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Clock(trial)

レッサー緊急謝罪会見 〜みんな大好きベルギー黒歴史数え歌〜(※閲覧注意)

 
――緊急記者会見会場

上条「えぇと、本日は皆さんお集まり頂き誠にありがとうございます。司会を務めさせて頂く上条と申します」

上条「さて本日レッサーさんの謝罪会見を開くに当たりまして、一つご注意を」

上条「皆様のお手元には適度に熱いおでん鍋を一人一つご用意しておりますので、是非お召し上がりながらお聞きください」

上条「決して!そう決しておでんを投げないでください!皆様のお手が汚れないようトングをご用意しましたが!決して投げてはいけません!」

上条「「また投擲しやすいようダイコンもコンニャクも適度な大きさへカッティングしてございますが!食べ物で遊ばぬようどうかお願い致します!」

レッサー(声)『悪意があります。『投げるなよ!絶対に投げるなよ!絶対だからな!』って副音声すら聞こえてくるようです』

上条「おいまだ呼んでねぇんだから引っ込んでろ!最初から記者会見場にいりゃいいのに、『一ネタあるんでお願いします!』っつたのお前だろ!」

レッサー(声)『――拝啓、ゴー○さんへ』

上条「それ一回やったからな?『本当に今何してるんだろう(笑)』って時々思い返すけども」

レッサー(声)『日本の元顧問弁護士が新聞に「ヤオってたんじゃね?」と書かれたら逆ギレして提訴してました。煽り耐性皆無かよと』

上条「暇なのかな。日本で暴れるんだったら連れ戻しにレバノン行けばいいのに」

上条「まぁいいからさっさと入って来い!レッサーさんの入場です!」

レッサー「……」

上条「……」

レッサー「『――輝くゼウスの名の下に!』」

上条「やかましいわ!誰がマジンガー○のロケットパンチ100連○の台詞なんて覚えてんだよ!」

レッサー「多目的トイレの正しい使い方について!」

上条「やかましいわ!『年収一億なのにそこで!?ラブ×行けよ!?』ってむしろ驚愕したわ!」

レッサー「ネタでア○不倫とかゲス不倫とか言われてましたけど、それを上回るアホがいるとは!私は週刊誌の見出しで思わず吹きました!」

上条「もう不倫なんて生易しい言葉じゃないよな。擁護する箇所が『お車代一回100万円はお大尽だよねっ!』ぐらいしか見つからない」

レッサー「しかしまぁ小豆島さんじゃない方が独身であれば『まぁ若いんだから……』で、済ませてしまうお話ですからねぇ」

上条「いやまぁ日本の芸能界はパッキン切れた蛇口みたいにユルユルだけど」

レッサー「てか私思ったんですけど、ツイッタ○にはツイー○といいね!だけじゃなく、もっと別の機能が必要じゃないですかね」

上条「一応聞こうか。どんな?」

レッサー「『ツッコミ』です」

上条「今なんて?」

レッサー「いやですから炎上発言したとするじゃないですか?『私は意識高い系ぱみゅぱみ×』的な?」

上条「その人そんな語尾じゃねぇよ。いやもしかしたらゆうこり○星から来たって同系統の能力者かもしれんけど!」

レッサー「そんなとき!普通であれば炎上必至の状況であっても『ツッコミ』ボタンをポチれば出てくるツッコミの嵐!」

レッサー「『なんでだよ』、『どうしてだよ』、『待て待て待て待て』など300パターンのツッコミがランダムに選ばれてコメントを埋め尽くしていく……!」

上条「それ別の意味で炎上してね?炎上したのを『ギャグでしたー』って誤魔化そうとしたって、手遅れってことが多々あるよね?」

レッサー「私たちは多々買わなければいけません――そう、『アニメの最終回は円盤でね☆』商法が始まるのですから……ッ!!!」
(※今週も傑作選で大丈夫かアレ)

上条「いや別に問題ないんじゃないかな?アニメ見る人は円盤買うって決まってるしな」

レッサー「なんて迷いのない目で言い切った……ッ!?」

上条「というかレッサー、俺はお前を心配してるんだ。純粋に」

レッサー「上条さん……!」

上条「お前はお前だけの体じゃないんだぞ!中の人に迷惑かけたら責任取れるのかよ……ッ!?」

レッサー「初春さんに言ってあげてください。中の人で元号跨ぐぐらいキチガ×に粘着されている初春さんが可哀想です!」

レッサー「あと言っておきますが私は決してレイシズムの信奉者ではございません!ただただフランスが嫌いなだけです!」
(※ちょっとアレなイギリス人は結構います。そして勿論同じ数だけフランス人も)

上条「だからまぁ問題発言する前により早く謝っとけ!そうすれば少しぐらいハメ外しても問題ないから!」

レッサー「その謎の理論でシリーズ化してしまいましたが……まぁいいでしょう!今回はベルギーの黒歴史というらしいですが、その前に!」

レッサー「本題へ入る前にみんな大好きカルロス=ゴー○さんの近況をお話ししましょう!」

上条「いや嫌いじゃないけど。心配だな()的な意味では好きだけども」

レッサー「詳しくは以前の話を読んで頂きたいのですが、レバノンは中東では珍しい他宗教国家だというのはご存じですよね?」

上条「ヒズボラだったけか?テロ認定喰らってる組織が政党として存在してるんだっけ?」

レッサー「まぁ実際に彼らがテロリストかどうかはさておきまして、まぁ国内でキリスト教へカチコミはかけていません。一応共存はしてるんですね」

レッサー「しかしながら武闘派ヒャッハーな連中であり、自警団という名前の私兵も当然持ち、彼らの影響力の強い地域では滅多な事は起きません」

上条「……治安いいのか?」

レッサー「ヤクザで自分ちの周辺で暴力沙汰起こすと思いますか?」

上条「まぁ……自宅ぐらいはなぁ」

レッサー「なので非常に平穏ではあったのですが……先週時点ではそのヒズボラのお膝元でもデモや暴動が起きています」

上条「それって……他の場所でも?」

レッサー「もっと酷い感じです。前にお話ししたときに『国会議員の家が襲われそうになってる』でしたが、今は『首相鑑定が〜』へグレードアップしました」

上条「ダウンじゃね?治安度下がってんだからさ?」

レッサー「それで前に『レバノン・ポンド(レバノンの通貨)が半値になってる』って言いましたが、それにも動きがありまして」

上条「あ、ちょっとは改善した?」

レッサー「去年と比べて70%まで下がりました。コロナ禍も裏ドラに乗ってる感じです」

上条「ギブアップさせてあげて!?何をどうすればそうなったの!?」

レッサー「一番の要因はアメリカの経済制裁ですね。ヒズボラへの口座が凍結、そして関係してる”と、思われる”口座の凍結。これが一月の話です」

レッサー「次に来たのが新型コロナの影響。レバノンは観光と国外へ出稼ぎしてるレバノン人からの送金で成り立っていたのですが、どっちもポシャります」

レッサー「そうなったら今度は対外債務の返済に失敗、泥沼に嵌まります。レバノンの銀行は国民へドルを両替できなくなり」

レッサー「”今の時点で”通貨の価値は去年10月より70%下落。海外の商品が約3倍になった計算となります」

上条「おま、それって超ヤバくないか?」

レッサー「割と絶望的ですねー。IMFに救済を求めなければいけなかったんですが、レバノン政府はしませんでした。恐らくできなかったんだと思いますが」

上条「はーい、レッサーさんに質問!」

レッサー「好きなタイプは笑ってブリテンのために死んでくれる人で、嫌いなタイプはイギリスの対岸にある国です」

上条「知ってたわー、既読情報ばっかりだわー」

レッサー「おぉっと!残念ながらドーバー海峡を渡った先にあるのはフランスだけではありませんよ!他にもあるじゃないですか!」
(※近い順にフランス・ベルギー・オランダ)

