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Clock(trial)

絹旗「――『ARISAvs弩級のサメレギオン』……ッ!!!」 〜B級サメ映画の世界2022〜

 
――とあるセンター街

上条「――マジで!?ずっりぃぞお前だけそんな能力!

青ピ「ふっふっふっふ!今までのボクはバシン召喚!これから本当の戦いなんよ!」

上条「くっ!確かに俺もそんな能力あったら欲しいぜ!」

土御門「それ臥薪嘗胆だにゃー。バシン召喚すんのはソロモン王だにゃー」
(※ゲーティアの悪魔)

上条「おぉ土御門聞いてくれよ!青ピが新しい能力に目覚めたっんだってスゲーよな!」

土御門「あぁついにレベル5の?」

青ピ「その話はいいですやん?仮にそうだとしたら『知ってた』やし、そうやなかったら『ここまで引っ張っといて……』って言われるんよ?」

土御門「神様(※鎌池先生)だったら後者がそうだぜぃ。そして実際に伏線回収が決めるのはいつの日が」

上条「青ピの話なんてどうでもいい!そんなことよりも青ピの能力なんだよ!」

土御門「どっちだにゃー。そして何かこう情緒不安定な人になってるぜぃ」

青ピ「カミやんがボケに専念するとボクらの立ち位置的に困まっとぉね」

上条「最近気づいたんだ。ツッコミよりもボケの方がノドに優しいって」

青ピ「その分だけ誰かにしわ寄せが行っとぉよ。誰とは言わへんけどご当地アイドルとか」

上条「『RE○……歌姫、うん、いいよね』って、エラい遠い目で言ってたぞアリサさん」

青ピ「アレも映画公開直後の雑誌で、全部のネタバレになりそうなソシャゲー宣伝しとぉたわ。ええんかい」

土御門「そもそも向こうがカブってるとは夢にも思ってないんだにゃー。そんでどしたん?能力って今更かにゃー」

上条「青ピがスゲーんだよ!『読心(オープンセサミ)』の能力に目覚めたって!」

土御門「当て字おかしくないか?逆に分かりづらいだろ?」

青ピ「まぁまぁ言うてやるなよカミやん!土御門はボクの能力に嫉妬しとぉ!」

土御門「それが本当だったら俺も嫉妬するし、他の連中からもそう思われるにゃー――ホンモノなら、だけど」

上条「ホンモノ?」

土御門「どうせESPカード使ったマジックだろ?カミやんは騙されやすいんだゃー」

上条「いやそんなチャチなシロモノじゃない!ほぼリアルタイムで俺の心を当てて見せたんだよ!」

土御門「それは……マジだったら超凄いな。能力者的にもレベル5入りしてもおかしくない」

青ピ「信じてへん顔やね。やったらボクの能力見せてやるわ!――カミやん!悪いけど今からカミやんの心を読むわ!」

上条「おぅ!バッチこい!」

土御門「俺は?俺の心読むのが手っ取り早いと思うぜぃ?」

青ピ「それではカミやん君、あそこの、ほら横断歩道を歩いているJDっぽい女子が分かる?」

上条「あーいますね!」

青ピ「見えた!今カミやん君はこう思っとぉ――『あの人おっぱ×大きいですね!』って……ッ!!!」

上条「――正解!先生は何でもマルッとお見通しだな!」

土御門「茶番だにゃー。まぁ確かに合ってるっちゃ合ってるけど、それうん、なんつーかな、男って種族のサガっていうか」

青ピ「信じてないな!ならば次!コンビニ前の日陰で誰かを待ってるJKを見たまえ!」

上条「あぁいるな!」

青ピ「見えた!今カミやん君はこう思っとぉ――『あ、ブラちょっと透けてるラッキー』ってな……ッ!!!」

上条「な、なんてことだ……!?青ピはなんて残酷な能力に目覚めちまったんだよ……!」

土御門「今日本で一番無駄に字数を使ってんのは間違いなくお前らだにゃー。次点でツイッターでハッシュ盛り盛りで声闘してるアホども」

上条「お前青ピ先生を疑うっていうのかよ!?ここまで完璧に当てられる人なんでいないんだからな!?」

土御門「そうだけどもそうじゃないにゃー。つーか多分俺でも同じことが出来るんだにゃー」

上条「やってみろや!」

土御門「これ、ねーちんの新衣装。白ビキニなんだが――」 ピッ

土御門「カミやんは今こう思ってる――『神裂もうエ×要員で良くね?』ってにゃー……ッ!!!」

上条「お」

土御門「お?」

上条「お、俺はサトラ○だったのか……ッ!?道理で人から騙されることが多いと思った……!」

土御門「それ言うんだったら野郎は全員そうだにゃー。リビドーという名の重力の井戸に魂を引き寄せられているんだにゃー」

青ピ「有史以前から現在、そしてこれからもずっとそうであろう命題やんね」

上条「女子は?」

土御門「基本的にはマウント取りだにゃー。あと陰口と陰湿なイジメ」

上条「ち、違うもん!きっと何かスイーツのことで盛り上がってるに決まってるもん!」

土御門「言ってやれ、青ピ」

青ピ「そやんね!そうに決まっとぉ!」

土御門「そうじゃねぇよ。つーか今日は俺がツッコミの日か」

上条「そ、それ以上近づくな!俺の癖(へき)を開示してたまるか!」

土御門「それ誰でも知ってる。ウちの学校に関しては80%越えてる」

土御門「てかどしたカミやん?今日は絶好調だにゃー?」

上条「こんなところにいられるか!俺は先にカラオケ屋で席取っておく!」

土御門「優しさが前面に出てるにゃー?てか別に三人そろってんだから直で行けば良くね?」

青ピ「――てぇカミやん!?前見ぃ!車――」

上条「――――――え?」

キキィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!!!

上条「……ってセーフだった!

絹旗「――と、気が緩んでいる所へ最愛ちゃんパンチです」 ドボスッ!!!

上条「そげぶっ!?」



――どこか

上条「………………?」

上条「どこだここ……?手術室、にしちゃ何か暗い……?」

上条「てか全身が、鉛のように重い……なんで?」

???「――研究員A。被験体の様子は超どうなってますか?」

研究員A「えーっと、まぁ元気かな?心はまだ大丈夫だと思うよ、まだね」

上条「ちょっとぐらい隠す努力をしてくれませんかねコノヤローども。ほぼ完璧に誰が主犯で何の目的で拘束されているのか理解したわ」

???「超心外ですね。我々は事故で命を落とすはずだったあなたを超助けたっていうのに!」

上条「じゃあ俺のこの横隔膜の痛みはなんなの?誰かに全力腹パンされたかのような痛みは?」

???「あぁそれはですね、研究員Aが」

研究員A「いやしてないよ!?あたしレッサーちゃんにだって暴力振るったことないんだからね!?」

上条「そしてアリサに殴られてもダメージが通らないんじゃないかと。ATK値低いわ」

???「ようこそ、我らの超ラボへ。あなたが次に目を覚ましたときには、怪人として生まれ変わっているのです」

上条「――やめろお前ら!絶対にやめろよ!?絶対だからにな!?」

上条「俺はダサくなったR○よりもシャドームー○派なんだ!だからこう、分かるなっ!?あの孤高の生き方に憧れるっていうか!」

???「そんな嫌がってないのが超キモいですけど」

研究員A「令和の時代に昭和ライダ○の話をされても……」

上条「できれば万能タイプがいいな!特化型はロマンがあるし流行りっちゃ流行りだけど、主人公としてのプライドってもんが!」

研究員A「なれるかな主人公?ここで嬉々としてる時点で資格に欠けるような気がするよ」

???「いえその、超恐縮なんですが、体質的にバッタDNAは合致しないとの報告が」

上条「じゃあ帰してくれよ。俺である必然性が益々ないだろ」

???「超候補としてはウニ、ヒトデ、テヅルモヅル、ナマコぐらいですかね」

上条「ほぼ棘皮動物一択か。俺どれだけ脊椎動物から嫌われてんだ」

???「オススメはナマコです。いざってときにはキュビエ器官を発射して相手をビビらす異能力が」

上条「あれ内臓だからな?しかも肛門からぶっぱするって超荒技なんだぞ?」

???「脊椎動物では何か『HAMADURA』って超書いてありますけど」

上条「あの子は人間だぞ!俺に悪魔合体したところで野暮ったいにーちゃんが出てくるだけだ!?」

???「というかあなたの存在自体が浜面の1Pキャラ説が」

上条「俺を選ぶときにスタートボタン押すと浜面になんの?」

???「特に希望がないんでしたら、超オマカセになりますがどうしましょう?トゲアリトゲナシトゲトゲとか」

上条「やめて助けて!?どうせだったらみんなに愛される怪人になりたいの!」

研究員A「怪人になった時点で愛されないんじゃないかな。ふなっし○さんぐらいで」

上条「ふなっし○さんは怪人じゃねぇよ!梨の妖精界から来たご当地キャラだよ!」

???「いつかスタッフが不祥事起こして超消えそうですけどね。では、手術入りまーす」

上条「やめろお前ら!特に研究員Aはそんなことするような子じゃなかった筈だ!」

研究員A「当麻君が犠牲になればあたしは助かるんだよ……?」

上条「危ないアリサ!監督とレッサーに毒されて面白い性格になってる!」



――VRスタジオ

絹旗(???)「くっくっくっく……!超完成しましたよ研究員改めARISAさん!我らの科学を結集した怪人が!」

鳴護(研究員A)「ごめんね当麻君?」

絹旗「さぁ超出てきなさい怪人2号!あなたの力で恐怖のズンドコへ超落とすのです!」

上条(※サメスーツ二号機装備)「――殺せよ。もう殺してくれよ」→

鳴護「い、いいんじゃないかな!前のに比べれば格段に進化したと言わざるを得ないよ!」
(※制作時間400分程。今にして思えばクソ暑いクーラーのない灼熱の部屋で、こんもん作ってたからノーパソさんが調子悪くした可能性)

