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Clock(trial)

聖夜に踊るテロリスト 〜クリスマスの日2017〜

 
――金髪襲来編
――イギリス死闘編
――ガンジス悠久編
――クリスマスじゃない日・日常生活編
――クリスマスじゃない日・恩讐連鎖編


――

鳴護?『はーい、今週もまた張り切ってお送りしちゃいますARISAの「ネットレディオを聞くじゃんね!」でーす』

鳴護?『今日も素敵な女王陛下の国、ブリテンから日本お届けしますねっ☆』

鳴護?『気がつけばもうこのコーナーも今年で三回目!サザ○さんっていいですよなぁ!だって歳を取らないのだから』

鳴護?『来年は待ちに待ったアニメ第三期!そ、そして何と言ってもとある電脳戦機にレッサーちゃんが参戦します!』

鳴護?『いやぁ参っちゃいましたねー。これでまた薄い本が厚くなって大人気になっちゃうのかなー』

鳴護?『できればオワコンの方じゃなくてスピンオフ出す予定ありませんかね?原稿依頼は常にオープンでーす!』

鳴護?『でわでわ大人気のコーナー――「今日のフランス!」』

鳴護?『このコーナーではカエル食い野郎の汚点を世界規模でご紹介しようというコーナーです』

鳴護?『まず初めは……「パリに謎の花壇現る!」、デデンッ!』

鳴護?『なんとですねー、パリの景観はそこそこなんですが、今度はそこにある花壇を作ろうって話が持ち上がっていましてね』

鳴護?『それもなんと!目的がトイレ用!っつーかまぁ外で済ませようとするフランス野郎が多いってことですよねっ!』

鳴護?『流石はフランス!連中にトイレの文化が浸透するまでにはまだ数世紀かかるって事ですよねっ!ARISAですっ!』

???『んーーーーーーーーーっ!むーーーーーーーーーっ!』

鳴護?『おっと雑音が入っちゃってますけど気にしないでくださいねっ!着やせアイドルARISAですっ!』

鳴護?『えっと、お次は……なんでしたっけ。あーっと』

鳴護?『(……いやぁ結構フリートークって難しいんですねぇ。アリサさんの評価を上方修正しておきましょう)』 カキカキ

鳴護?『まっ、とにかくフランス野郎は度し難いですね!皆死ねばいいのに!レミングスのように!』

鳴護?『続きまして「ふつおた」のコーナー。本日はブリテンは……”高機動型レッサーちゃん”からのお便りです』

鳴護?『「こんにちはARISAさん!ヤポンでは相撲協会が”文書で出せ”と言われ
てデブが直で持って行ってますが」』

鳴護?『「普通世間一般的に”文書で”というのは”弁護士か内容証明郵便、法的に記録が残るものにしろ”という意味ではないでしょうか?」』

鳴護?『「あの人たちは頭の中にまで脂肪が詰まってるんですかねぇ」――とのことです。お便りありがとーレッサーちゃん!』

鳴護?『まぁ社会常識ではそうなんですけど、あれプロパ入ってましてね。「自分達は誠意を尽しているのに」というポーズですよ、ポーズ』

鳴護?『そうじゃなきゃいい歳したジジイが大勢のカメラの前で情けない姿さらす訳ないじゃないですかーやーだー』

???『んんんーーーーーーーーっ!』

鳴護?『おっと裏から指示が入りました。えーっと「怪我をよくする力士はガチンコで、しない力士は八百長」?中々興味深いご意見で!』

鳴護?『そう言えば確かに優勝したヤポン人スモーレスラーは怪我ばかりしているのに、ゴルモンはビックリするぐらいに怪我ないですよねっ!』

鳴護?『むしろ長年に渡って幕内に留まっていたり、歳なのに引退直前に優勝したりとお元気そうですなっ!』

鳴護?『じゃあ高機動型レッサーちゃんさんには番組特定そげぶステッカーをお送りしまーす!メアド忘れないでねー!』

鳴護?『はーい続きまして二つめのお便り、”サイコミュ高機動試験用レッサーちゃん”からですな!』

鳴護?『「いつも以下略――さて、謎のアイドル企画が始まったかと思えばなかったことにされている感があるARISAさんですか」』

鳴護?『「登場する予定はあるんですか?もしあったら嬉しいです」……』

鳴護?『な、な、なんて!なんて酷い事を言うんですかレッサーちゃんさん!あなたに人の血は流れていないんですかっ!?』

鳴護?『あのARISAさんを!アイドル属性以外にイマイチパッとしないARISAさんを!』

鳴護?『御本人何も仰らないですけど気に病んでるんですよっ!?それをイジるだなんでこのニンジャが!』

鳴護?『ハイクを詠め!カイシャクしてやる!私のカラテがアイエエしてやりましょう!』

???『んっんっんっん゛っ!!!』 ドンドンドンドン

鳴護?『あ、すいません。体当たりはちょっと痛いです。調子ぶっこきましたねっすいません!』

鳴護?『真面目に?せめてキャラを守る努力の跡ぐらいは残せ?……まぁそう仰るなら真面目にやりましょう、真面目にね』

鳴護?『えーっと結論からぶっちゃけますと「著作権」です。最大の敵にして一番厄介な相手でもあるんですが』

鳴護?『例えばその、原作付きのものを映画化したとしましょう。そんでもってオリキャラなりゲストキャラを出したとしますよ』

鳴護?『このキャラに関して、具体的にはこのキャラのグッズなりを出したとしましょう』

鳴護?『さて、その売り上げに対するギャラはどなたへと入るでしょうか?分かります――って普通分かりませんよね』

鳴護?『事前の契約によって変わるんですが、一般的には原作者――”ではありません”』

鳴護?『大抵は作った制作会社なり監督なりが総取りします。原作者には”協力料or原作料”が入るだけ』

鳴護?『例えばローマの風呂マンガでは映画の使用料100万円。対して興行収入数十億円』

鳴護?『円盤になったりムック出したりテレビで放映される度に入る金は”映画作った側”にしか入りません』

鳴護?『で、オリキャラに戻しますと、つーかよく出しますよね?ふしぜーんなぐらいにぶっ込む場合があり、違和感を感じるお前らが多数いらっしゃると思いますが』

鳴護?『原作を使えば原作者側に微々たる代金を支払う場合もある、んですが、このオリキャラはフリーダム!だって自由ですよ!』

鳴護?『逆に原作へ逆移入してしまえば、今度は映画スタッフ側に原作側が使用料を払わねばなりません!』

鳴護?『あーら不思議の錬金術!等価交換が鋼の錬金術でうっはうはーですな!』

鳴護?『ちなみにどっかのクソ監督がスケベ根性出して、某アニメにレギュラーにオリキャラ出して逆輸入狙いましたが大失敗!ザマぁフユ×wwwwwww』

鳴護?『……まぁ”制作会社=出版社”の場合、版権まわりの面倒臭い事情はクリアしていることが”多い”です。絶対ではありません』

鳴護?『実際に電撃文○の親会社であるKADOKAW○もけもフ○の版権取らずにグッズ出し――痛い痛い痛い!体当たりは地味に痛いですよっ!?』 ドンドンドンドンッ

鳴護?『え?そんなガチな裏話されてもリアクションに困る?ガチでやれと叱られ、モンゴれと注意される私の身にもなって頂きたい!』

鳴護?『なんでしたら舌入れますよ!あんま番組進行を邪魔するようではねっ!』

鳴護?『まぁそんなこんなでっ!ARISAちゃんやら魔理沙さんモドキの逆輸入は難しくはないが、イージーでもないと言っておきましょうかねっ!』

鳴護?『夢は捨てないで!もしかしたらもっかいぐらいワンチャンあるかもですから!ARISAですっ☆』

鳴護?『まぁそれはそれとして、アニメではイギリス編やりますし、原作でも再びイギリス来るようですけどンねっ!ARISAですっ☆』

???『……』

鳴護?『い、いやすいません!今のは上条さんが言えって!私関係無いですよっえぇっフランスに誓って私は無罪ですとも!』

鳴護?『だからマジ泣きだけは勘弁してつかぁさい!私が他のメンバー全員からシバかれることだけは!』

鳴護?『で、ではなんかラジオもイイ感じに荒んできたので、心温まるクリスマスストーリーをあなたへお伝えしましょう……!』



――上条家 クリスマスイブ

上条「なぁインデックス、世界を滅ぼすにはどうやったらいいと思う?」

インデックス「ねぇとうま。最初からあくせる踏み切るのはよくないと思うんだよね、うん」

インデックス「せめて最初は順を追っていかないと。こぴぺ間違ったと思うから」

上条「大統領のメアドがあるから、これを上手く活用すればなんとか……!」

インデックス「壊れたかでんは斜めよんじゅうごどで叩けばなおるかもしれないんだよね?そろそろ実行にうつすんだよ?」

上条「俺は……いや、俺たちの絶望を思い知らせてやる!この怨嗟の声を世界は受け止めなきゃいけないんだ!」

インデックス「てろりすとだよね?それもうただの暴力主義じゃないかな?」

上条「俺たちの望みなんか大した事じゃないんだっ!?分かってくれるだろっ!?」

上条「ただちょっとクリスマスに女の子と一緒に過ごしたい!そんなささやかすぎる望みが叶えてもらえない世界なんて、俺には、いらない……!」

インデックス「それでいちいちせかいが終わっていたら、ほーきんす先生もランドクルーザーで轢いてくるぐらい怒ると思うんだよ」

インデックス「……あとそれ、わたしに対してちょー失礼な事言ってるって理解しているのかな?」 ガッジガッジガッジ

上条「なんで?」

インデックス「素で聞き返すのっ!?」

上条「だってもうかれこれ14年だもの。具体的に言えば中学生だもの」

インデックス「何一つ具体的にはなってないけど、うん、まぁそこはねっ」

上条「スフィンクスだってもう何代目か分からないじゃないかっ!」

インデックス「やめて。たまに出て来ないけど、すふぃんくすに罪はないんだよ」

上条「そんな長い間一緒に暮らしてて、今更ドキドキするとか!夫婦だってしないぜ!」

インデックス「とうまのぱぱさんままさんみるに、そーでもないかなー、なんて思うんだけど……」

上条「せめてヒロインである自覚を持つんだよっ!」

インデックス「……かみさま。わたしは今日初めてひとに対する殺意を覚えました。罪深きわたしをお許し下さい……」

上条「なんか、なんかこう電脳戦機のオフィシャル立ち絵だと一見巨乳に見えるけど!お前なんか盛ってんだろ、なあぁっ!?」

インデックス「用意されたいしょう着ただけでこの言われよう……」

上条「……なぁインデックス。考えてみろよ、この世界から武器や兵器がなくなったらどんな世界になるのかを、さ?」

インデックス「あ、それ知ってる。れのんって人がつくった曲かも」

上条「今度は数と拳が武器に変わるだけの、世紀末ヒャッハーな世界になるってな!」
(※byKAKERU先生)

