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Clock(trial)

クリスマスの日ver2020

 
――学舎の園 枝垂桜学園 放課後

猟虎「……」

クラスメイトA「あの、弓箭さま?ただいまお時間よろしいでしょうか?」

猟虎「も、もももももももちろんですとも!な、なんでしょうかっ!?」

クラスメイトB「弓箭さんがご病気から復学されてまだ日も浅いでしょう?差し出がましいようですが、親睦会など宜しければ」

猟虎「ぜ、ぜひにっ!」

クラスメイトA「クラス内では意見が分かれたのですけど……『弓箭さまを遠くから観察したい派』が『弓箭さまを近くで愛でたい派』より少数派になりましたので」

猟虎「なにそれ超ウザい」

……PiPIPiPI……

猟虎「……」

クラスメイトA「――て、今日もお稽古がおありでして?」

猟虎「え、えぇぇぇまぁシャンプーハットメンから用事があったりなかったり」

クラスメイトB「では仕方がありませんわね。またの機会に、ごきげんよう弓箭さま」

クラスメイトA「ごきげんよう」

猟虎「ごき、げんよう………………はぁ」 ピッ

シャンプーハット『――もしもし?悪いな、急に依頼が入って』

猟虎「『――死に方を選ばせてあげます、あなたは特別に』」

シャンプーハット『それを依頼してんだよ!?なんで俺に炸裂させてんの!?』

シャンプーハット『あと着信の名前表示酷くねぇかな!?俺これでもそこそこの能力者だし先輩だぜ!?』



――喫茶店

フレンダ「『ふんふふーん、これでもう出番がなーいー♪あとはずっと回想シーン♪』」

浜面「あ、ネガな歌の最中すいません。フレンダさんちょっとお話が」

フレンダ「パンツ見たいの?」

浜面「うんっ!――じゃ、ねぇよ!なんで俺が敬語使ったらパンツ目的なんだよ!?そりゃ見たいけど!」

フレンダ「今日は下ショーパンだからダメだって訳だけど。あによ気持ち悪いわね

浜面「いやあのこれですね、実はさっきもらった試供品のジュースなんですけどね」

フレンダ「へー、そんなのある訳?初めて見たわ」

浜面「もらったのは俺なんだけど、俺よりもフレンダさんの方がですね、効果がぴったりっていいますが、飲んでほしいかなって思いまして」

フレンダ「あ、そうなの?悪いわね浜面――でも聞きたい訳なんだけど」

浜面「な、なんすか?」

フレンダ「これの効果は?あんたよりあたしにってどういう意味で?」

浜面「………………おっぱ×が大きくなる?」

フレンダ「――おーい絹旗ー!浜面がねー!」

浜面「サーセンしたっ!違ってた!本当の効能はもっと違ってたマジで!」

フレンダ「てゆうかメーカーの人、浜面みて『あ、チャーンス!おっぱ×が小さくて悩んでそうな人発見!』なんて思うかぁ!もし実在したら目か脳の病気って訳!」

浜面「き、金色になる……?」

フレンダ「染めてねーから!これ地毛な訳だから!てか意味分かんない訳よ!?薬飲ませてあたしにイタズラでもしようって訳かコラ!」

浜面「あ、そういうの間に合ってますからいいで――ゴブッ!?ゴッゴッゴッゴッゴッ……!?」

フレンダ「どーおーはまづらー?あんたが必死になって飲ませようとしていたドリンクの味はー?」

浜面「……くくく……失敗したな、フレンダ!俺にお前に飲ませようとしていたのはフェイクだったのさ……!」

フレンダ「な、なんだってって訳かー!?」

浜面「本物はさっき俺が持ってきたドリンクバーの抹茶ごま塩イチゴに混入済みだ……!」

フレンダ「じゃ、じゃあ……この、下りの意味がない、訳……」 パタッ



――どこか?

フレンダ「う、うーん……?ここは……?」

おっさん「くっくっくっく……ようやくお目覚めかね、金髪のお嬢さん」

フレンダ「くっ!?なによこれ!?イスに座ったまま手足が縛られてて、動け、ない訳……!」

おっさん「無駄な努力はしない方がいいと思うね。若いときほど苦労を買って出ろとは言うものの、あまり体力を遣うのもよろしくはない」

フレンダ「あんた……誰よ?」

おっさん「なぁに名乗るほどのものでもないさ。僕はただの舞台措置、君と同じ哀れな道化だよ」

フレンダ「離しなさいよ!卑怯って訳!」 ガタッ

おっさん「卑怯か……耳の痛い話だが――それはできない。すまないね」

フレンダ「……このヘンタイJCスキーが!」

おっさん「それは誤解だ!確かに僕の妻は若く見えるし、てゆうか今も若いんだよ!」

フレンダ「誰に言い訳してんの?」

おっさん「この間もね!誤解から文頭と文尾に『詩菜さん愛してる』ってつけなきゃいけないハメに……!」

フレンダ「立場よっわ!?人を誘拐監禁しやがってる割りに!?」

おっさん「まずそこから間違っている。誤解は解かないといけないよね」

フレンダ「いやだから、五階でも六階でもどーでも訳だけどさ。結局あんたがなんであたしを誘拐してる訳?さっさと解放すれば(あたしは)何もしない訳よ?」

おっさん「重ねて言うけれど、申し訳ないがそれはできない。立場がそれを許してくれないのだ――なぜならば!」

フレンダ「ば?」

おっさん「僕もついさっき拉致られてここに縛り付けられているからだ……ッ!!!」

フレンダ「なんて?」

おっさん「なんかこう悪役ごっこをして現実逃避でもしないと、恐怖で頭がフットーしちゃうんです助けて!?」 ガタッ

フレンダ「あー……目が慣れてきたらおっさんもあたしと一緒に縛られてる訳か。つーかよく『くっくっくっく』とか言ったな!?」

刀夜(おっさん)「おっさんじゃない、上条刀夜。通りすがりの探偵さ」

フレンダ「ねぇあんた超ウソぶっこんでない?探偵ってそう簡単に捕まる?」

刀夜「見てくれ!俺の手首を縛ってる拘束具を!君自身のは見えないだろうから!」

フレンダ「これは……クリスマス用のモール……?」

刀夜「気をつけるんだ!この犯人はウッキウキの気分で僕らをご招待してると思っている……!」

フレンダ「あれ絹旗?こんな猟奇的なカマしかたするのって絹旗の仕業な訳?」

刀夜「だから決して刺激しちゃいけない!僕の経験則から言ってハイハイ言う事を聞いている間は親切にしてくれるから、時間を稼ぐんだ!」

フレンダ「やっぱモノホンの探偵?修羅場結構潜ってる訳?」

猟虎「――気に入ってくれたようで良かった……!」

フレンダ「出たな地雷!?あぁいやセルフでツッコんでくるんだからパンジャンドラム女!」

猟虎「な、な――ナシウ○?」

フレンダ「いやしりとりはしてない訳」

猟虎「ご、こめんなさいね?急に呼んじゃったりして迷惑じゃなかった!?」

フレンダ「超フシアナか。あんたの目は飾りかなんかって訳か」

猟虎「え?」

刀夜「(刺激はしないで!)」

フレンダ「い、いや急?だったし?だからちょっと驚いちゃったなー、なんて訳で?」

猟虎「そ、そうですよね……急だったからご迷惑ですよね」 シャキーンッ

フレンダ「――ってそっちのハゲが言ってた訳よ!」

刀夜「ハゲてないよ!これはちょっと額が広がりつつあるだけで!卵から抽出した成分を塗ればきっと!」

猟虎「じゃ、じゃあ私と一緒にクリスマスを……?」

フレンダ「うんうん祝う祝う。だからこの縄をね」

猟虎「――嬉しい!ケーキ持ってきますね!」 ダッ

フレンダ「話聞きなさいよ!?てかオッサンよりなんか試される展開になってきない!?」

刀夜「……いや、言い争っている時間が惜しい。今は作戦を立てるのか先決だよ!」

フレンダ「だったら最初の一ネタは何なんだった訳……」

刀夜「まず君がこう言うんだ、『あのナイスミドルは関係ないから解放してあげてください』ってね」

フレンダ「100%自分の保身しかない訳!?このっダメな大人め!」

刀夜「僕には帰る家があるんだ……ッ!!!」

フレンダ「ま、まぁ確かに!今のHEN-TAIの澄み切った沖縄の海のような濁りのない瞳を見て、『あ、これマジモンだ』って覚悟を決めるわけだけど!」

刀夜「何もただで、とは言わない!息子のライ○アドレスをあげよう!」

フレンダ「いらないわ、超いらないわ」

刀夜「なんだって!?僕だったらお小遣い半年分ぐらい出すのに!?」

フレンダ「どんだけもらってるかも興味はない訳。あ、戻って来やがった」

猟虎「――メリー・クリスマス!さぁ、召し上がってください!」 ドンッ

フレンダ「おぉふ……ホールで持って来やがった訳か……!しかもお手製っぽい雑さがチラホラと!」

刀夜「――さ、ゴールドさん?遠慮しないで?」

フレンダ「オッサンまで何を!?……あぁいや食べるけど、えっと。手がね?肘置きに針金でグルッグル巻きになって」

猟虎「はい、あーん?」

フレンダ「自分で食べられる訳だから、うん?」

猟虎「――友達」

フレンダ「……あい?」

猟虎「と、と、と、友達なら食べさせあうって聞きました!だ、だから私っ!」

フレンダ「あーまぁそういう子もいる訳だけどね。あたしはあんまそういうベタベタするのはちょっと」

刀夜「ウチの息子は側で観察するのが好きだけどね」

フレンダ「だからいらんわそのマメ知識!?」

猟虎「つ、つ、つまり食べてくれないってことは……フレンダさんは私の友達じゃない……?」

フレンダ「――さっ、食べる訳よ!もう小分けにしないでホールごとガッツリ食べるって訳だわ!」

猟虎「よ、良かった!はい、あーんしてください?」

フレンダ「……あ、でも結構味は美味しい訳。極限状態じゃなかったら買いに行くレベル。やるわねあんた」 モグモグ

猟虎「そ、そうですかっ!?嬉しい……!隠し味を入れたお陰かも……!」

フレンダ「――待てやコラ何入れた訳だ!?」

猟虎「私の」

フレンダ「ごめんやっぱいいわー。それ以上聞いたら身動き取れないままリバースするからちょっと聞きたくはない訳だわー」

猟虎「ヒント、『死んだ化石』」

フレンダ「化石は大体そうだわ!生きてる化石が『生きてるんだからそれ化石じゃないよね』って話な訳であってさ!?」

刀夜「本当に何が入っているんだろうね……?シーラカン○で出汁でも取ってるのかな?」

猟虎「つ、次は肉料理ですね!ご、ご歓談ください!」 ダッ

フレンダ「……うん、あのね。デジャブっていうかさ?あたしこれと同じ光景を見たことあるっつーか、ツレに見せられた映画でね」

刀夜「……奇遇だね。僕も昔流行ったホラー映画であったよ、テキサスがチェーンソーする感じの」

フレンダ「つまりオッサンは食材?」

刀夜「あれ結局ゲスト全員が食材予定なんだから、まぁ君も立場的に変わりないんじゃないかな?」

フレンダ「誰か助けて!?話が通じる分だけ麦野の方が優しいって分かった訳!?」

刀夜「『いやぁどうだろう?導火線の長さが分からない分だけあっちの方が怖いよね』って今ギャラリーがいたら全員が全員同じツッコミしてる予感がするね。何となくだけど」

フレンダ「あんたにあたしの何が分かるっていう、わ、け……?」

猟虎「……」

フレンダ「――いや、違う訳よ?結局これは映画の話であってね?こんなのありましたねーって訳であって」

猟虎「帰してくれ、だなんてお友達は言わない――あなた、私を騙して……!?」

フレンダ「あれ?これ詰んだ訳?」

刀夜「人生ゲーム、ゲームセッ!諦めて試合終了だね!」

フレンダ「い、イヤアァァァァァァァァァァァァァァァッ!?」

上条「――そこまでだッ!!!」 バタンッ

猟虎「な、何者ですかっ!?」

上条「人に『あーん』するときは右手でスプーン持って左手は添えるようにした方がよりエロいぞ!」

フレンダ「だから要らんわそのクソ豆知識!そしてエロいかどうかのさじ加減は自分でしょ!?」

猟虎「こ、ここは私とゴールドさんの愛の巣です!で、出ていってくださいっ!」

刀夜「というかさっきから一度も僕は認識されてないんだけどね。あれもしかして幽霊になってる?」

上条「誘拐と監禁その他の現行犯だ!表には風紀委員もスタンバってるからな!」

猟虎「ど、どうしてここが……!?」

上条「あぁ父さんは体内にこっそり埋め込――家族の絆だ!」

フレンダ「絆あったら埋め込まなくない?信用ないからこそチップ・インしてる訳よね?」 

刀夜「あとそれ僕初耳なんだけど、いつのまにアブダクション&インプラントされたんだい?ペット感覚だよね?」

上条「なぁ君もどうしてこんなことするんだよ?金髪さんはともかく、父さん誘拐したって意味無いだろ」

刀夜「ねぇ当麻?金髪さんはともかく父さんは要らない子かい?」

上条「前向きになれとは言わないけど、罪を償ったらこういう無意味なことはやめ――なに?」 グッ

猟虎「わ、私のためを思って叱ってくれる……と、いうことは――」

猟虎「――ぷ、プロポーズと受け取っても……?」

上条「い、イヤアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?」

フレンダ「そうね!全くもってその通りってよ!」

上条「余計な事言うなよアホ!?助けに来た人へ対して!?」


-終-
(※刀夜さんが捕まっていたのは暗殺依頼のターゲットだからです。ご応募ありがとうございました)



――統括理事長 執務室(兼・監獄)