上条「大体『お前が悪いんだよ』と言いたくなるけど、意外とイギリス以外も大概だって分かって来た。知りたくもなかったが」

上条「……じゃなくてだ。レバノンが経済制裁喰らってるのは分かったけど、貸してくれるとこないの?」

レッサー「そりゃあるはありますよ、何言ってんですか。アジア通貨基金の際、IMFという金融ヤクザ大活躍しましたでしょう?」

上条「あんじゃんか。取り立て方がエゲつないのはともかくとして」

レッサー「ちなみにそのIMFの筆頭出資者がアメリカです」

上条「……あぁ、何か見えた気がするわ」

レッサー「アメリカが経済制裁カマしてる国へアメリカが一番出資してる組織が融資したら、それはただのギャグです」

レッサー「ちなみに半月ほど前、『ゴー○返すから日本さんお金貸して><』という飛ばし記事が出ていました。公式には不明ですが」

レッサー「下手に金出すとアメリカに睨まれるため、表だって金を貸してくれる国は地球上にはないと思います」

上条「中東で他にも制裁喰らってン十年って国なかったっけ?」

レッサー「イランは石油という現物がありますからね。救う価値も薄いため、他の国が動いてくれる筈もなく」

レッサー「てかイランが健在であった”なら”ば、同じシーア派多数の国として援助を受けられたのですが……」

上条「時期が悪い、か」

レッサー「はい。なのでネタでも冗談でもジョークでもなく、カルロ○さんが暴徒に見つかったら(あの世へ)goneします」

上条「ネタじゃねぇか。人の名前で遊ぶなよ」

レッサー「いやマジで危ない状況なんですよ!?カルロ○さん、どうかこの動画を見ていたら直ぐにでも海外脱出を!早く逃げてー!」

上条「絶対に見てねぇよ!あんまこの世に絶対ってないけど、神様(※鎌池先生)がここ見てないのと同じぐらいこの絶対は絶対だ!」

レッサー「あ、すいませんね!ベイルートの空港は封鎖されて指名手配中なんでしたっけ忘れてました!」

上条「鬼か。あ、違ったイギリス人か」

レッサー「映画化の話もBLMが流行ってるんで絶対にポシャると思います。だってもうお金持ちのオッサンなんて相手にしないですし」

上条「できれば穏当に捕まってほしいんだが……どうなんだろうなぁ。今更日本へ帰っても笑いものだし、フランス行ったら暴徒に襲われるんじゃね?金持ってるし」

レッサー「人生ハードモードへ突入したハゲはまぁいいじゃないですか!前向きな話をしましょう!」

上条「前は見てないよ?この企画ずっとそうだけど、余所様の黒歴史書いて周知しようって後ろしか向いてない企画だよ?」

レッサー「みんな大好きベルギーですよねっ!『なんであんなクソ寒い所の名物がチョコレートなの?』と疑問に思ってもググってはいけませんよ!絶対ですからね!」

上条「レッサー名人、初手から王手をかけました」

レッサー「ベルギーの歴史と致しまして……どっから手をつけたものか困りますが、まずは順を追って建国時の1830年頃からいきましょうか」

上条「結構最近だな!?あれ?でも王室なかったっけ?」

レッサー「歴史自体は長いんですが、色々な国の一部だったりたまには独立したりとせわしないため、独立後のところからしますね。丁度いいっちやいいですし」

レッサー「王室もまた微妙な感じです。元々独立したのはオランダ、というかネーデルランド連合王国って大きな国があったんですよ」

レッサー「その前までのベルギーはフランスの一部だったんですけど、ナポレオンが大負けした際、フランスとの緩衝地帯を造ろうって話になりまして」

レッサー「このときのオランダ君主がウィレム1世、彼はプロテスタントなので重用する人材の殆どがそれ前提で」

レッサー「国民の殆どがカトリックだったベルギーでは非常に評判が悪く、でもって立ち上がる革命戦士!ダッチ野郎から俺たちの国を取り戻そうぜ!」

レッサー「大事なことなので二回言いますね!”カトリックだったベルギー”では!いいですかテスト出ますよここ!」

上条「元フランスなのに?」

レッサー「気質の問題でしょうかね。あと海外からの支援もあったのでしょうが」

上条「なんだお前らまたやってんのか」

レッサー「なんだとは心外ですな!?イギリスはこの際ただちょっとベルギー革命勢力に金と武器を送って反乱を起こさせ、ロンドン会議で独立させただけですよ!?」

上条「イギリス人か。あ、間違った。悪魔か」

レッサー「ナポレオン率いるフランスを転がした後にオランダが台頭して来やがったんで、まぁギャン言わせとけみたいな!周辺諸国が乗っかった結果です!」

レッサー「ただ本当にイギリスが裏で暗躍していたのかは諸説あります!少なくとも決定的な証拠は”そんなには”ないと言っておきましょうか!」

上条「あるじゃねぇか、ちょっと以上は」

レッサー「はい、てのもベルギーは独立後に『王室どうしましょ?』って議論になりましてね」

上条「オランダの王様嫌がって独立したのに、オランダ系の王族招くのも何か違うしなぁ」

レッサー「なので招かれたのがレオポルド1世!ザクセン公国の生まれで、ロシアで従軍経験があり、イギリス王室の妻を娶り、ちょい前までロンドンでニートやってた御方です!」

上条「――あ、犯人分かっちゃった!どこかの国がテメーのとこで持て余してる王族リサイクルしようとした時点で犯人分かった!」

上条「てかよくまぁ縁も縁もない王族を頭にしようと思ったな!?それも結構最近の話だ!」

レッサー「ベルギーとしても『ザクセンならまぁ……』的な妥協もあったんでしょうかね」

レッサー「アホのフランスの子の代名詞、ナポレオンがブイブイ言わせてたときには支配国の君主の親族でまとめてたんで、それに比べれば大分マシです」


○参考資料・ナポレオンの兄妹天下り先一覧(再掲載)
  
兄――ナポリ王・スペイン王
弟――カニノ公
妹――トスカーナ大公
弟――ホラント王・ベルク大公・クレーフェ大公・サン=ルー伯
甥――ホラント王
弟――ヴェストファーレン王
実子――ナポレオン2世 - ローマ王


