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Clock(trial)

ハロウィンの日2019

 
――常盤台 寮

御坂「ふふーん、ふーんっ♪」

白井「あらお姉様珍しいですわね。鼻歌なんて何か良いことでもおありになって?」

御坂「あ、ごめんね。ちょっと良い事がね」

白井「良い事……あぁゲコ太のアニメの新シリーズが決まったとか?でもまさかそんなことでは――」

御坂「そうなのよ!一月からだって!」

白井「これは酷い。予想以上に酷いですわ」

御坂「しかも公式ツイッターには『今度は失敗しないでください』って絡むファンが多いのよ!」

白井「えっとまぁ……はい、そういうご意見もあるんじゃないかな、ですわよね!あくまでも個人の意見としては!」

御坂「でもね、新シリーズが始まるからといって油断しちゃいけないのよ?ゲコ太が原作と違っていたのであれば、ファン全員がアンチと化すわ」

白井「それはちょっと極端ではありませんこと?」

御坂「違うわよ!原作準拠じゃないってことはホンモノじゃないってことよ!ホンモノじゃないってことはニセモノなのよ!つまり――」

御坂「――ニセモノだったら攻撃しなきゃいけないでしょ!?そうでしょ、うんうん分かってる分かってる!黒子も同じ意見なのよね!嬉しいわ!」

白井「お姉様、あなた憑かれてらっしゃるのよ。誤字でなしに」

御坂「そうね。流石のあたしもイギリスまで飛行していったのは寒かったわ」

白井「もうお姉様は遠いところにまで行ってしまいましたのね。バディにもあの膨れ乳女を選んだようですし!」

御坂「いや、あれはたまたまよ?ただちょっと近くに『あ、これ最悪……よね』ってピッタリの人材がいただけで」

御坂「ただ結果的に『助けに行ったつもりが何余計なことしくさってんだこのアマ』ってね。うん、結果的に」 ピッ

白井「ま、まぁまぁお姉様!物理的にピリビリされなくても!どうかこれでも読んで気を落ち着けて!」 サッ

御坂「あれ?これってマンガ雑誌よね。へー、黒子もこういうの読、む……?」 ペラッ

白井「わたくしなりに色々考えた結果、少年誌を立ち読みするお姉様の趣味に合わせようかと」

御坂「……へー、少年誌?」

白井「ですの。ジャン○でお馴染みの集英○が出しているれっきとした雑誌ですわ」

御坂「……ふーん、そうなの?へー……」

白井「なんですの。お姉様らしくもない勿体ぶった言い方をされて」

御坂「これ……『ユリトラジャン○』って書いてあんだけど……」
(※実在します)

