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コラム・楽しい世界史〜みんな大好きフランス海軍の流れ(第二次世界大戦編)〜


1.ナチス侵攻前は地中海を中心にかなりの大戦力を揃えてぶいぶい言わせる(当時世界二位、最大の仮想敵国イギリス艦隊への対抗)
2.しかしドイツは陸戦(機甲)部隊が主力だったため、何も出来ずに敗戦(この間わずか一ヶ月弱)
3.ほぼ無傷の海軍が次の命令を待っていると、イギリス海軍から攻撃を受ける(フランス海軍がナチスに接収されると困るため)


レッサー「ちなみにイギリス側としちゃ『ナチでもなんでも良いから蛙食い野郎の戦力削っとけ!』だったらしいですよ!合理的ですよねっ!」

上条「おいスーツ着た蛮族、自重しろ」

レッサー「甘いです上条さん!この後にまだ続くんですよ!」


4.「手心を加えたよ!本気じゃなかったよ!だって僕ナチ公嫌いだったもん!(意訳)」byジェームズ・サマヴィル,イギリス海軍中将(当時)


上条「あー……まぁそうだよな。戦争で負けてて、将来はもしかしたら同盟組むかも知れない相手には配慮するわな」

レッサー「でっすよねー、普通だったらそう思いますよねー……普通だったら」


○実際の戦果・被フランス側損害
戦艦4→3(1沈没、2中破)
大型駆逐艦6→6
水上機母艦1→1
戦死1,297名

○被イギリス側損害
戦闘機5機撃墜


上条「さっくり殺ってんじゃねぇか!ガチで落としに行ってるだろ!」

レッサー「てかウチらがガチで仕掛けたのが、それともフランス海軍が想定外に弱かったのかはよく分かりません」

レッサー「そして運命という名のネタ海軍は、更に私達を笑いの渦へ巻き込んでいったのです……!」

上条「ネタ言うなや!中の人は(多分)大真面目なんだからな!」


5.残った戦艦はフランスのトゥーロン(ジャン・バルジャンが入ってた設定の牢獄がある地方)の自由地区へまんまと逃げ延びる
6.トゥーロン入りした戦艦はヴィシー政権(ナチス支配下のフランス政権)へ組み込まれる


上条「やめてあげて!?フランス海軍のHPはもうゼロよ!」

レッサー「心配したとーり、てか期待を裏切らずフランス帰ってったんですね」

レッサー「ちなみに海外――まぁぶっちゃけ植民地とかにいた艦船はド・ゴール政権(海外へ逃げたフランス亡命政権)へ集い、粛々と嫌がらせをしていました」

レッサー「なんで役に立ったかと問われれば、まぁ役に立ったっちゃーたったと言えない事もないかも知れません」

上条「嫌々だな」

レッサー「なおイギリス側が危惧したように!ナチスはアントン作戦によりトゥーロンをも自軍の旗下へ入れようと目論みます!」

レッサー「しかしながら同地は偉大なるフランス軍勇士、約5万人がキャベツ野郎へ対抗しようと防備を固めていました!」

レッサー「奇くしも!そう、当時のトゥーロンはフランスに残された最後の自由地区であり、陥落すればフランス全土がナチスの手中へと収ってしまう――」

レッサー「――そんな、危機的状況だったのです……!」

上条「お前どうせ高く高く持ち上げておいて、地面へ叩き付けようってハラだろ?なぁ?」

レッサー「そして僕のカッケーフランス海軍!当時世界第二位の規模を誇っていた僕らのフランス海軍!」
(※実話です)

レッサー「更には植民地で武器を持たない女子供相手には世界最強との誉れ高きフランス軍!」
(※実話です)

レッサー「現代においてもPKOでNoCash&NoMercy児童売春を繰り返して問題になった最強フランス軍は私達の期待を裏切らなかったのです!」
(※実話です)

上条「いやあの、うん……何やったん?」

レッサー「無血開城しちゃいました☆」

上条「何やってんだフランス!?あぁいや何もしてねぇのか!最後の砦なのに!」


7.反撃の旗印に――に、なるかと思ったが、ナチスはある日接収を開始(1942年11月・アントン作戦)
8.最終的に官僚が時間稼ぎしている間に多くの戦艦を自沈させる(ドックへ入って修理中のは無理だった)