インデックス「れのんはそんなこといってない。多分そんな主旨であの歌は歌ってない」

インデックス「『想像してみるんだよ、武器も兵器も無い世界を――まっ、別の暴力にとって替わるだけだけどね!』は、違うと思う」

上条「つまり!世界んが滅びてしまえばこの世からクソムカつくカップルどもも姿を消すんだ……!」

インデックス「ノ○だよね?それ戦車で戦うあーるぴーじーの『人類絶滅させれば環境守るよ!』って史上最悪の環境破壊断行したこんぴゅーたーの発想なんだよ?」

上条「サンタさんもサンタさんなんだよぉ!極東の島国にいる異教徒のために彼女の一人二人ラッピングして持ってきてくれたっていいじゃないかっ!?」

インデックス「かろーしするかな、さんたさん。だって60億なんだから」

インデックス「てゆうかねー、敬虔なシスターとしてはだねー、クリスマスの日とゆーのは神の子が生まれた日であってね?」

インデックス「こう、しょーぎょー主義的なものに利用するんじゃなく、家族仲良くそろって過ごすって」

上条「いやでも生物学な観点からすれば繁殖力が高まるのも」

インデックス「――はいよっと」 ガゴッ

上条「そげぶっ!?」

上条 パタッ

インデックス「……あぁとうま、疲れてんたんだよね。まるで気を失ったかのようにスヤスヤ寝ちゃったんだよ」

インデックス「かがくはかがくで悪くはないんだけど、全てをりびどーとせいぶつがく、で解決するのは良くないと思うんだよ」



――深夜 上条家

シャンシャンシャンシャンシャシシャン……

???「お邪魔するわぁ」

上条「――来やがったな悪霊!」

???「錫杖の音違うよねぇ。なんでナイーブになりすぎてるのぉ?」

上条「いやこれがだ。日本には七人ミサキっつータチ悪い通り魔的悪霊がだな」

???「あ゛ーーーーーーーーーーっ!あ゛っあ゛ーーーーーーーーーーーーーーっ!ちょっと遠いから聞こえないわぁ!」

上条「てゆうか安いアパートで深夜にビブラート効かすなよ!安普請だからご近所迷惑だろっ!?」

???「って言ってる本人のツッコミがまず迷惑よねぇ。いやホントに」

上条「てかサンタ――さん?」

???「これ以上なく紅白の入れたコスプレは巫女さんぐらいしかいないと思うの」

上条「いやいや俺が小さい頃多分楽しみにしてたってサンタさんは、そんなエロ可愛い格好していなかった!」

上条「見えそうで見えないミニスカは履いてなかったし寄せて上げなくても自己主張の強いセパレートなんか装備してなかったもん!」

???「子供用でそれだと気の毒よねぇ。あ、むしろ親御さんの方に」

上条「という訳でわざわざクリスマスの日にまで出やがったな敵の魔術師め!できればあと半日前に来てくれたら丁度ぶち壊しになったじゃないですかコノヤロー!」

???「堂々と人の不幸の喜ぶのはどうかと思うん・だ・ゾ☆あ、あと私は敵の魔術師違うし」

食蜂(???)「また名乗っても憶えて貰えないだろうけど、一応食蜂操折よぉってぇ言っとくわぁ」

上条「よく分からないけど写メしていい?あぁいえこれは比較対象が目的であって、決して邪な考えなんて一切」

食蜂「それ会う度に言われるんだけど、脳内には残ってないのにメモリに残ってるのって気づくわよねぇ。普通」

上条「おっとどうしよう!俺クリスマスイブの深夜に初対面のボンッキュッボンな娘に前からの知り合い扱いされてる!」

食蜂「一応挙げ足取っとくと”Eve”は本来”Evening”の略であってぇ、イブの深夜は二重意味よぉ」

食蜂「ってそのまんざらでもないリアクションも――」

上条「だが俺は騙されないぞっ!さーあカメラはどこだっマイクはどこに隠しやがった!」

上条「どうせ廊下では『ドッキリでしたー☆』って看板持ったJCがスタンバってんだろ!?生憎慣れちまったよそんな生活になっ!」

食蜂「――っていう荒み方に落ち着くのよねぇ。いつもいつも」

上条「残念だったな!俺は最初から『どうせこんなエロ展開なんてない』って期待もしてないから落ち込みやしないんだぜ!」

上条「むしろクリスマスをぶち壊しにしてくれる分だけお礼を言いたいですよねっ!ありがとうっ!」

食蜂「ど、どういたしまして?」

上条「と、いう訳で部屋間違えてますよ?土御門の部屋は隣ですおねーさん」

食蜂「そういうプロの人と違うわぁ……本気で社会的に抹殺してやろ――あ、それも悪くないかしらねぇ」

上条「でも多分ヤローは、えっと……おねーさんが『生き別れた義理の妹だった』的な設定がないと無理じゃないかな」

食蜂「気の使われ方が余計に殺意を覚えるわねぇ。そろそろ本題へ入りたいんだけど」

上条「いやごめん、マジで俺キミのこと憶えてないんだけど、その」

食蜂「あぁいいのよぉ。その反応も分かってたことだしねぇ」

食蜂「ただちょっと、プレゼントだけは貰ってほしいって言うか。ねぇ?」

上条「くれるんだったら貰うけど……あ、紙袋」

食蜂「それじゃ大事にする・ん・だ・ゾ☆」 トンッ

上条「おい待てここ五階――!?」

上条「……あ、なんかトナカイっぽい服着た娘が回収してった……てかなんで着せた!?形から入る必要ゼロだよなっ!?」

上条「まぁいいや、人んチのことまでは一々ツッコんでられないからな。ありがとう、名前も知らないおねーさん!できればベランダじゃなくて入り口から入って欲しかったけどな!」

上条「というかですね。ウチで飼ってる二人は何してるかっていうと」

インデックス「……うーん。だっつをお腹いっぱい食べたいんだよ……むにゃむにゃ……」

スフィンクス「……ナー……」

上条「ご覧の通り貫禄の二度寝だからな!騒ぎの初め頃にインデックスと目があったけど、『あ、またなんだよ』って特にリアクションもなく寝始めたから!」

上条「大分こなれちまってもうヒロインとして大丈夫か、と思わなくもないが……まぁありがたくプレゼントをいただこう」

上条「あ、その前にメッセージカード……何々」

食蜂【前略、上条当麻様へ】

上条「知り合い、なんだっか。多分俺が記憶失っちまう前に出会った子か」

食蜂【あなたは憶えていないでしょうが、どうか気に病まないで下さい……てか。どうせ”これ”も忘れるでしょうしねぇ】

上条「そこまで薄情じゃないぞ」

食蜂【記憶を操れる私がなんの罰ゲームだって思わなくもないけどぉ、本当に欲しいものが手に入らないってのも皮肉よねぇ】

上条「……」

食蜂【まぁでもあなたが忘れてしまっても私は忘れません。忘れて”なんか”あげません】

上条「これ……俺、今すぐ追いかけた方が良かったんじゃ……?」

食蜂【辛いことがあってもあなたと過ごした時間があれば、いつだって目を瞑れば思い出せるのならば】

食蜂【それはずっと幸せの中に居るのと同じことだと思います】

上条「……」

食蜂【……でも、あなたは憶えてない。寂しく悔しいような】

食蜂【だから、記憶の代わりにはなりませんが、それでも少しだけ意地を込めて”これ”を送ります】

食蜂【幸せの王子様がせめて最後に一つぐらいは残るよう】

食蜂【蜜蜂の香りをあなたに――食蜂操折より】

上条「思い出したいな。何があったんだ」

上条「これ、てか何入ってんだ?お高そうな紙袋で重くないし、ハンカチ?シール外してっと」 ピッ

上条「中身は……メッセージカードと、布。ハンカチ、にしては大きすぎる」

上条「あ、でも手触りはいいな。サテン生地?シルクの安いの?」 スリスリ

上条「なんか香水ふったのか良い香りがす――」 サッ

スクール水着『――』

上条「……あれ?今幻覚が見えたぞ?なんでだろーなー、疲れてるのかなー」

上条「最近出番が減ってきたとか、俺の知らないところで次々と別世界が増えてるとか、そういうことなんですよねー。きっと」

上条「まぁ落ち着いて考えてみよう。よく分からない女の子がプレゼントを持ってきてくれた。ありがたい、てか非常にありがたいことだよなー」

上条「でもちょっと待とうか?それがまさかスク水だっつーのはいくらなんでも――」 カ゚゙サゴソ

スクール水着『――』

上条「なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんでだああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?どうしてよりにもよってこれを選びやがったあのアマっ!?」

上条「顔か?俺そんならにスク水好きそうな顔してたかっチクショー!?んな訳ねーだろおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