一方通行「……」

クリファパズル545「――社長!本日の予定はまず秘書とニャンニャンして昼からはスッポリとしけ込み夕方にはお持ち帰りとなっておりますが!」

一方通行「オマエ、クビな」

クリファパズル545「おぉなんてクールな――でもそこが好き!抱いて!」

一方通行「ニャルなンとかさンとレッなンとかさンとカブッてンだよ。もうテンプレになってンだわ」

クリファパズル545「ぐぬぬぬ……!いつか連中とは雌雄を決せねば……ギャン言わしてやりますよ!ギャ○キャノンってね!」

一方通行「あァうンそれはいいから報告あげろや」

クリファパズル545「ボケもスルーだなんてなんてクール――でもそこが好き!抱いてください!」

一方通行「クビな。二度と顔見せンな」

クリファパズル545「テンドンは三回までだと昔のエライ人が……えーと、本日の報告はこちらです」

クリファパズル545「○○学区で決闘騒ぎがあり負傷者多数、同じく○○学区ではクリスマスプレゼントの奪い合いで怪我人が」

クリファパズル545「そして『同じ顔を見た』という目撃証言が相次ぎ、魔術師が照れた勢いで店舗を破壊するなど」

一方通行「世紀末か」

クリファパズル545「なお、全ての中心には同じ人間の影が見え隠れしており、組織的ではないものの作為を感じますな」

一方通行「……へェ?誰よ?」

上条「――どうも、俺です!」

一方通行「二人とも帰れよ」

上条「なんでだよ!?お前の秘書が『直で話して下さい』って言ったからついてきたんだよ!?」

一方通行「……何?なにしてンのオマエこのクソ忙しいときに?年末進行でスケジュール大変なときに、なァ?」

上条「いや俺に何が何だか分からなくてさ。まず朝学校へ行くだろ?メシ食ってスフィンクスとインテックスにご飯あげてあげて」

一方通行「まァ普通だなァ。ペットと同居人の順番違くねェかとも思うが」

上条「そうしたらビリビリとおっぱい大きい人☆が戦闘してたんだよ。なんかクラン単位の戦闘をな」

一方通行「数行端折ってねェか?」

上条「だから俺は全力で見なかったフリをしたら知り合いのシンデレラに会ったんだ」

一方通行「知り合いのデレラってなに?アモーレ的な意味で?」

上条「なんか可愛い服着てたら、『あなたのために着たんじゃないわ』って吹っ飛ばされた」

一方通行「オマエが悪ィわ。いや悪くねェけど」

上条「まぁそんな感じかな!概ねいつも通りだぜ!クリスマス前だから浮かれてっけど!」

クリファパズル545「ちなみに今回の騒動で出た被害総額がこちらになります」

一方通行「……あァ、そォ……ふーン……?」

上条「じゃ、俺はこの辺で帰るな!ボディチェック係がほしかったらまた気軽に声かけてくれよ!」

一方通行「しねェよ。俺の名誉のためにもしねェが……よし、拘束」

クリファパズル545「あいあいマスター!」 ガシッ

上条「くっ!?何をしやがる一方通行!?お前ロ×ペ×だったはずだろ!?」

一方通行「そのなンにでもシモで考える癖やめろや」

上条「――くっ、殺せよ!」

クリファパズル545「……ご主人様オラ攻めに上条当麻強気受け……貴い、貴い……ッ!!!」

一方通行「本当にぶち殺すぞ、あァ?……おい、こいつ下に連れてけ」

クリファパズル545「ガッテン親分!任してつかーさい!」

上条「おいおいどうなっちまうんだ俺……!」



――特設地下スタジアム

レッサー『――第一回!チキチキ上条当麻争奪オーク・ション☆』

上条「人身売買だよね?ぶっちゃけ国際的にも様々な法に違反しているよね?」

レッサー『いやー楽しみですね!上条さんが何分割されてドナドナされるのか、中東辺りの油田を持ったオッサンの国に買われていくのか!』

上条「おーい誰か弁護士呼んでくれ!あとできれば司会者の頭カチ割れるバールのようなものも!」

レッサー『なおどことは言いませんが、とある国ではアジア圏から男女問わずハウスキーパーを雇い入れ、(性的な意味で)食っちまう事件があったそうです!』
(※数年前に多数発覚、多分今も変ってないサウジアラビア)

上条「せんせー!厳格なムスリムの国でそういうのはイクナイと思いまーす!」

レッサー『あぁいえ残念ですが、あちらでは「本国では禁止されているからクウェート行けば酒飲んでオーケー」というアバウトな倫理観が罷り通っています』
(※一応「供されたものや知らずに食べたものはノーカン」的な解釈をする一派もある。過大解釈して悪用するのも含めて)

上条「本当にそれ信徒なの?」

レッサー『まぁ一部の不届き者はさておきまして!上条さんの人身売買オークション司会進行を致しますレッサーちゃんと申しますシクヨロ☆』

レッサー『どこかの劣化ニャルなんとかさんには負けませんよ!だって私には声の力(中の人)があるのですから!』

上条「アレだよ?お前中の人に迷惑かけるから自重しろよ?」

レッサー『さっ、本日の主役からコメントをどうぞ!』

上条「これをご覧になってる心ある方は警察にご一報下さい!俺は何もしてません!」

レッサー『とは言いますがねぇ。あなたが引き起こした騒動の数々、洒落にならないほど人的リソースと資源的リソースが割かれていましてね』

上条「お前それただリソース言いたいだけじゃねぇのか」

レッサー『よって!クリスマスという聖なる日に上条さんを留学生として売っ払うナイスな企画ですね!』

上条「関係なくねぇか?もっかい言うけどクリスマスに人身売買って主旨から一番離れてね?」

レッサー『さぁ張った張った!新品未開封ですけど男子なんであんま価値はないですが!』

上条「お前が世界で一番俺を貶めてる。それとアレだ、きっと記憶を失う前は取っ替え引っ替えで、だから背中に刺された傷痕が」

ロベルト「じゃ10億ぐらいでいいかな?」

レッサー『お、出やがりましたねロベルト=カッツェ元大統領』

ロベルト「また大統領だもん!選挙は終わったけど係争中だもん!」

レッサー『ぶっちゃけあからさまに怪しい結果なんで、私も「あれ?」って思ってはいますが、まぁガンバwwwww』

上条「政権変ったら困るのはイギリスもだと思うんだけど?」

レッサー『ぶっちゃけバ×の方が与しやすいです』
(※だから大体の国が「おめでとーwwwwwwwwww」と言ってる)

上条「おいやめろ!例え事実でもまだ始まってないんだから言うな!」

ロベルト「俺はまだ登り始めたばかりだぜ、この漢坂をな……ッ!!!」

レッサー『ぐぬぬぬぬぬ……!敵ながらアッパレと言わざるを得ませんね、自身の境遇すらネタにするだなんて!』

ロベルト「フッ、イギリスさんには負けるさ!EUのハブ(られ)から世界のハブ(られ)に転身だなんてな!」

上条「お前らギャグに対してストイックすぎる」

マタイ=リース「――ご歓談中に悪いのだがね」

レッサー『あ、あなたはつい先日エ×いヒップについ「いいね☆」を押してしまった教皇猊下の前任者!?』

マタイ「人の嫌がることを進んでやる姿勢は素晴らしいものだ。意味を履き違えていなければ、と続くがね。私は20億で」

上条「やだ背徳的」

マタイ「ちょうど『右席』が幾つが空位になったのでな。まぁ名誉職みたいなものだよ」

ロベルト「彼はダメだ!ウチの国務長官が新設するP-フォースの監督に欲しがってる!」

上条「なぁレッサーさん、俺の未来の詰んでねぇかな?この二人が競売始めたらGAFAぐらいしか抵抗できなくね?」

レッサー『タチ悪いのはどっちともですが――残念!お二人ともお金の価値が分かっていませんな!』

マタイ「とは?」

レッサー『お金ってのはただ札束で?を引っぱたくだけではダメなんですよ!お金持ちのお小遣い1万ドルと子供が貯めた100ドル、どっちが価値あるでしょうか!?』

ロベルト「金持ちの1万ドルを貧乏なガキ100人に配れば、量的には金持ちの方が上だぜ?」

レッサー『シャアアアアアアアアラァァァァァーーーーーーーッ!だがら負けるんですよこのダボが!私の掛け金を返してくださいな!』

上条「お前も金じゃねぇか」

レッサー『この、オークションはですね!最高値をつけた人間が落札できるシステムではありません!相手がどれだけ誠意を出せるかが問われています!』

レッサー『例えそれがセミの抜け殻でも!その当人にとってかけがえのない価値があるのならば成立するんです!』

上条「俺そのセミの抜け殻と等価交換されんの?夏に公園の植木覗けば嫌っちゅーぐらい転がってるのと?」

レッサー『あくまでも例えです。そして仮に、そう仮に気持ちが入っていれば品物なんてどうだっていいじゃないですか!』

上条「物には限度がある。そして俺の堪忍袋にもなっ!」

レッサー『さっ、ご来場の紳士淑女諸君!我こそという豪の者はいませんかっ!?適当にイジられるのを覚悟で吶喊できるちょっとアレな方は!』

上条「その煽りの上で来るのは勇者かアフォか勇者王だけだよ」

佐天「――ここにいるぜ!」

上条「王の方来ちゃったな!てか全部乗っかってる感じの!」

佐天「上条さんオークションに、あたしはこれを賭ける……ッ!」

レッサー『これは……ケータイですか?何か思い出の品でらっしゃる?』

佐天「いえ画像です。ここ見てください、ここ」

上条「なんかの風景写真だな。ちょいピントズレてっけど」

佐天「ほんの少しだけ人の顔っぽくて心霊写真と言えなくもない、これと交換を希望します……!」

上条「ザッケンなテメー。俺の価値がピンぼけ写真一枚だと!?」

佐天「あぁいえ現実的な問題でいえばエサ代とかかかりますよね?」

上条「エサって言ったな!?父さんにも言われたことないのに!」

レッサー『もしあったら何らかの虐待だと思います――さぁ他に!他にはいないか!』

上条「あれ俺このままだとJCにお持ち帰りされんの?」

レッサー『ご褒美ですね』 グッ

上条「やかましいわ!そして一瞬『今の生活よりも楽かな』って思った俺のバカ!」

キャーリサ「――はい、イギリス王室と某教会から1,000万ドル」

レッサー『10億ちょいですね。またリアルな数字が』

上条「……あぁうん、底値のあとで見ると過分な評価だなって分かるけど」

キャーリサ「加えて私を娶る権利をくれてやるし」

上条「いや結構です」

キャーリサ「即却下?!年上スキーで有名なお前が!?」

上条「俺の癖(へき)がオープンソースな件について」

レッサー『今時紙媒体でエ×本買うからですよ。なんで電子書籍にしないんですか?』

上条「ダチと貸し借りするから」

レッサー『あー……そんな頭悪い理由があったんですね』

キャーリサ「ちょっと待てスルーするな!私の方が重要案件だろ!?」

レッサー『そうですよ上条さん。キャーリサさまはこう見えて人気ナンバーワンなんですからね?』

キャーリサ「もっと言ってやるがいーし」

レッサー『我らがイギリス国民アンケートで「年齢的な焦りがある筈だから俺でもワンチャンありそうな王族」で、ここ数年トップに立っておられるんですよ!』

キャーリサ「アホばっかりか我が国民ども。そしてお姉様はどーした」

レッサー『あの方はステルス性能が高いので、「いたっけ?」みたいな』

キャーリサ「と、ゆー訳だしヤポン人。ここは一つ跪いて『あなたの魅力は一千万ドルに勝る』と宣うのではなくて?」

上条「……なんていうかこう、非常にセンシティブな話になるんだが。俺の国にK・小○さんって方がいてな」

上条「『あんなクズが王配もしくは血統に入るの嫌』って、こう色々賛否両論分かれてた事案に説得力あるトドメを刺した立役者が」
(※「宮内庁は調べなかったのか」とツッコミをする人が多数ですが、某元皇族曰く「過去そんな人間が近寄ってきたケースが皆無であり調べることはない」そうです)

レッサー『本当にセンシティブは内容は控えてください!荒れるのは嫌です!』

キャーリサ「まぁパパラッチ等々嫌になるし。分からないでもないかなー」

上条「そして英語も『はばないすでー』ぐらいしか言えない俺がなったって、まともに公務できないだろ」

キャーリサ「いや……最近は『嫁が妊娠したから長期休暇』、『子育てが終わってないから長期休暇』って休暇マラソンをしてる話もあるらしい」
(※ハゲてる方の王子)

レッサー『そしてその舐めた態度が庶民には超不評で、王室の権威が下がる下がる……!』
(※低・中所得で育児休暇なんか取ったら普通にクビ切られるため、「何が庶民的だと働けカス」という意見も多い)

上条「お前ら二人がかりでギャグかっ飛ばしてくるのやめない?ズルいと思うよ」

御坂「――いい加減にしなさいよ!人の人生なんだと思ってるの!」

レッサー『人の人生だからこそ自分は傷つかず娯楽になるじゃないですか』

上条「なんて曇りのない目で言い切りやがるんだコイツ……!」

御坂「そ、そんな非人的なことは看過できないわね!ここは一つあたしが犠牲になってプレゼントをもらうしかないわ!」

上条「お前それ一周回って元のところへ戻って来てないか?エ×いこと嫌いだから絵師の勉強するのと一緒だろ?」

御坂「いやその理屈はおかしい。勉強って何よ勉強って」

レッサー『まぁ私は面白いのでいいですけども。ほいでミサーカ=サンが供出するものとはなんでしょうか?』

御坂「あたしは何も出さない――けど、あえて言うのであれば『安全』かしらねっ!」

ロベルト「ほぉ。学園都市の高位能力者が何かしてくれるって?」

御坂「いいえ何もしないわよ?”何もしないであげる”のよ?」

マタイ「……あぁ、そういう事かね。業が深い」

上条「なに?どういうこと?」

御坂「もしもアンタがどこかの国に買われたら、その国で奇妙な事件が頻発するわ。具体的には軍が壊滅したり、街が一晩でなくなったり」

上条「あれテロリスト?」

ロベルト「俺たちを敵に回して勝てると?」

御坂「アメリカには第三次世界大戦でロシアのICBMを止めてあげた貸しがあると思ったんだけど、違うのかしら?次は放置した方がいいのね?」

ロベルト「この子超こええ」

キャーリサ「待つし」

御坂「え、アメリカにケンカうるのにイギリスには躊躇うとでも?」

レッサー『良く言いました!その気概がなければ!』

マタイ「――では挙式はウチでどうかね?」

上条「妥協するの早っ!?そして提案がエゲつないな!」

キャーリサ「……そのジジイは『右席』相手にやり合ってた相手だぞー?腹芸だったら母上を凌ぐし」

御坂「そ、そんなまだ早いっていうか!」

マタイ「今だったら丁度観光客も居ないことだし、今度二人で下見など訪れてはいかがだろうか」

マタイ「なに、心配であるのであれば私の方が君たちのご両親へ話を通してもいい。二家族揃っての旅行、珍しくもないだろう?」

上条「オイオイ外堀と退路が埋められていくぜ!」

レッサー『……えぇまぁ最後の最後で闇よりも深き悪逆さを目にしましたが……まぁ上条さんはミサーカ=サンということで!』

御坂「うん、今日からあんたはあたしの所有物ね!」

上条「お前それさっき散々否定してたじゃねぇか!?」


-終-
(※浮気を疑われたら人生アウト☆ご応募ありがとうございました)



