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Clock(trial)

バレンタインの日ver2018

 
――神々のたぶらかし
――マジカルパワードいずも型(護衛艦)Hguっとカナミン☆
――一番早く彼氏作りそうな子
――天才となにか
――ハイランダー復興編
――ネタで言ってたらネタでなくなった件
――世界一のフワッフワ


――世界の果て

トール「――おいっすー

マリアン「……」

トール「まーだブーたれてんかよマリアンちゃんよ。いつまでもひねくれてたってしゃーねーだろ」

ミョル子『……』 ガタゴト

トール「デリカシーがない?おいおいトールさんは元・同僚であってお前らのカーチャンでもなんでもないんだぜ」

トール「『必要悪の教会』と学園都市の目ぇ盗んで逃がしてやったっつのーによ、非難される憶えはねーし」

トール「心の底から感謝しろっては言わねぇが、せめて『ありがとうございますトールさん』の一言ぐらいあったって――」

マリアン「……っでだよ」

トール「あぁ?っだよ」

マリアン「なんでアンタはそんなにヘラヘラ笑っていられるんだよっ!?」

トール「笑ってちゃ悪りーのかよ」

マリアン「悪いに決まってんだろうが!騙されたんだぞ、私たち!」

トール「そっだなー。過程がどうであろうと結果的にはそうなっちまったわなぁ」

マリアン「『グレムリン』の仲間だってバラバラだ!あれもこれもあの女が!魔神になり損なったクソ売女のせいだ!」

トール「それも確かにその通りですよっと」

マリアン「敵討ちもしないで!全部、もう少しで全部上手くいったってのに!」

トール「なぁマリアン、マリアン=スリンゲナイヤーちゃんよぉ」

マリアン「今からでも――ぶっ潰してやる!あの男の住んでる街ごと焼き払っ――」

ダンッ

マリアン「――はっ!?」

ミョル子『――!』

トール「聞けよいいから。家主の話ぐらいは」

ミョル子『―― 』

トール「変な真似すんじゃねぇぞミョルニル。俺らがケンカになったらコイツは巻き込まれてバラバラになる――し」

トール「トールさんとしちゃテメェも正直そそられてはいたんだ。マリアンの命度外視にして戦ってもいい、ぐらいにはな」

ミョル子『……』

マリアン「……どうして、どうして止めるんだよっトール!?アンタ、悔しくはないのか……ッ!?」

マリアン「わたし――あたしらがどれだけ『グレムリン』に心血注いだか!?アンタだって!」

トール「お涙頂戴の熱演中に悪ぃんだけどよ、勘違いしてんのはお前の方だぜ」

マリアン「なんだよ!」

トール「なんかこう思い出の中でどんだけ美化されてんのか分かんねぇけど、『グレムリン』ってヌルい集まりじゃなかっただろ?」

トール「裏切り上等下克上日常茶飯事、『戦争屋』の俺の仕事も敵味方区別なかったわけだ」

トール「それとも外部委託の新参メンバー使い潰しといて、いざテメェの番になったら『聞いてないよ!』ってのはちっと面白くねぇなぁ」

マリアン「……そりゃ私たちは力もない連中と違――」

トール「ま、誰が悪いか白黒つけるんだったら、俺の答えはシンプル――負けたやつが、悪いんだ」

マリアン「トール!」

トール「騙された方が悪いに決まってる。魔術の業でもなんでも使って、あの女の真意を見抜けなかった俺らがマヌケだって話だ」

マリアン「分かるわけないだろ!土壇場で日和るなんて!」

トール「そういった意味じゃ、俺たちの誰よりも上手く立ち回ったのはベルシ野郎の一人か」

トール「復讐は成功、あの女のエインヘリャルになりながらも裏切った訳だし……こんな事になるんだったら、戦っときゃ良かったよなぁ」

マリアン「話にならない……!」

トール「おいおいマリアンちゃんよぉどこ行くつもりだ?」

マリアン「……決まってる。わたし一人でもベルシの仇を――」

トール「――これ以上ベルシを冒涜すんじゃねぇ……ッ!」

マリアン「ト、ォル……?」

トール「たった一つの復讐のために命すり減らして相打ちに持ってった野郎の意志、泥のついた靴で踏みにじってんのはテメェだぜ。マリアン」

マリアン「ベルシは!」

トール「ベルシはテメェなんか見てなかったよ。最初から最後まで眼中にすら入ってなかった」

トール「……あぁいや、見てたは見てたか。でも、どーでもいいと思ってた。そこら辺にある小石と一緒だ」

マリアン「……ぶっ殺す」

トール「俺もベルシのこたぁよく知らねぇんだが、一度だけ教師みてーなことをやってたっつったけかな」

トール「シリアルキラーみてーなツラして何言ってやがんだって思ったんだが、どーにも珍しく笑うもんだからツッコめなかったんだけど」

トール「生真面目なお前には似合ってるよ、つったら遠い目をしてたんだけども――まぁ、それはいい」

トール「問題なのは目の前に、明らかに道踏み外したオンナノコがいてだ」

トール「ソイツがちぃーっとばかしサイケで外道な事やってたとしたら、まともな神経してたら放っては置かないよぁ」

トール「それをしないって時点で、もう」

マリアン「ベルシは……復讐が終わったら私たちと一緒に来るって……!」

トール「今ここには居ないな。復讐ってのは随分かかるんだなオイ」

マリアン「……っ!」

トール「復讐したけりゃすりゃいい。ま、それはそれでベルシの期待を裏切ることになんだがな」

ミョル子『?』

トール「自分が死んだ後に発動するような術式汲んでるやつが、テメェらの性格読むうとしねー訳ねーだろうが」

トール「逆恨みで、ベルシが大事に抱え込んでた教え子ちゃん達に手を出す、って発想がだ」

トール「だってのにあっさり教え子に復讐できた――としたら、ベルシが何もセーフティ用意してなかった。つまり」

トール「『マリアンがそんなことするはずない』って信じてたって話だろ?」

マリアン「……ベルシ!」

トール「ま、好きにすればいいさ。上条ちゃんは殺れねーだろうけど、周囲をグッチャグッチャにされてぶち切れるのも見てはみたい」

トール「あの『右手』の下に何があるのか。俺程度に出し惜しみしやがったからには、そこそこのモンだったらいいんだが」

ミョル子『……』 ガタゴト

トール「俺っちは今から出張ってやつだ。このいだの借りを精算しなっきゃだからな」



――学園都市 上条家アパート

ピンポーン

上条「はーい。どちら様で?」 ガチャッ

佐天?「ロ×こんにちはっ上条さん!」

上条「それ他人様ネタだから軽々しく使うな。あぁいや作者の人も一生ついてまとうんだから、忘れて貰った方がいいかもだが」

佐天?「強はお日柄も良く!最近どうですか、風邪なんてひいてませんか?」

上条「ちょい前に雪降ったけどな。流石に二回目で

佐天?「まぁそれはそれとしてちょっとお邪魔させてください!実はこれといった用事はないんですけど!」

上条「話題の転換ヘタクソだな!前フリにもなってないし時候の挨拶にもなってないし!」

上条「てかなんかネタ仕込みのために上がってくる感満々なのに!オオカミをウェルカムする村人なんていると思うなよ!」

佐天?「いや実はですね、立ち話もなんなんですけど凄い事に気づいちゃいまして」

上条「言ってみ。言うだけとは聞くから、玄関で」

佐天?「ドルドレイってあるじゃないですか。今度の大会で使えるバーチャロイド」

上条「あぁ。俺の友達が乗るやつだ」

佐天?「あれ――実はちょっと無理すれば”ロ×奴隷”って聞こえるんですよ……ッ!!!」

上条「無理してるからかな。だって無理しないとそのひらめきには至らないもの。無理矢理結びつけないとさ」

佐天?「流石ですっロ×とムリをかけるなんて!」

上条「うん。だから今まさに俺が謂れのない報道テロにあってる最中でだな」

佐天?「まぁ上条さんの立場を表すにはいいかもしれませんねっ!主にバードウェイに踏まれる身としては!」

上条「佐天さんごめん、やっぱ中入って話して貰っていいかな?前から思っていたんだけど、いっぺん君とは決着つける必要があったからさ」

上条「あと俺にだってご近所の目もあってだな」

上条「毎回毎回女の子(含む神裂)連れ込んだり爆破されたり襲撃されてっとご近所の堪忍袋もMAXなんだよ!」

佐天?「このマンション、実は二組しか住んでない説……!」

上条「ありそう!そういや俺と土御門家の住人しか見たことねぇ……!」



――上条家

佐天?「おじゃまっあすー!あ、禁書目録ちゃんはいないんですか?」

上条「インデックスは風斬――友達と女子会、らしい。議題は不明だが」

佐天?「そんなぁ、今時の女子会だったらアレしかないじゃないですかぁ」

上条「だよなぁ」

佐天?「せ・つ・ぶ・ん!」

上条「そんな日常系アニメタイトルっぽくいうほど女子が殺到するイベント違う。敬遠する方だ」

上条「――で、お前今度は何爆弾持ってきやがったんだ?」

佐天?「あー、喉か乾いたなー。この家はお茶も出てこないのかなー」

上条「ただ今お持ちしますよお嬢様っ!ぶぶ漬けセットでお見舞いしてやるぜ!」 ダッ

佐天?「あーい、マッハでねー……よし、っと」 ガサゴソ

上条「――よーし、まず手を離せそこのJC。ロフトに続くハシゴを引き落とそうとするの止めろ!」

佐天?「いや違うんですよ。これは『ベッド下の斧男』を探す一環であり、学術的な意味がですね」

上条「だからって人ンちのロフト漁る権利はないはずだなっあぁっそりゃもう別になんも見られて困るものなんてないけど!」

上条「インデックスの教育に悪いあれこれをこっそり収納なんてシテナイヨ!ホントダヨ!」

佐天?「多分バレてますけど。ぶぶ漬けはまーだーでーすーかー?」 コンコンコンコン

上条「机を叩くな!今レン・チンしてパウンドケーキ温めてるところだから!」

佐天?「あいっすー……と、いいかな?」

佐天?「『……隣の家に塀ができたってねぇ――』」

佐天?「『――おっとよく見たら隣は東ドイツだったよ!』

佐天?「……」

佐天?「……ツッコんで来ないから確実にバレてない。今のウチにチョコレートをっと」 ゴソゴソ

佐天?「俺が帰った後に包みを見つけてビックリ!『チョコレート(トールさんより・こないだゴメンね☆)』を見れば、『あの野郎まだ騙しやがって!』とドッキリ大成功!」

上条「……何やってんだ?」

佐天?「お、おおぅっ!?べ、別に何も!どったん上条ちゃんよ!」

上条「何か今ツッコミなきゃいけない気がして戻ってきたんだけど――あれお前、それ?」

佐天?「こ、これ?」

上条「あー……やっぱりっつーか」

佐天?「やー、なんつーかな。こないだ邪魔したっていうか、まぁ色々あったんでどうぞ?ってやつで、はい」

上条「俺でいいのか?本当に?」

佐天?「あぁうん。折角選んだんだし、貰ってみれ――んむっ!?」

上条 チュッ

佐天?「テメなにしやが――ん、ん、む、ちゅっ……!?」

上条「――と、ついでに」

……パキィィンッ!

