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Clock(trial)

絹旗「――『ARISAvs驚愕のサメ戦隊』……ッ!!!」 〜B級サメ映画の世界2021 〜

 
――オービット・ポータル芸能警備会社 倉庫

上条「あー……ム×レッドのスーツはどこに置けば?」

マネージャー「適当にお願いします。恐らくもう二度と日の目を見ないと思いますので」

上条「ちょっと形状は言えないけども、女神が転生するアレっぽいんだよな。人が修羅するアレ」

マネージャー「ちょっと詳しくは言えませんが、まぁ似ていますね。闇咲さんからのご要望ですので」

上条「てかゲコレッドないんですけど。もしかして会場に置き忘れてません?」

マネージャー「あのスーツは……アクターさんが文字通りお持ち帰りに……」

上条「どうするんだろう……?人型の着ぐるみを寮に置くのか……?」

マネージャー「大量の『いいね』が来るか、『合成だろ』のどちらかですよね」

上条「……どっちも時代だからなぁ。なんか佐天さんが『ビックフッドの最新映像が!』って盛り上がってた」

マネージャー「21世紀なのにまだそのネタ引っ張るんですか」

上条「『今まで見つかってないんだからどう考えても絶滅してるじゃねぇか!?』ってツッコミ待ちなんだと思う。現地も編集部も」

マネージャー「というか付き合わせてしまってすいませんね。今頃皆さんは打ち上げの最中でしょうに」

上条「あぁいやいいっすわ。俺殆どなんもステージやってませんし、せめて片付けぐらいはしないと」

マネージャー「名前は出せないんですが、リーダー命令で『アイツを裏方に回してできるだけ合流を遅らせろ』との指示がありまして」

上条「純粋な意味での嫌がらせ!?相変わらずシャットアウラに嫌われてんな俺!頑張れ俺!負けるな!」

マネージャー「まぁ社長は小学生並の情緒ですので、どうか大目に見て頂ければ……」

上条「俺は他人事じゃねぇんだよ、当事者なんだよ。アリサの手前、あんま強くは出ないけども。で、シャークレッドを閉って終わりか。この子はお持ち帰りされなかったのな」

マネージャー「直立するサメですからね。絹旗監督向けにやや小ぶりですが、可愛い要素は皆無ですから」

上条「あの子ならむしろ逆に喜んで――ってイタっ!?」

マネージャー「どうかしました?」

上条「いや……なんか指先が切れた、か?多分シャークレッドの歯かなんかに引っかかったんだと思う」

マネージャー「事務所に救急箱がありますから、そこで手当を」

上条「いや大丈夫ですよ、大したことないですし――って」 ジーッ

マネージャー「……着ぐるみを覗き込んでどうしました?」

上条「いや中に監督がインしてて怒って噛みついた――んじゃない、よし!いないな!自分で言ってて『可能性ゼロじゃねぇな』と怖かったが!」

マネージャー「流石にそれは運搬する段階で気づきます。監督もそこまで身を張って笑いは取らないと思います」

上条「世界のHAMADURA辺りにさせそうな気が……まぁいいか。会場行こうぜ、和○だっけ?」

マネージャー「はい。ですが上条さんだけ隣の漁○に置いてこいと」

上条「それ連れてくるなって言われてる?別の会場指定されるって、直で来るなって言われるよりも陰湿な・ん・だ・ゾ☆」

マネージャー「ARISAさんの喉の負担も考えますと、早々と合流してツッコミ役を果たしてほしいものですが」

上条「なんでだよ。お前らの事務所がさせてんじゃねぇか」

マネージャー「社長に闇咲さんに絹旗監督に姫神さん、この四人に挟まれて今頃テンパってらっしゃるのが目に浮かびますよね」

上条「隣のブース借り切ろうぜ!アリサのノドがやられるギリギリで――お前今姫神って言ったか?部外者だよね?」

マネージャー「折角ですので上条さんのおウチの方もお呼びしましょうか。無理難題を押しつけたペナルティとして、打ち上げ代は会長持ちですし」

