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Clock(trial)

バレンタインの日ver2020

 
――とある統括理事長室

アレイスター「――昔々ある男がこう言ったそうだ――『我々は同人誌を刷ってるのではない、紙幣を刷っているのではないか』、とね」

脳幹「待ちたまえよアレイスター、いつもにまして言語明瞭・意味不明瞭だ」

アレイスター「まぁ最後まで聞くがいい。賢者は体験に学び、愚者は経験からすらも学べないと言うだろう?」

脳幹「君の一見反省したようで何も反省してない態度はまぁ度し難いがね。それで?」

アレイスター「基本プレイ無料で広くユーザーを募りつつ、実際には課金しないとコンテンツの殆どが解放されない仕組みにしてはどうだろうか?」

脳幹「それ先週やったな?そしてもうその発送が何番煎じか分からないぐらい、特定の業界あるあるだ」

アレイスター「まぁ結局の所だね。ユーザーの多くはJCしか見てないと思うのだがね。違うかい?」

脳幹「アレイスター、君の美点は包み隠さないところだ。そして欠点は限度をいつもいつも知らないか間違える」

アレイスター「だから主人公がいつの間にか入れ違っていても分からないのだよ、ふっ。中々笑える話だろう?」

脳幹「先読みで『オティヌスいないんですが不安』という報告も入ってるからね」

アレイスター「『この先どうなっちゃうんだろう!(※ヒロインとの進展的な意味で)』と、普通の読者は新刊を待ちわびるものだが」

アレイスター「『この先どうなっちゃうんだろう!(※またニセモノに取って代わられる的な意味で)』と、恐怖に打ち震えているからね」

アレイスター「だから私の言った通りだろう?『読者、基本的にJCにしか興味無い説』……!」

脳幹「やめてくれないかいアレイスター。一部の人にロマンを与えてないとは言わないけれど、あくまでも一部であってだね」

アレイスター「こっちが終わっても向こうは何事もなく続きそうだよね?」

脳幹「どっちにも出ている身としてはノーコメントだよ。それよりもアレイスター、君は何が言いたいんだい?」

アレイスター「無能力者の女の子が、異世界転生して酷い目に遭うゲームを非公式で出したらそこそこ売れるのでは、とね」

脳幹「本当に訴えられるぞ?この茶番を幕を引けるのは嬉しくもあるが」

アレイスター「まぁ結局の所、私は少年を存外気に入っているようだ。感謝もしているし」

脳幹「そもそも君がついていれば前回の悲惨な行き違いは避けられたと思うが……」

アレイスター「御坂美琴君といい、垣根帝督君といい、分裂したりコピペするのが流行っているのかな?」

脳幹「だから君は少しぐらい反省しろ。している”体”だけじゃ不十分だ」

アレイスター「しているとも?だから今回は素敵な思い出をプレゼンツ!しようかと企んでいる」

脳幹「また急にフワっとした単語が出て来たね。今回の被害者は誰なのかな?」

アレイスター「決まっているだろう?長年の主役の座から陥落した彼だよ」

脳幹「してないよ?どうせ基本酷い目に遭うんだから、まぁそっちの方が彼のためにもなるかな、と一瞬思ったが彼が主役だよ?」

アレイスター「それはそうとして、思ったのだがね」

脳幹「なんだい。決まってないけどキマっているような我が友人よ」

アレイスター「犬と会話してると友達いないって思われないかな?」

脳幹「いないだろう、君。てゆうか昔の仲間からの嫌われっぷりは酷いものだったよね?誰か一人ぐらい裏切るもんだけど」

アレイスター「そこはそれ、下乳に目がくらんで世界を裏切った男に比べれば、まぁ?」

脳幹「……恐ろしいことを考えてしまったよ」

アレイスター「ほう、是非とも聞きたいね」

脳幹「実は今の上条当麻君はオティヌスの作ったスワンプマンであり、この間の彼は入れ替わろうとしたんじゃなく、元へ戻ろうとしていたのでは……?」

アレイスター「悲しい話だな。JCは二万人増えてもどこからもクレームが来なかったのに、男子高校生は一人増減しただけで関係各位から抗議殺到だよ」

脳幹「来てるからね?君が頑なに見なかったフリをしているだけで、当事者からは強烈なクレームが今も届いているからね?」



――上条当麻のアパート

上条「――今年も早いもんでもう二ヶ月かー」

上条「なんか『まだ半年経ってねぇだろ』とか、『永遠の男子高校生』とか聞こえるが、聞こえない!そんなことはない!絶対にだ!」

上条「『予告が穏やかなときは中身は悲惨、でも予告が酷くて中身が悲惨だってパターンもあるよね!』とか、言うなっ!一番苦労してんのは俺か一方通行かHAMADURAなんだから!」

上条「……まぁいいぜ。少なくともアホ理事長が消えたお陰で、謎の”プラン”から俺たちは解放されたんだからな」

上条「……」

上条「……うん?地上最強の能力者作ったり、ビリビリのクローン量産するのと、テメーの娘の実体化にどう繋がりが……?」

上条「……そもそもあのアホは魔神の存在知ってたみたいだし、接触っぽいこともしてたのに……そっちを頼った方がずっと早かったんじゃね……?」

オルソラ?「――考えるな、感じるんだ、でございますよ?」

上条「それ初めて聞いたときには賢者キャラだと思ったけど、よくよく考えたらラオ○・ト○・ジャ○・ケンシロ○って」

上条「全員天然or不器用で命を落す、何かもう具体的に言ったら悲しすぎる人の中では、まだ賢いってだけだよね?」

オルソラ?「得てして真実とは残酷なものでございますれば。『残った人類少ないんだから助け合えば?』というツッコミは、誰しもが一度は通るのでございますよね」

上条「……オル、ソラ?」

オルソラ?「はい、ご無沙汰しております。オルソラ=アクィナスですよー」

上条「――嘘だ……ッ!!!この偽者め姿を現せ!」 パシャッ、ピロリロリーン

オルソラ?「これは異な事をおっしゃいますね。わたくしはオルソラでなかったらなんだと?」

上条「……あぁそうかもしれない!お前はオルソラかもしれない、実際俺にはお前がオルソラにしか見えない!」 パシャッ、ピロリロリーン

上条「他にヤツに聞いても多分同じリアクションだろう。気づくのは精々クロムウェルか、意外に人を見る目があるアンジェレネ師匠ぐらいだぜ……!」 パシャッ、ピロリロリーン

上条「けどな!俺の中の熱いものが!燃えたぎるハートがこう言っているんだ――」 パシャッ、ピロリロリーン

上条「『この人はオルソラじゃないですよね』って、な……!!!」 パシャッ、ピロリロリーン

オルソラ?「あの、先程から全身をなめ回すように、かつ何の断りもなく写メされまくっているのは一体……?」

上条「しょ、証拠だな!創世魔神イシスコスを北、布地面積低っくいオルソラなんてオルソラじゃねぇんだよ!」 パシャッ、ピロリロリーン

上条「てか映像をお届けできなくてゴメンな!今日ほど俺が無力だと思ったことないぜ!」 パシャッ、ピロリロリーン

オルソラ?「――まぁ、正解ではあるんだが。よく見破ったね?私謹製の変身術式を」

上条「女の子がエロい服を着てもらうには嫌がってて欲しいんだよ!自ら進んで着るもんじゃねぇ!」 パシャッ、ピロリロリーン

オルソラ?「取り敢えず撮影をやめろ。話が頭に入ってこない」

上条「てかお前誰だよ?さっさと姿現せ」 パキィインッ

アレイスター(オルソラ?)「まぁ、私なんだがね!残念だったね?」

上条「いいから脱げよ」

アレイスター(※イシスコス・ただし男性体)「私は着たままの方が好きなんだが」

上条「違うわボケ!?つーかなんなの!?お前、お前って本当に碌な事しねぇよなぁ!?」

上条「まぁ、百歩譲ってオルソラが着てくれたのは嬉しいよ!?エロい衣装で着てくれて素直に感謝はしてるよ!」

上条「でもな!?なんでお前元の野郎の姿の上に着やがったんだよ!?サイズ合わなくてパッツパツじゃねぇか!?」

上条「記憶の中のオルソラがお前のHENTAIに上書きされるんだよ!速やかに死ぬか脱ぐかしてくれよ!」

アレイスター(※イシスコス・ただし男性体)「特に指定がなかったので、男が男を慰めるという地獄を、ね」

上条「……あぁもう目が腐る……でも、ついにゲットしたオルソラコスで記憶を上書きしないと……!」

アレイスター「残念だが、魔術的な変身なので光学機器には影響を与えないんだよ。認識を歪めるだけで」

上条「『――あ、もしもし一方通行?うん、アホがいるんだけど、良かったら殺さないか?二人でやれば殺れると思うんだ』」

アレイスター「気持ちは分かるが、彼を巻き込むな。君と違って今や責任あるち立場だぞ」



――上条家

上条「――オルソラが女神だってのはずっと昔から分かってたことだよね」

上条「ただの女神かって議論が分かれてたけどさ。美の神なのか、愛の神なのか、俺は清貧だって思ってたけどさむ

アレイスター「そんな話してたかな?あと気持ち悪いぞ?」

上条「てかお前らもそっち方面でイジるのやめてくれないかな?あの事件のあと、事あるたびに『あれ?俺って本物であってたっけ?』って不安になんだよ!」

上条「こっちはスワンプマンの気分だからなコノヤロー!俺の人生に大きな爪痕を残しやがって!」

アレイスター「ふっ、心配はいらないとも。君のファンだって『これマジで上条さんかな?』って出てくる度に不安になるんだから」

上条「まず主役がホンモノかどうか疑われるって凄い事態だよな……あぁもうネタじゃなかったらどうしよう……!」

アレイスター「人気者は辛いところだね?」

上条「ウルセぇわ、超ウルセぇわコノヤロー。お前が居なかったらこんな状況になってないんだよ!」

上条「下は12歳児から上は年齢不詳の妖精さんまで女の子に囲まれてありがとうな!」

アレイスター「途中で思い直したよね?『あ、これ文句言ったら刺さるかも?』って日和ったよね?」

アレイスター「あと何となくだけど、別に私が手回ししくなくたって、地元でハーレムを構築していた気がする。魔術と科学が交差しなくても、魔術だけでさ」

上条「細けぇこたぁいいんだよ!それより今日は俺を笑いに来やがったのか!?」

アレイスター「それは誤解というものだね。今日ここにいる私は善意だ、『ぜんいくん』と呼んでくれても構わないよ」

上条「どう頑張って見てもウシジマく○のアレだろ。ちょっと可愛く言っても本性は覆らねぇんだよ」

アレイスター「今日はね、君の普段の苦労を労いに来た」

上条「そりゃどうも。けど『どうせ何か裏があるんだろ』って思う俺は爛れてんのかな」

アレイスター「”チ”で始まって”コ”で終わる物をプレゼントしに来た。分かるね?」

上条「チョコって言えよ。そしてそのネタは次控え室にいたアホが同じネタテンドンするんだろうけど!」

アレイスター「下ネタばっかりだよね」

上条「お前の存在がまずゲスいんだよ。『前の嫁との間にできた娘の顔を忘れる』って大概だよね」

アレイスター「全ては私の”愛”が深い故にだな。反省はしているが、二度としないとは言えない」

上条「……誰かコイツにトドメ刺した方が……いや、俺はまだ刑務所には入りたくはないし……」

アレイスター「ではこれで懐柔と行こうじゃないか。ちゃんと買って来たよ、はいチ○コレート」

上条「伏せ字にする必要あったかな?そこ隠しちゃったらエッラい大変な誤解されないかな?」

アレイスター「エッチな誤解をする人はエッチだから大丈夫だ!ここは健全なネッツだし!」

上条「お前とレッサーがいると下ネタが確変してたんだよ!規制が厳しくなってんだから察しろや!」

アレイスター「すまないね。やはり君のツッコミの才能に期待した、私の判断は間違いではなかった、と」

上条「俺の価値がツッコミだけみたいに言うなよ!他にも……ホラ!あるだろ!今ちょっと忙しくて手ぇ離せないから詳しくは言わないけども!」

アレイスター「『右手』もまぁ広義から言えばツッコミだしね。まぁいい、食べようじゃないか」

上条「……これ、変なモン入ってないだろうな?」

アレイスター「そう疑われると思ったのできちんとしたブランド物だよ。当然未開封だ」

上条「海外だと仲良い人におくりものする日なんだっけ?あぁごめん、何か警戒してた」

アレイスター「だった筈なのだが、最近じゃジャパニメーションのお陰で微妙に女子が男子に告白する傾向がチラホラと」

上条「ごめんなっ世界のみんな!」

アレイスター「まぁ元々『仲の良い相手=多少ならずも想っている相手』なので、バレンタインに贈り物しつつ告白というパターンはない訳ではなかった」

上条「なら良いけどさ……うん?お前これ買ったって言った?」

アレイスター「言ったね」

上条「あぁ外見オルソラで。ならまぁおかしなところないよな」

アレイスター「いいや?このままで行ったよ?」

上条「なんっっっっっっっっっっっっっっっっっっでだよ!?お前スゲーな!前から『この人気が違っているな』っては思ってたけど、この上勇者属性まで兼ね備えてんのか!?」