トール(佐天?)「何しやがんだテメェ!?つーか気持ち悪いわ!何ぶちゅーっとやってくれんんだボケっ!?」

上条「覚悟。決めたんだろ?」

トール「あ!?」

上条「女体化してまで俺の事が好きだなんて……」

トール「その解釈はおかしい!あと”にょたいか”が一般変換できるATO○はもっとおかしい!」

トール「てかいつバレた!?やっぱ事前リサーチした佐天ちゃん像は間違ってたか!あんな全盛期のお笑い芸人みたいなテンションの子なんていないしな!」

上条「それは合ってた。ほぼ100%の精度でエミュレートしてた」 ドンッ

トール「だったらなん――近い近い近いっ!壁ドンはちっと憧れてたけどされる方じゃねーよ!」

上条「覚悟、決めたんだろ?だったら俺も」

トール「だからなんでバレンタイン持ってきただけでこうなんだ!?」
(※バレンタイン・メジャールール=友人に贈り物をする)

上条「そりゃバレンタインだからに決まってんだろ!」
(※バレンタイン・HENTAIルール=少子高齢化対策)

上条「な、トール知ってるか?」

トール「あ、あんだよっ!?」

上条「俺の名前でグ○って出てくる薄い本とイラストの数々、その半分以上が――」

トール「が?」

上条「――BL系だってことをだッ!!!」

トール「ア゛ッ――――――――――┌(┌^o^)┐――――――――――!!!?」



――ファミレス

佐天「っていう夢を見たんですけど」

御坂「……」

佐天「あ、すいません御坂さん。気分良くないですよね、ネタとはいえお知り合いを」

御坂「――佐天さんっ!」

佐天「あーすみませんすみませんっゴメナンサイっ!」

御坂「取り敢えず明日までにプロット立てて来てくれるかな?あたしはその間に原画家さん探しとくから!」

佐天「なんで漫画化前提になってんですか」

御坂「余所の女にNTRれるぐらいなら!最初から推しメン同士でくっついてくれた方がマシなのよ……ッ!!!」

佐天「やだこの人怖い」



(※「安全地帯は?」→「ありません」)



――ファミレス

風斬「……」

インデックス「……」

風斬「……出にくい!この空気の後すっっっっっっっっっっっっごい出にくいよ!」

インデックス「まさにせんとうだしゃほーむらん……」

風斬「今日2000本安打がかかってるのに、前の打者が逆転サヨナラ優勝決定ホームラン打ったみたいに出づらいよね!」

インデックス「憶えちゃった……なんかこうとうまがあれなところを憶えちゃったかも……!」

風斬「……順番、変られなかったのかな?別にトップバッターは望まないんだけど、てゆうかここまでガチでムチな展開はちょっと……」

インデックス「ひょうかはいいんだよ……きゃらてきに好きそうだし」

風斬「メガネっ娘だからって安易にBL好き属性を付加しないでください!別にサブカル大好きって訳でもないんですよ!?」

インデックス「……いめーじが先行しすぎてるかも……」

風斬「せめてもっと穏当な内容だったら、うん。まだ、さ?」

インデックス「ここの運営はそもそもあれがちょっとあれしてるから、おもしろければなんだってするからし」

インデックス「『ぷらいべーとでエ×は書きたくない』っつっときながら、子供に『見せられないよ!』も、平気で敢行するし……」

風斬「ハリウッドの自主規制に比べても、安全地帯がないもんだからどこにいたって被弾するよね……」

インデックス「時には登場すらしてないのに遠距離からとばっちり……世界のHAMADURAとか」

風斬「というか上条君は、えっと、あれなの?そっちだったら全員勝ち目がないってことなんだけど」

インデックス「うーん、おそらそういう趣味はないかも。ここでそっちに舵切ったら世界初になるし」

インデックス「神様が意識高い系にはまって、じぇー・けー・ろーり×がられなかったりしない限りは、まぁ。怖いよね、こじらすと」

風斬「もう無理だよ!この空気の中で私が頑張っても気持ちは届かないと思うな!」

インデックス「諦めちゃだめんなんだよひょうか!あきらめたらそこで試合終了ってせんせーも言ってたかも!」

風斬「そ、そうだよねっ!最初の予定じゃ引くぐらいねっとりたっぷり描写するはずだったのに自重したんだから、そこは誉めないとね!」

インデックス「……うんまあぁ、このぐらいで引くようなおきゃくさまはたぶんいないと思うけど……」

風斬「というかそもそもなんだけど、インデックスさん的に私が上条君にチョコあげてもいいのかな、って?」
(※バレンタイン・HENTAIルール=少子高齢化対策)

インデックス「なんで?」
(※バレンタイン・メジャールール=友人に贈り物をする)

風斬「なんでって……まぁいいか。まだ早いのかなー、こういうのは」

インデックス「むー!なんか子供扱いされてる気がするかも!」

風斬「あ、これインデックスさんの分のチョコです。ハッピーバレンタイン」

インデックス「ありがとーなんだよひょうか!」

風斬「……うん、子供以前に悪い大人に騙されそうで怖いよね。あぁいや、実体化してないだけで大体近くにはいるんだけど」

インデックス「食べていいのかな!?手作りっぽいんだよ!」

風斬「学校の家庭科室こっそり使わせて貰って、で頑張ってみました」

風斬「あ、チョコ自体は家庭科部の子に事情を話したら、どうぞって」

インデックス「あぐあぐもぐばくがつがつがつがつっ!!!」

風斬「聞いてないよね?態度的にも良くないかな、そういうのは」

インデックス「紗○をベースに生ミルクを入れた味なんだよ!」

風斬「うん、素材当てゲームじゃないからね?感想を聞いてるんであって」

インデックス「これならとうまも喜ぶんだよ!喜ばなかったら噛むし!」

風斬「それも私の欲しかった反応とは違うんだけど、まぁ、ありがとう」

インデックス「でも親切な子もいるんだね。ひょうかの新しい友達なのかな?」

風斬「うーん、微妙かなぁ。良い子なんだけど、会う度に警戒されてるようで」

インデックス「えー、ひょうかはぜんぜんそんなんじゃないのに」

風斬「あ、うん。そっちじゃなくて」

インデックス「どっちなんだよ?」

風斬「『いつまでも。迷ってないで早く成仏した方がいい。うん』って」

インデックス「良い子だったね!深く事情を知らなかったらそう思うかもしれないんだよ!」

インデックス「なんか台詞の感覚が独特で、もしかしたら別の友達かもしれないって思わないでもないよ!」

風斬「ま、まぁ親身になってくれる人がいるのは嬉しいから」

インデックス「それでひょうかは今から持っていくのかな?」

風斬「……ハッテ×してる最中だったら、多分私、拡散力場の海に融けて消えそう……!」 ジジッ

インデックス「気をしっかり持つんだよひょうか!ねがてぃぶになるとのいず入る癖どうにかしないと!」

風斬「インデックスさんに渡したし、直接は……ちょっと恥ずかしいかなって」

インデックス「わたしが預かるととうまに無事渡る確率が50%ぐらいになるんだよ?」

風斬「そんなに目減りするの!?ここから上条さんの家まで10分かからないのに!?」

インデックス「別にわたしが勝手に食べちゃうとかじゃなくて、何となく白い人が現われて原稿用紙350枚前後の物語になりそうな予感がするんだよ」

風斬「二人とも人生を見つめ直した方がいいですよ?」」

インデックス「うーん……やっぱりさ、いんぱくとがほしいかも」

風斬「いやあの、フワっとしたこと言われても……」

インデックス「ひょうかの衣装って変えられるんだよね?」

風斬「はい」

インデックス「それじゃねー、かなみんの格好するのがべすとなんだよ……ッ!」

風斬「発想の飛躍についていけない」

インデックス「――はい、それではね、いまからぷれぜんを始めたいと思うんだよ」 ドンッ

風斬「や、あのインデックス、さん?殴れば人を殺せそうな電撃大○をね、テーブルの上に勢いよく乗せるのはちょっと」

風斬「店員さんも!あ、ほら心配そうに見てるから!」

インデックス「かなみんの良さを今更ひょうかに教える必要は思うんだけど、念のために一通りやっとくね?」

風斬「け、結構です」

インデックス「大事だから!かなみんが戦わないと世界の平和がぴんちなのかも!」

風斬「あの、私は構わないんだけどあんまれ叫ぶと出禁食らうからね、?もっと抑えて?」



――1時間後

インデックス「――で、第六しりーずではかなみんがいずも型(護衛艦)にまじかるふぉーむばとるぱれーどしちゃってね!」

インデックス「わたしはこれが次のしりーずへの伏線だと思うんだけど、ひょうかはどう思うのかな!?」

風斬「哨戒ヘリ運用が前提のヘリ空母だと思うな」

インデックス「ち、違うもんっ!かなみんはぱわーどな魔法少女だから護衛艦だもんっ!」

風斬「うん、あれだよね。『テスト勉強なんかしてなかったんだけど、たまたま授業中起きてた所出たわー』って言い張るつもりなんだろうけど」

インデックス「その、衣装が!にゅーまじかるふぉーむがこちらになります!」

風斬「ビキニですよね?前にプリクラ撮ったときも言わなかったけど、特定層をターゲットにしたビキニに変わりはないよね?」

インデックス「これさえ着れば!きっととうまも魔術的にめろめろだと思うなっ!」

風斬「都合悪くなったら魔術で誤魔化してないかな?あ、いや非難してるんじゃないよ、ないんだけど――」

……ドーーーーーンッ……

風斬「爆発……?」

インデックス「違うよ!あれ――」



――路上

HAMADURA「ブハハハハハハハッ!逃げろ、逃げ出すんだカップルどもめ!」

カップル「きゃー、たすけてー」

HAMADURA「繁華街でこう、俺たちがヤンチャすることでシャッター通りになって景気は冷え込み」

HAMADURA「なんかこう負のスパイラルになって、日本は滅亡するのだブハハハハハハハハハ!」

???「待ちなさい!」

HAMADURA「だ、誰だっ!?」

???「正義の炎があたしを焦がす、悪を撃てよと轟き叫ぶ――」

???「魔法の国のプリンセス候補――とうっ!」

マジカル・りな☆(???)「マジカル・りな、参・上!」

HAMADURA「現われたなマジカル・りな!今日こそは決着つけてやんよ!」

マジカル・りな☆「いつもいつもフワっとした悪さするもいい加減しなさいよ!本気でぶっ飛ばすからね!」

HAMADURA「ふつ、威勢がいいのは今のウチだけだ。出でよ!改造人間ムギーノ!」

ムギーノ「……」

HAMADURA「む、ムギー――へぶしっ!?」

ムギーノ「誰が改造人間だってアァンッ!?素敵なお姉様捕まえて!」

HAMADURA「いや違くて!これには理由があって!」

マジカル・りな☆「喚んで早々泣きが入ったわね」

HAMADURA「あの子がムギーノさんのこと悪く言えって!僕は止めようって言ったのに!」

マジカル・りな☆「そんなウソ騙されるわけないでしょうが」

ムギーノ「よしぶっ飛ばす!」

マジカル・りな☆「あんたいい加減にしなさいよ!?信じるってどういうことよ!?」

マジカル・りな☆「てか袖で!そこのスタッフ用リムジンバスで一部始終見てたでしょうが!」

ムギーノ「それはそれとして、前ムカついてからぶっ飛ばすわよね?」

マジカル・りな☆「ちょっ?!待ちなさいよ!こんな街中で――きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

ドォーーーーンッ!!!



――ファミレス店内

インデックス「大変だよひょうか!まじかる・りな☆が大ぴんちなんだよ!」

風斬「ごめん。世界設定についていけない」

インデックス「ここはまじかる・かなみん☆に変身して助けないと!」

風斬「いや変身って言われても、衣装変えぐらいしか」

インデックス「ここはまじかる・かなみん☆に変身して助けないと!」

風斬「いやだから」

インデックス「ここはまじかる・かなみん☆に変身して助けないと!」

風斬「……あの、ね」

インデックス「ここはまじかる・かなみん☆に変身して助けないと!」

風斬「あ、これ『はい』って選ぶまで延々続くやつだ」



――路上

まじかる・りな☆「……くっ!このままじゃマズいわ!」

HAMADURA「ブハハハハハハハハハッ!どうしたまじかる・リナ☆!お前の力はこの程度か!」

HAMADURA「このまま商店街が潰れてかにイオンを誘致して、周囲の第一〜三次産業を破壊してやるのだ!」

まじかる・りな☆「伏せ字しとけ」

???「――待ちなさい!」

HAMADURA「なにぃぃっ!?」

???「あ、愛と正義のメガネっ娘!着ている衣装は露出度過多!」

???「でもロ×ばっか人気の業界でこの先生きのこれるか不安です――とうっ!」

まじかる・カナミン☆「――魔術武装!まじかる・カナミン☆、見・参!」

HAMADURA「現われおったかカナミン☆よ!個人的にはバニーさんフォームにはいつになったら着てくれるんですか!」

まじかる・カナミン☆「開口一声がセクハラで辛い」

HAMADURA「今日こそはお前を誘拐してR18展開なオシオキをしちゃうぞ!エスカレイヤ○みたいな!」

まじかる・カナミン☆「本気で止めてください。『あ、面白そうだな』って思ったら即・実行に移す人がいるんですからね!」

HAMADURA「さぁ怪人ムギーノ!やっちゃってください!」

『……』

HAMADURA「……ん?ムギーノ、さん?」

まじかる・りな☆「あたしをビビらせてスッとしたから帰るって」

HAMADURA「ム・ギーーーーーーーーーーーーーーーーノッ!?お前またこんな所でもフリーダム発揮しやがって!キヌハッターの教育に悪いっつってんだろうが!」

まじかる・カナミン☆「誰ですかその不思議の国のお茶会にお呼ばれしそうな人」

まじかる・りな☆「さ、カナミン☆!今よ!敵はパニックになっているわ!」

まじかる・カナミン☆「最初に登場してから混乱バステしてたような――ま、まぁいいです!」

まじかる・カナミン☆「乙女の怒り!なんかこうこの服着てるとジロジロ見られて不愉快ですよ――」

まじかる・カナミン☆「武装召喚、いづも型(護衛艦)!」

HAMADURA「そ、空に空母が浮かんでっ!?」

まじかる・りな☆「護衛艦よねー、どっからどう見ても何の変哲もない護衛艦だわー」

まじかる・カナミン☆「まじかる・カナミン☆!超絶悶絶必殺ミラクルリリカルギルゼムオーーーーーーールッ!」

まじかる・カナミン☆「いづも型(護衛艦)ダイダロ○アターーーーーーーーーーーーーークッ!!!」

HAMADURA「お前それ物理的に押し潰してるだイヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァぁぁぁっ!!!?」

ズゥウウウウウウウウウンツ……!!!