――とある高校 放課後

上条「――ふー、ビックリした。まさが俺が異世界転生して世界を救ったのに『右手』に裏切られるだなんてな!」

上条「夢で良かったわー!散々『不幸』の原因も右手じゃね?って言われてんのに、そんなしょーもない裏切り方されたのは夢で良かったなー!」

上条「『こんな事になるんだったらアックアの『切っとけば?』が最適解だったなんてないわー、それはないわー」

土御門「それ夢じゃないにゃー。俺もあとから事情聞いて『カミやんはどこまで持ってる(※ただし悪運)』って感動しちまったにゃー」

青ピ「そやで?いつまでも過去を引きずっていたらアカンよ!それがIFの世界やったらなおさらやんね!」

上条「まぁお前からすればもらい事故だし、多分しやがったのもロベルトのアホ主導なんだと思うが……」

青ピ「そ・ん・な・こ・と・よ・り・も☆クリスマスの予定立てよぉな!ボクらの無双の友情をサンタさんに見せつけてやるねん!」

上条「サンタさん悪くないだろ!そんなもん見せつけても『お、おぉ、仲良くて何よりじゃね』って若干引くだけだ!」

青ピ「――まさか君は先約がある、とでも?」

上条「あったら言うわ。別に隠すような事でもねぇしな」

土御門「まぁ普通はそうなんだが、青ピが暴走する可能性があるんだにゃー」

上条「暴走ってお前。ギャグで犯罪者になるほど落ちぶれたりはしないだろ」

土御門「いいや、何を勘違いしたか『ボクの方がカミやんを愛してる……っ!』って言い出すに100ガメル」

上条「言いそう!?お前絶対にやめろよ!絶対だからな!?」

姫神「もう前フリだと思う。いいよね。男子同士の友情って」

吹寄「一定層需要はあるようだけど……」

青ピ「ピコーンッ!B○キャラとして食っていけば安泰やん……!」

上条「だが仮にモテたとしても、ファンはお前が偽りのキャラを脱ぎ去ったところで離れていくんだぞ?」

姫神「そしてそういうお姉様方は『イチャイチャしてるのをそっと見守りたい』んであって。輪へ入るのは邪道」

上条「ある意味百合厨と同じだな!分かる分かる!」

土御門「カミやんが分かるのはどうして……」

姫神「というか今年も没交渉。男子ズは?」

上条「残念だが、まぁ見ての通りだな。姫神たちも?」

姫神「うんまぁ。特には」

上条「そっか。んじゃどっか遊びに行くか?」

姫神「――え」

クラス全員「……」

上条「――気をつけろ!敵の魔術師の攻撃だ……ッ!」

土御門「違うわボケカス。あ、間違った落ち着けカミやん」

青ピ「い、いやカミやん!?ボクとは遊びやったん!?」

上条「まぁな!お前らとは100%遊びに決まってんだろアホ!」

吹寄「ひ、めがみさん……?」

姫神「びっくりした。ほらトリハダ」

上条「そんなに嫌が!?」

姫神「と。いうわけではない。のだれど。うん」

上条「いや別に無理って訳じゃ」

姫神「行く。すっごい行く。巫女服もバージョンアップさせる」

上条「あ、あぁそう?巫女服はいらないけど。まぁでも最近の世界情勢じゃ着てっても違和感はないだろうがな!」

土御門「って言ってますけど吹寄さん?」

吹寄「ん、あぁいいんじゃないの?なるべくして、って気もするわね」

上条「だよな?ハロウィンぐらいから巫女服着てても『なんだパリピーか』って思うようになったよな?」

土御門・吹寄「そっちの話じゃねーよ

青ピ「エコエコアザラクエコエコアザラク、上条当麻にチ××もげる呪いをプリーズ……!」

上条「いいだろ別に使う予定はないんだから!?てかお前らも来るんだよな!?」

吹寄「いえ、ちょっと用事が」

土御門「俺も」

青ピ「ボクも……まぁ、野暮用が」

上条「……俺、変なことは言ってないよな?」

カチューシャの少女「う、うん?上条君がいいんだったらいいと思うよ――」

カチューシャの少女『――まぁ。君の想いが他のそれと同じとは限らない、かもしれないね?』

上条「その急なキャラの落差どうにかしろや!高校入ってからの黒歴史はガキよりもダメージデカいんだぞ!」



――放課後

上条「あいつらなんだってまた盛り上がってたんだろ……まぁいいや。ただ遊びに行くだけなのに」

上条「まぁいいわ。今日はファミキ○でも買って帰ろ」

御坂妹「……」

上条「おー、久しぶりだな御坂妹」

御坂妹「こんにちは、正ヒロイン候補すら外れて久しいミサカが通りますよ、とミサカは時候の挨拶を返します」

上条「季語は!?悲しいから冬っぽいイメージあるけど、どこまでが時候を表すの!?」

御坂妹「お気になさらず、どうせ言ってみただけですから、とミサカは気を遣わせないようにします」

上条「い、いや何か悩み事があるんだったら聞くよ?俺で良かったら?」

御坂妹「では――幸せはどこへ行けば手に入るのですか、とミサカは根源的な問いを発します」

上条「俺が知りたいわ!そんなん誰か知ってたら俺に教えてほしいぐらいだわ!」

御坂妹「結局量産機よりもワンオフ機、ジ○よりもガンダ○なのですねとミサカは自虐に走ります」

上条「そんなことないよ!『ジオ○のザ○好きになって通』みたいな風潮あるけど、ジ○好きだって結構いるよ!アグレッサ○とか!」

御坂妹「あれの中身は実質上ペイルなのですが、とミサカはいっちょ前に知識を披露します」

上条「ミサカー、あなた疲れてるのよ」

御坂妹「このミサカに価値はありませんか……?お姉様の付属品でしかないのですか……ッ!?」

上条「やめろ!長編SSヒロイン用としてメモってた台詞を使うな!」

御坂妹「まぁぶっちゃけクリスマスも近く、かつ最近ルーチンワークばかりで鬱なのですよ、とミサカはぶっちゃけます」

上条「妬みじゃねぇか。まぁ分からないでもないが」

御坂妹「そういえばハッピーなんとか団というのが人材を募集しているらしく、とミサカは小耳に挟んだ情報を開示します」

上条「人生を棒に振りつつギャグキャラとして転生したいんだったら、まぁ悪くはないかなー。ネタ要員として確定するけど」

御坂妹「……くっ、全てが憎い、世界など滅びてしまえばいいのです、とミサカは最近読んだラノベのフレーズを繰り返します」

上条「読む本変えた方がいいよ?えっと、こう、ラノベ100冊以上刊行してる神様みたいな人とか、何本もアニメ化されてる神様みたいな人とか読めば?」

御坂妹「始めに転生ネット通販を考えたのは誰なんだろう、とミサカは素朴な疑問を口にします」

上条「だからお前疲れてんだよ。あー、こういうときはパーッと遊んで気分転換するのがいいんだが」 ピッ

御坂妹「今日はもう夕方です、とミサカは時計を見るフリをしてあなたのケータイを覗き込みます。あ、ゲコ太」

上条「最近気づいたんだけど、ジャケットと中身をゲコ太にしておけばビリビリにビリビリされないって分かったんだよ」

御坂妹「さわるものみな傷つける、まるで破壊神のようなお姉様ですいません、とミサカはスカートを若干上げつつ謝罪をします」

上条「変った謝罪だねありがとう!――じゃ、ねぇよ!?どうせこれ俺が教えたってバレてアフロにされるんだからな!」

御坂妹「……ふふ、共通の秘密ができましたね、とミサカは最近覚えたドヤ顔で微笑みます」

上条「いやそれは別にいいんだけど、んじゃ今度遊びに行くか?あぁ丁度クリスマ――」

御坂妹「――クリスマス!?それはある意味ルート確定ですね、とミサカは心の中でお姉様に『ざまぁwww』と煽ります!」

上条「お前ら実は仲悪いの?」

御坂妹「えぇと実はその日は先約があるのですが、特別にあなたを優先させたいと思います、とミサカはラノベで仕入れた駆け引きを用います」

上条「だから読む本変えた方がいいよ?えーと、うん、ヘビィーがオブジェクトするSFとかを読むとためになるかも?」

御坂妹「別にあなたのためじゃないんだからね、とミサカはツンデレ気取りです」

上条「もしかして読んでた!?読んでなお理解があっさいな!」

御坂妹「まぁ仕方がないのであなたは分相応にこのミサカがお付き合いしてあげましょう、とミサカは主導権を取りに必死です」

上条「あれそんな話だったっけか……?」

御坂妹「量産型は量産型同士、戦況を左右する訳でもなく世界を救う訳でもなく仲良くケンカするのが一番幸せなのですよ、とミサカは真理を口にします」

上条「お、俺は違うぞ!多分この世界に一人……だと思う!うんきっと!」



――上条のアパート前

五和「こ、これっ!私の気持ちです!」

上条「あぁ使い捨てのウェットティッシュな。まぁ昨今の事情に配慮したのは認めよう」

上条「だがもっと根本的な疑問を持ってほしいんだ五和さん!出会って即おしぼり的な物を渡されても、始末に困るって事を!」

五和「そ、そうですよね!私扱いに困る女ですよねっ……あはは、ははは……」

上条「――って建宮が前に言ってた。だから俺が『五和はそんな子じゃないよ!』って叱っておいたからもう平気さ!」

五和「上条さん、段々芸風がお父様に似てきてません?」

上条「そりゃ親子なんだから頭皮以外は似て当り前……あれ?」

五和「何か?」

上条「五和って父さんと会ったことあったっけ?」

五和「あ、はい一度ご挨拶を!いつもご迷惑ばかりおかけしていますので、教皇代理と殴り合った結果そのような感じに!」

上条「殴り合ったんだ……どうして十字教って平和を謳ってんのに殺伐とした展開になるの?呪い?立川のロン毛が呪いでもかけたの?」

五和「……いいですか、上条さん。理想というものは掲げても拝んでもやってはこないんですよ。武力で勝ち取らないと!」

上条「それはそうなんだけど……その答えが来る前に『祈るのも大事なことなんです!』ってバイパス経由してほしかった!直で来られるとちょっとな!」

五和「えーっと、それでですね――うっ!?」

上条「どうした五和1?急に胸を押さえたりして、痛いのか!?」

五和「いいえ、これはきっと……『クリスマスにシングルだったら死にたくなる病』……ッ!」

上条「大体そうだよ?10代後半から罹って40前にはもうどうでもよくなって完治するよ?」

五和「だ、誰か!誰か私と一緒に聖なる十字教徒の日に楽しみたいです……!」

上条「お前らって本当に十字教徒?日本風に魔改造してんじゃねぇの?」
(※「神の子は原罪を背負って昇天した→人類はみんな原罪を負う」(byカトリック)。「神の子は原罪を背負って昇天した→だから許された」(by潜伏キリシタン)。なのでバチカンが認めるまで微妙にかかった)

五和「同年代女子にマウントしたいです……!」

上条「……いやあの、付き合おうか?クリスマスだったら遊ぼうって予定もあ――」

五和「ありがとうございますありがとうございますっ!やっぱり上条さんは神様だと思います!」

上条「だからそういうところが軽いっていってんだよ!」

五和「じゃ、じゃあ例の日にお会いしましょうね!大丈夫!尾行しそうなヤローはへし折っておきますから☆」

上条「逃げて建宮!?念のためってだけでまた一つ命が失われようとしている……!?」



――クリスマス当日 待ち合わせ場所

上条「――ごめん遅れた!待った?」

姫神・御坂妹・五和「いえ、今きたところ(です)(とミサカは答えます)」

姫神・御坂妹・五和「――えっ?」



――廃棄された食肉工場

上条「――と、いう訳なんだ!俺はただみんなに幸せになってほしかったただけなんだ!」

姫神「上条君。それはいけない。女心を弄んだ罪は重い」

御坂妹「やはり量産型は次々と落とされてなんぼなのですね、とミサカは諦念を露わにします」

五和「信じていたのに……!お父さんとお母さんにも話しちゃったのに……!」

上条「おい最後のはおかしい。仮に『恋人として付き合って』って意味だとしても、お前のとーちゃんかーちゃんに話通すのは早いだろ!?」

五和「あ、いえ上条さんのご両親です」

上条「あぁそう?それなら安心だよね――なんて言うかコラ!?勝手に親へ話通されてる恐怖!」

姫神「まぁやってしまったのは仕方がない。フラグ管理を怠ったのは事実」

上条「いやだからごめんって!俺が悪かったからクリスマスに処刑なんてやめようぜ、なぁ!君たちは心根の優しい子だって俺は知ってる!」

御坂妹「しかし優しいからこそ許せない一線があるのもまた事実ですが、とミサカはヤレヤレと肩を竦めます」

上条「お前もいっちょ前にジェスチャー上手くなってんなコノアマ!芸が細かいんだよ!」

姫神「芸……そうか!上条君の元凶を断てばこのから起きる悲劇は防げる!」

上条「チ××切断!?どっかの部族政治でも聞かねぇぞそれ!?」

上条「い、いや待てお前ら!素人がやったとしてもAbe-sadaになるだけで実質上の死刑になるだけだ!」

円周「――オペを開始するねっ☆」

上条「全て計画済みかコノヤロー。よくまぁ学園都市でワーストに近い人選したな!」

上条「いや待て!現代の性転換手術は一回やったら元へは戻せないし、どっちの生殖能力も失――」

上条「ア゛ッ――――――――――――┌(┌^o^)┐――――――――――――ッ!!!?」



――とある学校 12月25日

???「……」

土御門「お、転校生だにゃー?なんか見慣れない女子が一人」

青ピ「やんね。ボクの記憶によればこの学校にはおらへん……いやでもどっかで見たような?」

吹寄「やめなさいよそうやって口説くの……ってあたしもどっかで見たことある感じが……?」

姫神「紹介します。上条当美さんです」

上条当美(???)「まぁヨロシクな!第二の人生謳歌してやるぜコノヤロー!」

土御門「『性別が女子だったら「右手」が暴走しなかった説』」

上条当美「まぁな!ペルソ○3の男子主人公だと散々文句言ってくる順○も女主人公だとやる気満々(inホテル)だったしな!」

青ピ「――100年前から愛していました……ッ!!!」

上条当美「そのブレない姿勢は評価したいがノーサンキューだ!」


-終-
(※書いてて『ヨゴレがハンパない』と思いましたが、よくよく考えたらいつもと同じでした。ご応募ありがとうございました)