白井「時代がわたくし達に追い付きましたわ!これで堂々と何恥じることもなくできますの!」

御坂「どうかなぁ……『ブームだしいっちょ乗っとけ!』みたいな邪悪な感じがするんだけど……」

白井「という訳でお姉様も、どうぞ?」

御坂「あんたがあたしの趣味に寄せようって話じゃなかったっけ?いやまぁ、フィクションだったら一応読むけど」 ピンポーン

白井「素に戻って指摘いたしますけど、リアルお姉様とそんなに変わらないような……」 ピンポーンピンポーン

御坂「言わないで!あたしも出来る限り考えないようにしてんだから!」 ピポピポピンポーン

御坂「――ってさっきからうっさいなコレ!?なんで寮の中でチャイム連打してんのよ!?」

白井「訪問のチャイム……と、似てはいますけれど、個人の部屋にはついてなかったはずですわ」

上条「そうなの?普通こういうののテンプレだって聞いたけど?」

御坂「家によって違うじゃないの?ブザーの方がなんか『高級』って感じもするけど」

白井「というよりも田舎の方にはないですしね」

上条(僧)「ふーん」

御坂・白井・上条「……」

上条(僧)「――あ!?ハッピーハロウィン言うの忘れてた!?」

白井「どっから忍びこんだこそ泥め!お姉様と黒子の愛の巣へ土足で入りこんで!」

上条(僧)「いやなんかこう、パパっと?」

白井「そんなチャッチイ擬音で常盤台のセキュリティは抜けませんわよ!?益々人類離れしてきたなこの類人猿!」

上条(僧)「ぶっちゃけそう思う。多分次の長い旅の終り頃にはワシらと同じ存在になってんじゃろね」

白井「何を他人事みたいに……お姉様も言ってやってくださいな!ハロウィンとはいえアポなしで来られても困りますわ!」

御坂 バチッ

白井「あばばばばばばばばばばばばばっ!?」

白井 パタッ

上条(僧)「あの……御坂、さん?」

御坂「……黒子、疲れてたのね。こんなにぐっすり眠って」

上条(僧)「スタンさせたよね?俺が引くぐらいに目に見えてビリビリしてたよね?」

御坂「じゃちょっと待っててもらえる?黒子を寝かしつけてくるから」

上条(僧)「寝かすも何も、ここその子と同室だったような。てか俺ハロウィンで立ち寄っただけで長居するつもりは……」

御坂「――待ってて、くれるわよね?」 ニコッ

上条(僧)「アァイッ!喜んで!」

御坂「じゃあちょっと待っててね。あ、黒子のベッドはそっちだけど変なことしたら承知しないんだから!」」

上条(僧)「……あ、はい。何もしませんけど」

パタンッ

上条(僧)「ワシが……気圧される、じゃと……!?」



――

パタン

御坂(???)「ただいまー。ごめんね遅くなって、お茶買ってきたから」

上条(僧)「あぁいやお構いなく」

御坂(???)「そうもいかないのよ。お客様はおもてなしするように習ってんのよ、こっちは」

上条(僧)「どう考えても夜の招かざる変質者チックだと思うんだが……まぁそれはいいんだ。それよりも疑問がまずあって」

御坂(???)「何よ」

上条(僧)「なんてお前服着替えて来たの?」

御坂(???)「うん?お客様が来てるのに部屋着はダメでしょ、何言ってんのよ」

上条(僧)「分かる。それは分かるんだ、ただその、ちょっとな」

御坂(???)「あーもう言いたい事があるんだったらはっきり言う!男でしょ!?」

上条(僧)「なんでお前より薄い服になってんの?」

御坂(体操着)「体操着だけど?」

上条(僧)「だからなんでだよ!?てかその服、体操着だけど、うんっ!なんかこう体操着っていうか、デザインがおかしいって誰もツッコまなかったのか!?」

御坂(体操着)「なにいってんのよ。ただちょっと体のラインが丸わかりで露出も高い、『お嬢様学校にはこれないな』ってだけじゃない!」

上条(僧)「俺より正確に問題点を把握してるだろ。そしてまぁ子供用なんだからそんなもんだと思わないこともないが」

上条(僧)「というか着替える意味はなんだよ。部屋着っつーかさっきの普段着でいいだろ」

御坂(体操着)「あれ?『男は体操着好きだ』って書いてあったんだけど」

上条(僧)「ちょっと意味が分からないんじゃよね。もしかしてワシ今の基準でいえば別に破戒僧じゃなくね?」

御坂(体操着)「あの妖怪腐れ乳女が全て悪いのよ……!中学生の体型体系じゃないでしょあれ……!」

上条(僧)「えぇと……あ、なんか大変みたいだから俺は帰るんだぜ?じゃあまたいつかどこかで!」

御坂(体操着)「待ちなさい!ハロウィンなんだから言いなさいよ!『トリック・オア・トリート』って!」

上条(僧)「いやだよなんか怖いんじゃもん!?御坂ってそんなキャラだったか!?」

御坂(体操着)「……御坂?」

上条(僧)「なんだよ」

御坂(体操着)「ちょっと待って。テーブルの上のユリトラジャン○に手をつけた形跡はない、ということは――」

御坂(体操着)「――あんた誰よ!?誰がまた変装したのっ!?」

僧正(上条)「その見破られ方が切ない!よりにもよって百○雑誌にノータッチだからって理由が!」

御坂「それにアレよ!あのアホは生憎ギャグシーン以外じゃ名前を中々呼んでもらえないのよ!」

僧正「苦労してるんじゃね美琴ちゃん。ワシ泣きそう」

僧正「――しかし……『童×は女の子を名前で呼べずに苗字で呼ぶ』というワシ知識に誤りがあったとは……!」

僧正「まさか、まさか苗字ですら呼べずにあだ名で呼ぶなんぞ小学校低学年レベルのピュアさ……!」

御坂「その顔と声で言うのやめてくんない?何か自傷行為を見てるようで気分悪いわ」

僧正「まぁバレたんだったら仕方がないの。トリック・オア・トリート☆」

御坂 パシャ、パシャパシャッ

御坂「分かったわ。ただし人をおちょくるような真似はもうしないこと、いいわね?」

僧正「なんで撮った?ガワは確かに上条少年じゃが、なんで撮る必要があった?」

御坂「いいじゃないそのぐらい!あんただって目の前に等身大フィギュアがあったら撮るでしょ!?」

僧正「やっぱワシ現代の基準じゃ破戒じゃないよね?割りと自分でもまともな方じゃって思うわ」

御坂「……」

僧正「な、なんじゃい?」

御坂「ちょっと脱いでもらえる?あ、変な意味じゃなくて!」

僧正「変な意味以外に解釈の余地はないぞい!?てか魔神相手に何言ってるんじゃこの娘!?」

御坂「だから違うって!別にあたしは『それっぽい写真撮ったら記憶喪失につけ込めるかな?』とか思ってないんだから!」

僧正「ナンマクサンマンダバサラダンカン!バサラダンカン!クベーラよ、ただちにこの娘の体から立ち去れ!」

御坂「何よ!ただちょっと目の前にショートカットがあったら通りたいって乙女心じゃない!」

僧正「それヴァルキリ○当りに連載されてるヒロインの台詞じゃよね?本当に悪霊憑いてないかお主?」

御坂「こうしましょう」

僧正「……嫌な予感しかしないんじゃが」

御坂「――あたしは人間をやめるわ……ッ!!!」

僧正「ゴメン、ワシらそういうのはやってないんじゃよ。ヌァザのドアホはともかく、『力を与える代わりに!』みたいなのはちょっと」

御坂「あ、じゃあちょうど知り合いでイケニエにジャストな女が一人」

僧正「そういうのもちょっと違うんじゃね。てかワシらはエっラいエロい存在か、エっラいゲスい存在かって風評被害を受けてる側で」

御坂「――何か勘違いしてるようだけど、選べる立場だと思ってるの?」

僧正「腐っても魔神相手に脅しが通用するとでも?天狗になった鼻を叩くのも嫌いではないの」

御坂「――起動、『A.A.A.』」

A.A.A.『――マ゛ッ』 ヴィーンッ

僧正「お、お主は……ッ!?」

御坂「選びなさい。ここで殲滅されるのか、この世界をちょっとだけあたしにとって都合の良い世界に変えるか、を!」

僧正「まーた超武力で超しょーもない世界改変をしようと必死じゃね!そこそこ長いこと存在しとるけど、ここまでしょーもない脅迫は初めてじゃよ!」

僧正「……ちゅーかな美琴ちゃんよ。別に世界なんぞ変えなくても、お主自身が変えればいいと思うんじゃよ」

僧正「こう、今風に言えばチートで手に入れた愛なんぞ、それホンモノって言えるかいのう?っちゅーやつで」

御坂「え、その理屈だとほぼ全てのトラック転生チートなろ○系小説が偽りだって事になるんだけど……」む

僧正「――きっかけ!チートを使ってもそれはただのきっかけじゃし、最後には本当の愛がなければ破綻するんじゃよね!」

御坂「日和った……この世界で一番強い存在があっさり日和ったわー」

僧正「アレじゃね。この世界以外にはケンカ売んなってことじゃね!」



――数分後

上条「――トリック・オア・トリート!お菓子をくれなきゃ、いたず、ら……する、ぞ……?」

御坂「なんで疑問系よ」

上条「いや、俺何してたっけかな。てかここ寮だよね?あの厳しいって超有名な」

御坂「早く中入って!寮監は急な用事が入ってセキュリティもたまたま今日だけ原因不明のエラーになったんだから!」

上条「あぁ!――でも待とうか!なんでビリビリは”今日だけ”って具体的に知ってるのかなっ!怖いぞ!」

御坂「まぁいいじゃない。さっ、今のウチに!」

上条「なんだろう……ウツボカズラのフタにとまった昆虫の気分だ……!」

白井「――ま、ヘタレお姉様ではコレが限度ですわよね」

僧正「そうじゃとも言えるし、そうじゃないとも言えるのじゃね。空即是色、色即是空、全て現であり幻でもある」

白井「いや誰ですのこのジジイ」


−終−



――学園都市 エツァリ家

トチトリ「ただのアパートでしょ」

ショチトル「気持ちは分かる。分かるんだが、こうなんだ。あるだろ?」

海原「まぁまぁ二人とも狭いながらも一国一城ともいいますし、そのぐらいで」

ショチトル「それはマイホームを購入したヤツだけが言える台詞だけどな。借家で何を言っているんだコイツ、という話だ」

海原「いやぁこれは手厳しい。もう少しアルバイトを増やさなくてはいけませんかね」

ショチトル「というかいい加減お前の顔をなんとかしろ。気持ち悪くて仕方がない」

海原「と、言われましてね。この顔で通している所が多いものですから」

トチトリ「あとから戻したり替えられる霊装じゃなかった?」

海原「ぶっちゃけ面倒だからイヤです。というか自分が今更キャラ変えても、ですから」

ショチトル「誰だよお前wwwwwwwwwwwwwww」

海原「あぁやりづらいですね!ほぼ家族同然に育った扶養家族が二人も増えるだなんてね!」

トチトリ「『こいつ誰?』っていうぐらい変わったよねー」

ショチトル「涙を拭け、トチトリ。私たちの兄弟子はもう死んだんだ、ここにいるのはJC大好きをこじらせて組織を裏切ったただのアホだけ」

海原「人聞きが悪い事言わないで貰えませんかねっ!?まぁ何一つ反論できないんですけども!」

トチトリ「えっと……その人との仲は……?」

海原「間接的に正体がバレているので不用意に近づくことも出来ず、たまに遠くからコッソリ観察するだけです」

ショチトル「本当にお前誰だよ。エツァリってこんなにアホだったか?」

トチトリ「環境が変わって学園デビューしたかったんだよね。分からないでもないけど」

海原「言わせてもらいますけどね!それだったらショチトルも同じじゃないですか!?コッソリJCを尾行しているって知っているんですからね!」

ショチトル「お前本当に気持ち悪いな。私は、というか私たちが関わった事件に巻き込まれたどアホのアフターケアをしているだけだよ」

トチトリ「あー、あの女の子だよね」

海原「あ、そうなんですか?なら今度紹介を」

ショチトル「黙れ妖怪JC大好き」

海原「ご挨拶だけですよ!?妹が世話になったんだから当たり前でしょう!?」

トチトリ「そしてその妖怪はこの国に結構いそうだよね。この間もソシャゲーの夏キャンペーンで中学生の半裸が乱舞したりね」

海原「その話はそのぐらいに上条さんが号泣されますから……まぁとにかく」

海原「紆余曲折色々とありましたが、自分達はあの『組織』から抜け出せ、こうして穏やかな秋を迎えているのです。それを祝おうではないですか」

トチトリ「だからハロウィン?」

海原「家族同士で集まって過ごす。こんな贅沢はないと思いませんか?」

ショチトル「家族、家族ねぇ?その家族同然のクソ野郎を追いかけて改造されたり、全くタチが悪いよな」

海原「そ、そういえば!引っ越し業者の車が止まっていましたよねっ!アームだかサカンだかって車が!」

ショチトル「”アルバイト”とやらで貴様は知らんと思うが、昨日挨拶に来たぞ」

海原「危険ではないのですか?」

ショチトル「いいや。残念ながら黒髪ツインテでお前の好きなタイプではなかった」

海原「そういう意味の危険じゃねーよ。てか別に危険でないですが!」

トチトリ「苦学生らしいよ。まぁ安くて身元も関係ない所って限られるし」

ショチトル「そういえば……もう一軒越してきたようだな。表札が新しくなっていた」

海原「元々転居が多い物件ですからね。所謂ワケありで」

ショチトル「我々には笑ってしまうような雑魚い怨霊だったな。呪詛返しを決めてドクドルに食わせたときの顔といったら」

トチトリ「あー、そういう方向の仕事だったら需要あるかもしれないよね。事故物件をクリーニングみたいな」

ショチトル「科学の街とは思えないぐらい澱んでいるんだよな」

海原「……悪くないですね。丁度知人が大富豪になった所ですし、おねだりしてみましょうか」

ピンポーン

海原「おや、お客さんでしょうか。自分が出ますよ」

トチトリ「近所の子供がお菓子を貰い来たのかも?」

ショチトル「子供、子供なぁ?未成年を子供だと定義するんだったら、大体が子供に当て嵌まるよなぁ」

海原「二人は先にお菓子食べていてください。どうせ大した用じゃ――」

ガチャッ

ドリー「こんばんわー!ハッピーハロウィーンだよーっ!」

ガチャッ

海原「……」

ショチトル「おい、どうした。女だったようだが、知り合いか?」

海原「――ごめん二人とも。二時間ぐらい外してくれないか?」

ショチトル「なんでだよ!?つーか家族がどうって言ったばかりなのに追い出されるのか私たち!?」

海原「えぇまぁ確かに家族は家族ですけど!ただ家族だって一線は引くべきだと自分は思うんですよね!」

トチトリ「あのエツァリお兄ちゃん……?」

海原「――はっ?!……自分は今一体何を……?」

ショチトル「この上なく錯乱してたぞ。何があったんだ?敵の魔術師の攻撃か?」

海原「ある意味素の通りなのかも知れません……?あれ?おかしいな?なんでこんな所にいる筈が?」

ガチャッ

ドリー「おかし、ちょーだーいっ!イタズラしちゃうぞーっ!がおーっ!」

ガ゚チャッ

海原「――一時間、いや!なんだったら30分でいい!」

ショチトル「トチトリ霊装持って来い。このアホの頭蓋開いて脳が詰まってるか見てやる!」

海原「ウォラかかってこい!愛の戦士である自分に勝てるもんならね……ッ!」

トチトリ「お兄ちゃんもショチトルも抑えて!?折角のハロウィンを鮮血で飾らないで!?」



――

ドリー「ふおぉぉぉぉ…………!?おかし、いっぱい……!」

トチトリ「えーっと、あたし達だけじゃ食べきれないから、良かったらあなたも食べて?」

ドリー「ドリー、わたしはドリーって言うんだよ!」

トチトリ「ドリー、ね?あたしはトチトリであっちでシリアルキラーの凶相を浮かべるのがショチトルで、あー……」

海原「自分は『エツァリお兄ちゃん』で!」

ショチトル「おいアホ。私たちには『兄と呼ぶな』と散々言っといてそれか、あぁっ!?」

海原「それはそれ、これはこれですよ!何言ってんですか!?」

ショチトル「てか、どういう状況だこれは。お前の人生狂わした女がどうしてここにいる?」

海原「知り合いかもしれない金髪グラサンから事情は大体。あの人ではないんですが、まぁお互いに存在しない姉妹のような」

ショチトル「全く興味はないし深く関わりたくもないからどうでもいいがな。ただ私たちの周囲に来られても迷惑なだけだぞ」

海原「すいませんトチトリ、ショチトル。ハロウィンパーティで足りないものがあるので買って来もらえませんか?」

ショチトル「……不自然極まりない話だな。それで?何を?」

海原「ツバメの子安貝」

ショチトル「かぐや姫ぐらい知ってるわ!てか似たような神話ウチにもあるだろ!」

トチトリ「絶対見つからないヤツだよね。まだ森の中で雄の家を探しに行く方が生存率が高いよ」

海原「どうしてそこまで頑ななのですかっ!自分が何かいかがわしいことでもすると言うのでしょうかっ!?」

ショチトル「いや、流石にそこは信頼しているが」

海原「――いや、待てよ?もし今自分が某かの罪を犯しても、捕まるのはオリジナル光貴君だけか……!」

ショチトル「お前ホンットに殺すからな?もしくは『殺して下さい』って言うまでお前の身内を追い込むかんな?」

トチトリ「その場合、あたししかいないんだけど。追い込まれる身内は」

海原「いや冗談ですよ。自分のプリテイーでキュアキュアなハートを信じて下さい!」

ショチトル「具体的な言及は避けたいが、まさに癖(へき)だよ。お金を落してるターゲットがそれ目的だよ」

ショチトル「……手じゃあ逆に聞くがな、二人になって何するつもりだ。いかがわしい事以外で言えば、皮でも剥ぐのか」

海原「自分を妖怪みたいに言わないで欲しいのですが。仕事以外で誰が使うんですか」
(※なもみ剥ぎ鬼)

ショチトル「だったらその皮さっさと脱げよ!なんか気持ち悪いんだよ!」

海原「――いいや、そういう訳にもいきません。自分がこれを使っているのはある種の罰的な意味もあるんです」

トチトリ「罰?」

海原「えぇ。この男はいたいけな女子中学生をストーカーして追い回していた、という最低男であり、その報いを受け続けねばならない……!」

ショチトル「そうだな。同じ標的をタゲしてたストーカーじゃなかったら良い台詞なんだろうな」

トチトリ「というか『暗部』に狙われるよねオリジナルの人。本人の与り知らぬ所で」

海原「まぁその時は、彼の意志を受け継ぐという意味で、戸籍も財産も自分が有効活用します」

ショチトル「最低だなお前」

トチトリ「他ではともかく、この科学の街じゃ無理だと思うな」

ドリー「ねーねー、おねーちゃん食べないの……?何か困ってるー?」

海原「ホォラこれ!こんな感じなんですよ!本当の妹ってのはね分かりましたかニセモノ妹ども!」

ショチトル「――トチトリ退け!ソイツ殺せない!」

トチトリ「気持ちは分かるけど!妹弟子を放置して愛()に走ったアホを殺したい気持ちはあたしにも分かるけど!抑えて!」

ドリー「……おにーちゃん?」

海原「……」

ショチトル「おいバカ、どうした?」

海原「自分は……そうか、この時のために生まれてきたのか……!」

トチトリ「人造人間がちょっとイイコトして自滅するときの台詞だよね。過去の行いは全部なかったことにして」

海原「――こうなったら仕方がない!例え妹弟子であっても容赦はしませんよ!自分と御坂さん(っぽい人)がラブラブするためにも!」 ザッ

ショチトル「お前やっぱりそうか?考え得る限り最低の理由で裏切ったんだったのか、なぁ?」

ドリー「けんかはよくないんだよ、めっ!」

海原「――ほら二人とも何やってるんですか、ケンカなんてやめてパーリーを楽しまないと!」

ショトチル「……憶えとけよ?数時間後には『ごめんなさいもうしません』ってDOGEZAしてるのはお前なんだからな?」

海原「ふっ、その姿を見て笑っていられるのかなっ!?」

トチトリ「どこに勝ち誇る要素があったの……?」

海原「まぁでも色々ありましたけど、お兄ちゃんは妹たちがこうやって仲良くしてくれるのを見るだけで幸せなんですよね」

ショチトル「自分が『お兄ちゃん』呼ばわりされたいためだけにキャラ変更し始めたぞこの男」

トチトリ「無様だよね」

海原「では全員でいただきますを――」

???「――そこまでですの!