上条「前に『ゴー○じゃねぇか』ってツッコんだけど、改めて見るとスゲーなこれ!成金が自滅するパターンまっしぐらだぜ!」

レッサー「なおオランダは納得せず、しかしながら武力行使したら周辺国(※主にイギリス)に攻め入られる口実を作るため、数年ぐらいにらみ合っていましたね」

上条「色々ツッコミどころはあるけど、まぁいいんじゃね?大国の思惑があるけどもベルギー自体はやらかしてないわけだし」

レッサー「まぁレオポルド1世の治世は悪くなかった、というかぶっちゃけ老獪でした。大英帝国最強の君主であるヴィクトリア女王の叔父に当たる人ですが」

上条「あぁイギリスの王族とも結婚してんだっけ」

レッサー「最初の嫁はイギリス王室、そしてベルギー王となったあとに再婚した相手はフランス王族」

レッサー「彼女の姪を自分の甥であるザクセン王室の人間を引き合わせるなどしていまして、政治的な手腕はかなりのもんです」

上条「ロンドンに住んでる間にイギリス人の気質が移っただけだと思う。何となくだけど」

レッサー「んでまぁレオポルド1世の治世はそこそこだったんですが、その息子のレオポルド2世がまぁ散々です」

上条「ベルギーって、国の場所的に大国の緩衝地帯じゃん?そんな状態でなんかできんの?」

レッサー「いえ、ですから植民地ではっちゃけたんですな!」

上条「はっちゃける言うな!」

レッサー「というか緩衝地帯”だから”という利点もあるんですよ」

上条「だから?」

レッサー「複数の国に囲まれてるというのは、逆にどの国の顔色をも伺わねばならない反面、どの国へも媚びを売れる訳で」

レッサー「『○○君は××を援助してくれたんだよねー、それじゃ△△君はどんな誠意を見せてくれるのカナ?カナ?』」

上条「やだ、性悪女」

レッサー「なのでベルギーは1893年に中立国宣言をし、他との戦争には参加もしないし対立もしないという方針でした」

上条「へー、中立国だっけ?スイスと同じなのな?」

レッサー「しかしながら!中立国政策は二度の大戦で二回ドイツに侵攻されて現在は放棄しています!残念!」

上条「ギャグか。テンドンしてんじゃねぇよ」

レッサー「あぁそういや最初に宣言するのを忘れてましたんで改めてしますが、”現在の価値観ではNG”という内容が多分に含まれています」

上条「あの、レッサーさん?ここってしょーもない下ネタしょーもない勢いでやってくサイトじゃなかったっけ?」

レッサー「ですがもしもこれをご覧になっている方が『これちょっと……』という場合は避けることがいいと思います。それは自由ですからね」

レッサー「ただ、そうですね……現代のアメリカで国歌へ対し『これを作ったヤツは黒人奴隷を所有していた』というだけで廃止を求める、それもまた自由です」

レッサー「しかしながら奴隷制があった時代のアメリカでは南部が大規模農場、北部が工業地帯でありまして、所有していた多くは南部の大農場です」

レッサー「そして”彼らの子孫であり、今も地盤を持つアメリカ民主党議員達へ対しては一切非難の声が出ない”、という情報を頭に入れるのも大切かと」

上条「暴露本も超タイミングよく選挙前に出るしなぁ」

レッサー「その本を書いた元腹心さんにしても、現大統領の汚職疑惑で議会に呼ばれたんですよ」

レッサー「そんときには沈黙を守り、真偽の怪しい暴露本でぶちまけるって金稼ぎにしか思えませんがね」

レッサー「――さて、では納得頂けたと解釈して先へ進みたいと思いますが、当時は我々西欧列強の植民地獲得競争が盛んでした」

上条「おい列強って言ったか?自分達のこと?」

レッサー「と、言われましても当時はそうとしか言えないですしねぇ……ではここで経済の話になります。自国通貨の価値を上げたい場合にはどうしますか?」

上条「今の話?えっと……供給が減れば高くなるから、自分の国の通貨をドルで買う?」

レッサー「正解ですね。手持ちのドルを市場へ出せばドルの価格が下がり、購入した円が相対的に品薄になり下がると」

レッサー「ですが”それ”は21世紀の現代の発想です。昔はどうしていたと思います?」

上条「昔って言われてもな」

レッサー「具体的には19世紀の中頃ほど。国際通貨なんぞなく、ハードカレンシーもなかった時代です」

上条「はーどかれんしー?」

レッサー「国を跨いでも決済できる通貨ですね。できない普通の通貨はソフトカレンシーと呼びます」

上条「え、どういうこと?意味が分からん」

レッサー「例えば、絶賛大安売り中のレバノン・ポンドがあります。これはレバノン国内でのみ使われる通貨ですよね」

レッサー「日本へ持ってきても遣えませんし、現地通貨へ交換しなければいけません。決済には使えないんですよ」

上条「いやどの国の通貨でもそうじゃ――ないのか」

レッサー「はい。国際的に信用を得ており、他の国でも使用することができる通貨をハードカレンシーと呼びます。別名基軸通貨」

レッサー「ドル・ユーロ・ポンド、そして円の四つです。まぁ実際にドルとユーロ以外は頻度でかなり差がありますけど」

上条「あんま俺には実感ないなぁ。ロシア行ったときもカードだったような気がする」

レッサー「海外のエロサイトで決済するとき、大抵ドルが使うじゃないですか?」

上条「そうだな!俺は決して使ったことないけどVプリ○とか使いやすいよな!」

レッサー「現代の通貨制度を管理通貨制度といい、1929年の恐慌以来以前の制度と取って替ったのですが……では、以前のってなんでしたっけ?」

上条「そんぐらいは知ってるよ。金本位制だ」

レッサー「そうですな、永遠の高校生としてはいつか来たる受験へ向けて知っていて当り前の知識ですが――」

レッサー「ここで”何をどうやって自国の通貨の価値を上げるか?ただし金本位制度下でね”と、という話へ戻ります」

上条「そりゃお前どっかから金を持ってくる――あぁ!ここで繋がんのかアフリカの植民地!」

レッサー「ですな、鉱脈探してエッサコラと。そして当時は銅貨や銀貨も使われていましたんで、そっちもせっせと運んでいました」

上条「原始時代の石貨と変ってなくね?あのトラックのタイヤぐらいデカいのと同じで」

レッサー「と言われましても……前にも言ったように世界恐慌が起きるまでは変えようにも変えられなかったですからね。こればかりは後出しジャンケンです」

レッサー「なお金本位制の裏付け”だけ”では決してありませんでしたから。まぁその意味もあったんでしょうが」

レッサー「さてそんな時代ですが、主に植民地獲得の手段としては代理人が使われていました。悪名高きはイギリス東インド会社ですかね」

レッサー「あとはこう、探検隊に調査をさせて現地の部族長と交渉します。『珍しい武器がありますよ?これ使ったら他の部族との戦いに勝てますよ?』」

レッサー「『お礼は結構ですよ!あなた方が勝利したらそのときにでも!だって私たちは友達じゃないですか!』」

上条「なぁ、俺と一方通行と垣根とビリビリと浜面のお姉さんとおっぱい大きい人とショタと削板で、タイムスリップとかできないのかな?」

レッサー「清々しいまでに他力本願ですけど、それをしたら確実に日本が焼け野原になります。そういう時代ですから」

レッサー「そんで初代ベルギー王、レオポルド1世――ってさっきからずっと言ってるのに話進みませんが――の時代、これといって植民地獲得はできませんでした」

レッサー「ハワイを狙っていましたが、代理人に騙されたかなんかしたらしく結果としてポシャっています」

レッサー「そしてベルギー黒歴史”その一”のレオポルド2世の治世に入るのですな……ッ!!!」

上条「やめろよ!?その一ってことはその二があるって話だろ!?」

レッサー「レオポルド2世はこの間めでたく像を撤去された方でして……探険者を”私費”で雇ってアフリカへ向わせたんですな」

上条「あぁそれはいいんじゃないか。下手にベルギー政府の国庫負担になるよりは」

レッサー「『アフリカへ文明化をもたらす』という崇高に理念の元に結成された国際アフリカ協会ですね!」

上条「なんでお前らってたった数秒で裏切るの?もうその時点で『あぁ……やっぱりね』って分かるよね?」

レッサー「そして誕生したのがコンゴ自由国!レオポルド2世の”私領”としてですがね!」

上条「あれあれ?雨が降ってきたぞ?」

レッサー「そこでは人民の命も土地も含む全てが王の”私物”とされ、住民全員がゴムの栽培と象牙の獲得に従事させられました」

レッサー「そしてノルマをこなせない人間は手足切断という、人類史に名を残す蛮行がベルギー野郎によって行われていたのです」

レッサー「そして『あぁこりゃマズかろう』と国際和論を受け、ベルギー政府へ統治が移行するまでの23年で人口が1,500〜2,000万人だったのが800〜900万人へと減りました」

上条「だからお前ら文明国名乗るのやめればいいんじゃね?しかもベルギー政府に所有権が移動してるだけだからそんなに大差ねぇよ!」

レッサー「なおレオポルド2世、及び彼を輩出した親愛なるベルギー国民の名誉のために言っておきますが、コンゴ自由国の獲得そのものは”合法”でした」

レッサー「というのも1884年にドイツ帝国のベルリン会議が開かれ、そこで列強が話し合ったんですな」

レッサー「具体的にはベルギーが当時コンゴで拠点作りをしていたのに対し、ポルトガルも沿岸部へ進出しておりまして、さぁどっちが支配するの!?と」

上条「最低だな」

レッサー「歴史的に先んじて”開発”していたのはポルトガルの方で、イギリスもこれを支持」

レッサー「しかしイギリスの植民地進出を嫌う上、レオポルド2世の母親はフランス王室からであるフランスはベルギーを支持」

レッサー「決め手は『どの国も金もがなかった』ため、戦争することなく『じゃあベルギー君でいいんじゃね?』と」

上条「金がなかった?」

レッサー「丁度前年の84年に恐慌が起きてたんですよ。73年恐慌から脱出できなかったとかも言いますが」

レッサー「なおレオポルド2世の蛮行が明らかになったり、国際世論が批判一色になった引き金がありまして。エドモンド=モレルというイギリス人ジャーナリストです」

レッサー「彼は『あれベルギーに銀とゴムばっか入っていくのに、武器弾薬しかコンゴに輸出されてなくね?』と、調査し本を書いて暴露したのです」

上条「あぁいいことしてんじゃ、ん……?」

レッサー「おや?素直にここは褒めて下さってもいいんじゃ?」

上条「……いや、『フランスに横やり入れられたイギリスの仕返しじゃね?』って思った俺は汚れてるんだろうか……?」

レッサー「えぇまぁ私もほぼ同意見です。ちゅーかイギリス領ローデシア、現在のザンビア・ジンバブエに進出していましたんで邪魔だったんでしょう」

レッサー「勿論偶然ですとも!私のこの目を見てください!」

上条「偶然って怖いよね。あと知ってる?バッグ・ベアー○って鬼太○によく出てくる悪のボス的な妖怪がいるんだよ。デッカイ目の」

レッサー「ちなみに余談ですが、レオポルド2世の調査隊のリーダーはヘンリー=モートン=スタンリーというイギリス人ですが何かっ!」

上条「ほーらやっぱり。悪が栄える場所にはイギリスの影が。インスマスの影じゃねぇんだからよ」

レッサー「そのイギリス人探検家も評判が悪かったらしく、彼の死後ロンドンの寺院では埋葬拒否されたって逸話もあったりします」

上条「まぁな。死んだら許してやれよとは思うが」

レッサー「そしてレオポルド2世の評判はベルギー国内でも散々。愛人や私生児問題が拍車を掛け、彼の葬儀ではブーイングしてお祭り状態だったそうです。私も参加したかった」

上条「不謹慎」

レッサー「ただベルギー人へ私個人として言いたいのですが、コンゴで残虐非道をした結果、主にゴム輸出でベルギーは大いに潤いました」

レッサー「新興国の一つに過ぎず、また緩衝地帯であった国家が列強の一角として数えられるようになったのは、間違いなくレオポルド2世のお陰です」

上条「まぁ……それはな」

レッサー「そうしてコンゴ自由国はベルギー領コンゴとなり”一旦”横へ置きましょうか」

上条「伏線やめてくんないかな?爆弾でしょそれ?あとで爆発するんだから」

レッサー「ポルポル二号機には直系の息子がおらず、その甥のアルベール1世が後を継ぎましたが……」

レッサー「そして始まる第一次世界大戦!ドイツ君が迫ってきましたよ!『なぁ君、国内通過させてぇな!なぁって!』ってね!」

上条「なにそれこわい。てか何?通過って言ったか?」

レッサー「ドイツとしてはフランスを叩くためにベルギー国内を通りたかったんですよ。だから『何にもしないから!ベルギー通らして!』って」

上条「ナメてんのかドイツ!誰が『どうぞどうぞ!』って言うんだよ!?」

レッサー「とある私の尊敬するシンガーの方でこういう逸話があります。その方はあるときとても疲れており、女友達の家で眠くなったそうです」

レッサー「彼は非常に辛かったので、『何にもしないから!絶対だから!』と頼み込んで泊めて貰うことになりました」

上条「それって……いや、俺の見方がよくないのかな?」

レッサー「えぇ私も、それって、とは思いますが、話は最後まで聞きましょう。その方が疲れて毛布を借りて横になり、電気を消したそうです」

レッサー「――その十数分後、『なんでホントに何もしないのよ!?』って女の子からキレられたそうです」
(※本人談)