上条「それはありがたいんだけど、俺の質問にまず答えてもらってだな」



――とある通学路 朝

姫神「おはよう上条君。昨日は打ち上げどうしたの?」

上条「なんで姫神が俺を差し置いて呼ばれてんのか分かんないけど、ちょっと色々あってな」

姫神「隣のブースから『めにゅーのはしからはしまで全部持ってくるんだよ……ッ!!!』ってインデックスさんっぽい声が」

上条「ドッペルゲンガーかな?もしくは『好きなもの食べていいよ!お支払いは会社持ちだから!』って言われて、覚醒モード入ったシスターさんでもいたんじゃねぇかな?」

姫神「明確な回答ありがとう。シャットアウラさんがお会計前で見事なDOGEZAを決めていた」

上条「まさかインデックスが本気出すと『あとは骨ぐらいしかないんですけど……』って店側が泣き入れてくるとは……」

姫神「その伝説の目撃者になりなかった。こっちはアリサさんが途中からスネた以外は平和?」

上条「全員ボケの中にツッコミが一人だからな!大変だったな!」

姫神「なお。ついたての上から例のツンツン頭が見ていたもよう」

上条「違うんだアリサ!これはきっと敵の能力者の攻撃なんだ……ッ!!!」

姫神「まぁ楽しかったからオーケー。でも次は事務所のみんなで参加したいよね」

上条「姫神さんは所属タレントではないが、まぁそうだな」

フレンダ「あ、あのっ。ごめん、ちょっといい訳ー?」

上条「よっしゃかかって来いや!今日はまだ大きなトラブルに巻き込まれてないから体力はあるぜ!」

姫神「一瞬で臨戦態勢に。そしてまだ登校中で準備段階なのにペース配分を間違えている」

フレンダ「”まだ”?いつもはもっとなんかあんの?」

上条「バス停留所でバス待ってたら看板がサーフィンラムでもう少しで死ぬところだった……!」

フレンダ「ちょっと何言ってるのか分からない訳だけど――はい、これっ!あたしの気持ちって訳!んじゃねっ!」 ダッ

上条「一瞬でハケて行った金髪さん」

姫神「おぉ上条当麻よ。通学路での本命チョコ……じゃ。ないよね。時期的にハロウィンが終わったばっかり」

上条「――よし!秒針の音はしないな!」

姫神「最初から爆弾だと決め打ちしているのが悲しい。そして最近の起爆装置ならばチクタク言わないんじゃないか説」

上条「てかなんかラッピングされた箱……?音は鉄っぽい……?」 カンカン

姫神「掌サイズのアルミ缶。あ。シュールストレミング爆弾かも」

上条「逆に嬉しいわ!?『アイツを驚かせるために――そうね!シュールストレミングをお見舞いしてやる訳!』って結論出す子いたらむしろ嬉しいわ!」

姫神「臭い以外は美味しいらしい。絶対に食べたくはないけど」

上条「アレをプレゼントされたら一体どうい意味があるんだろう……?まぁ開けてみよう」 バリッ

姫神「普通は女子からのプレゼントなんだし。もっと丁寧な扱いをしてほしい」

上条「ほぼ流れ作業だったがな!……あ、やっぱり缶だ。平べったくて、中には……なんだこれ?ドロップキャンディにしては色がキラキラしてる?」

姫神「……おぉ懐かしい。幼稚園の頃よく食べてた」

上条「これなに?甘い匂いすっけど食べ物?」

姫神「肝油。なんか子供には足りない栄養素を補給するとかなんとか」

上条「カンユ?」

姫神「うん。キモのアブラで肝油。サメとか魚の肝臓から昔は作ってたらしい」

上条「スゲーもん子供に食わせてたな!?……ん?サメ?」

姫神「それは多分戦後直後ぐらい。今では材料も変えて普通に美味しい――上条君?どうかしたの?」

上条「あぁいやなんでもないな。気のせいだと思うし」



――とある高校 昼休み

青ピ「おっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっつかーれさぁーーーん!待ちに待ったメシんで!吹寄に姫神もお弁当プリーズっ!?」