上条「しかもこれなんか触った感が新品じゃくて使用済みじゃねぇか!より業が深いわっ!」

食蜂・追伸【女の子(中一)のパンツをめくるように催眠かけたラノベ主人公は、あなたが最初で最後だと思います】

上条「うっさいわ!追伸で俺の傷をエグりに来やがって!」

上条「そんな――に、多くもないけど皆無って程ない訳でもねぇぞ!エロゲ×や薄い本や厚い本ではそこそこある!」

食蜂・追伸【あっちだと18歳未満は出てない設定な・ん・だ・ゾ☆】

上条「建前上はな!でも俺知ってんだよっ大人はズリーって!」

上条「てゆうかなんで水着!?思い出がどうこういうんだったら、もっとこうシンボリックなもんがあっただろうが!笛とかさ!リモコンでもいいよ!」

食蜂・追伸【なんかもう憶えてる力な感じよねぇ】

上条「――ハッ!?これはまさかのインデックスさんカブーオチ!?俺が騒いで見つかるって定番の!」

インデックス「……くー……」

上条「ふービックリした。定番オチで落とすもんだとばかり」

コンコン

上条「ん?ベランダから誰かガラス叩いて――もしやっ!本当にサンタさんがっ!?」

上条「……ンな訳ねぇな。流石にさっきの子が恥ずかしくなって回収しに来たんだろう」

ココココココココンッ

上条「聞こえてるよ!今開けるからビート刻まないで壊れるし!」

ガラッ

縦ロール「夜分遅く失礼致します。あ、決して怪しいものではございませんので」

上条「巻島さん?」

縦ロール「なぜでしょう?お初にお目にかかった方の約半数がそう仰いますの」

上条「だって巻いてるもの。『ヲーホッホッホッホッホ!』って笑いそうなキャラだしさ」

帆風潤子(縦ロール)「えっと、帆風潤子と申します。『女王』にお仕えしております一人です」

上条「制服からして常盤台の子だと思うけど、お前らの常識が『外』で通じるだなんて思ってんじゃねーぞ?」

帆風「えぇっと、ですね。『女王』というのは、こちらでいう神様?」

上条「オーケー分かった!君とは話が通じなさそうなのが分かったから本題入ってくれ!」

上条「たまーに思い出したよーに敬虔なシスターさんっぽく振舞う子が目覚める前に!俺もブツの始末をしなきゃいけないからねっ!」

帆風「その紙袋――言い値で買いますわ!」

上条「もう帰れよ。帰ってくれよ」

上条「爆弾押しつけられた挙げ句に、その爆弾買いたいってヘンタイが表れるなんてどんな逆わらしべ長者だ!しかも藁から直に豪邸じゃねぇか!」

帆風「で、でしたら譲って下さっても宜しいのではっ!?」

上条「これを君に渡したらなんだかんだでバレーの、出所が俺だって連鎖してあぼんするからだよ!」



――二周目 ロンドン某所

上条「――ふぅ、やって来たぜイギリス!サンタさんもビックリの速度で華麗に参上!」

上条「……いやなんかキャラ違うな。浜面っぽくなってる……俺はギャグキャラじゃない。ツッコミがお仕事――」

上条「決してクロビカ○(CV.日野さん)のような登場即ツッコミは……よし!」

上条「思い起こせば幾星霜、世界一ドSな十二歳児にリベンジする日が来た!俺のターン!」

上条「クリスマスでイジられハロウィンでイジられ俺のHPは下がる一方。いつもいつも俺の部屋と人生を遊び場にしやがって!」

上条「俺の人生は金を出せば買えるかもしれないが、部屋を失ったら敷金は帰って来ないんだっ!?分かるかっあぁんっ!?」

黒服「逆です。マルッと逆かと。取り返しが効かないのは人生ですね」

上条「あ、どうもお疲れ様です。『あ系ロ×陽射し』の人」

黒服「『明け色の光り』です。間違えようがないぐらいのミステイクですよ上条さん」

上条「マークかバードウェイいます?」

黒服「いえ、あの、ちょっと」

上条「挨拶っつーか用事があるんで、取り次いでもらえたら嬉しいなーと」

黒服「……一応こっちもカタギじゃない魔術結社やってまして、そうホイホイ気軽に来られましても」

上条「でしたらプレゼント持ってきたんで、それだけでも渡してもらえませんか?」

黒服「あーっとですね。そういうことでしたらボス……は、マズいか。マークにお渡しします」

黒服「それで?中身は?」

上条「スク水です」

黒服「え?」

上条「十二歳児にピッタリサイズの不必要にピッチピチして体のラインが丸わかりになる競泳用水着です」

黒服「――はい、じゃあ今から車回しますから、直接ボスに手渡してあげてくださいね!後生ですから!」

上条「いやでも今身内以外はマズんじゃ、っていま」

黒服「折角イギリスまで来られたんですから!ボスも多分お会いしたいでしょうし!」

黒服「というかボスのノリツッコミを喰らったらあなた以外に、死にます。マークでも厳しいかと」

上条「あぁそれじゃお世話になります――てか本当に大丈夫ですか?身内のクリスマスパーティに部外者はちっと気が引けるんですけど」

黒服「まぁ……来れば分かります、来れば」



――パーティ会場 入り口

黒服「中にはマークがスタンバイしてると思うんで、詳しくはそっちで」

上条「あざっす、てか意外ですね」

上条「パトリシアはともかくバードウェイだったら『クリスマス?はっ、興味などないわ!』ぐらい言うと思ったのに」

黒服「あ、あははー。まぁそっちも中入れば分かると思いますよ、えぇ」

上条「はぁ――どれ」 ギィィッ


看板【祝!ボス、とある電脳戦機に参戦決定超おめでとう祝賀会場!!!】


上条「お祝いの意味違うじゃないですかーやーだー」

上条「つーかまさかお前まで参戦してくるとは思わなかったよ!このご時世に英断しやがったなKADOKAW○!」

上条「そしてステイル出ないのに小萌先生がちゃっかりと……いいのか?それでいいのかこの業界?」

上条「アレかな、HAMADURAは同じクールでアイン○様やるから入ってないの?頑張ってきたんだから入れてあげてもいいじゃない!」

上条「『第三期?ないないwwwwwwwwww』で殺意抱いたファンは相当数いたけど!HAMADURAも入れてあげたっていいだろ!?」

マーク?「すいません上条さん。会場ついただけでそんなテンション上げてツッコまれましても」

上条「マーク……?あれ、俺んとっから姿見えねぇんだけど、どこにいるんだ?」

マーク?「ここです、ここ。目の前に」

上条「目の前っつったって、前には等身大のバーチャロイドフィギュアぐらいしか……」 

バル・バス・バウ(等身大)『あ、お疲れ様です』 ガッシャガッシャガッシャ

上条「クオリティ高っ!?あ、これ中にヒト入ってたんだ!?」てっきり『よく出来てんなー、メーカーに特注したんかなー』とばかり!」

バル・バス・バウ(マーク)『いや頑張って作ったんですよ』 ガッシャガッシャガッシャ

上条「その気持ち悪い動きやめろ。いくら原作準拠だっつっても気持ち悪いんだよ!デカいのを間近でみると!」

上条「なよっとしたモーションから察するに、バグで判定しなかった近接LWだろうけど!芸が細けぇんだよムダに!」

上条「……いや待て待て。整理しよう、どっから拾っていいもんか迷うから」

バル・バス・バウ(マーク)『ちょっと待ってください。今勝利ポーズのバルダンスの練習中でして』

上条「やめろっつってんだよその奇っ怪な動きを!なんかこう、精神に来るわ!心を病むんだよ!」

上条「……まぁアレだ。『バードウェイさん参戦おめでとう!』までは良かったわ。いやメタネタばっかっつーのも良くないが、大目に見よう」

上条「そして等身大コスプレバーチャロイドも評価したいと思う。肩組んで写メしたい誘拐に駆られるぐらいのクオリティなのも間違いない」

バル・バス・バウ(マーク)『恐縮です』

上条「ただなんでイロモン(バル・バス・バウ)!?もっと他にあっただろちゃんとしたバーチャロイドがっ!?」

バル・バス・バウ(マーク)『その言い方だと、バル系列が制作会社の悪ふざけに聞こえるんですが……』

上条「それ言ったら公式からしてそうだからな!バーチャロイドが生まれたきっかけになったのも『バルで遊んでたらそうなった』なんだよ!」
(※オフィシャル設定です)

上条「電撃ブースのようにデムジンやれやとは言わないが!もっとこう、うん、あるだろっ!?」

バル・バス・バウ(マーク)『まぁ考えましてね。NPCとしてのボスが参戦決定したじゃないですか?」

上条「したなぁ」

バル・バス・バウ(マーク)『パイロットではないため、公式的には誰かと組むのかと考えたんですよ我々は』

上条「あぁ成程。一方通行だったらアホ毛の子、土御門だったら小萌先生とかみたいなか」

バル・バス・バウ(マーク)『今までの流れから考えればボスと組んだ経験があるのは禁書目録。なのでバル系列が妥当かと』

上条「インデックスの乗る予定の機体はこんなにキモくない」

バル・バス・バウ(マーク)『あんな魔法少女みたいなの急遽用意できるわけないじゃないですか!?何言ってんですかっ!?」

上条「あー……それでバージョン落としてバル・バス・バウ行っちゃったかー……妥当な判断っちゃ判断だけどさ」

バル・バス・バウ(マーク)『少々気持ち悪いのは否めませんがね!それでもボスでしたら喜んでくれるかと!」

上条「俺が悪かった。お前凄いわ」

バル・バス・バウ(マーク)『――で、折角イギリスまでお越し頂いた上条さんにお願いがあるのですが』

上条「――はい?」



――パーティ会場

パーンッ!

黒服A「おめでとうございますボス!」

黒服B「おめでとうボス!」

黒服C「ちっぱい様はぁはぁ」

バードウェイ「あぁありがとうありがとう。プレイヤーでなくて残念だが、まぁ仕方がないとしておこうか」

バードウェイ「あと黒服Cは破門。金輪際私と妹の側に近づくな」

黒服C「ど、どうせアニメに出れば薄い本でそういう展開に……」

バードウェイ「連れて行けバカ者が!……ふぅ、美しいというのは罪だな」

マーク「罪というか児童福祉法違反といいましょうか。まぁえっと」
(※犯罪は犯罪です)

バードウェイ「アレか。こう飛天御剣○ネタでもふればいいのか?」

マーク「どんなネタでも拾えばいいっつーもんでもないですボス――と、おめでとうございますボス!そんなことよりも!」

バードウェイ「うむ、色々と厳しいご時世に英断をしたものだな!正直私もどうかと思っている!」

マーク「そこは強気でいいんじゃないですかね、そこは強気でいきましょうよ」

バードウェイそろそろイニシャルヒロインの呪いも解けて用済み、どこかの傍ヒロインも幸せになったようだし、メインヒロイン交代させるつもりで一致団結したいと思う!」

マーク「弁えろ、なっ?方々に喧嘩売っても勝てるわきゃねーんだろからな?」

バードウェイ「何を言うか!14年前は『この子ロ×すぎんだろ』と言われていたが、今じゃ平均クラスだ!」

マーク「まぁ……同時期に連載された涼○さんが拗らせるのは高校生ですからねぇ」

バードウェイ「よってこれを機に!もっと全力で押したいと思う!」

マーク「日本少子高齢化で滅びます。まぁいいですが――さてボス!今日はサプライズなゲストをお呼びしてあります!」

バードウェイ「待ったマーク。マーク、えっと……なんだっけお前?」

マーク「別人ネタは許せますが素で忘れないでください。ちょっと凹みます」

バードウェイ「あれだろ、こう時期的にはジンガージンガー言ってる最中じゃないか、なぁ?」

バードウェイ「゜まさかここで赤い服着たヒゲの年寄りご登場――と、いうのは少々芸がないぞ」

マーク「まっさかボス!多分ヒネ――じゃなく、拗らせ――もとい!ボスの性格は我々も分かってますから、そこはサンタさんじゃないですよ!」

バードウェイ「ほう。それは少し興味深いな」

マーク「では入ってきてください――この方です!」

バル・バス・バウ『……』 チャッチャチャーン!!!