ナレーション『こうしてまた一つ悪が消え、商店街の平和は守られのだった』

ナレーション『だが世界には未だ悪が存在する!彼らを滅殺する日まで戦うのだ、かなみん☆!』

ナレーション『新番組!マジカルパワードいずも型(護衛艦)Hguっとカナミン☆、次回へと続く……っ!』



――上条家

上条「チョコは?俺にくれるって企画じゃなかったの!?」

インデックス「――きみょうな世界はあなたのすぐ側に口を開けているかもしれないんだよ……!」

上条「世にも奇○なオチ……!微妙じゃね?若い人誰も知らないよ!」



(※出番あるといいなぁ)



――『新たなる光』 某アジト

フロリス「えーっト、チョコよし、バターよし、薄力粉よし、アラザンにココアパウダー――」

レッサー「助けてーーーーーランシえもん!ジャイ夫とスネアンが僕のことを性的な意味でイジメルんですよぉ!」

ラシンス「どぉしたんだぁいレサ太くぅん。つぅかぁ性的な案件だったらぁ警察へごぉだよぉ……」

フロリス「――も、忘れてねーナっと。あーアトベイロープに買ってもらったコテ−、コテっと」

レッサー「バレンタインなのにぃかかずゆ○がチョコくれないんだよぉ!昔は兄様兄様言って懐いてたのにぃ!」

ラシンス「レサ太くぅんキャラ崩ぉ壊はマッハ……かかずゆ○がシスタープリンセ○やってたのわぁ世紀末前後なんだから忘れてあげよぅよぉ」

レッサー「なんとかしてくれよランシえもん!弁護士雇って社会的に抹殺を!」

ランシス「やれやれレサ太くぅんわぁ考えがエゲつないなぁ。あやとりとエアガンと大長編での女運の引きの強さぐらいしか取り柄がないのにぃ……」

レッサー「ある意味で学園都市の女体誘蛾灯()と同じ能力者ですな……!」

ランシス「ある意味じゃなく合ってる……レサ太くん、口調口調」

レッサー「ですのでチョコを私に!キブミーチョコレート!」

ランシス「それだとぉレサ太くぅんがぁラシンえもんにフラグ立ってることになるんだよぉ?」

レッサー「いえいえそれはですな我ながらナイス提案がありまして、学校でこれ見よがしにしず○のヤローに見せつけることで、ジェラシーを煽るって寸法でさぁ!」

ランシス「”ちゃん”はつけよう?大先輩にも程があるから」

レッサー「いいんですよっあのビッチ!ちょっと勉強ができてスポーツ万能で性格も控え目で外見も格好いいだけの男にフラフラするんですから!」

ラシンス「それ、するよね?むしろあっちが本命疑惑が……」

レッサー「今で言うなろ○系チート主人公wwwwwww」

ランシス「より正確には”思春期になったのび○くんが出来○くんの皮を被ってドラえも○の四次元ポケットを盗んで大長編の世界へれっつごー”……」

レッサー「長いですね!ブレスなしに言い切ったのは!」

ランシス「……うんまぁ、そんなわけで」

レッサー「おねがっしゃーあすっ!フロリス先生!」

フロリス「お、あったあった。それじゃー今日は帰るゼ。おっつかれー」 ガチャッ

レッサー「ちょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっと待ちなさいよ!つーか待って下さいよっ!何スルーしてくれてんですかっ!?」

レッサー「フロリスの鬼っ!悪魔っ!高千○っ!あなたって人には人間の血は流れていないんです!?」

フロリス「ジュニアからの友達を法的に訴えるよーなやつとは一緒にされたくネー。つーかボケ二人でツッコミなしは厳しいダロ」

レッサー「だからあなたいつツッコんでくれるのかと待ってたんですよ!『のび○くん(今代)は声優力たった5の事務所力だろ』って!」

フロリス「Hey待て!そっちで事故ってんのニ、責任なすりつけんじゃねー!」

レッサー「それだって言うのに待てど暮らせどモノローグで分かりやすい説明台詞ばかり!ノリツッコミのロングパス待ちの私はゴール前で待ちぼうけでしたとも!」

フロリス「オフサイドじゃんカ」

レッサー「あのですねフロリス!魔術結社とというものはですね、こうチャイナで言うところの『Oath of Peach Garden』でですね」

フロリス「『桃園の誓い』ナ?あとその用法だとピーチの前に”the”入るだろ、英語圏の人間が間違ってんじゃねーヨ恥ずかしい」

レッサー「ですがこないだ某意識高い系ハリウッドスター()のインタビュー聞いてたらColorにaつけてましたよ!」
(※実話です)

フロリス「アレ本人曰く、『特定のあれこれじゃなく一つの色だとしたかった』っつってたからいいんだヨ。多分本気で間違っただけど思うケド、それは触れてやンなよ」

ランシス「用法的には……?」

レッサー「草生やすのと一緒ですwwwwwwwwww」
(※中二です)

フロリス「うっせーナ!ワタシは用事あっから帰るっつってんダロ!」

レッサー「用事?仲間が困っているのを放置プレイして行くのが仲間ですかっ!?それでもあなた我らが結社の仲間だと!?」

フロリス「ヤ、前に逃げてんジャン?」

レッサー「言いやがった!?このアマ今から私がネチネチ因縁着けようとしたのに、先オチ言いやがりましたよ!?」

ランシス「どっちも等しくヒドい……」

フロリス「バレンタインのチョコ欲しいんだったら買って来いヨ。個人で作ったのやるだなんで重いっつーの」

レッサー「あなたご自分を超棚に上げてませんかね?まぁ我らブリテン人にとっては必須スキルですが」

フロリス「……わーったつーの。教えればいいのか?」

レッサー「簡単なやつでお願いしますよ!パッと見難しそうなのに実は楽なやつ!」

レッサー「できれば貰った殿方が『うわコイツ俺のためにそこまでしてくるだなんて!』って一発でフラグ立つレベルの!」

フロリス「そこは自分で努力しろヨ。速攻でメッキ剥がれんダロ」

フロリス「あー……キッチンに移動すんぜ。手ぇしっかり洗って来い」

レッサー・フロリス「「イエスマム!」」



――キッチン

フロリス「まずバターを冷蔵庫から出して常温に。あ、これやっぱ急にできないし帰る――」

ランシス「用意したものがこちらに……」

フロリス「準備してあるよナ?てかどーして他の道具も揃ってんだヨ?」

レッサー「そこはそれ料理番組のノリでお願いします。尺の都合もありますので!」

レッサー「一週間経過時点で4つ、だから2-2でやりゃいいだろうと楽に考えてたのに、追加オーダー3本入っててエラいことに!」

フロリス「自業自得じゃんか」

レッサー「これで不思議の幻想○の丸太育成する時間が減ったんですよ1どうしてくれるんですか!」

フロリス「まず、仕事を、シロ。ナッ?」

ランシス「センセー……準備、万端ですー……」

フロリス「……アーウンそれじゃバターをボウルに入れます。ペトっと」

レッサー「グラムはどのくらいで?」

フロリス「試作品なんだからテキトーでいい。つーか肌で憶えロ、楽しよーとスンナ」

ラシンス「あの、それだとこの企画の主旨全否定……」

フロリス「そーこーに卵を別の皿に割って卵黄だけ入れろ。あ、殻が入るからボウルの上では絶対にわるナ!絶対だゾ!」

レッサー「えー、なんか片手で割るのってプロ!って感じしません?」

フロリス「どっかのHENTAI島国じゃともかく、他の国では卵の出荷すっときに紫外線殺菌せずにそのまま――」

レッサー「――割りますよ!超両手で慎重に割りますともえぇっ!」

フロリス「変わり身はえーナ。や、まぁそのぐらいの方がいーケド。人の口に入るモンたがらな」

ランシス「……せんせー。どのぐらい混ぜばいいの?」

フロリス「ちょいメレンゲ――溶けたチョコぐらいの粘度?」

レッサー「……くっ!そうだっこのアマ天才肌だから人の教えんの絶望的に下手でしたね!」

フロリス「ウルセー。テキスト片手にやって身に付くわけねーんじゃん!」

ラシンス「こんな、かんじ?」 カチャカチャ

フロリス「あーまぁいいか、ナ?いいんじゃね。で、次には薄力粉を少ーしふれ」 サラッ

レッサー「薄力粉……薄力な粉ですよね!なんか弱めの!」

ランシス「……強力粉は?」

レッサー「強力!ッッッッッッッッッッッッ粉おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

フロリス「どっちも小麦粉だゼ。品種や精製で目的に合わせて使う、興味あんだったらググれ」

ランシス「……全粒粉、は?」

フロリス「それも小麦粉の一種」

レッサー「てぇことは『全粒粉入りクッキー』は」

フロリス「『小麦粉で作ったクッキーの中に小麦粉の一種の全粒粉が入っていますよクッキー』」

レッサー「クッキー二回言いましたね……で、ふったら混ぜるんで?」

フロリス「そーそー。そーすっと生地がしっかりしてくるんだぜ、うどんのによーにナ」

フロリス「ちなみにクッキーの良さはここで7割方決まる。手ぇ抜くと中の空気か残ってボロボロになる」

レッサー「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!全力で混ぜますよ全力で!燃え上がれ私のコス○石油!」

ラシンス「……それ、元ネタ知ってる人……うん」

フロリス「――以上の行程全てやってくれてる『クッキー生地の元』ってーのがスーパーで売ってる」
(※売ってます)