姫神「残念。私のお弁当は一人分」

青ピ「くっ!さりげなくお手製弁当をねだれば流れでくれるかと思ったボクの計画が!」

上条「怖くないか?『じゃ、じやあ仕方がないかな!』って女の子がいたらさ?」

青ピ「――可愛ければなんでも許せますやん!?」

上条「えっと、あの……青ピはダメだなー!そういうことばっか言ってるから彼女ができないんだぞ!」

土御門「上条名人、ウィークポイントを突かれて誤魔化しに入ったにゃー」

姫神「分かる。イケメンだったらなんでも許されるのと一緒」

青ピ「なんやかんや言うても真理はそこなんや――だがしかし!吹寄は!吹寄はんやったらボクのフリに応えてくれるはずや……ッ!」

吹寄「ほら、上条当麻」 ゴトッ

上条「え、俺に弁当!?」

青ピ「――なぁ土御門。未成年の犯罪ってまだ軽めやんね?」

土御門「そんなことないにゃー。最近は厳罰傾向が高まってるんで、場合によっちゃ死刑相当もあり得るんだぜぃ」

青ピ「問題ない。バレなきゃなにやってもええんよ?」

吹寄「上条を暗殺するのは全く構わないけど、私が作ってきたんじゃないわよ」

姫神「どこの誰が教室で渡すだろうか。もろ公開処刑だと思う」

上条「俺は普通に嬉しいしヤローだったら全員嬉しいよ!だから女子も頑張って!勇気出して!」

青ピ「ナイスガッツ!いいこと言うたでカミやん!」

吹寄「男子が盛り上がってる所悪いんだけど、原因を相手に求める時点で論外なのよ!待ってんじゃなくて動きなさい!」

上条「あぁそうするとだな」

青ピ「――1万と2千年前から愛していましたッ!」

姫神「と。話が延々ループする」

吹寄「どうでもいいわ!てかそれやってる時に私は廊下にいたしね!」

土御門「つーことはー……いやー、カミやんも隅には置けないんだにゃー。またどっかの女子でもだまくらかしたん?」

青ピ「待ちぃやつちみー!カミやんやったら同性の可能性も大!やったらボクは応援するでしかし!」

姫神「いいこと言った。上条君は受けと攻めどっちも行けるオールラウンダーだとみてる」

上条「おいチンピラどもいい加減にしろ!お前らのせいで俺の姫神が段々ネタキャラになってんだよ!」

吹寄「前からこんな感じだったよな……?口数が少ないかからバレるのに時間かかっただけで」

姫神「あと私は上条君の所有物ではない。照れるぜ」

土御門「表情筋が一ミリも動いてないように見るんだが……まぁいいぜぃ。んでカミやんへのベンドー、どういう経緯でなんだにゃー?」

上条「俺も正直、はいって渡されてルンルン気分で食べれたりはしない。ウキウキで食べるけど」

姫神「食べるのは食べるんだ」

上条「明らかに毒物や怨念が籠ってそうなのは除いてな!食べ物で遊んじゃダメだぞ!」

吹寄「詳しくも何も。廊下で『すいません。これ上条当麻さんへ超渡してくれませんか?』って受け取っただけだし」

上条「……”超”?」

青ピ「女子か!?女の子でっしゃろ!?」

吹寄「そうね、中学生ぐらいの可愛い子だったわよ。どういう関係?」

上条「知らない子、ですね。えぇもう全然全然?マジでマジで?」

姫神「通訳の方。上条さんはなんて?」

土御門「『やっべアイツだわ−、心当たりもあるわー 』」

上条「やかましいわ!それよりも俺はこの弁当を食べるぞ!いいなっ!?」 カパッ

姫神「凄く……紅白です」

吹寄「縁起は……いいんじゃない?おめでたい感じがするわー」

上条「いや、これなに……?」

青ピ「業務用スーパ○の牛乳プリン……?あぁいや白いのはそうかもやけど、赤いのは違うわなぁ。なんやこれ?」

土御門「一同を代表して俺が説明させてもらうぜぃ。まずパッと見、紅白なんだにゃー。一見おめでたいんだぜぃ」

土御門「スチールだかステンレスだかのベーシックな弁当箱に、紅白。しかも白い方はご飯でもないし、赤い方は桜でんぶでもないだにゃー」

上条「助けて父さん!?なんか質感がぬらっとしているよ!」

姫神「青ピ君の言ったように見た目はプリンぽいよね。ツルツルしてて。お豆腐かな?」

上条「いやでもなんか生臭い――まぁいいわ!食ったるわ!」 ガッ

青ピ「見ぃや土御門……!女子からの贈り物やったら多少アレでも食べる――真の童×の姿がここにあるんやね!」

土御門「真の漢はかくありたいですたい。別名・アホの子」

上条「……」 モッシヤモッシャモッシャ

吹寄「ど、どう?ていうかそれ食べ物なの?」

上条「――あ、これカマボコだ」

姫神「理解した。お弁当箱に紅白二色でギッチリ詰めるぐらい。実は上条君が無類の練り物好きだった?」

上条「程度があるわ!?決して嫌いじゃないしお正月とかにはおめでたい気分になっけど!弁当箱いっぱいに詰められても意味が分かんねぇよ!?」

青ピ「またなんか地雷踏んだん?女の恨みは怖ろしいでっせ?」

上条「誰とは言わないが地雷が服着て歩いてような感じだからな!」

土御門「補足しておくと『理由がなく暴れたりしない』って、まぁ危険度はかなり低い方だぜぃ」

上条「学園都市おかしいわ!なんだこれ!?」

姫神「しかし上条君。朝に引き続きサメにご縁があるみたい」

上条「あぁ!?カマボコってスケトウダラだろ!?」

姫神「今はね。昔はサメが原料で今もお高いカマボコはそっちが使われている。バーイ鉄腕ダッシ○情報」

上条「サメ……?ここでも――」

吹寄「……顔色悪いわよ。保健室行く?」

上条「……問題ない。原因は何となく分かった」



――オービット・ポータル芸能警備会社 倉庫

……ギイィィッ……バタンッ!