――柵中 放課後

佐天「『――実はトナカイなんていない説』……!」

初春「なんでだよ。というかなんでですか」

佐天「だってよく考えてもみなよ初春。サンタさんはいいこの元に現れるっていうじゃん?」

初春「まぁ一般的にはそうですね」

佐天「なのにあたしのところには一度も現れてないなんて、存在しないに決まってる……ッ!!!」

初春「『もしかして;いいこじゃない』」

佐天「そんなことないよ!?だって物心ついてからはサンタ捕獲のためにイブの夜はスタンバってたんだから!」

初春「今度佐天さんのお父様とお母様に会わせて頂けませんか?娘さんの教育方針について色々とご相談したく思いまして」

佐天「もうなんか都市伝説だよね。『深夜に子供の部屋へ忍び込んで何するつもりですか!?』みたいな?」

初春「あなたは今世界数億人の子供たちへケンカを売っています」

佐天「ウチのパパとママが毎年代行してあげてんだから、その数倍は感謝してもらわないとね!」

初春「えーっと、一応確認しますけど、てゆうかまさかとは思いますけどサンタさんが実在するっていうことは……? 」

佐天「え、いないでしょ?何言って――あ、ゴメンゴメンいるいる!あたしの弟のメル友が『徹夜明けに見た』って言ってた!」

初春「幻覚ですね。あと気を遣って頂かなくとも私は非実在派です」

佐天「あぁ話は変るけどスレンダーマンの目撃例がついに学園都市でもあったらしくてね!」

初春「残念。そっちも私は非実在派でして、ていいますか女の子らしさの欠片もないですよね?せめてサンタさんは信じてた方が救いがあるっていうか!」

佐天「えー、初春ってオカルト好きなの?」

初春「佐天さんだけには言われたくないですよね!恐らく学園都市一そっちの道へ踏み外している人にだけは!」

佐天「都市伝説はオカルトじゃないよ!淑女の嗜みだよ!」

初春「いいえ中二です」

佐天「百歩譲ってサンタさんはいたとするじゃない?現実的な話でさ?」

初春「ここまでずっと現実的な話は、ない。なに一つとしてだ」

佐天「ならどうしてあたしの所へ来ないのか――つまり、足(※トナカイ)が不足している説が濃厚に……ッ!」

初春「だからなんでですか」

佐天「いやだから一番で全てのよいこ達へ配るノルマがあるじゃん?だってのに来ないっていうことはつまり――」

佐天「――電気自動車に乗り換えたってことじゃないのかな……!?」

初春「それ多分サンタさんが聞いても『なんでだよ、不思議トナカイの代理になんでEV車ができると思ったの?』ってツッコむと思います」

佐天「そうだよね。別に乗り換えなくてもトナカイは究極の再生可能エネルギーだもんね」

初春「でもどうせ働かせすぎると『動物虐待だ』って騒ぐんでしょうけども」

佐天「それが原因で……っ!?」

初春「そうですね。もしそうだったら優しい世界ですけどね」



――深夜 佐天の部屋

佐天「いやー……今日も疲れて……はねないかな。大体いつも通りだったな」

佐天「初春をイジるついでに御坂さんをイジって白井さんのジットリとした視線に耐えつつ帰ってきてご飯作って……」

佐天「オカルトサイト巡ってニュースサイト見て……まぁこんな感じだよね。特に……何もなく。ふはー」

佐天「あー……宿題……いいや、初春に……おねが………………すー……」

……

佐天「……あが?」

……シャラーンッ、シャラーンッ、シャラーンッ、シャラーンッ……

佐天「鈴の音……?に、してはこう、なんか、重いっていうか……なんだろ?ネットリとしてる……?

……シャラーンッ、シャラーンッ、シャラーンッ、シャラーンッ――

佐天「――まさか本物のサンタさんっ!?」 ガラガラッ

僧正『――はい残念!サンタさんじゃないんじゃよね!』

佐天「和服を着たアイン○さん!?」

僧正『最近よくそれ言われるんじゃよね−。ワシの方が存在自体は古株であっちは超未来じゃのに』

佐天「えぇとぶっちゃけていいますけど『仕立てのいい服を着たスケルトン』なので、正直どれもこれも同じっていいますか」

僧正『まぁワシも知らんガイコツ見せられても「だれ?」って感じじゃしの』

佐天「つーか今鈴の音しませんでした?シャラーンって鈴っぽいのが確かに聞こえて」

僧正『あぁそれ錫杖についとる「遊環(ゆかん)」の音じゃね。先っぽについてる金属の輪っか』

佐天「ゲームで見たことあります。ちなみに効果は?」

僧正『格好良い?』

佐天「確かに……!?」
(※山伏が山中を歩く中での獣除け、あと托鉢僧がいますよって音。後に金属を打ち合わせて怪異を遠ざける風習ができた)
(※後日追記・遊環の字が間違っていました)

上条「何意気投合してんだ君ら。精神年齢はどっこいか」

佐天「ってあなたは上条さん?どうしたんですかこんな晩に?」

上条「見ろ!俺の格好を!」

佐天「100均で売ってるトナカイのヘアバンドをして、首のない白骨馬にまたがってる不審者」

上条「正解だ!鞍もないからお尻がゴリッゴリして痛いが、夜行(やぎょう)さんだって!妖怪の一種の!」

僧正『行き逢い神の一種じゃな。まぁ即死系のに比べればまだマシな方』

佐天「あ、なんだコレ夢か。だって妖怪がソリ引く訳が無いし」

僧正『まぁそう割りきってもらって結構じゃがね。お嬢ちゃんのいってたトナカイを探しにノルウェーへ行こうツアーじゃよ!』

佐天「あー、いいですねー!タイムリーな夢じゃないですか――あ、でも夜行さんの上で泣きそうになってる人はどうして?」

上条「俺は巻き込まれた方だよ!まぁいつもっちゃいつもだけど!」

佐天「具体的には?」

上条「夜にコンビニで立ち読みしようと歩いてたら、『見ず知らずの女子の部屋にいきなり一人で行くのってはしたくないかのぉ?』って!」

佐天「女子か。夜道で骨からそう切り出されたらダッシュで逃げる自信があります」

上条「まぁでも俯瞰的に見ればサンタさんよりも良識はあるような」

佐天「見たか初春!ここに一人理解者がいたぞ!」

僧正『さっ、分かったら乗るがよい!巻きで地球ドラマチッ○をするんじゃからな!』

佐天「せめてそこはなんとかプラネットアー○目指しましょうよ」



――ノルウェー

佐天「――寒っ!?予想以上に寒いな!いや分かってたけど!」

上条「まぁもう少し北上すれば北極がすぐそこだからな。てかセーラーでここまで来たのってイモ○か君かだと思う」

僧正『おぉすまんかったぉ。認識阻害だけじゃ足りんかったか』

佐天「流石は夢仕様!ご都合主義ですね!」

上条「このジーサンが本気出したら人類滅亡なんだが……えぇと、いないなトナカイ?どっかで聞けばいいのか?」

佐天「『えくすきゅーずみー?ういさーちかりぶー、うぇあーだすざかりぶーらいぶ?』」

上条「躊躇なしで!?出○並の決断力!?」

僧正『あれチラっと見たけどそこそこ通じるんじゃよね』

上条「まぁ単語は通じるだけマシ。てか言葉通じる魔術って意外と少ないよな?」

僧正『十字教系統では禁忌の一つ。かつて人間が驕り高ぶって塔を築いたじゃろ?その後に雷で討ち払われ、言葉が通じなくしたせいで』

上条「あったなぁ。でも基本魔術師ってタブー破るのに命賭けてるって」

佐天「聞いてきました!カリブーは北米原産トナカイだけの呼び名でこっちではレインディアだそうです!」

上条「違う、そうじゃない」

佐天「ではなく山の方で半放牧的な感じでブラっている感じのニュアンスがありました!」

上条「大丈夫か?中一の英語力に頼りっきりで平気か?」

僧正『ならばハイスクールの力を見せてやれば良かろう』

上条「――よし行くぞ探検隊!鼻が赤いトナカイを探してゲットするんだ!」

佐天「目的が超変ってます。あたし的には『ホントにいんのかよ』的な実証ができればいいんで」



――ノルウェー某所 山中

佐天「えーっとですね、さっきの聞き込みではここら辺に半放牧してるらしいと」

上条「気になったんだけど半放牧ってなに?ちょっとだけ管理してんの?」

佐天「いえ、単語を拾うのだけで精一杯でツッコめませんでした」

上条「へっ!俺なんて単語の意味すら危ういからな!調子乗るなよ!」

僧正『逆INTマウントじゃね。いやワシ調べといたから、まぁ読むといいじゃろ』 サッ

佐天「あざっす。えーと『ノルウェーには野生もしくは半放牧のトナカイが生息しています』」

トナカイA(角あり)『……』 ガサッ

上条「おぉいたっ!つーかデカいな!圧ハンパねぇ!」

佐天「この時点であたしの目的も叶ったようなものですが、まぁ折角なので生態を読み上げますと『体調は最大で2mを越え、体重も300kgに達します』」

上条「角が立派だよな。おっ、まだ何か森から出て来た」

トナカイB(角あり)・トナカイC(角あり)・トナカイD(角あり)・トナカイE(角あり)『……』 ガサガサッ

上条「おぉスゲー!全員隊長機……って、確率おかしくねぇか?メスの鹿っていないの?」

佐天「『角は基本的に生え替わりますが、オスだけでなくメスも冬期になると生えてきます。これは雪をかき分けて下の植物を食べるために使われ』」

佐天「『またオスメス両方、外敵から身を守るためにも使われます』」

トナカイA(角あり)『……』 ザッ、ザザッ

上条「おいおい奈良の鹿公園で『センベイ寄越せヘッドバッド』をする直前の動作に見えるぜ!あぁあれって本来角あったら大惨事なのな!」

上条「って冷静に突っ込んでる場合じゃない!さぁ出番だぜ『僧正』!お前の力を見せてくれ!」

僧正『あ、すまん。靴紐がほどけておったんじゃよね』

上条「草履なのに!?」

トナカイA(角あり)『……!』

上条「かかって来いやコラアアッ!全員まとめてカリブー汁にしたらぁ!」

佐天「怒られますよ――って下です、下!上条さんの足元!」

上条「足元って……別に何か踏んでる訳じゃないよな?丈のやや長い草が生えてるだけで」

佐天「いいから退いてください!雪の方へ!」

上条「俺のシューズだと超濡れるんですけど……分かったよ。だから突進はやめて死んじゃうから!俺が!」

トナカイたち(角あり)『……』 モッシャモッシャモッシャ

上条「あ、食べてる。なんでこれしか食べないって訳じゃないよね?」

佐天「えぇと資料に寄りますと草食に限りなく近い雑食だそうです。ネズミもまぁ食べないことはないと」

上条「まぁ野生だからな」

佐天「ただご覧の通り体が大きいため、大量のものとなるとどうしても草食性になるんだそうです」

上条「へー……苦労してんだな。お前ら」

佐天「加えて最近は全世界的に平均気温が上がり、より草を食べられなくなっているそうで」

上条「気温上がってんのにか?少し晴れれば草が育ちそうなもんなんだけど……」

佐天「あぁそれは現地の人じゃないと分からない理由があるそうでして。ここら辺って一回雪が積もったら冬の間は積もりっぱなしなんですよ」

佐天「なのてトナカイはメスオス問わず、角でガーッてやって雪を掘って草を食べるんですが」

上条「気温上昇すれば雪が解けていいことじゃね?」

佐天「いえいえ、そうすると降るじゃないですか、霜が」

上条「あぁまぁ降るけど」

佐天「そして全体的にそこまで温かくはならないらしく、解けた雪が凍って氷のままの状態が維持されるんだそうです」

上条「それなんて賽の河原の石積み」

佐天「っていう野生のトナカイにとっては過酷な状況ですので、たまーに有志の方が管理して餌をあげるような感じになっているそうです」
(※実話です)

上条「……そうか。お前らも苦労してんだなぁ」

佐天「やっぱりサンタさんがいないから彼らが苦労してるんですよ!出て来ぉいサンタ!」

上条「企画の主旨逆になってね?」

僧正『まぁ若い内は迷ってこそ。歳をとっても大悟には至らぬ』

上条「まぁな!どっかの年寄り見てると冷や水ってレベルじゃねぇぞって話だが!」



――柵中 翌日

佐天「――っていう夢を見たんだ……ッ!!!」

初春「で、しょうね。放課後私と別れてから18時間経っていませんからね。そんな短時間で行って帰ってこられるのはコンコルドかこの街の超音速飛行機ぐらいですし」

佐天「いやまさか夢オチとはあたしも思わなかったんだけど。あ、これおみやげ。ノルウェーの現地で売ってた民芸品」

初春「また手の込んだ……あぁいやゾンでしょうし、ありがたく受け取っておきますが――あれ?」 ピッ

佐天「なに?どしたの?」

初春「ネットニュースで謎のトピックがランクインしています。『謎のJC現れる』って」

佐天「超見せて!」

初春「いや見せますけど。えぇと……記事では『森の中、極寒の地にも関わらずセーラー服を着た少女が写真に写り込んでいる』、ですって」

佐天「あーこれアレだよ。『撮ったときには気づかなかったわー、いやー残念だわー、あのとき分かってたら追いかけてたのにー』ってやつ」

初春「ありますよね。こんな不自然なものが写り込んでいたら分かるじゃ……」

佐天「なに?怖い系映像?」

初春「……ここ、見てください、ここ」

佐天「――――――あ」

初春「カリブーに乗ってポーズをしている佐天さんがなんでここに……ッ!?」

佐天「あ、これレインディアって言うらしいよ?」

初春「違う、そうじゃない」


-終-
(※トナカイの草の話は以前見たドキュメンタリーからの引用で実話です。ご応募ありがとうございました)



