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Clock(trial)

佐天「ちょっとだけ帰って来たがくたん!実話系怪談スペッッッッシャル!」

 
――

佐天「――今から怖い話をします」

上条「待ってつかーさい佐天さん。キミはいつもいつも不意打ちが過ぎる」

佐天「尺の都合です!長々とネタにするような話じゃないので我々が担当することになりましたとさ!」

上条「”さ”は余計だ。それだけ伝聞風になっちまうから」

佐天「これは……あたしの弟のメル友の知り合いに聞いた話ですが」

上条「久しぶりに聞いたわ。SNS最盛期にメル友も時代後れだろ」

佐天「実話です……ッ!100%盛っていません!」
(※マジです)

上条「うっわスッゲー興味無いわー。体験者が生きてんだから大したことないだろうし」

佐天「変な文化に染められすぎですよ。語り部が亡くなってたらそれはそれで『リアルじゃないわー、リアル志向の俺には合わないわー』って文句言うんじゃないですか」

上条「よし、かかってこい!アニメも近い俺に敵はないぜ!」

佐天「あたしは出番微妙なんですが、初春繋がりでワンチャンありかもですけど――さて」

佐天「これは今年の5月の頭ぐらいのお話です。今年って結構暑かったですよね?」

上条「今になって朝晩は急に涼しくなったけどな。それでも平年よりもかなり上らしいけど」

佐天「五月と言ってもまぁその日は暑かったらしいんですよ。暑がりの、仮にAさんはいやーな思いだったそうです」

佐天「家事を終え、少し仕事をしお風呂へ入ってから就寝しました」

佐天「まぁまぁ暑いとは言ってもまだまだ五月ですしね。窓もきちんと閉め、電気を消しました」

佐天「しばらく寝たのか、大体2時頃?ふと目が覚めて時計の液晶見たんだそうです」

佐天「あー、まだ眠れるなーと目を瞑ったら――聞こえてくるんですよね、音が」

上条「……音が」

佐天「パタパタパタ、パタパタパタって、かるーい音が。表からするんですよ」

上条「足音?」

佐天「と、思ったそうです。それも、なんて言うんですかね、子供が履く、軽いクツってあるじゃないですか?」

上条「あるなぁ。小学校低学年が履いてそうなの。エアー入ってないキャラクターが書かれてる風の」

佐天「そのクツでコンクリの上を小走りと止まったりを繰り返している感じですね。直で見たのではないので音だけですが」

上条「夜中にランニングしてる人、もしくは新聞配達の人……朝2時にはちょっと考えにくいか」

佐天「まぁ道路の方をアレな人が通ってるんだろうって、また眠ろうとしたんですがねー。やっぱりパタパタパタ、パタパタパタと」

佐天「どーもですね、それが近くて。具体的には玄関の方からするんですよ」

上条「待て待て家ん中なんてオチじゃないだろうな!本当に怖いぞ!?」

佐天「オチから言えばないです。幽霊的なアレではない……”らしい”です」

上条「らしい?」

佐天「だって夜中の2時ですもん。常識的に考えてみてください、普通の人は確かめたりせず『あーウルセーなー』って寝続けますって」

上条「だよな」

佐天「しかしこの話の体験者はアフォなのでウキウキしながら見に行ったそうです」

上条「ほんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっとにアホだよな!良い子の皆は真似しちゃいけないぜ☆」

佐天「――というのは嘘で!」

上条「やめてくんない?怪談喋ってんのに嘘入れると収集つかなくなるよ?」

佐天「深夜だしクソ眠いし、流石のアフォな人でもさっさと寝ようとしたんですよ。明日も朝からエロ同人をプレイする仕事があったんで」

上条「仕事要素皆無だな」

佐天「けどやっぱりパタパタパタ、パタパタパタと音は止まない。なにやってんだクソが――と、思っていたら、テンポが変りまして」

佐天「タタタタタタッ、タタタタタタッて」

上条「超早足になった……?」

佐天「ってゆうよりも、あー、昔子供の頃、上履きで土足のところ入っちゃったーって経験ありますよね?」

上条「よく憶えてないけど、まぁ多分」

佐天「そのときに、上履きを抜いて土を取るために両手でタタタタタタッてコンクリ叩くじゃないですか?あれが一番近い音だと思います」

上条「なんなんだろうなぁ、その音。陸上のトレーニングでもも上げだっけ?その場で膝高く上げる練習方法あったじゃん、あの音じゃないの?」

佐天「音の間隔からしてそれはないらしいですね。連打してるような音だったんで、一人では無理ですよ」

佐天「その後はフツーに寝て起きたら朝になってました。朝、音が鳴ってたと思しきところを見ても痕跡もなく、同アパートに住んでる人達も聞かなかったそうです」

上条「ふーん。不思議っちゃ不思議か」

佐天「あー……っとです。非常に言いにくいんですが、自己責任系の怪談って知ってます?」

上条「自己責任系?」

佐天「はい。大体はお話の最後で『この話を聞いた人のところには、必ず似たような怪異が――』ってシメるオチの」

上条「まさか――来るのかっ!?パタパタ!?」

佐天「いや――来ないんですよ……ッ!!!」

上条「じゃあ普通だろ!?ただの小話じゃん!SF(少し不思議)な!」

佐天「いや聞いてくださいよ!この語り手は考えたんですよ――『あ、これ自己責任系の話に似てるよな』って!」

上条「あー……確かにそれ系だよな」

佐天「変な話盛ったり加えたりして自己暗示にかかる方もいますし、自己責任ってのもなんだから確かめたんですよ!他の方に迷惑がかからないように配慮したんです!」

上条「そりゃ良いことだが。確かめるって、どうやって?」

佐天「『まぁコイツなら最悪どうなってもいいやっていう被験者を、上司一名の中から厳選に厳選を重ね、この話を振ってみた』そうです」
(※実話です)

上条「語り手ヤっベぇな。特に頭がやべぇ」

佐天「以来、5ヶ月以上何もなかったので平気ですよ!安心して下さいねっ!」

上条「というかこの話おかしいだろ!?体験談もちょっとビクってなったけど、話したら伝染するかどうか上司で確かめるソイツが一番どうかしてんだよ!?」

上条「つーかもし来てたらどうすんだ!?責任取れんのかっあぁ!?」

佐天「勿論ですよ!入念に打ち合わせはしてあったんですから!」

上条「あぁ、なんかお祓いしてくれる人と知り合いだとか?」

佐天「あ、いえそっちじゃないですね」

上条「どっち?これ以外に方向性ないだろ」

佐天「このお話は違いますけど、伝染系の怪談は話した相手のところへ行くわけじゃないですか?」

上条「そうだな。それで最後にオチするぐらいだしね」

佐天「ってことは同好の士を事前に用意しておき、二人で交互に話せば永遠にその怪異は余所へ逃げられないという……!」
(※相手の了解は取ってあります)

上条「逃げてーーーーーーーーーーーーっ!?アホどもに捕まりそうになってる幽霊さん逃げてーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」


(※以上、ほぼ実話でした)


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