バードウェイ「こ、これはっ!?」

マーク「電脳世界よりリバースコンバード!現実世界に舞い降りた初代イロモノ系!バル・バス・バウさんですっ!」

バル・バス・バウ『……』

マーク「どうぞ!さぁ入り口じゃなくて中へ!」

バル・バス・バウ『……』 ガッシャガッシャガッシャ

バードウェイ「……踊ってるな。不動の姿勢のまま」

マーク「入って来いや!なにゲートで勝利のダンスやってんですかっ!?」

バル・バス・バウ『……』 ガッシャガッシャガッシャ

バードウェイ「動きが『こっち来い』みたいになってるぞ」

マーク「はいすいませんねっ!ちょっと打ち合わせを!」

バル・バス・バウ『――』

マーク「えーっと、あぁはい。盲点でしたね、そこは……」

バードウェイ「おい、どうした」

マーク「『台車がないと動けない』そうです」

バードウェイ ジトーッ

マーク「ま、まだちょっとこっちの世界の物理法則に慣れてないせいですよ!だって魔術があるんですし!」

バードウェイ「そう、か?それで納得していいのか?」

マーク「よ――いしょっと!」 ズゥンッ

バードウェイ「お前今具現化した鉄の塊、意外と軽々しく運ばなかったか?」

マーク「浮遊の力!こう、持った瞬間に『ふわっ』ってしました!」

バードウェイ「なんかこう……まぁいいや。しかしホンモノとはな。しかも現行機じゃなくて旧式か」

バル・バス・バウ『――』 ガッシャガッシャガッシャ

マーク「照れるぜ!みたいな反応ですよね」

バードウェイ「喋れないのか?」

マーク「――はい?」

バードウェイ「これはオリジナルの方だろ?だったら喋れるんじゃないのか?」

マーク「えーっと、どう、ですかね?……どう?いけますか?」

バル・バス・バウ『――』 ガッシャガッシャガッシャ

マーク「いけるそうですよボス!」

バードウェイ「その気持ち悪いダンスで意思疎通するの止めろ。お前らツーカーか」

マーク「で、ではバル・バス・バウさん!ボスに何か一言!」

バル・バス・バウ『……』 ピタッ

バードウェイ「こ、こんにちは」

バル・バス・バウ『……バルっ!』 グッ

マーク「安易だな!?」

バードウェイ「安易?」

マーク「い、いやなんでないですよ!口が滑っただけで!」

バードウェイ「安易もなにもこれで正しいだろうが」

マーク「え、えっと?」

バードウェイ「確かオフィシャルではバル・バス・バウの原型機が『バル・バス・バウ』と発信していたのが、名前の由来になってるんだから」
(※オフィシャル設定です)

バードウェイ「これがもし、『こんにちはバル!』みたいな応答をされたら、私は怒りのあまりニセモノをボッコボコしていたところだ」

マーク「……ボス?そういやあんた今日本語で『こんにちは』って呼びかけましたよね?確信犯ですよね?」

バードウェイ「んー?何の事か分からんなぁ?」

マーク「そ、それじゃそろそろバル・バス・バウさんもお帰りの時間に――」

バードウェイ「――手、見たい」

マーク「はい?手ですか?」

バードウェイ「飛ぶんだよなぁ?ゲームじゃ遠隔操作できたもんなぁ?」

マーク「い、いえボス、それは流石に無理難題が」

バードウェイ「あー、見たかったのになぁ。バル・バス・バウの遠距離CW見たかったなー」

マーク「あのですね、やっぱりこれは――はい?」 ツンツン

バル・バス・バウ『――バル!』 ガッシャガッシャガッシャ

バードウェイ「○のサインだな」

マーク「え、いやどうやって……大丈夫なんですか?いけますか?」

バル・バス・バウ『バル・バス・バウ!』 ガッシャガッシャガッシャ

マーク「あー……まぁご本人がそういうんだったら」

バル・バス・バウ『バル!』 トンッ

バードウェイ「何?テーブルの上に左腕を乗せて」

バル・バス・バウ『バスッ!』 ギュッ

マーク「クリスマス用のラッピングヒモを口でくわえたまま、左腕の付け根をギュッと縛り……既視感が」

バル・バス・バウ『……バウッ!』 グッ

マーク「同じく七面鳥取り分け用のナイフで肘から先を――って待て!?早まるな!?」

バードウェイ「大惨事だっバカ者がっ!ジャパニーズ・マフィア式の『エンコつめる』形式をパーティの余興代わりに敢行するんじゃない!」

バードウェイ「というかお前!仮にもバーチャロイドなんだからもっと、こうソフトな飛ばし方あるだろっ!?なんでYAKUZAの真っ青のクソ度胸で腕つめようとするんだ!?」

バル・バス・バウ『バル……』

マーク「えっとボス、『右腕で何回かイケたんだから、左手もきっと』っていってます」

バードウェイ「やっべぇコイツ超狂ってる。いや、前から薄々感づいてはいたんだが」

マーク「というか別に根性入れて切断したとしても、特に動くはずないんですからただの切り落とし損ですよね」

バル・バス・バウ『バス!』

マーク「『カエル先生だったら再生余裕ですけど?』」

バードウェイ「……私が悪かった、悪かったからこのパーティを血で染めようとするな?いいから出て来い中の人」

バル・バス・バウ『バウぅぅぅぅぅ……』

バードウェイ「そんな『中の人なんていないお……』的なリアクションはいいから。一人で自立歩行もできない時点でバーチャロイドじゃないって分かってるからな」

マーク「あ、意外と騙されてた。初見は信じてたんですね」

バタンッ!

バル・バス・バウ『バル?』

敵の魔術師「――ぐはははははははははははははっ!ここが『明け色の陽射し』のパーティ会場というのは!」

バードウェイ「どなたさんだマーク?こんな貧相な顔、我々の仲間にはいなかった筈だが?」

マーク「敵さんですね。まごう事なき」

敵の魔術師「我らは(〜中略〜)!死ね、違法ロ×が!」 ブウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッン!!!

バードウェイ「しまっ――」

マーク「ボスっ!?」

パキィィィインッ……!!!

