?」
鳴護「じゃあそれで」
姫神「でも仲良くなりすぎて私をハブらないでください」
鳴護「秋沙ちゃんって時々卑屈になるよね……」
吹寄「多分冗談なんだろうけど、徹頭徹尾”無”なのよね」
姫神「お代官様。どうかその米だけは勘弁してくだせぇ」
鳴護「何で今そのネタしようと思ったのかな?そんな話題振ってなかったよね?」
吹寄「……あー、鳴護さんツッコミで合ってると思うわ」
鳴護「合って間もない人にまで裏切られたよ!?違うから!そういうお仕事の人じゃないから!」
姫神「さて。パーティも増えたしチョコでも食べながら相談を進めたい」
鳴護「相談?」
吹寄「バレンタインで男友達へ何をあげればいいかな、って相談だって」
鳴護「チョコ以外に何があるのかと」
姫神「ではなく。贈るにしても手作りとか『義理』と書かれた市販のとか色々考える」
鳴護「あー……うん、分かる分かる。気を遣うよね」
吹寄「ちょっと興味あるわね。アイドルも苦労してるの?」
鳴護「『お世話になってる人にあげるの”も”お仕事ですよ』、ってマネージャーさんが」
吹寄「営業の一種かー。割り切ってるのはいいっちゃいいけど」
鳴護「あとはラジオとかのリスナーさんへのプレゼントとか?……でも実はあげるより貰った方が多いんだよね」
吹寄「女性のファンがいるの?」
鳴護「だから失礼じゃないかな!?ウチの子たちを悪く言わないで!みんな、極々一部のアレな子を除いてはいい子だよぉ!」
姫神「それでも一部がアレ。なんと怖い世界」
鳴護「……チョコ好きです、って言ってるから女の子ファンから市販品を三桁ぐらい?」
吹寄「凄っ!?結構いるのね!」
姫神「恐らく全員偽装した男子。アリサのためを思ってあえて女子のフリをしている」
鳴護「いや違――ぁっ」
姫神「思い当たる点があるとみた。でもまぁ愛情は愛情」
吹寄「姫神さん、鳴護さんをあまり追い詰めない方がいいんじゃないかな?事務所の人とかも分かって伝えてないとかあると思うし、でしょ?」
鳴護「……今後ファンの子からは善意を疑うとして、業界なんてそんな感じだよね。あげた方の人も『ありがとー嬉しいな!』ってポーズだと思うし」
吹寄「まぁコミュニケーションのツールと言えなくもないかもね。全部か全部義理ってのは悲しいものがあるけど」
鳴護「秋沙ちゃんと制理ちゃんはどうなのかな?義理って言ってもお友達なんでしょ?」
吹寄「制理ちゃん……呼び慣れない言い方で『誰!?』って一瞬思った……えっと、まぁ市販の100円ぐらいなのが妥当じゃないかな」
姫神「けど手作りも捨てがたい。しかし上条君には鼻で笑われたら悲しい」
吹寄「って感じにやさぐれてんのよ」
鳴護「当麻君は善意であげたものを粗末にしない人だと思うよ?……レッサーちゃん以外は」
吹寄「当麻”君”?えーっと、鳴護さん、嫌だったら答えなくてもいいんだけど、上条当麻にもしかして……?」
鳴護「あ、うん、あげる予定だよ?」
吹寄「――ちょっと待って!それって!」
鳴護「インデックスちゃんにもだし、最近は中々会える機会もないからねー」
吹寄「……あぁ、そういう。大スキャンダルになるかって驚いたけど、友達として、ね。だったら」
鳴護「ううん?男性として好きだけど」
吹寄「ちょっ!?立場!アイドルなんでしょう!?」
鳴護「好きな人に好きだよって言えない立場なんてないと思うな。あるんだったらそれは言い訳だよ」
鳴護「――少なくとも”わたし”はそう」
吹寄「そ、そう……?強いの、ね?」
鳴護「……って言ってもまぁ?迷惑になるだけだから中々言えないんだけどねぇ。今はちょっと不安定だし、色々とループが」
吹寄「なんて言ったらいいのか分からないけど、頑張って?で、いいのかな」