レッサー「フロリッッスゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーー!!!?」

フロリス「クロレッ○の発音で人呼ぶな」

レッサー「あんだっらたそっち使いましょうよ!?あーたこの企画の主旨なんだと思ってんですかっ!?」

フロリス「少なくとも時短ナンチャッテ本命チョコ作るつもりはねーワ。お菓子に失礼だっつーノ」

レッサー「てか”クッキー”!?なんでクッキー作っちゃってんですか!?ノリツッコミ待ちですかっ!?」

ランシス「その発想はレッサーしかないよ……」

フロリス「マー待て待て。ただチョコ溶かして成型してから持ってったって芸ないだろーヨ。ベターっちゃベターだケド、インパクトは薄いゼ」

レッサー「……確かに!あのハーレム主人公っぽいヤローには飽き飽きしてる展開ですよねっ!」

ランシス「……ね、レッサーって実は嫌い?」

フロリス「だからだナ。こう一口サイズの人形型クッキーってあんだロ?ワタシがイブに作ってくるジンガーマンの」

レッサー「あれあなたいつも『近所のババーに貰った』って言ってませんでしたっけ?」

ランシス「本気で気づいてなかった、だと……!?」

フロリス「その人形型クッキーをアレンジして――つーかもうあと少しだからやって見せた方が早いナ。ホレ手伝えレッサー二等兵」

レッサー「イエッサー軍曹殿!できれば自分は大佐の方が好みであります!」

フロリス「黙っていろこのヘタレエア恥女め!大英帝国のために肌一つ出せないとはなんたることか!」

レッサー「あのぅ、フロリス、さん?ドサマギで本音言ってませんかねぇ?」

フロリス「ウルセー!まずは平べったく生地を均一にのばせ!」

レッサー「アイ、サー!……てか軍曹ごっこ止めません?結構なアレヤコレヤが混入するんで。青年的にはご褒美かもしれませんが!」

フロリス「料理で、遊ぶな?」

レッサー「……あい。できました!」

ランシス「これを、型抜きで……?」

フロリス「ソーソー。人型――てか”大”だナ。ナイフで切るのは初心者お断りだゼ」

レッサー「完璧です!」

ランシス「これ出来なかったら、何か問題ある……出来た、よ」

フロリス「おけー。そっしたっらばっと、小さく切手大にしたチョコを上に乗せて――」

フロリス「――そのチョコを抱えるように、クッキーの手の部分をクイッと曲げるっと」

ランシス「……あ、なんか可愛い」

レッサー「チョコを抱っこしてるように見えますねっ」

フロリス「チョコの代わりにアーモンド系持たせてもいい。あとはこれを180℃のオーブンで10分焼け。冷めたら完成ダ」

ランシス「……はーい。焼きまーす……」

レッサー「あの、でもこれ溶けるんじゃないんですかね?上のチョコが」

フロリス「湯煎したこと……いやごめんナ?別にバカにしてるっつーんじゃねーんだヨ?」

レッサー「おや?ことのほか上から目線で意味の分からないままに見下された感が……?」

フロリス「てか少し溶けるけど、そーしねーとチョコと生地くっつかねーからナ。あー……ウン、まぁ、分かれよ!」

レッサー「お菓子作りしない人へ説明しようとしたのに面倒で投げましたねコノアマ」

ランシス「賢明な判断……どうせ忘れる」

フロリス「その態度がダメだから教えたくないっつってンだよおバカども。てか10分経過してっぞ、取り出せ取り出せ」

レッサー「あいあーい……おぉ!出来てる!」

フロリス「出来なかった方が怖いワ。てかこの手順でどーやったら失敗すんだヨ」

ランシス「出来る子は出来ない子の理屈を知らない……」

レッサー「食べてみても?」

フロリス「超熱いチョコレートで口ん中火傷したいんだったら、マァどーぞ?」

レッサー「あれおかしいですね?これ、私が食べて『ンンンンンンンマァァァィッ!!!?』って巨大化するパターンだと思ったんですが」

ランシス「フィクションはフィクションの縛りがある。贅沢言わない……」

フロリス「型抜きの形変えればプーさ○やムーミ○とかも作れるし、アラザン埋め込めば目になっからサ」

フロリス「ま……こんなとこかナ。生地にココアやリキュール混ぜたり、ドライフルーツ乗せたりすんのも悪くない」

フロリス「チョコとの相性もあるし、ミルク配分によっちゃ盛大に溶けるから注意しろ。いいな?」

レッサー「ありがとうございます軍曹殿!」

ランシス「ありあっしたー……」

フロリス「イマイチ感謝の度合いが感じられねーだケド……まぁいいワ。ワタシは帰る、今度こそ!」

レッサー「お疲れっしたー……と、行きました?」

ランシス「ん、魔力遠ざかってる……」

レッサー「――では行きますよランシス!このチョコを持ってフロリスよりも早く、早く学園都市へ!」

ランシス「……なんで?」

レッサー「決まってるじゃないですか!フロリスもきっとこのチョコのバリエ違いを渡すはず!」

ランシス「被るよね……」

レッサー「よって先に渡してしまえば!あのアマのちっぱい以外の唯一のアドバンテージである料理上手設定(※非公式)をも潰せるんですよっ!」

ランシス「それ仲間にする仕打ちじゃない」



――学園都市 上条家のアパート 玄関前

レッサー「よっしゃ目のもの見せてやりまさぁお頭!」

ランシス「お頭違う。てか何かあったときのスケープゴートにする気満々……」

レッサー「しっ!ランシス静かに!」

ランシス「………………なに?」

レッサー「あんなところに今週発売の最新ゲームのポスターがっ!一体誰が貼ったんでしょうねっ!」

ランシス「エグいステマ禁止。今は反感喰らうからそのぐらいで……」

レッサー「と、おんやぁ?上条さんち前で誰かいますよね、痴情のもつれでついに刺されたんでしょうか」

ランシス「せめてそこは疑問系で……」

フロリス『あーコレ、ほら、なんつーかアレだよ、アレ?世話になってるっつーかサ、そーゆーカンジの?』

上条『ちょっと何言ってるのか分かんないですね』

フロリス『いや別に勘違いスンナ?ワタシは好意なんてこれっぽっちもなくてただちょっとチョコが余ってたから学園都市まで来ただけだからな!』

上条『お前それ好意ない方が怖くないか?アレだろ、彷徨える大泉○のようにチョコ食わねぇかって俺んチ突っ込んできたってことだろ?』

ランシス「……てな、感じに」

レッサー「ぐぎぎぎぎぎぎっ!憎い!あのアマのツンデレが憎いですっ!」

レッサー「なんかこう『私のターン!』とばかりにKODOKAW○の推し中の人バックアップをつけ華麗にゲーム参戦!」

レッサー「だがしかし蓋を開けて見れば、同じく金髪巨乳☆の上位互換タイプが現われて相手にされなかったヌレなんとかさんぐらいに!」

ランシス「しかもあれ、見て」

レッサー「な、なんですってー!?」

上条『――お、すげーチョコケーキだ!』

レッサー「私たちとは違う種類!しかもプロ並の大作持って来やがりましたねっ!どうやって入管くぐり抜けたのかは分かりませんけど」
(※国によって違法です)

レッサー「あなたがそのつもりなら、こっちにだって考えがありますよ――」

レッサー「――そう、そのラブコメをぶっ殺す!」 ヌギッ

ランシス「よっ、ヘンタイー……魔術界の井手らっき○ー」

レッサー「応援ありがとうございますっ!さぁこの雰囲気をぶち壊しに――」 ポンポン

ランシス「――あ」

レッサー「なんですかっ?!このクソ急がしいとき、に……?」

警備委員「あ−君、どこの学園生じゃん?おろそいのユニフォーム着てる――つーか脱ぎ捨ててあるけど――ってことは観光客じゃないじゃんね?」

レッサー「いや違うんですよ、これはですね『何が何でもラブコメは短編に持ち込ませるな!長編にとっとけ!』って制作がですね」

警備委員「はいはい分かったじゃんね。続きは詰め所でじっくり聞かせてもらうじゃんね」

レッサー「待ってつかぁさいっ!?丁度ホラ!私はあんちくしょうツレでございましてねっ!関係者ですよ!」

警備委員「ツレ?誰もいないじゃん?」

レッサー「逃げやがりましたな二人揃って!まぁ大声でバカ話して隠す気もなか――ランシス!?」

レッサー「まーーーた裏切りやがりましたねランスロォォォォォォォォォォォっ!!?私の敵はいつまで経っても身内ってことですか!」



(※女子力高そう)



――窓のなかったビル(現在大破中)