上条「……」

上条「――ない、な。昨日ここに置いておいたのに、ない。どこ行っちまったんだ、クソッ!」

上条「……いや、慌てるな!俺の想像が正しいとすれば、ここは――」

……チャッ

上条「ん?」

ビチャッ……ビチャッ……ビチャッ

上条「足音……?――まさか!」

シャークレッド?『サメ、サメエェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェッ!!!』

上条「ザッケンなテメー!?違うわ!?もっと追い詰めるんだったらやり方考えろや!?全体的に雑なんだよ!」

上条「朝の肝油もかなりダメな感じだったけど、昼のカマボコ弁当はないわ!?どう考えてもあんなん見たら笑うわ!だって色的にも面白いしな!」

上条「そもそもシャークレッドの造形が恐怖でもなんでもねぇ!あぁまぁ夜道歩いてたら通報されるだろうけど、そのレベルだよ!出直して来いよ!」

絹旗(シャークレッド?)「――はい、っていう訳で超サメ映画の再現VTR再びですけど。超ご無沙汰しておりました」 スポッ

上条「知ってたわー。なんかもうサメづくしだしそんな気は薄々してたわー」

上条「だから乗れないんだよ!これがもし心霊ドッキリだったらモニタリン○ばりリアクション芸出す用意があんのに!」

鳴護「うん、あのね?あたしも、言ったんだよね最初に。『サメじゃなくてオバケの方がいいよ』って。でも最愛ちゃんが『本当に怖いのは超可哀相じゃないですか』って」

上条「ある意味サメの方怖いわ!?幽霊だったらまだいる可能性もなくはねぇけど、サメが俺の周囲をウロウロしてた俺の正気度がヤヴァイってことなんだからな!?」

絹旗「霊能力者へ相談する際も『幽霊が……』っていうより、『サメが……』の方が超笑いを取れますけど?」

上条「違う。そういう人らに相談するのは切羽詰まってんだよ」

絹旗「まぁ立ち話も超なんですし、VRスタジオへ移動しましょうか。まぁすることは前回と変らないのですが」

上条「……アリサはそれでいいの?」

鳴護「逃げよっかなーと思わなくもないけど、打ち上げをすっぽかした人も道連れになるんだったら、まぁいいかなって思うよ?」

上条「あ、これ俺も原因か!珍しく危機フラグ回避したと思ったら別の地雷踏んでただけか!」



――VRスタジオ

絹旗「異世界転生超あるある――『ドラゴンは、大抵メス(でロ×)』」

上条「監督監督。前回はちょいちょいエロゲ×小ネタを入れてたって誰も憶えてないから。いいっすわそういうの」

絹旗「『そして勿論人化してハーレム要員』」

上条「ホントいい加減にしやがれ?この世界には、えっと、折角ドラゴンになったのに『幼ゴンじゃないんすね上条さんwwwwwwwwww』とか笑われる人だっているんだからねっ!?」
(※上条当麻・人間じゃなかった説)

鳴護「私情が過ぎるよ。そして当麻君のメンタルだったらドラゴンになってもそこそこ楽しく生きていきそう」

絹旗「という訳で撮影スタジオです。超懐かしいですねー、実に18ヶ月ぶりですか」

上条「正直言うと、あれ以来TSUTAY○で告知される新作映画で、無意識の内にサメ映画を探してて愕然とします」

鳴護「帰って来て当麻君!そっちに行ったらもう戻れなくなるよ!」

絹旗「まぁなんだかんだで超人気あるジャンルと言えなくないかもしれないと時々思ったり思わなかったりしないでもないかもしれません」

上条「フワッとしてる。監督ですら確定できないぐらい曖昧か」

絹旗「なお私が愛しているのはB級映画でありましてね、サメはその中のただ一つのジャンルでしかないのを超お忘れなく」

上条「ドラク○3の裏ボスってそんなんじゃなかったっけ?バラモ○さんが派遣された魔王でしかなくて、実は複数の世界へ侵攻してるゾー○さん的な?」

鳴護「監督にはまた引き出しがあるってことだよ!気をつけて当麻君!」

絹旗「そういわれると超披露したくなるのがヲタのサガではありますが……まぁ時間も押しているので、ちゃっちゃと進めましょう。つもる話はその後で」

上条「ほーら監督乗り気になっちゃった」

絹旗「なお仁義的に、と言いますか法律的に今年出たサメ映画の話は超控えたいと思います。一部とはいえあらすじですし、ファスト映画で逮捕者出てますからね」

絹旗「ただですねー、今年のサメ映画は超精鋭揃い!最期まで見たら確実に損をしますよ!」

鳴護「してます監督。精鋭でなくてもあたし達は確実に時間を損しています」

絹旗「まぁ詳しくは来年の話なのですけど、『Corn of the Shar○』と『Virus Shar○』なのでタイトルだけでもう超面白いじゃないですか!」
(※ご期待ください)

上条「大体想像つくもの。『あ、これトウモロコシ畑でサメ出るやつだ』と『流行りのパンデミックにサメ出るんだな』って分かっちゃうもの」

鳴護「基本的に不謹慎な映画は出来ないのに、サメは軽々とタブー破るよね?大丈夫なの?」

絹旗「再来年辺り、『プレジデント・シャーク』とか超出てきそうですね。そしてトラン○さんご自身、そういうのが大好きなのでゲスト出演しそうです」

上条「フィクション、なんだよね?監督が適当に言っているだけなんだよな?」

絹旗「超似たような映画で既に『バッド・プレジデント』という角生えたトラン○がポスターになつてるのがありますし。中身を見てないのでどんなシロモノかは不明ですが」
(※実在します)