上条「うん、正直着心地は悪くない。暑そうに見えるが中は扇風機が回ってて快適なのが怖いぐらいだ」

絹旗「超お疲れさまです。ここまで来ればお分かりかと思いますが、本日の企画は『サメマラソン2020年』となっております」

鳴護「頑張っていこう!SAN値を大切にね!」

上条「あぁうん、ここまで来たらもうどうせ逃げられないだろうし、俺も観念してっからいいとは思うし」

上条「そして何よりも『ちょっと面白いな』って思ってる自分がいるんだ……ッ!カルト映画に対して!」

鳴護「当麻君、あなた疲れてるんだね」

絹旗「人を超カルト映画マニアみたいに言わないでください。好きなのは否定しませんけど、『Thor 〜God of Thunde○〜』とかもきちんとチェックしてますからね?」

鳴護「アメコミの映画だっけ?」

絹旗「――をパクった偽映画です。主人公がハゲ・ヒゲ・巨漢と『お前絶対悪役だろ』って超人相の悪いオッサンが、ミョルニルを模したハンマー持って襲い掛かります」

鳴護「どう聞いてもカルト映画なんだけど……」

絹旗「それだけではありません。実話を元にしたKidnap映画とも超見ますし?」
(※Kidnap=児童誘拐。ここ数年クライム系映画で誘拐系がやや豊作、ただし中身は陰鬱。啓発も兼ねていると思いますが)

上条「監督の情緒ぶっ壊れてるよな?まぁ全てが今更だとは思うが」

絹旗「前にも言いましたが、名作・秀作・凡作・駄作、その全てに目を通すのは映画ヲタの超義務と言えますが何か?」

鳴護「あの、当麻君?最愛ちゃんはとてもとてもドロォッとした目と笑顔で言ってるから、これ以上は、うん。何言っても平行線になると思うんだ」

上条「最初っからだわ。俺たちがこの長いサメ坂を登り始めたときからだわ」

絹旗「なお、私が超視聴したサメ映画の数が50を越えました」
(※jaw○やDeepBlu○などまともな映画も含め)

鳴護「SAN値チェックとかってしないの?一本見ると自動的に減ってるシステムなのかな?」

上条「監督の症状が進んだら魔道書なしでサメとか召喚してきそうだよな」

絹旗「諸問題に勘案し一年寝かせましたが、2021年のサメ映画は超傑作揃いです。一年間寝かせた甲斐があったというもの」

上条「もう嫌な予感しかしねぇ反面、どこかで楽しみにしてる俺がいるのは否定出来ない……!」

鳴護「お互いにまともな判断力を失いつつあるよね。非常に不本意ながら」

絹旗「では所定の位置に超ついて下さい。今回も総勢三名で役を持ち回ります」

上条「あれ……?前に入団トライアルで海原と青ピ合格しなかったっけ?」

絹旗「シャークスーツ一号機を着るのが嫌らしくて超逃げました。これだから最近の若いのは根性がなく」

鳴護「最愛ちゃんが尖りすぎてるだけだよ?」



――Take1

鳴護『……』 カリカリカリ

絹旗『Oh……超どうしたんだいアリサー?ネコのカリカリは人が食べるものじゃないですよ?』

鳴護『してないよ?これはスケッチブックに絵を描いてる擬音だよ?』

絹旗『もうすぐクリスマスなんですから、もっとこう彼女の一人でも連れてきたらどうですか。コミュ障なのも超いい加減にしないと』

鳴護『役だよね?あたしに対して言ってる訳じゃないんだよね?』

絹旗『親戚のジェニファーちゃんも遊びに来てますし――あとは超分かりますね?キメてキメるんですよ?』

鳴護『そういう映画ではないです。主旨がブレるんでゲスい台詞はそのぐらいにしてもらえませんか』

絹旗『もうアリサーは超根性がないですね。いつまでも絵ばっか描いて投稿してそのうちメジャーデビューすればいいじゃないですか!』 バタンッ

鳴護『カーブを効かせたツンデレかな?』

絹旗『なお今のバタンはバダ○ではなくてですね』

鳴護『だから出て行ってよ!?イマイチ親なのか姉妹なのか設定がフワッとしてるけど!?』

鳴護『あーぁ……つまらないなー。誰かと話すのは苦手だし……あ、そうだ』

鳴護『こんな怪物がいたらいいのにな。みんな食べられちゃえ――』 キュッキュッ

鳴護『――って後ろ向きだなこの主人公!?まぁサメ映画の導入なんてそんなものかも知れないけど!』

バタンッ

絹旗『――超大変ですアリサー!すぐに下まで降りてきなさい!』

鳴護『どうしたの?当麻君の姿が見えないけど、また同じ役?』

絹旗『三人で回してるんですから持ち回りに決まってるじゃないですか!そんなことよりも超早く下へ!』

鳴護『行くけど……だから何があったのかな?』

絹旗『サメですよ、サメ!超現れたんです!』

鳴護『サメ?いやここ、湖の側なんだけど』

絹旗『あーだからですね――見た方が超早いですね!窓から覗いてみてください』

鳴護『――ウソ!?何かサメの背ビレっぽいものが湖面を泳いでるよ!?』

絹旗『しかもそれだけじゃないです!超よく見てください!その先には、背ビレの先には何がっ!?』

鳴護『あ、あれはっ!?

絹旗『――背ビレにサンタさんの帽子が乗っかってるじゃないですか……ッ!!!』 クワッ

上条(※サメ)『サメーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!』



――

絹旗「はい、っていう訳で『Santa Jaw○』です」

鳴護「サンタって何?サンタ部分必要だったかな?ないよね?必然性もなにもないよね?」

絹旗「ですから私に言われても『知らねぇよ』以外の返答は超できないのですが」

上条「これどういう話?スクールカースト下位の子が虐められんの?」

絹旗「ではないです。ネタバレ的なサイトだったりファストっぽい動画のとばっちりを受けないためにも、細部どころか大筋も超違いますが。まぁメインはサメですので」

鳴護「サメも違うって言って……は、くれないんだね。出るんだサメ?サンタさんの帽子被って?」

絹旗「被って……背ビレの上にちょこんとついているのを被ってると称していいものか超迷いますよね。私もどうかと思います」

上条「このサメ、特殊能力かなんか持ってんの?サンタが使うような呪文使えたり?」

鳴護「サンタさんをモンスターみたいに言わないで」

絹旗「いえ超皆無です。主人公が現実逃避で描いたのが始まりですけど、サンタ帽を被ったのも『水辺にいたサンタコス酔っ払いを襲撃→たまたま被ってた帽子が引っかかる』ってだけで」

上条「雑なんだよ。サメ映画全般にいえることだがアレもコレも全てが雑すぎるんだよ!」

鳴護「サンタなのに小粋なサンタ帽以外はサンタ要素皆無なんだよね!それでもサンタ名乗れるんだったらタイトル詐欺じゃないかな!」

絹旗「所詮はサメ映画ですので超こんなもんかと。極々極めて稀に『おっ、やるな』ってのがない訳ではないですが」

鳴護「……最愛ちゃんが見たサメ映画50本中で言うと……?」

絹旗「Jaw○とDeepBlu○ですね」

上条「B級サメ映画関係ないんですがコノヤロー」

絹旗「片や古典のパイオニア、もう片やはパニック映画のそこそこ名作。なのでゴミのような映画どもと比べるのは超失礼です」

鳴護「映画の出来で言えばそうかも知んないけど」

絹旗「この作品の総括といたしまして『サンタである必然性が皆無』と超締めくくりたいと思います」

上条「大体その台詞で片付くな!いつもいつもサメが襲撃かけてくる必然性がない訳だしな!」

絹旗「前にも言いましたが、これだけアホみたいにサメ映画が超流行った理由といたしましては以下の通りになっています」

【サメ映画のセオリー】
・サメは水の中に居るので描写しなくてもいい(=雑な作りでもある程度誤魔化せる)
・水辺が舞台なので適度に肌色率を高められる
・基本的に予備知識が一切不要、かつ人間ドラマも要らない