アレイスター「――私もね。この歳になると色々考えてしまうものなんだよ」

土御門「帰っていいか?俺もヒマじゃないんだが」

アレイスター「そうかな?君が非協力的な態度を貫くのであればこちらにも考えがある、ということを忘れないでほしいものだね」

土御門「はっ、何言ってるんだアレイスター!あんたの手札が尽きてることなんてお見通しなんだよ!」

アレイスター「随分私も見くびられたものだが、その根拠は何かな?」

土御門「ここまで学園都市をボロボロにされるまで、反撃できる手は使ったか、これから攻め込もうってのに無駄遣いする余裕もない」

土御門「何よりも俺一人をどうこうするのに労力を割こう――なんて、”非合理な考え”は科学者以上に理屈的なあんたは、取らない」

アレイスター「私の性格を正しく熟知しているようで、嬉しいやら恥ずかしいやら複雑な気持ちだ」

土御門「黙れアレイスター。上条当麻はあんたを許したかもしれないが俺は――」

アレイスター「だが、そう”だが”、だよ土御門元春。話の終わりにさしかかっているところ恐縮だがね、まだ終わりではない」

土御門「……たった俺一人を容易く葬れる手段があると?」

アレイスター「だとしたら?」

土御門「ない――なんて言い切るほど自信過剰じゃない。が、易々とやられるほど、この俺の首は安くないと思え!」

アレイスター「ならばどちらが正しいか、立証してみるのも面白いだろう」

土御門「来い!」

アレイスター ガサゴソ、ピッ

アレイスター「『――あ、もしもし?警察ですか?』」

土御門「」

アレイスター「『えっと、目の前で!ひ、ひ、人が撃たれて!パーンって!』」

アレイスター「『私怖くって……え?犯人、ですか!?』」

アレイスター「『何か”にゃーにゃー”言うグラサンかけてアロハ着た金髪底辺高の生徒――』」

ピッ

土御門「……」

アレイスター「おや、どうしたね。まだ私が話している最中だというのに」

土御門「……なぁ聞くんだけど、あれってもしかしてあのまんま置いてあるわけ?」

アレイスター「残機は減ったわけだから、まぁ君も殺人犯確定だね」

土御門「手段がコスいぜぃ!?なんか外見もバカっぽくなったと思ったら中身まで影響受けてんじゃねぇか!?」

アレイスター「失礼な。誰が最古にして最強の王だね」

土御門「あんたのポジは自爆した娘スキーのポジだよ?何黒幕&人気上位になろうとしてんのおこがましい!」

土御門「警察に任せんなよ!せめてこうもっと魔術戦えよ!魔術師やってんだからな!」

アレイスター「――と、いう訳で土御門。君の返答次第では本当に今の通報を実行することになってしまうが……どうだね?」

土御門「……俺に何をさせる気だ……ッ!?」

アレイスター「ふ、土御門。君は私を理解してるのではなかったのか?で、あれば推測も容易だと思うがね」

土御門「まさか、お前――」

アレイスター「そう――”チョコ”だよ……ッ!」

土御門「……」

アレイスター「そう、チョ――」

土御門「違う。聞こえなかったとか、声小さかったとかじゃなくて。お前今なんつった?」

アレイスター「季節的にはバレンタインだろ?だからやはり世話になってる相手には贈り物をだね」

土御門「なぁお前大分INT値低下してるよな?残機減ったらしょーもない部分どっか消えたのか?」

アレイスター「だから親友である君にアドバイスをだな」

土御門「うん、しょーもない部分がなくなったと思ったら、残った部分もアホなのな。分かった、どうしようもないのが分かった」

アレイスター「実は既に送ってあるんだ」

土御門「じゃあ呼ぶなよ!?俺お前と漫才やる趣味なんてないわ!」

アレイスター「だからリアクションをだね。今から見守るにもアドバイザーが必要かな、と」

土御門「頑張れ元春!くじけるな元春!お兄ちゃんは舞夏のために頑張ってるぜぃ!」



――

アレイスター「で、既に潜入はさせてあるんだ。ここからはモニタを見ながら検証しよう」

土御門「潜入ってなんだ?チョコの話なのにスキニーミッションやってんだよ?」

アレイスター「何と言うかな。私も私なりの立場があるわけで、特定の生徒を贔屓するのは良くない。分かるね?」

土御門「そうだな。たった一人のために学園都市こしらえたクソバカの台詞じゃなかったら、まぁ同意できたんだけどな」

アレイスター「なので私人としての立場で、いいね?」

土御門「統括理事著がスキャンダル心配してどーすんだ?!お前もっと人道的にも倫理的にも酷い事ばっかして来ただろ!?」

アレイスター「従ってこのミッションは他の人間に知られることなく終わらせねばならない。これが何を意味しているのか」

土御門「持って行けよ。直で持って行けよカミやんのトコ!カミやん(性的な意味でも)寛容だから、『ありがとう』って貰ってくれるわ!」

アレイスター「繰り返すように私と彼が親密なのを悟られれば、他の人間に過った印象を与える。不都合が生じるのはそちらではないかな?」

土御門「敵にすれば面倒臭いし味方にしても鬱陶しいな!流石元・黒幕と呼ばれていた男だけはある!」

アレイスター「今はTS化してるがね」

土御門「うるさい」

アレイスター「理解いただけたようで何より。これが現在侵入させている”ち14号”君だ」

土御門「……普通のチョコに見えるが。100円ぐらいで買える、銀紙が黒い帯でくるまっているのだな」

アレイスター「――起動」

ち14号 メリメリメリメリメリッ

土御門「トランスフォームした!?銀紙が変形して6本足に!?」

アレイスター「形状記憶合金かつ遠隔操作も可能な新技術だ」

土御門「……これ、カミやんに食わせるとか、ちょっとした犯罪じゃ……?」

アレイスター「大丈夫。パッケージだけが特殊であり、中身は市販のチョコだよ」

ち14号 ワッシャワッシャワッシャ

土御門「多足類っぽい動きで移動してるぜぃ……てかこれ見たら食う気失せるな!」

アレイスター「これで容易に彼の部屋へ潜入、いつの間にかチョコがあってビックリ!的なアレになるはずだったんだがね……」

土御門「俺を巻き込むなよ!潜入方法はちょっとお見せできないが、別の難しい問題でも何でもないだろうが!」

アレイスター「だから、この機体名称は『ち”14”号』なのだよ」

土御門「14……あぁ自立移動させるまでそんだけかかったのか。意外に大したことないな学園都市の最先端」

アレイスター「いや、そういう話でもなくてね……まぁいい。実際に動画を見た方が早い」 ピッ

ち13号『……』

土御門「なんだこの映像。見覚えのあるカーペットがやけに近いな」

土御門「あぁカミやんちの、机と棚の位置、影からしてベッドの下か」

アレイスター「これはち13号が最後に記録したものだよ。内蔵されているカメラから送られてきた」

土御門「あぁ。潜入したのはいいものの、異常が起きてベッドの下で止まったのか」

ち13号 ブルブルブルブル

土御門「カメラも振動してるしな」

アレイスター「――いや、違うんだ……ッ!」

土御門「ん?」

???『もーいいのかなー?かくれんぼも飽きてきちゃったんだよ』

ち13号 ビクッ

土御門「今の声、って確か、つーかほぼ毎日隣から聞こえてるんだか……」

???『あ、いたいたー!じらすのは心憎い演出なんだけど――』

インデックス(???)『――この私から逃げられると思ったら大間違いなんだよ……ッ!!!』

ち13号 ザッザザーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ……

土御門「ち13号……?オイ!どうしたち13号ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

アレイスター「……このようにだね。悉く発見されては捕食されるという始末」

土御門「なぁお前こないだカミやん言ってたんだけど、頭は良いけどバカだよね?失敗13回続けてんのに学習するの異常に遅くね?」

アレイスター「半分は術式、もう半分は科学技術を使ったのに0勝13敗だ」

土御門「あぁ……透明になろうが結界張ろうが、あのシスターちゃんだったら見破るぜぃ」

アレイスター「なので君にも助言を頼んだ、という寸法だね」

土御門「まぁ人選も当事者除いて俺以外にはいないわな。その頼み事がクソしょーもないことを除いては!」

アレイスター「次はアレだ。科学と魔術のペアリングで行こうと思う」

土御門「お前楽しくなってるだろ。そういうとこあるもの、俺がスパイだって言ってんのにあっさり接触できたし!」

土御門「つーかだ、直で持って行けよ!俺に頼ってないで!」

アレイスター「だから特定の生徒を贔屓するわけにはいかないのだよ。困ったものだね」

土御門「まさに今特定の生徒に迷惑かけてるなう」

アレイスター「私が持っていくのもこじれそうでね。それはそれで楽しそうだが」

土御門「お前弱点ねーな!ダメ父親って突っ込んでも流すし、教育者としてもダメだし人間失格だって開き直ってる!」

アレイスター「それで見てくれ土御門、今度のち14号はいざとなったらデコイを発射する機能がだな」

土御門「お前それ娘さんに見せられるか?『なんか女体化したらイベントしたくなって、少年にチョコ送ろうってマシン作ってる』って誇れるかな?」

アレイスター「――私は、思うのだよ」

土御門「何を」

アレイスター「綺麗な思い出の中で微笑む娘より、現実に生きている娘に罵られたい、と」

土御門「くっ!ハードルが地面すれすれに設定してある相手には何言っても無駄か!」

アレイスター「君の意見は?あの七つの大罪・暴食を司るシスターから逃れる、効果的な方法はないかね?」

土御門「名前書きゃいいだろ」

アレイスター「む?」

土御門「だから『上条当麻さんへ』って表にでも書いておけば平気だ。あの禁書目録も人様の想いをネタで踏みにじるような真似は――」

土御門「……」

土御門「――しますん!」

アレイスター「超溜めた上に下手な誤魔化し方をしたね。しかも”する”って方で」

土御門「極限状態(生活費振り込み数日前)だったら、うんまぁ、ない話じゃないなと」

アレイスター「おや?充分な生活費は払い込んでるはずだが?」

土御門「お前んとこのクソッタレ理事ども、親船除いて誰も仕事してねーんだよ!責任監督は果たせ!」

アレイスター「前向きに善処しよう――さて、ではそのように」



――上条家

上条「たっだいまー。なんか家にいるのか外出てるのか色々フワッフワしてるけど、ただいまなんだよ☆」

インデックス「わたしのマネ禁止なのかも。てか似てないし」

上条「ツッコんだら負けだ!俺も実はよく分かってない!……て、この銀紙の山なんだよ?」

インデックス「あ、そうだ!聞いてよとうま!ちょこがね、お部屋の中を走り回ってるんだよ!」

上条「インデックス、あなた疲れてるのよ」

インデックス「ほんとなんだもん!わたし捕まえたんだからね!」

上条「チョコ……誰から貰ったのか知んないけど、きちんと礼言っとくんだぞ」

インデックス「違うのに……あ、これとうまのぶん!」

上条「うん?あぁうんありがと、つーか用意してくれてたんか」

インデックス「ううん。机の上に置いてあったんだよ?」

上条「……そっか、そうだよな。そういうこともあるかも知んねぇよな」

インデックス「とうま、なんで上を向いてるの?」

上条「今なら星が見えそうな気がしたんだ――よし!今日の夕食は奮発して回鍋肉だ!」

インデックス「わーい!奮発するって言ったわりにはクックド○のアレだけど、美味しいからいいんだもん!」



――窓のなかったビル(現在大破中)

アレイスター「……あれ?」

土御門「差出人名は……書かなかったんだな」

アレイスター「チョコを13枚食われた挙げ句、オイシイところも禁書目録が持っていくとはな!」

土御門「まぁ……ステイルといいアウレオルスといい、色んな所に影響してるっちゃしてるが」

アレイスター「しか次こそは成功すればいいのだよ。なぁに時間ならたっぷりある……!」

土御門「なんでコイツ基本的にはアホなのに科学の街作れたんだ……?」

アレイスター「天才とアホは紙一重ってことわざがだね」

土御門「そうだなっそれなら納得だぜ!」

アレイスター「君、もうツッコむの面倒になって流したね。それじゃ主人公は務まらないぞ」

土御門「いいです。カミやんの心労と喉の負担を見るにマイナスにしかなってないようなんで」



(※2クールとだかしかし二期で喉大丈夫ですかね)