絹旗「まぁ無駄話はこのぐらいに。今年はシャークレッドスーツもあるので、サメ役は私が超引き受けますので」

鳴護「簡易シャークスーツ着た当麻君を見ないで済むのは、まぁいいけど」



――Take1

鳴護「『――あ、もしもし?お父さんどうしたのー急に?』」

上条『旅行先で浮かれてないかなって心配だったんだよ!いいか?男なんてのはエ×いことしか考えないんだからな!?』

鳴護「『はいはい、うん、注意するよ。大丈夫だって』」

上条『アイドルのファンは特に気をつけろ!あいつらが淡泊なリアクションするのも「俺だけは特別扱いしない」って酔ってるだけだからな!』

鳴護「『全世界のファンにケンカ売るの止めて?騒いだりしないのはありがたいことなんだからね?』」

上条『好きだったアイドルが結婚記者会見したとき、嘘でもおめでとうって言わないといけないファンの気持ちになったことはあるのかっ!?』

鳴護「『人次第じゃないかな?別に籍を入れた後にファンじゃなくなったとしても、それはそれでその人の自由だし』」

鳴護「『てゆうかお父さんしつこいよ!こっちはこっちでちゃんとやってるから心配しないで!切るよ!』」

プツッ、ツーッツーッツーッ……

鳴護「……もうっ!いつまで経っても子供扱いなんだから!」

絹旗「ウェーイ、パリピヤッホー」

鳴護「心配が当たってた!?普通じゃない人がここに!?」

絹旗「あぁいえ超失礼しました。シーカヤックインストラクターの者ですウェーイ」

鳴護「語尾が超気になります。あと嫌ですけどお世話になります」

絹旗「ちなみにカヤックの経験は超おありですか?」

鳴護「ないです。手こぎの小さなボートですよね?ここの観光地だったら波も高くないですし、簡単だって友達から聞きまして」

絹旗「はいそうですよ。ここは超様々なマリン・あくてぃびてぃを提供しておりまして、シーカヤックもその一つです」

鳴護「はい、よろしくお願いします」

絹旗「では水着と救命胴着に着替えて頂きまして、ちょっと沖にある岩礁まで超行ってみましょうか」

鳴護「あの、初心者にはハードル高くないですか?」

絹旗「超大丈夫ですとも。今までは一度も事故は起きてないですから」

鳴護「もう不安だけど……まぁ行きましょうか」

……

鳴護「わー、きれー!海も陽射しもステキですねー!」

絹旗「そうでしょうとも。やはり人の住んでいる場所から超離れた方が自然も残っているものです」

鳴護「あ、そうなんですかー?自然が残っ……て?」

絹旗「どうかしました?」

鳴護「……あの、自然が豊かってことはですね」

サメ(絹旗・二役)『サメーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!』 ガバッ

絹旗「ぎゃーー、やーらーれーまーしーたー」 バタッ

鳴護「棒読みが酷いです監督。そして当麻君、今フリーなんだから監督が二役する必然性が皆無です」

鳴護「……」

鳴護「ってヤバイなこれ!?サメがウロウロしてる岩礁に装備なしであたしだけ取り残された!?」



――スタジオ

絹旗「以上、『Shark Seaso○』の前半あらすしですね。かなり登場人物を省略していまして、主人公は友人と共に遭難するハメになります」
(※スタッフの人数が少ないため登場人物を削っています)

上条「なぁこれ面白いのか?中々絶望的な状況だけど、話をこれ以上広げられなくね?」

鳴護「何ともなくだけど、実家に居るお父さんへ連絡して『助けて!?』みたいな感じになるんじゃないかな?」

絹旗「まぁ概ねその通りですね。居場所を超計算したり、沿岸警備隊へ通報したりとパパンは大活躍します――が、しかし!」

絹旗「この映画の超見所はもっと他にあります!これを話すとネタバレになるんですが、まぁ超いいでしょう!私が許します!」

上条「監督のテンション上がるときって100%しょーもないオチなんだよな」

絹旗「シーカヤックをどうにか操り、駆けつけたレスキュー隊のボートまで超あと少し!」

絹旗「しかしそこで友人のカヤックが転倒してしまい、海へ投げ出される友人!慌てて救助しようとしますが主人公も落ちてしまいます!」

絹旗「当然迫り来る人喰いザメ!そこで主人公が取った行動とは――っ!?」

上条・鳴護「……」

絹旗「こーどーとーーーはーーーーーーーっ!?」

鳴護「あっはいすいません。行動とは?」

絹旗「カヤックのパドル(櫂)を半分にへし折り、それを得物にして海中のサメを超撲殺したのでした……ッ!!!」
(※正しくは眼球破壊→撲殺)

鳴護「強っ!?散々カヤック漕いできたのにどこにそんな体力が!?」

上条「つーかできるんだったら最初にやれや!?インストラクター食われる前にヤッとけよ!?」

絹旗「そして勿論この映画を超作りやがったのがシャークネー○でお馴染みのアサイラ○という映画会社ですが何かっ!?」

上条「その人たちはなんなの?家族でも人質に取られててダメサメ映画でも撮らないと殺すぞとか脅されてんの?」

鳴護「どんな多様性ある世界になっても、そんな面白犯罪は起きないと思うな?だって面白いモノ」

絹旗「割と強めのホラー映画に出演する俳優さんが、ごく稀に熱心なファンから付け狙われることはしばしばあります。超マジです」

絹旗「なおマジモンのサメへ対し、素人の攻撃が通じるかどうか怪しいので超ご注意下さい」

上条「いないと思うわー。『サメ映画で見た!』でリアルのサメに攻撃しかけるアフォは」

鳴護「戦う可能性が一番高いのは当麻君じゃないかな?」

上条「……強いのか?」

絹旗「文明レベルがかなり低度だった時代、所謂狩猟農耕時代の遺跡からはサメの歯の加工品がしばしば超出土されます」

絹旗「なので銛レベルでやってヤレないこたぁない、というレベルでしょうか。超割に合うとはとてもとても」

上条「くっ!絶対に戦う機会はねぇよと否定出来ないこの身が憎いぜ!」

鳴護「無駄に頑張り屋さんなんだよね。大抵の地雷とフラグを踏み抜くっていう」

絹旗「まぁこれだけサメ映画が氾濫してしまうと、超オリジナリティ溢れる決着というのも難しいですから。そういう意味ではパドルで撲殺は初心に返るようなすがすがしさすら感じます」