海原「だ、誰ですかっ!?」

???「悪党に名乗る名前なんてありませんのよ!」 キリッ



――とある風紀委員支部

佐天「――えぇっ!?白井さんがオカシイって……ッ!?」

佐天「……」

佐天「――で、イギリスに現れたエメラルドドラゴンの話なんだけどね」

初春「すいません佐天さん。気に食わない話題だからって通常技キャンセルするノリで流さないでもらえませんか?」

佐天「いやでも、白井さんは基本常識人なのに御坂さんが絡むと大変っていうかHEN-TAIっていうか」

佐天「そして御坂さんとほぼ一緒にいるから常識的な部分がこう、うん!常にバステかかる呪いの鎧的なねっ!」

初春「ありますよね。未鑑定で『これ呪われてるかなー、でもいいや着けちゃお!』ってデロデロデロデロリーンってなるの」

佐天「――で、名前はどうしよっか?UMAの一種でロンドン塔でも目撃情報があるのでTMA(トーマ)なんてどうかなっ?!」

初春「やめてあげてください。誰とは言いませんが、その方は熱心なファンからは『でもこれはこれでオイシイかも?』って最近思われてるらしいですから」

佐天「もう身内が敵なんだよね」

初春「それで白井さんの話に戻しますけど、ちょっとみれを見てください」

佐天「いやあの、あたし巻き込まれたくないなぁって――て、これなに?入金記録?」

初春「はい。最近の白井さんの行動が不自然だったので調べてみたら」

佐天「これ以上ないぐらいの犯罪……いや今更だけど」

佐天「てかこの金額もみみっちいよ。月8,000円が三ヶ月って、大手通信会社の大容量データパックぐらいのお値段だよね。これがどうしたの?」

初春「……これ、お家賃なんですよ」

佐天「絶対ヤバイ物件だよね!?もうオバケが出るってレベルじゃなくて運営してるぐらいの!」

初春「優雅な妖怪が住んでそうなアパートですよね」


※コーポ・アステカ入居状況

三階――【○霊】【空き】【○霊】【空き】【○霊】
二階――【○霊】【空き】【○霊】【○霊】【空き】
一階――【空き】【海原】【警策】【??】【空き】


−終−



――とある風紀委員支部

佐天「それで、あたしがリアルスペランカ○した話なんだけどね」

初春「すいません。全然興味無いからって話題を露骨に逸らさないください。『あれこれ飛ばした?』って不安になる方もいます」

佐天「昔のアーカイバで見たら段差で死ぬんだよっ!?まぁあたしもヤバかったけども!」

初春「ホンッッッッッッッッッットに自重しろ、なっ?私だけでなくファン数万人が『おまっマジかっ!?』ってぐらいの暴挙ですからね?」

初春「私が解放されても『なんか血迷って高所から落ちて死んでました』なんて言われてたら、私も後を追うぐらいしか出来ないですからね?」

佐天「それはそれで重いし、あたしの覚悟が杜撰だと思うんだけど……」

初春「そして私以上にある意味過激派の御坂さんは、手当たり次第に超電磁砲を連射して学園都市を砂塵へと帰すかも……!」

佐天「それなんて巨神○」

初春「そして一部のファンは『まぁそれはそれとして看守服の下はどうなってんの?』と盛り上がるという……!」

佐天「夏頃に水着のお仕事もしたけど、ソシャゲーの。イイ感じで病んでるよね」

初春「あと意外に暴れそうなのが白井さんですかねぇ。人並み以上の倫理観を投げ捨てれば、レベル5に匹敵する天災も起こせるかと」

佐天「そうやって外側から脅すやめてくんない?あたしはただ初春を助けたかっだけで」

初春「ですから自重しやがれって話をですね」

佐天「『誰かを助けるのに。理由はいるかい?』」 キリッ

初春「やっぱれそれ言いたかっただけじゃないですかこのアマ――まぁ、それでですね。問題なのは白井さんなんですよ」

佐天「……超お安いワケあり物件を借りている、だっけ?」

初春「ですね。まぁそれだけじゃないんですが」

佐天「んー……普通に考えればセカンドハウス?みたいな?風紀委員のお仕事で疲れたり、被害者の人を匿ったりする?」

初春「それ風紀委員の中に犯罪者が居るって前提ですよね?……まぁ『これはちょっと』って一部の人もいますけど」

佐天「あーでもテレポーターだから帰ろうと思えば帰れるんだっけ?白井さんが御坂さんとお泊まりする機会を逃すとも考えにくいよねぇ」

初春「同居人と暮らすのをお泊まりカウントするのは知りませんが、まぁ違うでしょうね」

佐天「白井さんの隠れた趣味?実は寮には置けないゴスロリ衣装の保管場所……!」

初春「だったら超面白いですよね。ただこの幽霊でも出そうなアパートで仕舞うって発想はないかと」

佐天「てんんて薄い本にありがちな特殊な用途で使われる部屋、とか?」

初春「絶対にないとは言いませんが、ボロいアパートである必要性はないかと。そしてHENTAIに限っては絶対にないですよ」

佐天「八方ふさがりだよねぇ……てかさ、なんで初春はそんなに気になってんの?言っちゃアレだけどプライベートだよ?」

初春「これ以上ないぐらいの正論で諭されましたが……見てください、これ」 ピッ

佐天「あ、どっかの路上映像。定点の防犯カメラかな」

初春「でまぁこちらほ拡大しますと……」 パッ

御坂『……』

佐天「おぉ御坂さんですね。ジャンクなフードをお召し上がりに」

佐天「しかも常盤台の制服そのまんまだから『あ、コアなレイヤーの人かな?』って周囲から思われてるよね」

初春「身バレしても目立ちますし、ニセモノ扱いされてるぐらいで丁度いいんじゃないですかね。で、画像を少し横へズラすと」

白井『……』

佐天「知ってた。なんで御坂さんの画像って一瞬も思う事無く展開は読めてた」

初春「ちなみに白井さんの方は自撮りのフリをし、ギリギリ御坂さんがフレームに入るようなポジをですね」

佐天「なにその世界一切ないツーショット」

初春「続きましてこちらを」 ピッ

御坂『……!』

佐天「どっかのデパート屋上のヒーローショー……じゃないや、あぁこれゲコ太ショーにグラサンと少年の格好して潜り込む御坂さん……!」

佐天「レアっちゃあまぁレアだけども!もっとこう!JCとしてもプライドはないのかと問いたい!」

初春「それは仕方がありませんね。プリキュ○ショーにオッサン達が群がる現象も起きていますし、それに比べればまぁ微笑ましいと言えなくも」

佐天「……ま、それは置いておくよ。本題じゃないしね。それより白井さんは……あぁいるよね。柱の陰から地縛霊のようにジーッと」

白井『……』

佐天「初春」

初春「違いますよ?」

佐天「まだなんも言ってないけどお察しの通りだと思う。これストーカー案件だよね」

初春「もうやだなぁ佐天さんは。たまたまお二人で遊びに行って、距離が離れた瞬間が映ってるだけじゃないですかぁ」

佐天「前後の情報を出せ!話はそれからだ!」

初春「犯罪ではないので悪しからず。想像力が豊かなのも考えものですよねぇ」

佐天「それ悪役の台詞じゃないかな?偉くて悪い人が一般人か記者を始末するときに使うような」

初春「まぁ白井さんがオフの時間に何をされていようと我々は関知しないのですが」 ピッ

佐天「うっわー……また大量の御坂さんとストーキング中の白井さんの画像――あれ?」

初春「どうしましたか?幽霊でもいましたか?」

佐天「じゃなくてこれ、ここのボーイッシュ御坂さんなんだけど」

初春「あぁ、変装厨のですよね?」

佐天「厨じゃなくて中ね!誤変換が面白かったからってそのままにしないで!」

佐天「そうじゃなくて。この、コス中御坂さんの視線を追っていくと……ほら、ここ」

初春「……なんか幸薄そうなツンツン頭の人いますよねぇ」

佐天「てかあたしがお守り貸した人だよね。てかこっちの写真も、あホラ見て見てここにもあそこにも」

初春「ダブルストーキング案件でしたね」

佐天「まぁそんな写真を常備してる初春まで含めるとトリプルだけどね!3○か!」

初春「まぁ細けぇこたぁ良いとしまして、最後のを見てください。これです、路上系の」

佐天「あ、白井さんが堂々とストーキングしてる、御坂さん――を?」

佐天「よーく似てるけど、この人って……別人、だよね?たまーにいる御坂さんコスの人……でもないか」

初春「はい、そうですね。詳しい事情は私は全然分かりませんが、まぁそんな感じなんですが」

白井『――がるるるるるるるるるるる……ッ!!!』

佐天「ごめんね初春、この画像もらってもいいかな?なんか”念”が強すぎて静止画から白井さんのうなり声がするんだよね」

初春「いえあの、私も消したいところであるんですけど、そうじゃなくて今日の本題は――」



――数日後

ピンポーン

警策「ごっめーんドリー!今ちょっと料理して手が離せないから出て!」

ドリー「りょーかーいでーす!――もしもーし?」

警策「それは電話。誰か来たときには『こんにちは』……あ、今だとこんばんは、かな」

ドリー「はーい、『こんばんわー』」

ガチャッ

白井「――ごきげんよう。わたくし本日付でお隣に引っ越してきました白井と申しますの」 キリッ

ドリー「ごきげんよー?」

白井「淑女だけに許された挨拶ですのよ」 キリッ

警策「帰って!ドリー塩持って来て!」

白井「――安心なさいませ!ここに現役の風紀委員がおりますのよ!」

ドリー「わーい、ですのー!」

白井「『風紀委員ですの!』」 キリッ

警策「帰れ。てか何遊んでんですかHENTAIの人」

白井「――そう、人はときにわたくしをHENTAI呼ばわりする――ですが!わたくしは逆に問いたいですのよ!」

白井「真実の愛を貫いてHENTAIと呼ばれるのであれば!わたくしはHENTAIの汚名でも甘んじて受ける、と……ッ!!!」

ドリー「……へんたいのひと……?」

白井「ぐほおぉっ!?お姉様に言われてるようでこれは中々……!」

警策「その超電磁砲にチクりますよ?友達の知り合いってほぼホットライン持ってんですからね」

白井「まぁ、えっと……コーザックさん?」

警策「警策です。よくそのイジり方されますけど警策です」

白井「その……わたくしはあなた方の事情はよく存じませんの。わたくしはわたくしの正義を行い、そこに恥じるところはありませんの」

白井「ですけれども!あなた方にはあなた方がたのご事情があり、なんとかしようとした行動であるのも分かりますの!それを軽んじるなど愚の骨長!」

警策「このネタ二回目だろ。たった今使ったばかりの話を使い回すなよ」

白井「全てを救うのは無理だとしても、せめて!そうせめて関わった方は救って差し上げたい!そう思うのはわたくしのエゴでしょうか……ッ!?」ろ

警策「ウン、で本音は?」

白井「お姉様似のこの方に『くろこおねえちゃん』って呼ばれたい」

警策「また剛速球をストライクゾーンに放り込んできますよね。予想通りとはいえ」

白井「できればこのまま連れ去って育てたい」

警策「待って?私の戦った白井さんはそんなこと言う人じゃなかった!?」

白井「お願いしますの!決して淫らで邪なことは致しませんの!自己完結いたしますから!」