敵の魔術師「な、なんだと……!?」

バル・バス・バウ『――バル・バス・バウ』

バードウェイ「喋れよ。正体分かってんだからツンツン頭」

バル・バス・バウ『バル――バス、バウっ!』

敵の魔術師『そげぶっ!?』 ベシツ

バル・バス・バウ『バル?』

バードウェイ「あ、あぁ怪我はなかった。大事ない」

バル・バス・バウ『バルっ!』

バードウェイ「だから喋れ!もうお前私を庇うときにダンボールを足で突き破って着ぐるみ半壊させてんだよ!」

バードウェイ「もうパーフェクト化に失敗したジオン○みたいにってるからな!そこまでして設定維持して何がしたいんだ」

マーク「……結構かかったんですけどねぇ、あれ」



――回想 上条家のアパート前 夜

上条「――ふぅ。今日も学校終わったら敵が現われてなんやかんやでそげぶしたら遅くなっちまったぜ」

上条「まぁでも!今日は日付が変わらない内に終わったからマシな方だからな!レッツポジティブ!」

???「……」

上条「……やだまたトラブルの予感!?ドアの前に倒れている――」

上条「――ってこれ褐色肌のエロい服着た……ウレアパディー、さん?」

ウレアパディー(???)「エロを……強調するのは、よくないと思うわ……」

上条「てかお前なんでこんなところでぶっ倒れてんの?」

ウレアパディー「こ」

上条「こ?」

ウレアパディー「こんなに寒いのは想定外だった……」

上条「そりゃそんな服着てればなっ!ホワイトクリスマスになるかもっていわれてんのにヒラッヒラした服だしな!」

ウレアパディー「DEXに全振りしているから」

上条「お前今ニートやってんの?たまには妹さんのことも考えてやれ、なっ?」

上条「『ねーちゃん助けに来たのに自力で脱出&壊滅済みだった』のが、少しでも悪いと思うってんなら!思いやりをみせなさいよ!」



――上条家

ウレアパディー「コタツあったかいお茶がおいしい……」

上条「まず日本の知識を仕入れる前に服を着ろ、服を。日本でも都会で遭難するぐらいにはしっかり冷えるからな」

ウレアパディー「でもこの間は、そんなに寒くなかった、わよね?」

上条「そりゃ冬じゃないですからね!あのときは秋ぐらいかな?って設定だから!」

ウレアパディー「その割には冷えたのだけど……」

上条「べ、別に『よく考えたら2月の一番寒いときだったな!』なんて言ってるわけじゃないんだからねっ!」

ウレアパディー「どうしてもっとこうクリスマスとか夏休みとか、年度末を攻めた公開スケジュールは疑問が残るわね」

上条「言っとくけどかなり成功した方だからな!当初の予定と違って主要都市で追加公開したんだっつーの!」

ウレアパディー「えぇと、ね。通常であればこういった映画なり舞台なりは長期的なスケジュールが組まれていて」

ウレアパディー「上映する方もそれはもう遅くとも数ヶ月前には、どの期間にどんな内容を放映するのかが決定されてる訳で」

ウレアパディー「『ファンの皆さんのたっくさんのご要望に応えるため、追加上映をしちゃいます☆ARISAです☆』と、いうのはちょっと」

ウレアパディー「例えるならばコンサートで『アンコールにお応えして!』とか言うが、実際には最初から最後まで分刻みのプランが決まっているのよ」

ウレアパディー「借りてたホールなりドームから撤収したり、次の準備をするスタッフが決まってるから、全て幻想――」

上条「ぶっちゃけるのもいい加減にしやがれ!お前版権の話といい風邪気味だからって言って良い事と悪い事があんぞ!」

ウレアパディー「全ては天空を流れるアストラの導くままに」

上条「フワッとした返しやめろ。ボケなのかツッコミなのかキラーフレーズなのか判別し難いんだよ!」

ウレアパディー「『この俗物が!』」

上条「ありがとう。もうそれ以上の言葉が出て来ないぐらいありがとう」

ウレアパディー「それで、ね。プレゼントをしたい思うの。あの子に」

上条「しろよ。勝手にお前らだけで完結しろよもう」

ウレアパディー「力を借りたいの。あの子のために」

上条「またエッラい断りづらい導入から入って来やがったよね。まぁ手伝うのは吝かではないが」

ウレアパディー「ソーズティの好きなものと言えば……セーラー服、ね?」

上条「ざっくばらんに斬りすぎだよ。見た目10割だろ」

ウレアパディー「お嫌い?」

上条「超好きだよ。なんか知んないけど最近じゃ海を越えてワールドワイドで大人気だよ」

ウレアパディー「あとは……日焼けクリーム?」

上条「だからパッとした見た目だけじゃねぇか。そんな薄っぺらい情報なんて身内じゃなくても分かるわ」

ウレアパディー「分かるはず、あなたは。事情を知ってるのだから

上条「あー……なんだっけか。複数の魔術師の意識が混線させたんだかなんだか」

ウレアパディー「分からないのよ。この記憶が私のものなのか、そうじゃない誰かのものなのかは」

上条「いや、それこそ話し合えばいいだろ。お前は知らなくたってソーズティは憶えてるんだから」

上条「昔の話をしてる間に思い出すかもしんないだろ」

ウレアパディー「そうも上手くはいかないのよ、それがね」

ウレアパディー「憶えていることをあの子に話してみても、否定するばかりで」

上条「そればっかりは仕方がないんじゃ」

ウレアパディー「例えば小学生の頃、近所の悪ガキに虐められてビービー泣きながら帰って来たとか」

ウレアパディー「その翌日、なぜかその悪ガキが電柱に縛られた姿で発見されたとか、ね」

上条「しっかり憶えてんな!ソーズティの黒歴史なんだから憶えてても黙ってて差し上げろよ!」

上条「つーかソーズティ中学ぐらい、だからつい比較的近い話じゃないのか……?」

ウレアパディー「という訳でしてほしいのね、協力」

上条「繰り返し言うがやる気も動機もあるんだけども、お前がなに言い出すのかわっかなくて即答できかねる!」

ウレアパディー「ファイナルアンサ○?」

上条「いつも言ってるけどそれ日本だとイメージ悪いからな?主に#Metoo的な意味で」

ウレアパディー「イギリス発祥でインドでもやっているのよ。映画にもなったわ」

上条「そもそもの話、BBCのロ×司会者も死後告発されたり……業界の闇は深いぜ!」

上条「……いやいや待て待て。お前ノープランで来やがったのはこの際置いておくとしてだ。逆に考えよう」

上条「『自分が貰って嬉しいものは他人も嬉しい』、だ」

ウレアパディー「そうね。一理あるわ」

上条「他人を大事にするんだったら、まずは自分から考えよう!『人の嫌がることはやめましょう』の逆バージョンだな」

ウレアパディー「なら貰って嬉しいものをあげればいいのね、私の」

上条「そうそう。なんだかんだ言って姉妹なんだし、感覚も似てんじゃないかなって思うし」

ウレアパディー「あまり物欲がある方じゃないけれど、あえて探すとすれば――」

ウレアパディー「――光○のオロチ、というのは?」

上条「はいちょっと注目!今恐らく『オロチ?RPGの敵キャラかなんか?』って思った子が殆どだと思うが!そはれ違う!」

上条「光○?○岡ってのはHENTAI自動車ばっか作ってるアレな純国産メーカでだ。あーっと、(´・ω・`)みたいな顔のヤツとか!」

上条「そん中でもオロチは超お高いカテゴリーであって、大体1,200万って破格のお値段と有名なメーカーさんだなっ!」

ウレアパディー「家計に優しいわね」

上条「そりゃ他のスーパーカー(数千万)に比べればなんぼかマシかもしんねぇけどもだ!俺ら一般人からどっちも変わんねぇさ!」

上条「ラディッ○だろうがベシー○だろうが地球人にとってみれば等しくピンチなんだよ!すぐ地球に来やがって!」

ウレアパディー「肩たたき券、でお茶を濁せとでも?」

上条「いいだろうが肩たたき券!身内から貰ったら感涙じゃんか!」

ウレアパディー「じゃあ、同じ日にプレゼントして貰ったプラチナリング(特注品・ペア)と比べれば?」

上条「か、感情が詰まってる方がレアだし!」

ウレアパディー「つまり物品がレアであれば効果は更に高い、と?」

上条「違う違う!俺が言いたかったことと違う!」

上条「本当なら『身内が選んでくれたものであれば何だって嬉しい、だろ?』みたいな流れへ持っていこうとしたのに!」

上条「なんで課金ゲーのガチャ装備みたいな例えになってんだよ!?現実的なツッコミしやがってありがとう!」

ウレアパディー「というか、そもそもニートから肩たたき券を貰っても嬉しくはないわよね。私は」

上条「働けよ」

ウレアパディー「リストラされたその日に貰ったら、撲殺されかねないわ――肩たたきだけに」

上条「だから働けよ」

ウレアパディー「あの子には言おうか迷っているのだけど」

上条「何を?」

ウレアパディー「なぜか『結社』を潰したとき、彼らが溜め込んでいた口座が私の物に」

上条「プレゼントあるじゃん。もうそれ渡せばソーズティも色々な意味で喜んでくれると思うよ、主に肩の荷が下りる的な意味で」

ウレアパディー「金額より、誠意がこもっていた方が……」

上条「あぁそうだけども散々否定しくさってきたがな!取り返しのつかないほどに!」

ウレアパディー「で、あなたにやってほしいことが」

上条「だから話が!何回切り上げようとしても話が元に戻ってんだよ!」

ウレアパディー「お礼はこの肩たたき券(手書き)で」

上条「また安っい釣り方だな!しかも思春期の高校生だったら効果は抜群だよ!」

ウレアパディー「着替えて、これに」

上条「いや、これって――」



――クリスマスの夜 某国某所

ソーズティ「……」

ソーズティ「……姉さんが帰ってこない……ッ!」

ソーズティ「三日前から『少し出かけてくるわ』と非通知で連絡もらってから……」

ソーズティ「手がかりはないものかと家捜ししたら、書き置きを見つけ――」

ソーズティ「――『シバルバーの叡智は為政者の資質を問わない……!』ってまたフワッフワしたメッセージ」

ソーズティ「こうフワフワした台詞にはもう慣れたけど、シバルバーはマヤ神話だよ姉さん!インド系魔術師なんだから設定は死守しよう!キャラがブレるから!」

ソーズティ「世界屈指の人型大量破壊霊装の姉さん、誰かになにかされるとは思えないけど……」

ソーズティ「メンタル的な部分には一抹どころが不安しか残ってない……!」

ソーズティ「……」

ソーズティ「――よし。考えるのは止そう、きっと心配するだけムダだから」

ソーズティ「昔々近所の資産家へ殴り込みに行って無傷で帰って来たんだし、今回もそうだな。うん」

ソーズティ「てんんてクリスマスぐらい、残った家族で越したいと思わないでもなかったが――」

ガシャーンッ

ソーズティ「何者だっ!?」

???「あなたに名乗る名などないわっ!」

ソーズティ「その返しはさ、うん、どうかなっ!仮にも窓ガラス破って来てるんだから、ここで名乗らないとただの強盗になるから!」

???「何を言っているの。いないでしょ、こんな派手な格好した強盗なんて」

ソーズティ「服?ジャパンの紅白幕の布きれを雑に巻いただけの格好が、服?服の定義からやり直してこい」

ソーズティ「というだ、姉さん」

???「そう呼ばれる憶えなどないのだけど」

ソーズティ「だったら顔隠そう?サンタのお面でもいいし、なんだったらインドの聖人のお面だって売ってたよね?」

ソーズティ「衣装をどうにかする前に、せめてサンタさんとしての体裁を整えようって発想はなかったのかな?」

ウレアパディー(???)「……ふっ、流石ねソーズティ。姉妹の絆は天に昇ってプレアデスになるのよ」

ソーズティ「プレアデスはギリシャ神話だよ?あと七人姉妹だし」

ウレアパディ「今日はね、おめでたい日らしいのよ。分かる?」

ソーズティ「まぁ、そうですね」

ウレアパディー「私には分からないのだけれど」

ソーズティ「全体的に言わせて貰えれば、絡みづらい」

ウレアパディー「だからね、持ってきたのよ、プレゼント」

ソーズティ「はぁ」

ウレアパディー「でもこれじゃ、ちょっと」

ソーズティ「ちょっと、とは?」

ウレアパディー「寝ている幼子の寝室に押し入るらしいのよ、私が調べた結果だと」

ソーズティ「あってるっちゃあってますが、聞き方によっては強盗よりもレベルの高い犯罪者のように聞こえます、姉さん」

ウレアパディー「寝てもらわないと、ちょっと」

ソーズティ「その寝ようとしたら堂々と窓ガラス割って入って来たのは誰だっ!?」

ウレアパディー「思いのほか上がってしまったのね、テンション」

ソーズティ「そんなハシビロコウもにらめっこで目を逸らしそうな、淡々とした顔で言われても……」

ソーズティ「というか敷金が100%帰って来ない現状をどう考えているのか、伺っても宜しいでしょうかニート姉さん」

ウレアパディー「良くないわ、あなたのお姉さんは一人しかいないのよ?」

ソーズティ「えぇまぁ、『なんで助けに行ったんだろ?』とか、『殺したって死にゃしなかっただろ』とかの疑問が次々出て来てはいますが、そうですね」

ウレアパディー「あとこれは念のため、そう念のために聞きたいのだけど――ソーズティ」

ソーズティ「はぁ」

ウレアパディー「性欲を持て余すわよね?」

ソーズティ「姉妹でその話題はキツいと思うんだよ、姉さん。いくらなんだって」

ウレアパディー「あ、他意はないのよ?ただちょっとプレゼントとは全く関係無く聞きたくなったってだけで」