アレイスター「オルソラ君を私の勝手な買い物で使うわけにも行かない、違うかな?」

上条「だったら俺の所へドッキリ敢行するのもダメな方だがな!しかもこれスケジュールの都合上、真っ先にお前ってのがどうなんだよ!?」

アレイスター「君が望むんだったら誰かに変身して撮影会でもしようか?」

上条「……コイツは悪魔コイツは悪魔コイツは悪魔コイツは悪魔コイツは悪魔コイツは悪魔……ッ!!!」

アレイスター「悪魔は元ロンドン在住のBBAであって私ではないね」

上条「……でも撮影だけならノーカンでも撮影だけならノーカンでも撮影だけならノーカンでも撮影だけならノーカン!!!」

アレイスター「君もなんだかんだ言ってフリーダムだよね。まさに『汝、自身の思うところを為せ』ではあるが」

上条「オプションで衣装は変えられるんですか?」

アレイスター「できるよ、魔術であれば大抵は――ただし!」

上条「ただし?」

アレイスター「当たり前だが私はオルソラ君の全てを見た訳ではないので、再現できないんだよね。顔と手ぐらい?」

上条「騙したなァァァァァァァァァァァァッ!騙してくれたなァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」

アレイスター「というか全部確認済みなのは君の方じゃないのかい?」

上条「――あ、このチョコスッゴイオイシイですね!ありがとうみんなの統括理事長先生!」

アレイスター「元、だがね。ともあれ良い事をした後は気持ちが良い」

上条「てか普通にくれよ。男から貰うのは微妙だが、俺の女神――あ、違った、オルソラとの落差が激しいんだよな」

アレイスター「何をどう言ってもその言い間違えしないよね?アクタージ○ですらもっとこう、ぶっつけ本番で噛んだりしないよね?」

アレイスター「……まぁいいさ。私は帰るから禁書目録君と一緒に味わって欲しい。後で追加のチョコが配送されるだろうし」

上条「あぁそれは普通にありがとうございま……す?」

アレイスター「なんだね失礼なヤツだな。お礼を言うのだったらきちんと言い給えよ」

上条「あぁいやそうじゃなくて……お前、俺んチに宅配便頼んだの?」

アレイスター「そうだよ。本物のゴディ○は温度管理が厳しくて」

上条「あぁいやそうじゃなくてだ。お前、チョコの本店そのままの外見で向った挙げ句、俺の住所バラしてきやがった……?」

アレイスター「心配なくとも!全部のチョコには『上条当麻君へ、愛を込めて!』って書いてもらったから!」

上条「――歯ぁ食いしばれアレイスター!お前のっ!そのっ!幻想をぶち殺す……ッ!!!」

アレイスタ−「私をシバいたところで、上条当麻BL疑惑はもうキャンセルできないんだがね?」

上条「ほんっっっっつっとにタチ悪いなお前えぇ!!!」



(※なお私が読んだオカルト本によりますと、アレイスターさんは「子作り大好きなわりに生活力皆無のカルト教祖」です。ご応募ありがとうございました)



――とあるアジト

レッサー「――今年はバレンタインは中止になりました……ッ!!!」

フロリス「なんでだヨ。ローマ教皇死んだってクリスマスはあんだロ」

ランシス「……ローマ正教ってそうなの……?」

ベイロープ「『地上の代理人<<<(絶対に越えられない壁)<<<神・聖霊・神の子』だから、あまり重視しないのは確かね」

ベイロープ「個人的に喪に服したりするのは自由だし、今よりももっと教皇の権限が強かった中世じゃ別ね」

ランシス「王様とは違うんだ……」

ベイロープ「まぁでも教皇猊下がお隠れになった年に、アホみたいに騒ぐのはウチのダメな子ぐらいしかいないけど」

ランシス「やーい……ダメな子ー……」

レッサー「ウルサイですね誰がダメな子ですか!『この子は頑張ればきっとできる!』と言われ続けたレッサー=チャンに対して!」

フロリス「言われ続けてる時点で、なんかの目標をずっとアンインポッシブルってことだロ」

レッサー「細けぇことぁ以下略!そんなことよりもたった今連絡が入りまして『今年のバレンタインは中止します☆』だ、そうですよ!」

フロリス「アーもう面倒クセー、ツッコむのも面倒クセー」

ランシス「何の話……?てか理由は……?」

レッサー「『ハリー(※ヘンリー元王子の愛称)が腐れ×××に騙されて離脱したから』、ですって!」

ベイロープ「もっと、えっと……こう、あるでしょ?!ホラ吹くんだったらもっともらしい理由をつけなさい!」

ランシス「お題……『メガン(※メーガン王妃の蔑称・わざと短く呼んでアフリカ系を強調する)の次の一手を述べよ』」

フロリス「旦那と別れた後に暴露本を出版。タイトルは『王子様と私』」

ベイロープ「ロイヤルファミリーを外されたことに法的根拠がないと法廷闘争。そして何故か勝利する」

レッサー「カナダで調子ぶっこいていたら、タクシー事故でお亡くなりに。なおタンクローリーで後ろから突っ込んだのは私の模様」

ランシス「……流石レッサー……!頭オカシイレベルじゃ誰も勝てない……!」

レッサー「いやぁそれほどでも!」

ベイロープ「……しない、でょうね?ギャグじゃなくて本当にやらかさないでしょうね?」

フロリス「レッサーなら……うン、レッサーならやらかしてくれかなって」

ランシス「『……えー、ブレイキングニュースです。ただいま入りました情報に寄りますと……犯人はイギリス出身の少女とのことです……』」

ベイロープ「『国のためにやった、正直スカっとしたなどと、意味不明の供述を続けており』」

フロリス「『なおイギリス政府は該当する人物はいないと返答してるそーデ』」

レッサー「国のためを思ってしたことなのになんて塩対応!まぁムシャクシャしてやったのは事実ですけども!」

フロリス「その時点でオマエがしたくてやったんじゃねーカ。マァヒットマンしたい気持ちが分からないでもねーケドさ」

ベイロープ「醜聞量産機よね」

レッサー「そうですね……この私の志が例え万人に受け入れられずとも、皆さんは違いますよねっ!タイーホされてもずっと友ですもんね!」

ベイロープ「全てのアジトを廃棄して痕跡を消すわね」

フロリス「ハラ抱えて笑った後、アドレスを消して中古ショップにケータイを売るワ」

ランシス「つべに有料暴露動画をアップして一稼ぎする……」

レッサー「見たか!この無双の絆を!『絆とは家畜を繋いだ文字である』と某反社新聞が空気読まずに載せましたけど!」
(※震災直後、本当に紙面に載せやがったクソ新聞がありました。だったら『道』なんてのは狩った移民の首持って歩いた印)

ベイロープ「ていうか本当にやめなさいよ?フリじゃなくて多大な迷惑がかかるんだからね?」

レッサー「そう何度も念を押されますと、私の中の芸人スピリッツが謝罪会見でボケ倒せと囁くんですが」

フロリス「謝罪会見の意味分かってんのカ?あれ『体裁として謝ってるフリをしてますよ』ってスポンサーに見せる場所だゼ?」

ランシス「失った信用は中々返ってこない……」

レッサー「まぁ一万ドル弱貰って税金払う概念のなかった社会のゴミどもはいいとしまして、パレンタインが中止になった話ですよ!」

フロリス「ヤ、だからなんでだヨ。定番っちゅーほどの定番でもねーケド、別に誰かが音頭取って中止にする話でもネー」

レッサー「あぁいやそれがですね、イギリス清教のトップが代替わりしましたでしょ?」

ランシス「……うん、私たちのメンバー一人が抗争に関わってたのに、結局見切れるだけで終わってた……」

レッサー「私だって不本意ですからね!?上条さんがあんな楽しいゲフンゲフン大変なことになってると知ったら、一も二もなく駆けつけたというのに!」

ベイロープ「知ってた、わよね?『明け色の陽射し』のマスターと同行して情報貰ってたわよね?」

レッサー「私が駆けつけたところで『なにぃ!?知っているの雷○!?』役になるだけかと」

ランシス「ハマなんとかさんの方で……もうその仕事はしていたような……」

レッサー「新世・世紀末覇者HAMADURAのことはどうだっていいんですよ!そんなことよりもバレンタインですバレンタイン!」

レッサー「実はですね、極東アジア方面で流行ってるじゃないですか?新型インフル」

ベイロープ「不謹慎な事は言うなよ?万単位の患者がいて亡くなった人が数百人いるんだし」

レッサー「いや流石の私でも茶化すような真似はしませんて。例えフランスで起っていても、精々松明片手に奮戦するぐらいで」

ランシス「それなんて魔女狩り……」

フロリス「まぁ伝統あるっちゃあるけどナ。本場だし、取り敢えず焼いとくか?みたいな感じで」

レッサー「で、我らがダーリンの住まう日本でも禁止令が出たそうです」

ランシス「……なんで?」

レッサー「チョコという単語を一時伏せるとあら不思議!チ○コと読めなくもな――」

ベイロープ「――だらぁっ!!!」 バスッ

フロリス「オッ、今日も冴え渡るナイスな腹パンだナー」

ランシス「……『上条当麻被害者友の会』の、ジャガーなんとかさんに教わってた……」

レッサー「……こ、これから壮大なボケが始まる……と、いうのに……まさかの披露できない、なんて……!」

ランシス「やーい……ヘタレ−、ヘタレッサー……」

ベイロープ「死体蹴りはやめなさい。後できちんと埋葬しましょう――さて、おバカが消えたところで」 スチャッ

フロリス「オーイオイオイ、ベイロープどうしたー?ご機嫌カー?『爪』取り出して、ケンカでもすんのカー?」 ブゥンッ

ランシス「フロリスも……『翼』起動してるし……全く」 パキッパキパキパキッ

ベイロープ「あなたも『爪』を伸ばしてるけどね」

レッサー「……おぉう……」

ベイロープ「何やってんのよレッサー、ここであなたが『尻尾』を出す場面でしょう?」

レッサー「痛くて動けねーですよこのアマ!?あなたさんに強打されたお陰でゲ×吐きそうなんですから!」

レッサー「なんだったらみんなでシェアしたランチと感動の再会させてあげましょうか!?ご希望とあらばね!……うっぷ」

フロリス「スゲーなレッサー。霊装じゃなくてゲ×で勝負するつもりだよコイツ……!」

ランシス「それはそれで斬新……まぁいいや。それよりも――しよう、か……!」

――ズォンッ!!!