上条「いいじゃねぇか紳士だろ!平井○さんは悪くないよ!女の子が悪いよ!」

レッサー「そんときのドイツ軍に関しては平井○さんと同じでベルギー構ってる暇はなかったと思います。同盟国オーストリアのためフランス攻撃が目的でしたからね」

レッサー「まぁだからといってベルギーが通過させたら、子々孫々ネタにされますんで開戦となりました。てか私でもそうします」

レッサー「なお第二次世界大戦でナチスにも攻め込まれますが、主な原因は対岸のイギリスへの牽制です」

上条「原因お前らじゃねぇか」

レッサー「いやですからベルギー成立そのものが緩衝地帯なんですよ!?私たちのせいではないです!一枚噛んでいますが!」

レッサー「結果は……まぁ頑張ったんじゃないでしょうかね。国の規模からすればかなり良くやったと思います」

レッサー「ただコンゴ自由国で殺しまくってた反面、同レベルの相手と戦うのを想定してなかったのか、そこだけは反省した方がいいかと」

上条「イギリス人だけは言われたくない、って言うと思うわ」

レッサー「ともあれ第一次世界大戦の4年近くを戦い抜いて、国土の殆どを占領されながらもイギリス・フランスの援助を受けて勝利しました」

レッサー「しかし内政はメチャクチャで経済もボロッボロ。さぁどうしたもんかと、でその一。フランスのルール占領って知ってます?」

上条「あー習った習った。ドイツが第一次世界大戦の賠償金払うの渋ったから、ルール工業地帯ぶんどっちまえ的な」

上条「確か第二次世界大戦の遠因にもなってんじゃなかったっけ?ナチス台頭のきっかけになったって」

レッサー「歴史の矢面に立っているのはフランスですし、主導もフランスなんですが――」

レッサー「実際に派遣されて占領した軍隊はフランスが5師団、ベルギーが2師団なんですよね」

上条「何やってんだベルギー!?ほぼ国内全部占領されてんのによくそんな余裕あったな!?」

レッサー「ちなみにドイツは中々従わなかったため、フランス軍は他のドイツの都市も占領してます」

上条「それ……お前……」

レッサー「あくまでも我々は”このあと”を知っているため、ドイツを追い詰めすぎるの悪手であると知っていますが。それはそれ、これはこれですから」

上条「まぁ、そうだよな」

レッサー「――なお余談ですが、フランスがルール占領へ至ったきっかけは、イギリス・アメリカに借りた金の返済でカツカツだったという……!」

上条「やっぱお前らか。お前らが諸悪の根源か」

レッサー「それでさぁどうしたもんかのその二。ベルギーは賠償金以外にドイツの海外植民地も獲得します。その名もルアンダ=ウルンディ」

上条「へー、ルアンダ?どっかで聞いたような、つーかル”ワ”ンダじゃないの?」

レッサー「いいえ、ル”ア”ンダです。当時はこの名前が正式名称でした」

上条「あぁそう。当時はね、当時は――」

上条「――で、さぁ?俺の覚え間違いじゃなかったらの話なんだけど、ルワンダ虐殺ってなかったっけ?」

レッサー「勿論この旧ルアンダ、現ルワンダで行われていた虐殺ですけどそれが何か?」

上条「やめてー!?ベルギーさんの信頼度が俺の中で大暴落していくからそれ以上はやめてー!?」

上条「もう嫌なんだよ!ベルギーの街角とかテレビでやってて、『あ、なんかお洒落』って思わなくなるから!」

レッサー「現実を直視するのも大切なことなんですけどね。まぁ時系列順に行くとして、このルアンダも横へ置きましょう」

上条「爆弾を先送りすんのやめろよ!ボンバーマ○か!大抵巻き込まれて自滅すんだよ!」

レッサー「あれも『エンディングで人になる』って設定がなくなりましたけどね」

レッサー「さて第一次世界大戦が終わり、ベルギーは暫しの平和な時代となるのですが。つーかレオポルド3世へ代替わりです」

レッサー「前の反省からドイツ側の陣地を更に厚く厚く構築しました。これは正解」

レッサー「不正解だったのは中立主義へ帰ってしまったこと。フランスとの軍事同盟を白紙にしてドイツのご機嫌を伺ったばかりか」

レッサー「ナチスがノルウェー・デンマークへ侵攻した1940年4月9日、流石に危機感を覚えて『助けてイギリス・フランスさん!ベルギー国内に君たちの軍隊置いていいから!』と泣きを入れます」

上条「泣きっていうのは……うんまぁ、その前に分かるだろって」

レッサー「しかしにも関わらず、英仏両国の軍隊をベルギー国境”のみ”にしか展開させず、我らの腹筋を破壊させようとしたのです……ッ!」

上条「笑うトコじゃないよ!?」

レッサー「んでいざドイツが攻めてきた5月10日、初日で対ドイツ向けに構築していたエバン・エマール要塞が堕ちました」

上条「弱っ!?あぁいやごめんベルギーの人!」

レッサー「『ドイツが強くてベルギーがアホだった』と私は思っています。5月28日にレオポルド3世は降伏。三週間弱ですね」

上条「真面目な話、ドイツが強かったのか?イギリス・フランス軍がいたんだろ?」

レッサー「共同歩調が取れなかったのが最大の原因ですね。件の中立国として奮うのに熱心なあまり、戦争前には他国との武官との接触も禁じられていました。

レッサー「よって平時でも意思疎通ができていないのに、戦時で通じるわけがないです。しかも派遣されたイギリス軍ですら逃げ出すのがギリギリだったぐらいです」

レッサー「しかも逃がせたのは人だけ。大量の武器弾薬をプレゼントしてしまうという大失態」

上条「どっかで聞いたような話だよな。ウクライナだっけ?」

レッサー「あとこのレオポルド3世、徹底抗戦しなかったと国内外からは不人気です。特にイギリスへ亡命したベルギー亡命政府が『国王ではない』と言ったり」

上条「それ……あんま好きじゃないな。国に残って国民を見るのだって戦いじゃねぇのかよ?」

レッサー「まぁ勝てば官軍ですからね。私は個人的に『ベルギーが連合軍に入れなかった』のが不満だと思うんですけど」

上条「なんで?戦ったよな?」

レッサー「フランスではド・ゴールが海外へ逃げて反抗勢力立ててますからね。海外へ脱出したベルギー人と軍属も戦っているんですが、同じ扱いにはさせてもらえなかった」

レッサー「ついでに言えばレオポルド3世の中立国路線も結果的には大失敗。彼の責任を問いたくなる気持ちも分かります」

上条「はい、質問」

レッサー「はいな、なんでしょうか?」

上条「レオポルド2世の時も思ったんだけど、どういう政治システムになってんの?ベルギーって議会ないの?」

レッサー「議会はありますよ。それこそベルギーとして独立ときからずっと存在しています」

上条「だったら王様一人に責任被せるのっておかしいんじゃないの?中立国政策も一人でやったんじゃないよな?」

レッサー「それにつきましては複合的な要因があります。一つ目が1929年の世界恐慌」

上条「恐慌……不景気で何が?」

レッサー「既存の政治体制への不信ですね」

上条「だからなんでだよ。ベルギー一国だけどん底だっていうんだったら、そりゃ政治が悪いんだろうけど他の国でも同じなんだろ?」

レッサー「いやそれが中々全体を俯瞰する人間は少なく、全部の責任が自分の国の為政者のせいだっていう人もいます」

レッサー「それにつけ込んで理想論を唱え、現実的な施策を出さずに口先ばかりでヘイトを集め、一国の元首になった人がいますし」

レッサー「ご存じですか?その人、アドルフ=ヒットラーっていうんですけど」

日本「日本じゃ結構見るわ。ヘルシン○やスプリガ○とか」

レッサー「まぁそれでなくもどこか遠い国の誰かさんが悪いというより、我が国の目に見える対象を憎悪した方が”楽”ですからね」

レッサー「なので国王の発言力だ相対的に高まった、というかベルギー議員がおもねったのがまず一つ」

レッサー「次にベルギーが敗れドイツへ降伏した際、閣僚達がイギリスへ亡命して政権を立てていました」

レッサー「その人達は曰く、『レオポルド3世は国王じゃない!ベルギーは降伏なんかしてない!』と主張しますよね?」

レッサー「そして戦後亡命政権を立てていた彼らが帰国し、誰か一人に責任を被せなければいけない……さて誰に?と」

上条「あー……」

レッサー「そんな訳でレオポルド3世の評価は散々。彼がベルギーへ帰還の是非も国民投票にかけられ、結果は賛成が57%。結構ギリでしたが、民意は民意です」

レッサー「まぁ流石に帰国後もいたたまれなくなり譲位、息子のボードゥアン1世への引き継がれました」

レッサー「んでベルギーは中立国路線を転換、NATOに加盟しEUの一員になっていますとさ」

上条「良かった……反省したんだな!」

レッサー「なおベルギーはニュークリア・シェアリングをアメリカ軍と結んでおり、自国内に核兵器を配備しています」

上条「え、なんで!?」

レッサー「核兵器を持ったアメリカ軍がおり有事の際には使えますよ、ってことですね。勿論アメリカの同意がなければ無理ですが」

レッサー「はっきり言って日本よりも遙かにアメリカの軍事力に依存した政策を採っています。まぁ今でも必要かどうかは別の話ですか」

レッサー「しかしながら”歴史的に”ベルギー中立国をぶん投げたのも事実。やはり力がないと不幸になります」

上条「ふー、長かったな!ありがとうレッサー!ベルギーさんの黒歴史がよく分かったぜ!」

レッサー「おぉっと!さっき横に置いておいた爆弾を避けようとするとはやりますねコノヤロー!だがスルーしようたって許しませんよ!」
(※このあとはさらにキッツいもんになるのでくれぐれも自己責任でご覧ください)