警策「……隣人にストーカーを招いて私たちにどんなメリットが?」

白井「まずわたくしがお隣に住むのは極々稀に!他は適当に顔を出すだけですから!」

白井「他にも何かあったらマッハで相談にも乗りますし!近くに風紀委員がちょくちょく顔を出していれば犯罪抑止効果にも!」

警策「ぐ、それはちょーっと魅力的ですよね」

白井「なにか問題があればすぐに引っ越しますから!せめてお試しだけでも!」

警策「って言われてもネェ」

白井「せめてお試しだけでも」 ニヤッ

警策「心証悪くしてどーすんだよ」



――ハロウイン当日 白井が借りた部屋

ドリー「こんばんはー!はっぴーはろうぃーん!」

白井「まぁこれはご丁寧にグヘヘヘヘヘ、小さくてキュートなお客様ですわグヒヒヒヒヒヒ」

ドリー「どーお!にあうでしょ−、かぼちゃげこた!」

白井「――あなたは何を着ても可愛らしいですわよ」 キリッ

警策「はいそこ、気持ち悪いお芝居をしない」

白井「あら今日は夜勤じゃ?」

警策「『パーティするから来い』ってメール出しましたよね?アッレー?」

白井「あなたもまぁ……これはこれで大丈夫!頑張れば守備範囲内ですわ!」

警策「冗談、ですよね?ガチで言ってるんだったらここでラウンド2おっ始めますけど?」

白井「という訳でドリーさん、好きなだけ召し上がっていってね」

警策「どうして会う人会う人、ドリーを食べ物で懐柔しようとするんだろ……?」

ドリー「ありがとーくろこおねーちゃん!」

白井「……あぁ、わたくしはきっとこのために生まれて来たんですわ……!」

警策「誰とは言わないが別の種類のHENTAIとカブってる……あぁまぁいいか。ほらドリー、頂きますしましょ、頂きます」

ドリー「んー……?ちょっと、おおいかも」

白井「メインはお菓子ですから、残ったら別の日の食べれば良いですわ」

ドリ−「んーん。そうじゃなくってね、みーちゃんたちとたべるのはもったいないなって」

警策「ってのは?」

ドリー「おとなりさんのおとなりさん!えっとね、はだがこいひとのおんなのことなかよくなったんだよ!」

白井「お隣さん……ですか。というかこの脈絡で名前が出るということは」

ドリー「よんじゃ……だめ、かな?」

白井「――えぇ勿論構いませんわ!ドリーが淑女になるためでしたら!」

警策「保護者を差し置いて勝手に決めんなよ。まぁ……邪魔にならないようね?騒ぐのが苦手な人だっているんだし」

ドリー「あーいっ!いってきまーっ!」

ガチャッ

白井「……いいですわね、子供って」

警策「出会って数週間、会って数日のあなたが言わないでください」

白井「しかし……少し解せませんわよね」

警策「何がですか」

白井「こちらの物件をお借りする際、当然不審者が潜んでいないか”たまたま”調べた訳なのですけれど」

警策「自分は?白井さん自身は不審者のカテゴリーに入ってないの?」

白井「入居しているのはここ一軒だけ――ハッ!?」 ヒュンッ

警策「ちょっ!?白井さん!?」



――隣

白井「悪党に名乗る名前なんてありませんのよ!」 キリッ

海原「――ふっ、確かに!そうこの愛を貫くために悪だというのであれば!自分は悪になりましょう!」

警策「それもうやった。そしてどこのHENTAIも自己顕示欲が強いから皮肉が通用しない」

海原「誰とは言いませんがドヤ顔で殺すつもりで襲っておきながら、いざ返り討ちにあった挙げ句!」

海原「その失態を誤魔化すために、『ニセモノはダメなんですか!』と開き直った男ですよ……ッ!」

ショチトル「あぁなんだアレそういうオチだったのか。後ろから計算もなく、本気で襲っておいた割りにはショッボイ負け方したなぁって思ってたんだ」

白井「大体ですね!この子の尊さをあなたはお分かりなっていないのですわ!決してお姉様の代用品などではなく、一個の人格を持つと尊重せねば!」

海原「あなたに言われたくはないですよ!ガワから入るだなんてマニアの風上にも置けやしない!」

警策「マニアだったのかー。幅広いな−、なんか」

ショチトル「えっと……なんかごめんな」

警策「あーイエイエ、こちらこそ、なんか、ハイ」

ドリー「よくわかんないけど……たべよっ!ごちそうっ!」

トチトリ「ねーっ!」

警策「って言ってますし」

ショチトル「……だな」

ドリー・トチトリ「はっぴー、はろうぃーーんっ!!!」



※コーポ・アステカ入居状況

三階――【○霊】【空き】【○霊】【空き】【○霊】
二階――【○霊】【空き】【○霊】【○霊】【空き】
一階――【空き】【海原】【警策】【白井】【空き】


−終−



――ロンドン 某大学研究室

オルソラ「――ときにエリスさんとはどのような仲だったのでございますか?」

シェリー「またぶっ込んできたわねシスター!?てか人でなしだらけの『必要悪の教会』でも最初に踏み込んできたのはあなたよ!おめでとう!」

オルソラ「あぁいえ、悪意がある訳ではなく。シェリーさんはただその、年下の少年にどのような感じで心を揺さぶられたのでございましょうか、と」

シェリー「悪意にしか聞こえねぇんだけどよ」

オルソラ「ですので蛇の道は蛇、ショ×の道はショ×という言葉がありますように」

シェリー「ないわよ。そんな爛れた格言あったらその国は滅ぶわ」

シェリー「あー、なんとなく時期的にハロウィン。で、少年ってことは誰が相手なのか察しもつくけどよ」

オルソラ「シェリーさんにはそういうご経験がおありかと」

シェリー「ハロウィン自体は好きよ。昔の十字教が伝播されるよりも旧い信仰が見え隠れしているし、文化自体はね」

シェリー「ただ付随するどんちゃん騒ぎは、なぁ?いい歳になって騒ぐのなんか痛々しいし」

オルソラ「成程。コミョ障には厳しいと仰る訳でございますか」

シェリー「随分はっきり言いやがったわねこのアマ!まぁその通りだけども!」

オルソラ「うーん、困りましたねぇ。シェリーさん以外でショ×道に一家言おありの方を存じませんし……」

シェリー「勝手に人をショ×神に奉り上げないで。そして余所で絶対に言うんじゃねぇわよ?絶対によ?絶対だからね?」

オルソラ「それは勿論――あっ、ダチョウ的な意味でございますね!了解了解でございますよ!」

シェリー「オイ誰か!天然が治る薬持って来てくれ!私が殴り飛ばす前に頼む!」

シェリー「……てかまぁ、アレよ。何かイベントがしたいんだったら餅は餅屋っていうじゃない?その手のプロにお聞きなさいな」

オルソラ「と、仰いますと」

シェリー「あんたの寮には娯楽に餓えまくったシスターどもがいたでしょうが。そいつらに聞きなさいよ」

オルソラ「――あぁ!アニェーゼさんたちでございますねっ!」

シェリー「てかそれで納得するってのは、前から薄々そう思ってる証拠――」

オルソラ「そういえばわたくし達は長い旅をしていたような……?

シェリー「もうすぐ再開するから。えぇきっと多分近い内には。てか冬野菜と台風の後片付けが一段落したら」



――寮

オルソラ「――と、いうわけでアニェーゼさんのお部屋へやってきたのでございますよ」

ルチア「あの、シスター・オルソラ?誰に向かって説明台詞を……?」

アニェーゼ「尺の都合でツッコむのは野暮ってもんですよ。てかただでさえネタに走ると文字数が足りない」

オルソラ「なのであの方へサプライズ兼、大喜びになるアイディアはないかと。お知恵を借りたく参上捕まった次第でございまして」

アンジェレネ「きょ、今日のシスター・オルソラは言語機能が古いんですけど……」

ルチア「最近はアホ会話しかしなかったので、たまには難しい言葉を使ってみたかっただけかと」

アニェーゼ「頭を上げてくださいオルソラ嬢。そういうことでしたら是非とも協力させてください」

オルソラ「ありがとうございます」

アニェーゼ「で、まぁハロウィンなんですが、必要かつ重要なのはたった一つの要素です。それは――」

アニェーゼ「――『MO・E』です……ッ!!!」

オルソラ「も、え?」

ルチア「いけませんシスター・アニェーゼ!シスター・オルソラになんて邪なことを吹き込もうとしているのですかっ!?」

アンジェレネ「よ、よこしまかな−、も、モエってそんなポジだったかなー」

アニェーゼ「何を言うんですかシスター・ルチア!?これは世界の理にして唯一の真理なんですよ!?」

ルチア「理と真理がダブルミーニングですが……まぁ、聞きましょう」

アニェーゼ「いいですか、こう例えばハロウィンで可愛い衣装あるじゃないですか?魔女風だったりカボチャだったり、まぁ色々です」

アニェーゼ「――ですが!どんなに可愛い衣装であっても可愛い人が着れば可愛く!そうじゃない人であればそうじゃないんですよ……ッ!!!」

ルチア「例えが悪すぎます。なんだこの超問題発言」

オルソラ「えっと、つまり?」

アニェーゼ「……少し前に蒼き鋼のロ×ペ×オというアニメがありました」

アンジェレネ「ち、違いますよ。あ、蒼き鋼のアルペジ○で、原型残ってないじゃないですかぁ」

ルチア「そして殆ど原題が残っていないのに元ネタが分かるシスター・アンジェレネは一体……」

オルソラ「出だし部分が特徴的でございますから、まぁ?」

アニェーゼ「原作は漫画なんですが、まぁ一言で言えば『擬人化女子戦艦』と。艦こ○です」

アンジェレネ「だ、だから大いに違うかと。か、艦こ○よりも数年前から始めてますし」

アニェーゼ「まぁ超戦艦のメインコンピューターらしきものが女子化したりしていますが、中身は”超”硬派な海戦と謀略モノなのは間近い無いです」

オルソラ「私、戦争があるフィクションはあまり……」

アニェーゼ「でしたら控えていた方が良いかと。キャライラストに引かれていますが、ガチです……ま、それはいいとしてアニメ化が決まりました」

オルソラ「何やらもう風向きが変わってきたような……?」

ルチア「『ダメアニメを愛でる会』でもしてるのかと思うぐらいですからね、このお二人は」

アニェーゼ「詳しくは原作と円盤の両方買って確かめて頂きたいところですけど、まぁざっくばらんに言えば原作レ××です」

ルチア「あの、そういう強い単語を使うのはどうかと」

アニェーゼ「本編が未完結+1クールという縛りがあり、登場人物は原作の半分、しかもほぼ全員が何らかの改変喰らったク×アニメです」

アンジェレネ「そ、そこはダメでいいんじゃないかな……」

アニェーゼ「――が、しかし!不思議なことに円盤も青い円盤もそこそこ売れ!なんと数年後には劇場版が二作も作られまた売れました!」

オルソラ「それは宜しゅうございましたね。スタッフの方の頑張りがあったのでしょうか?」

アニェーゼ「あぁいえ、ファンはただ『メンタルモデル(戦艦の精神が少女化したの)可愛いな』、しか見ていなかった説……!」

アンジェレネ「こ、言葉を選びましょう、ねっ?た、例えそうとしか思えなくっても!」

アニェーゼ「もっと正確に言えば『ムサ○が”お父様”って言うの超可愛いよね!』、と……ッ!
(※ムサ○――CV;釘宮理○)