鳴護「分かりやすいのは分かりやすい、よね。納得するかは別にして」



――Take2

絹旗『町興しをしますよー!ウチの村のダム湖を利用してアクティビティで超捗りますねっ!』

鳴護『演技するときだけ最愛ちゃんのテンションが壊れてる。えーと、何をするのかな?』

絹旗『観光客を招いて何かこう超適当にボートに乗せればいいのでは?』

鳴護『子供騙しなのかな?』

絹旗『いいから乗りなさいボート!お仕事だと超割り切って!』

鳴護『もう昨日ぐらいから胃が痛いんですけど……これでいい?』 ザプンッ

上条(※サメ)『サメエェェェェェェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!』

鳴護『いやまぁそうだけども!水辺だしむしろこれ以外の展開なんてなかったけども!』



――Take3

絹旗『いやー……我が町の湖ではサメ被害が相次いでいますね。超何しかしないといけません』

鳴護『あ、あれ?今一回死んだ、よね?リセットされてるの?』

絹旗『何言ってるんですか!そんなことよりも退治してくださいよサメを!』

鳴護『専門の業者呼びなよ。あたしが何役なのかも分からないのに言われても』

上条(※サメ)『サメェェェェェェェェェェェェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!』

鳴護『出てくるの早いな!?面倒臭いのは分かるけども!』



――

鳴護「あの、監督?今のは何が……?」

絹旗「前者が『DamShark○』で後者が『SharkLak○』です」

上条「ほぼ同じだろコンセプト!?何かこう淡水域にサメが現れるってだけの!?」

絹旗「あぁいえいえ、それが中々超奥深くてですね。『DamShark○』の方は純粋なパニック映画なんですよ」

絹旗「主人公が女性警官、相方がガンマニアのご老人で。観光客が次々とサメの棲むダム湖へ突貫して喰われていくのを、何とか止めようっていう」

鳴護「封鎖すればいいんじゃないかな?どうして淡水域にサメがいるのかは分からないけど、被害が出た時点で止められるよね?だってお巡りさんなんだし?」

絹旗「まぁそこはそれサメですので。きっと彼らもまたサメに人生を狂わされた超被害者と言えるでしょうか――」

上条「喰われてんだよ物理的に。フィクションの世界とはいえな」

絹旗「とにかく適度に被害者が量産されていくため、頭を使いたくない方にはいいかも知れません。設定が超アバウトですが」

鳴護「あぁじゃあもう一本も同じ感じで?」

絹旗「どちらもコンセプトは『狭い場所でサメ』の筈なんですが、『SharkLak○』は割とよく出来ていまして」

絹旗「こちらもまた主人公は警察官の女性、シングルマザーなのですが……終盤の展開は『これ、本当にサメ映画か?』ってぐらいにマジです」

絹旗「……話の展開は雑で無理矢理感が否めませんが、相手がゴミ映画だと思っていたら超意表を突かれるぐらいの内容だった、とだけ」

上条「おぉ……監督が珍しく誉めてる……!」

絹旗「むしろ超まともすぎてサメ映画ではないかもしれません」

鳴護「いや、その理屈はおかしい」

絹旗「最近……えぇまぁ面白くないので取り上げませんけど、サメ業界も超多様性に溢れてきまして」

上条「好き勝手してない?だって二個前の映画はサンタ帽子装備しただけのサメが出てたんだよな?」

絹旗「ではなく超硬派な海洋パニックモノってありますよね?マリンレジャーでボートが停まったり、事故で沖に流されたりって感じの」
(※『SharkSeaso○』と『SharkBai○』。サバイバルモノでかなり真面目……面白いかは別にして)

絹旗「それらの映画もまたサメが登場人物を超襲うのですが、果たして本当にサメ映画として分類していいんでしょうか、という議論が」

鳴護「ダメな理由ってあるかな?トンデモなサメが出て来ないからってサメ映画って訳じゃなくない?」

絹旗「詳しい議論は後世へと委ねたいと思いますが、私はダメ映画こそがサメに相応しいと思っています」

上条「謝って!多分真面目作ってるサメ映画スタッフの人に謝って!さぁ早く!」

鳴護「残念だけど少ないと思うよ?だってもしあたしの事務所に『SantaShar○』って脚本持ち込んでこられたら、『あ、ふざけてるんだな』って思うし」

絹旗「企画書の段階からまず超ふざけてますからね。逆にダメさ加減が物悲しいと言いますか、浜面と同じで『何のために生まれて、何のために死ぬのか?』という命題を感じます」

上条「浜面だってカノジョ出来たんだからな!俺と違って帰れる場所があるんだ!」

鳴護「そんな人生のテーマみたいな話じゃない。ただのサメだから」



――Tske4

絹旗『おぉ……アリッサよ。私の声が聞こえますか……?今心の声ではなく、超直接呼びかけています』

鳴護『人をサイレントがヒルするヤツで酷い目に遭う主人公っぽい名前で呼ばないでください』

鳴護『あと直接呼びかけてるんだったら、別に断り入れる必要性がないんじゃ?普通に話しかけてるってことですよね?』

絹旗『知っているとは思いますが、私は超神です。この世の全てを司る神なのです』

鳴護『あぁうんまぁ、そんな設定なんだろうけど』

絹旗『この世界は悪徳に満ち溢れてしまっています。朝からパチンコ屋の新台に並ぶ浜面、代打ちで小銭を稼ぐ浜面、バイト先でケンカをして2日で辞めてくる浜面。とても嘆かわしいと超言わざるを得ません』

鳴護『一人だけです。あと別に許してあげてください』

絹旗『なので洪水で全てを超押し流し、初期化することにしました』

鳴護『解決方法雑だな!?そこまでする必要性がどこに!?』

絹旗『これは旧約聖書のお話ですから。あまりこうツッコまれてもメントに超困ります』

鳴護『映画になってんだから別に今更じゃ……』

鳴護『てかこれってもしかして?あたしでも知ってるようなメジャーなアレじゃないの?』

絹旗『えぇそうです。全知全能の神の癖に被創造物が制御出来ずムシャクシャしてリセットするので、あなたは箱舟を作って動物達と避難してください』

鳴護『言い方。レッサーちゃん言いそう』

……

鳴護『――よし!頑張って箱舟作ったよ!あとは動物さん達を船に乗せるだけだね!』

上条(※羊)『メェー、メメェー』

鳴護『ここはCGでよくないかな?……あぁまぁ羊さんはいいよね。乗ってください』

上条(※犬)『ワンッ!ワフーッ!』

鳴護『犬さんは絶対に入れたいよ。猫さんとセットで自主的に持ち込みたいぐらいで』

上条(※ハリネズミ)『ワン・ツー・マージック!!!』

鳴護『ハリネズミはそんな気持ち悪い鳴き方しない。あと誰が『怪盗セイントテー○のお供のペットはハリネズミだったね』って分かるのかな?相当前のアニメだよ?』

上条(※カツオノエボシ)『ぐ……ぐぐっ!』 ベタベタ

鳴護『クラゲはいいよ乗らなくても!?発声器官がないんだから無理しないで!』

鳴護『あー……これで全部かな?あとは大体コンプリートしたし。リンダキュー○か』

上条(※サメ)『サメ、サーメ?』

鳴護『あぁごめんね?あなたはダメだよ、悪い生き物だからね』

上条(※サメ)『サメッ!サメッサメッ!』

鳴護『なんて言ってもダメです!神様が言ってたし!』

上条(※サメ)『……ビリビリと付き合ってるってSNSに書き込む……』 ボソッ

鳴護『サメはそんなみみっちい脅迫はしない。あとそれもう既に散々言われてるからね!』

上条(※サメ)『サメーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!』

〜数千年後〜

絹旗『――先生、これが遺跡から発掘された木片です。超価値がありそうな感じですか?』

鳴護『うーん、どうだろうねぇ?学術的な価値があるといいんだけどねー』

絹旗『ですね。でもちょっと超問題があるって話で』

鳴護『問題?所有権でモメてるとか?』

絹旗『いえ、これの以前の持ち主たちがことごとくサメに喰い殺されてるだけです』

鳴護『返してきなさい!もしくは神父さんか怪談おじさん二号に祓ってもらって!』



――

絹旗「はい。『Noah'sShar○』でしたー。直訳すると『ノアのサメ』」

鳴護「基本的におかしな所しかないね!てかこのイジリ方でキレないんだ!?」

絹旗「神様を超否定してはなかったですからね。悪いのはサメの自業自得で船に乗れず、現代まで逆恨み的なアレですし」

上条「俺がサメ以外に出番貰えたのは嬉しいが、カツオノエボシいらなかったろ。水棲生物が乗ろうとする時点で間違いだわ」

鳴護「袖で『あーつれーわー、出番欲しいのにサメしかやれない自分が憎いわー』っていってたせいだと思う……」

上条「まさか着ぐるみもCGもなしでさせられるとは思わなかったぜ!」

絹旗「いやでもこれは超凄いですよ?まさかノアの箱舟伝説とサメ映画をミックスさせるだなんて、そんな発想は絶対にしないですからね?」

鳴護「ミックスしてるのかな?さっきのサンタみたいに出オチ100%じゃないの?」

絹旗「映画のオチに関わるので超詳細は言えませんが、まぁそうですけど何か?出オチですよ?」

上条「こいつ開き直った……!」

絹旗「割かし真面目に言いますけど、記憶に残ったもん勝ちなんですよ。毎年数百・数千と映画が封切られる中、如何に目立って注目を得るのかが超大事です」

鳴護「広告を打てばいいんじゃないですか?」

絹旗「それは超大手だけですね。ネットフリック○やディズニ○とタイアップしたとこ何かはいいでしょうが……」

上条「『そもそも潤沢な資金があるんだったらサメ映画なんて撮らねぇよ』説……ッ!」

絹旗「超いいこと言いましたね!」

鳴護「映画業界の闇を垣間見るよね」

上条「『社会問題を提起する啓発映画を撮る時間と予算があったら救える人はそこそこいる』説……ッ!」

絹旗「本当に問題だったら司法、もしくは立法府の人間になるのが超最適解なんですがね。映画ばっかり撮ってると行政の仕組みを忘れるのでしょうか?」

鳴護「二人ともいい加減にしようか?