――イギリス某所 某屋敷 台所

ベイロープ「うーん……」

老執事「いかがなさいましたお嬢様。こんな夜更けにこんな場所で」

ベイロープ「お嬢様はやめて」

老執事「この老体にとってお嬢様はお嬢様。初孫は可愛らしゅうございます」

ベイロープ「あなた独身……てか血の繋がりはない……」

老執事「そのぐらいの意気込みだということですな。それで?」

ベイロープ「別に?なんでもないわよ?」

老執事「左様でございますか。私はてっきり生まれてから一度もしてないチョコ作りに手を出して大失敗したのかと」

ベイロープ「見てたわよね?正確に事態を把握しているわよね?」

老執事「アクマで執事ですから!」

ベイロープ「その設定はない、その設定だけはないわ!モブなのに濃いキャラなんて要らないのよっ!?」

老執事「実写映画が原作のダメージを与える、希有な例でしたな」

ベイロープ「生執○のキャストでいいのに……劇場版オリジナルストーリーだなんて誰も望んではなかったのよ……!」

老執事「興行収入が6億円、プリキュ○の9億円に負ける有様でございますれば」

ベイロープ「比較対象がアレすぎて逆に凄いのか健闘しているのか分からないのだわ」

老執事「同じく実写映画のギャラクシー街○が13億、超高速の参勤交○が15億ですので、参考までに」

ベイロープ「うん、『ファンは頑張った。だってファンなのだから通った』って声が聞こえそうな感じね」

老執事「私の知り合いのメル友が、『ゴーリキ×原作レ××映画ランキング』で堂々の三位入選だと」

ベイロープ「見たいような見てみたくないようなランキングね。気にはなるけど多分、損する。時間を損するわよね」

老執事「ですのでお嬢様もどうぞお時間を大切になさいますよう。キッチンで生ゴミを量産する趣味も程々に」

ベイロープ「生ゴミ!?雇用者の作った料理を生ゴミ!?」

老執事「もしくは美大生が作った前衛芸術と称した粗大ゴミ、ですか」

ベイロープ「まだ、口に入れられるだけマシな評価か……!」

老執事「さて、私の見た限りではお嬢様、分不相応な菓子作りに調練しておいでではないですかな?」

ベイロープ「分不相応……本に書いてある通りやればできるのよ!多分ね!」

老執事「その程度で出来ればパティシエルは失業ですな。えーと、ほら、我が家の専属料理人のベロニカ」

ベイロープ「長いわよね。あなたと同じぐらい」

老執事「彼女もあの腕になるまでかなりかかりましたぞ。それこそ一日千秋の思いでございます」

ベイロープ「用法、多分違わない?」

老執事「で、ございますれば。未熟なお嬢様におかれましてはもう少しイージーなものに変更されるのが宜しかろうと存じます」

ベイロープ「まぁ、そうね。このままだったら朝になるし」

老執事「及ばずながらもこの私も力添え致しますので、どうか」

ベイロープ「分かったわ。お願いします」

老執事「しか…し…ふふ、昔のことを思い出しますなぁ」

ベイロープ「昔?」

老執事「えぇ、お嬢様――奥様がお嬢様だった頃、同じように手伝いを致しまして」

ベイロープ「そ、そうなの?意外ね、そんなこと始めて聞いた」

老執事「嫁がれた身でございますので、あまり吹聴するようなことでもございませんし」

ベイロープ「その、相手は、やっぱり聞いたら良くないのかしら?」

老執事「それこそ、まさか、でございます。何一つ奥様に疚しいところなどございませんな」

ベイロープ「じゃ、じゃあ誰に送ったの!?」

老執事「河川敷に落ちてる片方の軍手野郎でございます」

ベイロープ「……はい?」

老執事「いえ、ですから河川敷に――」

ベイロープ「ごめんなさい。聞こえなかったんじゃなく、どういう意味って」

老執事「旦那様でしたね」

ベイロープ「人の父親になんてこと言ってんのよ!?前から嫌いだ嫌いだ思ってたけど、そこまで仲悪かったの!?」

老執事「私の地元の方言で、たまたまそういう呼び方をですね」

ベイロープ「……レッサーよね?あなた最近レッサーと会って何か話してないのっ!?」

老執事「レッサーちゃんさん……?はて、そんな恥女など知りませんな?」

ベイロープ「オッケー、有罪!もうあのおバカな子の影響受けないで!家ぐらいはゆっくりしてたいのよ!」

ベイロープ「……というかお母様に着いてきたのに、まだ隔意がある訳ね……」

老執事「まさか!あの潰れたヒキガエル野郎に隔意など微塵もございません!」

ベイロープ「いや、いいんだけど……良くはないか。実害がないって言っても」

老執事「そうですとも。決して今晩ここへ来たのもお嬢様を心配して来たのではなく、クソ野郎の食器に脱毛剤を塗るためであって」

ベイロープ「そこは私でいいじゃない!気を遣ってくれたで全部丸く収るんだから!」

ベイロープ「まさかそんな陰険な背景があったなんて知りたくなかったわよ!お父様が悩んでるんだからとどめを刺しに来ないで!」

老執事「べ、別にお嬢様を心配したんじゃないですからねっ!」

ベイロープ「ただの事実じゃない。ツンデレ風に言われてもそれただの事実を言ってるだけだし」

老執事「お嬢様も口にお気をつけくださいませ。ご友人は選ばぬと似るものですぞ」

ベイロープ「そうね!レッサーのあなたに対する悪影響を思えば友人選びって大切よね!」

老執事「さ、お嬢様。冗談も程々にいたしませんと夜が明けます」

ベイロープ「なんかもう外も中も敵ばかりで」

老執事「あ、噂に聞いたのですが、日本人はチョコにマスタードをたっぷり入れるという都市伝説が」

ベイロープ「お父様に向けていた悪意がこっちにも!?」



――日本行きの飛行機 機内

ベイロープ「――っていうね、もう、うん……」

フロリス「あー……大変だったナ。チョコ食う?」

ベイロープ「悪い人じゃないのよ。良くしてくれるし私の味方ではあるし」

ベイロープ「ただちょっと行きすぎたところがあって、場合によってはエンフィールド(19世紀最高にして最悪の歩兵銃)持って突っ込むし!」

フロリス「愛が重いナー――で、今映画でエイジ・オブ・ウルトロ○やってから、ワタシそれ見たいんだケド」

ベイロープ「なんかもう魔術師じゃないかって思うのよね。たまにそれっぽいこと言ってるわ」

フロリス「じゃなかったら末期ちの中二病じゃんカ――あれ?ジェレミー・レナ○の吹き替えにノイズ混じってンぞ?機械の故障か?」

ベイロープ「というか料理長のベロニカ、第二次世界大戦中に撮った写真と全然変わらないんだけど、これフラグよね?」

フロリス「オイやめろ大筋と関係ねートコでフラグ増やんじゃねー!」

フロリス「ていうか映画見させろヨ!ワタシに!ラスト10秒でのゴリラ・ゴリラ・ゴリラ(サノ○)のドヤ顔見させろっつーの!」

ベイロープ「最後だけ見ればいいじゃない。『むしろこれ本編いる?』って濃ゆいファンは言ったとか言わないとか!」
(※映画館で隣に座った人は言ってました)

フロリス「あ、そっかー。そうすりゃよかったんだナー、ありがとーベイロープ、ありがとーありがとー」

ベイロープ「どういたしまして」

フロリス「――で、そんなベイロープに聞きたいんですケド、なんで日本行きの飛行機乗ってんダ?」

ベイロープ「……」

フロリス「……」

ベイロープ「か、河川敷に軍手をね。撒く仕事の研修で」

フロリス「そのジーサンの影響モロに受けてんじゃねーカ。怖いな英才教育って」

ベイロープ「というかあなたはどうして?」

フロリス「ワッ、ワタシは別にぃ!?」

ベイロープ「なんていうか――」

???『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!やったれウルトロ○!アメリカ野郎なんかぶち殺せ!!!』

???『がんばー……サノ○でるまでのつなぎー……』

???『何を言うんですかっ!この映画の嗜み方はですね、こうバッキーとキャップの絆をhrhrするのが通でして』

???『穿った見方でキャップを穢すな』

???『お、なんだやりますか?表出ますかっコンチクショウ!?』

???『って、表出たら死ぬっちゅーねーん……』

???・???『『ルネッサーーーーーーーーーーーーーーーンスッ!!!』』

ベイロープ・フロリス「「……」」

ベイロープ「えっと……その、チケット!」

フロリス「あン?」

ベイロープ「チケットはどこで取ったの?」

フロリス「あーウン。オリンピックで中々取れなくてサ、知り合いのジーサンに頼んで」

ベイロープ「……なんか、ごめんなさい」

フロリス「あ、いやウン!多分向こうも気を遣ってくれたんじゃねー? 『全員席は離れてても同じ便で』みたいな?」

ベイロープ「……映画、見ましょう」

フロリス「ウン、そーですね」



――学園都市

フロリス「――で、どーするヨ?」

ベイロープ「順番、そう順番ってのがいいと思うわ。一緒にってのはちょっと、ね」

フロリス「ダナー。ちょっと、だよナー」

ベイロープ「ちなみにおバカ二人は?」

フロリス「とらのあ○じゃね?」

ベイロープ「……欲望に忠実なのは、うん、どうかなって思わなくもないわね!」

フロリス「イヤイヤ。即断即決の資質は戦士に必要っしょ?」

ベイロープ「魔術師よ――今はまだ」

フロリス「りょーかーい。んで、どっちから行く?譲ろっカ?」

ベイロープ「ちょっと会って渡すだけでしょ。譲るのも何も」

フロリス「勇者だ……!勇者がいやがった……!」

ベイロープ「いやごめん嘘吐いたわ。これだったら魔術師団に斬り込む方がよっぽどマシね!」

フロリス「ま、まぁ分かんなくないケド!でも、あんまモタモタやってっとウチのアホ二人に先を越されるって事に」

ベイロープ「……沈める?」

フロリス「正気に返れベイロォォォォォォォォォツ!?目がグルグル目になってんゾ!」

ベイロープ「東京湾は定期的にコンクリが刺さった足だけ釣れるスポットがあるって!レッサーが言ってたわ!」

フロリス「ニュースソースが胡散臭すぎる。その中で事実なのは『東京湾は意外と釣れる』だけだゼ」

ベイロープ「むしろ都市伝説を証明できて喜ぶかも……!」

フロリス「その可能性は否定出来ない。つーか嬉々としてコンクリ風呂入りそうで怖いワ」

ランシス「だが蹴り込まれて東京湾ダイブを敢行した直後、『てってれー』と背後から現われるレッサーの姿が……!」

ベイロープ・フロリス「「ありそう」」

ベイロープ「……うん?今誰か一人多くなかった?」

フロリス「いんや誰も。ワタシは見てない、見てないったら何も見てない」

ベイロープ「ここで話してもしようがないのだわ。第一私たち以外にもいるのだし」

フロリス「マー、そうな」

ベイロープ「なのでここはバンガードのフロリスに吶喊して貰って」

フロリス「ヒっド!?バックはこれだから!」

ベイロープ「女は度胸よ!」

フロリス「まずテメーで行ってから言えヨ……まぁいいワ。埒が明かネー」

フロリス「それじゃワタシが軽ーく行って軽ーく渡してくっから、ベイロープは少ししたら来ればいいんじゃネ?後から合流する感じで」

ベイロープ「いや……それは流石に。別口の方が気を遣わせないと思うのだわ」

フロリス「否定はしねーケドな。じゃちょっくら行ってくるわ」

ベイロープ「私が言うのもなんだけど、頑張って」

フロリス「ヤー。ベイロープもナー」



――一時間後

レッサー『冤罪なんですよ!仕組まれたことなんですよ!私は別に悪い事なんてしてないじゃないですか!?』

警備委員『はいはい、キリキリ歩くじゃんねー。今日ははしゃぐおバカな子が多くて大変じゃんよ』

レッサー『ボンジュー!生粋のフランス人である私がどうして捕まったザンス――』

……ファンファンファンファン……

ベイロープ「……さて。そろそろいいかしらね、時間も経ったし」

ベイロープ「イギリスのプライドをかなぐり捨ててフランス人のフリをする仲間はいないのだし、まぁ良かったわー」

ベイロープ「しかし念のため警備委員の番号控えてて正解だったわね――と、ここか」

ピ゚ンポーン

上条『はーい、どちらさんでー?』

ベイロープ「えっと……知り合い?それとも元敵同士?」

上条「括りが広すぎる!そのカテゴリだと結構の数いるな!」

ベイロープ「ツッコミが第一声なのはどうかと思うわ……どうも、こんにちは」

上条「ん、おぉベイロープ!どうしたんだこんな所まで!」

ベイロープ「んー、まぁちょっと野暮用で」

上条「そっかー、大変だなー。んじゃ立ち話もなんだし上がってく?」

ベイロープ「いいの?」

上条「学園都市まで来て疲れだろ?お茶ぐらいしか出せないけど、足伸ばして休むぐらいは出来るから」

ベイロープ「そう?それじゃお邪魔しま――」



――室内

風斬・フロリス・ランシス「……」

ベイロープ「――と思ったけど!やっぱりいいわっここでえぇそうねっ!なんか用事を思い出したから!」

上条「友達来てるし、一緒にお茶でも」

ベイロープ「胃がやられるわよ!牛だって全部の胃がマッハで胃潰瘍になるっ!」

上条「マジかよ。牛さん胃四つもあんのに!」

ベイロープ「空気!この室内のドロドロっとして居たたまれない空気読め!フロリスですら無言になってんだから!」

フロリス「その評価はドーヨ」

上条「そ、そうか?俺はてっきり女の子同士だしお菓子持ち寄って仲良くなるんじゃないかと……」

ベイロープ「余計な気遣い!かつ意味がない!せめて個別に対応してあげなさいよ!」

上条「そ、そう?だったら順番に話聞くけど……」

ベイロープ「あー……帰るわ。本当に胃から下がとろけそうだし」

上条「……頑張れ!」

ベイロープ「いつもは問題児二人だけど、今はあなたなのだわ!原因作ってるのが!」

ベイロープ「……まぁ、いい。あぁそうだ、これチョコレート。いつも迷惑かけてるから、ウチの主におバカが」

上条「……ん、ありがとう」

ベイロープ「それじゃまた」

上条「ベイロープ達と会う時ってさ、いつも戦場かトラブルばっかだったし、たまには普通にまた会おうぜ」

ベイロープ「そうね。そうだったら素敵かもしれないわよね」



(※ハーレム系主人公は胃が命)



――某所

バードウェイ「時代は幼女だ!幼女こそ時代の最先端を走っていると言っても過言ではない!」

マーク「ボス、開幕即超必殺技はやめてください。ギャラリー喜ぶと思いますが、基本売った本人は損をします」

バードウェイ「コンプティー○の付録を三号連続で幼女グッズにしたら売り上げが爆伸びしたって聞いたぞ」
(※実話です)

マーク「せめてそこは『幼女ではなく幼女戦○って略さないで下さい。酷い誤解を生みますから」

バードウェイ「某魔法幼女も久しくヘテロ遺伝子登場しないし、もう女の子だけでいいと思うんだ」

マーク「拳で語りあうリリカル新シリーズの批評はちょっと……代替わりして全財産ツッコむ猛者が続々と出るんですから」

バードウェイ「というかだな。私も最初ネタで幼女幼女言っていたのだが、もう冗談ではなくなってきている気配がだな」

マーク「スルーしましょう、ボス。なんかもうかれこれ四年やって来て『時代は変わったな』、と思うところない訳ではないのですが」

バードウェイ「世界でポリコレ棒で人様の横っ面引っぱたく人権の当たり屋が闊歩しているのに、日本は幼女祭りってどうなんだ?」

マーク「言っときますけど日本も例外じゃないですからね?ただ仕掛け人が胡散臭すぎて笛吹いても踊らなかっただけで」

バードウェイ「そろそろ新スピンオフも必要なんじゃないのかっ!?例えば幼女が主役とかでなっ!」

マーク「昨今の業界情勢を鑑みるにない、とは言い切れないのが辛いところですボス」

マーク「ただ流石にスピンオフの量が多すぎて流石の神様(※鎌池先生)でも捌き切れないんじゃねぇかな、と」

バードウェイ「他のシリーズやめればいいんだ」

マーク「あ゛あーーーーーーあああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!何か急に大声出したくなったなああ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?」