――とある通学路

上条「――気をつけろ!敵の魔術師の攻撃だ……ッ!」

姫神「上条名人。初手で王手に入りました」

上条「あぁいや何かそんな感じが。俺の居ない所でバトルが始まってる」

姫神「それは被害妄想……と。言い切れないところも業が深い」

上条「まぁ60億人もいれば誰かがどこかで何かしてるからな。それこそ世界征服しようとするアホだって複数形でいるだろうし」

姫神「頑張って生き残るといい――あ。そうだ。これを渡しておく」 スッ

上条「すいません、ありがとうございますっ!……義理、ですよね?」

姫神「ううん。本命」

上条「――マジでっ!?」

姫神「――って言ったらどうする?」

上条「お前はアレか、からかい上手の高木さ○か。クラスにあんな子いたら二人ともハブってるわ」

姫神「他に女子に自分の獲物だと牽制しつつ。相手はもう逃がさない超肉食系女子。格好良いよね」

姫神「しかし残念だけれど今回はヒロイン力が足りていない。具体的には需要がなかった」

姫神「……ふふ。最初期から出ているのにどうせ第三期も……」

上条「ありがとう姫神さん!俺、姫神さんから義理でも嬉しいぜ!」

姫神「どういたしまして。不必要な女子力を使ってみました」

上条「いや使い道がないってことはないんじゃないかな――あ、ごめん姫神、ちょっとコンビニ寄ってきていいかな?」

姫神「そう?先に行ってるから心配しなくていい。また学校で」

上条「あぁうん、また学校で」

上条「……」

上条「……あれ?いつも校門近くで会うのに、なんで今日はこっちまで来てんだ……?」

ベイロープ「――だっしゃあ!」 バスッ

上条「そげぶっ!?」

ベイロープ「違うでしょうが!そういうこっちゃないでしょうが!?」

上条「べ、ベイロープ、さん……?」

ベイロープ「もっとこう、あるのだわ!?勇気を出して来てみました!的な!違う!?」

上条「ちょっと何言ってるのか分かんないですけど……」

ベイロープ「ちょっとリップ入れてたでしょう!?軽ーく化粧してたでしょう!?あぁもうこれだから!」

上条「オイなんで路上で俺が説教されてんだよ。てか君が姫神の何を知ってんだよ」

ベイロープ「――はい、これ!ついでにとっておきなさい!それじゃあね!」

上条「あぁどうも……つーかこれもチョコレートの包み……?」

上条「……」

上条「あ、新手のツンデレ通り魔……?」



――コンビニ

店員「らっしゃあセー、あいっスー」

上条「えっと……弁当弁当……なんか腹にダメージが来てるから軽めの鳥弁当でいいか。あとお茶をっと」

店員「ありあっしゃー、あったってしゃっしゃー?」

上条「いえ大丈夫です。持ち帰りなんでむ

店員「お会計425円になりまーす。カードで?」

上条「現金でお願いします」

店員「はい……丁度ですね。あ、サービスでウェットティッシュとチョコ入れときますネー」

上条「あっはい、ありがとうございます」

ブーン

フロリス(店員)「――フッ、我ながら見事な渡し方だったゼ……ッ!」

上条「――な、訳ねぇだろ!分かってたわ!店内入った瞬間から『何やってんだコイツ』って気づいてたわ!」

フロリス「流石はゴミレベルでも能力者かヨ……!」

上条「ゴミ呼ばわりすんなよ!殆どは大したことないんだからな!」



――モノレール車内

上条「……」

上条(なんだろう……今日は妙に混んでる、ような気がする。いつもに増して3割ぐらい?)

ラクロス服の少女「あ……すいません」 ギュッ

上条「あぁいえいえ、別に――っ!?」

ラクロス服の少女「どうかした……?」 スリスリ

上条「んん!?あぁいや別に最近春ですねって言うか!?くっ!?」

ラクロス服の少女「……体を楽にして、受け入れて……?」 ギュッ

上条「それ以上は、ダメ――堕ちちゃう……!!!」

上条「――じゃ、ねぇよ!?何テメー人の体をスリスリサワサワコスコスしてくれてんだよ!?」

上条「気持ちいいだろ!金払ったらもっとやってくれんのかアァッ!?」

ランシス(ラクロス服の少女)「視点が斬新……」

上条「……てか君、レッサーの悪い友達の」

ランシス「……」

上条「……なに?」

ランシス「……興奮してきた」

上条「あぁそうだコイツそういうヤツだった!レッサーと違って目立たないけど、中身はルナティックだった!」

ガチャンッ

上条・ランシス「はい?」

白井「――はい、7時56分、秩序を乱す条例違反で逮捕、ですわね」

上条「あの……俺にも手錠かかってんですけど……?」

白井「もう大丈夫ですわ、この男に無理矢理させられていたのでしょう?」

上条「違うわ!俺被害者!主犯そっち!」

ランシス「……助けて、おねーさん……!」

白井「なんて痛々しい……!」

上条「ずっっっっっりぃぃぃな!掌返すのマッハ過ぎんだろうがよ!」



――校門前

上条 トボトボ

レッサー(くっくっく……来ましたよ、来やがりましたよあのヤローが!笑いの刺客の攻撃を受けてHPは点滅状態!)

レッサー(ここで私がもう一押しすれば!あの男も感極まって日本国籍離脱に判を押してくれるはず……!)

???「あー……間に合ったわー」

レッサー「――百年と20日前から愛してまし、た……?」

青ピ(???)「……」

レッサー「あ、すいません。人違いでした、本当はあなたの後ろのヤローにですね」

青ピ「そっか――じゃ、結婚しよか?」

レッサー「ヒイィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!?全身にサブイボが!?」

青ピ「心配いらへんて!誤解から始まる恋もあるんやで?」

レッサー「誰か!誰か助けてーーーっ!?特にそこの上条さん!」

上条「……ごめん。風紀委員の取り調べが意外にキツくって、疲れた」

レッサー「私の方が一大事ですよ?!見てくださいよこのストーカーっぽいエロ汚い顔を!」

上条「たまには追われる立場になってみれば?」

レッサー「やり直しを請求しますよ!今からでも『レッサーちゃんさんとヘタレ条さんとのラブラブを見せてください 」と投稿するんですよ!」
(※募集は終わりました)

青ピ「じゃまず茶あでもしばけへん?ガッコなんぞサボったらエエし?」

レッサー「生理的に無理です!ごべんなざいっ!」



(※なお最終的に姫神さんベイロープさんフロリスさんと計三個貰ったようです。ご応募ありがとうございました)