上条「もうお腹一杯なんだよ!だってこれ見てる人は『あ、ベルギーだ』から『あ、路肩国家の二枚舌ベルギーさん乙』って思うようになってんだよ!」

レッサー「その認識の方がより酷いと思います。そして今ベルギー本国では言語戦争も起きているんですが、まぁそれはさておきましょうか」

レッサー「ともあれ第二次世界大戦終盤、最悪のイベントとして日本への核投下があります」

上条「イベント言うなよ!今も後遺症で悩んでる人いるんだぞ!」

レッサー「その台詞そのものが『長生きできてよかったね』、なんですが。まぁ深くはツッコまないとしてマンハッタン計画ってご存じで?」

上条「そのくらいあるわ。アレだろ?核兵器コッソリ作りましょうって話だろ?」

レッサー「正解!では続きまして第二門!核兵器の原料は何でしょかっ!?」

上条「ウラン、だっけ?」

レッサー「凄いですね!ならば三問目!どこから採っているでしょうか!?」

上条「あー……カナダ、だったような気がする。大統領が言ってた、ような?」

レッサー「そうですね、”現代は”そうですね――なら、最終問題です」

レッサー「第二次世界大戦前後、ぶっちゃけマンハッタン計画で使われたウランを採っていたのはどこから……ッ!?」

上条「どこって、ノーヒントで分かる訳が」

レッサー「ヒント、『横に置いた一発目の爆弾』」

上条「――ってまさかコンゴ!?」

レッサー「――ピンポーン大・正・解!正解した上条さんにはロンドン市民権(※最近超治安悪くなってる)を差し上げましょう!」

上条「いらないです――え!?コンゴってお前、あの!?」

レッサー「えぇまぁベルギー領コンゴのシンコロブエ鉱山ですな。ユニオン・ミニエールってアメリカ・イギリス・ベルギーの合弁会社が独占していました」

上条「また出がったな悪魔め!予想を裏切らない頻度で顔出しやがって!」

レッサー「なのでもしもの話、ベルギー領コンゴがウランを売らなかったら核兵器の生産は間に合わなかった”かも”しれないというのがまず一つ」

レッサー「そして核兵器の使用後、国際世論から『これやり過ぎじゃね?』とウランの売買が厳しくなったにも関わらず、普通に安価で英米に卸していましたとさ」

上条「……何やってんの?核兵器作る分には、まぁ分からないでもないけど、その後何やってんの?」

レッサー「私としても『それはあんまりだろ』と思わなくもないですが……そのコンゴの会社は確か1966年頃になくなっています」

上条「あー、潰れちまったん?」

レッサー「コンゴが独立後に独裁的な大統領が現れ、全ての会社を国有化してしまったので……まぁ結果的にシンコロブエ鉱山は廃鉱と相成りました」

上条「それはそれでどんなオチだよ」

レッサー「しかし16年ぐらい前、ウランが長年に渡って盗掘されていたと判明。その行き先は未だ分かっていません」

上条「地獄か。国際社会の闇が深すぎるわ!」
(※まぁまずイラン)

レッサー「なお当時同ウラニウム鉱山を掘っていた労働者は装備なども全然しておらず、ブラックな環境で大勢の人間が健康を害しています」

上条「うん、何となく分かってたんだ。ていうか薄々そんな気はしてたんだけど、全然反省してないよね?ベルギーさん、クソほども反省してないよね?」

レッサー「まぁ流石に植民地での、しかも複数の政府が極秘に関わっていた秘密計画の責任を取らせるのは無理かなと」

レッサー「そして二番目の爆弾、シアーハートアタッ○の方ですが」

上条「吉良吉○じゃねぇよ……ルワンダ?あぁもう嫌な予感しかないけども!」

レッサー「まず基本的な植民地政策のおさらいとしましょうか。まず現地の勢力、反政府・反体制側に武器を武器を貸したりプレゼントをします」

レッサー「そうして国内が超混乱した後、全然関係無いフリをしながら平定して『おめでとう!貴君らは今日から偉大な大英大国の一員だ!』と」

上条「時代がまず狂ってるよな」

レッサー「いえまだ話は終わっていません。この後にはこう続くわけですよ――」

レッツー「――『だが貴君らには非常に残念な報告がある!我らが帝国には貴君らのような裏切り者は相応しくないのだよパパン!』」

上条「まぁ……国売った連中が新しい国に忠誠尽すわけがねぇしな」

レッサー「えぇまぁ強くは否定出来ないですし、当時の価値観からしても論外であるコンゴ自由国なんて例もありますからね」

レッサー「一応の建前として『文明化させてあげる』という超上から目線のお題目もあったりします。建前ですがね」

上条「それで?ベルギーさん、今度はルワンダで何やっちゃったの?」

レッサー「発端はベルギーではなく、ドイツ領であった頃のコンゴですね。まずドイツ帝国が『ハム仮説』ってのをやらかします」

上条「ハム……?加工肉のアレじゃないよな?」

レッサー「一言で言えば”言語的な形を取った優生学”ですな」

上条「お前、それっ!」

レッサー「反論があるのであれば最後まで聞いてから伺います。まず、超長い上に私は言語学の専門家ではないため、間違いがあるかもしれないで、ご自分で調べるのもいいでしょう」

レッサー「19世紀のヨーロッパではルワンダ周辺に住む三民族をこう考えていました」

レッサー「一番古くから住んでいたのはトゥワ民族。彼らは狩猟を主とする民族で、大体紀元前3,000年ぐらいですかね」

レッサー「次に住みついたのが農耕民族のフツ族。ここは10世紀ぐらい」

レッサー「そこから数百年程経って牧畜民族、エチオピアから来たツチ族が住みだし、彼らは先住民であったトゥワ・フツ族を支配下に置いた。これがルワンダ王国である、だそうです」

上条「聞いたことある名前だな。あぁルワンダ紛争の原因ってそういうことだったのか」

レッサー「――っていうのは、まるっきり事実ではありませんでした。トゥワ・フツ・ツチ、全員がほぼ等しくバンドゥー系民族です」

上条「――――――は?つーか、あれ、はぁ?」

レッサー「現在では遺伝子解析の結果、ツチ族もエチオピア系”ではない”というのが判明しました。よかったですねー」

上条「あぁうん、そりゃよかった?いやいや待て待て、だったら今の謎歴史は何なんだよ?ルワンダ王国で伝わってきた歴史かなんか?」

レッサー「いいえ、そういう風に”分類”されたんですよ。民族がですけど」

上条「ちょっと何言ってるのか分からないな。どういう?」

レッサー「あー、じゃあベルギー領ルワンダでの民族設定方法を試してみましょうか」

レッサー「『――ちょっとすいません。あなたは牛を何頭飼っていますか?』」

上条「『俺?あー、三頭ぐらいっすかね?』」

レッサー「『はい残念!あなたは支配される側のフツ族ですね!今日からあなたとあなたの家族はフツ族ですよ!』」

レッサー「『支給されるIDカードには……フツ族っと書いておきましたからね!無くさないようにして下さいね!』」

上条「あの、レッサー、さん?精神が安定するお薬を過剰摂取したりとかしてない?」

レッサー「いいやマジでそうなんですよ。ベルギー領では牛の数でツチ族かフツ族か決めてたんです」
(※実話です)

上条「……なんで?」

レッサー「いやいや決まってるじゃないですか!今さっき言ったようにツチ族はエチオピアから来た支配階級なんですよ!彼らがフツ族とトゥワ族を支配するのが正しい姿じゃないですか!」

レッサー「王権は形骸化!各地の首長はツチ族で独占!公立教育もツチ族だけでいいですよね、だって彼らは支配するための民族なのですから!」

上条「たった牛10頭持ってるかどうかで待遇変んのかよ!?しかも極端だな!?」

レッサー「他には身長が高くて体型がスマートなのがツチ族、低くてふとましいのがフツ族。肌の色が薄いのがツチ族、濃いのがフツ族。そんな感じです」

上条「いや、お前そんなんで決められるはずが……」

レッサー「なんでそんなアホみたいなことをやらかしたかと言えば、その元凶がハム仮説です。まぁ当時の世相を凝縮したような悪夢とでも言いますか」

レッサー「旧約聖書にはこんな言葉があります――『カナンは呪われよ。彼はしもべのしもべとなって、その兄弟たちに仕える』」

レッサー「これはハムの息子カナンが呪いを受けた、というシーンなんですよ」

上条「だから待てって。俺たちが話してるのは民族の話であって、宗教の話をしてる訳じゃ……」

レッサー「いいえ宗教ですよ?だって当時の主流的な考えでは『ネグロイドとはコーカソイドによって文明をもたらされた人種』だったんですから」

上条「文明?文明っていっても色々あんだろうが。そもそも言葉だって違うし、DNA的にはアフリカから世界へ人類が旅したんだろ?」

レッサー「いや違うんですよ上条さん、それで確定してしまうんですよ――だって聖書に”そう”書いてあるんですから」

上条「………………は?」

レッサー「ドイツ帝国、ベルギー王国もカトリック教圏。だから”そう”現実を解釈したんですよ」

上条「待て待て、いやだから、だって、それは、流石に」

レッサー「白人である”コーカソイド”が、有色人種の黒人である”ネグロイド”へ文明を教えてあげたと」

レッサー「そして聖書にも書かれている通り、彼らは白人に仕える運命だそうですよ――」

レッサー「――って感じで、”””聖書の記述を現実へ当て嵌めたのがハム仮説”””なんですよ」
(※当然現在は否定されています)

レッサー「人類学が成立した時代では『人類とはアララト山にたどり着いたノアの子孫である白き善き人』というのが”””定説”””だったんです。いやマジで」
(※マジです)