アンジェレネ「う、嘘だッ!む、ムサ○が出て来たのは劇場版からでアニメ版は関係なかった筈だ……ッ!」

ルチア「いやですから。どうしてそこまでアニメの造詣に深いのかと」

アニェーゼ「ですから!オルソラ嬢もMOEの化身である私の言うことを聞けば!あの少年もエ×いハロウィンコスで一発:KO間違いなしってもんですよ!」

ルチア「耳を貸してはいけませんよシスター・オルソラ!この人はあなたをダシにして遊ぶ満々に決まっています!」

オルソラ「……私が、可愛い、に……!?」

アニェーゼ「神はあなたを試しておいてですよ……!さぁ、私を信じてオルソラ嬢……!」



――学園都市 とある高校 放課後

青ピ「なぁなぁもしも、もしもやで?薬で成長が止まったロ×ババアお姉さんニンジャに出会ったらどうする?」

土御門「お前頭おかしいのか?決まってんだろ!」

青ピ「そやんなぁ!『結婚してください!』、『前世から愛していました!』、『その小さな胸を愛するためにボクは生まれてきたんです!』の三択やんなぁ!」

吹寄「即通報案件よね」

姫神「というか最後のは入れない方が良いと思うよ。気にしている人だっている訳だし」 チラッ

吹寄「いやこっち見られても」

土御門「いやNINJAならそれに相応しい呼びかけが必要じゃないかにゃー?例えば『俺に一生仕えてくれ!』的な?」

青ピ「おぉ……!流石は我が永遠のライバルの一人土御門!そこまで考えが回らんかったわ!」

吹寄「あの、忍者はね?まずフィクションであって」

姫神「しっ。吹寄さん。ここからが面白い」

青ピ「ねーねーカミやんはどう思う?この間『鎖かたびらとタイツって似てるけど違うよな』って一時間喋ってたカミやんはどう思いますのん?」

吹寄「なにその爛れた大喜利」

姫神「そのお題で一時間喋れるんだ。何を力説していたのか逆に知りたいよね」

上条「……いやごめん、話を聞いてなかった。ちょっと考えごとしていたから」

土御門「お、なんかあったのかい?アニメが不人気だったのがそんなにシヨックだった?」

上条「そんな事はどうでも良いんだよ!関係者全員が『あ、これヤバくね?』って何となく予感はあったんだから!」

姫神「良いんだ?それで本当に上条君は良いの?」

上条「そんなことよりも俺が考えてるのは――『実は俺が主役だった』ってことなんだよ……ッ!」

姫神「カミジョー。、あなた超疲れているのよ」

土御門「あー……ついに病んじまったぜぃ」

上条「待ってくれ!俺の話を最後まで聞いてくれ!そうしたらきっと納得するって!」

姫神「こういう自虐ギャグ好きかも。それで?」

上条「あぁ、俺に彼女が出来ないのは主人公だからって思いついたんだ!」

土御門「えっと……なんて?」

上条「だから!主人公に彼女が居たら引くだろ!?ラブコメで彼女が居たそれはただの女癖の悪い人だ!」

土御門「今も酷いだろお前」

上条「だから主人公には彼女を作っちゃいけないんだ!そして俺には彼女が居ない――ってことはつまり!俺は主人公ってことなんだ……!」

吹寄「その理屈で言ったら大体の人が特定の年齢まで主人公じゃ……?」

姫神「そして普通に今時のフィクションではいるよね。彼女兼ハーレム要員とか。彼女兼妹兼元義妹とか」

吹寄「なにその尖りすぎた設定」

青ピ「……て」

姫神「て?」

青ピ「――天才現る……ッ!!!」

青ピ「――わあぁぁぁかるっ!カミやん!分かったわ!どうしてボクに彼女が出来ないからって!