――ロンドン塔 囚人房

ヴィリアン「――で、ですね、お姉様ったら酷いんですよ。『私は裏方が性に合っているんだ、だからやれ』と」

ヴィリアン「お母様も『まぁクソニートは表に出れないんだから仕方がないんだ、よってお前の隠された力を発揮するときが来た!』ですって」

アックア「……」

ヴィリアン「聞いていますかオルウェル?女性をリードする軽快なトークをあなたに期待はしていませんけれど、せめて相づちぐらいは打ってくださいませんか?」

アックア「……あぁ、聞いているのであるな。何か役目を押しつけられたようであるが」

ヴィリアン「あら!?今日は口をきいてくださいますのね!前回は二時間私が喋りっぱなしなのに、全然口を開いてくださらないからどうしようかと思いました」

キャーリサ「あー、それはアレだ。男の見栄ってヤツだよ」

ヴィリアン「お姉様には聞いておりませんが」

キャーリサ「隣の房なんだから少しぐらいおしゃべりしたっていいだろー?実の姉に向って」

ヴィリアン「実の妹を斬首しようとはしないと思いますけれど……」

キャーリサ「ノリでやった。反省はしてないし」

ヴィリアン「……はぁ、まったく。『本来はキャーリサの役回り』とお母様がボヤいておりましたわ」

キャーリサ「私の話はどうでもいーし。それよりこの間お前が帰った後、大変だったんだぞー?」

ヴィリアン「大変、ですか?」

キャーリサ「そうだとも。腐って腐って頭の中がお花畑だとしても、お前は王女。どーにもアックアの態度が気に食わんヤツが居たらしくてな」

ヴィリアン「まさか!?拷問でもされたのですか!?」

キャーリサ「三食エスカルゴ料理になったらしーぞ」

ヴィリアン「なんて残酷な!?私だったら泣いてしまいます!?」

アックア「……傭兵はそのぐらいで動じないのであるな」

キャーリサ「いや、最初から水だけ飲んで料理本体には手を付けなかったらしーぞ」

アックア「エスカルゴは食べて良い物ではない!」

ヴィリアン「まぁ、私もアレはどうかと思いますけど……正式な場で出されたら頂きますが」

キャーリサ「このアホの肩を持つわけではないけど、段々こう悪質になっていってだなー」

ヴィリアン「とは?」

アックア「エビア○のボトルにエスカルゴのゆで汁を混入してきた……!あれは初見殺しであるな!」

ヴィリアン「それなんてガキ使○」

キャーリサ「もう嫌がらせだと出す方も隠さなくなって来てだ。エスカルゴの姿煮や丸焼きとレベルは徐々に上がりー」

キャーリサ「最終的になんだったか?刺身?」

アックア「『シェフ・アンジェレネが捕まえてきました。素材の味を楽しんでください』と、雑に書かれたメモが貼付された生カタツムリが……!」

ヴィリアン「SAN値が下がりますね。あとカタツムリは素手で触るのは危険だと」

キャーリサ「というか普通のエスカルゴ料理では、何食ったか分からないから数日絶食させたり、養殖のを使うのが一般的だけど」

キャーリサ「ここの料理当番が近所で捕まえた『エスカルゴに見えなくもないカタツムリ』で、流石に心が折れたそーだ」

ヴィリアン「はぁ……お姉様もオルウェルも中々ヘビーな状況にあるのですね」

キャーリサ「いいや?私はその間、当てつけのように普段の食事より数段グレードアップしたイタリア料理を食べていたが?」

ヴィリアン「イタリア料理は美味しゅうございますからね。この一連の嫌がらせの主犯が『あぁあの赤毛の子たちだな』って納得致しました」

キャーリサ「なので好きなだけ喋るといーし。私に感謝を忘れないよーに」

ヴィリアン「お姉様に何一つ感謝はしておりませんが、オルウェルが無視してくださらないのは嬉しいです」

ヴィリアン「というか、そうそう。今日はバレンタインの日ですので、お二人にプレゼントが」

キャーリサ「自決用の毒か?」

ヴィリアン「またお姉様はそのようなことを仰って!もう本当に嫌いになりますからね!?」

アックア「……あれだけのことをされてまだ嫌いになっていないのであるか?シンデレラ越えを果たしているのに」

キャーリサ「どーだー?怖いだろー?私が言ってた狂気のヴィリアン様はこういうところなんだぞー?」

ヴィリアン「私は至極真っ当な常識人です!お二人がおかしいんですよ!」

アックア「……まぁ、我々もどうかはしているのであるが」

ヴィリアン「で、市販品ですがチョコレートです。日本ではチョコを送るのが一般的だと教わりました。お姉様もどうぞ」 ゴソゴソ

キャーリサ「一般的、か?というかこれ、牢の隙間から入れていいのか?」

アックア「事前に検査はされているのであろう。問題はないのである」

キャーリサ「あー、まぁ、そーだろうな。ここへ来るのにだって全身調べられるだろーな」

ヴィリアン「いいえ?私は一度もそのようなことをされておりませんが?」

アックア「それでいいのか『必要悪の教会』」

ヴィリアン「今日だって可愛らしいシスターの方が、『ば、バレンタインいいですよねぇ!チョコ美味しいですもんねっ!』」

ヴィリアン「『お、王室の方はどんなのを食べているんだろうとか!あ、あぁいやいつもすいませんねおかし貰っちゃって!さ、催促してる訳じゃないんですが!』」

キャーリサ「たかだか菓子で買収された間抜けの名前を教えろ。私が外へ出た初仕事がソイツの首を刎ねることだ」

アックア「ナチュラルに買収しているのであるな。人徳……むう、人徳、か?」

ヴィリアン「だから冗談でも酷い事を仰らないでください!子供なのに頑張ってくれてるんですよ!」

アックア「……話を聞くにアニェーゼ部隊であるが、彼女らは『騎士派』から逃げ回る程度の実力があった筈である」

キャーリサ「そーだな。実力差を見極めて立ち回るのは優秀な証拠、『正面から当たって砕けろ!』のアホどもも見習ってほしーし」

アックア「『騎士派』の悪しき因習であるな。悲劇的な死を望み、英雄になりたがる傾向がある」

キャーリサ「ま、大抵は無駄死になんだがな」

ヴィリアン「ですからお二人とも、そんな死ぬとか砕けるとか怖い話ばっかり……」

キャーリサ「何人かは必要なんだよ。お前の嫌いな軍隊だって、ない国を探すのが難しい」

ヴィリアン「南米の方にありませんでしたっけ?」

アックア「あそこは警察が軍隊並の武装をしていると共に、軍隊がクーデターを起こすと困るから結成していないだけである」

ヴィリアン「……政情不安なのですね」

キャーリサ「不安定ながら安定しているとも言える。独裁を安定と呼べるのであれば、だけど」

アックア「そんな国を全て打倒していては埒があかないのである」

ヴィリアン「……そうですねぇ。私ももっとお勉強しなければいけませんし、立場も変わるのですから」

キャーリサ「まー努力するのは悪いことではないの。精進するがいーし」

アックア「受刑者が何を上から目線であるか……と、いうかヴィリアン王女、気にはなっていたのだが」

ヴィリアン「はい?」

アックア「エリザード陛下と賢姉王女から何か役目を仰せつかった、と仰ってるているが、具体的に何なのであるか?外交使節?」

ヴィリアン「えぇと……?あぁいやだ、言ってませんでしたっけ!私ったら!」

キャーリサ「どーせ飾りだけの大したことなく職だろー?血統と顔と人並みの自制心があれば誰だって務まるし」

アックア「顔は関係ないのである。まぁ、見目麗しければ得であるが」

キャーリサ「てゆーかお前この職って結婚までの腰掛けじゃないのか?勤務先の直属部下が、結婚相手だってよくある話だぞ?」

アックア「『騎士団長』はいつも泣いていたのであるな」

ヴィリアン「私も!姉様とはお似合いだと思います!騎士とお姫様で!」

キャーリサ「残念、私に楯突かない相手に興味はないし。まぁこの国のためならオーク相手にだって嫁ぐがな」

アックア「立派な覚悟である」

キャーリサ「ただまー?人物としての重要度を鑑みて、その大役は妹にこそ先に振られる傾向があって」

アックア「……」

キャーリサ「魔力が漏れているぞ、『右席』がその程度で動揺するなし」

ヴィリアン「何のお話でしょうか?」

キャーリサ「甲斐性無しの話だ。まさか小娘一人のために人間辞めかけたバカの話と言ってもいーし」

アクッア「国を守るためである。あなたと私でそう大差ないように思えるが?」

キャーリサ「否定はしない――で、妹よ。お前が新しく仰せつかった役とはなんだ?」

ヴィリアン「『最大教主』です。イギリス清教のトップですよね」

キャーリサ・アックア「ちょっと待てやコラ」

ヴィリアン「は、はい?何ですかお姉様だけでなくオルウェルまでそんな輩のような」

キャーリサ「待て待て待て待て待て待て!?お前がか!?ジョークじゃなくて!?本当に!?」

アックア「ヴィリアン様、このオルウェル生涯一度の願いとして、その役目だけは辞されるのが良いかと思うのである」

ヴィリアン「もう!お二人とも極端ですよ、確かに大変なお仕事だって聞きましたけど」

キャーリサ「違うから!お前が思ってるその万倍ブラックでラグーンな職場だし!」

アックア「ラグーンは……まぁ雰囲気的にはあんな感じであるな」

ヴィリアン「補佐役として『黄金』?とかいう組織の方にもお手伝いを」

アックア「どの黄金でも例外なく人外なのである!」

キャーリサ「『黄金』の中でも最大最悪はあの人でなし理事長だが、他のも大抵道は踏み外しているし。てか誰だよ」

ヴィリアン「フォーチュンさん、というとても珍しいお名前の方と」

キャーリサ「……どうだ?知ってるか?」

アックア「中では、まぁ常識人、であるな?元心理学者で医者でもあり、小説家でもある」

ヴィリアン「あ、そうなのですね!今度お目にかかるまで読んでおきましょう!」

キャーリサ「というか愚妹、ググろうとは思わなかったのか?」

ヴィリアン「当然調べましたけど、同姓同名の方だけがヒットしまして」

キャーリサ・アックア「恐らく本人だよ」

キャーリサ「どーしたものか……オルウェル、これは流石に、なぁ?」

アックア「先代ほどの手練手管は上の王女様ですら無理であるな。あなたのような非人道な方でも、恐らく届くまい」

キャーリサ「『悪魔よりもアレ』ってのは喜んでいーわけ?」

アックア「前代がやっていたのは情と非情を巧みに使いこなしていた。ムチだけでは馬も走らないのである」

キャーリサ「しょーじき、この子に適性はあると思う?」

アックア「チェスを始めた当日にレジェンド・チャンピオンに勝てる確率ぐらいは、恐らく」

ヴィリアン「お二人とも酷いですよ!私だって承るからには覚悟を決めてるんですから!」

キャーリサ「まず落ち着け、そして冷静になるの。お前は『最大教主』の仕事を何と心得るし?」

ヴィリアン「何ともなにも。イギリス清教のトップですよね、教会関係のお仕事では?」

キャーリサ「アレだぞ?クリスマスにはミニスカサンタ、イベントではメイド服を着るんだぞ?」

アックア「大分世界軸がブレているのであるな。まぁそういう頭が悪すぎる目撃情報もあるにはあるが」

ヴィリアン「あと、いつも良くしてくださるシスターの子達の監督役?みたいな感じだってお母様が」

キャーリサ「おい大変だぞ!ここへ来ることすら罠だったみたいだ!」

アックア「なんて狡猾な……上の王女の差し金であるな!」

ヴィリアン「もうお二人とも意地悪なんですから!」

キャーリサ「……まぁ私は別にお前がぶっ潰れようと大して気にはしないからいーけど。お前はマズいんじゃないのか?」

アックア「流石にこの人選は暴挙としか言えないのであるな。『黄金』が補佐しようと『最大教主』に就くからには、責任も伴うのである」

キャーリサ「あーこれはアレだ、この話はもしかして織り込み済みなんだろーな」

アックア「で、あるな。流石というか、奸智に長けたというべきか」

ヴィリアン「何のお話でしょうか?」

アックア「ヴィリアン様、誠に勝手ではございますが、『最大教主』就任の折にはオルウェルをお側に置いて頂けないでしょうか?」

アックア「凡夫非才の身ながら、誠心誠意お仕えする所存でございます――で、あるが」

ヴィリアン「……」

キャーリサ「なんで長考しているんだ愚妹よ。一応コイツは女の趣味の悪さと以外に欠点はそこそこない男だし」

アックア「何の話であるか……ヴィリアン様?」

ヴィリアン「え、はいっ!ふつつか者ですが、私て宜しければ是非!」

キャーリサ「また数段階ぶっ飛ばした返答だな。キングクリムゾ○か?」

ヴィリアン「あ、いいえっ!お母様とお姉様はこう仰ったのです――」

ヴィリアン「――『オルウェルは恥ずかしがり屋さんだから、きっと就任にかこつけてプロポーズしてくるぞ』と」

アックア「ちょっと待つのであるな?もしかしてこれ詰んでいるのであるか?」

ヴィリアン「……ま、まぁ?オルウェルがそういうのであれば、私もそろそろ適齢期ですし知り合いですし嫌いではないのでお受けしてもいいのですけれど」

アックア「いや、あの」

キャーリサ「ちなみに断ったら?」

アンジェレネ「い、イエスと言うまでエスカルゴに見えなくもないカタツムリを牢の中へリリースします、よ?」

ヴィリアン「なんて頼もしい!」

アックア「あの少年を殺っておけばよかった……!後腐れ無いようにしておけばこんな事態にはならなかった……!」

キャーリサ「ざまぁwwwwwwww義弟として死ぬまでイジってやるし」



(※ヴィリアン様リクは珍しいのでつい。しかしアックアさんとの婚姻話はどうなるんでしょうね、観念するまで幽閉してんでしょうか。ご応募ありがとうございました)



――上条家のアパート

上条「……なぁ、インデックス。俺いつもいつも思うんだけど、黄泉川先生んチは『黄泉川家のマンション』とか出るのに、俺の時だけアパート扱いはどうかと思うんだよ」

インデックス「冒頭から凄い僻んでくるよね!でもそれは寮生と先生の違いじゃないかな!」

上条「てかお前テレビに齧り付いてっけど、もう少し離れて見ないと目が悪くなんぞ」

インデックス「それは迷信なんだけど……まぁチカチカするのは良くないんだよ」

上条「そこはうん、俺らも無関係じゃないからフワっとした感じで行こうぜ。腫れ物に触れるような感じで」

インデックス「はーい、なんだよ」

上条「てか最近アニメ以外も見るようになったよな。何のバラエティ番組?」

インデックス「『ユーは何しに学園都市へ?』」

上条「……うん?」

インデックス「なんかね、ローカル番組だけど大人気なんだって!あいさとひょうかも見てるって!」

上条「あぁいや俺が引っかかったのは別に疑ってるわけじゃなくてな?えっと……まぁ最期まで聞いてからツッコむわ。どんな内容?」

インデックス「この街の空港ってあるじゃない?私たちも何回か出国してるとこなんだよ」

上条「出国っていうか、お前はそっから来たんだよ。てかよく密入国できたよな、下手な国よりかかなり厳しいって話なのに」

インデックス「あのときはね、ちけっともぱすぽーととか、困るとバッグが目に前に置いてあったんだよ?神様は私たちを見てくれてる証拠だね」

上条「随分対応甘々じゃねぇかカンザーキ=サンとス・テーイル=サンさん。まぁ本気になったらイギリスすら出られないとは思うが」

インデックス「で、この番組はね、そんな学園都市へ来たユーさんにお話を聞いたり、同行取材するって企画なんだよっ!」

上条「見たわー、そんな番組テレ○の番組で見たことあるわー」

インデックス「あー、真似っこは良くないんだよねー。そういうのがきょーそーりょくを削いで、ぎょーかい全体の衰退かー、みたいなね」

上条「タピオカ専門店が今年の夏まで生き残れるかどうかの話だな。ちなみに俺は無理だと思う」

インデックス「そんなことないんだよ、私は甘くて美味しいと思うんだよ!」

上条「お前がダメだった食べ物言ってみろや。好き嫌いないのは結構だけどさ」

インデックス「ただあのプチプチしたの邪魔なんだよ?あれが入ってなければもっと美味しいかも!」

上条「その邪魔だっつってんのがタピカオミルクティーさんの本体だよ」

インデックス「そんな日本にタピリに来たユーさんとかをクローズアップするのがこのテレビなんだよ……ッ!」

上条「なぁインデックス、テレビじゃなく俺の目を見て言ってくれないかな?君今『日本に』っつったけど、それ本家の事だよね?」

上条「てかウチでも映る番組を事前に知っていなきゃ出て来ない台詞だよね?シスターとしてどうなの?」

上条「――まっ!シスターっつっても人を集団で襲ってきたり拷問用具で殺そうとしたり、そういうのが本場の人なんだって俺知ってるけども!」

インデックス「言いたい事は分かるんだけど、少し静かにしてくれないかな……」

上条「てか俺も興味ある。何かもう恥の概念をどこかへ置き忘れてきたようなコンセプトだし、どれどれ……?」



――ユーは何しに学園都市へ?

インタビュアー『――はい、っていう訳で始まりましたバレンタイン回!今日も面白おかしくイジって行きたいと思います!』

インタビュアー『てかバレンタインも何も関係ない気がしますが、なーんか素敵なコイハナあったら聞きたいもんですが、さてでは誰にしましょーかねー』

バードウェイ『……』

インタビュアー『あ、手頃なユーを発見!外見が良いユーは視聴率にも直結するんですよね!』

インタビュアー『すいまーん。ちょっとお時間頂いてもいいですかー?インタビューしたいんですけど』

バードウェイ『Japanese cannot be spoken. Go there.』
(日本語話せないんだよ。あっち行け)

インタビュアー『そこをなんとか!今頃「天使降臨!」とか「この子は俺の嫁!」とか実況板で盛り上がってる思いますんで!』

バードウェイ『Ruining benefits the person in this country.』
(もうこの国は滅んだ方がいいんじゃないか)