レッサー「これが仮想戦記ならば、トゥーロンにてフランス軍が誇りとともに戦い、大勢のナチ野郎を道連れにするんでしょーし?」

レッサー「そしてまたラノベならば、チート系主人公一人が無双()してトゥーロンが独立国になり」

レッサー「処女と幼女ばかりのレジスタンス()が結成され、国際世論()を味方に付け、世界規模の兵站援助()を受けるんでしょうが」

レッサー「ま、現実は得てしてこんなもんですな!」

上条「ありそうだから余所様の批判はするな!人それぞれだよ!」

上条「いやでもフランス頑張ったじゃんか!戦わなかったのはあれ?って思うけども、結果的には艦船沈めて協力させなかったんだし!」

レッサー「あー……ドイツの、あのー独仏休戦協定、てかドイツがフランスに勝った時の年って分かります?」

上条「えっと第二次世界大戦前だから、1900……40年前後?」

レッサー「正解。40年の6月ですな――で、アントン作戦は?」

上条「上のログに書いてあった……あぁ1942年の11月だろ……あれ?」

レッサー「お気づきで?」

上条「なんだろこれ、あれ……?ナチス、てかドイツはフランス海軍欲しかったん、だよな?」

レッサー「えぇはい、そういう”説”が主流ですね」

上条「二年、ブランクあるよな?正確には二年半か」

レッサー「ありますよねぇ」

上条「……本当に必要だったら、その間放置しなくね?」

レッサー「いや、必要じゃなかったんじゃないですか。逆説的に?」

レッサー「一説にはトーチ作戦(連合国側の地中海侵攻)で身近に迫ってきてるんで、ついでにトゥーロンも落としとけ、と」

上条「救いが……!救いがないなフランス海軍!」

レッサー「そもそも脅威だと思っていれば何を差し置いても殲滅するでしょうし、まぁそういうことかと」

レッサー「でもいけません!いけませんよ上条さん!私達はフランス軍の勇猛な伝説を子々孫々語り継がねばならないのです!」

レッサー「連合国側が枢軸国を打ち破らんと血を流して戦っている中!我らがフランス軍は堂々無血投降という偉業を成し遂げたのです!」

レッサー「そして忌まわしいナチスへ対し、5万人分の糧食を負担させ財政的に逼迫させるという大戦果を上げました!」

レッサー「――ですが!不思議に思われませんか!?当時のフランスはナチスに占領されているのに、どうして5万人のも兵士がいたのかを!」

上条「あぁ確かに――あ、もしかしてレジスタンスか?有名な!」

レッサー「ブッブー!違います!独仏休戦協定によりフランスは10万人の軍隊を持つのが許されていました!」

上条「……あぁそう、へー……え?」

レッサー「……えぇですから、当時のフランス軍の半数が集結していたにも関わらず、ご覧の有様で……」

上条「……無血投降?」

レッサー「――この様な出来事が何故起ってしまったのか、そう問われれば私はこう答えたいと思います――」

レッサー「――『だってフランス人だもの』と……ッ!!!」

上条「……あの、レッサーさん?フランス軍の死体蹴りはそのぐらいに、ね?皆引いてると思うからさ?」

レッサー「どうですか上条さんっ!こう最初っから笑いを取りに来ているとしか思えないネタ海軍の小話は!」

上条「うんまぁ、イギリス人がフランスをネタにしまくる気分は何となく分かったんだけどさ」

上条「そもそもの発端はお前らロイヤルネイビーがフランス海軍へ追い打ちかけたのも、結構な原因じゃないのか……?」

レッサー「あー、アレもですねー。実はあんまよくなかったんですよー、戦略的には失敗でしたなー」

上条「よくなかった?なんで?」

レッサー「やりすぎたらしくてフランス世論が一時的にナチスへ傾いちゃいましたテヘペロ」
(※本当です)

上条「繰り返し言おう、『お前らはスーツ着た蛮族』と!」

レッサー「でも多分攻撃仕掛けてた我々はノリノリだったと思います!反省はしていません!」

上条「もう、お前らは蟲毒でもしてたらいいんじゃないかな。誰にも迷惑かけずに」


(※そしてフランスが今も尚海軍を運用し、アメリカ以外で唯一の原子力空母を持つ”理由の一つ”が、なんかあったら海上封鎖=対イギリス戦を想定)
(※表向きは各地に広がるフランス領の防衛と言っていますが、そうするとわざわざユーロファイター蹴って空・海軍で使えるラファール開発する意味がなく)
(※またロシアのクリミア侵攻で流れましたが、空母を受注して東側へ流すなど中々イイ感じのコウモリ野郎です)
(※更に余談ですが両世界大戦中、フランスへ対しイギリスは艦艇から武器弾薬まで多種多彩な援助をしています)
(※あと私はフランス大好きです☆ミ)

 ……と、流石にここで筆を置いたら怒られそうなので補足しておきます。亡命フランス政権を率いたド・ゴールですが、彼の軍隊の6〜7割が植民地からの選抜、というか徴発された黒人でした。
 戦後徴用した黒人の多くがフランス国籍、つまりフランス人としての権利を得られたのは特筆すべき事であると私は考えます。文字通り血をかけて権利を勝ち取った例ですね。

 そして現代へ入り『フランス国民戦線』という”違法”移民の排他を掲げる政治団体があります。彼らについての是非、または善し悪しはご自分で判断されるのが宜しかろうと存じますので、私がここで語ったりはしません。
 ただ事実を事実として伝えるのであれば、その構成員には有色人種も多々います。彼らは代々フランスへ住んでいたのではなく、正式な手続きを踏んでフランス人になった者であり、前述した黒人も含まれます。

 またフランスでは王党派右翼(アクション・フランセーズ、共和制から王制回顧を唱えた一派)がいたのですが、彼らは第二次世界大戦中ヴィシー政権において、ドイツ協調路線を支持しました。よってフランスではファシストとして嫌われているのがですが……まさかその、ファシストと血を流して戦い市民権を得た兵士たちの子孫が、半世紀の時代を経てファシスト呼ばわりされる日が来るとは。
 どうにもままならないものですが、今年はフランス大統領選挙で誰が民意を得られるのかではっきりするでしょう。

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