ソーズティ「関係無い方が怖いよね?姉妹でシモの話をクリスマスに振られたってことだからね?」

ウレアパディー「大事なのよ」

ソーズティ「全然ない、とは言わないけど……あんまりは」

ウレアパディー「……」

ソーズティ「姉さん?」

ウレアパディー「じゃないのかしら、欲しいものは。逆に」

ソーズティ「真面目に働いてくれる姉」

ウレアパディー「うん?いるじゃない、ここに」

ソーズティ「いっぺん話し合おうか、それはる一度高村なの○式でOHANASHIしよう、ねっ?」

ウレアパディー「幸せの青い鳥は最初から居たというのも、それはそれで悪くないわね。でも他には」

ソーズティ「もしくは真っ当に働いてくれる身内」

ウレアパディー「それだったら、まぁ誤差の範疇と言えなくもないわ」

ソーズティ「プレゼントの方に寄せるスタイルはやめてください。どこの世界に探り探り微調整するサンタがいるんですか」

ウレアパディー「仕方がないのよ、姉だから」

ソーズティ「姉さん……」

ウレアパディー「姉は妹のワガママをきくものでしょ?」

ソーズティ「そうですねっ!世間様的にそうなってますけど、実際そうだったらいいですよねっ!」



――テイクツー

ソーズティ「――よし、寝よう。なんかもう睡眠薬でも一気飲みして昏倒したいけど!さぁ寝よう!」

ソーズティ「なんといつてもクリスマスだからな!良い子は早く寝るって決まってるんだよ!」

ウレアパディー「ちょっと」

ソーズティ「出番、早い。まだ寝てないんですが」

ウレアパディー「あまりこう、期待されるのも出づらい」

ソーズティ「新人タレントのプレッシャーか」

ウレアパディー「もっと期待しない方が好み。どうせホンモノもそうなんだし」

ソーズティ「全世界のサンタさんに謝れ。具体的には子を持つ親に」

ウレアパディー「よろしく」

ソーズティ「……はぁ」



――テイクスリー

ソーズティ「あー今日も疲れたなー、ってゆうか現在進行形で疲れてるなー」

ソーズティ「なんかちょっとした癒やしが欲しいなー。ジャパンの一人暮らしOLみたいなこと言ってるけどなー」

ソーズティ「……どれ。明日も早いし寝よ――」

ソーズティ「……」

ソーズティ「……寝たぞー、寝ましたよー、電気消したら見えなくなるからそのままだけど、寝たって事で」

ソーズティ「……あれ?姉さん、もしかして――」

ウレアパディー「……すー」

ソーズティ「自由人すぎるんじゃないかなっ姉さん!?確かにもう夜も遅いけれど即・寝落ちってどうなの!?」

ソーズティ「引っ張って来たのに!?なんかもう私が蚊帳の外的な感じだったのに!」

ウレアパディー「……うっ!右手が……!」

ソーズティ「ムリムリ。キャラ違うのに右手が疼くフリしたって騙されないよ?」

ウレアパディー「なにかこう、『今日はもういいや』って力が動いたのよ」

ソーズティ「もうフワッフワしたの通り越してただの願望言ってるだけだよね?お姉ちゃんってそんなユルい性格してたっけ?」

ウレアパディー「……ぐー……」

ソーズティ「会話したよね、今?目と目が合ったまま私と喋ってたよね姉さん?どうして都合が悪くなると寝たふりするんだ!?」

ウレアパディー「プレ、ゼント……ぐー……」

ソーズティ「……あぁもう導入すら面倒臭くなったんだね?言っとくけど心の広い人じゃなかったら、この展開はマウントになって殴られてても止められないよ?」

ソーズティ「と、いうか袋、大きいな。何入って――」 ジーッ

上条「ンーーーーーーーーーーーーーーっ!んんんんんーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」

ソーズティ「……」 ジーッ

袋『んっんっんっんっんっんーーーーーーーっ!?』

ソーズティ「……姉さん」

ウレアパディー「なに、妹よ」

ソーズティ「取り敢えず――偉大なガンジスへ放流すれば自然に還るかな?」

ウレアパディー「いいわ。あなたもそうやってフワッフワした大人になっていくのね……」



――学園都市 路上 正月

上条「……」 バタッ

姫神「あれ?待ち合わせ場所に着いてみればDOGEZAした上条君が見える……修羅場かな?」

上条「なんか色々とすいませんっしたー!この通り!」

姫神「もう上条くんのDOGEZAは暴力だと思うんだけど……まぁ。気にしてないよ」

上条「大覇星祭に引き続き、約束ぶっちぎってごめんなさい!色々あったんだよ!」

姫神「具体的に何が?」

上条「あのな。まず俺の上位互換タイプが現われたと思ったら、統括理事長が女体化して浜面がパンイチでレイピアなんだよ」

姫神「それで。分かる人が何人いるかな?『あーうんうん。そうだったよねー』って同意してくれる人は少数だと思うよ?」

上条「三行でまとめると、『理事長・金髪妖怪・パンイチ』、かな?」

姫神「……大体私の予想は外れてなかった感が。やっぱり修羅場だよね」

姫神「というかパンイチは何が何でも入れたい気分は。どうかと」

上条「だ、だってHAMADURA君はズルいと思いますっ!笑いに対して貪欲すぎるんだよっ!」

姫神「上条くん。意外とお笑いにグイグイ来るよね」

上条「まぁ、条件反射的に、かな?職業病みたいなもんで」

姫神「冗談だと一蹴できないところがリアル。闇を見た……」

上条「なぁ姫神、これ例えであって別に何かの話って訳じゃないんだ。あくまでも例え話としてなんだけどさ」

上条「磁界王マグニート○より応用力がある電気能力者とハルクウーマ○より強い身体強化能力者と」

上条「多分インフィットストー○の一つを装備したベクトル操作能力者ともっさ○が中の人のアイドル」

姫神「最後の。同じ人だよね?二回言う必要はあったのかな?」

上条「そしてオマケに一般人の毛が生えた程度のツッコミ能力者――つまり!」

上条「俺がこの先生き残るためにはどうしたらいいんだっ……!?」

姫神「重いかな。まだ新年始まったばかりのに」

上条「電撃ウィー○でも俺の代わりに食っちゃ寝シスターさんが番宣!俺呼ばれなかったんだよ!」

姫神「メッセで。その。あるみたいだし?」

上条「正月早々中学生の半裸タペストリー(白井さん肌色率98%)を売るのってどうなの?」

姫神「上条君。業界の深い深い闇の話はいいから」

上条「だからもう俺にはツッコミか脱ぐかの道しか残されていない……!」

姫神「実質ツッコミだけだよね。需要的な観点から言って」

上条「……あぁそうだな!世界のHAMADURAがお色気要員になっちまったことだしな!」

姫神「あぁ。あれそういう意味だったんだ」

上条「もう終わった後には『浜面パンイチでなにやってんの?』以外の感想はないからな!」

姫神「そうかも。だけど。違くて。パンツの話でダベるんじゃなくて」

上条「あ、じゃあ遺跡争奪超バトルがまさかの『俺たちの戦いはこれからだ!』エンドになった件について」

姫神「私とは関係あるようなないような曖昧な感じだけど。その話も今ここでするようなことじゃないと思う」

姫神「てゆうか終わったのもう何年も前だったよね?歳越えて引っ張るようないいお話でもないし」

上条「だったらプリキュ○の新作がな」

姫神「いい加減にしないとインデックスさんにチクる」

上条「――さっ!姫神さん!グズグズしてないで遊びに行こうぜ!」

姫神「なんていうかもう。ジョーカーになってるインデックスさんによく謝ったほうがいい」



――路上

上条「つーわけでだ。遊びに行こうと思うんだが、どこがいい?」

姫神「学生らしい遊び。憧れるよね」

上条「学生らしい遊び……あぁ了解了解」

上条「今の季節だとちょっと厳しいが、生垣に咲いてる花をとってその根元を吸うとほんのり甘いんだ」

姫神「上条君。それオールウェイズ厳しいと思う」

姫神「いや確かに小さい頃にやった記憶はあるけど。その。この歳ではちょっと」

上条「奨学金が届く前にはだな」

姫神「正月早々もらい泣きししたくないからそのぐらいで……えぇっと。そうだ!いつもは!」

上条「いつも?」

姫神「土御門君たちとはどんな遊びをしているの?」

上条「そうだな……まず、学校から出てアーケードへ向かうだろ?」

姫神「途中まで吹寄さんと私のグループと一緒だよね。実はそこからどうなるのか気になってた」

上条「バス停に到着するぐらいには敵の魔術師か未知の能力者の襲撃がだな」

姫神「上条君の人生はどんなところからでも飛び道具を撃ってくるよね。常にマストダイ」

上条「で、色々あって仇が増えたかと思ったら女の子が味方にだな」

姫神「上条君の人生はいつもノーコンティニューだよね。常に残機なしのメタルスラッ○」

上条「ハンドガンとハンドグレネード10本を選別にフロントライン投入されるのは、遠回しなリストラだと思うんだよ」

姫神「『兵器は?←現地調達でファイッ!』の時点で心が折れるよね」

上条「そして家へ帰ったらインデックスに噛みつかれて俺の一日は終わるんだ。どう、参考になった?」

姫神「うん。全然理解出来なかった。何が起きているのかは察せるけど。参考にはならなかったかな」

姫神「というか土御門君たちは?遊びに行くって話をしてたんだよね?」

上条「うん、えっと……気がついたらアステカ産のストーカーに狙われてた話と、超音速飛行機でヒモなしバンジーしてた話、どっちが聞きたい?」

姫神「原稿用紙350枚ぐらいになりそうだから遠慮しとく」

上条「俺の事はいいから、姫神たちの方はどうなんだ?女の子の行動パターン、実は気になってたり」

姫神「あ。じゃあ学校始まったら一緒に行こうよ。吹寄さんも喜ぶ」

上条「だな。土御門と四人で」

姫神「上条君上条君。さりげなく登場人物が一人減ってる」

上条「ムダにはしゃいで迷惑かけるに決まってんだろうが!付き合い長いんだからなっ分かれよ!」

姫神「私。クラスに合流してまだ数ヶ月なんだけど……」

上条「どんなルートを通っても『ナンパ→酷い目に遭う(※ただし俺が)』の流れ作業になるに決まってる、あぁそうとも決まってるさ!」

姫神「自意識過剰。とも。言えない過去の経験からして」

姫神「でも別に青ピアス君が一緒しても問題は起きないと思うよ。特に珍しいこともしてない。普通……」

上条「姫神?」

姫神「……ふふ。うふふふ。所詮私は普通の呪縛から逃れられない女……」

上条「気をしっかり姫神!別に普通なのは悪いことじゃないぞ!ただ単にお前の周りがキャラ濃いってだけで!」

上条「俺だってなんかこう、次々と知り合い&友達が俺一人を置いて遠くに行きそうな感じだぜAHAHAHAHA!!!」

姫神「上条君。私が言うのもなんだけど。大分病んでる」

上条「いや実際このペースで分岐していったら『この映画って実は原作あるんだよ!』的な流れにだな」

姫神「大丈夫。それはもう通った道」

上条「そうなったら俺、なんかもうローカル番組のノリで生きていこうと思うんだよ。平日の昼間にこっそりやってる感じの」

姫神「それはローカル番組をバカにしすぎ。中の人はバラクーダのように獰猛志向」

上条「というか寒空の下でダベってないでどっか入るか?定番っつったらファミレスかコンビニ、変化球でゲーセン」

姫神「一見するとまたも学生らしいチョイス。けどもう騙されない」

上条「いや流石に俺も全てのステージに地雷撒いてはないわ」

姫神「そう言い切れる上条君のメンタルに脱帽。取り敢えずファミレスでいい」



――ファミレス

店員「いらっしゃませお客様!二名様でらっしゃいますかー?……ちっ」

上条「おい舌打ちしてやがったぞこの店員!店長呼んでこい店長!」

姫神「ほらやっぱり。お店入って250フレームでトラブル発生」

上条「――って言うのはウソでっ!二名でお願いします!」

店員「お客様には申し訳ございませんが、現在店内大変混み合っておりまして、宜しければご相席をお願いしたいのですが、如何でしょう?」

上条「だ、そうだが」

姫神「いいんじゃないかな。あ。怖そうな人じゃなかったら」

店員「ではお客様1番テーブルの方へお進み下さーい」



――1番テーブル

麦野「――それじゃ、今から第一回反省会を始めるわね」

フレンダ「一回?ねぇ結構長いことやってんのに反省するのってこれ一回が始めてな訳?」

フレンダ「なんかこうもっと大切な事あったんじゃないかなっ!?こう、結局人生で取り返しのつかないような大切な反省が!」

フレンダ「例えば大っっっっっっ事な仲間を!ナ!カ!マ!を!ノリとテンションで友愛しちゃったときなんかねっ!例えばだけど!」

絹旗「ねぇフレンダ、こんな話を超ご存じですか?」

フレンダ「何よ。言ってご覧なさいよ」

絹旗「『昔々あるところに領主がいました』」

絹旗「『領主は王の名に逆らい、首都に影武者を残し地元で新兵器の開発に着手しました』」

絹旗「『また先見の明を持ち、これから起きるであろう動乱を諸外国の動きも含めて100%的中させ』」

絹旗「『当時の最新兵器のスペックを見たこともなく聞いたこともなく存在すら知らないのに、その威力を把握し』」

絹旗「『一応の主君に黙ってガンガン密貿易で儲けながら、人の道、侍の道を説く人格者』」

フレンダ「……うん、で?」

絹旗「超歴史ファンタジー()西郷ど○!B級映画ファンにはたまらない仕上がりで超嬉しいですっ!」
(※個人の感想です)