青ピ「確かにボクは主役やし!だからやんね!いたら引くもんね!」

姫神「私の話を聞いてたかな?今はそんなに珍しくないよ。彼氏・彼女持ちの主人公って」

吹寄「まぁ本人達の気が済むんだったらいいじゃない、ねっ?」

上条「ってことは吹寄、お前も主人公……ッ!?」

吹寄「ウルッサイわね!『性格きつそう』って敬遠されてんのよこっちは!」

姫神「キツいのは上条君たちへの当りが強いだけであって。本当はとても優しい」

小萌「――はーい、アホな生徒ちゃんはいつまでもダベってないでさっさと帰るのですよー」

上条「小萌先生も主人公ですよねっ?」

小萌「失・せ・ろ☆」

土御門「いや小萌先生の場合はな、本人のタイプが『大人扱いしてくれる人』なのに対して、寄って来るのが全員ペ×の呪いがかかった人だから」

小萌「何普通に分析してくれやがってんですか!?」



――上条のアパート

上条「たっだいまー。お腹すいたろインデッ」

オルソラ(インデックス服)「――お帰りなさいませ!今日も一日お勉強大変でしたでしょう?」

オルソラ(インデックス服)「ご飯もできていますし、お風呂も焚いておりますよ。ささ、どうぞカバンをこちらに」

上条「……」

オルソラ(インデックス服)「プリーズ?」

上条「……あぁただいま。ごめんな、何か悪い夢をずっと見ていたようでさ?」

上条「そっか、そうだよな。俺の帰るべき家はここだったんだよな……!」

インデックス「――待つんだよとうま!?非現実に逃げちゃダメなんだよっ!」 バタンッ

上条「あれ?君はどこかで会った、かな?」

インデックス「そういうあからさまな態度はやめてほしいかも!」

上条「オルソラ、よく分からないけど彼女にお茶を出してくれないかな。どうやらまたいつも魔術絡みの事件らしい――」

上条「――ふっ、やれやれだぜ!俺たちの新婚旅行にも行けやしないなっ!」

インデックス「やめてくんないかな?そうやって妄想の上におるそらとくっついてる設定盛るのやめてくんないかなあぁっ!?」

オルソラ(インデックス服)「……はい。あなた」

インデックス「おるそらが裏切ったんだよ!?『簡単かつクリティカルなドッキリですから』って言ったから乗っただけのに!」

オルソラ(インデックス服)「はぁ、アニェーゼさんが『ロ×じゃない人にはこれしかない』と仰いまして」

インデックス「その言い方だと私が特別な癖に対応してるように聞こえるよ!違うからね!」

インデックス「ていうかもうハロウィンじゃないんだよ!こんなハロウィン私はぜーーーったいに認めないんだから!」


−終−



――

黒夜「マズいことになったな。想定外、というのはいつものことだが」

麦野「今回は学園都市の狂気もいよいよ来るところまで来た感があるわよね。ハラ抱えて爆笑したあとアタマ抱えたわ」

ミサワ「まぁ悪夢っちゃあ悪夢だわ。ミサカは更に敵が増えてラッキーだけど」

麦野「ホームレスとグーグ○会長、どっちが大勢の怨み買ってるかって言えばそりゃ知名度ある方よね」

黒夜「公表はしてない……まぁ同じか。一般人から狙われるよりも危ない連中は耳が早いし」

ミサワ「というかスキャンダルにならないのかねぇ?ババ×からロ×まで女子四人と同棲中!……いいなこれ、どっかの雑誌に売りたいわー」

黒夜「アンタも狙われるだろ。というか高校教師兼警備委員が若いツバメ囲ってるのかアリなのか?」

麦野「お子様にゃ分かんないでしょうけど、この世界には性欲以外でも繋がっていられるモンがあんのよ」

黒夜「ほう?教えてくれよ人生の先輩さんよ、HAMADURAとあんたの関係ってのはなんだ?」

麦野「た、『体晶』の使いすぎで滝壺に残された時間は少ない……!」

黒夜「マッチポンプだろ。アンタが強いていたんだろ」

ミサワ「というかそれ時間の問題で爛れた関係になりそうだよね、ってミサカは言ってみるけど」

麦野「まぁでもこのまま黙って、ってのは無理でしょうね。立していた私たちに未来はない」

黒夜「良くて始末、悪くて見せしめに使われると」

麦野「よね。私だったら確実にそうするわ」

ミサワ「派手なことは好きじゃないと思うけど、まぁ立場が変わったらそうなっかもしんないよねー」

麦野「私一人だったら『まぁツケが回ってきたか』で済むんだけど……こっちには子供もいるし」

黒夜「……最悪だな。悪い想像だけしか浮かばない」

ミサワ「――大丈夫よ!見方のフリをして内偵していたこのミサカの知識を持ってすれば!あの人の心理はバッチリ把握してるわ!」

麦野「クソみてぇな条件の中で唯一の光明がそれだけかよ」

黒夜「選択肢があるだけマシだと思え」

麦野「まぁ、そうなんだけど。あぁ気が進まねぇなぁ」

黒夜「仕方がない。物理的な排除が出来なくなった今、私たちにできる手段などたかが知れている。それより大丈夫なのか?」

ミサワ「任っせて!あの昇進チンピラめ、獅子心中の敵を作ったことをアフターリグレットさせてやるぜ!」

黒夜「後悔な?後ろと悔やむをそれぞれ英訳しても通じたりはしないからな?」

麦野「でも何となく言いたいことは分からないでもない」



――黄泉川家のマンション

レシートの裏【お前の大事なものは預った。返して欲しければ××学区の倉庫にまで来い】

一方通行「……」 グシャッ

ガチャッ

芳川「――ただいまー、って愛穂帰ってないの?」

一方通行「……見てねェな。急な仕事でも入ったンだろォよ」

芳川「警備員なんてするから忙しいのよね。もう少し街が静かになればのんびり出来るのに」

一方通行「だな。上が腐ってるうちはどォしようもねェだろえが」 スッ

芳川「あら出かけるの?今帰って来たばかりなのに」

一方通行「ちっと野暮用がな」

芳川「野暮用って……あぁ!あの男の子!」

一方通行「違げェよ。つかまずそこは女の子から疑うべきだろ」

打ち止め「そうなの?てっきり悪い人をセーバイにいくもんだとミサカはミサカは確信してたり!」

一方通行「俺は水戸黄○か。どっかの趣味人と一緒にしてんじゃねェ――ってオマエ」

打ち止め「なーに?」

一方通行「あァ別に用はねェンだ。だったら黄泉川は……」

打ち止め「一緒に帰ってきて下の駐車場に車を停めてるんじゃない、ってミサカはミサカは想像してみるんだ!」

黄泉川「クーペだと二人乗りでも狭いじゃんよ。停める分には楽なんだけど」

打ち止め「次はハマーだ!あの日本の公道すら走れないフォルムに憧れるよねってミサカはミサカはおねだりするんだ!」

黄泉川「何が悲しくて職場の車買う必要があるじゃんよ。あ、でもガワだけライセンスで中身は別モンだったじゃん?」

一方通行「……」

芳川「なに?出かけるんじゃないの?忘れたの頼もうと思ったんだけど」

一方通行「いや、気のせいだ。何もなかったわ」

芳川「まぁ寒いと出かける気も失せるわよね」

一方通行「寒いンじゃねェよ。まァ寒いが」

芳川「あと相談なんだけど、君のお友達の名前で『俺の管理人になってください』ってスパムが届くのよ」

一方通行「怖ろしいなァオイ。出てねェのに狙撃してくンなや」



――黄泉川家のマンション

ミサワ「――ってなんで来ないのよ!?」

一方通行「来やがったな自演☆乙」

ミサワ「やめろ。私をその今じゃ痛々しいだけのハンドルの人と一緒にしないで」

一方通行「つーかやっぱオマエかよ。ちったァ反省しやがれボケ」

ミサワ「そんかな酷い!このミサカが信じられないっていうの!?差別だわ!」

一方通行「区別だよ。数え切れねェぐらい下らねェネタやったツケだわ狼少年」

ミサワ「いやいや、今回はマジなんですぜ旦那」

一方通行「狂言誘拐の設定はどォした?」

ミサワ「あー、いやあれはノリで?何となく?」

一方通行「……じゃァなンだよ。俺に用事があンだったらここでいいじゃねェか」

ミサワ「いいの?ミサカとしちゃ喜んでそうしたいとこだったんだけど」

一方通行「……あ?」

ミサワ「柄の良くないお友達から『会いたい』ってラブコールなんだぜ?」

一方通行「……クソが。どいつもこいつも……!」



――××学区 倉庫入り口

ミサワ「……くっくっく……!よく来たな一方通行!」

一方通行「一緒だっただろ。ここまで来ンのに同じタクシー乗って来ただろ」

一方通行「最初俺一人でタクシー乗り込ンだら、オマエが必死の形相でダッシュして追いかけて来たのがあまりにも可哀想で乗せてやったンだよ」

ミサワ「くっ!そうやって少し女に優しくすれば落ちるとか思わないで!」

一方通行「じゃあ今からフルボッコな?教育に悪りィし、オマエもいい加減消さなきゃいけないって思ってたところなンだわ」

ミサワ「――脅されていました!ミサカ悪くないもんっ!」

一方通行「清々しいまでのクズっぷりどォも。その顔じゃなかったら今頃人類初の生身での熱圏突破にトライさせてたところだ」

ミサカ「ミサカ、オーロラは上よりも下で見たい派なの!」

一方通行「で?俺はなンでこンな場所にまで呼び出されてンだ?内容によっちゃ成層圏ドライブはまだあンだからな?」

ミサワ「オーケイお客さん!興奮するのは分かるが早まるな!ただ話があるっていうか取引がしたいんだって!」

一方通行「取引、ねェ?正面から訪ねて来ねェ連中が?」

ミサワ「ま、まぁまぁ!会ってみれば分かるから!知り合いだから!」

一方通行「中に銃持ったヤクザが詰まってたら、オマエ覚悟しておけよ?どンな真似してでも地球外までぶっ飛ばすかんな?」



――××学区 倉庫

麦野「……来たわね」

一方通行「誰かと思えば『アイテム』の残党さンじゃねェか。なにやってンだ、ンなとこで、あァ?」

麦野「――このクソ野郎が!」

一方通行「ご挨拶だなァオイ。まァよく言われるけどよ――オォ……ッ?」

麦野「前からクソだクソだと思ってはいたけどね、ここまでとは――いいわ、そのドス黒い欲望をぶつければいい……ッ!」 ヌギッ

一方通行「おゥ待て待て待て待て、つーか待てよ。何脱ごうしてンだ」

麦野「何って……そりゃ決まってんでしょうが!あんたがあたしらに手を出さない代わりに!」

一方通行「――オーケイ分かったババ×、分かったからそれ以上言うな、なっ?」

麦野「まぁ私の美貌に目がくらむ気持ちは評価できるけど!でもこういうのはゲスよね!」

一方通行「マニア度が高すぎンだろ。オマエ確か何割かサイボーグ化してンだから企画モンA×じゃね――」

ドウゥウウンッ!!!

麦野「ぶち殺すぞ?」

一方通行「やってンだよな?今の威嚇じゃなくて俺が操作しなかったら確実に眉間ぶち抜いてたよなァ、アァ!?」

麦野「私のどこが不満だっていうのよ!?だって浜面なんかちょっと短いスカート履いたらチラチラ見てくるのに!」

一方通行「スッッッッゲェな浜メン。生まれて初めてアイツが勇者じぇねェかって思ったわ」

麦野「あと浜面のチンピラ仲間でツンツン頭の少年も、『麦野さんって管理人さんが似合いそうですよね!』って口説かれたんだからね!」

一方通行「人類史上最低の口説き文句だな。石碑に刻んで子々孫々語り継ぎてェぐらいだわ」

麦野「それに――覚悟を決めたのは私だけじゃない!そっちにも!」

一方通行「あァ?」

黒夜「……くっ、殺せ!」

一方通行「うンあれだ、まず整理しようぜ?俺も考える時間が欲しいっつーか、冷静になりたいンだよ」

一方通行「あーっとォ……うン知ってる。運び屋だったか、そンなンで何回か絡ンだンだ。憶えてる憶えてる」

黒夜「じゃあ名前言えよ。憶えてないヤツが言う台詞だよな」

一方通行「それがな、オマエが両腕取り外して古いバスタブン中にいるのはなンでだ?俺に教えてくれよ、なァ?」

黒夜「好きなんだろ?」

一方通行「猟奇的過ぎンだろ。一億歩譲ってオレにロ×疑惑がかかってるのは、まァ認めないでもねェンだが。いや違う。ロ×じゃねェよ」

一方通行「アレか?この上人体欠損なんて属性加わったら、どンだけオレは業深くなンだよ?なァ?」

黒夜「で、でも確かクローン虐殺してるときには、人体破壊にハァハァしてるって描写も……}

一方通行「あったけどもだァ!今はホラ、ダークヒーロー路線に乗っかってンだから、なっ?黒歴史を今更オープンにしたって誰も喜ばねェンだよ!?」

麦野「でもロ×は強く否定しなかったわね。さっ、もう一押しよ!手を出せばこっちの勝ちだわ!」

一方通行「テメェが対象外になったら強気になったよなァ?あァいやどっちも対象外だが」

黒夜「嘘吐いてンじゃねェぞ第一位!こっちには身内からの証言が出てるんだからな!」

一方通行「……どンなだよ」

黒夜「『世界一のケ○○○○美術館を建てる!』ってゴリ押ししようとるとか!」

一方通行「ほぼ載らねェよ。ググったら『これ大丈夫か?あいちトリエンナー×よりもこれ芸術って言い張って良いのか?』って全員思うよなァ?」

黒夜「『双星の陰陽○を14歳に戻せ!』ってアンケート葉書を出したってんだろ!?このロ×!」

一方通行「オレじゃねェよ。なんかこう、誰かが仕事で付き合いのある上司の話だよ。『16までは許すが20はない』って聞いて戦慄してンだって」

一方通行「……つーかお前らなンの話だよ。どォして美人局仕掛ける側になってンの?」

麦野「……あんたが学園の統括理事長になって、私たちを粛正するって話だからよ!」

一方通行「はァァァァァァァァァ!?オレもオマエらもやってた事ァ同じじゃねェか。今更粛正するンだったらもっと早くやって」

ミサワ「――ハッピー・ハロウィーーーーン!!!」 パーンッ

一方通行・麦野・黒夜「……」

ミサワ「やーい引っかかった引っかかった!白モヤシも姐さんもクロにゃんも!」

ミサワ「どう!?ハロウィンだから、ねっ?他愛のないイタズラはつきものじゃんよー、ねーぇ?」

一方通行「あーっとォ――うン、まァそうだよな。他愛のないのだったら、な?」 ポンッ

ミサワ「だよね!」

一方通行「ただちょォォォォォォォォっとやり過ぎた、ってェ分かるよな?空気読んで?」

ミサワ「あ、あははは……ウン!そんな感じはしてた!ミカサでも『あれこれマジギレすんじゃね?』ってね!」

一方通行「だから、まァ……取り敢えずオレの番は、そっちの二人が残ってたら、だな」

ミサワ「あ、これマジ殺し確定だわ」



――黄泉川家のマンション

一方通行「……帰ったぜ」

芳川「帰った、じゃなくてただいまでしょ?手を洗ってうがいしてきなさい。風邪流行ってるんだから」

一方通行「うるせェよ」

芳川「ていうかあの子は?大っきなミサカちゃんも一緒だったんじゃないの?」

一方通行「……そォだな。アイツは今頃星になって、地球をグルグル回ってンじゃねェかな?」

芳川「なんで詩的表現?」



−終−


――上条のアパート バスルーム 深夜

上条「……ぐー……」

数多「――」 プシューーーーッ

上条「ぐ――?………………すー……」

数多「よし、さっさと運び出せ」



――???

上条「……」

???「――起きなさい上条当麻よ、今日はあなたの17歳の誕生日です」

???「お城で王様がパイルダー・オ○」

上条「ドラク○じゃねぇのかよ。ドラ3の導入部からマジ○の世界観に飛んでんじゃねぇよ」

???「ツッコミで目を覚ますとは……なんと業が深いのかね」

上条「てかこの声]TSじゃない方の理事長、人気ない方の理事長だよ……な?あれ?ここどこ?」

???「何でもかんでも女体化すれば許されるのはどうかと思うんだよ。まぁ狙ってやったのは間違いないが」

上条「アレだけアホみたいな数のアレイスターの可能性があって、『子供を守らなきゃ!』って常識的な判断したのが一匹しかない時点で親失格だよ」

上条「つーかここどこだよ!?ご丁寧にバスタブごと運びやがって!今度は俺をどんな面白企画に巻き込むつもりだ!?」

アレイスター(???)「そうではありません上条当麻よ。自分の置かれている状況をよく見るのです」

上条「つーかお前も口調ぐらいは統一しろやと思うんだが……なんだろうな、どっかで見た赤ベースの何とも言えない場所だな、ここ」

アレイスター「ここはあの世です。哀れな魂よ」

上条「あの世?何言ってんだアホ理事長、俺が、俺がまさか死ぬわけは――」

上条「――ってなんかそれっぽい!?このセット鬼灯様の冷○で見たわ!?」

アレイスター「納得しましたか」

上条「いやでもバスタブも一緒に来てるのはなんで……?」

アレイスター「バスタブも一緒に死んだのです」

上条「いくら何でもその言い訳は苦しいだろコノヤロー」

アレイスター「考えてもみなさい。バスタブにだって魂が宿らないなどと誰が言ったのですか?」

上条「じゃあ逆に聞くが『バスタブも魂があるんだから大事に扱いなさい』って、どこの聖人や宗教で説いてんだよ、なぁ?」

アレイスター「アレです。バスタブには夢がありました。学園都市に配属されるんだったら未熟な肢体を存分に味わいたいと」

上条「おいヘンタイ。全国のバスタブさんがお前を名誉毀損でうったえるんぞ?」

アレイスター「いざ実際に来てみれば!銀髪ロ×少女は生活習慣の違いからバスタブに入ろうとはせず、毎晩毎晩ヤローに占拠され!」

アレイスター「時には魔術で攻撃され、また時には爆破される――そんなに過酷な日々で魂を削れていったんですよ!?」

上条「あれ……?インデックスってバスタブ普通に使ってたような……?」

アレイスター「飲んだの?」

上条「だからHENTAIのレベルが高すぎるんだよお前は!なんで一緒に暮らしてる相手にする必要があるんだ!」

上条「あと確かに攻撃されまくってるのはバスタブさんに悪かったとは思うが、その中心にいたのは主に俺だから!俺の方がダメージ受けてっから!」

アレイスター「そうです上条当麻よ。そうした積み重ねであなたも命を落したのです」

上条「ちになみに死因は?」

アレイスター「瀕死になりすぎです」

上条「そっかそうだよな!俺もなんか『俺毎回毎回瀕死になってっけど、ダメージ蓄積するんじゃないの?』って薄々思ってた!やっぱそうか!」

アレイスター「しかしあなたは現世との苦しみや悩みから解放されたのです。これは救いなのですよ」

上条「……そうか。なんか長生きできねぇだろうなぁとは思って太が、まさか父さん母さんよりも早かったか。親不孝しちまったな」

アレイスター「じゃあなんだったら一緒に」

上条「そっちの方が親不孝度高いだろ!?息子先に逝ったら道連れにしたらな!」

アレイスター「後悔、しているのかね?」

上条「いやそういうのは別に。だって俺がしたのは」

アレイスター「まぁそれはいいから次に進めよう」

上条「良い台詞言うとこだったろ!?俺の見せ場奪うなよ!?」

アレイスター「そんな感じで君は死後の裁判を受けなくてはならない。生前の行い如何でどの地獄へ行くかが決まる訳だよ」

上条「だからさ。地獄のギャグマンガで残り数回のアレで読んだけども、大抵の人は犯罪をしなくても地獄行きだって確定してるよね?救いはないよね?」

アレイスター「今から君と縁のあった人間が呼ばれ、彼ら彼女らの証言で君の罪が決まる。分かったかな?」

上条「すいませんTSじゃない理事長。俺一応何回か世界救ってるんですけど、その功績は考慮されるんでしょうか?