インタビュアー『えー、ちょっとだけですよちょっとだけ!軽いインタビューしつつも同行できないか圧力をかけるだけですから!』

バードウェイ『……』

インタビュアー『てかさっきのキャンノットは普通キャントって省略しません?あぁ、お子様だからですね!』

バードウェイ『違うわボケ!強調構文で京都人がぶぶ漬け出す時に丁寧な言い方すんのと一緒だ!』

インタビュアー『エッラい流暢な日本語罵倒とローカルネタが返ってきましたけど……なんだよ−、日本語喋れるじゃんよー』

バードウェイ『急にタメ語か!?馴れ馴れしいにも程があるだろ!』

インタビュアー『ユーは何しに学園都市へ!?』

バードウェイ『あぁこれアレだな。RPGで「はい」を選ばないとずっとずっとループが続くヤツだな』

インタビュアー『照ーれーるーなーよー、なっ?』

バードウェイ『修羅場を潜りすぎて怖いものなしになってるぞ?大丈夫か?』

バードウェイ『あぁいや私はだ、学園都市のカリキュラムについて少々な』

インタビュアー『ほう、というのは?』

バードウェイ『妹が研究職――この街の能力開発以外の分野で、外様の人間はどうなっているのかを調べに来た』

インタビュアー『ほう、だから?』

バードウェイ『まぁ普通の科学者として真っ当に仕事が出来るのか、能力に見合った扱いを受けられるのか、だな』

インタビュアー『ほう、つまり?』

バードウェイ『もうないぞ?てかこのインタビュアー大丈夫か?人の話を聞いているようで全然聞いてないぞ?』

インタビュアー『観光ですか!いいですよね!』

バードウェイ『私の時間を返してくれ。利子をつけて返してくれ』

インタビュアー『あぁでもお一人ですか?治安が悪いって事はないですけど、流石に一人じゃあ不便じゃないですかね?』

バードウェイ『連れがいる。心配はな』

マーク『ボォォォォォォォォォォォォォォォォスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!』

佐天『BOSE?音響メーカーですか?』

バードウェイ『あだ名だ。というかいいなそれ、次からはそれ使おう』

マーク『あーボス!いたいた、荷物忘れてましたぜ!』

インタビュアー『あぁお連れさんいたんですね。なら安心ですか』

バードウェイ『まったく。もう少し落ち着いてほしいものだ――』

マーク『折角上条さんのためにってチョコ作ってきて密輸したんですから、忘れちまったら洒落になりませんって!』

バードウェイ・インタビュアー『……』

マーク『どうぞ!しっかり持って来ました!』

バードウェイ『……あー、っとだな。違うんだ、お前が考えているような事じゃあないんだ』

インタビュアー『ホッホゥ!つまり!?』

バードウェイ『これはアレだ、最終的に太らせてから成人病にして、寿命を早めさせようとする壮大な暗殺計画がだな』

インタビュアー『――以上、ナイスツンデレのユーさんでした!』

バードウェイ『最後まで人の話を聞かんヤツだなオイ』



――ユーは何しに学園都市へ

インタビュアー『――すいまっせーん!「ユーは何しに学園都市へ?」って番組なんですけど、ちょっとお話聞かせて貰ってもいいですか?』

神裂『……あっはい――って、私日本人……ですよ?』

インタビュアー『まったまたぁ!そんな破滅的にお洒落な服着てる人が日本人な訳ないじゃないですか!』

神裂『これです。日本国籍だった頃からずっとこんな感じでしたよ?』

インタビュアー『国籍ってことは今は海外にお住みになっちゃってる感じでしょうかね?』

神裂『えぇまぁ一身上の都合で少し。しかし私の魂は日本人だと今も思っていますけど』

インタビュアー『ちなみに今日学園都市へいらっしゃった理由なんか教えてもらえますか?』

神裂『友人にプレゼントを渡すためにですね。こちらはそういう時期なのでしょう?』

インタビュアー『バレンタイン告白キターーーーーーーーーーーーーーーーー(`・ω・´)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!』

神裂『同性の友人です。そして私も彼女も聖職者です』

インタビュアー『「それはそれで捗るよね……ッ!」――と、あたしの第六感がテレビの前の視聴者の意見を受信しました!』

神裂『それが嘘でも本当でも病んでいますね』

インタビュアー『まぁ冗談はさておき、プレゼントというのは伺っても?』

神裂『構いませんよ。同じくシスターの友人達から預ったメッセージカードとキャンディぐらいですし』

インタビュアー『マジなんですね。イジってすいませんでした』

神裂『いえいえ分かって頂ければそれ――』

建宮『プゥゥゥゥゥゥゥゥゥリェーーーステエェェーース!!!』

神裂・インタビュアー『……』

建宮『大事な!大事なお衣装をお忘れなのよな!女教皇の命より大事なお召し物を!』

建宮『本来の目的である「少年を誘惑して次代の血を残す大作戦☆」の発案者である!こぉの建宮が忘れ物をヘブオォォッ!?』 ドバスッ

神裂『……ふう。久々の日本で疲れていたんですね。こんなところで眠ってしまっては風邪を引きますよ?』

インタビュアー『あ、あのう?あたしの目では追いきれませんでしたが、恐ろしく早いブレーンバスターが繰り出されていたような……?』

神裂『気のせいですよ。天草式高速ブレーンバスターなど披露するはずないじゃないですか』



――ユーは何しに学園都市へ

インタビュアー『なんかこう予断を許さない状況といいますか、オチ二つがほぼ同じでどうすんだといいますか。まぁそんな感じではあるんですが』

インタビュアー『ともあれです!放送の尺的にもうお一人ぐらい吶喊してお話を聞こうと思います!レッツあたし!頑張れあたし!』

インタビュアー『さぁ適当に歩いている方をきちんとクローズアップ!すいませんちょっとお話伺っても――』

オリアナ『何?おねーさんに用かしら?』

インタビュアー『海外のセクシー女優の方ですよね?』

オリアナ『言葉を慎みなさい中学生。フワッとした言い方をされても本質は同じだから』

インタビュアー『や、あの、どう見ても露出過多って言いますかねカタギじゃねぇぞって雰囲気がビシバシ来る感じで』

インタビュアー『そうですね……例えるならば「エ×同人ゲームで堕落度がカンストした後に着れるような衣装の方」、でしょうか』

オリアナ『その比喩表現で一体何人が「うんうん分かる分かる」って納得すんのよ、誰が』

インタビュアー『今日はどういった撮影を?』

オリアナ『違うわよ!ただの運び――もとい!日本語で言えば個人的な宅配業者みたいなものかしらね!』

インタビュアー『へー、そういうご職業もあるんですかー。てかまぁいつの間にか大手通販業者が世界を牛耳ってますけど』

オリアナ『流石に荷物は見せられないけど。古い本とか聖遺物、注意して運搬しなくちゃいけないもの、なんかの依頼が多いわね』

インタビュアー『あ、じゃあ学術的な何かを持ち込む感じで?』

オリアナ『ううん、プライベートよ。日本へ来たのは仕事だけど、預った荷物は個人的に頼まれたヤツだから』

インタビュアー『ちなみに中身は?』

オリアナ『おっきいシスターさんとちっちゃいシスターちゃんの善意、かな』



――ユーは何しに学園都市へ

インタビュアー『すいません。今度こそカタギの人じゃあないですよね?』

サーシャ?『回答一。その筋の人間であるとの問いであるならば否。職も人とも違う』

インタビュアー『……なんでしょーね。さっきの恥女系お姉さんはまだ分からないでもないんですが、このSMチックな少女はその手のお店から逃げてきたとしか……!』

サーシャ?『回答二。逃げてなどいないぞ。私は、私たちはいつもここに居てどこにも居ない』

インタビュアー『……この、あたしが気圧されてる、だと……!?』

サーシャ?『提案一。佐天涙子は疲れている、ゆっくり休むと良い』

インタビュアー『あ、あれ?あたし名前言いましたっけ?記者パスもデタラメ書いてあるはずなのに』

サーシャ?『回答三。つまりはアレだ、甘味をくれるというのだから貰いに来た』



――上条家

上条・インデックス「……」

インタビュアー『さーて、どうだったでしょうかバレンタインスぺっっっっっしゃる!ほぼ全員飛び道具でしたね!』

インタビュアー『この中のどのユーについていったのかは来週発表!どうかお楽しみにねっ!』

インデックス「……とうま?」

上条「……いや、うん。サーシャ、っつーか多分アレ中身ミーシャなんだろうよ面倒クセぇなぁ!」

上条「てか来てんのかよ!?この流れだとここに来」

ピンポーン、ピポピポピポピンポーン

インデックス「超連射されてるんだよ」

上条「――すまんインデックス。俺は今から世界を救う旅に出なきゃいけないんだ……ッ!」

インデックス「回転率早くないかな!?イギリスからばかりなのにもう行くの!?」

上条「だからここは上手く誤魔化しておいて――」

インタビュアー(ドアの外から)『――あ、すいませーん!学園都市ケーブルテレビのものなんですけどー!』

インタビュアー(ドアの外から)『オンエアされた分の方の目的地が全員ここだって聞いたもんで、是非修羅場を撮影させて頂けませんかねーーー!?』

上条「帰れ帰れ!お前らの養分じゃないぞ俺は!?」

インデックス「ほーそーされたら大惨事だよね。実はちょっと出てみたいんだけど、こういう出方はイヤなのかも」



(※今回誰を出すか迷ったのですが、イギリスのシスター勢を除いたらあんまいないんですよね。ご応募ありがとうございました)



――新生『アイテム』のアジト

浜面「『――騒々しい、静かにせよ』」

滝壺「はまづら、それ違う人。天然なところは、まぁ共通してると言えなくもないけど……」

滝壺「……てか、鏡に向ってなんでポーズの練習をしてるの……?フレメアが少し怯えてた……」

浜面「……なぁ滝壺。俺は常々言ってると思うが、俺はさ、大きな男になりたいんだ……!」

滝壺「あー……昔っから言ってたよね。すきるあうとのなんちゃらって」

浜面「まぁ今にして思えばだ。可愛い彼女と隠れ巨乳の彼女と世界一気立ての良い彼女を持った俺は勝ち組になった――」

浜面「――けど、それだけじゃダメなんだ!まだ足りねぇんだよ!」

滝壺「そんなに誉められてもバニー服ぐらいしか出ないけど……足りない、の?」

浜面「守るための力が……!大事な人や仲間を守るための力が欲しい!」

滝壺「……それと、今のポーズとどう関係が?」

浜面「俺もみんなを護るために――☆3のレアキャラになりたいんだ……ッ!」

滝壺「……ちょっと何言ってるのか分からない。なに……?」

浜面「あぁホラ、見てくれよ、人気あるJCとか人気ある白い人とか、人気あるキャラがレアリティ高く設定してあるだろ?」

浜面「と、すればだ?主人公の一人である俺にも当然この仕事が回ってくるに決まってるだろ?そのための練習さ!」

滝壺「……」

浜面゜見てくれよ、最初はぎこちなかった『アイン○様王者のポーズその29』も今じゃすっかり俺の物に!」

滝壺「……はまづらの、バカッ!」 ボスッ

浜面「テンパッ!?」

滝壺「もっと現実を見ないと……!確かに、確かにはまづらは主人公”格”の一人」

滝壺「……だけど!『あ、これ別に浜面じゃなくて良くね?』ってみんなが言ってる……!」

浜面「そ、そんなはねぇよ!俺じゃなかったらあの子の心は解けなかったぜ!」

浜面「大した力もないけど誰かのために何かしたかった俺が居なきゃな!……そうだな、大将だ。上条が居たとしたら――」

滝壺「……たら?」

浜面「……フラグ立ててヒロインに昇格してアッサリ助けた、よね……?」

滝壺「そう、かもしれないよね」

浜面「いやいや待て待て!一方通行は無理だぜ!あの男が俺の立場だったら――」

滝壺「『――使ってやっから、さっさと立て』とか言われて復帰しそうな……」

浜面「ヤメテェェェェェェェェェェェェェェェェッ!?俺の存在意義を奪わないで!?」

滝壺「……というかはまづら、浜面は人気があると思っているけど……人気投票じゃ選外」

浜面「あ、あれは仕方がねぇんだよ!大分前に『三期?ナイナイwwwwwwww』って言ったのを、ダメなファンがいまだに根に持ってるからだよ!」
(※忘れていません)

滝壺「違う……!だったら頑張ったわたしがランクインしてそうなのにいなかったのは、どうして……?」

浜面「それは――」

滝壺「……答えは上位陣を見ればよく分かる……みんな、乳が貧しい……!」
(※個人の意見です)

浜面「け、けどよぉ!」

滝壺「『アイテム』から入ったのもきぬはたとふれんだだけ……はまづらとむぎのの死闘よりもみんなだいすきJC……って現実が!」
(※個人の意見です)