フレンダ「ウッサイ訳!あんたいい加減にしなさいよ!そうやってネタにすればするほど脚本がムキになってトンデモが進むって訳だし!」

絹旗「あぁ超いいですとも!週一でなろ○系チート歴史ファンタジー見られるなんて最高じゃないですかっ!」

フレンダ「ダメだコイツ早くなんとかしないと」

絹旗「あとですね、最近のお気に入りは大河女優がラノベ原作のつっまない実写化を超演じてですね!」

絹旗「原作ファンすら『い、いや実写化なんてしてないよ?』って大不評にもかかわらず、NH×だから途中で止めるに止められないっていう!」

フレンダ「ねぇ結局絹旗に怖いものはない訳?どうしてそんなに生き急いでるのかが分からない」

滝壺「……結局は子会社にえんばんうらせて儲けるため。だから数字悪くってもいい……」

フレンダ「本放送がステマとか言わないで!BBCのドギュメントに副音声つけて倍の値段で売りさばくお仕事だなん――」

麦野「――ぬんっ」 バスッ

フレンダ「ぐりすぼっ!?」 パタッ

フレンダ シーン……

絹旗「あ、私のツッコミ」

麦野「話、続けていいわよね?」

絹旗・滝壺「「どうぞどうぞ」」



――ファミレス通路

上条「すいません店員さん。あの人達との相席はイヤです、超イヤです」

店員「ハーレムなのに?」

上条「たった今人の横隔膜を強打する人を御せるとは思えない。つーかアレは、ハーレム、違う」

姫神「てゆうか時系列的におかしな人がいる」

店員「面倒臭いですねー。じゃー5番テーブルへどーぞお客様ー」



――5番テーブル

御坂・白井・佐天・初春「「「「かんぱーーーいっ!」」」」 カツンッ

佐天「見事全員採用おめでとーございまっす!いやぁダメかと思いましたよあたしも流石に今回ばかりはっ!」

佐天「それもこれも御坂さんのお力によって!ビバっミサカっ!」

御坂「やめて。人を無理矢理企画ねじ込んだ女みたいに言わないで」

初春「多分にアレな力学が働いたのは否定出来ないと思うんですけど。えぇヨンイチ的な意味では」

佐天「あと白井さんもすいません。販促用のポスター、御坂さんと撮るはずだったのに」

白井「えぇ構いませんのよ佐天さん。風紀委員のお仕事で緊急でしたしね」

佐天「意外ですね。もっと絡まれるもんかと」

白井「業者の方にはすこし包んで、わたくしとお姉様の特製タペストリーを制作して頂けることに!」

初春「あぁあの邪悪なおフロポスター、白井さんが一枚噛んでたんですね。むしろ納得しました」

佐天「アレだよね。どう考えても内部犯の犯行としか思えないアングルのヤツ」

御坂「お風呂?タペストリーってなんの話?」

白井「――なんて!夢を見たのですの!初夢ですわねっ!」

御坂「おぞましいわー」

初春「御坂さんの部屋には淫らで邪悪なモノが棲んでいますね」

白井「……初春?聞こえてますわよ、誰が邪悪ですって?」

佐天「エロいのは否定しないんですね。流石ですよ白井さんっ!」

白井「佐天さんもきっと大人になれば分かりますのよ。こう、人を懸想するとはエロいことだと」

初春「と、供述されていますけど、被害者の方のご意見は?」

御坂「ずっとお友達よねっ!ずっと、そうずっと!」



――ファミレス通路

店員「ではこちらに――」

上条「ごめんやっぱ帰るわ。ファミレスって気分じゃなくなちゃったからさ!」

姫神「なんだろうこの。仕組まれたような知り合い率の高さ」

姫神「そしてガールズトークをしているというのに。なぜか心がチクチクする……」

上条「気にするなよ姫神っ!FG○で重要ポジで頑張ってる子だっているんだからさ!」

店員「むしろ瞬間最大速度で言えばあっちの方が上ですかねぇ」

上条「黙ってろ三下が!逆に聞くがあの人らに勝てるエンタメ(※課金力)っつったらジャニー○の上位陣ぐらいしかいねぇんだからな!」

姫神「……や。あのね。そんなことはない。そんなことはないって分かってはいるんだけど」

姫神「あの輪の中へ入っていったら。体が浄化されて砂になりそうな気がね」

上条「ちょっと分からないでもないな!確かにリア充の人らと相席になった俺らってそんな感じだし!」

姫神「そういった意味でこう。相席は」

上条「――よっしそれじゃゲーセン行こうぜ!ファミレスなんか金のない学生の過ごし方じゃない!最初っから間違ってたんだ!」



――ゲーセン入り口

姫神「ゲーセン……うん。UFOキャッチャーの景品目当てに来る。かもしれない」

上条「ちょっと前に詐欺摘発されたけど、基板設定でアームの強弱変更できるって意外と知られてないのな」

姫神「”釣り”用のあからさまなヤツは絶対に取れない。だから端っこの方の景品がチープなのが狙い目」

上条「姫神名人、一家言おありで?」

姫神「もしくはダメっぽいのもカップルで来て何回もトライ→失敗。見かねた店員さんに取って貰う――」

姫神「――っていう展開は最初から取れない設定になってる。店員さんが『あぁあの客○○円つぎ込んだな。よしそれじゃ出してやろう』とマッチポンプ」

姫神「他には景品を渡してナンパしてくる店員さんもそこそこの頻度で。いるらしい」

上条「誰だっ純粋な姫神に黒い話を吹き込んだのは!?大体分かるけどな土御門のヤロー!」

姫神「だからお菓子とか100円ショップで売ってそうなアクセサリーは物理的に取れる。うん」

上条「それもうキャッチャーである必要ないよな」

姫神「上条君は格闘ゲームのほう?」

上条「も、するけど、あっちも行く」

姫神「あっち?あぁ卓球ブース」

上条「田舎の温泉じゃねぇんだからゲーセンで卓球コーナーはない。あぁ複合アミューズメント施設だったらあるかもだが」

姫神「何か開けたブースあるよね。てっきり休憩所かなと」

上条「あー、誰かいるみたいだし覗いてみる?見た方が早いと思うし」

姫神「あ。なんか声するよね」

上条「もったいぶるようなもんじゃないけど、カードゲーム置いてあんだわ」

姫神「カードゲーム……あ。見たことあるかもしれない」

上条「筐体もあるし、狭いけど個人同士が対戦できるスペースもあ――」

バードウェイ「小賢しい。あぁ認めてやるよ貴様のそのしぶとさだけはな!」

バードウェイ「が、しかし諦めよ宙(そら)から堕ちたペルセウス!貴様の寄り辺などこの世にありはしない!」

バードウェイ「タルタロスの門を叩くが良い、いざ降れ天つ罪!」

バードウェイ「アクティブカード、『麦野』!荷電粒子砲で黒ダメージ4だ!」

フレメア「にゃあっ!?ピ、ピンチなのだ!?」

バードウェイ「ふははははははははっ!諦めろガキが、貴様を倒した後でこの世界は私が支配してやろう!」

バードウェイ「その世界には格差も、貧富も、善悪の軛もありはしない!ただただ全てがロ×に傅く世界になる!」

フレメア「こ、このままじゃ大体マズいのだ……!」

打ち止め「諦めちゃダメだよっ!ってミサカはミサカは叱咤してみたり!まだ何か手はあるはずだよ!」

フレメア「手……そうか!この手が!」

バードウェイ「ほう?まだ手札を用意してあったか――それで良し!我が宿敵よ!それでこそ倒しがいがあるというものだ!」

フレメア「今こそ、カードの力を――にゃあ!」

バードウェイ「……HAMADURA、だと?最弱のカードで今更何をするつもりだっ?」

フレメア「カード、HAMADURAをセット!そしてパンイチからテンションを1上げる!」

フレメア「そしてカードは裏面に書かれた効果がアクティブに、にゃあ!」

バードウェイ「今更何の能力が――む?」

フレメア「隠された能力――そう、それは『中の人力』……ッ!!!」

バードウェイ「な、なんだってーーーーーーーーーーーーーっ!?」

フレメア「最弱のHAMADURAの声優力がマックス!このまま攻撃!」

バードウェイ「ぐ、ぐああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

打ち止め「勝負、それまで!キャラクターカード上条当麻の女運が0になって負け!ってミサカはサミカはウィナー!って手を取ってみる!」

フレメア「にゃーーーーーーーーーーーーっ!!!」

バードウェイ「……クソッ!こんなことなら最初から『ツッコミ』カードを捨てるんじゃなかった!」

打ち止め「敗因は上条当麻のパッシブ、『フラグを立てれば立てるほどパワーアップ』を有効に使えてなかったんじゃないかな、とミサカはミサカは分析してみる!」

バードウェイ「これ以上フラグを立てさせてたまるか!ただでさえ面倒臭いんだぞ!」

姫神「これ以上ないってぐらいに混沌としてるけど?正直。混ざって熱血カードバトルごっこしたい」

上条「――ここは出よう、姫神。ここも直ぐにペ×に呑み込まれる」

姫神「腐海扱いはどうかと。まぁタチの悪いのは一緒かも」

上条「つ、次は初詣行こう!やっぱり年明けだから神様にお祈りして一年のご多幸をお祈りしないとなっ!」

姫神「ご多幸は人にお祈りするものであって。自分で願うのはちょっと」

上条「近くに神社ないかな。できれば初詣できるような大きめのとこ」

姫神「一番近くは『初音神社』。と。出ているね」 ピッ