バードウェイ「如何に速筆だろうと本人に負担がかからないわけはないだろうし、ファンタジーもギャグもSFも異世界転生も書かせ、長く続けられなかった神坂○先生――」

マーク「仕方がないですよ!一般人と超越した方は時間の流れが違うんですから!」

バードウェイ「そこをどうにかするのが編集の仕事だろう。使い潰してどうする」

マーク「ボス、業界批判はそのぐらいに。てゆうかSPはある意味ボスのスピンオフと言えなくもないですが」

バードウェイ「だがなマーク、マーク=トウェイ○」

マーク「久々に名前間違えネタですが、流石に全盛期の文豪の方と間違われるのは流石に厳しいと思います」

バードウェイ「今言ったのは私の個人的な意見だ。立場を変えれば当然別の見方も生まれる」

バードウェイ「今回電脳な世界でバーチャル・オンする話だって、ある世界からすれば『それ俺らオブジェク○の方がピッタリだよね!』と考えるだろう」

マーク「ファンって言うか、それ中の人の意見ですよね」

バードウェイ「『なぁクウェンサ○、俺もう女はコリゴリなんだよ。やっぱお前が一番だわ』、っとな!」

マーク「ヘイヴィ○はそんなこと言わない」

バードウェイ「あの世界、敵は基本オブジェク○と女だからな。男同士の友情が育まれるのも致し方ないと言える」

マーク「ねーよ。それだったら男子校通うのは全員ホ×かよ」

バードウェイ「違うのか……ッ!?」

マーク「その理屈が正しいんだったら、共学校多い先進国はもれなく異性好きになり出生率低下で悩んでねーよ」

バードウェイ「そう、か?ではパトリシアが恋多き女というのは一体……」

マーク「別に多くはないですけどね!お世話になった人間を邪推してるアホがいるってだけで!」

バードウェイ「アイツの姉は謙虚で慎ましく、あと数年で大輪の華を咲かせるばかりだというのに、どうして差がついてしまったのか……」

マーク「まぁ結果だけを見れば今年は出番多いですからね。きっと薄い本も含めて」

バードウェイ「ふっ、やはり真のヒロインは遅れて現われるということだなっ!」

マーク「ボス、あえて言えばキーワードは”幼女”だと思います。話が繋がって非常に不愉快なんですけど」

バードウェイ「――だが!増えすぎた世界だからこそ、そして昨今はヒロイン枠にヤローが入ってきたからこそある危機感!」

バードウェイ「知ってるかマーク!F1ではレースクイーンを廃してレースキングを置くらしいぞ!」

マーク「誤情報ですよボス。前半はまぁ合ってますけど、後半は誰得です」

マーク「あと極めて個人的には随分前から要らないと思ってました。てか中継中にスタッフがガンガン映してて邪魔なんだよ!マシン映せマシン!」

バードウェイ「ほう?つまりジョニー・ライデの帰○のヒロインたちも?」

マーク「あれは必要ですよ!読者はミリ○たん薄い胸にhrhrするかゲルグ○の太い足にhrhrするかのどっちかなんですから!」

バードウェイ「どっちもまごう事なきヘンタイだな――む、閃いた!」

マーク「聞きたくないですけど、なんですか?」

バードウェイ「レースクイーンを廃するのはやり過ぎだとするならば、ここは一つ男女平等の観点からレースキングを置こう」

マーク「まぁ人気が出るか、また興行的にどうかもさておき、悪くはないアイデアですよね。ただ少し名前が悪いですよ」

バードウェイ「とは?」

マーク「レース”キング”だと、サーキットで一位になった人と被りますからね」

バードウェイ「そうか――じゃ、男性側はストリーキング(streaking)でどうだろうか?」
(※ストリーキング=全裸で通りを疾走するお仕事の人)

マーク「それ言いたいだけじゃねーか」

バードウェイ「という訳で裏を返せば我々こそがリストラされる立場にある。増えすぎた代償であるとも言えるが」

マーク「ボス、ヘンタイの話と我々の存在価値と同列視するのは、ちょっと」

バードウェイ……いや、フェードアウトだけならばまだマシなんだよ。もっと恐ろしい事態は幾らでもある」

マーク「数合わせで殺されたり、ですか?まぁそれも昔からあるっちゃある話ですよ」

バードウェイ「まぁそれぐらいであれば許容範囲といえる。むしろ主人公のトラウマになり回想シーンで召喚されるのもオイシイはオイシイ」

マーク「それ声優視点ですよね?」

バードウェイ「最悪なのは一度あれこれモーションかけといて、扱いに困って脇役と無理矢理くっついたときの絶望感と言ったら……!」

マーク「あー……女性が書いている男性ハーレムものにありがちですよね。編集に言われて嫌々出した系の」

マーク「……というかボス。いい加減現実に戻って来て下さい」

バードウェイ「現実?なんだそれは新しいケータイプランか?」

マーク「わざわざ学園都市まで来たんだから、早く買い物して帰りたいっつってんだよ!俺だってヒマじゃないんだ!」

バードウェイ「パトリシアから何か頼まれてたよな。この幼女好きめ!」

マーク「……奥様にチクるぞテメェ」 ボソッ

バードウェイ「わ、我々は目の前にある困難へ果敢に挑まなければいかん!なぜならばそれが人生だからな!」

マーク「ボスの場合、初見のSTGでもルナティック選んでるだけなんですがそれは」

バードウェイ「要はアレだろ?プチ修羅場ってるヤツの部屋に乱入して捕まえてくればいいだけの話だ。イージーだな!」

マーク「攻撃魔法が飛び交ってない時点で”イージー”と言えば、まぁ、そう、かも?」

バードウェイ「そしてチョコを下賜して私ルート!人生ゲームアウッッッッッッッッッツッ!」

マーク「お気の毒ですがボス、ひっじょょょよよに残念ですが最近は一般紙でも普通にありますその展開」

バードウェイ「まぁ、その、なんだ。私もな、やはり和気藹々としている場を乱すのにはちょっと抵抗がないわけでもない」

マーク「えっと、空気読んだんだったらその幻想をぶち殺した方が、上条さんの胃に優しいかと……」

バードウェイ「ヤツの対人関係に波風を立てるのも良くない!そう判断したんだ!」

マーク「へー――うん?……ボス?ねぇボスあんた今、『判断し”た”』って言ったか?」

バードウェイ「だからな、こう、これ↓」

マーク「これ? 」

ズタ袋『ンーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!ンンンンンンンンンンンンーーーーーーーーーーーッ!!!』

バードウェイ「お前がさっきから顔を背けているこれ↑だな」

マーク「まさかとは思いますが、つーかそうじゃなかったら怖いんですけど。このトラブルの塊兼下手すれば魔術&科学全勢力を敵に回しそうなブツは、どこから?」

バードウェイ「ひ、拾った?」

マーク「元の場所に返してらっしゃい!ウチでは飼う余裕なんてありませんよ!」

バードウェイ「面倒看るから!散歩もトレイもちきんと躾けるから!」

マーク「それ逆にヤベーよ。絵的にも倫理的にも」

ズタ袋『ン!ンンッンッンン!』

バードウェイ「あ、ほら!トーマスも『僕ロ×大好きですからむしろご褒美ですブヒ!』って言ってる!」

マーク「そんな長文は言ってなかった。あと語尾と名前に超悪意ありますよねっ!」

バードウェイ「ブタ野郎じゃないか?」

マーク「まぁボスのせくしーばでぃー(予定)にhrhrするような輩は、総じてその侮蔑は適当ですけど……」

バードウェイ「ま、まぁたまたま!そう偶然にも私が食べたチョコを食べたら眠ってしまってな!だから、つい?」

マーク「盛りやがりましたよね?治癒魔術キャンセルさせる男に何盛ったんですかっ!?」

バードウェイ「少々度数の高いアルコールをだな」

マーク「流石はボス!魔術と科学に造詣が深いのに古典的な手を使いましたね!」

バードウェイ「で、どうしようこれ。やはり私が責任持って飼うのがベストだと思うんだが」

マーク「厳しい、ですね。万単位で死人が出ると思います」

ズタ袋『んんんっ!』

バードウェイ「だが当人は『ボスのイスになる第二の人生楽しそうブヒ!』と言って憚らないが?」

マーク「今の短音にそんな饒舌な意味は込められてなかったと思うんですが……マズいです!取り敢えず解放しましょう!」

ガバッ

上条「テメコラなにしくさってんだバー――」

ガサッ

ズタ袋『ーーーーーーーーーーーっ!?』

バードウェイ「……」

マーク「……ボス?なんで躊躇なくまた被せたんですか?」

バードウェイ「……いや、誤解があるんだよ。これは」

マーク「はぁ」

バードウェイ「我々は敵の魔術師に攫われた上条当麻を助けた、ここまではいいか?」

マーク「超良くねぇよ!初めて聞きました、つーかどっから引っ張り出して来たんですかっその設定はっ!?」

バードウェイ「まぁお前が席を外している間にあったんだよ。原稿用紙300枚前後の冒険が!」

マーク「前と比べて減ってますね。増刷考えて前後編になったんですか?」

バードウェイ「私は戦ったさ!持てる力の限りを駆使してバレンタインの刺客と戦った!ゴディ○とか名乗ってた!」

マーク「とっさに考えた悪役の名前が酷い。確かに生き別れた主人公の兄貴っぽいですけど」

バードウェイ「死闘の後に勝利し、さて袋から出してやる――と、したらこの仕打ちさ。これはちょっと、なぁ?」

マーク「えぇまぁ、色々な意味で神経を疑いますよね」

バードウェイ「いやーどうしよっかなー、折角助けたのに機嫌悪くなっちゃったなー」

バードウェイ「あ、そうだ!東京湾に捨ててこよう!」

ズタ袋『んんんんーーーーーっ!!!?』

マーク「……今日びのマフィアだって、もっとこう、穏当ではないでしょうか?」

バードウェイ「――と、いう訳だよ上条当麻君!君の置かれてる立場が分かったかね!?」

マーク「ボス、いい加減にしてください。あまりのせせこましさに泣きそうです」

バサッ

上条「……」

バードウェイ「どうだ!……どう、だ?」

上条「――なぁバードウェイ。実は俺からもプレゼントがあるんだが」

バードウェイ「ほ、ほぅ?」

上条「ケツ引っぱたくのとお尻ペンペンとどっちがいい?」

バードウェイ「マーク!私を助け――」

マーク「……すいません。いつもいつもご迷惑をおかけしてしまって」

上条「いえいえそんな」

バードウェイ「裏切ったな貴様!?それでも私のはい――痛っ!?」 ペチーンッ

上条「はい、いっかーい。にかーい」 ペチンッ

バードウェイ「な、ん、でっ!私なんだクソッタレーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!?」



(※ご褒美です)



――イギリス某所 移民街にあるアパート

ウレアパディー「民俗学というものに興味があるの」

ソーズティ「えっと……姉さん。今ちょっとガスを使ってて手が離せないんだけど」

ウレアパディー「民俗学というものに、興味があるのね」

ソーズティ「私は今やってる回鍋肉の炒め加減の方が気になるんですけど。ちょ、ちょっと待ってて、今終わるから」

ウレアパディー「……」 ワッサワッサ

ソーズティ「姉さん?手が離せないわ目も離せないわで背後でボケても、それだけじゃツッコめないよ?」

ウレアパディー「一発芸――『邪馬台国』……ッ!」 ガチャッ

ソーズティ「なにそれ超見たい!?何をどうしたらその一発芸が出来るの!?髪型!?動き!?」

ウレアパディー「からの――『魏武註孫子』……ッ!」

ソーズティ「曹操が孫子を解説した書物をネタに!?姉さん意味が分からないよ姉さんっ!?」

ウレアパディー「どう?」

ソーズティ「ごめん、姉さん。開幕ホ×ネタもどうかと思うんだけど、こっちもこっちで大惨事じゃないかな。もうツッコミどころが分からないよ」

ウレアパディー「そろそろいいわよ。それ以上炒めるとキャベツの食感が悪くなるわ」

ソーズティ「あ、うん……そしてなんで私より勘だけで作ってる姉の方が上手なんだろう……?」

ウレアパディー「『陽気に容器へ入れる』……!」

ソーズティ「お姉ちゃん?お姉ちゃん、改造される前はそんなフワッフワした性格じゃなかったよね?なに?ダンディ坂○か後○アナと合体させられでもしたの?」



――ダイニング

ウレアパディー「ごちそうさまでした」

ソーズティ「お粗末様でした」

ウレアパディー「で、知っている、民俗学は?」

ソーズティ「それよりさっきの一連のボケシリーズに興味があるな。何をどうしたら一時代をネタに組み込めるんだい?」

ウレアパディー「極東の島国にね。無能力者ながら最強と怖れられる豪運を持った女子学生がいるらしいの」

ソーズティ「前からフワフワした性格だったような気もするけど、一度しっかり検査受けてもらった方が」

ウレアパディー「その子から、仕入れたのよ。情報を」

ソーズティ「またなんか登場もしてないのにエッラい遠方から狙撃してくれるよね……それで?」

ウレアパディー「神話にはある程度の類似性が見られるの。創世神話もそうだけれど」

ウレアパディー「悪い蛇や竜、また巨人がいて英雄神が彼らを弑して世界を創る――と」

ソーズティ「ヒンドゥーとギリシャ、あと道教もそうでした、よね?確か」

ウレアパディー「流石よソーズティ。勉強しているのね」

ソーズティ「ありがとうございます。敵の術式に対抗するためだし、まぁ少しは」

ウレアパディー「系統は別なのだけど、『国産み』はポリネシアやミクロネシア、日本も系統から言えばそっち」

ウレアパディー「天地開闢から神話は始まり、細部は違うけど大抵はある程度似通っていくのね」

ソーズティ「トリックスターが神々を混乱させ、落ちた神が人に転じたり、知恵を与えたり、ですね」

ウレアパディー「今なら『ギルドから緊急クエ招集かかったのに俺TUEEEE!!!でこっそり尾行し、やられそうになったら無双するバカ主人公』、よね」

ソーズティ「待つんだ姉さん!よくあるけど!食傷気味だけど神話にもそうじゃない方にも失礼だよ!」

ウレアパディー「ただ、ね。例えばアステカ辺りでも『神が現われて我々に知恵をもたらしてくれる』という下りがあり、ギリシャのプロメテウスやエッダのロキにも通じるんだけど」