アレイスター「あれ君言ってなかったっけ?『俺が救ったんじゃなくて世界をなんとかしようって全員が頑張った結果だ』みたいなこと?」

上条「余計だった!?『俺のお陰だぜお前ら恩に着ろ!』って言っときゃ今頃は!」

アレイスター「それはそれで七つの大罪の方に引っかかりそうだが。まぁでは最初の証人、おいでませ……ッ!」

インデックス「……」 トコトコトコ

上条「あ、なんだインデックスか。てっきりこの手の企画だと青ピ・土御門・海原って俺の天敵ばっかり並んでるもんだと」

アレイスター「それはないよ。生前の君の行いを正確に記憶している者を呼ぶ。ズルをしてしまったら意味がない」

上条「だよな。さっ、インデックスさん!君が知ってる俺のありままの姿を教えるんだ……ッ!」

インデックス「……いいの?遠慮はしないんだよ?」

上条「当たり前じゃないか!さっ、早く俺を管理人さんの居る天国へゴートゥヘヴン!」

アレイスター「ちょっと君の学校の英語カリキュラムを見直したいところだよね。そして君の天国碌でもないな」

インデックス「――初めて会ってすぐ、全裸にされたんだよ……ッ!」

アレイスター「ほう、興味深いね」

インデックス「もう何回見られたのかカウントするのも馬鹿馬鹿しいのかも!大体とうまはいっっっっつもそうやって!」

上条「待って!君の発言で俺がドン引きされるような拷問される未来が来るかもしれないんだ!だからよーく考えて発言して!」

インデックス「ありさのときだってそうだったよね!?普通はあそこでノックすれば良かったんじゃないの!?」

上条「アリサは……魔術師に追われてたんだから仕方ないがないだろ!一分一秒を争う事態になってたかもしれないし!」

アレイスター「それ以前に需要があるからね。『PS○審査これよく通ったよな』的なCGが四人分もだね」

上条「口を慎め、なっ?例えそれが事実だったとしてもだ!」

インデックス「だから裁判官の人!とうまは少しぐらい痛い目を見た方が良いと思うんだよねっ!?」

アレイスター「了解。それでは宦官の刑にしよう」

上条「あ、それ俺知ってる!中国の役人でチ××切断された人だ!」

インデックス「十王の裁判に、というか地獄にそこまで政治的な刑罰は存在しないんじゃないかな?あ、でもニホンはHENTAIの国だから分からないんだよ」

アレイスター「ありがとうインデックス君。君もさぞ辛かったんだろうに、証言を強いてしまったのを謝罪しよう」

インデックス「う、ううん?そんなに真剣になられると、こう逆に居たたまれないって言うかね!もっとぎゃぐとして流して欲しいっていうか!」

上条「オイコラ。そのギャグで俺のこれからが決まるんだよ!屈強な鬼どもにまさに地獄の責め苦に遭うかって瀬戸際でな!」

アレイスター「では続いて次の証人、前へ進みたまえ」

御坂「……」

上条「おぉっと騙されないでくれ裁判官、つーか多分閻魔様!これは陰謀なんだ!俺を陥れるためのパワー的なものがはたらいているんだ!」

インデックス「もうなんか、言い訳も絶対にできない植えに疚しい人って姑息な手段に出るよね。逆効果だけど」

アレイスター「これはこれで楽しいし、後々人間関係に響きそうで良い感じだよ」

上条「お前ら悪魔か!?」

アレイスター「いいや?鬼って設定だけど?」

インデックス「それは違くて。閻魔さまは人間の祖だから鬼じゃないくて、まぁ原初の巨人にも近い感じ?」

御坂「……あたし、告発するわ!」

上条「すいません人気ない方の理事長に似た閻魔様、あいつ自販機キックしてジュース窃盗の常習犯なんですよ!」

インデックス「次はアレだよね、”どっちもどっち”論を持ち出したんだよ。大抵より悪い方が言い出すんだよね」

アレイスター「程度の問題かな。一億弱の脱税と二万円の香典が等価とは思えないがね」

御坂「いいじゃない別に!最近はそんな描写ないし、なかったことになるんだから!」
(※少なくともここ10年弱は)

アレイスター「上条当麻、不規則発言は控えるように。今は君の行いを裁いているのであって彼女ではないよ」

上条「……くっ!俺に味方は居ないのか!?」

アレイスター「なんだったら弁護士として金髪の子と青髪ピアスの子が手を上げていたんだが、呼ぶかね?」

上条「すいませんパスでお願いします。だってソイツら仲間じゃないもの、オウンゴールしようとゴール前で待ち構えてる12人目の敵だもの」

御坂「あたし……!前に触られたりとか、してる……し!何回も!」

上条「迫真の演技でやめてくれないか?アレはお前じゃなくってトールだと思ってって話で」

アレイスター「――ほう!女性のチチより男性のチチの方が触りたかった、と!」

上条「悪意100%だろこの野郎!違うよ!そういんじゃなくて学園祭で女装した野郎のチチ揉むのと同じノリだよ!」

インデックス「例えがまぁ的確すぎるんだよ……!」

アレイスター「そうかね。ならば裁判の記録には『どっちもイケる可能性がある』と両論併記にしておこう」

上条「俺知ってんだよ!それって後から騒ぐための地雷埋めてるってな!」

御坂「――そして、ケチャップついたからホテルで着替えるのにも着いてきて……そこでエロい目に……!」

上条「うんそれ俺だけど俺じゃないだろ。誰とは言わないが薄い本なのに人物描写がリアルでより切ないたくみなむ○先生のだよ」

インデックス「ほぼ言ってるし」

アレイスター「――しっ、インデックス君。面白いからこのままで」

御坂「――『最終的に俺は家庭へ入って子育てするから、お前はキャリアウーマンのまま働いてくれないか?』ってプロポーズしたのに!」

上条「あれあれビリビリさん?テメーもしかしてここで嘘八百並び立てることで既成事実作ろとうしてないかな?」

インデックス「なんていうゲスの発想……って言っちゃうのはダメなのかな。今の時代だとアリっていうか」

アレイスター「男女平等とは言うものの、基本的に自殺するのは男性が女性の三倍以上。少なくとも経済へ対する責任を感じているのも確かだね」

インデックス「というかわたしも

御坂「でもあたしはいいの!あたしが稼いで家庭に入れれば!仕事で疲れた体を優しく包み込んでくれればそれだけで!」

インデックス「なんかこう、うん。言ってることは間違いじゃないんだけど、こう、一人暮らしのOLがほすとに貢ぐような病んでる感が……?」

上条「騙されちゃダメだみんな!ビリビリは浮気したらホラー映画よりも怖い結末が待ってるに決まってる!」

上条「ビクビクしながら帰ってくると『あ、今日は遅かったのね。久しぶりにお料理作ったから”残さず”食べてね☆』って!」

上条「するとそこには砂鉄で真っ黒になったご飯が……!!!」

インデックス「まぐにーと○が脱獄するときに似たような手段を……」

アレイスター「パワーは、うん、まだね。まだあっちの方が小惑星とか原子力空母とか持ち上げる分だけ、届いてないって言うか」

御坂「だ、誰が手料理作って待っててくれるっていうのよ!?まるで結婚してるみたいじゃない!」

上条「お前が怖いよ。なんかもう、お前だけでいいんじゃないかなって思うときがある」

鳴護「えっと……呼ばれて来たんだけど、なに?修羅場中だったら帰りたいなぁって……」

アレイスター「最後の証人が待てずに出て来てしまったようだね。グダグダになってしまってはいるが、さぁはりきって上条当麻君をDisるんだ!」

上条「もう完全にそれ目的だろ。いやバスタブと一緒に連行されたときから薄々気づいてはいたが」

鳴護「え、えっと?それじゃ当麻君に言いたいことは――」

御坂「……」 ジーッ…………

鳴護「ダメだよなんか!?あたしが当麻君のこと”当麻君”って呼んだ瞬間に美琴ちゃんがスッゴイ目で見てくるし!?」

鳴護「睨んでもないし殺意も籠ってはないんだけど、完全な”無”で見られると逆に恐怖だよぅ!」

上条「どっちも落ち着け!ともあれ新シリーズでお呼ばれするかもだから!今は内々の不祥事だけは避けようぜ!」

インデックス「『あぁやっと本編か、予告編長かったよね』ってふぁんの人たちも言うぐらいだしー……」

アレイスター「ある意味そのリアクションこそが我々の心を傷つけているんだがね」

鳴護「やめてくれないかな?あたしが出て来た瞬間に微妙な雰囲気になるのはどうかと思うよ?」

アレイスター「――では判決を言い渡す!」

鳴護「まだあたし言ってないし!?呼ばれて顔見せて挨拶したぐらいでシメに入るの!?」

インデックス「基本、この人に絡むと損するからね。ありさも道で出会ったら防犯ぶざーならすぐらいで丁度良いんだよ」

上条「ほぼ変質者扱いだな。そして権力持ってるからタチ悪い」

アレイスター「主人公の不祥事により禁書シリーズは完結!最初から科学の方しかなかったものとするッ!!!」

上条「お前ホンっっっっっっっっっっっっっっっトにいい加減にしろや!?最後の最後でやらかしたお陰で冗談抜きでその可能性があるんだからなっ!?」

御坂「――そうすればあたしの一存なしでは出られなくなる……!?」

上条「いや、そんな主人公特典は無かった。常に酷い目にしか遭ってなかった」



――自宅

上条「――っていう夢を見たんだよ」

インデックス「……あぁそう。偶然かも、わたしもにたような夢をね」

上条「……本当にそうなったらどうしよう……?」

インデックス「まぁねー……シリーズ最大の懸念っていうか、キーワードだったわたしの”鎖”もじょばんに感覚でやってくれたんだよねー……」

上条「……まぁ、そんときはさ!第三勢力としてあっちのシリーズに乗り込もうぜ!乗っ取る勢いで!」

インデックス「冗談になってないんだよ!?それもうやられた感がするし!?」


−終−



――ロンドン 某アジト

ベイロープ「……うーん」

ランシス「……どったの?スコットランドが決勝トーナメントに残れなかったのが、やっぱり……」

ベイロープ「傷を抉らないで。あぁいや関係無いわけじゃないんだけど、これ見てもらえる」

ラシンス「スットコランドの公式ツイッタ○アカ……ハテナこれが何?