――『明け色の陽射し』アジト

バードウェイ「おい、もっと強くだ!手を抜いてるんじゃないぞ!」

レッサー「へっへっへ、凝ってますねぇお客さん。筋肉ついてんのかっちゅーぐらい僧帽筋プニプニなんですけど、意味ありますかこれ?」 モミモミ

バードウェイ「なんだと?下請けの分際で口答えするのか、あぁ?」

レッサー「いえいえトンデモナイです!もうお仕事を頂けるだけで充分ですから!」

バードウェイ「なら続けたまえ。分を弁えてるのならばこちらとしても使ってやってもいい」

レッサー「あざーす!この不肖レッサー、ボスに絶対に忠誠を誓い――」

レッサー「……」

レッサー「――あれ!?私は何でこんな所に!?」

バードウェイ「随分かかったな!『なんでコイツ帰らないんだろう?』って半年ぐらい思ってたけど、その結論が出るまでには!」

レッサー「お、おのれ『あ系ロ×陽射し』め!」

バードウェイ「『明け色の陽射し』な?二度と口にするなその反社キラキラネーム」

レッサー「おかしいと思ったんですよ!最初は肩マッサージも嫌々だったのに、最近では『ボスの体臭hrhr』ってご褒美になりましたし!」

バードウェイ「荷物まとめて出ていけ。今にすぐにだ」

レッサー「どうせあなたもクリスマスには『クリスマスパーティ()』とかなんとかで出るのでしょう!?恥を知りなさい恥を!ユーザーに媚びるだけの姿勢はノーです!」

バードウェイ「そうだな、『レッサー(せくしぃプレゼント)』を出すようなヤツには恥なんてないんだろうな」

レッサー「ぐぬぬぬ……!恐るべし『黄金』!敵が黄金なのにメインストーリーに一切絡まないだけのことはありますよね!」

バードウェイ「本当にな。だが風の噂で聞いたんだが、その絡まない『黄金』とバーターで出させてもらった人間もいるらしいぞ」

レッサー「こんなことをしてる場合ではありません!私のこのせくしぃ()ボディでノーサツしなければ――」

レッサー「……」

レッサー「――すいません。いつのまに私はこんなヨゴレ仕事ばかり来るようになったんでしょう……?」

バードウェイ「前に誰かが『レッサーが不祥事を起こして中の人に迷惑をかける』と言ったんだが、段々現実味を帯びてきたな」

レッサー「あぁまぁ私の裸(ら)でいたいけな少年を惑わせるのであれば、それはそれで本望ですけど」

バードウェイ「オッサンしかやってないから心配するな。少年はFG○だから」

レッサー「気がつけばクリスマスまであともう少し!あのアホをこちら側へ引き込むための時間的余裕は限られていますよ!対策プリーズ!」

バードウェイ「と、言われてもなぁ。直で会って押し倒してこい、童×だから一回寝ればこっちのもんだろ」

レッサー「その実に簡単なことが誰一人として出来てない上、不用意に踏み込むと比喩でなく消される可能性があるんですよ!もしくは『ゲコ太ぷりちー☆』しか言えない体にされるとか!」

バードウェイ「あとスケジュール的にも難しい。お前は年明けまで私の雑用係としての仕事があるだろう?」

レッサー「ですね!今の楽な仕事を打ちきられたら路頭に迷うしかありませんし!」

バードウェイ「そこは疑問に思えよ」

レッサー「あぁいえマークさんからは『一日中侍ってゲームするだけの楽な仕事』だと」

バードウェイ「魔術結社は?私も正直自身の存在意義に疑問がない訳ではないが、それでお前のアイデンティティは保たれるのか?」

レッサー「そうですよ……!手紙を出せばいいじゃないですか……ッ!私の溢れんばかりの(打算9割の)ラヴをレトォ(巻き舌)すれば落ちるはず!」

バードウェイ「導入までが長い。同人じゃ3ページ以内にエ×シーンが出て来ないとクレーム来るんだぞ」

レッサー「じゃメールでポチッと」

バードウェイ「情緒がないだろ!?いや今の時代には適切かもしれないが!」

レッサー「『オッケーグーグ○、”ラブレター・ア×を落とせる・楽勝”で検索』」

バードウェイ「否定する要素はない、ないんだが……その、いいのか?ア×で?ア×を相手にする必要があるんだぞ?」

レッサー「え?ア×の方が上手く誘導できるじゃないですか?」

バードウェイ「正しくは『自分が賢いと思ってるア×』だがな。そういう意味ではマシな方なんだが……」

レッサー「なんですかっもう!さっきから文句ばっかり!あなたも私の上司なんですからもっと真剣になって考えてくださいよ!?」

バードウェイ「今にして思えばキャーリサ王女殿下も優秀だったんだな。だって私でも持て余しているもの。ウゼェって思うもの」

レッサー「やはりここはクラシカルな方が好まれるということで、手紙に直筆が伝わると思うんですよねー」

バードウェイ「一分前の台詞を思いだせ、なっ?」

レッサー「『熱膨張って知ってるか?』(シャクレ顔で)」

バードウェイ「お前もうヒロインの資格ないぞ?私が言うのもなんなんだが、その、うんまぁ止めはしないが」

レッサー「くっくっくっく!見ていなさいカ・ミジョー=サン、私の手紙で必殺ですよ……ッ!!!」

バードウェイ「お前……本当にウチ置いといて大丈夫か?私の評価まで下がらないか?」



――上条家

インデックス「とうまー、郵便屋さんからお手紙ついたんだよー」

上条「おぉありがとうな。誰から?」

インデックス「『あなたの未来の恋人より』、だって」

上条「詐欺だな。捨てといてくれ」

インデックス「はーい」



――ロンドン

レッサー「あれ?不発だったような?」

バードウェイ「まだやるのか!?こっち戻って来るとは思ってなかったんだが!?」

レッサー「へっへっへっへ、大丈夫でさぁ!こんなこともあろうかと同じ文面を通数送っておきましたぜお頭!」

バードウェイ「おい大丈夫か?まさかとは思うけど私を主犯にするつもりじゃないだろうな?」



――上条家

インデックス「あの、とうまー?昨日来たのと同じ封筒がかきとめで来たんだけど……」

上条「お前がなんてサインしたのかヒジョーに気になる所だが、今度はどちら様だ?」

インデックス「『求人情報誌のヴァニ○=アイス』って」

上条「分かりづらっ!?JOJ○ネタと大人の求人を一緒にまとめてもより意味が通じねぇよ!?」

インデックス「よく分からないんだけど、捨てておくね」



――ロンドン

レッサー「おや?また読まずに捨てられた?白ヤギさんですかね?」

バードウェイ「だから要らないだろここ!?『始めに尺が決まってるんだから脱線も程々にね』って言われてただろ!?」

レッサー「テンドンは三回までという鉄則に従っただけの話なんですが……まぁいいですよ!イエローカード二枚もらってからが勝負です!」

バードウェイ「退場になってるけどな」



――上条家

インデックス「とうまー、以下略」

上条「警察に届けようかな?それとも構った方が負けなのかな?」

インデックス「今度は『あなたは1,00000人目のお客様です!当選しました!』って書いてあるんだけど……」

上条「それエ×サイトで飛ばされるヤツだろ!?しかも”,”の位置も間違ってるの!」

インデックス「正直、桁の常識すら危うい詐欺グループって恐怖なんだよ……」

上条「今日は読むから貸せ!あとインデックスさんは教育に悪いからあっちでスフィンクスと遊んでなさい!」

インデックス「多分いつものように手紙へ対してツッコむんだと思うんだけど、それはそれで病んでるんだよ……?」

上条「えーと、何々?」

レッサー『――拝啓、上条・ピエール・当麻さま』

上条「誰だよ。人の名前勝手にミドルネーム挿入してんじゃねぇよ格好いいだろ」

レッサー『フロッグイーターにミドルネーム多いのは、一時期”聖人の名前しか名前に使っちゃダメ”という法的な縛りがあり、誰が誰か分からなくなったからです』
(※実話です。例えばペテロ某だとファミリーネームも被る人が大勢出たため、ペテロ=アンドレ=某という風に組み合わせた)

上条「あれそんなしょーもない理由だったの!?てっきり王族とか貴族の名残だと思ってた!?」
(※勿論そういう国もあります)

レッサー『寒さも増してお体など平気でしょうか?風邪など召されてなんかいませんかwwwwww』

上条「あぁ元気だよお陰様でな!草生やしてなければよかったのにな!」

レッサー『恐らく、この手紙が届いている頃には私はもうこの世にいますん』

上条「どっちだよ。いるんじゃねぇか」

レッサー『あの最後のひとひらか地面に落ちてしまえば、きっとそれは落葉樹だからです』

上条「もっと早く分からないかな?半分ぐらいになった時点で『あ、これ落葉樹だ!』って気づきそうなもんじゃね?」

レッサー『折り入ってお話したいのは、ポイズン、もとい上条さんへボロネーズしたことです』

上条「毒って言ったか?お前いつものお前見て『あぁポイズンだ』って思ってるの?反○か!」

上条「あとこれ文脈からしてボロネーズじゃなくてプロポーズだろ!?なにミートソースのオシャレな言い方してんだよ!?」

レッサー『まぁ正直な話、あの時は勢い半分、その場のノリ半分、何となく半分だったのは間違いありません」

上条「トータルで150%越えてね?半分半分半分って足したら超過するだろ?」

レッサー『ですが!どうか信じて下さい!気持ちに偽りなどなかったのです!渡○さんのように!』

上条「100%性欲だよね?インタビュワーがゴミで逆に同情されちゃったけど、あの人はこれといって特にプラス転する材料ないよね?」

レッサー『私がフランスワインを好きだと思う程度には愛しています』

上条「あれお前酒飲んでるシーンってあったっけ未成年?オルソラたちはドラマCD含めて二回あるけど」

インデックス「とうまのツッコミ細かいよね」

上条「したくてしてんじゃねぇわ!ここで俺がしなかったらただ痛いだけの手紙になるから!」

レッサー『と、いうわけで結婚して下さい!なんだったらベイロープでもいいです!ロ×が好きだったらランシスでも手を打ちましょう!』

上条「もうダメだもの。打算しか見えてこないもの」

レッサー『ちくわ大明神』

上条「だからなんっっっっっっっっっっっでだよ!?お前んちの文化じゃ清書するとか推敲してもらうってことないのかよ!?」

上条「なんで書いた『ちくわ大明神』!?確かに匿名掲示板のネタではあるけど!これ書いて俺が『やるなレッサー!』と言うとでも思ったのかアァンッ!?」

レッサー『でもお好きでしょう?』

上条「まぁな!俺の喉が枯れる以外は実害無いし来たるべき公式に備えて発声練習(ツッコミ)は欠かせないけどもだ!」

レッサー『”マタイ=リースが異世界転生した件について”』

上条「読みたいわ!あの老人が無双プレイ&現代の価値観無双するのは目に見えてっけど面白そうだわ!」

レッサー『そうそう、曹操と言えば恋姫無○のリメイク商法が堂に入ってきましたねBASESO○』

上条「ちょっと何言ってるのか分からないけど、アレはアレでいいと思うよ?うん別に俺は利害関係ないけど、まぁうん」

レッサー『神楽黎明○がワンパッケージになったら買おうと思っているのですが、また新しいのが出ましたね』

上条「お前何の用で俺に手紙出して来たの?エ×ゲのレビュー聞かせたかっただけ?」

レッサー『世界のHAMADURAが☆3なのに、もっと人気投票で上にいた人はどうなんでしょうね?』

上条「お前それアレか?ベスト3になったのにキャラグッズ出る気配もない俺への当てつけかコラ?あ?お?あぁ?」

レッサー『でも気を落とさないでください!上条さんのファンは「これはこれでオイシイね!」って応援してくれています!』

上条「それファン違う。潜在的な敵、具体的には体調の悪いときに反旗を翻す日和見感染」

レッサー『私もファンです!ある意味ね!』

上条「よーし分かったお前も敵だってことだな!かかって来いコノヤロー!」

レッサー『そういえば上条さんちの右ドラゴンの話です』

上条「メイドラゴンみたいに言うな。俺は嫌いじゃないけど、うんまぁ。女子同士の友情っていうかな」

レッサー『ついに学園都市最強の無能力者への覚醒フラグを立てましたねwwww今どんな気持ちですかwwwwww』

上条「やめて言わないで!?『あぁこれで”実はあのとき宿ってた”ってフラグ立ったな』ってみんな思ってても言わないでくれるんだからねっ!」

レッサー『とある無謀の佐天涙子』

上条「俺の……!俺の能力のせいで出番が減っていく……!」

レッサー『それでは最後に上条さんから何か告知があるとのことですが』

上条「ラジオじゃん!?」

レッサー『それではまたいつの日か。ロシアより愛を込めて――あのときの返事、いつまでもお待ちしています――』

上条「イギリスだろ。何00○の映画のタイトル気取ってんだよ――ん?あのとき?」

レッサー『――追伸・今あなたのうしろにいます……ッ!!!』

上条「――んなっ!?………………あれ?いない?」

レッサー『――バカが見るー♪ゲコ太シットー♪』

上条「――なぁインデックス、レッサーだけピンポイントで撃ち抜く魔術とかないかな?もしくは建宮にどんな貸しを作れば俺の代わりに殴ってくれるだろう?」

インデックス「それよりとうま、一人言がうるさいんだけど……」

上条「あぁごめんな!職業病みたいなもんではあるけど!」



――ロンドン

レッサー「――ふっ、流石は私の相方!これで来年のM○グランプリ優勝間違いないですな!」

バードウェイ「……うん?ラブレター渡そうって主旨じゃなかった、か?」

レッサー「あと話は変るんですけど、転生モノで子供が適齢期まで育つのを待ってヒロイン昇格ってモニョりません?」

バードウェイ「いやまぁ分――らないではないけど!まぁそれが普通っちゃ普通だからな!」

バードウェイ「薄い本じゃあるまいし『それじゃ……』みたいなのは少数派であってだ!」

レッサー「――ふっ、あなたの愛はその程度ですかっ!?」

バードウェイ「身の程を知れよ。やっていいことと悪い事が、ある」


-終-
(※相変わらずラブ要素が皆無でしたが。ご応募ありがとうございました)