ウレアパディー「あまりにも距離が遠く、これらの神話が伝播したものではない――その見解が、今の歴史学者の主流な考え」

ソーズティ「主流じゃない考えは?」

ウレアパディー「ある程度物流&ネットワーク網存在したとか、もっと突き抜けてこの世界は超古代文明が存在したが以下略」

ソーズティ「夢は、あるよね。でもまだ前者はできるんじゃ、ないの?原始的な船で海を渡る実験は見たことあるな」

ウレアパディー「一流アスリートが国際敵企業のバックアップ受けて、航空写真で最短ルートを算出してギブアップ用の衛星電話を荷物へ入れてチャレンジするのが、実験?」

ソーズティ「またそういう身も蓋もないことを」

ウレアパディー「現代と比べて命が”軽い”時代であったけれど、それは”安い”ことではないの。検証はまだ続くけれど」

ウレアパディー「とにかく、地方が違うのに中身が似通うのは、人類の発想が共通したものがあるという結論に達するの」

ソーズティ「それは分かるよ。他の国の古典で感動するものもあるし」

ウレアパディー「地域は違い、歴史も違い――しかし似てしまう、もしくは違いがある文化を研究するHENTAI趣味が民俗学なのよ」

ソーズティ「特定の研究者にケンカうるの良くないと思うな」

ウレアパディー「気づいたの、最近ね。とても面白いことに」

ソーズティ「文化的な共通項ですか」

ウレアパディー「ヨーロッパ圏の風習がね、世界の果てとよく似てるって」

ソーズティ「……へー、それで?一応最後まで聞きましょうか」

ウレアパディー「日本にもヨーロッパと同じ名前の『バレンタイン』って日があるそうなのよ……ッ!」

ソーズティ「同じイベントですからね」

ウレアパディー「名前も同じだし、スペルまで一緒……これはもう偶然の一致とは考えにくいわ!」

ソーズティ「同じイベントだからね」

ウレアパディー「ただヨーロッパでは友人知人のイベントなのに、なぜか日本では告白と罰ゲームに!」

ソーズティ「気質だからね。すぐカップリングで悩む人種が一定数いるから」

ウレアパディー「何言ってるのよソーズティ。十字教圏でもないのに聖人のお祝いをするなんてあるはずないでしょう?」

ソーズティ「そろそろ戻ってきてくれ姉さん。コピペでツッコんでるんじゃないかって風評たつから」

ソーズティ「てか長々とネタ振っといてオチがこんなしょーもないことでいいのっ!?芸人として恥だよっ!?芸人じゃないけど、恐らく!」

ウレアパディー「……ソーズティ。必要なの、”溜め”というものがね」

ソーズティ「物語にはね。少なくとも姉と妹の会話には不必要だな」

ウレアパディー「日本の……”アコーローシ”という実話を知ってる?」

ソーズティ「いえ全く。名詞なのか動詞なのかも分かりません」

ウレアパディー「サムライのトノサマがハラキリしてアダウチする話」

ソーズティ「姉さん、私その話全然知らないんだけど、『ザックリしすぎじゃねぇか!口辺りマイルドで食べやすいだろ!オーザッ○か!』って電波ツッコミが」

ウレアパディー「これがもし『トノサマがオイボレを最初に仕留めとけば万事解決』、とは言ってはいけないらしいの」

上条「そりゃ原因は取り除かれるだろうけど!もっと溜めろ溜めろ!最初から印籠フルオープン黄○と同じだろうが!」

ソーズティ「それただの権力を笠に着る人だろ。好感度下がるよ」

上条「実はちょっとやってみたいんだよな。『とあるで時代劇やってみた』的な劇」

ウレアパディー「どう、具体的には」

上条「ビリビリが副将軍、白井さんが助さん、初春さんが格さん、八兵衛に佐天さん」

ソーズティ「ショーグン粛正しそうな強パーティだな」

上条「そしてくノ一役をインデックスにだな」

ソーズティ「脱ぎ要員だよな?」

上条「何言ってんだよ!井口裕○とくノ一って響きが似ているからだよ!」

ソーズティ「だったらいのくちゆ○の方が適任だと思――」

上条「たまに混同するんだよな。今でも」

ソーズティ「――ってお前なんでいるっ!?」

上条「あぁさっき『邪馬台国』のときこっそり入れて貰ってた」

ソーズティ「聞いてないぞ姉さん!?なんだってそんなマネを!」

ウレアパディー「……ソーズティー、怒らずによく聞いて欲しいの。いい?」

ソーズティ「あぁ」

ウレアパディー「冗談や悪ふざけでやったんじゃなくて、別にね」

ソーズティ「うん」

ウレアパディー「……」

ソーズティ「……姉さん?」

ウレアパディー「特にこれと言った動機もないだけれど、どう言い訳したら許してくれるかしら?」

ソーズティ「ぶん殴るぞこのアマ」

上条「ま、まぁまぁ!姉妹ゲンカもそのぐらいで、なっ?」

ソーズティ「ケンカだったらまだいいんだよ!どうせこの姉は3秒経ったら忘れるし、憶えていてもどうせ気にもしてないんだから!」

ウレアパディー「幻視える――水面に映る言霊は下弦の月を通じて現われるアヴァターラ――」

ソーズティ「ほらまた”みえる”に変な当て字使って!ラノベの影響が!」

上条「ごめんなさい。なんか身に憶えはないんだけど、罪悪感がヒシヒシと」

ソーズティ「某偽典の最後の最後で全部持っていったお姉ちゃんは格好良かったのに……!」

上条「個人の妄想らしいんだが……まぁいい、ともかく邪馬台国の続きだ」

ソーズティ「続かなくていい。興味無い――ことも、ない訳ではないが!もっと喫緊の問題あるだろう!?」

上条「お前んトコのねーちゃんは楽しそうでいいなぁ」

ソーズティ「ありがとうな!良かったら扶養家族を一人プレゼントしてやりたいがな!」

上条「(お前、ソーズティに前の結社の財産パクったってまだ言ってないの?)」

ウレアパディー「(面白いのよ、日々追い詰められていくソーズティが)」

上条「(安心させてやれよダメ姉貴)」

ソーズティ「そこっ!コソコソうるさい!」

ウレアパディー「コソコソがウルサイ……ぷっ」

上条「無駄だぜソーズティ!お前のねーちゃん、なんかこう怖いもんないんだもんなっ!人間力っていうか、内側からにじみ出るオーラ的な意味で!」

ソーズティ「……まぁ姉さんはいい。問題なのはお前だ、お前」

上条「おい言われてるぞ海原?」

ソーズティ「もう一人いたのかっ!?」

上条「あ、ごめん。今のはボケだけど、ここには多分ついてきてないと思う」

ソーズティ「背後霊かタチの悪いストーカーか」

上条「いや、俺はだな。幼女のケツを引っぱたきながら保護者に説教すべくイギリスまでやって来てだな」

ソーズティ「通報ワードが一部入っているが、まぁいいだろう。それでなぜここに?」

上条「ウレアパディーに最新のピン芸人の技を教えてほしいからって、寄った感じ?」

ソーズティ「また姉さん案件だな!労っていいのか塩蒔いて追い払うのかの判断に困る!」

上条「――って言うのは嘘……でもないけど、実際に呼ばれてるが――はい、これ。ハッピーバレンタイン」

ソーズティ「……箱?」

上条「バナナチョコレートケーキのホールで。こっち来て焼いたから、まぁついでに」

ソーズティ「……あ、ありがとう。どういう流れで焼いたのか知らないが、どうも」

上条「あとこっちはメモ用紙で悪いんだけど、まぁ気持ちだから」

ソーズティ「日本語……『一日何でも言うこと聞くチケット』……」

上条「女の子の二人暮らしで男手が必要なときもあるかもだから、一応取っといてくれ」

ソーズティ「なんでも……なんでもっ!?」

上条「常識の範囲内でな!お前ら魔術師じゃなくて善良な一般市民って意味でだ!」

ウレアパディー「そ、そんなに親切にしたって立つのは精々フラグぐらいなんだからねっ!」

上条「充分だよ!オチてんじゃねぇか!ルート入る準備万端だよ!」

上条「てかお前その声でネタに走んな!俺だって『この人が言うんだったらまぁそうなのかな?』って一瞬ツッコミ忘れんだよ!」

ソーズティ「あ、あのダメってのは、どのぐらいの……?」

上条「世界を敵に回してケンカするぐらい?」

ソーズティ「それ実際なんでもオーケーに等しくないか?白紙委任状でももっとマイルドだぞ?」

上条「あ、でもそれぐらいだったら頼まれなくても参加するしな。何回か別件で似たようなのはやったわ」

ソーズティ「時々、お前が、こわい」

上条「ただお前らが間違ってる思ったらば、ぶん殴って止めてから一緒に世界さんにゴメンナサイするけど」

ソーズティ「チケット使う意味がホンッッッッッッッッッッッッッッットにないな!こっちの思い通りにならないんだったら余計にだ!」

ウレアパディー「もう”一日”の意味が曖昧よね」

上条「どうよ!貰っても役に立たないし使いどころにも困るこのチケット!」

ソーズティ「……感謝はする。するんだが、な、もっとだな」

ウレアパディー「じゃ、これを使えばあなたがソーズティと結婚――と、いうのもありなのかしら?」

ソーズティ「お、お姉ちゃんっ!?何言ってるのよ!?」

上条「一日だけの結婚って、不法滞在や不法移民の名義貸しと何が違うんだよ。犯罪の臭いしかしないだろ」

ソーズティ「だ、だよなっ!姉さんも、余計な事は!」

ウレアパディー「――本当に結婚すれは義姉さん、って呼べるのよ。私を」

上条「……」

ソーズティ「おい、なんで無言になる?」

上条「ひーふーみーよー……母さんが、だから……ま、まぁ頑張れば、なんとか行ける、か……?」

ウレアパディー「あなたのお母様の年齢がどう関係するのか、聞きたいわ」

上条「し、しない!そんな打算で良くないと思うよ!愛のない結婚なんてダメだよ!」

ソーズティ「キャラ変わってる」

上条「で、でも!どうしてもっていうんだっら仕方がないっあぁ仕方がないとも!だってそういうチケットなのだから!」

ソーズティ「お前もう帰れよ」

上条「……あい」

ウレアパディー「じゃあ宜しく、後は」

ソーズティ「着いていこうとしないで姉さん!いつも知らない人とハーレムメーカーには近づくなって言ってるだろ!」

上条「なんて的確な助言……!」



(※世界一フワッフワしたウレアパディーさんが読めるのはこのHPだけ!)

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