絹旗「なおこの映画は2021年公開のものであり、ダメサメ映画超豊作の一つです」

上条「このレベルがまだ残ってるだなんで胃が痛いぜ!もしくは俺の喉がツッコミで潰れるか勝負だ!」

鳴護「勝ち筋が、ない」



――

チャーチャーチャチャチャッチャー、チャチャチャッチャチャ♪

上条「――はい皆さんおはようございます!急遽始まった『朝までとあテレビ』!司会進行の上条です!」

絹旗「映画評論家(×技能)の絹旗です。超どうも」
(※”ドラゴンハー○RPG バツ技能”でググってみよう)

上条「新型コロナに国際情勢も不透明!そして何よりも続く異常気象!私たちを取り巻く環境は安心出来るとはとても言えませんね!」

絹旗「まぁ大体あの国とあの国とあの国とあの国の仕業ですけどね。ユーラシア大陸の超癌細胞」

上条「そんな中でもより良い未来のために話し合わなくてはいけません!この分断を乗り越えてね!」

絹旗「分断って言葉自体が超恣意的ですけどね。そもそも言論の自由と多様性がある以上、考えの相違は当然ある訳ですし」

上条「では今日も朝までノンストップとあるテレビ!本日のお題は――」

絹旗「『ARISAをマジギレさせるには?』です」

鳴護「待って?何か二人で面白そうなの始めたと思ったら、全然面白くなかったよ?てか何やってるのかな?お題はあたし?」

上条「『LIVEの前座を本人にやらせる』」

鳴護「ワンマンショーだよね?ファンの子たちは喜んでくれるだろうけど、負担的にあたしが重くならないかな?」

上条「だって、だってARISAのファンって俺が出た瞬間にブーイングと帰れコールが起きるんだもんっ!酷くないかなっ!?」

絹旗「超寄生プレイしてると思われてんじゃないでしょうか。もしくは恋人とか」

上条「失礼な!?どこに出したって恥ずかしくないD×だぞこっちは!?」

鳴護「もうその時点で恥ずかしいよ」

絹旗「やーい、浜面以下−」

上条「表出ろゴラアァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?俺は新台入荷の日だって学校行ってんだぞ!?」

絹旗「それが超普通です」

鳴護「えぇと……ウチの子たちが多大なご迷惑をおかけしたのは、大変申し訳なく……」

上条「あ、大丈夫大丈夫。『これはこれでオイシイね☆ 」って最近は思えるようになってきたから」

鳴護「どうして芸人根性なの?出ちゃいけないところでポジティブさを発揮してるよね?」

絹旗「『ARISAと書くのを全部MARISA』にする」

鳴護「いやいやいやいや。魔理○ちゃん好きだけど、そこをイジられても適切なリアクションはとれない」

上条「一回……うん、一回だけお着替えしてみようか?アリサの魔女服装備似合うと思うんだよ。もう少しでハロウィンイベントもあるし!」

上条「佐天さん呼んで来て2Pカラー巫女さんさせるから!きっと似合うから!」

鳴護「たまにこう当麻君のジトッした所出るよね?」

絹旗「なんだかんだで超息の長いコンテンツですからね。『原作読んでんのか?』というのも常に言われてはいますけど」

上条「『事務所が”24時間ドッキリしますから”と告知しておきながら、何もせずに観察する』」

鳴護「イタいなそれ!?あたしがビクビクしながら理不尽な日常にツッコむだけだね!」

絹旗「超いいですね!疑心暗鬼になる姿なんて爆笑必至ですよ!」

鳴護「監督監督、邪悪な企画はいいですから、その本題の方を……」

上条「父さんは俺へこう言った――『しず○ちゃんは”のび○さんエッチ!”とは言うが、”出ていって!”とは言っていない……分かるね当麻?そういうことだよ?』ってね……!」

鳴護「そんな話は一切してなかった。しょーもなさ加減ではサメマラソンに勝るとも劣らないよ」

絹旗「その英才教育のたまものでアホが拡大再生産されるんですね。世の中の超無情さを垣間見ました」

上条「父さんは俺へこう言った――『”まだ変身を二回残しているんです”と言われたらチャンスだと思え。何故ならばその二回の内、一回はデレる可能性があるのだから』ってね……!」

鳴護「当麻君のお父さんは変身タイプの宇宙人と戦ってたのかな?」

絹旗「悟○さんよりも超ポジティブですよね」

上条「父さんは俺へこう言った――『”二兎を追う者は一兎をも得ず”――つまり、ハーレム要員は三人以上って事だ』ってね……!」

鳴護「最愛ちゃん、この名言シリーズ結構面白いから全部聞く?音速○さんの話を聞いてる感じで」

絹旗「ご陽気なオッサンが毎日こんなことばっか考えてると思うと、それはそれで超切ないですよね」

上条「『ARISAの代わりにサモエドを置いておいたら何人気づくかやってみよう』」

鳴護「あ、あれ?あたしをマジギレさせる企画案に戻ってる?」

絹旗「代役がデカい白い犬って超どうなんでしょうか。誉められてるのか貶されてるのか微妙なところですが」

上条「てゆうか現実逃避してないでマラソン再開しようぜ!俺たちがどれだけ逃げても追いかけてくるんだから!」

鳴護「現実逃避したくなる気持ちは分かるよ。でもあたしをイジるのはよくないと思います」

絹旗「そしてサメ役の方はほぼサメ専業なので、アクターさんの超負担は女子二人だけですからね。あんまり被害者ぶらないでください」

上条「だったら変るかコラ?このサメスーツ着て、お前らが演技している間に俺はずっと虚無のままスタンバってんだぞ?」

絹旗「サイズがちょっとアレなので。超残念ですね」

鳴護「どう見たってフリーサイズだと思うんだけど……」

上条「あと俺の出番を増やしてやってください。台詞ずっとサメサメしか言ってねぇんだわ」

鳴護「当麻君にあたしの苦しみは分からないよ。サメスーツが近づいて来るだけでもう笑いそうになるんだからね」



――Take5

上条『ねーねーアリサー?次の休みにどこ行くー?思い切って旅行しちゃうー?』

鳴護『また配役思い切ってきたな!?ブリジットちゃん的なアレなのか、ただ単に女の子の演技なのか判断に困るよ!?』

絹旗『超邪魔です。どいてださい』 ドンッ

上条『キャッ!?』 ドポーンッ

鳴護『清々しいまでのイジメだよね。制服のママプールへインしたみたいだけど大丈夫?』

上条『――おらテメーかかって来いよ!やったんぞゴラアァッ!?』

鳴護『主人公はそんな事言わない。あと即座にキレ散らかすような性格だったらイジメに遭ってない』

上条『良かったら南米にバカンスしようよ!スクーバとかいいじゃない!』

鳴護『そのセレブ的な発言がイジメの原因じゃ……?』
(※アメリカの公立学校は人種差別撤廃の名目のガチャ式なのでレベルの差が非常に激しい。進学校と地域最底辺校の生徒がゴッチャになるため、出来る限り私立へ入れようとする)