浜面「……」

滝壺「……楽に、なろう?はまづらは頑張ったけど、わたしのヒーローだけで充分だよ……」

浜面「許してくれ滝壺。俺はお前さえいれば他に何もいらない――なんて、言えないんだよ」

滝壺「……はまづら」

浜面「強くなって有名になってモテモテになりたい……!道を歩いているだけで女の子に囲まれたい、それだけなんだ……!」

滝壺「死ぬか、あ?」

浜面「――っていうのは冗談だが!力はあって困るモンじゃねぇでしょーが!」

滝壺「まぁ……わたしもまだまだ酷い目に遭いそうだし、浜面が逞しくなってくれれば心強い……」

浜面「だろ?だからそのためにもポージングを決めないといけないんだ!」

滝壺「いや、その理屈はおかしい」

浜面「だって仕方がねーじゃんよぉ!?今からカラーテを習ってもすぐ強くはなれないし、魔術習っても頭ボーン!するらしいし!」

???「――よく申したな!」

浜面・滝壺「だ、誰……っ!?」

ローラ(???)「迷える少年少女よ、天使はここに居りけるのよ?」

浜面「出やがったなクソ悪魔!帰って!悪魔はカオスランドイギリスへ帰って!」

ローラ「正直ロンドンで初召喚されたときには『もっとご飯の美味しい国なかりしか?』と思ったが。いや少しだけ」

滝壺「あなたは……滅んだはずじゃ……!?」

ローラ「悪魔も天使もいと高きあの御方が座する限りは消滅できぬ理。そしてそれは人類が皆あの妖怪ファザコンジジイにでもならん限り、無理」

浜面「お前が誰のことを言ってんのか分からねぇけど、悪魔みたいなジジイがいたんだな!」

ローラ「まぁ前回の戦いでそなたらの迷惑をかけたのも事実、よって悪魔としては天秤を釣り合わせるため、ここに参った所存でありけるのよ」

滝壺「気をつけてはまづら……!この人喋りが面倒臭い……!」

浜面「だ、大丈夫だぜ滝壺!最初はそう思ってたけど、段々楽しくなってくるから!」

ローラ「よって浜面、もといHAMADURAよ、汝の願いを叶えたもうぞ!」

浜面「マジで!?これで今日から世界中のスーツと制服がバニーさんに入れ替わる……!」

滝壺「なんておぞましい世界……!実用性の欠片もない……!」

ローラ「いや違う違う、今までの下りまるっと無視されても困りけるわ」

浜面「なら俺に力を!無限に願いをいくらでも叶えられる力をくださいプリーズ!」

滝壺「はまづらそれ悪手中の悪手……ランプの精交代フラグで、永遠に壺の中」

ローラ「私も悪魔との立場を替ってくれるんだったら替ってほしいものなりしけれど……ほれ、もっとソシャゲーのあったろうに?」

浜面「あ、そうだ!俺をレアなキャラにしてくれよ!そして人気を!」

ローラ「容易きことよな」

滝壺「……でも、どうやって?……浜面が単純に強くなるのは、難しいんじゃ……?」

ローラ「そこはそれあのアホの作りし兵器を使えばよきしこと。『プロセッサスーツ』とか、申したよなぁ?」

浜面「あぁあのアイアンマ○もどき!」

滝壺「言葉に注意しよう……?まぁこんせぷと的にはねたばれしたあと、『あれ?まーべ○にもこんなエピソードなかったっけ?』って……うん」

ローラ「【浜面・プロセッサスーツ装備】!これでどんな困難も乗り越えられるのよ!」

浜面「ありがとう悪魔なのに天使のローラさん!できれば原作でもずっと着ていたかったよ!」

滝壺「はまづらは衣装が極端……全裸かパンイチ、そうじゃなかったら超兵器を着てるから……」

ローラ「――ただ、これをタダで使わせるわけにはいかないのよなぁ……?」

浜面「……うん?」

滝壺「今のは”ただし”とロハの方の”ただ”をかけて、スベった……」

ローラ「――くっ!辛気くさいオッサンと悪魔合体してるから心にまで影響が!人気にも差し障るわ!」

浜面「大将好きそうだよなアンタ。超年上のお姉さん枠で」

ローラ「そ、そう?こんなクサレ仕事放置してあっち行こうかしら?」

浜面「待ってつかーつぁいお姉さん!俺に光明を授けてください!」

ローラ「だからタダという訳にはいかんのよ。何事にも、例えば幸運と不幸は釣り合っていなければならない」

滝壺「はまづらに……何させる、の……?」

ローラ「これから得られる力に見合った力を――ドコドコドコドコドコドコ……」

浜面「悪魔が口でドラムを!?」

滝壺「なんか……うん、きぬはたと気が合いそう」

ローラ「『浜面のマジで恥ずかしい話』、略して『まじはず』……ッ!」

浜面・滝壺「……はい?」

ローラ「さぁ張り切ってどうぞ!あ、ちなみに嘘をついたら契約無効になるか、外側だけの鉄の塊を置いて帰るからそのつもりで!」

浜面「邪魔じゃん!?俺は聖闘○じゃねぇんだから着れないよ!」

滝壺「きぬはたは有効利用しそう……『あ、能力で押し上げれば着れますね』とか」

ローラ「さぁカノジョの前で一番恥ずかしかったことを……!」

浜面「なんてペナルティだぜ……!俺の恥ずかしいところを喋っちまったら、絹旗に幻滅されるかもしれねぇ……罠だ!」

滝壺「だいじょうぶ、はまづら。私を信じて……」

浜面「滝壺……!」

滝壺「はまづらは大体いつも恥ずかしい……!今更一つや二つ増えたところで同じ……!」

浜面「滝壺さん?ねぇ滝壺さんは俺の事そう思ってたの?」

ローラ「てか、ねぇこれ罰ゲームになるの?笑うつもりでお題出したのに意味無くなりしか?」

浜面「――ありがとう、滝壺しゃん!俺のためを思ってそんな心ない嘘を吐かせちまって……!」

滝壺「いやホント……というかなおしてほしいところがそこそこあるっていうか」

浜面「滝壺バフのかかった俺は完全無敵!どんな恥ずかしい話でも恥ずかしくないぜ!」

ローラ「お題が破綻してる。それだったらヒモなしバンジーとかに変えたりしようかしら?」

浜面「あ、ウソウソウソウソ!恥ずかしいの俺大好き!恥ずかしければ恥ずかしいほどいい!」

滝壺「……それだと別の意味に取られる……癖(へき)的なアレ」

ローラ「まぁ良きかりしことなりなのよ。さぁじゃあ張り切ってレッツハズバナ!」

浜面「急にネタを振られても困んだけど……あー、この間さ、ネットカフェ行ったんだわ。ちょっと大相撲のチケット取りに」

滝壺「その経緯の方が興味ある……」

浜面「知り合いから『観戦ツアーチケットとかないの?』みたいに聞かれたから、まぁ調べに行ったんだけど、そこってカラオケ併設してんのな」

ローラ「あるの?」

滝壺「……全国チェーン点でやってた、はず」

浜面「あぁまぁ折角だしって一人カラオケでも、って熱唱してきたんだよ。仮面の忍者ジライ○と仮面ライダーブラッ○」

ローラ「選曲が古っ!?昭和のチョイスよな!」

滝壺「はまづらって……未成年には見えないもんね。下手すれば30ぐらいに見える……」

浜面「苦労してんだから仕方がないでしょーが!俺だって好きでドチンピラに生まれたんじゃねーよ!」

浜面「で、だ!その日は普通に金払って会計済ませて、後日!今度はチケットの予約しに行ったんだよ!」

ローラ「まぁ面倒見が良いのは良きことだけど」

浜面「そしたらその日は結構混んでて、禁煙ブースしか空いてなくてさ。俺今禁煙してんだけど、まぁいいかってその席頼んだのよ」

浜面「――ちなみになんで禁煙してるのかは、滝壺とのひ・み・つ☆」

滝壺「たまづらっら……」

ローラ「はいはいカップル死ねカップル死ね」

浜面「で、ブース入ったらなんかウルッセェんだよ。どっかのバカがヘッドフォンしてないらしくてさ」

滝壺「……他人に迷惑」

浜面「だから席に座ってパソ立ち上げて、カウンターに注意して貰おうかって思ったら――違って、たんだ……」

ローラ「ケータイの音?」

浜面「でもなかった!どっかの席から漏れ聞こえるんじゃなく!しかし確かに曲の歌詞まで聞こえるこの音は――」

浜面「――カラオケコーナーからダイレクトに一人カラオケが響いて来てたんだ……ッ!!!」
(※一部実話です)

ローラ・滝壺「恥ずかしっ!?」

浜面「立て付けが悪りぃのか、それともなんか原因かあるのか分からない!でも、でもな!」

浜面「俺の、『ファイティーーーーン!ニンジャーーーー!ジイィィィィィィィィィライ○ーーーーーーーーー!』が不特定多数にお届けしてしまったかと思うと……ッ!!!」

滝壺「……気がつかないうちに羞恥プレイ……まぁ、時間を置いた分だけ、より恥ずかしくなるよね……」

ローラ「歌唱力の有無にもよりけるよなぁ。歌が上手ければ他人に聞かせても、であるし、逆であればプチ地獄だし」

浜面「お願いだ悪魔さん!俺の、俺のこの記憶を消してくれよ!そうすりゃ一人カラオケにまた行ける!」

滝壺「それ根本的な問題は解決してない……何一つとして」

ローラ「またお願いするところまでループする展開なりし……まぁいいわ、可愛い彼女に免じて『プロセッサスーツ』は置いていくのよ」

浜面「あざっす!あざーすっ!」

ローラ「……ダメな男に惚れ込んだだけあって、少しぐらい恥ずかしいところを見せてもダメージはなかった……!」 スゥッ

滝壺「……あぁ、やっぱりそういう計画……?」

浜面「ふっ、常に恥ずかしい俺に死角はなかったぜ!」

絹旗「むしろ死角しかないじゃないですか」

浜面「おぅ絹旗!これで俺も☆3入り確定だぜ!」

絹旗「あぁ超いいですね。これ私にくださいよ、前からほしかったんです」

浜面「……ぇっ」

絹旗「え、じゃなくて。これ、中のファームウェアいじれば誰だって着られるんですよね?」

浜面「いやでも!」

絹旗「私か麦野が着た方が強いに決まってるじゃないですか。いいですか、浜面?浜面の戦闘力を5としましょう、銃持ったぐらいでしょうか」

絹旗「そうすると私は低く見積もっても2000、麦野に至っては万を超超えると思います」

滝壺「こいつ……!王子とハゲのオッサン気取り……!」

絹旗「まぁ戦闘というのは絶対的な優劣は中々存在しませんし、浜面が麦野を下したように番狂わせもありますが」

絹旗「浜面に着せてアイアンマ○させるよりか、麦野に着せてライデンにした方が超効率的だと」

浜面「待ってくれよぉ!?俺だってレアキャラになってチヤホヤされたいんだ!」

絹旗「――そういえば浜面、『アイテム』を再結成したいと麦野に泣きを入れてましたけど」

浜面「な、んだよ急に!?話変えたって駄目なものは駄目なんだからな!?」

絹旗「あれって最後にトドメさせないからとってつけた感じじゃなかったですか?途中はマジで殺しにかかってましたよね?」

浜面「――どーぞ絹旗さんご自由にお持ちください!」

絹旗「あ、すいませんね浜面。催促しちゃったみたいで」

浜面「いいえそんなことは!もし俺がパワードスーツだったら女の子に着られたいですし!」

滝壺「はまづら……色々と恥ずかしい……」

浜面「――これが漢の生き様なのさ……!」



(※あまり恥ずかしくなかったですね、最近の声優さんは歌上手い方が多いですし。ご応募ありがとうございました)