上条「えっと……はい?」

レッサー「繰り返します。聖書の記述を現実に当て嵌めようとしてたんです。当時はそれがスタンダード」

上条「………………これ、100年ちょっと前の話なんだよな?何百年前の話じゃなくて?」

レッサー「仰りたい気持ちは分かりますが、ここまで狂った植民地統治をしたのはそうそうないですからね。全部を一緒くたにしないで頂きたい」

上条「……マジで信じてたの?ベルギーとドイツ?」

レッサー「それ以外でも大概そうでした。カトリック教圏は言わずもがな、プロテスタントでもかなりの数」

上条「なんでだよ。プロテスタントって穏健派……じゃ、ないのか?」

レッサー「『バチカンを否定したで必ずしも穏健だと限らない』んですね。ある意味プロテスタントの方が原理主義的なところもありますが」

レッサー「これが植民地支配のための体裁という説もあります。少数派だったツチ族を自分たちの味方に、というか現地の支配するための奴隷頭としてですね」

レッサー「しかしそれをするのであればアホみたいな方法で民族を分ける必要すらなく、適当に部族を雇うだけでよかったんですよ」

レッサー「少なくともベルギーは政府・教会、そして企業が植民地経営にとても”熱心”でしたね」

上条「……でも、本当は違うんだろ?人種とかって」

レッサー「トゥワ・フツ・ツチの三民族はほぼ同じ宗教、文化、言語、更にはそれらの民族どうしで婚姻も普通にしていますし、民族の違いではなく部族の違いだったかと」

レッサー「そもそも”背が高い”アフリカ人なんて幾らでもいる上、ネグロイドにしたってアフリカ大陸広いのに一括りになんかできっこないですし」

レッサー「そうですなー……アラブ人って人種的にはどこへ入ると思います?一般的にアラブ半島に住んでいる人たちですが」

上条「アラブなんだから、アラブ人種?まぁ有色人種なのは間違いないだろうけど」

レッサー「人種的に彼らはコーカソイド、ぶっちゃけ白人ですね」

上条「はあぁ!?そうなの!?」

レッサー「そもそも白人と有色人種という分類分けはもう使われていません。見た目だけが人種に直結するという考えは、遺伝学で完全に否定されています」

レッサー「過去の歴史からすればアラブ人は有色人種、そして時には黒人として見なされていた時代もありました。私が言ったんじゃないですよ?」

レッサー「しかし遺伝的な形質を調べてみると、アラブ人も『アラブ系の特徴(DNA)を持ったコーカソイド』なんですよね」

上条「でも白人、うん、俺の知ってる白人と違う……!」

レッサー「上条さんはモンゴロイドへ分類されていますけど、同じインディアンでもアメリカのインディアンやインドネシア辺りとは違いますよね?」

上条「そっか……インドも違うしな」

レッサー「あ、インド人はモンゴロイドと違います。コーカソイドです」

上条「もう何が何だか分からないよ!?有色人種のコーカソイドってどういうことだ!?」

レッサー「まぁ優生学っぽい学問モドキで作られた分類でしたからね。そもそも何代か陽射しの強い地域に住んで、混血すれば元の特徴なんぞぶっ飛びますし」

レッサー「ユダヤ人、一般的にユダヤ人といわれて思い浮かべるアシュケナージもまた、実はコーカソイドでして……」

レッサー「アホのヒットラーがかました人種差別も、実はコーカソイド(ドイツ人)が同じコーカソイド(ユダヤ系)を差別した、という話に……!」

上条「もう何が何だか分からないよ」

レッサー「そして極めつけはフィンランド周囲のフィン人、彼らのDNAを調べてみたらモンゴロイドの特徴も色濃く残っていたと」

上条「スゲー北まで行ったな俺たちの遠い親戚!あ、でもイヌイットとかいるし、そんなにおかしくもないのか……?」

レッサー「そもそもネグロイドは黒い人、モンゴロイドはモンゴル人系、オーストラロイドはオーストラリア系という名付け方なのに」

レッサー「コーカソイドは『出エジプトを果たしてコーカサス山へたどり着いた人たち(の末裔)』と、宗教色丸出しのネーミングですし」

レッサー「まぁベルギーだけではなく、この時代にはどの国も似たり寄ったりでしたが」

上条「なんつーか……ベルギー、なんっっっっっっっっっっっっも反省してやがらねぇな!」

レッサー「ちなみにこのハム仮説を最も主張していた、つーか率先して乗っかっていたのがベルギーのカトリック聖職者です」

上条「うわぁ……」

レッサー「更に余談ですが、戦国時代末期に日本と朝鮮へ来たイエズス会宣教師フランシスコ=カブラルは『日本人は黒人である』と」

上条「なんでだよ。別に黒人認定が蔑称だとは思ってないけど、明らかに違うだろ」

レッサー「まぁそのぐらいの認識だったと思いますよ。そんな訳でベルギー統治下のルワンダもまぁ酷い事に」

上条「……レオポルド2世だっけ?その人はその人で大問題だけど、それ以後に勝手に人種分けしたベルギーの方がタチ悪いと思うわ」

レッサー「同感ですかねぇ。まぁその支配ってのも盤石ではなく、第二次世界大戦後には潮目が変りましてね」

レッサー「少数民族のツチ族にフツ族が支配・搾取してる現状を、『フツ族可哀想……』と」

上条「でも待て騙されるな!ツチ族の更に上へ立って搾取してるのはベルギー人だ!」

レッサー「ですから私に言われたって困りますよ!多数派を応援すれば安定すると思ったんじゃないですかね!」

レッサー「まぁでもルワンダからの、つーか多数派のフツ族からの突き上げは変りません!見事1961年にルワンダ共和国として独立を果たします!」

レッサー「この前後にツチ族は周辺国、主にウガンダへ難民になったりしてます。勿論残る人も多かったですが」

レッサー「で、この各地に散った人ツチ族が武装組織を結成してルワンダへ攻め込んだり、かと思えばフツ族が官民挙げて反ツチ族のプロパガンダをしたり」

レッサー「まぁ……えーっと、虐殺で何があったのかと言えば、フツ族がツチ族を大量に殺しました。中には穏健派フツ族やPKOのベルギー兵も含まれます」

レッサー「殺された人間は約50万人から100万人、大体1割がフツ族であったと言われています。ここら辺は調べられていないので何とも」

上条「一応聞くけど……きっかけって何かあったのか?」

レッサー「直接のはルワンダ大統領の乗っていた旅客機が撃墜された事件ですね。同機内には同じフツ族のブルンジ大統領も同席していたのが痛かったです」

上条「誰が犯人?」

レッサー「不明ですね。ただ現在ルワンダ大統領はポール=カガメというツチ族の軍人です。ルワンダ愛国戦線を率いてルワンダ虐殺に介入、軍事的に掌握して、という」

上条「なーんかそれはそれでモニョるわー」

レッサー「しかし虐殺の手口が組織化されていたり、最初の数日で犠牲者の多くが出ていたり。国軍と民兵が連携していたという話すらもあります」

レッサー「加えてフツ族聖職者が虐殺に荷担した容疑で逮捕もされています。根が深い」

上条「正直『なんで?』って思うんだよな。今はどうなの?ルワンダって」

レッサー「それなりにはまぁ安定しています。比較が他のアフリカ諸国ですけど、教育も女性の社会進出も上の方です」

上条「あー……日本よりも上なんだっけ?」

レッサー「男女平等ランキング()はアフリカ勢がそこそこ高いんですけど、そんなに気にする必要はないですよ?あれは作ってる意識高い系の人たちが、自分達を上位にしてマウントとるためにやってんですから」