……

上条『――ここが南米の地底湖の入り口だって!素敵よね!』

鳴護『監督監督、あたしが悪かったですからキャスティング戻してくれません?気持ち悪いのもそうなんですけど、当麻君の目が「もう殺してくれよ」って訴えているんです』

上条『中には湖に沈んだマヤの遺跡も見られるんだって!』

鳴護『あぁそれはちょっと楽しみだね。何かもうフラグを高く高く積み上げてそうな気がするけど』

上条『でもこの地底湖は陥没した穴の中だから、しっかりとロープを結んだ上で入らないといけないわ!』

鳴護『ねぇそんな危険地帯へ少人数で入るのかな?誰か一人ぐらい上に残すよね?安全面に不安があるし?』

上条『べ、別にアリサの安全のためなんかじゃないんだからねっ!?』

鳴護『方向性に迷走しだした。なんかちょっと最終的にはどうなるのか楽しくなってきたよ』

上条『それじゃーボンベは持ったし、道具もバッチリ!さぁ――行こうか!』

絹旗(※白いサメ)『サメーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!』

鳴護『地底湖の中にサメが!?いやまぁサメ映画なんだから出るだろうけど!?』



――

絹旗(※白いサメスーツ)「――はい、『47MetersDownUncage○』でしたー」

鳴護「視覚の暴力かな?情報量が多すぎて頭の中に入ってこない」

絹旗「サメスーツの中がひんやりと温度調整されてて、意外と超快適なんですよね」

上条「監督、役変えろとは言ったがあんまりじゃないっすかね」

絹旗「元役が女子だったので、まぁ超必然的に?男女や民族を変えるだけで炎上する世界ですからねぇ」

鳴護「その言い分だと女子を男子が演じても一悶着ありそうな……」

絹旗「という訳で遺跡+サメという超異色のサメ映画です。私も正直『この発想はなかった!』とやや驚きました」

鳴護「はい質問です。サメがなんで地底湖にいるんですか?」

絹旗「パニック映画だから、としか言いようはないのですが。超マジレスすると南米によく空いてる地底湖は石灰洞が沈下してものがありましてね」

絹旗「石灰洞、別名鍾乳洞は内部がスカスカになると同時に、侵食が進んで海にまで繋がるケースが超あります」

絹旗「そこから地底湖へ海水が流れ込み、汽水域でも生きられる生物が集うと。なのでサメがいる自体は超それほどおかしくはないです」

鳴護「……マヤの遺跡が沈んでるんだよね?ってことは誰かが調べたはずなのに地底湖ザメがいるんですか?」

絹旗「そこはそれ『超運が悪かったですね(笑)』と。大抵のホラー映画にいえることですけど」

上条「特に深い設定はないんだよな。知ってたわ」

絹旗「まぁ、映画としては超まずまずの評価だと思います。閉鎖空間から脱出と襲い掛かるサメという構図ですが、これが前作と同じなので目新しくはないそうで」

鳴護「前作?」

絹旗「えぇ、『47MetersDown』というコンセプト的には似たような映画が。サメ映画と言うのには超薄めですが」

上条「地底ザメに襲われんの?」

絹旗「いえ、ダイビング設定です。檻と一緒に海へ沈められて、サメが来るのを超鑑賞するダイビングツアーがあるんですよ」

上条「フラグだろそれ。現実世界でもサメの餌になるオチが見えてんぞ」

絹旗「はい、実際にもしばしば事故が起きるっちゃ起きるんですが……前作では檻を吊っていたワイヤーが切れ、主人公二人は海底に落下」

絹旗「しかも事前にサメが来るようにエサをバラまいていたため、一帯は超危険地帯になりつつ、ガイドが助けに来たと思ったらサメに食われて退場しつつ」

絹旗「下手に動いたもんだから現在位置を見失い、かつ相方が倒れた檻に足を挟まれるという超展開に」

鳴護「もう諦めるよね、それ?そこからの一発逆転はXメ○さんでも来ない限りは」

絹旗「私はそこそこ好きですけど、評価は超微妙です。『もうちょっと設定生かして……いや悪くないだけど』的な」

上条「ちょっと見たいな」

絹旗「それの一応続編というのが本作です。評価も酷似しており、『悪くはないんだけどね……』と濁されるような超点数をつけられています」

鳴護「どこでもサメ映画は持て余されるんだね。とてもよく分かるよ」

絹旗「なお余談ですが、この映画にはシルベスター=スタロー○とジェイミー=フォック○の娘さんが出演しております。あ、お二人の子ではなく超別々でお間違いなく?」

上条「ヤロー同士では無理だわ。てかシルベスタ○は分かるけど、もう一人は誰?」

絹旗「代表作がレイ=チャールズの半生を描いた作品の方です。もしくはスパイダーマ○でエレクト○やってた人」

上条「悪いが後の方が馴染みがある」

鳴護「演技はどうなのかなーと。やっぱりまずい感じ?」

絹旗「良くはなかったのですけど、悪くもなく超普通?私も映画見終わって関連情報を調べている際に『あぁあの子そうなんだ』ぐらいです」

絹旗「話題にならないこともなく、また多少取り上げられもしたんですが、映画の出来が超微妙すぎて逆に霞んでしまったような……」

上条「誉めるんだったら誉める!貶すんだったら貶す!メリハリをつけなさいよ!」

絹旗「登場人物が全員適度にブ×××。多分平均値に超合わせたんでしょうが」

鳴護「違う違う。暴言を吐けって言ったんじゃなくて」

絹旗「キャストがしっかりしててもコケるときは超コケますからねぇ。それを地雷として避けるのか、自ら踏みに行くかの違いでしかありません」

上条「地雷原へ進んでいったってその先には何もないと思うわ。ただただ時間の無駄以外は」

絹旗「くっくっくっく……!ダメサメ映画の知名度はそこそこ高いですが、ダメ映画ジャンル四天王はまだワニ・イカ・ピラニアの中の一つでしかなく……!」

上条「――行こう。ここはもうダメだ、サメに汚染されている」

鳴護「第二第三の最愛ちゃんが現れるんだよね」




――Take6

鳴護『いやーバカンスは楽しいな−。VR室入ってからずっと水着しか着てないからそろそろ肩が冷えるなー』

絹旗『――超大変ですアリサさん!ビーチにサメが!』

鳴護『まぁ出るよねそりゃサメ映画なんだから出なきゃおかしいよね』

絹旗『観光客が何人かケガをしたんです!とにかく超見に来てください!ケガをしたくなかったら!』

鳴護『あれこれ脅されるのかな?展開がおかしいよね?』

……

鳴護『あー……惨憺たる有様だけど、思ったよりも地獄地図ではなかったよね。致命傷を免れた人たちがそこそこ』

鳴護『あ、でもおかしくない?そんな大したケガでもないのにうずくまってる人が多いよ。どうしたの?』

絹旗『彼らは――サメの毒に超やられてしまったのです……!』

鳴護『なんて?』

絹旗『ビーチを襲った鮫は何かこう毒液をブッシャーしたんですよ!そのせいかケガをした人たちは超凶暴化して……!』

鳴護『いや、その理屈はおかしい』

絹旗『いけない!超逃げてください!サメ毒に侵された暴徒が!』

上条(※サメ毒患者)『サメエェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェぇぇぇっ!!!』

鳴護『襲ってくるのサメじゃなくてそっち!?』


――

絹旗「はい、こんな感じで『ToxicShar○』ですね。超直訳すれば『有毒ザメ』」

鳴護「あの……情緒がそろそろ追い付かなくなってきてます。このままだと泣いたり笑ったりできなくなりそうで……」

絹旗「超問題ありませんよ。私は全然平気ですからね」

鳴護「それはきっと耐性持ちだからだと思うよ。お願いだから監督の無駄な映画視聴量を一般人と同じと思わないでください」

絹旗「私なんか映画ヲタの中では超”薄い”方です。”濃い”人たちはアサイラ○とSyF○を聖地巡礼するそうですし?」
(※サメ映画を量産する映画会社)

鳴護「それはきっと信仰にまで昇華した人たちじゃないかな。シスターシャーク教団とかそういうの」

鳴護「……てか、毒?毒ってどういうこと?サメって毒あるの?」

絹旗「サメの生態に詳しいわけでないですけども、多分ないんじゃないでしょうか?海の生態系ピラミッドの頂点ではないとはいえ、基本的には上位者ですから」

鳴護「あー……毒持ってる生物は必ずしも上じゃないよね。蛇とかもよく食べられるんだっけ?「」

絹旗「クモもですね。素で超強い生物は小細工が要らないのです」

鳴護「でも……あるんだよね、毒?蛇とか同じで噛まれたらアウト?」

絹旗「ではないですね。アクターさん、お願いします」

上条(※トキシック・ザメスーツ装備)「おいっすー」 ヌタッ

鳴護「あの……最愛ちゃん?着ぐるみの上に、丁度頭部分に増設されてるツノのような物体は……?」

絹旗「総員超構え――撃ち方ぁ始め!」

上条(トキシック・ザメスーツ装備)「撃ちぃぃ方ぁぁ、はじめー!」 ブシャーッ

鳴護「サメじゃないなこれ!?あたしの知ってるサメとは別の生き物だよ!?」

鳴護「ツッコミどころは毒水鉄砲の位置とか飛び方とか色々あるけども!まず水中生物なのに一体誰と戦うのを想定してんのってことだよね!?」

絹旗「音声だけでお楽しみの方に超説明致しますと、丁度サメの頭頂部にペットボトルのようなものが装備されており、そこから霧状の毒を噴霧する仕組みです」

鳴護「位置おかしいよね!?そこだったら水中で使うとき確実に自分へかかっちゃうよね!?ブシャーってしたらさ!?」

絹旗「そして毒を受けると何故か凶暴化するんですよね。一体全体何のために毒を用いるようになったのでしょうか……!」

鳴護「アレだよ。きっと『毒吹くサメっていなかったよね?じゃあそれでいっかなー』みたいに制作が安易に決めたんだよ」

絹旗「アクターさんは何かありますか?」

上条(トキシック・ザメスーツ装備)「……宇宙戦艦ヤマ○のパロディだったのにツッコんでくれなかった……!」

鳴護「うるさいな!年代的にはそこそこ有名だけど関連あるとは誰も思ってないだけだよ!」

絹旗「なお映画としての出来は超そこそこです。適度に捕食しつつ毒を撒き散らすため、人はサメだけではなく解毒方法を探しつつ戦わなくてはならないと」

鳴護「多分誰しもが思っていることだけど、もうそれサメである必要性がないよね?薄々みんな気づいてても優しいから口に出さないだけで?」



――Take7

絹旗『サメだー、超サメが出ましたよー』

鳴護『えぇと……なんかもう慣れちゃったんだけど、サメの形は?何か特別な習性は?』

絹旗『大きめですね。超ぶっちゃけメガロドンかと推測されます』

鳴護『メガロドン?』

絹旗『古代に棲んでいたデカいサメです現代で一番大きいサメは6m、メガロドンは推定10〜16m』

鳴護『あぁうんそれがなんで?』

絹旗『さぁ?来ちゃったんだからしょうがないじゃないですか?』

鳴護『全てがチープすぎて引く、かな?』

上条(※サメ)『……』

絹旗『あぁほらサメ役が超落ち込んじゃったんじゃないですか』

鳴護『なんていうか、もう早くハケない?これ以上この映画は押し下げる要素を見出せないから』



――

絹旗「という訳で『JurassicShar○2』です。超曰く付きの映画の続編ですね」

鳴護「てかこれ前にやったよね?サメの作りから演者さんの棒演技に安いCGってダメ要素しかなかったヤツだよ!」

絹旗「レビューサイトでは『サメのいないサメ映画』、またダメ映画ワースト12位にランクインしてるという超報告もあるようです」

鳴護「あの……前これダメだったよね?凄い凄いダメ映画だったのに、なんで続編出ちゃったの?お金はどこから?」

絹旗「以前にも言いましたが『悪名は無名に勝る』の超典型ですね。『よしそんなにダメなんだったら見てみよう!』って物好きがそこそこいたらしく、目出度く”去年”新作公開となりました」