――ある日

インデックス『あ、あのねっ!?とうまはくりすますに何か予定があるのかなっ!?』

インデックス『う、ううん?別に何でもないんだよ?大した意味は無いんだけど、どうするのかなって思ってだけで!』

インデックス『あのね、十字教にとってくりすますってのは大事な日であってね?家族とか親しい友人とともに過す日であってさ』

インデックス『イースターに謝肉祭とけいがいかしていく中、真っ先に陥落したごらくのためのごらくの日では決してないんだよ……!』

インデックス『……はめを外せるっていうのはそれだけ豊かになった事なんだけど。まぁかぞくで過ごせるのはいと高きおかたも祝福をされるだろうしね』

インデックス『で、でも勘違いしちゃダメなんだよ!?別にね、とうまがね、わたしの家族って訳じゃないんだからね!』

インデックス『……』

インデックス『……ううん、そうじゃないよね。とうまはね、もうわたしの家族みたいな人なんだよ』

インデックス『何度も何度も、暗くて昏いところから引っ張り上げてくれた人だから』

インデックス『だからその、くりすますにね、お話があるんだから忘れないでほしいかな?』



――別のある日

御坂『き、奇遇よね!同じ電車だなんて珍しいこともあるってゆうか!』

御坂『いや別に待っていた訳とかそうことじゃなく、ただ純粋に特に意味もなくこの電車が熱いのよ!悪いっ!?』

御坂『そ、そぉ?まぁ別に勘違いしてないんだったらいいんだけど、それはそれで勘違いしてくれた方が楽っていうか?』

御坂『そもそも前提からして勘違いじゃないって――あぁもう訳が分からないわよ!何言ってんのよ!?』

御坂『……』

御坂『お、落ち着いたわよ!だから、そのっ!髪撫でるの!やめ、なさいよ……っ!』

御坂『――ん!?嫌じゃにゃい――ないわよ!ただ今はちょっと顔が真っ赤っていうか、分かるでしょっ!?』

御坂『……ったくもうこの男は――なんでもない!なーんーでーもーなー――ってキャッ!?触るんだったら触るって言ってよ!』

御坂『う、うん……!さ、先に言われたら、ま、まぁ?心の準備的なの?みたいな?ある、から』

御坂『そ、それよりどうなのよ!?予定は!?当り前じゃない、クリスマスのよ!』

御坂『んー……っていうかまぁ、お誘い的な?友達と遊ぶから一緒に――』

御坂『……』

御坂『……いや、違うわね。そうじゃないわね』

御坂『――クリスマス、あたしに時間くれない?ちょっとだけでもいいから、あんたに言いたい事があるのよ』

御坂『殺害予告?んー、まぁ似たようなものかもね、アンタにとってもあたしにとっても終わりって意味じゃ』

御坂『まぁ覚悟しておきなさいよ――あたしは、もう、決めたんだからね』



――更に別のある日

鳴護『あー、ごめんね待たせちゃって。思ってたよりも関係者の挨拶が伸びちゃってて』

鳴護『いやいや全然?女の子同士で打ち上げ行こう――だから違うってば!?行きたくなんかないし!』

鳴護『なんていうか肩が凝るんだよねー……基本マウントが悪口合戦でさー……まぁそれもコミュニケーションなのかもだけど』

鳴護『……』

鳴護『……うん、ありがとう。行こっか?』

鳴護『えーっと、ですね、はい。これは全く全然これっぽっちも特に裏が無い質問なんですけど、当麻君はクリスマスにご予定なんかはあったりしちゃったり……?』

鳴護『――あ、ないんだっ!?そっかー、そかそか、よかった……』

鳴護『いや言ってないです、よ?空耳空耳、あたしが当麻君の不幸を願うなんてたまにしか。うん』

鳴護『いやいや!そうは言うけどさ!?この間もあたしがレッサーちゃんに絡まれてたときも写メして助けてくれなかったよ!?』

鳴護『まぁ絡むっていうかマガジ○の愛読者に因縁つけられるような感じで!』

鳴護『てかあたしもボケてみようかなー、なんて思っちゃったりするかも?』

鳴護『まぁ……しないんだけどね。そこまで言うんだったら』

鳴護『で――あたしは、えっとラジオのお仕事があるんだよねぇ。20時上がりの』

鳴護『だから迎えに来て貰えたら嬉しいかなー、なんて?……で、なんだけどね』

鳴護『当麻君さえよかったら、だけど。二人でクリスマスパーティしよっか?』

鳴護『いや作れるもん!当麻君ほどタイトな生活費じゃないけど、それなりに自炊してるんだから!もうっ!』

鳴護『だったら食べてみてよ!ビックリするんだから!絶対!絶対だよ!?』

鳴護『うん――約束、だね……っ』



――更に更に別のある日

姫神『――どうしよう。超緊張している』

姫神『違う上条君。そこはラマーズ法を教えて一ボケ稼ぐところ。違う?そうじゃない?』

姫神『まぁなんて言ったらいいのか困る。むぅ』

姫神『えっと。まぁ。その。世間的にはクリスマス。年末商戦真っ只中で鬼○商品が大人気らしい』

姫神『私的にはすみっこぐら○のトイパソコンがほしい。サンタさんお願いしてみる』

姫神『いや。いないのは知ってるけど?テンションが読めない?……よく言われる』

姫神『一発芸します――え。それも違う?どうして挙動不審なのかって?』

姫神『流石上条君にはお見通し。伊達に付き合いが長い。という訳でもないね。大体半年ぐらい?』

姫神『色々あったけれど。私はそこそこ幸せ……はい?』

姫神『……あぁ!そういえば全滅してたね。忘れてた』

姫神『……』

姫神『……いや。今のを信じられるとちょっと傷つく。そこまで薄情な娘ではないかな』

姫神『思う所はある。復讐を考えてみたことも当然ある。人並みには悔しいとかそういうの』

姫神『ただもし。それをしてしまって後に残るのはなんだろうと。仇をどうにして終わるのか。それで終わるのかと』

姫神『インデックスちゃんに聞いてすら存在自体が掴めない存在へ対して。私がどうこうできる可能性は低い』

姫神『そんな幻のような人たちが。自分達が実在するというリスクを冒してまで。どうしてという気持ちもある』

姫神『……まとまってないね。ごめんね。困るよね』

姫神『……うんまぁ。上条君だったらそう言ってくれるは分かっていた。伊達に半年付き合っていない』

姫神『それで……何?手を離――』

姫神『――ごめんなさい!?掴むつもりはなかったんだけど!なんかこう。うんっ』

姫神『あとが残っちゃったらゴメンね?……いいの?そのとき私に貰って貰う?』

姫神『……ふふ。うん。いいよ。もしそうなったら私のお嫁さんだね』

姫神『その。それで。なんだけど。上条君の予定を聞きたいな』



――更に更に更に別のある日

絹旗『あ、すいません超待ちました?待ってない?……良かったです。えへへ』

絹旗『い、いやこれは思い出し笑いですよ!チンピラを超グーパンしたときにですね、そげぶって悲鳴が』

絹旗『いや他意なんて超全然ありませんとも!この事故物○の半券に誓い――あ、超待ってください!?デコピンは、いたっ!?』

絹旗『……もー、超何するんですか。痛みには超弱いんですからね?』

絹旗『てかいつも思うんですけど、その「右手」ってナシにしません?私の能力が効かないんだなんてチートですよ、超チート』

絹旗『痴漢だったら超マジ勘弁ですけどー、まぁあなたでしたら、ね?私の能力が効かなくっても、問題ないかなー、なんて?』

絹旗『ま、まぁいいじゃないですか!超行きましょう!さっと行きましょう!クソ映画の群れが私たちを待っていますよ!』

絹旗『はい文句言わない。えー、じゃなくて……てか嫌だったらさっと「暗部」へ超入ればいいんですよ?』

絹旗『試験も学校もないですし、ただちょっと麦野が超怖いだけで他に実害は無――あ、ダメか。こいつ巨乳好きだった』

絹旗『いえ何も言ってませんよ?超幻聴じゃないですかね?さっ、映画館へ超ごーです』

絹旗『あ、そうだ。クリスマス超あけておいてくださいね?スケジュール的にこっちもよっぽどの大仕事がない限り頑張りますから』

絹旗『何って……いやそりゃデートに決まってるじゃないですか。はぁ、超何言ってるんです?』

絹旗『来なかったら――そうですね、こっちには奥の手があります。超必殺と言えるでしょう!』

絹旗『ギャン泣きます。それはもう超泣きまくりますから、ドン引きつつ精々私の機嫌を取るがいいと思いますよ?』

絹旗『……や、そっちの方がいいかな……?』

絹旗『ううん、何も?超気のせいじゃないですかね』

絹旗『あ、はい。今日の映画はピラニア3D○と言いまして、最後にトラン○そっくりのオッサンが銛持って暴れるという超展開が!』



――更に更に更に更に別のある日

フレンダ『呪われろ!この世界の全てが呪われる訳……ッ!!!』

フレンダ『いや違う訳よ?黒魔術に傾倒してるんじゃなくってね、その、あーっとスケジュールがね。急遽変っちゃった訳でさ』

フレンダ『まぁ誰それって紹介するじゃない?なんかこう仕事やバイトで悩んでた子を、他の解決してくれそうな子に、みたいな?』

フレンダ『そしたらさーあ?見事にくっついた訳よ、あぁカップル的な意味でね。けっ』

フレンダ『いやそりゃ文句の一つも出るって訳でしょー!?なんかこそこそやってると思ったらあたしに隠れて付き合ってやがってて!』

フレンダ『や、別になれそめ聞かせろとか全部報告しろだなんて言ってない訳よ!?ただ曲がりにも紹介してやったあたしに内緒ってどういう事って訳だっつーの!』

フレンダ『……うん、まぁねー。結局この時期、人恋しくなるっつーかそんなテンションになるのは分かる訳だけどもさー?』

フレンダ『……』

フレンダ『――ねぇ、あんたあたしと付き合わない?』

フレンダ『鼻で笑った!?ちょっと!今のはどういう意味だって訳よ!?あぁんっ!?』

フレンダ『ちーがーうーわーけー!あたしだって見た目こうだけど妹――もとい、年下からは意外と面倒見が良いって言われてる訳ね?』

フレンダ『いーまーすー!イマジナリーなんとかじゃなーくーてー!てかアンタがおかしいのよ!あたしじゃなくてアンタが!』

フレンダ『あー、また言った訳かコラっ!これは地毛だし!好きでゴールドちゃうわコラ!』

フレンダ『え……?俺は好き……?も、もうっ!いきなりそんな事言われてね照れる訳――ハッ!?』

フレンダ『あーーーーっやっぱ笑ってる!笑ってる訳でしょーがー!結局ね!』

フレンダ『意地が悪いにも程がある訳だし!女の子にナメた口きいてるとハゲるから!』

フレンダ『――ったくもう完っっっっっっっっ全にテッペン来た訳だし!もう許さないからね!?あんたが四の五の言ったってね!』

フレンダ『何が何でもアンタから「付き合ってくださいフレンダさん」って言わせてみせるって訳だし!覚悟する訳よ!』



――更に更に更に更に更に別のある日

ドッペルゲンガー『戸惑ってはいる。正直に言えば』

ドッペルゲンガー『迷ってもいる。これは嘘だがね』

ドッペルゲンガー『あの日あの時オリジナルと組み合わされた時点で、消えるものだと思っていた私がここにいるのも』

ドッペルゲンガー『……難しいことではなかったんだ。生き物には存在価値などない。魂もない』

ドッペルゲンガー『あるのはただ、それを考える思考、そして……雑多な感情』

ドッペルゲンガー『こんなものなど欲しくはなかった、などとタダをこねるにしては達観しているし。かといって世捨て人になるほど興味のない訳ではない』

ドッペルゲンガー『……君もそうだと思うがね。まさか道端で拾った謎の白キノコをケサランパサランだと思い込んで、育てたら操歯の姿になったのだから』

ドッペルゲンガー『諦めたまえよ。拾ったからには拾っただけの責任がある』

ドッペルゲンガー『離れるつもりはないから、まぁ一応、ね?』



――現実に気づいた日

上条「――助けて下さいッ!誰か俺の胃壁を助けてあげてください……ッ!!!」

土御門「今の回想明らかに違う人いなかったか?ルート開拓してない子いたよな?」

上条「俺は悪くないんだ!たまたま路上で拾ったケサランパサランに白粉あげてたら、少女になっちまったんだ!」

土御門「それなんて富○(by伊藤潤○)」

上条「運営の悪意を感じます!明らかにリク主は俺の外国でのはっちゃけるサマを希望していたのに!」

上条「曲解して女の子の萌える部分ばかり取り上げるってどうよ!?過大解釈だと思いまーす!抗議しまーす!」

土御門「自業自得なんだにゃー。今までのツケを利子つけて払うときがついに来たんだにゃー」

上条「お前は無二の親友のにピンチへ対して他に言うことないのか!?」

土御門「ざまぁwwwwwwwwww」

上条「違う。俺が求めてるのはそういうこっちゃない」

土御門「いやだからフラグ管理間違ったんだぜぃ。俺が言う通り程々にしときゃ良かったんだにゃー」

上条「いやいやみんなそれ言うけどもだ!俺は人として普通の事をしただけであって!」

土御門「『問一・世界を股にかけるキチガ×暗殺結社がシスターさんを追いかけていました。さて、どうしますか?』」

上条「拳を握ってぶん殴る」

土御門「『問二・学園都市第一位にして世界最強ランキングで五指に入る白モヤシが知り合いの子とトラブってました。どうしますか?』」

上条「取り敢えずぶん殴ってから止める」

土御門「『問三・世界を滅ぼす敵(下乳)がいます。さて?』」

上条「一発殴ってから話を聞く。心残りがあるとすればミニマ○化する前にタッチしたかった(下乳)」

土御門「――はい全問正解おめでとうございますにゃー!副賞として上条当麻さんには全てのフラグが同時に爆発する特典が与えられますにゃー!」

上条「いやだから俺悪いことしてねぇよなって言ってるだろ!?基本どこも善意だよ!」

上条「いや俺もエ×いことに興味が無い訳じゃないよ?下心が皆無とは言わないけど、助けた=エ×展開にってはならないだろ普通はさ!」

土御門「いやその程度がまず悪い。助けた後に『ぐへへへへ、じゃ、じゃ俺は君の体で支払ってもらおうか?』ってフラグ粉砕しておかないと!」

上条「『こ、このゲスが!い、いいわよ好きにしなさいよ!で、でも心までは屈してないんだからね!』」

土御門「カミやんスゲーな!一言一句違わすに言いそう!」

上条「落差が!落差が激しいんだよ!?なにマジ告白連鎖させてんの!?これガチで書いたやつでしょ!?」

土御門「てゆうかはっきり聞くんだが、ここから海外逃亡いるか?どうせ『あ、○○(ヒロイン名)可愛い』ってなったからもう良くね?」

上条「いいや違うぜ土御門!リクくれた人は俺がここから八面六臂の大活躍をするところを見たいに決まってる!そうだ!そうに決まってる!」

土御門「あ、残念だにゃー!もう尺がないにゃー!それでは皆さんサヨーナラー!よいクリスマスを!」

上条「待てよ!?ここで終わったらただクリスマスにフラグ立ったってだけの話になっちま――」

プツンッ


-終-
(※いやまぁ別に上条さんの活躍は省略してもいいだろうと勝手に判断しました。ご不満ございましたら「上条さんの海外編希望☆」とご返答ください。ご応募ありがとうございました)