上条「でも数字は数字じゃないのか?女性の国会議員の数とか」

レッサー「ルワンダでは全体の30%以上だと決められて、何年か前は半数になったとか記事で読みました――が、これって誉められるべきでしょうか?」

上条「なんで?」

レッサー「それに対する答えも『なんで?』と返しましょう。上条さんは『なんで』ルワンダ、ひいてはアフリカ諸国で女性進出が進んだのかご存じで?」

上条「……思いつきもしなかった。なんかこう、植民地から新しく国を建てるのに法整備をしっかりしたり、みんなが男女平等に深い理解がある――」

上条「――なんて、まともな話じゃないんだよな?」

レッサー「仰る通りです。答えは単純明快、”””内戦か戦争が男が死にまくったので女性が働くしかなかった”””のが主な原因です」

上条「あー……うん、あー」

レッサー「――って上条さんは私に言われて『あぁそうなのか』って納得しましたか?」

上条「な、なんだよ。嘘だったのか?」

レッサー「ではないんですけど。『じゃあどうして女性は内戦で死ななかったのか?』って疑問が出て来ません?」

上条「兵士が男性だから?」

レッサー「いいえ違います。【!とあるコンプラ違反!】からです」

上条「……あぁ、そういう」

レッサー「対立する部族の男に利用価値が無いのに対して、女性は……ですからね。例外もありますが」

レッサー「またその、えーっと……全部伏せ字かそれに準じることもあるので、これ以上はお話しできません」

上条「いいか!調べてほしくないから関連する単語は書かないぞ!本当に心を病むんだよ!」

レッサー「そしてまたルワンダは父系制が強い地域でもありまして以下略!」

レッサー「――さて、そんな歴史的経緯の元に女性の社会進出が果たされたルワンダですが、これは誇らしいことでしょうか?国民として胸を張れますか?」

上条「大掛かりな詐欺だよな」

レッサー「常識を疑えは言いませんが、まぁそういう話もあるってことで」

レッサー「なおこのルワンダ紛争でフランスはフツ族、アメリカや一部の国家(がツチ族というかルワンダ愛国戦線に肩入れしていたという事実があります」

上条「……イギリスさんは?今回イギリスさんは悪い事してないの?」

レッサー「ルワンダ虐殺に関して”だけ”は無関係です!私も調べていてビックリしました!」

上条「あぁうん良かった。『実は裏で操ってるんですよ!』とか言われたら、『あぁやっぱり』って思うところだった」

レッサー「良くないじゃないですか。超イメージ悪いですね」

上条「しかしまぁ……ベルギー凄いな!よく文明国名乗れんな!」

レッサー「ここまで酷い例は……なくはないですけど、それにしたってあんまりですもんね」

レッサー「えーっと、あとは……虐殺を主導したルワンダ人フツ族民兵+元ルワンダフツ族正規軍が、今度はコンゴ共和国で反政府組織となって活動」

レッサー「そして同じくルワンダ愛国戦線から漏れたウガンダ系ツチ族民兵もまたコンゴで反政府組織として活動」

レッサー「彼らから自分達を守るマイマイという民兵組織もコンゴで活動しています」

上条「サークルじゃねぇんだからさ。もう民兵同士モノポリーかなんかで平和的に戦争したら?」

レッサー「なおどの組織も子供を【!とあるコンプラ違反!】し、少年は少年兵に仕立てています」

上条「最低だな。てか最低を競い合ってどーすんだ」

レッサー「なんで主役のベルギーさんなんですが、彼らは虐殺前にルワンダにいたんですよ。PKOでですね」

レッサー「というのもツチ族系の愛国戦線がウガンダで立ち、政情が不安定になってたんですね。なので治安維持の名目で駐留していました」

レッサー「しかし実際に起ったのはフツ族の虐殺、流石にヤバいと思って学校に逃げ込んだツチ族約2,000人を守っていたんだそうです」

レッサー「――が、日に日に悪化している情勢に耐えきれず、ツチ族を放り出して撤退しましたとさ」

レッサー「ベルギー人は勇敢ですね、逃げる勇気をお持ちなのですから。私だったら残された児童が何をされるのか、怖くてその場から動けないでしょうが」

上条「……さっきも言ったけど、レオポルド2世も酷いは酷いよ?像も引き倒したりする気持ちも分かるさ」

上条「けどルワンダの話って現在進行形だろ?民兵とか本当は同じ民族同士で意味も無く殺し合ってるとか、そっちの方が罪深くないか?」

レッサー「と、私は思うんですけどねぇ。今のベルギー国王がコンゴに関しては『遺憾だ』と初めて言ったそうですが」

上条「てかなんとかしてあげてよ!?責任取ってあげて!」

レッサー「それがですねぇ……こう、前ルワンダのフツ族正規軍&民兵が周辺諸国へ逃げ込んだんですよ?そこで反政府組織を結成して暴れたりしています」

上条「それって……何とかなんないの?」

レッサー「できるんだったらやってます。そしてやれたんだったら第一次・第二次コンゴ戦争は起きていません」

上条「業が深いぜ……!」

レッサー「――と、言うわけでベルギーさんの黒歴史は如何でしたでしたでしょーかっ!一切盛っていませんよ!」

レッサー「いやー、『ベルギーが前よりも好きになった』って声が聞こえてくるようですねっ!いやー、いいことした後は気持ちがいいです!」

上条「そんなんいたらヘンタイだよ。もしくはB級映画をこよなく愛する癖(へき)の人だ」

レッサー「――そして最後に一つ、というかお知らせがあります」

上条「はい?HP閉鎖してくれるの?」

レッサー「ルワンダ、2009年にイギリス連邦入りを果たしまして。今は我が同胞の一部となっております……ッ!!!」

上条「やっぱ悪いのお前らじゃねぇか!?なんかやったんだろ!?じゃないとほぼ独裁国家がイギリス連邦に加盟するなんてありえねぇよ!?」

レッサー「いや別に?なにもしていませんよ?私のこの曇りなき眼を見てください!」

ランシス「……あ、目が腐ってる……」

フロリス「ちなみに補足するとダ」

ベイロープ「今のルワンダ大統領と彼を支える武装組織、ルワンダ愛国戦線が元々本拠地としていたのがウガンダよ」

ベイロープ「ウガンダはイギリスの旧植民地、現イギリス連邦の一つ」

ベイロープ「ルワンダ虐殺の4年前、ルワンダで組織的テロをしてフツ族数十万人を殺害し、政情不安定とツチ族へのヘイトが高まれ」

ベイロープ「つーかイギリスが支援してた組織がルワンダ虐殺の原因の一つなのは間違いないわね」

上条「『おとーさんー、おさーとん!魔王ーが−、来るーよー!』」


-終-
(※盛っていません)


――『最近のベルギー王室がgdgdな理由』


レッサー「えーとまずですね、ベルギー王室は1991年に男系男子から長子制へと変更しました」

上条「男系男子は日本と同じだよな。長子ってのは男女関係なく?」

レッサー「そうですね、男女同権という意味で議会が決めました。まぁ若い王室ですからフレキシブルなのでしょう」

レッサー「ともあれこれで人生を狂わされた、というか割を食ったのがロラン王子(57歳)。現国王フィリップ国王の弟さんです」

上条「前は?」

レッサー「ロラン王子の兄(現ベルギー国王)と父(前ベルギー国王)に次いでの第三位でした。年の差が三歳ですし、まぁワンチャンあるかな?と」

上条「三歳だったら普通に寿命来そうだけど」

レッサー「ベルギーは何代かに渡って譲位されてますんで、その流れでいえば可能性はあります」

レッサー「しかし長子制へ変更した今、ロラン王子の継承順位は14位です」

上条「下がりすぎた!?ワンチャンどころか絶望的だな!」

レッサー「長子制というのはロラン王子の子供、また継承権がなかったロラン王子の姉とその子供の方が、より継承順位は高くなってしまいまして……」

レッサー「例えば兄や姉が子供を作れば作るほど、更にその子たちが子を作って孫が量産されればされるほど!ロラン王子の継承順位は下がっていく()という鬼仕様に……!」
(※現時点で姉の第1子の子供(4歳・継承順位7位)より下)