鳴護「……その結果がこれ?物語は勿論、CG以下全てが致命的なまでらクオリティが低いっていう?」

絹旗「『サメ映画にありがちな水着のおねーちゃん出せばいいと思ってんだろ?』と前作を扱き下ろされたので、えっと……増やしたようです、ね?」

鳴護「あの最愛ちゃんが言葉を濁すぐらいにコメントに困るってなに?」

絹旗「いやぁ、私はサメ映画好きですけども……金のない制作が超チャチいCGでお茶を濁すなんてのは超よくある話です」

絹旗「ですが――それはあくまでも限られた予算の中で泣く泣くやった結果であり、最初から超チャチなのを好き好んではまずしません。まずは、ですが」

上条「……あぁスタッフがやる気ねぇのな」

絹旗「何かそんな印象を受けましたね。出演者と水着のおねーちゃん一人減らした上、もっと脚本をまともに書けば超そこそこの映画になったと思われます」

絹旗「メガロドンにしたってそうですよ。前作は『昔の氷の中から出て来た』って設定があったのに、今作では超大した伏線ではなかったです」

鳴護「意外に最愛ちゃんが真っ当に映画論を語っているのでちょっと安心したよ」

絹旗「……ただですねー。あくまでも一部の人間が言い出してることなんですよ?超裏付けがある訳じゃないですからね?」

鳴護「何かあったの?」

絹旗「『メガロドンの呪い』という現象がですね」

鳴護「なんてピンポイントな呪い方を……!」

上条「つーかなんでだよ。なんでメガロドンさんが化けて出るんだよ」

絹旗「前作のジュラシックシャーク以降、メガロドンが登場するorタイトルに付くサメ映画が超ことごとく駄作に……!」

上条「それ名前関係ねぇわ。サメ映画は基本スベるところからがスタートなんだからな」

絹旗「何を言っているんですか!?中には超まともなサメ映画も無い事は無いんですよ!?大体50本に一本ですが!」

鳴護「監督監督、この企画の冒頭で『50本ぐらいサメ見たよ』って言ってませんでしたっけ?だとすると非常に残念な事実になるんですけど」

絹旗「じゃあ見てみましょうか!超証拠に去年公開された『MegalodonRisin○』がありますから!」



――Take8

絹旗『――大変ですよ大尉!某国の戦艦がメガロドンによって沈められました!』

鳴護『そっか……!メガロドンの被害はもうそこまで広がってるんだね、向こうの軍人さんとは話ができるのかな?』

絹旗『はい、回線を超繋ぎますね!』 ピッ

上条『――あー、もしもし?某国の司令官だが』

鳴護『この度は被害を出されたそうで』

上条『そんな被害などはない!我が国の軍事力をもってすればメガロドンなど恐るるに足りんわ!』 プツッ

鳴護『……切っちゃったねぇ』

絹旗『ですな。では我が国の上層部へ超打診してみては如何でしょうか?外交ルートを使った方が話が通じるかもしれません』

鳴護『そっちも望み薄じゃないかな。まぁでもそれじゃ繋いでもらえるかな?』

絹旗『アイサー』 ピッ

上条『――あー、もしもし?我が国のエライ人だが?』

鳴護『当麻君はもうちょっとお芝居頑張ろう?せめてキャラを使い分けるとか、努力をした痕跡ぐらいは見せようか?』

上条『あんな国に打診していられるか!放置しとけ放置!』 プツッ

鳴護『大丈夫かなこの世界?どう考えても政治的な案件なのに現場の人間が前拒否してるんだよ?』



――

絹旗「はい、さっきも言いましたが『MegalodonRisin○』ですが。ご感想は?」

鳴護「超つまんなさそう」

絹旗「はい、その通りです。超つまんないです。このダラッダラとした人間の駆け引きが終盤まで超ずっと続いてストレスになります」

絹旗「制作側はヒューマンドラマに主軸を超置いているらしく、まぁパッとしないなぁつまんないなぁ」

上条「そっちの映画としての出来はどうなんだ?国同士の緊迫した駆け引きがある、政治的な映画として見れば?」

絹旗「超逆に聞きます。デカいサメが体当たりで軍艦沈めていくだけの案件で、どうシリアスになれと?」

鳴護「あー……ギャグだよねぇ」

絹旗「CGを筆頭にクオリティはジュラシックよりも超上です。しかしながら映画の娯楽度はこちらの方が数段劣ります」

絹旗「『予算があるのに敢えてB級映画を撮った』のに対し、『わざわざサメ映画で政治ドラマを撮ろうとした』って超感じでしょうか」

鳴護「どっちつかず、って事かな?」

絹旗「ゴジ○ってありますよね?あれも作品によっては長々とオッサン達がダベってるのがあります、あるんですけども」

絹旗「ただ適度に怪獣が暴れ回って見せ場が超適度にあるんですよ。最後はそれなりに派手にやっつけられますし」

絹旗「ですがこの映画はオマケ程度に暴れるだけで、他はちょっとアレな女優のアップと棒演技しか頭に残りません。ダメ映画としても楽しめない」

上条「内容的にはサンタサメの方が楽しそうだよな。『アホか!?』ってツッコんでみられる分だけ」

鳴護「そんなことないよ、って言わなきゃいけないんだけど……あたしもそんな気がしないでもなく……!」



――Take9

鳴護『我々がサメ地獄に堕ちてからもうどれぐらい経ったのだろう……当麻君はサメとして生きていくのを決心したようだ――』

絹旗『はいそこレ××目でモノローグ入れない。てか別府温泉の観光スポット、超地獄巡りにありそうですよね。ワニ園がワニ地獄』

鳴護『その理屈だと最愛ちゃんはスニゲータ○亜種ってことになっちゃうよね。レアドロップ確定しそう』

絹旗『えーっとワンパターンで恐縮なんですけど、浜辺まで超来てもらえませんか?』

鳴護『まぁそうなるよね。ビーチで遊んでる人たちへ襲い掛かるのが導入部分だもんね』

絹旗『あ、そういうんじゃないです。サメの死骸が超打ち上げられていまして』

鳴護『そうなの?クジラみたいに台風でやられちゃったとか?』

絹旗『遠目にはお腹に食い千切られた痕がありました。同種のサメかオルカに超やられたんではないかと』

鳴護『あー……それじゃ放置するのもまずいよね。腐っちゃうし、最悪病気が出ちゃうかも』

……

絹旗『これがそのサメの死骸です』

上条(※サメ)『……』 グタッ

鳴護『そこはVRで良くないかな?当麻君もお仕事理断りなよ。なんでも受ければいいってもんじゃないから』

上条(※サメ)『……これは、これで……オイシイ……』 グタッ

鳴護『芸人さんかな?』

絹旗『それはそれで超立派ですがね。それでどうしますか?ここで解体して埋めます?』

鳴護『まずどこかに埋める場所を決めた方がいいんじゃないかな?割と大きめの固体だし、ビーチをいつまでも封鎖しておけないから移動優先でお願いします』

絹旗『超ラジャーです。取り敢えず動かし――』

上条(※サメ)『――サメーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!』 ガブッ

絹旗『痛っ!』 ボスッ!!