――クリスマスイブ 昼間

浜面「――ぐへっ、ぐへへへへへへへへへへへへへへへっ!!!」

麦野「絹旗ー」

絹旗「今のは古オーク語で『絹旗さん俺の顔面超割っちゃってください!ほら早く!』って意味です」

麦野「残念。ご指名は私じゃなかったか。じゃ、お願いします先生」

絹旗「超賜りました――さ、お覚悟を!」

浜面「なになに?お前ら今俺の目の前で俺を亡き者にしようって相談してなかった?俺を差し置いて?」

浜面「てゆうかアレじゃないの!?流れるように俺を貶める言葉が出てくるってもう才能だよねっ!」

絹旗「動くと超危ないですよ!目標がズレてチ××切断するかもです!」

麦野「だって。やったね浜面!チャンスじゃない!」

浜面「誰か通訳の人いるー?このバーバリアンどもに言語って概念教えてあげてー!」

絹旗「今のは超なんて?」

麦野「えぇこれは群馬県奥地に生息するアイン○=サン=ジュンチョーニ=アンデッドカ=シテンナー部族の使う言葉ね」

浜面「おいテメーアイン○さんディスってんじゃねぇぞアァ!?メディアミックスした割りにはなんかこう、うんっ!アレな感じの!」

絹旗「幼女が戦記するアレと超並ぶ感じですかね。どっちも売れてんですが、鬼○ブームを超見るとですね」

麦野「意訳すると『もうゴールしてもいいよね……?』ね。さ、ひと思いに」

浜面「アレお前ら俺に一生治らない傷をつけようとしてる?具体的には顔面陥没」

麦野「あー右腕が痛むわー。誰にやられたのか忘れたけど、なくなった右腕の幻肢痛が私を苛むわー」

浜面「自虐ギャグにも程があるよっ麦野つぁん!?お前が不謹慎ギャグを言うたびマイハートが傷だらけになるんだからねっ!」

絹旗「超チャンスですよ麦野!今だったら『右手』からレッドドラゴンサモンできるかもです!」

麦野「そっか……!私の『右手』から――」

浜面「……」

麦野・絹旗「……」

浜面「え、右手役って俺か!?そんな大役&無茶振りされてもな!?」

麦野「はーい、みっぎって、みっぎって、みっぎって」

絹旗「ピッチャー超ビビってるー、ヘイヘイヘイヘイ」

浜面「誰か助けて!?世界で一番ガラの悪いヤンキーどもに絡まれてる俺を!ヘルプミー!」

絹旗「と、いいますかね。元々は浜面がア×顔で気持ち悪い顔をしていたのが問題ですし」

浜面「顔って言ったか?二回も他人様の顔面について非難したか?」

麦野「どうせアレでしょ?滝壺にエ×服着せるかエ×い妄想してたんでしょ?」

浜面「い、いいじゃない!クリスマスってのは恋人達がサンタクロースでエッチなことしなさいって神様が!」

絹旗「もしもキリストいたら助走つけて超ラリアットしてくると思います。お前ら人の誕生日に何してくれるんだと」

麦野「ただ世界的なムーブメントだと、あながち間違いとも言えないのよね。それ」

浜面「そして俺たちの愛は不純じゃないぜ!ただ純粋な気持ちでバニーさんを着てほしいだけなんだ……ッ!!!」

絹旗「言葉の意味は超分からないですが、とにかく凄い自信ですね」

麦野「最新巻でディクシ○を引かせてたけど、あれって使うノルマでもあんのかしら」

浜面「恋人がサンタクロースだよ!分かるっ!?」

絹旗「いいえ。超大体はご両親かバイトです」

麦野「クリスマスにプレゼントするカップルもいるでしょうけど、別にサンタに扮するまではしないわよね」

浜面「悪魔超○であるお前らにも分かるように説明してやると、クリスマスに懐中時計の鎖と櫛を交換しようとしたカップルの話だよ!?」

麦野「あぁ”ほう・れん・そう”を怠ったのだっけ?」

絹旗「超pgrかつざまぁwwwwですが何か?」

浜面「あ、悪魔にだって情はあるのにお前らにはなかった、だと!?」

絹旗「その人達は未来で超子育て失敗しますけどね。情を知らなければ立派な悪魔になれたというのに、一時のテンションに身を任せるからそうなるんですよ」

浜面「ダメ出しの視点が悪魔側から!?」

浜面「い、いや違う!俺が言いたいのは仲間を気遣う心だ!俺が滝壺へバニー服(ドン○)をプレゼントするように、お前たちもだな!」

麦野「ねーママー、私浜面の右腕がほしいの−」

絹旗「超分かりました。ではちょっとチクっとするかもですが、我慢してくださいねー?」

浜面「だからお前ら流れるようなコンビネーションで俺を心身共に削りに来てるけど、なに?そんな訓練でもしてんの?」

浜面「お前たちはだからダメなんだよ!もっとこう滝壺を見習って大人の余裕をだな」

麦野「――へぇ?」

浜面「あ、ヤベなんか踏み抜いた」

麦野「べ、別にあんたのために暴力振う訳じゃないんだからね!ただムシャクシャしてやっただけで!」

浜面「事実じゃねぇかそれ!?」

浜面「そうだ絹旗さん!俺と絹旗さんには戦友&クソ映画を通じて育んだ絆が……!

絹旗「あ、すいません靴紐が」

浜面「今カ!?今ちょっと時間あったのに直すのって今じゃなきゃダメ!?あったよね、タイミングはいくらでも!そしてサッと直せるよな!?」

絹旗「ちょっとメガネが外れちゃって」

浜面「初耳!?グラサンすらしてんの見たことねぇのに!?」

絹旗「……」

浜面「ボーーーーーーーーケーーーーーーーーーーーろーーーーーーーーーーーーーーーやっ!?テンドン二回で終わらせると不安定になるんだよっ!」

絹旗「――流石超浜面!ポッと出のアイドルでは中々たどり着けないツッコミの巧さですね!」

浜面「じゃない死ぬからね!ある意味の生粋の無能力者である俺は大将よりもハードモード!」



――雪の降り積もる路上 夜

浜面「へ、へへ……!」

浜面「な、なんだってこんなになっちまったんだ……?俺が何悪いことしたってたんだよ、チクショウ……!」

浜面「俺はただみんなに喜んでほしかっただけなんだ!だから、だから全員分のサンタ・バニー服をサイズ分用意したってのに!」
(※配色が紅白)

コロンゾン『なんでなりしよ。それで「わぁ、嬉しい!」って女いたるか?』

浜面「ただ!ただあわよくば全員でエ×いことできないかなってちょっと期待しただけだろうが!薄い本みたいに!」

ネフテュス『そんなオイシイ展開が転がっていれば劇画化しないのよね』

浜面「毎日毎日海物○に並んだのに!必死になって働いた結果がこれかよ!……クソ、クソッ!」

娘々『心の中覗いても本気で言ってるんだからタチわりーぞコイツ』

浜面「力が、ほしい……!理不尽をねじ伏せるだけの力が!強者の暴力へ対抗する弱きものの刃を!」

浜面「そのためだったら、俺は、俺は――!」

コロンゾン『あー、申し申し?さっきからこっちをチラ見しておるしょーもなき男よ。そなたは神に見初められたなりしよ?』

浜面「チェンジで」

コロンゾン『まだ詳しく喋ってもないのに!?』

娘々『そうだぜハマー、こいつは悪魔よりも悪魔だから私らとは違うじゃーん☆』

浜面「あ、すいません、もう一回チェンジで」

ネフテュス『賢明ね、ハマなんとか。三柱の中で最も慈悲深く暇を持て余した私を選ぶとは……!』

浜面「全員おウチ帰って!どうせアレでしょ!?俺をイジって遊ぼうって人たちなんでしょもーーっ!?」

コロンゾン『微妙に幼児化したりしな。幼女化だったら需要がある……か?』

浜面「俺知ってんだ!お前らとは付き合っちゃいけないって滝壺に『めっ』されたんだから!もう遊んでなんかやんないんだからな!」

娘々『お前らの脅威度が低すぎる。里に降りてきた熊にリラック○レベルの対応だぞそれ』

ネフティス『捕まえて……売るのでしょう?同じじゃ?』

浜面「ナムアミダブツナムアミダブツ……!」

ネフテュス『残念。私の方が年上』
(※釈迦=紀元前5世紀前後生まれ。ネフテュス=文化的に恐らく女王ハトシェプスト即位前後だと考えると紀元前15世紀ぐらい)

娘々『私は正体が微妙だにゃー。西王母系の娘々だったら殷墟で発掘されてるっちゅーし、にひっ』
(※殷=紀元前11〜14世紀ぐらいにあった中国王朝。多分地仙(後天的に仙人なった人)だからもっと別)

コロンゾン『なんてボケ殺しなりたるか……!』

娘々『そうだぜハマー。私たちはお前をイジりに来たんじゃない、祝福しにきたんだぜ?』

浜面「祝、福……?そっか……俺が毎日毎日パチスロに通ってたのは無駄じゃなかったのか……!」

ネフテュス『超無駄よね。負けが込んできてハッキングして取り戻すけど、そろそろマフィアが動きそうだから気をつけなさい』

浜面「じゃ、じゃあなんだっていうんだよ!」

コロンゾン・娘々・ネフティス『映画、興行収入歴代第二位おめでとう!』

浜面「あ、ありがとう……!まさか、まさか俺もこんなことになるって思ってなくて!」

浜面「俺が主人公って訳じゃないけど……それでも主人公の生き様に多大な影響を残していくオイシイ役でさ!」

浜面「だからもう出ないって分かっても!最初の最期だと分かってても全集中で演技しました!」

浜面「そう、鬼滅の○!煉獄杏寿○役でな!」

浜面「――――――って違うわアホども!?何言ってんの!?誰が煉○さんだよ!」

浜面「いまだに『煉○さん役の〜』見出しでテレビに出ると違和感あるんだよ!『あれそうすると今までの俺の活躍は?』ってな!」

コロンゾン『よくありける話なのよな。その分野では有名人なのに一般レベルになると無名という』

娘々『大体のジャンルで同じだけど……あぁそうそう、初バトルキャラ実装おめー』

浜面「そっちだよ!むしろそれ以外に何があるって言うんだ!」

ネフテュス『なのでハマー。私たちからのささやかなクリスマスプレゼントとして、何か一つだけ願い事を聞いてあげ』

浜面「願い事を無限にして下さい!」

コロンゾン『浜面浜面、それってワーストなパターンなりしよ?大抵悲劇ルートまっしぐらなのによくぞまあ台詞喰いながら言ぉたな!』

娘々『頭の弱い子だ弱い子だっては思ってたんだけど……あ、お前は引っ込んでていいぞー☆出番なかった』

ネフテュス『ゲストの人です。さっきお肉屋さんで錬成しました』

フレンダ「この――ダメ人間が!」

浜面「待ってくれ!俺だって真っ先にバニーさん、いやフレンダのことは頭に浮かんだんだ!『あぁ金髪貧乳バニーさんもいいな』って!」

フレンダ「それってあたし?あたしが浜面の中で穢された訳なの?」

浜面「……いやあの、麦野に会わせてたら例えホンモノでも迷いなく撃ち抜かれるって事実が発覚したんで……」

フレンダ「なにそれこわい」

浜面「だからクレバーな俺は考えた!シェンロ○でまず麦野の考えを変えてもらえばいいって!」

フレンダ「まず自分で説得しなさいよ。何諦めてんのよ」

コロンゾン『分かったわ、浜面。本当にその願いで良かりしか?』

浜面「勿論だ!俺は前人未踏の願い事叶え放題ルートを選ぶぜ……!」

浜面「そして『アイテム』をだ!俺たちの『アイテム』で仲良くクリスマスを過したい!」

娘々『ナイスだハマー!まさか私たちもそれを選ぶとは思ってなくて、用意した異能とかマシンとか無駄になっちまったが!』

ネフテュス『まぁこれはこれでありね、という意味では良かったわ。というかグッドジョブと言えるかしら』

コロンゾン『それでは目を瞑って――どーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!!!』

浜面「お、ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」



――『アイテム』のアジト

滝壺「……ごく――起きて……」

浜面「うーん――おい今煉○って言わなかった?」

滝壺「ううん、ぜんぜん?気づかなかったから一ボケしたとか、そんなことはない……」

浜面「てかアレ滝壺さん?俺って確か、悪魔超○二人組に叩きのめされて……?」

滝壺「それをわたしが回収に行った……もう、二人とも愛情表現が激しいんだから……」

浜面「騙されてるよ?俺もう少しでパトラッシ○するところだっんただからね?」

コロンゾン『パトラッシ○じゃなくてハマヅラッシュ、過去の名作と汚いおっさんと混同させなかりしや。ペッ』

浜面「ツバ吐きやがったな!?まぁ確かにあれ『犬喰えば?』ってちょっと子供の頃の俺は思ったけど!」

ネフテュス『それやっちゃったらギャグで終わるわね。私的にはオイシイ……二重の意味で』

娘々『てかあのデカい犬の食費どうしてたんだ疑惑――ハッ!?まさかネ○の暮らす街では少年少女の失踪事件が……!?』

浜面「感動の名作がホラー映画になっちゃう!?……て、あれ?麦野?」

ネフテュス『なに?』

浜面「いや、絹旗も、いる、よな?」

娘々『いるぜー?そりゃいるに決まってんじゃん☆』

浜面「フレ、ンダ……ッ!?」

コロンゾン『なんだって訳なのよ』

浜面「……いや、なんでもねぇ。なんか悪い、夢を見ちまってたみたいで」

滝壺「……変なかおのはまづら……あ、ちがった、変なはまづら……」

浜面「彼氏へ対して当りが強すぎやしないですかねぇ!?でもそんなところも愛してる!抱いて!」

滝壺「……もうっ、、浜面ったら……いい、ぱーてぃの用意してあるから、みんなで楽しもう……?」

浜面「あぁ、そうだぜ!メリー・クリスマス!」

滝壺「めりー・くりすます、はまづら」

コロンゾン・娘々・ネフテュス『――メリー・クリスマス、浜面』


-終-
(※娘々『日付が変ったら記憶はそのままで元へ戻しておいたぜ☆』。ご応募ありがとうございました)



――続き

上条「助けてミカ(※土御門)えもーん!?フラグ管理を盛大に失敗しちゃったんだよー!」

土御門「『どぉしたんだぁいかみ太くぅん?またステイアンにイジめられたのかぁい?』」(※デス声で)

上条「このままだとオバフロルート(ヒロインの居合い斬り→主人公の首切断→そのまま海の彼方へ)に突入しちゃう!」
(※スクールデイ○アニメ版最終話)