上条「同じ映画見てた?もしかして監督だけ別の青春映画見てなかった?」

鳴護「慣れよう、当麻君?あたし達が何をやってももうサメマラソンが終わるまではおウチに帰れないんだから!」



――Take2

鳴護「ねぇ兄さん、どうして今日はそんなにオシャレをしているのかな?」

上条「そりゃアレだよ!二年付き合った彼女とサダデーナイトするからさ!HAHAHA!」

鳴護「ちょっと何言ってるのか分からないけど、まぁ頑張ってくるといいよ。あたしは母さんとお留守番をしているから」

上条「そうだな!兄さんの彼女より母さんの方が若いわ美人だわだけど、お前は留守番をしているがいいさ!」

……

上条「ただいま弟よ!兄さんは大人になって帰って来たぞ!」

鳴護「いや聞きたくないけどそんな自己申告。それよりも大変だよ兄さん!母さんが!母さんがトイレで!」

上条「オイオイ、レディには一人でいたい時間だって――……」

上条「母、さん……?嘘だろ!?母さんがなんだって、死んで――」

鳴護「どうしよう兄さん!?」

上条「――サメだ」

鳴護「えっ……?」

上条「母さんはサメに殺されたんだ……ッ!!!」

鳴護「えっ?」

上条「サメを殺す方法を!サメ殺しの専門家を集めないと!」

……

絹旗「私はサイキックパワーを超操れる歴戦のハンター!ここに住まうサメを退治してみましょう!」

絹旗(二役)「僕はボーイスカウト歴相当のリーダーさ!ここで起きている事件を解決してあげよう!」

絹旗(三役)「俺は海洋研究家!サメなんて俺の敵じゃないぜ!」

鳴護「どうしよう当麻君。ちょっと楽しくなってきたよ!」

上条「全員死亡フラグじゃね?特に二番目はかませ犬と見た」

絹旗(サイキッカー)「私に任せておけばもう安心――」

絹旗(ハウス・シャーク・四役)『サメーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!』 ガブッ

絹旗(サイキッカー)「ぬおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

鳴護「一番強そうなのが瞬殺された!?」



――スタジオ

絹旗「っていう感じでしょうか。『House Shar○』です」

上条「うんツッコミどころは多々あるんだけど、ハウス・シャークって何?そしてサイキッカーってどういこと?」

絹旗「その質問に答える前に、ARISAさんからもご質問等ございましたら超どうぞ?」

鳴護「えっと……住宅だよね?ごく普通の民家にサメっぽいクリーチャーがノッシノッシ歩いてる理由は一体?」

絹旗「まぁその他諸々超疑問もおありでしょう。その全てへ対して唯一にして超無二の回答としてこう答えさせて頂きます――『知らねぇよ』と」

上条「前にもあったなその切り返し方!?またか!また特に意味も設定もないのに思いついたからやってみた的な感じなのか!?」

絹旗「えぇまぁ省略しましたけども、中盤でハウス・シャークが主人公らに超攻撃するシーンがあるんですよ。ショルダー・プラズマキャノ○使って」

上条・鳴護「なんて?」

絹旗「ARISAさんは多分ご存じないかと思いますけど、プレデタ○って映画で宇宙人が装備している超兵器です」

上条「いや違うそうじゃない!そいつをサメが装備している理由はなんだよ!?」

絹旗「それもまた『知らねぇよ』ですね。私も超分かりません」

鳴護「その映画は見たことないけど、サメさんも宇宙から来たって設定では?」

絹旗「多分違うと思います。とある登場人物が過去に水槽で飼育していたのが、超デカくなったって話みたいですし?」

上条「………………なぁ、この映画に出てるのってサメなんだよな?」

絹旗「サメ”っぽい”何かです。ごく普通に肺呼吸ですし陸上で動き回りますし、そもそも超ショッボイ着ぐるみです。丁度シャークレッドと似たような造形ですかね」

上条「サメ名乗る条件満たしてなくね?それただのクリーチャーだよね?サメである必要性がまずないよな?」

絹旗「何を超仰いますか!?そんな事言ったらサメ映画の殆どがサメである必要性なんてないじゃないですか!?」

上条「謝れよ!スピルバー○先生に謝ってくれよ!」

絹旗「んで次のサメ映画へ移りたいのですが……残念ながらお時間になってしまうため、次のが超最後です」

鳴護「素直に嬉しいけど……てっきり何週か続くもんだとばかり」

絹旗「私も超したかったですしストックが多少あるのですが、スケジュール的に来週にはもうクリスマス募集を始めないといけないらしく」

上条「相変わらず運営は雑だな!」

絹旗「まぁそう焦らずとも!来年は超ダメなサメ映画を披露できますからねっ!」
(※今年公開された(ダメ)サメ映画は三本見ました)