――上条家のアパート

ピンポーン

上条「はーい、ただいまー」

ピピピピピピピピピンポーン

上条「チャイム連打すんなゴラァ!ただでさえ連日のダメージが重なっていつ壊れっか分かんねぇんだからな!」 ガチャッ

ウレアパディー「こんにちは」

上条「どうもこんにち、は?」

ウレアパディー「……」 ガチャッ

上条「なんで閉めた?」

ウレアパディー「おはようございます……?」 ガチャッ

上条「いや合ってる合ってる。俺が不思議に思ったのは『なんでユーがここに?』って戦慄してるだけ」

ウレアパディー「ジャンケン、しましょう?」

上条「だからなんで?まず俺の問いに答えて貰っていいかな?」

ウレアパディー「さーいしょはグー、じゃんけーん……」

上条「……」

ウレアパディー「……ジャンケンって何?」

上条「お前から仕掛けて来たのに!?野良ポケモ○トレーナーが現れて『勝負しようぜ!』って言ったと思ったら、何もしないで帰ったのと同じだよ!?」

ウレアパディー「お邪魔します」

上条「帰れよ。お前がここに来てから俺の台詞9割ツッコミになってんだからな」

ウレアパディー「お邪魔……では、ないよね?」

上条「解釈の違いかな。パルプン○を連射してくる敵が出たらテンション上がる人と下がる人が居るってだけで」

ウレアパディー「――気をつけて……ッ!?」

上条「どうしたっ!?」

ウレアパディー「……なにが?」

上条「フワッとするわ!お前が来ると何かフワッフワしてんだよ!つかみ所が無いからって悪意が無いかと言えばそうでもないし!」

上条「てかもういいから中入れよ!玄関先でこう、うん!お前の服装だとご近所の噂になるんだ!」

ウレアパディー「つまり?」

上条「あーゆーことだよ」

土御門『あらやだ奥さん!上条さんちの子ったらまた若い女を連れこんで!』

舞夏『そーだなー。若いから大変なのは分かるけど−、プロを呼べば安心なんだなー』

土御門『そんなっ!?「上条当麻の童×を守る会」会長としては邪魔するしかないですたい!』

舞夏『アニキいいかげんにしとけー?そんなだからヘルプされないんだぞー?』

上条「……って感じに。なんだよ?」

ウレアパディー「そんな目で見ていたなんて……!」

上条「だったらそのエロい衣装なんとかして来いや!俺だって健全な高校生なんだから思うところはあるんだい!」

土御門「そうだにゃー?薄い本と円盤を一番トレードした俺が言うんだから間違いないぜぃ!」

上条「だから俺を貶めるのはやめろ。例え事実が数パーあったとしてもだ!」



――上条家

上条「んで?ユーは何しに俺んちまで?」

ウレアパディー「神託があった」

上条「神託?穏やかじゃないな」

ウレアパディー「そうでもない。運命とは常に揺れ動いている……マナ、というのを知っている?」

上条「ゲームで聞いたことある。魔力とかMPとか、魔術サイドじゃテレズマって言うんだっけ?」

ウレアパディー「そう、それが枯渇し始めている」

上条「なんだって!?大事じゃないか!?」

ウレアパディー「……それを食い止めるのはマナの一族との少女と、ジェマの騎士と呼ばれる少年の助けが必要」

上条「……その流れで俺の所へ来たってことは――俺、か……ッ!?」

ウレアパディー「……?ゲームの話をしている?」

上条「知ってたわ!あえてノッたんだよ!『ジェマの騎士』って固有単語出て来た時点で『あぁ聖剣伝○ですね』って誰でも分かるわ!」

ウレアパディー「ゲームの話に熱くなる人って……」

上条「結構多いと思うよ!今じゃアニメ風×がアホどもにクレームされて、ビキビキきてる人だってかなりいるけども!」

ウレアパディー「それであなたは今日から騎士。頑張って少女を探すといい」

上条「探さねぇよ。今更自分探しの旅でもないし、だからお前は何しに来た?」

ウレアパディー「妹、知ってる?」

上条「あぁソーズティな。今日は一緒じゃないんだ?」

ウレアパディー「ストーカー?」

上条「ホンッッッッッッッッッッッッッッットに話進まねぇなぁ!どこまで本気でどこからネタなのかわっかんねぇんだよお前は特に!」

上条「姫神だったら最近表情分かるようになってきたけど、お前とは接触した時間が精々10分、しかもドツカれまくってたからな!」

ウレアパディー「それでね。あの子ったら、迷子になったいみたい」

上条「迷子か……そりゃボケ倒してる場合じゃないよな。比較的治安は良いっていっても、中には学園生のかーちゃん襲ったHAMADURAとかいるしさ」

ウレアパディー「何か今『なんで俺だけ』って電波が届いたような気がする……」

上条「一方通行はまぁ分かるんだけど、『浜面キミ反省してんの?麦野さんと違ってお前未遂だけど』ってたまーに思うんだよ。たまーに」

上条「追い詰められたヤツも居れば、追い詰めたヤツも居るから、完全に安全とは言わないけど……詳しく聞かせてくれ。探さないとな」

ウレアパディー「朝起きたら寝ていたのよ、妹が」

上条「情報が少なすぎる!せめてホテル泊まったとか旅館だったとかそういうのが!」

ウレアパディー「ホテルよ。空港近くのビジネスホテルで一泊――で、よく寝ていたのよ。スヤスヤと。備え付けの和式バスローブを着て、下着は青」

上条「言ってんのは浴衣なんだろうが、余計な情報はいらん。てかその情報必要になるんだったら大惨事確定した後だ」

ウレアパディー「――で、ね?おしまい?」

上条「ん……?いつはぐれたんだよ結局?」

ウレアパディー「分からないわ。だってその後すぐホテルを出たもの」

上条「迷子んなってんのお前の方だろ!?いやいや何となくそんな気はしてたけど!絶対コイツがやらかしたって確信してたけども!」

ウレアパディー「悪いとね、思ったの。だからね、書き置きをね。しようって」

上条「……あぁそのぐらいの常識はあんのか」

ウレアパディー「しよう、とは思ったんだけど、まぁいいかなって」

上条「ソーズティに謝れ!フワッフワしながらフラフラして心労をかけ続ける妹さんに全力で謝れ!」

ウレアパディー「ありがとうソーズティ」

上条「本人に言ってやれ、なっ?」

ウレアパディー「どういたしまして?」

上条「通訳のヒトー!?ダメだコイツ同じ日本語喋ってる感じがしないよ!」

コンコンガチャッ

ソーズティ「――すまない手を貸してくれ!姉さんが行方不明になってしまっ、た、んだ……?」

ウレアパディー「あら大変、急いで探さないと」

ソーズティ「姉、さん……?」

ウレアパディー「姉さんはここにいるでしょ?ソーズティったらうっかり屋さんなんだから」

ソーズティ「ウガアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァっ!!!」

上条「落ち着け!?お前の気持ちは世界で俺が一番理解できるから室内で術式ブッパしないで!?」

ウレアパディー「そうよ、この人は私たちにとって恩人なのを忘れてしまったの?」

上条「タゲお前だからな!?この後に及んでなんで自分だけは違うって思った!?」

ソーズティ「……私は!無理矢理連れて来られたんだよ!お前に何かしたいって急に言われて!」

上条「そりゃなんつーかご愁傷様です。でも言わせて貰えるなら俺も被害者です」

ウレアパディー「可哀想なソーズティ……泣いてあげて。涙の涸れた私の代わりに」

上条「突っ込まないぞ。もう俺はこの時点でノドが痛いんだ!」

ソーズティ「――で?一体?わざわざ日本くんだりまで来て何の用だって言うんだ!?」

ウレアパディー「私知っているの、世間ではバレンタインだって言うでしょ?」

ソーズティ「あー……何年か前に巻き込まれたような気がするけど、それがどうしたの?」

ウレアパディー「感謝……いや、感激?借りは返さなきゃいけないねそうでしょ?」

ソーズティ「……それで?私にどうしろと?」

ウレアパディー「あなた、っていうか私たちなんだけど――何でもお願いを聞いてあげようと思うのよ、一回だけ」

ソーズティ「はあぁっ!?何を言ってるんだ姉さん!?そんな急に、じゃないや、えっとまぁ急だけどさ!」

ソーズティ「突然言われてもコイツだって迷惑だろうし!オイお前も何か言ってやれ!」

上条「なんでもって文字通りなんでもって事か……ッ!?」

ソーズティ「違う。そうじゃない」

上条「それはアレか!?健全な場所だと【!見せられないよ!】になる程度なのか!?それともOVAでお見せできる範疇なのか!?」

ソーズティ「どっちも精々深夜アニメの枠を越えてないよな?」

ウレアパディー「何でもは何でもに決まってる。二言はないわ」

ソーズティ「とは言うがな姉さん。いくらヘタレのコイツだって若い男なんだぞ?どんなお願いされるか分かったもんじゃないよ」

上条「これはあくまでも一般論なんだけど、弁護士や警察官は職務上知り得た情報を公開できない守秘義務ってのがあってだ」

ソーズティ「ほらみろ!余所までは絶対に口に出せないようなことを要求するつもりだ!?こんな時だけ積極的になりやがって!」

上条「待ってくれ!これは邪な思いなんかじゃないんだ!ただ純粋にエロい事に興味があるだけなんだ!」

ソーズティ「純粋の意味を調べてこいこのバカ」

上条「――てゆうか、ごめんね?これはお願いじゃなく、ただの質問なんだけどいいかな?」

ウレアパディー「どうぞ」

上条「その願いってのは持続性はどれだけなのかな?」

上条「例えば『二人揃ってエロ奴×になって欲しい』とか、『ここでお見せできないようなエロいことを毎日してほしい』とか」

ソーズティ「例えが具体的すぎるな」

上条「……」

ソーズティ「黙られると本気で怖い……」

上条「”異世界転生 価値観 俺はどうすれば”で、検索」

ソーズティ「人頼みもどうかと思うな。そしてそのワードでヒットするのは新堂エ○先生だ」

上条「……いやこれは一生に一度――あぁでもデメリットも……」

ソーズティ「なぁ姉さん、部屋ごと殺菌消毒した方がみんなのためになるんじゃないかな?」

ウレアパディー「しっ、黙って!面白いわ、葛藤しているのが凄く面白い……!」

上条「……どんだけ美人な嫁……ツッコミだけでノド枯れる……」

ソーズティ「おい!その減点方式には異論がある!私の方は関係ないだろう!?勝手にボケ倒してツッコんでるだけだ!」

ウレアパディー「ソーズティはほら、ちょっとだけ天然だしね?」

ソーズティ「意味分かって言ってるかな?絶対にその場のノリだけで言ってるよね?」

上条「――――――よぉし……ッ!決まった!」

ウレアパディー・ソーズティ ビクッ

上条「二人にお願いしたいのは――俺に、メシを作ってくれないか……ッ!!!」

ソーズティ「わ、私が言うのも何なんだが、長いことエロ葛藤してた割りには、普通だよな?」

上条「俺は打ち克った!主人公たるもの童○を捨ててはならない、とねっ……!!!」

ウレアパディー「なんて悲しい宿命を背負って……!」

ソーズティ「そして多分関係ない……あぁじゃあ姉さん、適当な食材でも買って」

ウレアパディー「いいえ?今日は観光のの予定でしょ?」

ソーズティ「え、でも願い事を聞くって」

ウレアパディー「何でも聞いたでしょ――実行するとは言ってないわね」

上条「騙したナァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?騙してくれたなァァァァァァァァァァァァァァァッ!?」

ウレアパディー「キミが本気でどちらかを選べたら、それはそれで別の話になったのだけれど」

上条「え、マジで!?」

ウレアパディー「まぁ今日は帰りがけに食材買ってきて、夕飯作ってあげるからそれで我慢しなさいな」

上条「チクショウ……!俺の純情……耐えたのに……!」

ソーズティ「というか姉さん、私まで巻き込まないでほしいんだよ」

ウレアパディー「そうなの?君が少年を嫌いだとは思わなかったよ」

ソーズティ「と、までは言っていないけど!ただ事前の打ち合わせ無しでこういうのは良くないと思うんだよね!」

上条「せ、せめて写メぐらいは……!」

ソーズティ「とんなエロポーズ撮らせるつもりだ、ってゆうかこの章エロってワードが多すぎるな!」



(※幸せと辛いという漢字は似ていますよね、別に誰かのことを言ってるわけではないですが。ご応募ありがとうございました)



――とある高校 放課後 バレンタイン後

上条「……酷い目にあったぜ……」

土御門「まぁテンプレだにゃー。結局何個か貰ったんだからいいんじゃねーの?」

上条「まぁそうだな!お前がねーちん呼びしてる人が、俺の部屋で聖人パワー使って暴れなかったら良かったんだけどな!」

土御門「あー……ユーの動画の続きにはそんな裏があったのか」

上条「あと別口で聞いたんだが、アンジェレネ師匠が囚人の料理当番の時、エルカルゴと称してそこら辺で捕まえてきたカタツムリを出しているらしい」

上条「しかも悪意じゃなくて『ふ、フランス陣だからきっと喜んでくれるはず……!』だとか」

土御門「流石あの組織……!やることがえげつないぜぃ!」

上条「お前も片足突っ込んでるけどな」

青ピ「――まいど!ハーレム帰還してきましたわ!」

上条「おぉお帰り。ただお前が収監されていたのは警備員の施設であって、ハーレムと呼べる猛者は一人ぐらいだけどな」

青ピ「最近はヤローがボク担当で悲しいばかりやんね。昔は風紀委員も女の子ばかりやったのに」

上条「てかさ、風紀の子って可愛い子多くないか?俺の気のせい?」

土御門「でも、ないんだにゃー。取り締まる相手は基本学生だから、コワモテのおにーさんよりか可愛い女の子に『早く帰って下さいね☆』って言われた方がスムーズに行くんだにゃー」