上条(※サメ)『おうふっ!?………………ごぽごぽごぽごぽごぽごぽごぽ……』

鳴護『あの……結構イイのがサメさんの横隔膜を強打しちゃったような……』

絹旗『心配だったら私をしてださいよ。本来であれば超大ケガなんですから』

鳴護『本来じゃないからね?だからだよ?』

上条(※サメ)『……サメッ、サメッ、サメッ!』 ズリッズリッズリッ

鳴護『ていうか死んでなかったんだね。元気に浜辺を沖へと戻っていくよ』

絹旗『生命の神秘ですね。あの状態で命があるのもそうですが、打ち上げられてから半日以上経って超窒息しててもおかしくないのに』

鳴護『最愛ちゃんは急いで病院行こうか?絶対ばい菌とか怖いしさ』

絹旗『……』

鳴護『なに?気分悪くなっちゃった?今すぐに救急車呼ぶ――』

絹旗『――サメェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!』 ガブッ

鳴護『なんだこの理不尽な展開!?』



――

絹旗「大体想像はつくでしょうが、『ZombieShar○』です」

絹旗「サメだけでも怖ろしいというのにゾンビ要素が加わったら恐怖は倍!いやむしろ相乗効果により数倍にまで跳ね上がるかも!」

上条「そんなポジティブなもんじゃねぇよ。カレーに何入れてもカレーの何かになるのと同じだわ」

鳴護「それはカレーに対して失礼じゃないかな……」

絹旗「徹頭徹尾アホに超徹しているため、ダメサメ映画の中でも上位へ入る面白さです。割と超オススメ」

絹旗「ただしCGがほぼ素人レベルですし、『お前いい加減服着ろよ』って常時水着を着せられている俳優さんが一人いますが、まぁそれは超お約束ですからね」

上条「てかこれゾンビである必然性ってあるか?感染して人があっぱーになるんだったら、毒サメとコンセプト同じじゃだろ?」

絹旗「ゾンビだから超違うに決まってるじゃないですか!首だけで泳ぎ回るんですよ!」

鳴護「ねぇ、サメってそういう生き物だったかな?人でもそうだけど、ヘッドだけで行動できる生物って中々ないよ?」

絹旗「超おかしいですね……?もっと拍手喝采されると思ったんですが……?」

鳴護「正直、ダメ作品が続いた中ではいいとは思うよ?思うんだけど……うん、やっぱりカレーはどこまでいってもカレーっていうか、ねっ?分かるよねっ?」

絹旗「つまりカレーと同程度に認知された、と?」

鳴護「例えが悪すぎたね。最初っから無理があったんだよ」



――Take10

絹旗『――所長。そろそろ超休まれては如何でしょうか?もう何日も休まれていませんし』

鳴護『んー、お休みが欲しいんだけどねぇ。今の研究の成果さえ出れば!パンデミックを抑えられるかもしれないんだよ!』

絹旗『少人数のプロジェクトで超放置状態ですし、大して期待はされてないのでは?』

鳴護『最愛ちゃんは空気を読もうか?演技って意味でもそうだしお芝居の意味でもそうだからね?』

絹旗『所長!サンプルのサメのウイルスが超検出されましたと報告が!』 ピッ

鳴護『未知の!?……やったよ!これで皆助かるかも!』

絹旗『そうですね!現場の研究員一人が噛まれて負傷しましたが、超些細なことですよねっ!』

鳴護『もっと早く言おうか?あたしのイメージが段々と悪くなってくんだからね?』

……

上条『いやー、すいませんっす。ご迷惑をおかけしましたっす!』

鳴護『当麻君の演技の引き出し狭いっていうか浅いっていうか……いやまぁいいよ。ケガが大したことないんだったら』

上条『あ、大丈夫っす。ケガは大したことないんすけど』

鳴護『けど?』

上条『何か人間見たら噛みつきたくなるっす!』

鳴護『誰かー!ショットガンもってきてー!』



――

絹旗「2021年公開の三大サメ映画問題作・その二の『VirusShar○』です」

鳴護「何かもう全てが浅いよね。最愛ちゃんに『所長』って呼ばれた瞬間に『あぁパンデミックものだな』って分かるっていうかさ」

上条「てか不謹慎だろこの映画!?よりにもよって新型コロナが一番酷かった21年って公開って正気か!?」

絹旗「しかも逆算するとその前年から制作を始めてない超間に合わないので、余計に業が深いんですよね」

鳴護「この後の展開は予想を裏切られる感じで?」

絹旗「いいえ全く全然これっぽっちも?サメが全長数十センチのぬいぐるみのため、超アップに耐えられずヒューマンドラマ()を主軸に話は進んでいきますが」

絹旗「主人公がそこら辺にいるおばちゃん、途中で華々しく死ぬ役が汚っさんでもう何かこう、えぇ……数多くのサメ映画の中でも下の方です」

上条「……監督でもキツい?」

絹旗「この映画を最初から最後まで見せられるのは時給200円未満じゃ超無理です」

鳴護「お金を貰ってでも見たくないって相当じゃ……」

絹旗「テーマが超不謹慎ですし、かつスタッフにやる気が全く感じられなかったりしますし。超正直撮ろうと思ったなと。調べたら恐らく事情はありそうですが……詳しく調べる時間も超勿体ないです」

鳴護「事情って……何か複雑だったりするの?」

絹旗「この映画とは全くの無関係ですが……クラウドファンディングを筆頭に募金で集められるじゃないですか?ただ集めた以上、一応は映画を撮らなくてはいけないと」

上条「逆に考えれば作っちまえば詐欺にはならない。映画の質はどうあれ、って話か?」

絹旗「ドイツじゃ企業の超節税策でそれやらかしましたからね。世知辛い現実の話でしたとさ」

鳴護「なんて可哀想なサメ映画……!」



――Take11

絹旗『――教授、超大変です』

鳴護『もう11本も再現やってると導入が雑になるよね!何かもう事前情報とか出せなくなるし!』

絹旗『面倒なので一々やってられない&超下手すれば訴訟のリスク抱えますからね。あらすじですらないですからね?やってる風ですが、勝手に意訳したり全然別の内容になっていますのでご了承下さい』
(※かなーり改変しています。「こんなサメ映画あるよ」ぐらいの軽い気持ちで)

鳴護『ま、まぁそこはレビューみたいな感じで流してほしい、かな?映画とかでもあるしね?』

絹旗『まぁ細けぇことはさておきまして、とにかく超大変なんですよ』

鳴護『いやあの、あんまり不吉なジョークはやめてくんないかな。今あたし達は飛行機に乗ってるんだから!もう一度言うけど今は空の上だからね!』

絹旗『超さりげない説明台詞超流石です。あぁいえ、それは分かってるんですけど。窓の外をご覧くださいな』

鳴護『えー、本当にやめてよー。グレムリンでも居たとかー?』

上条(※ゾンビ・ナチス兵を乗せて飛ぶ機械のサメ)『サメーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!』

鳴護『情報量が多すぎて頭に入って来ないよ!?何か当麻君が今日イチでイキイキとしてるなぁって感想ぐらいかな!』

絹旗『現実を見て下さい!超逃げますよ!』

……

鳴護『……どうしよう!復活したナチス軍がスカイ・シャークを操って世界各国で旅客機を襲っているよ!』

鳴護『……』

鳴護『いやいや!ツッコミどころは多いよね?なんでナチスなのとかなんでゾンビなのとかなんで空軍が出ないのとかなんでサメなのかとかあるでしょ!?普通は!?』

絹旗『こうなったら超やむを得ません――あの方に頼るしか……!』

鳴護『なお、本当の映画ではあたし達的な人は出ていません。ご注意下さい』

上条(※老人)『ほっほっほっほ……よく来たなすったなお嬢さん達』

鳴護『えーとこちらの方は?』

絹旗『科学者ですよ。超有名ではないですが、それには理由がありましてね』

上条『そうじゃとも。今、世界で悪さをしとるスカイ・シャーク。あれらを作ったのはワシなんじゃ……』

鳴護『まぁそうだと思った。年齢的にピッタリだし』

上条『あの狂った研究は総統の死と共に失われてた筈じゃったが……これは、ワシ自ら引導をくれてやらねばな……ッ!!!』 ヴイーンッ

絹旗『こ、この超巨大なサメ型戦艦は!?』

上条『ほっほっほっほ!こんなこともあろうかとワシがひそかに開発しとった新型のスカイ・シャークじゃよ!これがあれば連中なんぞ一網打尽じゃ!』

鳴護『あの……ちょっと疑問に思ったんですけど』

上条『なんじゃね。そこの異世界転生して逆ハー構築しそうな髪の色の子』

鳴護『ピンクだけども!本当は赤毛なんだけどそう見えるけども!』

鳴護『……いや、そうじゃなくておじいさんはこの兵器を作ってたんですよね?』

上条『そうじゃね。まさか日の目を見るとは思わなんかったが』

鳴護『じゃあ、もしナチスが復活しなかったら死蔵されてて……逆にこれが悪さに使われてるって可能性もあったんじゃ……?』

上条『――さっ!二人とも乗りたまえ!今からナチス野郎をギッタンギッタンにしちゃるわ!』

鳴護『おまわりさん、この人テロリスト予備軍です』

絹旗『あと単語のチョイスが超古いです。生でギッタンギッタンってオノマ初めて耳にしました』



――

絹旗「はい、SkyShark○ですね。超複数形です」

鳴護「何度も言ってるけど属性盛り過ぎじゃないかな?ゾンビでナチスで空飛ぶ機械のサメってなに!?この中の二つぐらいに絞った方が分かりやすいよ!?」

上条「そしてナチスを駆逐する元ナチスの科学者のじーちゃん、どう考えても『お前それなんかあったら使うつもりで作ってただろ』ってツッコミが……!」

絹旗「分かりやすい適役としてナチスはテッパンですからねぇ。『ゾンビになったナチス兵』って設定の映画そこそこありまして」

絹旗「私が知ってる中でもNaziZombi○1・2ZombieLak○とOverloa○とに名前忘れましたが、もう一本あった筈です。山岳遭難したらナチス兵が襲ってきたって内容の」
(※OverLoa○=アインズ浜面さんが出る方ではなく、同名のタイトルのゾンビ映画)