土御門「『そぉだねぇ。手を出してないだけでかみ太くぅんのもぉ、フラグ管理に関しては同じっちゃ同じだよねぇ』」(※デス声で)

上条「いや違うわ全然違うわ!こっちはついこないだまでちゅーの一つもしてなかった清純派だぜ!『まぁ全員行っとくか』の異世界転生してねぇのに爛れてる○さんと一緒にすんなや!」

土御門「『かみ太くぅんかみ太くぅん、それ遠ぉ回しにぃなろ○系が同レベルだってでぃすってるよぉ?』」(※デス声で)

上条「んなことはどうだっていい!お前は俺の所有物なんだから俺の言う事だけ聞いていればいいんだ!」

土御門「のび太く○はそんなこといわない。多分思ってるだろうけど」

上条「とにかくなんとかしてくれよ!俺を助ける道具を出してくれよ!」

土御門「『もぉ、かみ太くぅんはしょうがな・い・ん・だ・ゾ☆』」

上条「誰?どっかで聞いた覚えはあるんだけどとっさに名前が出て来ないおっぱ×大きい人?」

土御門「『てれれってれー!ミカえもんのひみつぉぐぅ!』(※デス声で)

上条「やったぜミカえもん!」

土御門「『アディー○弁護士事務所ぉ』」(※デス声で)

上条「なんで?ヒロインとの間に弁護士立てて調停しろって?あとそこ過払い金の取り立て業者だよね?」

土御門「『高○クリニックゥ』」(※デス声で)

上条「いやいやいや、そうじゃない。そういう方面の困り方はしてない。てゆうか俺は必要ない、必要ないけども日本人男性の多くがだな」

土御門「『イエス!高○クリニック!』」

上条「何で二回言ったの?確かにちょっと言いたくなるけど、なんで高○先生はいつも会議したりヘリ乗ったりしてんの?」

土御門「もう全員行っちゃえよ。誰が困るって訳じゃないんだし?」

上条「無理だよ!?そりゃ鋼の精神持ってるんだったらともかく、俺の胃壁が数時間で溶け去るわ!」

土御門「緩慢な自殺だにゃー。バレないように気を遣えばいけるいける!うんきっと!」

上条「……俺がそんな器用だと思うか?」

土御門「それができるんだったらフラグ全ブッキングなんて喜劇は避けられたんだぜぃ。人類の約半数を代表して言うが、ざっまぁwwwwwwwww」

上条「クソッ!そうなったらほとぼりが冷めるまで海外へ逃げるしかないのか……?」

土御門「まぁそれも一つの手だにゃー。ただ無事に入国できるかまでは分からないけど」

上条「いやできるだろ。別に指名手配されてるって訳でもないんだし」

土御門「そういう意味じゃなくてだぜぃ?カミやんが例えばアメリカへ降り立った瞬間、飛行機のゲートで誰かさんが仁王立ちして」

土御門「『――お前をハントする!』」

上条「パリスト○か。気持ち悪いストーカーの人か。暗黒大陸編はいつになったら再開するんですかコノヤロー」

土御門「カミやんの搭乗記録を把握して先回りぐらいしかねないぜぃ?」

上条「どうしろっつーんだよ!詰んでんじゃねぇか!」

土御門「にゃーはっはっはっは!そんなカミやんにはモトハル印のこれを進呈するぜぃ!」

上条「スコップ……?最近じゃ打撃武器として再評価――いや流石に殺人はダメだって!」

土御門「そうじゃないぜぃ。いいかカミやん、地球ってのは丸いんだ?」

上条「俺、一応お前と同じクラスで勉強してるんだけど……」

土御門「つまり日本の裏側には国があり、そしてお前の手には土を掘る道具がある。ここまで言えば分かるな?」

上条「――そっか!地球を貫通するトンネルを掘ればパスポートなしで出国できるのか……!」

土御門「しかも人力だからコストもかからない!愛と勇気だけが友達だ!」

上条「ありがとうミカえもん!俺今からちょっとトンネル掘ってくるわ!」

土御門「頑張れ!こっちが真冬だからあっち今は真夏、急げばバカンスの季節に間に合うかも!」

上条「よっしゃやる気出て来た!貫通したらお前も行こうぜ!」

土御門「あぁ楽しみにしてるんだにゃー!」

上条「あ、そうだ土御門!一応確認したいんだけどさ?」

土御門「なになに?何でも聞いて?」

上条「――今から掘るお前の墓穴にはどんな墓碑が似合うと思う?」 チャキッ

土御門「おーのー止すんだカミやん!スコップは普通に尖ってて危ないから!」

上条「確か地球の内部って鉄とかが流体のまま流れてたんだったよな?確実に死ぬわ!」
(※外部コアは鉄とコバルトが物凄い気圧で流体のまま流れている(※という説が現在は有力))

土御門「それ以前に十メートルちょいで酸欠気味になって終わるんだぜぃ?二酸化炭素は比重的に重くて溜まるから」
(※地下5kmで地殻にぶち当たり2,000気圧を喰らう。普通の海水面が1気圧、チョウチンアンコウが住む水深3,000mでの水圧が約300気圧)

上条「んなことどうだっていいわ!俺が言ってんのはもっとこう現実的なやつ!また先週に引き続き怒られんだろ!?」

土御門「あーだったら密航してみる?俺のツテでどうにかできないこともない」

上条「マジで……?信じていいの……?」

土御門「俺がカミやんに嘘吐いたことがあるかい?」

上条「あれ確か女子校に梱包して送りつけなかったっけ?」

土御門「――さっ、急ぐんだぜぃカミやん!スコップなんか握りしめてる場合じゃない!時間は有限だぜぃ!」

上条「そうだな!でもその前に俺の目を見て言ってくれないかな?少しでも信じられる要素がほしいんだ!」



――旅客機 貨物ルーム

上条(そしてノコノコと積まれて空の上なんだが……超寒いぜ!コンテナ室に暖房なんてついてる訳ねえからな!)
(※密航者がよく死ぬ)

上条(何か今不吉なテロップ流れなかったか?大丈夫かこれ?一個前のハマヅラッシュみたいに天に召されたりとかしない?)

上条(てか離陸してからもう数時間かー。腹減ったし寒くて眠れない、つーか眠ったら永眠しそうで怖いわ)

上条(変な場所だからケータイも使っていいのか分かんねぇんだよなぁ。あーヒマ――うん?)

上条(人の声?いやまさかな、ラジオかテレビでも間違えってスイッチ入ったとかそういう)

フレメア『にゃあ……まだ新しい国には着かないのだ?』

垣根(虫)『えぇもうちょっとですよ、もうちょっと。一眠りして目を覚ませばすぐですから)

フレメア『にゃあ……はまづらは?たきつぼは?むぎのときぬはたもそこにいるの?』

垣根(虫)『勿論ですとも!……あぁでもちょっと、ほんのちょっとだけ待たなくてはいけないかもしれませんね。移動とかありますし?』

垣根(虫)『でもあなたがいいこにしていれば、きっと。直ぐに来てくれる筈ですよ』

フレメア『そっかー……良かったのだ……あれ、眠く……?』

垣根(虫)『そのままおやすみなさい。すぐですから、すぐ』

上条「おい、何やってんだ幼女と節足動物」

垣根(虫)『失敬な!世界で大人気の甲虫目へ対してなんたる言い草ですか!』

上条「てかこの室温で寝たらヤバくないか?俺の吐く息白いしさ?」

垣根(虫)『私が発熱しているので大丈夫です』

上条「……確か昆虫ってスッゲー体温低かったような……まぁいいわ。風邪引かないんだったらそれに越したことは」

上条「てか何やってんのお前?なんてコンテナに積載されてんの?声からすっと隣だと思うんだけどさ」

垣根(虫)『えぇまぁ話せば長くなってしまうのですが』

上条「すまん。短くしてくれ」

垣根(虫)『チンピラどもに忘れ去られて国外逃亡中ですね』

上条「何やってんの!?お前もそうだけどそれ以上に浜面何やってんだよ!?」

垣根(虫)『ぶっちゃけこの子は学園都市にいるより、外に出た方が平和に暮らせると思うんですよ』

上条「あぁ……まぁ説得力あるけど」

垣根(虫)『あのアホどもが帰ってくるまでは姿をくらます方向で。場合によってはこのままフェードアウトします』

上条「えっと……その、ゴメンな?浜面に関しては一応こう『暗部』解体のために体張ったってちゃんとした理由がね?」

垣根(虫)『あ、興味はないからいいです。それより上条さんはなんでここに?』

上条「ちょっと色々あって国外逃亡をだな」

垣根(虫)『あー、なら一緒に行きませんか?こっちも幼女とカブトムシの二人旅は苦しいものがありまして』

上条「人型にとれよ。なんでカブ縛りなんだ」

垣根(虫)『そうしたいところは山々なんですけど、まだ能力が完全に制御し切れてない感じで』

上条「まぁ、こっちも困ってたから助かるわ。あ、あと一つ聞いていい?」

垣根(虫)『えぇ何でしょう?』

上条「この飛行機ってどこへ向ってんの?」

垣根(虫)『そこから!?コンビニ感覚で密入国を!?』



――イタリア モンティキアーリ フォンタネッレ聖堂

アックア「……」

マタイ「どうかね?」

アックア「……力は感じるが酷く遠いのであるな。戻ってくる感覚もない」

マタイ「うむ。まぁ仕方があるまいな。奇跡はそう起きないからこそ奇跡なのだ」

アックア「やはり……聖母マリアの本質は流行り神ではないだろうか?不安定かつ出くわしたときの反動が凄い」

マタイ「分類でからすればそうかも知れぬ。しかし信仰者としてはそうとも言えぬ。よって私はただ沈黙を貫くのみだな」

アックア「流暢に一々調べるのにも限界がある。何かきっかけでもあれば――」

聖堂騎士「――偉大なる上教皇猊下に言上仕る!」

マタイ「それほど畏まらずも佳い、と言っているのだがね。なんだね?ナチスの残党でも出たというのかな?」

聖堂騎士「い、いえそれが……虫が」

マタイ「虫?珍しい害虫でも?」

聖堂騎士「ひ、人型ぐらいの大きさのカブトムシが市内に湧いて出ているのです!」

マタイ「……オルウェル郷。彼は何を言っているのかね?スマートフォンの位置情報で手に入れるモンスターの話なのかな?」

アックア「私はただのアックアであるが。しかしそれは見て見ないことには」

垣根(虫)『あったー!見つけましたよ上条さん!』

上条「やったな垣根!これで文無しで大使館駆け込まなくて済む!」

フレメア「にゃあ!大体じょーが悪いんだぞ!目を離すから置き引きされちゃうんだ!」

上条「いやごめんって!俺もまさか空港でスられるとは思ってなかったんだよ!」

垣根(虫)『まぁまぁ無事見つかったしいいじゃないですか。現金も……入ってますね。カードも』

上条「だよな!あ、そうだ垣根。分裂しちまったのって元に戻さなくていいの?」

垣根(白)『今回は時間で消えるようにセッティングしてますから。変な独自進化しかしない限りは平気ですよ』

上条「そっかー……じゃあ全員広場に集めて貰えるかな?全員そげぶして消すから」

垣根(白)『なんて残酷な!?彼らの命はたった一時間しかないんですよ!?』

上条「やかましいわ!お前前の国で黒いの復活しやがったじゃねぇか!?俺たちがどんだけ苦労したと思ってんだよ!」

フレメア「にゃー……アメリカ空軍が話の分かる人で良かったのだ」

垣根(白)『いえでも集めたりしたらバレません?知り合いにでも見つかった人には』

上条「いや大丈夫だって!こんなところに知り合いなんかいる訳が」

マタイ「――やぁ、こんにちは上条当麻君?今日もご機嫌で何よりだ」

上条「――気をつけろ垣根!俺たちは今敵の魔術師の攻撃を受けている……ッ!!!」

アックア「逆に聞くのであるが、味方の魔術師は攻撃を仕掛けてこない訳で、わざわざ敵認定する意味が無いのであるな」

上条「へっ、まだまだ甘いな!味方(のはずの)ボスから攻撃喰らってるからなこっちは!」

マタイ「まぁ座りたまえ。丁度石畳があるからそこへ」



――

マタイ「つまり君は女性から逃げてきた、と?」

上条「まぁ端的に言えばそうです」

マタイ「……情けない。オルウェル郷、君からも言ってやりなさい」

アックア「――同士よ……ッ!!!」

上条「あぁお前もだっけか!何かロイヤルファミリーになりたくなくて逃げてる人!」

アックア「いや、違うのである!こう、こちらは騎士として当たり前の事をしているだけなのであるな」

アックア「しかしいつの間にかそれが、どういう訳がフラグを立ててしまい……現在に至る、と」

上条「にい、さん……?もしかしてあなたは俺の兄さんじゃ……!?」

フレメア「お兄さんなの?」

垣根(白)『当人は当り前のことをやったつもりがフラグ立った、という意味では似たもの同士ですね』

マタイ「善意であるのは佳いがね。ご婦人か逃げ回るのは紳士たる行いではない」

上条「そういう二人は何でここに?」

アックア「私の『右席』としての力、聖母マリアの現在を免除する力を取り戻す旅――なのであるが」

マタイ「そう上手くはいっておらぬ。ローザ・ミスティカならもしや、とは思ったのだがな」

上条「あー、んじゃ良かったら俺も手伝おうか?特に行く宛てもないしさ」

アックア「助かるし似たような境遇として歓迎したい気持ちもあるのであるが……」

マタイ「まぁ大した危険もあるまいよ。イタリア国内であれば我らの庭のようなもの――」

上条「あれなんだこれ?井戸のヘリにバラの紋章が」

アックア「――ダメだ!これは『奇しき薔薇の聖母』、ローザ・ミスティカのシンボルなのである!」

上条「――え?」 パキイィンッ

???【――ついに、ついにこの日がやってきたー!あたしの時代が降臨中!】

???【遠からん者は音に聞けー!近くの者は寄って見よー!】

???【我が名は三相女神にして処女神アルテミス、またの名を――】

ローザ・ミスティカ(???)【――奇しき薔薇の聖母よ!待ってなさい悪霊ども、滅ぼしてやるんだからねっ!】

ほぼ全員「……」

上条「――き、気を抜くな!相手は多分強敵だぞ!」

ほぼ全員「いやお前のせいだよ!」

上条「俺たちの戦いは――これからだぜ……ッ!!!」


-終-
(※上条当麻さんのこれから戦いにご期待ください。ご応募ありがとうございました)

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