鳴護「うん頑張るけど、制理ちゃんも当麻君のことが好きなんだよね?」
吹寄「何で私が!?」
鳴護「嫌い?」
吹寄「って……いうわけでないけど!まぁ嫌いじゃないけど、好きって訳でもなくて!」
吹寄「いや違うのよ!?フィクションとかであるような夜も眠れないとか、ずっと考えてるとかそういうんじゃ決して!」
鳴護「うん、それでいいんじゃないかな?好きに上も下もないし、強い弱いもないし、どんな風にってのもなくて」
鳴護「フワッとしたのでも、なんなとてなくでもそれは立派な”好き”だからね。まずそこを自覚するのがスタートで」
鳴護「ただ自分に嘘を吐いちゃダメだからね?どんな上手く嘘を吐いてとしても、自分だけは嘘だって分かっちゃうんだから、って」
吹寄「……ごめんなさい鳴護さん。なんかこうもっとポヤっとしたイメージだと思ってたわ」
鳴護「こう見えても地獄は見てるからね−。あとアリサって呼んでくれると嬉しい、です」
吹寄「なんで最後に敬語よ?」
鳴護「あぁいやなんかいまあたしスッゴイ事言ったなって今更ながら恥ずかしくて!」
吹寄「アリサさんの属性多すぎてズルいわ!どんだけ男子から好かれる要素持ってんのよ!」
鳴護「あー……それはそのズルだなって思わないでもないけど、女の子の見た夢の形がそのままあたしになってるもんでね」
吹寄「ちょっと何いってるのか分からないわよね」
鳴護「話すと1時間半ぐらいの長編アニメになるから省くけど、ってアレ?秋沙ちゃんがいない?」
吹寄「お茶でも煎れてくれ――あ、隅っこでヒザを抱えてる」
姫神「……二人が仲良くなって私をハブっている。ショック……」 ブツブツ
鳴護「なんて典型的な構ってアピール!?まぁ放置したあたし達も悪いけど、会話へ入ってくれば良かったのに!?」
姫神「修羅場かと思って逃げていました」
吹寄「逃げてんじゃない。自分から遠ざかった結果じゃない」
姫神「ではあとは若い二人同士で……」
鳴護「どういう設定?寒村の農民だったよね?脈絡ないけど話がとっ散らかってるよね?」
姫神「……」
吹寄「な、なに?」
姫神「最近は女子のお笑いトリオが増えている……!」
吹寄「絶対にしないからね!?このメンツだったらどうせ私一人だけ年増キャラにならざるを得ないんだから!」
鳴護「無理だと思う。だって秋沙ちゃんの無理茶ぶりはツッコミ初段の当麻君がいないと止められないレベルだから」
吹寄「いつまにか黒帯を……?」
姫神「まぁ話もまとまったのでチョコを買いに行こう」
吹寄「あ、あれ?作ろうって主張していた人がアッサリ?」
姫神「よく考えたら作るの面倒臭い」
鳴護「秋沙ちゃんってそーゆーとこあるよね?スッゴイ雰囲気は繊細そうなんだけど、雑っていうか」
吹寄「あー、分かるわー。何かこう深窓の令嬢感があって体育の持久走大丈夫?ってみんなハラハラしてたんだけど、普通に完走っていうか」
姫神「山の中で山菜採りをしていたので。都会のもやしっ子に混ざったらそこそこ上位だった」
鳴護「ある意味ガッカリ感……あぁいや失礼か、ゴメンね」
姫神「なので特設売り場のチョコ買ったらあとは女子会をした方が有意義」
鳴護「まぁそうだけども!多分『違うそうじゃない』ってリクの人はツッコんでると思うよ!」
吹寄「天然?……いや違うわね、なんかこうよくわからない何かと話してる気分になるのよね」
――2月14日
ピンポーン
上条「――はーい、どちらさんでー?」 ガチャッ
姫神・吹寄・鳴護「――ハッピー・バレンタイン!」
-終-
(※多分鳴護さんが無事帰還していたら一ヶ月ぐらいで恋人ができていた(誰がとはいわない)と思います。ご応募ありがとうございました)