上条「聞いたことないな。はつね?」

姫神「参拝すると歌が上手くなる。らしい」

上条「歌……あぁ俳句とか和歌の神様奉ってんのな」

姫神「ううん。初音ミ○さん」

上条「歌ってそっちの歌なのな!てか罰当たりにも程があるぞ学園都市!」

姫神「次に近い所は『新光神社』」

上条「しんこう。始めて聞いた」

姫神「御利益は『二枚舌になる』。だって」

上条「何やってんだレッサー以下『新たなる光』の愉快な連中は!?こっち出張って体でネタしやがって!」

姫神「『二枚舌』ワードからすぐさまイギリスを連想するのも。あまり良くないと思う」

上条「ええい次だ次!もっとマトモそうなとこないのかっ!?」

姫神「えっと。『アステカ大神宮』――」

上条「もう初○さんでいいや!どうせ巫女さんの名を騙ったレーヤーさんでいっぱいだから見に行こうぜ!」

姫神「一応オチまで言わせて欲しかった。ていうか上条君は巫女さん好きだと。良かった……」

上条「おい待て人にレイヤー好き属性を持たせるんじゃない」

姫神「家から巫女服着てきた甲斐があった」

上条「お前ずっとコスプレしてたの!?なんか見られんなーと思ったらみんな姫神見てたんだね!」

姫神「勝負服」

上条「……なぁ姫神さん。キミあれだよね、個性ないっつってっけど、最初に会ったときも堂々と巫女服で出歩いてたよね?」

上条「別に普通なんかじゃねぇだろ!少なくともそう思ってるヤツの方が少ないはず――だ?」 ツンッ

姫神「――まぁ。あなたがそう思ってくれるんだったら。それでいいと思うよ」

上条「……うん?」

姫神「なんでもない。幸先のいいスタート」

上条「まぁ、よく分からんけど今年もよろしく」

姫神「こちらこそ」

上条「やっぱアステカ大神宮の方が良かった?」

姫神「それはノーサンキュー。そして多分特定の年齢層にしかご利益がない」

上条「それはさておき偶然で魔術師の落としたカード拾うってどのくらいだと思う?」

姫神「漫画版をDisるの良くないと思うな。もうなんか。ストーリー的になんのこっちゃ?と戸惑う人もいるだろうけど」



――上条家

上条「――そろそろ、家を買おうと思うんだ」

オティヌス「コンビニ強盗、では少々効率が悪いな。襲うのは銀行か?」

オティヌス「もしくは御坂美琴を脅迫するのか。そうか、ついにこの家の財務状況もそこまで堕ちたか……」

上条「勝手に人の犯罪歴をグレードアップしてんじゃねぇよ。つーかビリビリ脅迫したら即・お縄になるわ」

オティヌス「逆に聞くが、真っ赤っかの家計簿でどうミラクルを起こせば家が買えると?犯罪以外にどうれすば?」

上条「我が家のエンゲル係数が異常に高いのは否定しきれない事実であるが!家買うっつっても一軒家の話じゃない!」

オティヌス「あぁそうか。投資的な購入か、あれなら元手はあまりかからない上に誰でもできる」

オティヌス「ただな、上条当麻?詐欺というのはプロを騙すのではなく、情報のないバカを騙すのが簡単かつ楽でありだ」

上条「登記詐欺でもない!俺だって『都心にマンションを買えば値上がりしますよ!』なんて電話には引っかからないぞ!」

オティヌス「信じる要素がゼロだな、どっちも」

上条「そうじゃなくてお前がこの家に来てからそこそこ経ったろ?生活も慣れて来たんじゃないか?」

オティヌス「平穏な生活とは程遠い毎日を楽しませてもらっているよ――あ、これは皮肉だからな?」

上条「言っとくが何割かはお前の責任も入ってるからな?……じゃなくてだ。そろそろプライベートな空間が欲しいんじゃないかと」

オティヌス「ほう」

上条「いつまでもスフィンクスと一緒ってのも、なぁ?」

オティヌス「あの毛玉が私をペット用ペッドへ引きずり込むんだからな!?そこに自由意志は存在しない!」

上条「見た目は微笑ましいんだが」

オティヌス「よーしバカ者、落ち着いて考えてみろ。目の前に3・4mを越えるネコがいて、そいつに加えて運ばれる恐怖を!」

上条「俺ぬこさんにされるんだったら可愛くて悪くないと思う」

オティヌス「可愛い可愛くないの問題じゃない!危険性しか感じないんだよっ!」

上条「甘噛みの加減間違ったら即死だもんなぁ。あ、でもお前別にその程度じゃ死なないだろ」

オティヌス「……貴様、いつかこの借りは返すからな?ネタ企画じゃない方でボッコボコにしてやるからな?」

上条「――そんなオティヌスさんに朗報があります!あなたの家を買うことにしましたっ!」

オティヌス「即行で日和りやがった。いや既定路線、か?」

上条「流石にちょっと朝一で毛まみれ・ヨダレまみれになってるオティヌスさんを見るのは忍びないかな−、と」

オティヌス「気を遣ってくれてありがとう。できればあと一年ぐらい早くしてほしかったがな!」

上条「というわけで遅ればせながらクリスマスプレゼントだ。受け取ってくれ」 ドンッ

オティヌス「あぁまぁ、感謝は、するんだが。感謝は」

上条「あ、気に入らなかったら返品するから」

オティヌス「あぁそれじゃ返品で頼む」

上条「なんでだよっ!?まだ触ってもねぇのに!」

オティヌス「いやこれあのな――ホワイトベー○、だよな?」

上条「そうだ!ガンダムコンベー○のホワイトベー○だ!」

オティヌス「そうか。じゃ返品で」

上条「だから待ってくれよ!?ホワイトベー○のどこが気に入らないって言うんだよっ!?」

オティヌス「なぁそれ説明しないとダメか?説明されなきゃ分からないぐらい貴様はアホだったか?」

上条「ま、まぁ分からなくもないが……」

オティヌス「だろう?」

上条「そうだな。如何に世界を壊す存在とはといえ、一年戦争を戦い抜いた戦艦に乗るのはプレッシャーだもんな」

オティヌス「超違うわ!なんで私が遠慮してる感じになってんだ!?」

オティヌス「というかお前の中でのホワイトベー○の価値高すぎだろ!?私の評価も碌でもないし!」

上条「じゃ、じゃあ聞くがどこが悪いって言うんだよ!ホワイトベー○のどこが!」

オティヌス「いやホワイトペー○を悪く言ってるんじゃない。てゆうか興味無い」

オティヌス「……だから単純にだ。プラスチック製だし堅いし、なんといってもこれ10cm弱のフィギュア用だろ?」

オティヌス「155mmの私では狭いと言っている」

上条「お前――この中で寝泊まりするつもりなんかっ!?そんな恐れ多いことを!」

オティヌス「おいバカ。最初に『私に家を買う』設定思い出せ、なっ?」

上条「俺だったら絶対喜ぶのに!」

オティヌス「お前じゃないからな。そして全世界の多くが私の味方だ」

上条「……しょーがねーなぁ。だったらシルバニアファミリ○でいいか?あれお高いんだよ、作りはしっかりしてるらしいけど」

オティヌス「ジルバニア……あぁ、あの動物一家のヤツか」

上条「でもよく考えたら出身地あっちだし、世界観は統一した方がいいかもしれないよなっ!」

オティヌス「今日初めて配慮してくれてありがとう。だがアレは本気でイヤだ」

上条「サイズの問題?ちょい待ち、今寝泊まりできるか調べるから」

オティヌス「いやそういう問題じゃなくてだ。お前――例えば、家帰って来てマネキンが置いてあったとしよう」

上条「その時点で怖いわ!」

オティヌス「しかもそのマネキンは感情の籠らない動物の顔だ。それが複数体、ジーッと電気を消した後でもこっちを見て――」

上条「俺が悪かった!リ○ちゃん!リ○ちゃんキャッスルで!」

オティヌス「キャッスルは施設の名前だ……いや、心遣いは正直ありがたいが、あれ確か平均21cmなのでサイズが少しばかり大きい」

上条「そうか――じゃやっぱりホワイトベー○しかないってことか」

オティヌス「返品するのが惜しい気持ちは同意してやるが、まずその選択肢を捨てろ。最初に却下したんだが」

上条「あー……それじゃオモチャ売り場行ってみるか?サイズ合わせれば個人の趣味もあるだろうし」

オティヌス「お前もう慣れすぎててフィギュアと一緒に行動することに疑問を持ってないな」

上条「いやいや、流石に俺も厳しいだろ。だから丁度良いヤツと一緒に行けばさ」

オティヌス「そう、だな。幼児でも一緒に行けば面目は立つな」

上条「浜面が『フレメアのプレゼントにする』って調べてたから、一緒に行けばきっと!」

オティヌス「最悪通報されるな!もしくは私服警官にマークされる!」

上条「……ホムセンでペット用ベッド、は、どう……?」

オティヌス「落とし所としては妥当だが……なぁ、疑問に思ったんだが」

上条「うん?」

オティヌス「借りにこうボア付きの買ったとしよう。サイズは大きいが、まぁキングサイズベッドと思えば悪くはない。そこまではな」

オティヌス「だがいざ寝ようとしたら毛玉が『新しいベッドありがとー』と、私をくわえて占拠するオチが見えるんだがな?」

上条「あー……」

オティヌス「どうだ?」

上条「そ、そこら辺はスフィンクスさんとよく話し合ってもらえれば」

オティヌス「――貴様憶えておけよ?グッチャグッチャにして借りは返すからな?」



−終−(※おくれてごめんなさい)

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