ベイロープ「それでね、これが――って今あなたスットコランドって言わなかった?幻聴?」

ランシス「……気のせい気のせい。誤植誤植……」

ベイロープ「明らかに噛んだか悪意を以て言ってるように聞こえた。まぁそれでね、スコットランド代表へ執拗に絡んでるアカウントがあんのよ」

ランシス「……ふーん。でも別にその、問題にするほどのことじゃない、よ?ツイッタ○の使い方は……どれだけ短い文章で相手を煽れるか、だから……」

ベイロープ「そんなダメな使い方始めて聞いたわ。というか大丈夫?レッサーの悪い影響出てるわよ?」

ランシス「……うん、この間も知らない間に重課金をね」

ベイロープ「あぁそれはレッサーのせいね。ケータイ割るから、ちょっと貸してくれる?」

ランシス「私が犠牲になれば……!きっと第四期も来る……!」

ベイロープ「もう全部が全部、運営が稼ぐための宣伝じゃないかってぐらいの疑いたくなるわよね」

ランシス「それはそれで……おいしい……!」

ベイロープ「ホントにやめて。芸人の目線で世の中渡ろうとしないで」

ランシス「そんなことより……公式がなんかしたの……?あ、例のラグビーで、荒ぶってる人がいる、と?」」

ベイロープ「話の要点としちゃ合ってる。そして私が話したい内容も9割は伝わったと思うわ」

ランシス「……うん?そう?」

ベイロープ「で、その残りの一割がね。実物見てもらった方が早いと思うんだけど」 ピッ

エクセル高田【ねーねー、今どんな気持ちどんな気持ち?格下だと思ってた相手に負けるってねぇどんな気持ちなんですかぁ?】

エクセル高田【今度は『なんで試合を開いたんだ!』って法的に訴えるんですね分かります!】

エクセル高田【まぁいいから肩を落して帰って来なさいなイギリスの恥さらしが!あ、でもお前らの帰る家も名誉もねーですけどね!】
(※本当にこんな煽りばっかです。いいぞもっとやれ)

ランシス「……レッサーじゃないの?煽り方が、こう、一周回って堂に入ってる……」

ベイロープ「違う!……と、思いたいんだけど」

レッサー「――あ、なんだ私の書き込みじゃないですか」

ベイロープ「何やってんの!?あぁいやツイッタ○使うなとは言わないけど!」

レッサー「それは恥さらしどもの心を折っておくに決まってるじゃないですか!そしてあわよくばニホンの共感を買っておく!」

レッサー「そうすればEU離脱語にTPP加入できるかも?って感じですな!」

ベイロープ「ちょっと何言ってるのか分からないわよね。スコットランド公式アカ炎上させても何か意味があるとは思えない!」

レッサー「てか世界中のラグビーファンも『お前らそれはねぇよ』って思ってたのか、私と同じような煽りがホーラ大量に」

ベイロープ「……本当に出場しない方がマシだったのだわ……!」

レッサー「まぁ優勝は我々イングランドーーーが戴きますからねっ!ウェーイなんとかってトコも残ってるようですけど!」

ベイロープ「――よしフロリス。ボッコボコにしなさい、私が許すから」

……

ベイロープ「……いないわね。こういうときには真っ先にキレる子が」

レッサー「犯罪教唆をしておきながらその言いぐさ。しかしどうしたんでしょうね?あんまラグビー好きじゃなかった?」

ランシス「なんか……用事あるみたい。『ハロウィンか−、まったく興味ないだよナー』とか言ってたから」

レッサー「清々しいまでの『俺勉強してないわー』アピールですよね」

レッサー「そうですか……あのフロリスがねぇ。なんちゅーか感慨深いものがありますなぁ。キャラがブレッブレで安定してない子がねぇ」

ベイロープ「悪口はやめなさい。私たち、そのそういうところがあるじゃない!大なり小なり!ギャッラルホルン使わずに空飛んだりね!」

レッサー「いやいや、悪口陰口の類ではないじゃないですか。仲間がこうやって野郎の元へせっせと通う、私は温かい目で見つめてあげたい

ランシス「……で、どうする?」

レッサー「妨害するに決まってるじゃないですか!あのアマ一人だけ彼氏なんて作らせっこないに決まってますよ!」

ベイロープ「前から……不思議には思っていたんだけど、アイドルだったり歌手だったりのグループあるわよね。同じぐらいの年の子集めてっての」

ランシス「あるねぇ……それが?」

ベイロープ「で、まぁある程度経つとスキャンダルって言うか、異性関係でバツが着くんだけど……あれ、内部情報を漏らしてるのってもしかして……?」

レッサー「……くっくっく……!あなたが敵に回したのがどれだけ怖ろしいか、その身に刻んでやりましょう……!」

ランシス「てゆうかここ、ロンドンなのに……?」

ベイロープ「気にしちゃ負けだと思うのだわ。このおバカは嫌がらせのためだったらフランスですら敵に回すのを躊躇いはしないのだから」



――学園都市 ハロウィン当日

フロリス「ケーキは買ったし、ゲームも持った。つーかパーティゲームの詰め合わせ?なんだコリャ?ツイスターなんて今時誰がすんだっつーノ」

フロリス「エロい……いや、これは封印しておこうゼ。あってもきっと害にしかならない、てめーの首を絞めるようにしかなんねーだろーナ」

青ピ「――そこのコウモリコスしたお嬢さん!1億と二千年前から愛してました……ッ!」

フロリス「――これを!」 ガサッ

青ピ「おぉ!……って最近は姿を見なくなったけど、動画サイトで検索するとそこそこの頻度でアレな動画がひっかかるツイスターゲームやん!?」

フロリス「説明台詞ありがとー――これを持って逃げロ!奴らはもう、そこまで来ている……!」

青ピ「――分かった!これをボクが安全な場所まで運べばいいねんね?しかし、これって――?」

フロリス「そ、それは『両思いの相手がなんかのイベントの夜に二人っきりですると恋人になる呪われたツイスターゲーム』……ダ!」

青ピ「ヒャッホウ!この世界のお嬢さん方はボクのもんねんな!マイドっ!」 ダッ

フロリス「……」

フロリス「――フー、アホが相手で良かった」

ランシス「……なんていう無駄のないリサイクル方法……ってゆうか、両思いの相手だけが揃えば恋人なれるんじゃ……?」

フロリス「まぁナー。てかあのヤローが道行く女の子に『ツイッターしませんか?』って聞いて回るんかナ」

ランシス「都市伝説に昇華されそう……」

フロリス「――デ、なんでオマエはここにいんだヨ?」

ランシス「……来ちゃった……」

フロリス「超棒読み&無表情で言われてもナ!あぁいや感情たっぷりに言われたところでリアクションは変わらないんだが!」

ランシス「……もしもし、そこの道行くお嬢さん……」

フロリス「――アドリブが下っっっっ手だな!一回もう話かけたんだからその設定いらないんじゃねーノ!?」

フロリス「あァ面倒クッサ!?こいつがいるってことは芋づる式にあのアホが来てるってことだナ!」

ランシス「……まぁまぁ私はレッサーとは違う、だから軽く時間稼ぎすれば満足……」

フロリス「時間稼ぎっちゅー時点でもう、なんかナ。全てにおいてダメダメな感じだロ」

ランシス「私は……流れの占い師、あなたによくない卦が出ています……どうぞ、こちらへプリーズ?」

フロリス「そーだナ。仲間だと思ってた同僚が邪魔しようと来てるしナ」

ランシス「えっと……この状況を打破するためのラッキーアイテムはこちら……ドコドコドコドコドコ……」

ランシス「ぱっぱーん……ツイスターゲーム……!」

フロリス「呪いのアイテムが戻って来た!?一端入手したらどうにも出ないタイプだったのかヨ!?」

ランシス「……これさえあれば、うん……きっと、安心、持っていくだけ持っていけばいい……」

フロリス「……聞くケドもだ。このツイスターゲームを使うと、何がどう安心だっつーんだよ、アァ?」

ラシンス「例えば……こうね、微妙な沈黙が落ちるときがある。会話が途切れたときとか……」

フロリス「マァな。あるけど」

ランシス「そんなときこれを使えば……きっと気まずくない……!」

フロリス「別の意味で気まずいダロ。エロ的な意味で微妙を超えて居たたまれない空気になんだっつーノニ」

ランシス「そして同時にこう、魔力を通してやればヒヒッ、キヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッ!」

フロリス「路上で気持ち良くなってんじゃねぇヨ!?後半はオマエの癖だろ!?」

ランシス「……と、いうわけでそこら辺で買った幸運のツイスターゲームを、持っていくといい……」

フロリス「絶対にお断りだ」



――学園都市 路上

フロリス「あー、クソ。余計なことで時間食っちまっタ。しかもツイスターゲームは押しつけられるしナ」

フロリス「つーか道、こっちであってたんっだっけ

ザンザザンザザンッ

フロリス「ギターの音……?この寒い中ストリートミュージシャンもご苦労様で――」

レッサー「『あー、ぼくらーは、どおーしてー、生まれてー来たんだーろー』」

フロリス「……」

レッサー「『あー、どおーしてー、ぼくらーは大人に−、なれないーんだろー』」

レッサー「『アホーの、マークロン、G7でなまらイキってーえーえーー。なんとーかー、事態をー、打開しよーとしてーー』」

レッサー「『よりーにもよおーーって、イランの外相呼ぶサプラーーイズ』」

レッサー「『けれーどもー、根回ーし、してないもんだからー。トラーンプ、ガン無視−、イランからもー叱られーるー』」

レッサー「『あー、どおーしてー、ぼくらーは−、フランスが大好きなんだろー』」

レッサー「『それーはねー、みんなは−、ギャグに飢えてるんだからー』」

ザンザザンッ、ザザンッ

レッサー「――オーケーありがとう皆さん!今のは『G7でイキって失敗したマクロンを讃える歌』です!」

レッサー「続いてお送りするナンバーは『フランス連敗数え歌』!」

フロリス「オマエほんっっっっっっっっっっっっっっっっっっとにフランスの悪口言わせたら世界一だナ!ちょっと聞きたいわその歌!」

レッサー「あれ?――あ!ゴーレム使いのフロリスさん!どうしたんですかこんなところで奇遇ですね!」

フロリス「違うワオマエ知ってんダロ!?運営が誰も気づかなかったのに声優が指摘するってどういうことだヨ!?」

レッサー「女性陣引いてましたしね。何をどう間違ったらライオンヘアーのガングロ金髪と間違われるのかと」

フロリス「……そりゃ活躍してねーケド。どっちかっつーとボコられただけだけど……」

レッサー「ではお聞きください――『こあくまちゃんがグレ○』」

フロリス「だからそんなネタ誰が知ってんだヨ!?エロ同人とスウェーデン女子()をかけたんだろうガ!」

フロリス「てかもう時間も無ぇんだヨ!オマエのボケに一々ツッコんでる時間だって惜しいワ!」



――学園都市 路上

ベイロープ「ぐあぁぁああ!や、やられたー!」

フロリス「ありがとうベイロープ。遭遇した瞬間やられたフリしてくれるベイロープは好きだゼ」

フロリス「――でもナ!こんな小芝居する前に気づいて欲しかった!あのアホどもを日本へ上陸させないために体張るとか!水際で阻止して欲しかったワ!」

ベイロープ「そうは言うけども、あなたが私の立場だったらどうすんのよ?」

フロリス「可能な限り引っかき回してイジれるだけイジる」

ベイロープ「『新たなる光』に足りないのは信頼とか連帯とか、そういう要素なんじゃ……?」

フロリス「つーかまぁ倒したし行くからナ!てか無理してボケてくんなヨ!」

ベイロープ「てか早く言った方がいいわよ。少し前に『甲斐性なしの家の前なう』って流れてきたから」

フロリス「足止めしてんのはどっちだヨ?なにオマエ味方っぽく言ってんの?敵だからナ?」

ベイロープ「――早く、ここは私に任せて早く行きなさい!」

フロリス「もう完全にそれ言いたかっただけじゃねーカ、アァ!?」



――上条のアパート 入り口前

フロリス「……はぁ、なんでこんな超疲れてんだヨ。理不尽極まりねーナ」

フロリス「あのアホどもの姿は……なし、っと。よし、それじゃー――」

レッサーの声『……ってください!そこは…………ですから!』

フロリス「……」

レッサーの声『やめ――――お嫁に――――』

ガンゴンガンガンガンガンガンベキバキボキボキボキッ!!!

フロリス「なにやってんごらあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

上条「おう、お疲れ!」

フロリス「よりにもよってレッサーか!?チチか!?そんなにチチが大好きなの、……か?」

レッサー「あ、お先やってまーす。てか閉めてくださいよ、流石の私でもちょっと恥ずかしいです」

ランシス「……おっつー……」

フロリス「……ツイスターゲーム……?」

上条「うん、なんか流行ってるんだって」

フロリス「……あァそう、ふーん……あ、マァ、健全ちゃ健全……か?」」

上条「――まぁまぁ!これはこれで嫌いじゃないけどな!」

フロリス「そっちの方が不健全……イヤ、そーでもないカ?混ざりたがらない方がマシ、か?」

上条「つーか玄関で立ってないで上がってくれよ、ゴーレム使いのフロリスさん」

フロリス「違うわボケ!今更っつーかテムズ川にダイブしただロ!?ゴーレム作れるんだったら使っとるワ!」

レッサー「ハッピー、ハロウィーン☆」

フロリス「オマエが言うんじゃねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」


−終−

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