上条「ちょっと可哀想だよ。いや、本人が王様になりたいかは分からないけどさ」

レッサー「で、まぁグレましたロラン王子(57)。二年ぐらい前に在ベルギー中国大使館のパーティ、それも人民解放軍創設90年記念式典へ無断で出かけ」

レッサー「パーティの様子をツイッターへ投稿してバレ、議会に歳費を減額されています」

上条「何やってんだよロランさん(57歳)。子供か」

レッサー「なおその際に『縛りばかりの人生で、私には職業選択の自由もなかったポイズ○』と議会へ書簡を送ったそうです」

上条「バカなのかな?いやポイズ○は言ってないだろうが!」

レッサー「まぁ同情はしますけどねぇ。今まで『お兄さんに何かあったらあなたが国王なんだから』と言われ続けたのに、ある日を境に14位ですから」

上条「だからって議会に内緒で行くなよ。今の世界情勢じゃ非難囂々だろ」

レッサー「そしてその長子制に割を食った、というかかなーり微妙なのが今の王族に何人か居まして」

レッサー「一例を挙げますと継承権第10位のジョアキム王子(28歳)です。まぁ都市封鎖中の5月末にスペインへ恋人のパーティ行って新型コロナもらってきました」

上条「やっぱりバカなのかな」

レッサー「一応彼は継承順位で言えば”元”第四位、しかも男子としては二番目だったんですね。それでまぁ期待もあったんですが」

上条「何をどうすれば10位にまで下がるんだよ」

レッサー「現国王が晩婚の方でしてね、第1子兼現在継承順位第一位であるエリザベート王女が生まれたのが2001年、40歳のときの子です」

上条「……晩婚がブームなのか?」

レッサー「男性で王族なので色々あります。現にロラン王子も第1子は2004年に誕生されましたし」

上条「あー、うん」

レッサー「なのでこう、ベルギー王室の方は『どんどん継承順位が下がっていく』のに対し、モチベーションが保たれていない、と私は思っています」

レッサー「確定してない分だけ身分が曖昧になり、どういった行動を取っていいのか微妙になったり」

上条「余所の国のパーティはともかくもロックダウン中に余計なことカマして感染したのはダメだよなぁ」

レッサー「変に意識高いを抉らせてみたりですね。ベルギーはカトリックがほぼ国教扱いなので、同性愛者だと噂が出るだけでダメージが受けます」

レッサー「しかしだというのに同性婚が確かEUで二番目(オランダの次)に認められたり、妙にユルかったりもします」

上条「謎だな」

レッサー「現在ベルギーが抱える問題としては『言語戦争』という課題があります」

上条「戦争?穏やかじゃないな」

レッサー「実際に穏やかでは”なかった”ですね。色々と事情がありますが、まずベルギーの公用語は何でしょうか?」

上条「べ、ベルギー語!」

レッサー「はい残念そんな言語は存在しません!あぁまあフラマン語がそうかもしれませんが、その意味ではないでしょうからハズレです!」

レッサー「一番多く使われているのはフラマン語!国民の6割弱が話すベルギー訛りのオランダ語です」

レッサー「残りの3割がフランス語を話すワロン人、それ以外がドイツ語だったり両方だったりします」

上条「はーい、レッサーさん質問!ベルギー人のエルキュール=ポワロさんがフランス人扱いされるとぶち切れるのはなんでですか!?」

レッサー「当時の世相として『ベルギー=元オランダ』という認識が強いため、フランス系ベルギーのポワロさんは嫌がった的な感じですね」

レッサー「『○○語を話すから○○人』というのは、地球レベルで見れば少数派です。特に英語ですが!」

上条「それって植民地ガンガン作ってたせいだよね?じゃなかったら広がらなかったよね?」

レッサ−「でもそれ言うんだったらアルファベットはローマ帝国が支配地域へ広めたのが最初ですけどね」

レッサー「まぁそんな感じでありましたよグダグダな話が!だもんでベルギーさんの公用語はオランダ・フランス・ドイツ語の三つですね!」

レッサー「ですが当時はフランス語の方がよく多くの地域で使われていたため、フランス語が公用語でした!コンゴやルワンダも同じくです!」

レッサー「しかしながら世界大戦後、フラマン語を使う人々の地位向上が計られ、ぞれぞれの住む地域を公用語によって分けました!」

上条「地域によって分けた、ってお前それ」

レッサー「ですからフランス系のフランス語を話すワロン人、そしてオランダ系、つーかフランドル系でオランダ語を話すフラマン人が共同で暮らす国です」

上条「よくまぁルワンダで同化政策やったよなぁ!?自分のとこの本国ですらまとめられてないのに!?」

レッサー「実際そうですね。去年あった総選挙の前までは分離・独立党が第一党でしたし」

レッサー「ただその後、ベルギーでは不法移民による犯罪やテロが起り、彼らへ対して排除・対策をしようという政党が躍進しています」

上条「独立……できそうなの?」

レッサー「国としての独立100%無理っすなぁ。だってEUの欧州委員会とNATO本部がある国ってベルギーのブリュッセルですよ?」

上条「あぁじゃあ独立は難しいか」

レッサー「えぇ1993年にベルギーは連邦化してますし。もう既に割ってますからね」

上条「おいテメー今何つった?連邦?あのそんなに広くないベルギーで連邦?」

レッサー「はい、ですからフランス語地区、オランダ語地区、ドイツ語地区で分割されています」

上条「そこまでか?そこまで抉らせる必要があったのか……ッ!?」

レッサー「まぁでも住み分けてますし、これはこれで国家の形てすからね。ただ問題があるとすれば」

上条「す、すれば?」

レッサー「レオポルド3世の帰還を認めるかどうか、戦後ベルギーでは住民投票したっていいましたよね?」

上条「ギリで勝ったんだよな」

レッサー「あれの内訳、ワロン人が40%で過半数割れ、フラマン人では70%でかなり肯定的」

レッサー「なので今の王室自体、民族によって肯定的か否定的か変るって話も……」

上条「もう何か地元の人と結婚すれば?誰かいないのか」

レッサー「まぁ長子制のお陰で無駄に王室は増えていますが、反面昔と違って血族で政治をする時代ではないですからねぇ」

レッサー「その不要品リサイクルの一環として、環境団体やNGOの名ばかり代表なんかに就任することが多いです」

上条「それはそれで……」

レッサー「えぇまぁその国”だけ”の団体ならまぁ、なんですけど。国を跨いでますと『なんであの人偉そうなの?』って反発もあったり」

上条「あの……レッサーさん?ちょっといいっすか?」

レッサー「もうなんですか?人が折角いい気分になってベルギーの(アレな)歴史を語っているのと言うのに!」

上条「それが目的か。分かってはいたけど、何の意外性もないけど」

上条「……じゃなくてアレだよ。よく『海外の人って何ヶ国語も話せる!格好良い!』的なイメージがあるんだけどさ」

上条「それってもしかして『何ヶ国語も話せる』んじゃなく、『何ヶ国語も話せないと仕事にならない』って話じゃないの……?」

レッサー「国にも寄りますが、まぁそういう側面も強いですよね!それが何かあなたにご迷惑でも!?」

上条「コイツ……開き直りやがった!」

レッサー「勝手にそちらさんがこっちの事情も背景も知らずに勘違いされたんですからね!私たちの責任ではないと言ってきましょうか!」
(※そして中途半端な知識を宣伝した人間がいる)

上条「まぁ、そうなんだが……あれ?」

レッサー「なんですか上条さん、また因縁つけるんだったら相手になりますよ!」

上条「あぁいや因縁って訳じゃないんだけどさ。ベルギーって三ヶ国語、まぁ頑張ればフランス語とオランダ語だけ学べば90%以上の国民が意思疎通できるって話じゃん?」

レッサー「まぁそうですね」

上条「ならわざわざ行政区分変えなくっても、国民全体へバイリンガルもとい複数言語読み書き出来るような教育すれば、自然と同化していくような……?」

レッサー「……それができるんだったらやってんですよ。できないんだからやらなかっただけで」

上条「いや別に全員じゃないぞ?義務教育でそういう風にすれば半世紀ぐらいで一般的になってただろ?」

レッサー「ですから理想と現実は違うんですよ。バイリンガルだって”全員”出来るわけじゃないでしょう?」

上条「それ言ったらどこでも同じだろ。勉強できる人もいればできない人だっているよ!」

レッサー「そういう問題ですらないんですが、まぁいいでしょう。多少話はブレますがベルギー繋がりでテロ事案を少々」

上条「テロ?ベルギーって治安いいイメージあんだけど、そうでもないのか?」

レッサー「2015年に起きたパリ同時多発テロ事件では死者130人でしたが、そのとき何人かがベルギーに生活拠点を持つフランス人でした」

上条「隣だから?」

レッサー「ではなく。何かその当時のベルギーでは武器・兵器・弾薬への対応がザルで、そっから持ち込んでいたらしいんですよねるシンジケート的な意味で」

レッサー「正しくはシリア系フランス人のジハーディストですが」

上条「あー……そういう」

レッサー「自爆した実行犯の一人は旅券が偽造であり、シリア難民としてEUへ入って……というパターンで」

上条「ザルか」

レッサー「そのテロリストですらすんなり入れたのが、今思いっきり影を落としていますからねぇ。主に治安的な意味で」

レッサー「その翌年には首都ブリュッセルの空港でテロが起きていますし、どこまで後を引くかは分かりませんが」

上条「根本的な問題は移民なのか?それともベルギーに問題が?」

レッサー「どっちもです。”不法”移民がベルギーで武器を調達し、ベルギーやフランスを事件を起こす。これにはベルギー当局の能力が低い、という指摘もあります」

レッサー「警察が二極化、フラマン語族とワロン語族に分けられてしまい、それぞれの情報共有や協力体制が不十分だったと」

上条「あー……ここで返ってくんのかブーメラン」

レッサー「またこれは別に『ただのベルギー当局がクソ無能』という説もあり、こっちにはソースがつきました。具体的には議会への報告書です」

レッサー「テロリストが犯行を起こす前に一回逮捕されてたんですね。そのときに血判状みたいなのや計画書みたいなのも押収されて」

レッサー「更には『コイツテロリストかも!』って要注意者リストへ入ってたのにも関わらず、テロを未然に防ぐことかできませんでした」

レッサー「一部は逮捕されたましたけど、その直後に単独犯がAKやルガ、爆弾などを持って堂々と列車に乗り込めた話が」
(※実話です)

上条「なにそれコワイ」

レッサー「しかし”たまたま”居合わせたアメリカ人三人が取り押さえて事なきを得ました……ッ!」
(※実話です)

上条「『もしかして;対テロ要員』」
(※身元不明)

レッサー「ついでにいえばISISへ参加した戦闘員の数も推定400人を超え、国別人口比で見れば世界一です」

上条「……悪い方に、こう連チャンしてる感じがするよなぁ。もっと何とかならないのか?」

レッサー「こういう場合、我が国ブリテンの場合ですと女王陛下の元に等しく一つの国民となり得るのですが……」

上条「複数の言葉や民族がいる国では難しい?」

レッサー「通説ではむしろ逆だったんですよ?『多民族国家をまとめ上げるには王権がいいよ!』って感じの話はそこそこありました」

レッサー「しかしながらその”成功”したモデルケースであるベルギーさんの暗澹たるさまを見るに、ねぇ?」

上条「てか最初へ戻るんだが、ベルギーって国がグラついてんのは王族に原因があるのか?それとも国民?」

レッサー「正直”どっちも”と言えなくもないですかねぇ。戦後70年間ほど時間があったのに、ベルギーがしたことといえば連邦制の導入。民族の住み分け政策です」

レッサー「他のEU諸国で分離独立を唱えている地域からすればある種のテストケースです。勿論失敗例のですけど」

上条「行政区分を言語でぶった切っておいて多文化共生?何かのギャグか?」

上条「ついでにいえば政党もですね。フランス語○○政党、オランダ語○○政党と言葉によって政党が分かれています」

レッサー「そんでもってベルギーの国家スタイルは自分達のコミュニティ、つまりフラマン・ワロン”だけ”が身内でそれ以外は他人」

レッサー「国家としてまとまりに欠けるのは……まぁよくあるパターンで恐縮なのですが、平時はスルーされたりに戦争や恐慌で不満が一気に吹き上がってきます」

上条「……第二次世界大戦のときも、他の国との連携が取られていなくて負けたんじゃなかったっけ?」

レッサー「ベルギー軍単体としては健闘以上に頑張っていましたよ。しかし負けは負けですけど」

レッサー「まぁともあれ意識高い系ベルギーさんですが、その実中身はグッダグダです!名前とイメージだけで憧れないようにしましょう!」

レッサー「特にベルギー首都にしてEU・NATO本部のあるブリュッセルは70%以上が外国人!超治安悪いですから気をつけて!」

上条「このシリーズもうやめてくんねぇかな。心に来るんだよ!フイクションじゃない分だけ余計に!」


-終-

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