鳴護「死んでからも悪役……許してあげようよ。死んだらもう裁けないんじゃなかったっけ?」

絹旗「超分かりやすければいいんじゃないですかね?ナチス使えば基本的に抗議する人間もいないですし」

上条「何て言ったらいいのか、こうCGスゲーから技術の無駄遣いとしか思えない……!」

絹旗「ちなみにCGの出来はサメ映画と思えない程に超レベルが高く、潤沢な予算を遣って作られたと思われます」

鳴護「サメ映画とは思えないってどうかな?予算あってもいいんじゃない?」

上条「てかもうサメである必然性がないだろ。ほぼ全てのサメ映画にいえることだが」

絹旗「まぁまぁ映画的には超分かりやすくていいんですよ。どうせサメ映画を超好んで見る層はそこまで考えるのは期待していま んし?」

鳴護「最愛ちゃんも含まれることを忘れないで下さい」

上条「あと科学者のじーちゃんヤバくね?世界の軍隊すら歯が立たない相手へ無双すんのは、何かこう病んでる気がするんだよ」

絹旗「まさかの自演説もありっちゃありですね。ただそこまで超深く考える視聴者が皆無ってだけです」



――Take12

鳴護『ふうはははははー!できた!できたぞ!我々の長年追い求めていたものがついにね!』

絹旗『地獄のサメマラソンでARISAさんが超吹っ切れてきましたね。今だったらエ×円盤のオファーも二つ返事で受けそうです』

上条『ていうか本人気づいてないだけで、もう既に少しエ×いからな。気づいたら困るから誰も言わないだけで』

鳴護『水着のショットが入ってるのはそういう……!?』

絹旗『芸能活動については後で話すとして超やりましたね博士。おめでとうございます』

鳴護『うんっ!これで世界の医学は一つ上のステージに立てるよ!』

上条『――おぉっと!そこまでですぜ博士!』

絹旗『だ、誰ですか――うっ!?』 パーンッ

鳴護『助手さん!?あなたは一体――?』

上条『その研究全部、貰っていきますぜ?医学なんてクソみたいなもんに使われるよりは、俺たちが有効利用してやんよ!」 パーンッ

鳴護『きゃっ!?……な、なにを……?』

上条『決まってるだろ?人の脳に獣の体、これを組み合わせれば最強の存在ができる――』

上条『――そう、シャーケンシュタインがな……ッ!!!』

鳴護『ネーミングセンス悪っ!?』



――

絹旗「はい、『Sharkenstei○』ですね」

鳴護「サメ映画界は病んでるのかな?病みっていうか闇っていうか、どっちでも当たりだけど」

上条「なんでもパクればいいっていうもんでもないわ!?なんだよシャーケンシュタインって!?」

絹旗「シャーク+フランケンシュタインですね。超そのままです」

鳴護「だから怒られるよ?シェリー先生のご遺族にぶん殴られるからね?」

絹旗「超問題ありませんとも!中身は安いゴリラっぽいサメ人形が雑に動き回るだけですから!」

上条「映画的には厳しいだろ。その安い人形で視聴者に金取って見せてんだからな!」

鳴護「てかもうサメイヤだよ!クオリティが高いんだったらまぁまだ許せるんだけど、例外なくどれもこれも低いから!」

上条「すいません監督。俺もそろそろSAN値がゴリゴリ減ってるんで……」

絹旗「正直私も超疲れてきました。大して代わり映えがある訳でもなく、かといって面白くすらないですし」

鳴護「じゃあなんでやってるのかな?」

絹旗「なので次でサメマラソン2022年は終わりにしたいと超思います。21年公開のアホサメ映画三傑のトリとなりますが」

上条「やっと終わりが……!でも監督が認めるぐらいのアホ映画だから怖いは怖いぜ!」



――Take12

絹旗『――こちらです保安官。ここが例の殺人事件の超現場となっております』

鳴護『トウモロコシ畑か……うん、よくもまぁこんな場所でっていうぐらいの農地だよね』

絹旗『被害者は超日光浴中の女性で、凶器はサメの歯らしきものだと鑑識が』

鳴護『ちょっと鑑識官さん殴って来てもらえるかな?酔ったまま鑑定したか、犯人かの二択だよね?』

絹旗『えぇと私も疑ったんですけど、どうやら超正気のようでして。曰く、「サメの歯で人を襲った」とのことです』

鳴護『……こう、手でガブッと?』

絹旗『もしくは何か鉄製のトングみたいなものに嵌めるか、超油圧式の重機のようなものを使用したんじゃない、と』

鳴護『いやぁ……無理があるんじゃないかなぁ?非効率的すぎるし、どう考えても目立つでしょ?』

絹旗『だからトウモロコシ畑なのでは?森よりも周囲が見渡しにくいですし、大きめの凶器も隠れやすいっちゃ隠れやすいです』

鳴護『そっか、そういう考えもあるのか』

絹旗『あとはアレですね』

鳴護『うん、なに?』

絹旗『このトウモロコシ畑に、ホンモノのサメが超潜んでいるとかでしょうか……』

鳴護『陸だよね?そしてトウモロコシ畑だよね?サメさんが潜むにしたってもっといい場所ないかな?』

絹旗『保安官大変です!今屍体を超乗せた男が捕まったそうです!』

鳴護『え、やっぱりサメの歯型が?』

絹旗『それどころじゃないです!バラバラになって……!』

鳴護『うわー……よっし!それじゃ急いで現場に向おうよ!車回してきて!』

鳴護『――一体、この平和なトウモロコシ畑で何が起きてるっていうの……ッ!?』



――

絹旗「『Sharks of the Cor○』です。”トウモロコシ畑のサメ”」

鳴護「最後なんで頑張ってお芝居したんですけど、出オチだよね?てかタイトルだけが面白いだけの映画だよね?」

絹旗「ある意味超キラータイトルと言えますね?」

鳴護「ウルッサイな!?せめて、せめてもっとこう真面目な映画が来るのかと思ったら最後までダメなヤツじゃん!誉めるべき所がないってパターンの!」

絹旗「いえ実はこの後が超展開でしてしね。人間を生贄に捧げてサメ悪魔を召喚しようって企みが」

鳴護「浜辺でやろうって選択肢はなかったの?よりにもよってトウモロコシ畑でする?」

絹旗「予算……超足りなかったんでしょうね」

鳴護「予算?」

絹旗「えぇ。サメ映画の付きものとして『浜辺が舞台だから肌色率の高いおねーちゃんを出せる』ってテンプレがあったのを覚えてます?」

鳴護「今までの映画は大体そうだったからね」

絹旗「しかし女優さんのギャラを捻出できず、かつ大したSFXも入れられず、あぁそれじゃ最初っから陸でやろうぜトウモロコシ畑でいいじゃん、が正解かと」

鳴護「そんな中学生じゃないんだから……!」

絹旗「ちなみにこれ超オチは『復活した悪魔を狼男が巨石で撲殺する』です」

鳴護「……狼男って出てたっけ?あ、もしかして当麻君はそっち役で出るはずだったの?」

絹旗「いえ全く?今までそれっぽい伏線が一切なかったのに、狼男だかゴリラは通り魔のように一撃カマして去っていきます

上条「なにそれ超見たかった……!」

鳴護「あ、お疲れさまです。出番なかったね」

上条「最後なのに出番がなかった!むしろ良かったけど!」

絹旗「なお、詳しくヒアリングすれば日常会話ぐらいだったら何とかなるんですが、脳が二回以上見るのを拒否して無理でした。なので皆さん各自頑張って確かめて下さいね」

上条「他人様の大切な時間をドブに捨てさせようとすんな。一連のサメ映画見るぐらいだったら、ボケモ○覚えた方がなんぼかマシだわ!」

鳴護「あれ、マンガ版は結構熱いんだよね」

絹旗「ともあれ、サメマラソン2022はこれで終わりとなります。超ゴミのような映画の数々、どうかググって調べて下さい。十中八九後悔します」

鳴護「そこはオススメでいいんじゃないかな?パンドラの箱の中にだって希望が入ってんだからね?」

絹旗「オススメ……あぁ『Nop○』が超そこそこでした」

上条「そっちじゃねぇよ。サメ映画でだよ」

絹旗「去年はサメ映画の超当たり年(ゴミという意味で)でした。ですんで今年のサメ映画は大人しめ――」

絹旗「――と、思っていたんですが」

鳴護・上条「が?」

絹旗「Moon――おぉっとこれ以上は超言えませんね。今年公開の映画のネタバレはできないので来年にでも」

鳴護「月まで行ったの!?どういう映画!?」

上条「ヤベェちょっと知りたいその映画!とうせしょーもないんだろうがな!」

絹旗「あと何本か、具体的にはシャークキラ○とシャークエクソシス○と黙示録戦士シャー○はまぁ超来年にでも。それではまたー」

上条「おいお前最後なんつった!?幻魔大○みたいなのかなああっ!?」

鳴護「……お仕事、選べるといいなー……」

絹旗「あ、でしたらここに超全力で坂ダッシユするお仕事がですね」

鳴護「あれ規制対象だと思うよ?」


-終-

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