青ピ「そうそう、婦警さんが穏やかな対応するのと同じ。ヤクザやってレディ相手に凄んだり脅したりしたら、格が下がんねんよ。あ、ドチンピラは別やけど」

上条「あー成程」

青ピ「それよりも!聞きぃや二人とも!留置所の中でカンペキなプランを考えてきた!」

上条「何回目だよその完璧なプラン。アホ理事長と一緒で成功した実績皆無だろ」

青ピ「んなこたぁない!ボクの考えた『フリーハグ』プランは!」

上条「……フリーハグって何?自由に抱きしめる?海外の痴漢?」

土御門「遠回しの意味では合ってないこともないが、まぁあの海外で政治家が挨拶してハグするのって見たことないかにゃー?」

青ピ「『ようこそ来られたな、我が親友よ!』」 ギュッ

姫神 パシャッ、ピロリロリーン

上条「俺で実践しようとすんな暑苦しい。あー、こう胸合わせて肩ポンポンするみたいな感じのな」

上条「てか今誰か居たな!?ガラケで写メ撮っただろ!?」

青ピ「んで海外の場合、ハグってのは相手に『あなたは価値がありますよ』って意味ある”らしい”」

土御門「そして街角で『FreeHug』ってカード持って立つとハグして、価値を再確認できる”らしい”ぜぃ」

上条「設定からしてフワっとしすぎだろ。てかハグしてもらわないと価値が確認できないって何だよ」

上条「いやでも……価値……そうか、価値か……」

青ピ「ぶっちゃけ9割はエロ目的、サッカーの試合でスクランブル交差点に集まるアホと一緒やんね」

土御門「まぁ当然拒否する権利もあるし、人前で接触を嫌がる価値観や信仰もあるぜぃ」

青ピ「そやんなぁ。大抵投稿されてる動画にゃそこそこのイケメンがやっとるしなぁ」

土御門「まぁそこら辺はどこの国でも同じなんだぜぃ。イケメン無罪論――ってあれ?カミやんどこ行った?」

青ピ「お?あるぇ?」

姫神「上条君なら帰ったみたい。今スケッチブック持ってダッシュしてた」

土御門「――追うぞ青ピ!カミやんじゃちょっと、その……まぁ、無理だ!」

青ピ「やんね!まぁ具体的には何が、とは言わへんけどカミやんじゃ厳しいわ!」

姫神「上条君は第一印象じゃなく。行動で深く刺さるタイプの人だから。逆初見殺し」

土御門「急いで止めないと!」

青ピ「待ちぃやつちみー!ボクはカミやんのためにも止める必要はないと思うんねんよ!」

青ピ「ここでボクらが止めるよりか、実際にトライしてダメやった方が人生経験になると思わへん?思うよね?そうやんなぁ!?」 ワクワク

姫神「心の声で『たまには上条君が女関係で酷い目に遭えばいい』って言ってるのが聞こえた。気がした」

土御門「……確かに、な。散々な結果で傷ついたカミやんを、そっと慰める役は友達の俺達しかいないんだよな……!」

姫神「土御門君はもっともらしく理屈をつけるの。ほんと得意だよね。ただ上条君を見て笑いたいだけなのに」



――第七学区 柵中前

上条『……』

青ピ「無謀やカミやん!?ここは流石に警備員呼ばれんで!?」

土御門「――待て!これならワンチャンあるかもしれないぜぃ!」

青ピ「それはっ!?どういうことですか解説の土御門さん!」

土御門「見ろ!上条当麻の掲げたボードを!」

青ピ「あ、あれはっ!?」

上条【フリーハグ・俺に価値はありますか?】

青ピ「なんて、なんて悲しい問いかけを……!」

土御門「あぁ流石だカミやん!なんだかんだでしっかり気にしてたんだな!」

青ピ「これやったらノリの良い中学生男子行くんちゃいます?女子はちょっと敬遠やけど」

土御門「思春期だしにゃー。子供んときとは色々勝手も違うだろうし――って来たなJC」

佐天『……あれ?なにやってんですかお守りの人、こんなところで?』

上条『……助けて下さい……!』

青ピ「思い詰めてて普通に引くわ。もっとフランクな感じで行かんとノリではできんわ」

土御門「まーこういうのはノリだからな−。あの子も固めってぽい感じだし、警備員呼ばれるか説教されて終わ」

佐天『――はい、ぎゅーっ!』 ギュッ

上条『……!?』

土御門・青ピ「……」

佐天『いちにさんしごろくしちはちきゅうじゅう!ハイ終わり!はい終了!もう、これで元気出てたでしょ!?』

上条『あぁ……うん、具体的には言えないけどビックリしてるよ!俺もな!』

佐天『あー、てか早く逃げた方がいいですよ?ツレが警備員呼んでるんで』

上条『そっか……ごめん、ありがとう!この恩はいつか返す!』

佐天『あーいいですよー。御坂さんの件もありますしー、それよりか捕まらないで下さい−。白井さんか喜びます』

上条『分かった!超気をつけるぜ!』

青ピ「……なぁつちみー。この辺でDIY用品って売ってへんかったっけ?鈍器のようなモンがたまらなくほしいんやけど」

土御門「俺もちょっと殺意が……クソ、忘れてたぜ!カミやんのハーレム体質を!」

青ピ「え、この企画って延々これを見せつけられてぐぬぬ的な話ですのん!?やったらボクはここでハケさせてもらいますけど!」

土御門「まぁ……そうだな。よくある主人公モテモテで噛ませ犬的なモブが後をつけていったら――的な罠の真っ只中に居る」

土御門「――だが俺は!そんなお約束をぶっ飛ばす!カミやんが凹む所を見てみたい!」

青ピ「よっ!流石土御門っ!」

土御門「噛ませ犬の運命を変えるには――『あ、もしもしカミやん?オレオレー、実は抜群のフリーハグポイントをみっけたんだにゃー』」 ピッ

青ピ「なにそれ痴漢が集まる場所?」

土御門「『そこへ行けばカミやんもね、うん、きっと……じゃなー、またなんか見つかったら連絡するぜぃ』」 ピッ

青ピ「誘導したんか。で、どこに?」

土御門「まぁある意味危険っちゃ危険でもあるぜぃ。いいか!心してかかれ!」



――とある住宅街

上条当麻【フリーハグ・主人公でいてもいいんですか?】

青ピ「カミやんのスケブの文字変わっとぉで地味に泣きそうや。前回のJCハグがなかったら泣いとぉよ」

土御門「移動中、バスの中で粛々と書いてたんだろうな」

青ピ「てかここ、どこ?そこそこ立派なマンションなんやね、ここら辺」

土御門「まぁ見てろ。もう一人も呼び出してある。あ、来た」

一方通行『――』 チラッ、チラチラッ

上条『……』

青ピ「――おい待ちぃや!?あれって学園都市第一位に超似とぉ!?」

土御門「あぁコスプレの人だ。第一位がウロウロしてるわけねーんだにゃー」

青ピ「そ、そやんな?噂じゃ高速飛行しとぉって話やし」

一方通行『……なァ、なにやってンの?オマエなンでここにいンの?』

上条『自分の価値を探して、かな』

一方通行『いやいや別に格好良く言ったつもりだろォが、格好良くはねェよ。ただただ何言ってンのコイツ?的なあれだからな?』

一方通行『てかフリーハグって、ハグの習慣ねェ民族に迫ったらただの痴漢だろォが。なにとち狂ってやがる』

上条『お前には俺の苦しみは分からないさ!とあツン(※とある科学の超電磁砲T)のプロモでお呼ばれしたお前にはな!』

一方通行『行きたくて行った訳じゃねェよ。何言ってンだ』

上条『大きなー愛をくっださーい♪』

一方通行『だから騒ぐな、ぶち殺すぞ?』

上条『別に俺はスケベ目的でやっているんじゃない!純粋な気持ちで人のぬくもりがほしいだけなんだ!』

一方通行『その理屈で言ったら他人様のパンツ盗ンでも無罪になりかねないだろ……ったくしょーがねェな』 ギュッ

上条『お……おぉ!?』

土御門・青ピ・御坂 パシャッ、パシャッ、パシャッ、パシャッ、パシャッ、パシャッ、パシャッ!!!

一方通行『――ってこれでいいか?満足したかァ?』

上条『……あぁうんありがとう。良い匂いでちょっとビビったけど、なんか心の中が温かくなったよ』

黄泉川『……あんたら何やってるじゃんよ……?』

上条『一方通行が俺を温めてくれた』

一方通行『違うわボケ。壮絶に勘違いされるよォなこと言ってンじゃねぇよ』

黄泉川『てご近所の目も厳しいのに……フリーハグ?また変なのやってんじゃんね』

一方通行『なンか不安定になってンだと』

黄泉川『あー、あるじゃんね。ドックセラピーとかで体温を感じられるものに触れると、心身共に安定するって――どれ』 ギュッ

上条『せ、先生?』

黄泉川『――おっ、ヒョロっとしてると思ったら結構肉付き良いじゃんね。風紀委員でも入ればいいじゃん?』 ギューッ

上条『待ってください!?別の意味で危険だから離れて!?俺の中のドラゴンが覚醒しちゃうから!』 バッ

一方通行『シモじゃねェか』

黄泉川『なんじゃんよー。そんなに嫌がらなくてもいいじゃんねー?』

一方通行『……察しろよ教師が』

黄泉川『あんたも上条もガキじゃんよ』

上条『すいませんっ!失礼します!』

黄泉川『おー、小萌センセにはやっちゃダメじゃんよー!』

一方通行『……ったく』

青ピ「……なぁ土御門、ここら辺で料理用品って売ってなかったかな?ミートチョッパー的な凶器がほしい気分やわ」

土御門「俺からすれば別にこれといって感想はないが、今動画がもしあったらカミやんフクロにされるだろうなぁ」

青ピ「てかお前や!?お前が余計な策めぐらしたからカミやんがオイシイ思いしてんのやろ!?」

土御門「――くっ!流石は上条当麻、俺の計画を軽々と乗り越えていきやがる!」

青ピ「計画がスッカスカなだけのような……」

土御門「だが次だ!次でトドメを刺してやるぜ!」



――常盤台中学前

青ピ「てかさっきカミやんの写真撮ったとき一人多くなかった?」

土御門「あれは気にしない方が良い。レベル6の残滓だ」

上条【フリーハグ・順位が本当だったらキャラグッズ発売を!】

青ピ「またなんか……うん、コメントしづらいやんね」

土御門「正直『俺ほとんど出てないのになんで?』って思わないでもない。ステイル方が体張ってるのにな」

青ピ「でもここはマズいちゃいます?可愛えぇ子多いけど、その分対応もガチで排除されるんよ」

土御門「……そう、ではあるが、なんかおかしくないか?あちこちが焼けただれてるし、道路も捲れ返ってる」

青ピ「誰か能力者でも大暴れしたんかな、ちゅー感じやね。怪獣映画か」

土御門「しかしその異常な雰囲気にも関わらず、俺の電話一本で自在に誘導できるカミやん!流石に悪いって気分になるな!」

青ピ「おっ、誰か来たで!」

御坂『……』

上条『ビリビリ……』

御坂『ぐ、偶然ねっ!』

上条『いやここお前の学校の近くだから、そういう訳でもない』

御坂『ちょっと今邪魔者を排除してたから、少し遅れちっゃたけど。蜂を駆除してたのよ』

上条『今の季節でもいるんだ?暖冬で越冬でもしたのかな』

御坂『そ、そんなことよりっ!?フリーハグ!?じょ、上等じゃない!?やってやるわよ!?』

上条『あぁうん、ありがとう?』 ギュッ

御坂『――っ!?』

上条『あ、あれ?』

御坂『な、なによっ!?なんか文句でもあるのっ!?』

上条『いや、一番抵抗が無――あばばばばばばばばばばばばっ!?』

……

土御門「……天然の静電気呼んでブーストしてるんだにゃー……なんつーか能力との境目が曖昧だけど」

青ピ「羨ましいっちゃ羨ましいんやけど、常人がアレ喰らっとぉたらまず死にますやん?コンガリ綺麗に焼かれますやん?」

土御門「――だから良い子のみんなは軽い気持ちでもフリーハグしちゃダメだぞ!土御門おにーさんとの約束だ!」

青ピ「てかあれ『こっちの文化を尊重しろと言いながら、相手の文化を尊重しない』って好例ですやん」


−終−
(※安定のオチ要因御坂さん、でも常盤台で本当にやったらしてくれる子多いかも?ご応募ありがとうございました)
(※一応全部やったつもりですが、リクエスト忘れがあれば大変お手数ですが、”ご意見・ご要望”にてご指摘くだされば)

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