鳴護「強制的に付き合わされる身にもなってほしいです監督!せめてもっとこうメンバー増やして一人当たりのダメージを分散させられないでしょーか!」

絹旗「中々それが超難航しております。お二人のようにダメ映画大好きな方って、少数派なんですよね」

上条「最近ダメ映画も嫌いじゃなくなってきてっけど、好きでは決してないからな!?強いられているんであって!」



――Take3

鳴護「わー、海ーたーのしー!わーなんかー、うんっ!たのしーよねーっ!」

鳴護「あと前にも言ったと思うけど『超アドリブで』って書いてあるのは台本じゃないよー!ただの無茶振りだからねー!」

鳴護「――って、なんだろこれ?砂浜に、木の板?文字が書いてある、ボード?」

……

絹旗「それは『ウィジャ盤』ですね。日本のこっくりさんの原型といいますか、超オリジナルです」

鳴護「へー、そうなんだー?なんか面白そうだね、ちょっとやってみようか?」

絹旗「ですね。ではバカンスに来ている友達集めて超トライしてみましょう」

……

鳴護「……あれ?何か変な風に動いてるよ!?」

絹旗「なんかキモいですね。超途中ですが止めちゃいましょうか」

鳴護「い、いいのかな?呪われたりはしないのかな?」

絹旗「超何言ってんですか、文字通り超子供騙しでしょうし。さて、皆さんプールで超泳ぎません?気持ち悪いことなんてさっさと忘れませんとね」

鳴護「はーい」

……

鳴護「『――もしもし?こんな時間にごめんね?ちょっといいかな?』」

上条『なんじゃい!この霊能力者であるワシになんの用じゃね!?』

鳴護「『キャラがおかしい……じゃなくて、昼間にね、拾ったウィジャ盤で遊んだんだけどあれ大丈夫なのかな?』」

上条『拾った、だと?あまり良くはないが……きちんとお返しすれば大丈夫なんじゃよね?』

鳴護「『口調がおかしい。や、それが途中で止めちゃったりした、し?』」

上条『なんてことをしてくれんじゃ!?祟りが起きるぞい!』

鳴護「『やー、祟りなんてないでしょ?』」

上条『ある!お前はそのまま友達たちを注意して観察するんじゃ!ワシは呪いを解く方法を探してみるわい!』

鳴護「『文句言いながらも助けてはくれるんだね。分かった、じゃあよろしくお願いしまーす。はい、はーい』」 ガチャッ

絹旗「大変ですARISAさん!」

鳴護「それもう何回聞いたか分からないけど、どうしたのっ!?」

絹旗「友達の一人が!森で、森でっ!」

鳴護「落ち着いて、ねっ?森が何があったの?」

絹旗「それが、猛獣に超喰い殺されてしまいました……ッ!」

鳴護「うん、知ってた。そんな気はしてた」



――スタジオ

上条「あれ?これなんか面白くないか?」

鳴護「騙されないで当麻君!ダメ映画を連続で再現させられてるから感覚がマヒしてるだけだよ!」

絹旗「以上『Ouija Shar○』の導入部分でしたー」

鳴護「ツッコミの人に代ってお仕事するけど、なんでサメ?こっくりさんすると向こうではサメ召喚するのかな?」

絹旗「それに関しても『知らねぇよ』としかお答えできません。もしかしたらその可能性が超無きにしも非ず?」
(※そういう文化ではありません。ウィジャ盤は降霊術の一種で死人を呼び出す上、時代によっては「動物に魂なんてねぇよ」と)

上条「幽霊のサメが一人一人消していくんだな!頑張れサメ!」

鳴護「いや楽しくはないよ?テンション上がってるところ悪いんだけど正気に戻ってくれるかな?」

絹旗「……えぇまぁ、私もここまで文章だけを見ればそこそこ面白いとは思うんですよ。超テンプレ的な感じですが、まぁ期待を裏切らないですし」

鳴護「設定だけ聞けば、まぁオカルトものとしても行ける、かな?大目に見れば」

絹旗「だがしかしこの映画の最もダメな点が全てを阻害します。というのも超幽霊ザメがショッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッボイんですよ」

上条「……どのぐらい?」

絹旗「ググって頂ければ超分かりますが、私が粘度買って来て作ったレベルの超造形です。それが半透明処理をしつつフラフラしてるもんですから、ただただ痛い映画になります」

鳴護「前にあったゴースト・シャー○はそこそこCG良かったもんね。一作目はだけど」

絹旗「しかもこれ去年公開の映画で超低予算で撮ったんだと推測されます。クオリティが学生映画並ですから」

上条「……話は、まともなんだよな?」

絹旗「あー……まぁ、正直私の想像の斜め上を行く超オチだったのは認めますけど。一応、再現します?折角ですし、どうぞ」

上条「俺に台本?アリサが戦うんじゃないの?」

絹旗「主人公の女性が相談した霊能力者、彼が占い師に相談したところ『相手が悪いよどうにもならないよ』と超レスをもらいました」

鳴護「その人、霊能力者なのに占い師さんに頼ってるの?」

絹旗「ですが彼は諦めきれず、占い師の水晶玉を奪い念を込めると魂が超抜け出てしまいます」

上条「『ぐ、ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?』」

鳴護「当麻君もするんだ?まぁ最後だしいいかな」

絹旗「しかしその頃、主人公達は霊体ザメに追い詰められて絶体絶命の超ピンチです。手元にあるのは銃とウィジャ盤のみ」

絹旗「するとそこで閃きました――『別の存在を呼び出して対抗すればいいんじゃね?』と」

鳴護「………………はい?別の存在って、死んでる人はいなかった筈」

上条「『――さ、触れるぞ!?霊体ザメと戦える体になったぜ!』」

絹旗(霊体ザメ)「『サメ・ファイヤー!』」 ゴウンッ

上条「『痛い!?火を吹きやがったな怪物め!なんの!バリヤー!』」 ヴヴゥンッ

絹旗(霊体ザメ)「『が、がるるるるるるるるるるるるっ!』」

上条「『よっしゃ!お前なんかこうしてやるぜ!』」

絹旗「――と、霊体になった霊能力者と霊体ザメが空中で衝突し、二人とも消えたので超解決しました。めでたしめでたしと」
(※一切盛っていません)

鳴護「なんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっでなのかな!?ツッコミどころが多すぎて迷うよ!色々と!」

鳴護「まずサメが火を吹くってなに!?そんな描写一切無かったのにここで!?ラストまで温存する意味は!?」

鳴護「次に知り合いの霊能力者の人が霊体で助けてくれるってたまたまだよね!?無理して占い師さんの邪魔しなかったらいなかったしね!」

鳴護「あと二人とも霊体なのにぶつかり合って消滅って!?霊能力もなんも関係なく最後は暴力ってことなのかなぁっ!?」

絹旗「今日これで三度目ですが、『知らねぇよ』です。そういう超仕様だったとしか」

鳴護「なんて……なんてしょーもない映画……ッ!「」

絹旗「なお余談ですが、ほぼ他力本願で霊体ザメを打ち破った後、例のウィジャ盤を回収する怪しい人影があるんですよ」

鳴護「え、なに?まさかとは思うけど、この酷い内容で続編を匂わす展開なの!?」

絹旗「いえいえ、そこまで厚顔無恥ではなく。えーっと、その人物が連絡する相手はどうやらトラン○らしいと……」
(※いや本当に)

鳴護「そのシーンいる?いらないよね?そんなところに尺と予算割り振るんだったらもっと力を入れるべき点があるよね?具体的には、全部」

絹旗「私に言われても超困りますがね。一応このアホ映画が作られた背景ってのが、私の想像ですがありまして」

鳴護「マジな話ですか?監督ってそういうところは残念な現実を持ってきますよね?」

絹旗「実は映画業界でちょっと話題になったんですよ、ウィジャ盤。映画が二作公開され、そこそこの売り上げを出しています」

絹旗「監督ではなく製作ですが、トランスフォーマ○のマイケル=ベ○、パラノーマ○シリーズのジェイソン=ブラ○がいっちょ噛みしています」

鳴護「キャスティングを聞くと豪華だよね」

絹旗「内容も超そこそこです。一作目は凡作、二作目は良作という評価を得ています。私的には一作目の方が好きですけど」

鳴護「内容……まぁこっくりさんなんだろうけど」

絹旗「一言で言えば『こっくりさんをしたら悪霊が憑いてバタバタ死ぬ』です。どちらもそれなりに面白いので、まぁ良かったら超オススメしなくもないです」

鳴護「で、その映画とどういう繋がりが?」

絹旗「えぇですから推測ですが、『ウィジャものが流行ったよなー――そうだいいこと考えた!サメで再現すればいいんだ!』かと」

鳴護「また安易だな!?そんなに流行ったの西洋版こっくりさん!?」

絹旗「言うほどはあまり?映画好きの間では『あー、あったねー』程度の超認識です。実際にどちらも日本では公開されずDVD販売のみとなっております」

鳴護「円盤売る程度……また評価に困るヒットの仕方だね!」

絹旗「ちなみに一作目の原題が『Ouija』で二作目が『Ouija Origin of Evil』なんですが」

鳴護「お、それっぽいね」

絹旗「邦題が『呪い襲い殺す』、二作目が『ウィジャ ビギニング 〜呪い襲い殺す〜』と超なっております」

鳴護「センス悪っ!?確かに『ウィジャ』って言われても伝わっては来ないけど!もっと他に表現の仕方があったよ!」

絹旗「まぁ……直訳の『こっくりさん』にすると全然別のものになっていますから、多少は超大目に見てやってください」

鳴護「映画の内容も酷かったけど補足情報はもっと酷いな!監督はそういうとこあるよねっ!」

絹旗「てゆうか上条さんが先程から超ノーリアクションなのですが」

鳴護「しっかり!今死んだらインデックスちゃんは誰がお世話するの!?」

上条「――ハッ!?あまりのしょーもなさに魂を奪われるとこだったぜ!助かった、ありがとうアリサ!」

鳴護「当麻君に何かあったら来年からサメマラソンをあたし一人でしなきゃいけないからね!一人の体だと思わないで!」

絹旗「とまぁそろそろ超お時間となりました。それではまた来年!超ダメサメ映画でお会いしましょう!さよなら、さよなら、さよなら!」

上条「……このシリーズ、派生しないよね?ゾンビとか鳥とかエイリアンとかにいかないよね?」

鳴護「当麻君はシーッで!その気になったらどうするの!?」


-終-

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